JP2015099125A - 漏水判定装置及び漏水判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】住宅内に敷設された給水ラインにおける漏水の有無を、漏水の程度に応じて適切に判定する。【解決手段】ホームサーバが、流量の計測値を示す計測データを流量センサから定期的に取得して記憶し、計測データを読み出して給水ラインにおける漏水の有無を判定するための処理を実行する。当該処理は、直近の計測値が0を超えているときに開始され、2段階の漏水判定に分かれている。1段階目の漏水判定では、過去30分の計測値を示す計測データを読み出し、過去30分の計測値の標準偏差を算出し、算出した標準偏差と予め設定された第1基準値とを対比して標準偏差が第1基準値以下であるときには漏水が有ると判定する。2段階目の漏水判定は、指標値が第1基準値を超えているときに行われ、当該漏水判定では、過去24時間の計測データを読み出し、過去24時間における各計測値が0を超えているときに漏水が有ると判定する。【選択図】図7
Description
本発明は、建物の敷地内に敷設された給水ラインにおける漏水の有無を判定する漏水判定装置及び漏水判定方法に係り、特に、給水ラインの所定箇所における流量を計測する流量センサによる計測値に基づいて漏水の有無を判定する漏水判定装置及び漏水判定方法に関する。
住宅等の敷地内に敷設された給水ラインにおいて漏水が発生した場合、当該漏水を検出し、その検出結果を住宅の居住者や管理者等に報知しなければならない。一方、給水ラインには流量センサが設置されている場合がある。そして、給水ラインに設置された流量センサの計測結果に基づいて漏水の有無を判断する技術が既に開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1に記載の漏水判断方法によれば、水道事業者から住宅に供給される水量を計測する送水量メータから出力される水量信号を取得し、数日間分の水量信号を記憶する。そして、数日間分の水量信号の推移から、当該数日間において供給水量がゼロになった期間が有るか否かを判定し、ゼロになったときが無ければ漏水有りと判定することとしている。
また、特許文献2に記載の水道使用監視方法によれば、水道メータ検知ユニットから出力される水道使用状況検知信号に基づいて、例えば1日24時間を監視周期とする水道使用のパターンを生成し、この使用パターンの中から水道を使用していない時間帯を検知できない場合、水漏れの可能性を含む異常な水道使用を判別する。さらに、特許文献2に記載の水道使用監視方法では、異常な水道使用を報知するための信号を生成し、ユーザの携帯電話に向けて当該信号を送信することとしている。
ところで、漏水が発生した場合には、当然ながら可及的速やかに検出することが望ましく、特に、漏水が著しい状況では一刻も早く漏水の発生を検出する必要がある。一方で、特許文献1及び2の方法では、漏水の有無を正しく判定することは可能であるものの、漏水を判定するにあたり数日分又は24時間分の水道使用状況を把握することになるので、漏水判定に時間を要することとなってしまう。
また、漏水の発生については、迅速に検出するとともに、その検出結果を直ちに報知する必要がある。ここで、住宅等の建物において漏水が発生した旨を報知する方法としては、当該建物内に設けられた端末の表示画面に警告メッセージを表示すること等が考えられるが、建物内に居る人が上記の警告メッセージに気付かない場合があり、また、そもそも建物内に人が居なければ警告メッセージを表示したところで漏水の発生を知らせることができないことになる。
また、漏水の発生については、迅速に検出するとともに、その検出結果を直ちに報知する必要がある。ここで、住宅等の建物において漏水が発生した旨を報知する方法としては、当該建物内に設けられた端末の表示画面に警告メッセージを表示すること等が考えられるが、建物内に居る人が上記の警告メッセージに気付かない場合があり、また、そもそも建物内に人が居なければ警告メッセージを表示したところで漏水の発生を知らせることができないことになる。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、建物の敷地内に敷設された給水ラインにおける漏水の有無を判定する装置及び方法として、漏水の程度に応じて適切に漏水の有無を判定することが可能な装置及び方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、漏水の発生を検出した場合に、建物内の人の有無に応じて適切に漏水の発生を報知することである。
また、本発明の他の目的は、漏水の発生を検出した場合に、建物内の人の有無に応じて適切に漏水の発生を報知することである。
前記課題は、本発明の漏水判定装置によれば、建物の敷地内に敷設された給水ラインにおける漏水の有無を判定する漏水判定装置であって、(A)給水ラインの所定箇所における流量を定期的に計測する流量センサによる計測値を示す計測データを、取得する計測データ取得部と、(B)該計測データ取得部が取得した前記計測データを記憶する記憶部と、(C)該記憶部に記憶された前記計測データを読み出し、前記計測データが示す前記計測値に基づいて前記給水ラインにおける漏水の有無を判定するための処理を実行する処理実行部と、を備え、(D)直近に取得された前記計測データが示す前記計測値が予め設定された閾値を超えているとき、前記処理実行部は、(d1)直近の計測時刻から予め設定された時間だけ遡った第1期間中に計測した際の前記計測値を示す前記計測データを、前記記憶部から読み出す工程と、(d2)前記第1期間における前記計測値のバラツキ度合いを示す指標値を算出する工程と、(d3)前記指標値と予め設定された第1基準値とを対比する工程と、を有する前記処理を実行し、前記指標値が前記第1基準値以下であるときには前記給水ラインにおける漏水が有ると判定し、(E)前記指標値が前記第1基準値を超えているとき、前記処理実行部は、(e1)前記第1期間より長い期間であり前記直近の計測時刻から予め設定された時間だけ遡った第2期間中に計測した際の前記計測値を示す前記計測データを、前記記憶部から読み出す工程と、(e2)前記第2期間における前記計測値の各々と、予め設定された第2基準値とを対比する工程と、を有する前記処理を実行し、前記各々がいずれも前記第2基準値を超えているときには前記給水ラインにおける漏水が有ると判定することにより解決される。
上記の漏水判定装置では、流量センサの直近の計測値が閾値を超えているとき、直近の計測時刻から予め設定された時間だけ遡った第1期間中における計測値のバラツキ度合いを評価し、その評価値(指標値)が第1基準値以下である場合には、漏水有りと判定する。一方で、指標値が第1基準値を超えているときには、直近の計測時間から第1期間より長い期間だけ遡った第2期間中における各時点の計測値と第2基準値を対比し、当該各時点の計測値がいずれも第2基準値を超えている場合、漏水有りと判定する。
以上のように、上記の漏水判定装置では漏水判定を2段階で行い、1段階目の判定では、より少ない計測データから漏水の有無を判定するため、判定に係る演算処理がより簡略化される結果、より簡易的で、かつ、迅速な判定が行われることとなる。一方、2段階目の判定では、より多くの計測データを用いて漏水の有無を判定するため、判定に係る演算処理の所要時間が長くなるものの、その分、1段階目の判定よりも正確な判定が行われることとなる。このような構成により、漏水の程度に応じて適切に漏水の有無を判定することが可能となり、例えば、漏水の程度が著しい状況では、簡易的な判定により漏水を迅速に検出することが可能となる。
以上のように、上記の漏水判定装置では漏水判定を2段階で行い、1段階目の判定では、より少ない計測データから漏水の有無を判定するため、判定に係る演算処理がより簡略化される結果、より簡易的で、かつ、迅速な判定が行われることとなる。一方、2段階目の判定では、より多くの計測データを用いて漏水の有無を判定するため、判定に係る演算処理の所要時間が長くなるものの、その分、1段階目の判定よりも正確な判定が行われることとなる。このような構成により、漏水の程度に応じて適切に漏水の有無を判定することが可能となり、例えば、漏水の程度が著しい状況では、簡易的な判定により漏水を迅速に検出することが可能となる。
また、上記の漏水判定装置において、前記漏水判定装置は、前記建物としての住宅内に設置されたホームサーバからなり、該ホームサーバは、前記住宅内に構築された宅内ネットワークを介して前記住宅内の通信機器と通信して該通信機器の状態を制御する制御部を備えており、該制御部は、前記処理実行部が前記給水ラインにおける漏水が有ると判定したとき、前記通信機器と通信して該通信機器の状態を切り替えることとしてもよい。
以上の構成では、漏水発生を報知する手段として住宅内の通信機器を用いており、ホームサーバが漏水有りと判定したとき、通信機器と通信して当該通信機器の状態を切り替えることとしている。ユーザである住宅の居住者は、上記通信機器の状態の変化を通じて、漏水の発生を認識するようになる。
以上の構成では、漏水発生を報知する手段として住宅内の通信機器を用いており、ホームサーバが漏水有りと判定したとき、通信機器と通信して当該通信機器の状態を切り替えることとしている。ユーザである住宅の居住者は、上記通信機器の状態の変化を通じて、漏水の発生を認識するようになる。
また、上記の漏水判定装置において、前記ホームサーバは、前記住宅内における人の有無を検知する人感センサと前記宅内ネットワークを介して通信することで前記人感センサの検知結果を示す検知データを取得する検知データ取得部を備えており、前記処理実行部が前記給水ラインにおける漏水が有ると判定したとき、前記検知データ取得部が前記検知データを取得し、前記住宅内に人が居ることを示す前記検知データを前記検知データ取得部が取得したとき、前記制御部は、前記住宅内の照明機器と通信して該照明機器の状態を切り替えることとしてもよい。
上記の構成であれば、ホームサーバが漏水有りと判定したとき、住宅内における人の有無を人感センサで検知し、住宅内に人が居るという検知結果が得られたときには、住宅内の照明機器の状態を切り替えることとしている。すなわち、上記の構成では、漏水有りという判定結果を報知する機器として照明機器を利用するので、専用の報知機器を別途に用意する必要がなく、さらにまた、照明機器の状態の変化については居住者にとって気付き易いことから、漏水の発生を居住者に的確に報知することが可能となる。
上記の構成であれば、ホームサーバが漏水有りと判定したとき、住宅内における人の有無を人感センサで検知し、住宅内に人が居るという検知結果が得られたときには、住宅内の照明機器の状態を切り替えることとしている。すなわち、上記の構成では、漏水有りという判定結果を報知する機器として照明機器を利用するので、専用の報知機器を別途に用意する必要がなく、さらにまた、照明機器の状態の変化については居住者にとって気付き易いことから、漏水の発生を居住者に的確に報知することが可能となる。
また、上記の漏水判定装置において、前記ホームサーバは、メールを生成して予め登録された送信先に向けて前記メールを送信するメール送信部を備えており、前記住宅内に人が居ないことを示す前記検知データを前記検知データ取得部が取得したとき、前記メール送信部は、前記給水ラインにおける漏水が有ると前記処理実行部が判定したことを報知する前記メールを生成して前記送信先に向けて前記メールを送信することとしてもよい。
上記の構成であれば、ホームサーバが漏水有りと判定したとき、住宅内に人が居なかったとしても、漏水有りという判定結果を示すメールを所定の送信先に送信することで、外出先の居住者に対しても漏水発生を報知することが可能となる。
上記の構成であれば、ホームサーバが漏水有りと判定したとき、住宅内に人が居なかったとしても、漏水有りという判定結果を示すメールを所定の送信先に送信することで、外出先の居住者に対しても漏水発生を報知することが可能となる。
また、上記の漏水判定装置において、前記住宅の敷地内において互いに異なる位置に前記流量センサとしての第1流量センサ及び第2流量センサが設置されており、前記記憶部は、前記計測データを前記第1流量センサ及び前記第2流量センサの各流量センサ別に記憶しており、前記処理実行部は、前記処理を前記各流量センサ別に実行することで、前記給水ラインにおける漏水の有無を前記各流量センサ別に判定することとしてもよい。
上記の構成では、住宅の敷地内において互いに異なる位置に設置された第1流量センサ及び第2流量センサの各々について、個別に漏水の有無を判定する。このように流量センサ別の漏水判定が行われることで、漏水の発生箇所の特定がより容易となる。
上記の構成では、住宅の敷地内において互いに異なる位置に設置された第1流量センサ及び第2流量センサの各々について、個別に漏水の有無を判定する。このように流量センサ別の漏水判定が行われることで、漏水の発生箇所の特定がより容易となる。
また、上記の漏水判定装置において、前記給水ラインは、水道水の供給元から前記住宅に向かって敷設された配水ラインに対して止水弁を介して繋ぎ込まれ、給湯装置を含む複数の給水先に向かって分岐した第1給水ラインと、前記給湯装置から湯を給湯するために敷設され、複数の給湯先に向かって分岐した第2給水ラインと、を有し、前記第1流量センサは、前記第1給水ラインにおいて前記止水弁と前記複数の給水先に向かって分岐した分岐点との間に配置され、前記第2流量センサは、前記第2給水ラインにおいて前記給湯装置と前記複数の給湯先に向かって分岐した分岐点との間に配置されていることとしてもよい。
上記の構成では、住宅における水道水の引き込みラインである第1給水ラインと、給湯装置から敷設された第2給水ラインとにそれぞれ流量センサが設置されており、各流量センサ別に漏水の有無を判定することとしている。これにより、漏水が発生した場合に、当該発生箇所が水道水の管路、及び、給湯用の管路のいずれであるかを容易に特定することが可能となる。
上記の構成では、住宅における水道水の引き込みラインである第1給水ラインと、給湯装置から敷設された第2給水ラインとにそれぞれ流量センサが設置されており、各流量センサ別に漏水の有無を判定することとしている。これにより、漏水が発生した場合に、当該発生箇所が水道水の管路、及び、給湯用の管路のいずれであるかを容易に特定することが可能となる。
また、上記の漏水判定装置において、前記記憶部は、予め設定された水の使用時間を示すスケジュールデータを記憶しており、前記処理実行部は、直近に取得された前記計測データが示す前記計測値が前記閾値を超えているとき、前記スケジュールデータを前記記憶部から読み出して、前記直近の計測時刻が前記使用時間外にあるかどうかを判断し、前記直近の計測時刻が前記使用時間外にある場合にのみ前記処理を実行することとしてもよい。
上記の構成では、使用時間外における計測値が所定の閾値を超えている場合にのみ漏水判定の処理が実行されるため、元々使用が予定されていた期間内での計測値が所定の閾値を超えたとしても漏水判定を行わないので、漏水の誤判定を抑制することが可能となる。
上記の構成では、使用時間外における計測値が所定の閾値を超えている場合にのみ漏水判定の処理が実行されるため、元々使用が予定されていた期間内での計測値が所定の閾値を超えたとしても漏水判定を行わないので、漏水の誤判定を抑制することが可能となる。
また、前述の課題は、本発明の漏水判定方法によれば、コンピュータにより、建物の敷地内に敷設された給水ラインにおける漏水の有無を判定する漏水判定方法であって、(A)前記コンピュータが、給水ラインの所定箇所における流量を定期的に計測する流量センサによる計測値を示す計測データを取得することと、(B)前記コンピュータの記憶装置が、取得した前記計測データを記憶することと、(C)前記コンピュータが、前記記憶装置に記憶された前記計測データを読み出し、前記計測データが示す前記計測値に基づいて前記給水ラインにおける漏水の有無を判定するための処理を実行することと、を備え、(D)直近に取得された前記計測データが示す前記計測値が予め設定された閾値を超えているとき、前記コンピュータは、(d1)直近の計測時刻から予め設定された時間だけ遡った第1期間中に計測した際の前記計測値を示す前記計測データを、前記記憶装置から読み出す工程と、(d2)前記第1期間における前記計測値のバラツキ度合いを示す指標値を算出する工程と、(d3)前記指標値と予め設定された第1基準値とを対比する工程と、を有する前記処理を実行し、前記指標値が前記第1基準値以下であるときには前記給水ラインにおける漏水が有ると判定し、(E)前記指標値が前記第1基準値を超えているとき、前記コンピュータは、(e1)前記第1期間より長い期間であり前記直近の計測時刻から予め設定された時間だけ遡った第2期間中に計測した際の前記計測値を示す前記計測データを、前記記憶装置から読み出す工程と、(e2)前記第2期間における前記計測値の各々と、予め設定された第2基準値とを対比する工程と、を有する前記処理を実行し、前記各々がいずれも前記第2基準値を超えているときには前記給水ラインにおける漏水が有ると判定することにより解決される。
上記の漏水判定方法では、漏水判定を2段階で行い、1段階目の判定では、より少ない計測データから漏水の有無を判定するので、判定に係る演算処理がより簡略化され、より簡易的で、かつ、迅速な判定が行われることとなる。一方、2段階目の判定では、より多くの計測データを用いて漏水の有無を判定するため、判定に係る演算処理の所要時間が長くなるものの、その分、1段階目の判定よりも正確な判定が行われることとなる。この結果、漏水の程度に応じて適切に漏水の有無を判定することが可能となり、漏水の程度が著しい状況では、簡易的な判定により漏水を迅速に検出することが可能となる。
本発明の漏水判定装置及び漏水判定方法によれば、漏水の程度に応じて適切に漏水の有無を判定することが可能となり、例えば、漏水の程度が著しい状況では、簡易的な判定により漏水を迅速に検出することが可能となる。
また、漏水が有ると判定した場合には、その判定結果を建物内の人の有無に応じて適切に漏水の発生を報知することが可能である。特に、建物内に人が居る場合には、照明機器の状態を切り替えることで漏水発生を報知することとし、かかる場合には、建物内の人に漏水発生を容易に気付かせることが可能となる。一方で、建物内に人が居ない場合には、漏水有りという判定結果を示すメールを所定の送信先に送信することで、当該判定結果を的確に報知することが可能となる。
以上のような効果により、例えば住居の居住者は、自宅内で発生した漏水の程度が著しい場合に当該漏水を迅速に気付くことが可能となり、漏水による損失(例えば、水道料金や給湯に係る光熱費の増加)を抑えることが可能となる。同様に、漏水がもたらすその他の弊害、例えば、漏水によって天井や壁のクロス材にシミ等が生じる等して、予期せぬ修繕費用の支払いが必要となるのを回避することが可能となる。
さらにまた、住宅における水道水の引き込みラインと、給湯装置から敷設された給湯ラインとにそれぞれ流量センサを設置し、各流量センサ別に漏水の有無を判定すれば、漏水が発生した場合に当該発生箇所が引き込みライン又は給湯ラインのいずれであるかを容易に特定することが可能となる。この結果、復旧作業に掛かるコストや時間を軽減することが可能となり、いち早く漏水を止めることが可能となる。
また、漏水が有ると判定した場合には、その判定結果を建物内の人の有無に応じて適切に漏水の発生を報知することが可能である。特に、建物内に人が居る場合には、照明機器の状態を切り替えることで漏水発生を報知することとし、かかる場合には、建物内の人に漏水発生を容易に気付かせることが可能となる。一方で、建物内に人が居ない場合には、漏水有りという判定結果を示すメールを所定の送信先に送信することで、当該判定結果を的確に報知することが可能となる。
以上のような効果により、例えば住居の居住者は、自宅内で発生した漏水の程度が著しい場合に当該漏水を迅速に気付くことが可能となり、漏水による損失(例えば、水道料金や給湯に係る光熱費の増加)を抑えることが可能となる。同様に、漏水がもたらすその他の弊害、例えば、漏水によって天井や壁のクロス材にシミ等が生じる等して、予期せぬ修繕費用の支払いが必要となるのを回避することが可能となる。
さらにまた、住宅における水道水の引き込みラインと、給湯装置から敷設された給湯ラインとにそれぞれ流量センサを設置し、各流量センサ別に漏水の有無を判定すれば、漏水が発生した場合に当該発生箇所が引き込みライン又は給湯ラインのいずれであるかを容易に特定することが可能となる。この結果、復旧作業に掛かるコストや時間を軽減することが可能となり、いち早く漏水を止めることが可能となる。
以下では本発明の一実施形態(本実施形態)について図面を参照しながら説明することとする。なお、以下では、住宅Hを建物の一例に挙げて説明することとするが、あくまでも住宅Hは建物の一例に過ぎず、本発明は、他の建物、例えば商業ビル、工場内の建屋、店舗等においても適用可能なものである。また、住宅Hとは、戸建の住宅、及び、アパートやマンションのような集合住宅の一住戸を含む概念である。
<<本実施形態に係る漏水判定装置の概要>>
先ず、本実施形態に係る漏水判定装置の概要について説明する。
本実施形態に係る漏水判定装置は、住宅H内に設置されたコンピュータ、より具体的にはホームサーバ1により構成されている。このホームサーバ1は、住宅H内におけるエネルギー消費を管理するシステム、所謂HEMS(Home Energy Management System)を構成する主要機器である。HEMSにおいてホームサーバ1は、住宅H内に構築された宅内ネットワークを通じて、住宅Hの敷地内にある各種センサやエネルギー消費機器と通信し、これらの機器との間でデータの送受信を行う。これにより、HEMSでは、宅内におけるエネルギー需給状況についてのモニタリングが可能となる。
先ず、本実施形態に係る漏水判定装置の概要について説明する。
本実施形態に係る漏水判定装置は、住宅H内に設置されたコンピュータ、より具体的にはホームサーバ1により構成されている。このホームサーバ1は、住宅H内におけるエネルギー消費を管理するシステム、所謂HEMS(Home Energy Management System)を構成する主要機器である。HEMSにおいてホームサーバ1は、住宅H内に構築された宅内ネットワークを通じて、住宅Hの敷地内にある各種センサやエネルギー消費機器と通信し、これらの機器との間でデータの送受信を行う。これにより、HEMSでは、宅内におけるエネルギー需給状況についてのモニタリングが可能となる。
そして、本実施形態では、エネルギーの一つとして水の消費量、換言すると、住宅Hの敷地内に敷設された給水ラインを流れる水の流量(以下、単に流量)を監視することが可能である。すなわち、本実施形態において、ホームサーバ1は、図1に示すように上記給水ラインの所定箇所における流量を計測するために設置された流量センサ6、7とともに流量を監視するシステム(以下、流量監視システムS)を構築している。図1は、流量監視システムSの概念図である。
流量監視システムSにおいて、流量センサ6、7は、図1に示すように、引き込みラインRa及び給湯ラインRbのそれぞれに1箇所ずつ設置されている。ここで、引き込みラインRaとは、第1給水ラインに相当し、水道水の供給元から住宅Hに向かって敷設された配水ラインRxに対して止水弁9を介して繋ぎ込まれたラインである。なお、水道水の供給元とは、直結給水方式を採用する場合には水道事業者の貯水設備を意味するが、マンション等で貯水槽を設置して貯水槽水道方式を採用する場合には貯水槽を意味する。
また、引き込みラインRaは、住宅H内に湯を供給する給湯装置8や住宅H内にある複数の水使用機器10A(例えば、トイレ、洗面台やキッチンの蛇口等)に向かって分岐している。そして、流量センサ6は、引き込みラインRa中、止水弁9よりも下流側で、かつ、複数の給水先に向かって分岐した分岐点よりも上流側に配置され、かかる地点での流量を計測する。なお、流量センサ6は、第1流量センサに相当し、以下では、引き込みライン側センサ6とも呼ぶ。
一方、給湯ラインRbとは、第2給水ラインに相当し、給湯装置8から湯を給湯するために敷設されたラインであり、複数の湯使用機器10B(例えば、風呂やシャワー等)に向かって分岐している。そして、流量センサ7は、給湯ラインRb中、給湯装置8の吐出口よりも下流側で、かつ、複数の給湯先に向かって分岐した分岐点よりも上流側に配置されており、かかる地点での流量を計測する。なお、流量センサ7は、第2流量センサに相当し、以下では、給湯ライン側センサ7とも呼ぶ。
上記の流量センサ6、7は、それぞれ、その計測対象箇所での流量を定期的に計測し、計測値を示すデータ(計測データ)をホームサーバ1に向けて送信する。ホームサーバ1は、各流量センサ6、7から計測データを受信すると、例えば、流量の経時変化を示すグラフを所定の表示機器に表示させるための処理を実行する。住宅Hの居住者は、上記のグラフを視認することで宅内での使用水量の推移を確認することが可能となる。
また、本実施形態に係るホームサーバ1は、各流量センサ6、7から受信した計測データが示す計測値に基づいて、引き込みラインRaや給湯ラインRbにおける漏水の有無を判定する機能(漏水判定機能)を備えている。この漏水判定機能は、ホームサーバ1にインストールされた漏水判定プログラムによって実現される。
また、ホームサーバ1は、宅内ネットワークを通じて宅内の電気機器と通信することにより、当該電気機器の状態を遠隔制御する機能(機器制御機能)を更に備えている。この機器制御機能は、ホームサーバ1にインストールされた機器制御プログラムによって実現される。なお、電気機器は、宅内においてホームサーバ1と通信可能な通信機器の一例であり、電気機器の状態とは、当該機器の運転状態を意味し、具体的には、発停(オンオフ)、運転モード若しくは運転管理値等、運転に関して制御可能な内容を示す概念である。
そして、ホームサーバ1は、前述した漏水判定機能によって引き込みラインRa又は給湯ラインRbにおいて漏水が有ると判定した場合には、その判定結果を報知するために宅内の電気機器の状態を切り替える制御を実行する。具体的に説明すると、ホームサーバ1は、漏水が有るという判定結果を報知するにあたり、住宅内の照明機器4と通信して同照明機器4の状態を切り替える制御を実行する。この照明機器4は、LED電球からなり、そのオンオフ状態、照度及び発光色については自由に切り替え可能である。また、照明機器4の状態については、点滅せずに一定の照度にて点灯する通常状態と、点滅する点滅状態との間で切り替えることが可能である。そして、ホームサーバ1は、照明機器4の状態として照度、発光色、点滅の有無を切り替えるための制御信号を生成し、当該信号を照明機器4に向けて出力する。
制御信号を受信した照明機器4では、その状態が制御信号に応じて切り替わるようになる。これにより、住宅H内に居住者が居る場合、当該居住者は、照明機器4の状態が切り替わったことに気付き、その結果、引き込みラインRa又は給湯ラインRbにおいて漏水が発生していることを認識するようになる。このように本実施形態では、給水ラインにおける漏水が有ると判定したときの判定結果を報知する機器として照明機器4が利用されている。これにより、漏水判定の結果を報知するための専用機器を別途に用意する必要がないので、その分、コスト(システム構築費用)を削減することが可能となる。さらにまた、照明機器4の状態の変化は居住者にとって気付き易く、専用の表示機器にて判定結果を報知する場合に比べて、漏水の発生を居住者に的確に気付かせることが可能となる。
さらにまた、ホームサーバ1は、ルータ2を介して外部通信ネットワークGNに接続された通信端末と通信可能であり、所定の文章を示すメールを作成して当該メールを通信端末に向けて送信する機能(メール送信機能)を更に備えている。このメール送信機能は、ホームサーバ1にインストールされたメール送信プログラムによって実現される。
そして、ホームサーバ1は、前述した漏水判定機能によって引き込みラインRa又は給湯ラインRbにおいて漏水が有ると判定した場合には、その判定結果を報知するためのメール(以下、報知メール)を作成して所定の送信先に向けて当該報知メールを送信する処理を実行する。報知メールの送信先については、予め登録されてホームサーバ1に記憶されており、例えば、住宅Hの居住者が保有する携帯端末3(具体的には、居住者保有のスマートフォンや携帯電話に対して割り当てられたメールアドレス)が登録されている。これにより、携帯端末3にて報知メールを受信した住宅Hの居住者は、例えば外出時であったとしても、報知メールを通じて漏水の発生を認識するようになる。
なお、報知メールの送信先については特に限定されるものではなく、例えば、住宅Hの管理会社や水道事業者が保有する通信端末であってもよい。
なお、報知メールの送信先については特に限定されるものではなく、例えば、住宅Hの管理会社や水道事業者が保有する通信端末であってもよい。
以上のように、本実施形態では、引き込みラインRa又は給湯ラインRbにおける漏水が有るとホームサーバ1が判定したときに当該判定結果を報知する方法として、宅内の照明機器4を用いる方法、及び、メール送信による方法が用意されている。ここで、いずれの方法を適用するかについては、漏水判定時における住宅H内での人の有無に応じて決定する。より具体的に説明すると、図1に示すように、住宅H内の所定箇所に人感センサ5が取り付けられており、この人感センサ5が、住宅H内における人の有無を検知し、その検知結果を示すデータ(検知データ)をホームサーバ1に向けて送信する。
そして、ホームサーバ1は、引き込みラインRa又は給湯ラインRbにおける漏水が有ると判定すると、人感センサ5と通信し、人感センサ5から検知データを受信する。この際、住宅内に人が居ることを示す検知データを受信した場合、ホームサーバ1は、漏水判定の結果を報知する方法として、宅内の照明機器4を用いる方法、すなわち、照明機器4の状態を切り替える制御を行う。反対に、住宅に人が居ないことを示す検知データを受信した場合、ホームサーバ1は、報知メールを生成して所定の送信先に向けて当該報知メールを送信する処理を実行する。
なお、本実施形態に係るホームサーバ1は、漏水判定の結果を報知するために照明機器4の状態を切り替える制御を実行した際、居住者が照明機器4の状態の変化に気づいて照明機器4の状態を元に戻す復帰操作を所定の時間内(例えば、制御開始後30分以内)に行わなかった場合にも、報知メールを生成し送信することとしている。
<<ホームサーバの構成>>
次に、ホームサーバ1の構成について説明する。ホームサーバ1は、図2に示すように、CPU11、メモリ12、通信用インタフェース13、I/Oポート14及びハードディスクドライブ15を備えている。図2は、ホームサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
次に、ホームサーバ1の構成について説明する。ホームサーバ1は、図2に示すように、CPU11、メモリ12、通信用インタフェース13、I/Oポート14及びハードディスクドライブ15を備えている。図2は、ホームサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
また、図2に示すように、メモリ12には、前述した漏水判定プログラム、機器制御プログラム、メール送信プログラムが記憶されている。これらのプログラムがCPU11によって読み出されて実行されることにより、ホームサーバ1の機能、具体的には漏水判定機能、機器制御機能及びメール送信機能が発揮される。より具体的に説明すると、CPU11が漏水判定プログラムを実行することで、ホームサーバ1において漏水判定処理が実行される。また、漏水判定処理において漏水有りと判定されたとき、CPU11が機器制御プログラム又はメール送信プログラムを実行することで、ホームサーバ1では、当該判定結果を報知するための報知処理が実行されることとなる。
なお、漏水判定処理や報知処理については、後に詳述する。
なお、漏水判定処理や報知処理については、後に詳述する。
通信用インタフェース13は、ホームサーバ1がルータ2を介して外部通信ネットワークGNに接続した携帯端末3と通信し、具体的には携帯端末3に向けて報知メールを送信する際に用いられる。I/Oポート14は、ホームサーバ1が宅内のセンサや通信機器と通信して当該機器との間でデータや信号を送受信する際に用いられる。ハードディスクドライブ15は、記憶装置に相当し、例えばI/Oポート14を介して取得されたデータを記憶しておくために用いられる。
ハードディスクドライブ15に記憶されるデータの中には、流量センサ6、7による計測値を示す計測データが含まれている。ここで、計測データについて説明すると、各流量センサ6、7は、それぞれ定期的に、具体的には本実施形態では3分間隔で流量を計測し、その計測値を示す計測データをホームサーバ1に向けて送信する。ホームサーバ1は、受信した計測データを逐次ハードディスクドライブ15に記憶し、本実施形態では数カ月分蓄積して保管することとしている。なお、計測間隔や計測データの保管期間については、上記の内容に限定されるものではなく、任意に決めることが可能である。
ここで、引き込みライン側センサ6から取得した計測データと、給湯ライン側センサ7から取得した計測データとは、図3に示すように、流量センサ別に分かれた状態で記憶されており、具体的には、互いに異なるフォルダに分けられた状態で記憶されている。図3は、計測データの説明図であり、ハードディスクドライブ15における計測データの保存先についての階層構造を示す図である。
なお、本実施形態では、図3に示すように、流量センサ別のフォルダには年月別のフォルダが格納されており、当該年月別のフォルダには該当年月に取得された計測データ(換言すると、該当年月に計測された流量を示すデータ)が記憶されている。各年月別のフォルダにおいて、各計測データは、個々に電子ファイル化されて記憶されている。この電子ファイルには、流量センサ6、7が計測を行った際の計測時刻と計測値(流量値)が書き込まれている。ただし、電子ファイルについては、計測データ毎に作成されるケースに限定されず、例えばCSV(Comma−Separated Values)ファイルのように複数の計測データをまとめて収録したものであってもよい。また、計測データを保存する際の階層構造としては、年月別にフォルダを設けて年月別に計測データを記憶するものに限定されるものではなく、例えば、日別にフォルダを設けて日別に記憶することとしてもよい。
ハードディスクドライブ15に記憶されるデータには、上記の計測データの他に、宅内における水の使用時間を示すスケジュールデータが含まれている。このスケジュールデータは、図4に示すように、予め設定された水の使用時間を、宅内の水使用機器10A及び湯使用機器10Bの各々について規定したデータである。図4は、スケジュールデータの説明図である。
なお、本実施形態に係るスケジュールデータでは、図4に示すように、各機器についての水の使用時間が10分単位で規定されている。ただし、使用時間については、上記の内容(つまり、10分単位で設定するケース)に限定されるものではなく、より細かな時間単位で設定することとしてもよい。さらに、日別・曜日に応じて使用時間が異なる場合を考慮して日別・曜日別にスケジュールデータを生成することとしてもよい。
次に、上述したホームサーバ1の構成を、その機能面から改めて説明することとする。ホームサーバ1は、流量監視に関連する複数の機能を備えており、換言すると、その各機能を担う部分を備えている。具体的に説明すると、ホームサーバ1は、図5に示すように、計測データ取得部21、記憶部22、処理実行部23、検知データ取得部24、制御部25及びメール送信部26を備えている。図5は、ホームサーバ1の構成を機能面から示した図である。
計測データ取得部21は、各流量センサ6、7から送信されてくる計測データを受信することで計測データを取得するものである。この計測データ取得部21は、ホームサーバ1のCPU11、メモリ12及びI/Oポート14がメモリ12に記憶された計測データ取得用のプログラムと協働することで実現される。なお、前述したように、各流量センサ6、7は、それぞれ3分間隔で流量を計測し、その計測値を示す計測データを逐次送信する。したがって、本実施形態において、計測データ取得部21は、3分間隔で各流量センサ6、7から計測データを受信することになる。
記憶部22は、I/Oポート14を介して取得した各種データ、並びに、予め設定された値やパラメータを示すデータを記憶するものであり、主にホームサーバ1のハードディスクドライブ15からなる。記憶部22に記憶されるデータの中には、計測データ取得部21が取得した計測データの他に、予め設定された設定値を示す設定値データや前述のスケジュールデータが含まれている。なお、設定値データは、後に説明する漏水判定処理の際に利用されるデータであり、具体的には後述する閾値、第1基準値及び第2基準値を示すデータである。
処理実行部23は、記憶部22に記憶された計測データを読み出し、計測データが示す計測値に基づいて漏水判定処理(本発明の「処理」に相当)を実行するものである。この処理実行部23は、ホームサーバ1のCPU11及びメモリ12がメモリに記憶された漏水判定プログラムと協働することで実現される。
また、本実施形態において、処理実行部23は、各流量センサ別に漏水判定処理を実行し、引き込みラインRa及び給湯ラインRbの各々における漏水の有無を各流量センサ別に判定する。分かり易く説明すると、記憶部22では、引き込みライン側センサ6による計測値を示す計測データと、給湯ライン側センサ7による計測値を示す計測データと、が互いに分かれた状態で記憶されている。処理実行部23は、前者の計測データを記憶部22から読み出すと、当該計測データが示す計測値に基づいて、引き込みラインRaにおける漏水の有無を判定する。同様に、処理実行部23は、後者の計測データを記憶部22から読み出すと、給湯ラインRbにおける漏水の有無を判定する。
検知データ取得部24は、人感センサ5と宅内ネットワークを介して通信することで、人感センサ5の検知結果を示す検知データを取得するものである。この検知データ取得部24は、ホームサーバ1のCPU11、メモリ12及びI/Oポート14がメモリ12に記憶された検知データ取得用のプログラムと協働することで実現される。
そして、本実施形態では、処理実行部23が漏水判定処理において漏水有りと判定したときに、検知データ取得部24が人感センサ5と通信し、人感センサ5から検知データを取得することとしている。
そして、本実施形態では、処理実行部23が漏水判定処理において漏水有りと判定したときに、検知データ取得部24が人感センサ5と通信し、人感センサ5から検知データを取得することとしている。
制御部25は、宅内ネットワークを介して宅内の照明機器4と通信し、同照明機器4の状態を制御するものである。この制御部25は、ホームサーバ1のCPU11、メモリ12及びI/Oポート14がメモリ12に記憶された機器制御プログラムと協働することで実現される。
そして、本実施形態では、処理実行部23が漏水判定処理において漏水有りと判定し、かつ、住宅H内に人が居ることを示す検知データを検知データ取得部24が取得したときに、制御部25が、照明機器4の状態を切り替える制御処理を実行する。ここで、制御処理は、漏水判定処理において漏水有りと判定したときの当該判定結果を、住宅H内に居る人に報知するための報知処理として実行される。
そして、本実施形態では、処理実行部23が漏水判定処理において漏水有りと判定し、かつ、住宅H内に人が居ることを示す検知データを検知データ取得部24が取得したときに、制御部25が、照明機器4の状態を切り替える制御処理を実行する。ここで、制御処理は、漏水判定処理において漏水有りと判定したときの当該判定結果を、住宅H内に居る人に報知するための報知処理として実行される。
メール送信部26は、処理実行部23が漏水判定処理において漏水有りと判定したときに、報知メールを作成して予め登録された送信先に向けて当該報知メールを送信するものである。このメール送信部26は、ホームサーバ1のCPU11、メモリ12及び通信用インタフェース13がメモリ12に記憶されたメール送信プログラムと協働することで実現される。
そして、メール送信部26による報知メールの生成・送信に係る一連の処理は、漏水判定処理において漏水有りと判定した場合の当該判定結果を報知するための報知処理として実行される。特に、本実施形態では、住宅H内に人が居ないことを示す検知データを検知データ取得部24が取得したときに、メール送信部26による報知メールの生成・送信処理が実行される。なお、本実施形態では、制御部25が漏水判定の結果を報知するために照明機器4の状態を切り替える制御を実行したとき、居住者が照明機器4の状態を元に戻す復帰操作を所定時間内に行わなかった場合にも、メール送信部26による報知メールの生成・送信処理が実行されることになっている。
<<流量監視フローについて>>
次に、流量監視システムSによる流量監視に関する手順、すなわち、流量監視フローについて説明する。
流量監視フローでは、本発明の漏水判定方法が採用されており、換言すると、本発明の漏水判定方法における各工程は、流量監視フローに含まれており、当該流量監視フローの中で実施される。また、流量監視フロー中の各工程は、主にコンピュータとしてのホームサーバ1によって実施される。すなわち、本発明の漏水判定方法は、本実施形態に係るホームサーバ1を用いて実現されるものである。
次に、流量監視システムSによる流量監視に関する手順、すなわち、流量監視フローについて説明する。
流量監視フローでは、本発明の漏水判定方法が採用されており、換言すると、本発明の漏水判定方法における各工程は、流量監視フローに含まれており、当該流量監視フローの中で実施される。また、流量監視フロー中の各工程は、主にコンピュータとしてのホームサーバ1によって実施される。すなわち、本発明の漏水判定方法は、本実施形態に係るホームサーバ1を用いて実現されるものである。
流量監視フローの具体的な流れについて説明すると、流量監視フローの初期段階は、図6に図示した流れにて進行することになっている。図6は、流量監視フローの初期の流れを示す図である。
流量監視フローでは、図6に示すように、先ずホームサーバ1が各流量センサ6、7から定期的に計測データを受信する。詳しく説明すると、ホームサーバ1は、前回の計測時刻から3分経過した時点で(S001)、流量センサ6、7と通信することで計測データを取得し、取得した計測データをハードディスクドライブ15に記憶する(S002)。この際、ホームサーバ1は、引き込みライン側センサ6及び給湯ライン側センサ7の各々と通信し、当該各々から計測データを取得する。そして、ハードディスクドライブ15は、ホームサーバ1が取得した計測データを引き込みライン側センサ6及び給湯ライン側センサ7の各流量センサ別に記憶する。
計測データの取得後には、流量監視に係る一連の工程が実行されることになるが、以降の工程については、引き込みライン側センサ6及び給湯ライン側センサ7の各流量センサ別に行われる。なお、流量センサ間で共通の工程となっているので、以下の説明では、一方の流量センサ(具体的には、引き込みライン側センサ6)を用いた流量監視フローのみについて説明することとする。
計測データの取得後、ホームサーバ1は、直近に取得された計測データが示す計測値が閾値を超えているかどうかを判断する(S003)。かかる判断は、ホームサーバ1の処理実行部23により行われる。具体的に説明すると、処理実行部23は、先ず、直近に取得された計測データをハードディスクドライブ15から読み出すとともに、ハードディスクドライブ15に記憶された閾値のデータを読み出す。ここで、閾値とは、居住者等によって予め設定されている値であり、本実施形態では「0」に設定されている。なお、閾値については、0以外の値に設定されていることとしてもよいが、より適切な流量監視を行う上では0に設定されていることが望ましい。
処理実行部23は、直近に取得された計測データが示す計測値が0より大きいかどうかを判断し、0以下である場合(S003でNo)には、次回の計測データ取得まで待機することとなる。
一方、計測値が0より大きい場合(S003でYes)、処理実行部23は、ハードディスクドライブ15に記憶されたスケジュールデータを更に読み出す(S004)。そして、処理実行部23は、読み出したスケジュールデータから、水の使用が予定されている使用時間を特定した上で、直近の計測時刻(すなわち、直近に取得された計測データが示す計測時刻)が上記の使用時間外にあるかどうかを判断する(S005)。
一方、計測値が0より大きい場合(S003でYes)、処理実行部23は、ハードディスクドライブ15に記憶されたスケジュールデータを更に読み出す(S004)。そして、処理実行部23は、読み出したスケジュールデータから、水の使用が予定されている使用時間を特定した上で、直近の計測時刻(すなわち、直近に取得された計測データが示す計測時刻)が上記の使用時間外にあるかどうかを判断する(S005)。
直近の計測時刻が上記の使用時間内にあると判断した場合(S005でNo)、直近の計測値(流量)が0より大きいことについては異常がないと想定されるため、処理実行部23は、次回の計測データ取得まで待機することとなる。これに対し、直近の計測時刻が上記の使用時間外にあると判断した場合(S005でYes)、流量に関して何らかの異常が生じていると想定されるため、処理実行部23は、漏水判定処理を開始する(S006)。このように、本実施形態では、直近の計測時刻が上記の使用時間外にある場合にのみ漏水判定処理を実行することとしている。すなわち、本実施形態では、元々使用が予定されていた期間内での計測値が0より大きくなっていたとしても漏水判定を行わないこととし、これにより漏水の誤判定の抑制を図っている。
漏水判定処理は、図7に示す流れに従って進行することになっており、本実施形態では、前述したように、引き込みライン側センサ6及び給湯ライン側センサ7の各流量センサ別に実行されることになっている。つまり、本実施形態では、漏水判定処理を各流量センサ別に実行することで、給水ラインにおける漏水の有無を各流量センサ別に判定することとし、換言すると、引き込みラインRa及び給湯ラインRbの各々について個別に漏水の有無を判断することとしている。
なお、図7は、流量監視フロー中、漏水判定処理の流れを示した図である。
なお、図7は、流量監視フロー中、漏水判定処理の流れを示した図である。
そして、本実施形態に係る漏水判定処理では、2段階の漏水判定が行われることになっている。具体的に説明すると、処理実行部23は、1段階目の漏水判定を最初に行うことになっており、1段階目の漏水判定では、先ず、直近の計測時刻から予め設定された時間だけ遡った第1期間中に計測した際の計測値を示す計測データを、ハードディスクドライブ15から読み出す(S011)。ここで、第1期間とは、直近の計測時刻を含む過去30分の期間である。すなわち、処理実行部23は、直近30分間の中で流量センサ6が計測した際の計測値を示す計測データ(換言すると、過去30分の計測データ)をハードディスクドライブ15から読み出す。
なお、第1期間については、特に限定されるものではなく自由に設定することが可能であるが、比較的に短い時間(例えば、1時間以内)に設定されていることが望ましい。
なお、第1期間については、特に限定されるものではなく自由に設定することが可能であるが、比較的に短い時間(例えば、1時間以内)に設定されていることが望ましい。
そして、処理実行部23は、読み出した計測データから過去30分の各計測値(すなわち、第1期間における各計測値)を特定し、当該計測値のバラツキ度合いを示す指標値を算出する。ここで、過去30分の計測値のバラツキ度合いを示す指標値とは、過去30分の計測値を母集団として算出した標準偏差のことである。つまり、処理実行部23は、過去30分の計測値の平均値を求めた上で、過去30分の計測値の標準偏差を算出する(S012)。
標準偏差の算出後、処理実行部23は、ハードディスクドライブ15に記憶された第1基準値のデータを読み出し、算出した標準偏差と第1基準値とを対比する(S013)。ここで、第1基準値とは、漏水判定の基準値として予め設定された値である。そして、算出した標準偏差が第1基準値以下であるとき(S013でYes)、処理実行部23は、給水ラインにおける漏水が有ると判定する。
上記の判定方式を採用する理由について説明すると、過去30分内に居住者が水(湯)を一時的に利用する等して同時間内における流量が大きく変化すると、図8の(A)に示すように標準偏差が比較的大きくなる。一方、居住者による水(湯)の利用がないにも拘らず流量が比較的高い値で推移すると、図8の(B)に示すように標準偏差が比較的小さくなる。図8は、1段階目の漏水判定に関する説明図であり、同図中、(A)には正常時の流量変化を、(B)には程度が大きい漏水が発生したときの流量変化を、(C)には程度が小さい漏水が発生したときの流量変化を、それぞれ示している。
以上のような特徴に着目し、本実施形態では、第1の漏水判定として、過去30分の計測値の標準偏差を算出し、算出した標準偏差が基準値(すなわち、第1基準値)以下であるときに漏水有りと判定することにしている。なお、第1基準値については、水(湯)の使用量(具体的には、過去30分の計測値の平均値)に応じて好適な値に設定されていることが望ましく、例えば、平均値と第1基準値との間の対応関係を規定するテーブルデータを参照することで決定することとしてもよい。
ところで、上述した標準偏差を用いて漏水判定を行う方式は、漏水判定として簡易的なものであり、漏水の程度が比較的大きい場合に有効である。つまり、漏水の程度が著しくなったときに、簡易的な判定である1段階目の漏水判定を適用すれば、当該漏水を迅速に検出することが可能となる。
一方で、漏水量が微量である場合には、図8の(C)に示すように流量の平均値が小さくなるため、当該平均値に応じて決定される第1基準値についても比較的に小さくなってしまう。一方、流量が比較的に小さくなっているときには、若干の流量変化が標準偏差の算出結果に影響を与えてしまう。かかる理由により、漏水量が微量であるときには、第1基準値が比較的小さい値となる反面、標準偏差が大きくなってしまう傾向があり、結果として、漏水が発生しているにも拘わらず当該漏水が検知されない虞がある。
以上の理由より、漏水の程度が比較的に小さくなるとき、標準偏差を用いる1段階目の漏水判定では適切な判定結果が得られない可能性がある。そこで、本実施形態では、1段階目の漏水判定で漏水無しと判定したときに、2段階目の漏水判定を行うこととしている。すなわち、処理実行部23は、算出した標準偏差が第1基準値を超えているとき(S013でNo)、2段階目の漏水判定を行うこととしている。
2段階目の漏水判定では、先ず、第1期間よりも長い期間であり直近の計測時刻から予め設定された時間だけ遡った第2期間中に計測した際の計測値を示す計測データを、ハードディスクドライブ15から読み出す(S014)。ここで、第2期間とは、直近の計測時刻を含む過去24時間分の期間である。すなわち、処理実行部23は、直近24時間の中で流量センサ6が計測した際の計測値を示す計測データ(換言すると、過去24時間の計測データ)をハードディスクドライブ15から読み出す。
なお、第2期間については、特に限定されるものではなく自由に設定することが可能であるが、漏水の有無を正確に判定するのに十分な計測データを確保する上で比較的長い時間(少なくとも半日以上)に設定されていることが望ましい。
なお、第2期間については、特に限定されるものではなく自由に設定することが可能であるが、漏水の有無を正確に判定するのに十分な計測データを確保する上で比較的長い時間(少なくとも半日以上)に設定されていることが望ましい。
そして、処理実行部23は、読み出した計測データから過去24時間の各計測値(すなわち、第2期間における各計測値)を特定する。さらに、処理実行部23は、ハードディスクドライブ15に記憶された第2基準値のデータを読み出し、特定した過去24時間の各計測値と第2基準値とを対比する(S015)。ここで、第2基準値とは、漏水判定の基準値として予め設定された値であり、本実施形態では「0」に設定されている。なお、第2基準値については、0以外の値に設定されていることとしてもよいが、確実に漏水を検知する上では0に設定されていることが望ましい。
ここで、過去24時間の各計測値がいずれも0より大きくなっていると、過去24時間常に水が流れていた(消費されていた)と想定されるので、かかる場合、処理実行部23は、給水ラインにおける漏水が有ると判定する(S015でYes)。一方、過去24時間の各計測値のいずれかが0となっている場合、処理実行部23は、給水ラインにおける漏水が無いと判定する(S015でNo)。
以上のように2段階目の漏水判定では、1段階目の漏水判定よりも多い計測データ(具体的には、過去24時間の計測データ)を用いて漏水の有無を判定するので、1段階目の漏水判定に比して時間を要するものの、より精度の高い漏水判定が実現されることとなる。
そして、処理実行部23は、1段階目の漏水判定または2段階目の漏水判定において漏水有りと判定したとき、判定結果を報知するための処理(報知処理)を開始する(S016)。一方で、1段階目の漏水判定及び2段階目の漏水判定のいずれにおいても漏水無しと判定したとき、処理実行部23は、次回の計測データ取得まで待機することとなる。
報知処理は、図9に示す流れに従って進行することになっている。図9は、流量監視フロー中、報知処理の流れを示した図である。
報知処理において、ホームサーバ1は、先ず、宅内ネットワークを通じて人感センサ5と通信することで検知データを取得する(S021)。このとき、住宅H内に人が居ることを示す検知データを取得した場合(S022でYes)、ホームサーバ1(厳密には、制御部25)が宅内ネットワークを通じて照明機器4を制御する(S023)。これにより、照明機器4の状態が切り替わり、例えば、発光色が漏水報知用の色に切り換わったり、点灯状態が無点滅の状態(通常状態)から点滅状態に切り替わったりするようになる。
報知処理において、ホームサーバ1は、先ず、宅内ネットワークを通じて人感センサ5と通信することで検知データを取得する(S021)。このとき、住宅H内に人が居ることを示す検知データを取得した場合(S022でYes)、ホームサーバ1(厳密には、制御部25)が宅内ネットワークを通じて照明機器4を制御する(S023)。これにより、照明機器4の状態が切り替わり、例えば、発光色が漏水報知用の色に切り換わったり、点灯状態が無点滅の状態(通常状態)から点滅状態に切り替わったりするようになる。
なお、本実施形態では、住宅H内の各空間(各部屋)に人感センサ5を取り付けることで、報知処理の実行時点で人が居る空間(部屋)を、特定することが可能である。そして、本実施形態に係るホームサーバ1は、各人感センサ5からの出力信号に基づいて報知処理の実行時点で人が居る空間を特定し、その上で、当該空間に設置された照明機器4を制御して同照明機器4の状態を切り替えることとしている。これにより、より効果的に漏水判定の結果を報知することが可能となる。さらに、本実施形態に係るホームサーバ1は、各人感センサ5からの出力信号に基づいて住宅Hにおける人の動線を特定することが可能であり、人の動き(例えば部屋間の移動)に合わせて、制御対象とする照明機器4を変更することとしている。これにより、尚一層効果的に漏水判定の結果を報知することが可能となる。
また、照明機器4の状態の切り替えについては、引き込みラインRaにおける漏水が有ると判定したケースと、給湯ラインRbにおける漏水が有ると判定したケースとの間で、切り換えパターンが異なっていることが望ましい。このように照明機器4の状態についての切り換えパターンが給水ライン別に異なっていれば、居住者は、いずれの給水ラインで漏水が発生しているのかを容易に特定することが可能となる。
一方、住宅H内に人が居ないことを示す検知データを取得した場合(S022でNo)、ホームサーバ1(厳密には、メール送信部26)は、報知メールを生成し、その後、ルータ2を介して報知メールを居住者の携帯端末3に向けて送信する(S024)。
なお、住宅H内に人が居ることを示す検知データを取得した場合においてホームサーバ1が照明機器4を制御して同照明機器4の状態を切り替えたとき、その後に居住者が照明機器4の状態を元に戻す復帰操作を所定時間内に行わなかった際にも(S025でNo)、同様に報知メールの生成・送信がなされる(S024)。
そして、以上までの工程が完了した時点で、流量監視フローが終了することとなる。
なお、住宅H内に人が居ることを示す検知データを取得した場合においてホームサーバ1が照明機器4を制御して同照明機器4の状態を切り替えたとき、その後に居住者が照明機器4の状態を元に戻す復帰操作を所定時間内に行わなかった際にも(S025でNo)、同様に報知メールの生成・送信がなされる(S024)。
そして、以上までの工程が完了した時点で、流量監視フローが終了することとなる。
<<本実施形態に係る漏水判定装置及び漏水判定方法の有効性について>>
以上までに説明してきた通り、本実施形態では、給水ラインにおける漏水の有無を判定する処理において2段階の漏水判定を行うこととしている。具体的に説明すると、1段階目の漏水判定では、過去30分の計測値の標準偏差を算出し、当該標準偏差と第1基準値とを対比して漏水の有無を判定する。このように1段階目の漏水判定では、より少ない計測データから漏水の有無を判定するため、判定に関する演算処理がより簡略化される結果、より簡易的で、かつ、迅速な判定が行われることとなる。
一方、2段階目の判定では、過去24時間の計測値の各々が0より大きい値であるか否かを判断して漏水の有無を判定する。このように2段階目の漏水判定では、1段階目の漏水判定よりも多くの計測データを用いることから、漏水判定に係る演算処理の所要時間が長くなるが、その分、1段階目の漏水判定よりも正確な判定が行われることとなる。
以上のような構成により、本実施形態では、漏水の程度に応じて適切に漏水の有無を判定することが可能となり、例えば、漏水の程度が著しい状況では、簡易的な判定により漏水を迅速に検出することが可能となる。
以上までに説明してきた通り、本実施形態では、給水ラインにおける漏水の有無を判定する処理において2段階の漏水判定を行うこととしている。具体的に説明すると、1段階目の漏水判定では、過去30分の計測値の標準偏差を算出し、当該標準偏差と第1基準値とを対比して漏水の有無を判定する。このように1段階目の漏水判定では、より少ない計測データから漏水の有無を判定するため、判定に関する演算処理がより簡略化される結果、より簡易的で、かつ、迅速な判定が行われることとなる。
一方、2段階目の判定では、過去24時間の計測値の各々が0より大きい値であるか否かを判断して漏水の有無を判定する。このように2段階目の漏水判定では、1段階目の漏水判定よりも多くの計測データを用いることから、漏水判定に係る演算処理の所要時間が長くなるが、その分、1段階目の漏水判定よりも正確な判定が行われることとなる。
以上のような構成により、本実施形態では、漏水の程度に応じて適切に漏水の有無を判定することが可能となり、例えば、漏水の程度が著しい状況では、簡易的な判定により漏水を迅速に検出することが可能となる。
また、本実施形態では、給水ラインにおける漏水が有ると判定したときに判定結果を報知するにあたり、住宅H内の人の有無を検知し、その検知結果に応じて報知手段を変えている。具体的に説明すると、住宅H内に人が居る場合には、住宅内の照明機器4の状態を切り替えることとし、住宅H内に人が居ない場合には、報知メールを生成し所定の送信先に送信することとしている。これにより、給水ラインにおける漏水が有ると判定したときの判定結果を、確実に住宅Hの居住者に報知することが可能となる。
さらに、本実施形態では、引き込みラインRa及び給湯ラインRbのそれぞれに対して流量センサ6、7を設け、各流量センサ別(換言すると、給水ライン別)に漏水判定を行うこととしている。これにより、漏水の発生箇所の特定がより容易となり、具体的に説明すると、漏水の発生箇所が引き込みラインRa及び給湯ラインRbのいずれであるかを容易に特定することが可能となる。そして、漏水の発生箇所が特定し易くなれば、漏水を止める修繕作業について、所要時間と費用を削減することが可能となる。
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態では、本発明の漏水判定装置及び漏水判定方法について一例を挙げて説明した。ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
上記の実施形態では、本発明の漏水判定装置及び漏水判定方法について一例を挙げて説明した。ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、上記の実施形態では、漏水判定装置の一例として住宅H内に設置されたホームサーバ1を例に挙げて説明した。すなわち、上記の実施形態では、漏水判定処理や報知処理を実行するコンピュータとしてホームサーバ1が用いられることとした。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、住宅H内に他のコンピュータがホームサーバ1の他に設置されており、当該他のコンピュータが漏水判定処理や報知処理を実行することとしてもよい。すなわち、他のコンピュータが、ホームサーバ1を介して流量センサ6、7から計測データを取得して漏水判定処理を実行することとしてもよい。また、給水ラインにおける漏水が有ると判定したときには、他のコンピュータが報知処理を実行し、ホームサーバ1に対して照明機器4を制御するように命令したり、報知メールを作成して所定の送信先に向けて送信したりすることとしてもよい。
また、漏水判定装置、すなわち、漏水判定処理や報知処理を実行するコンピュータについては、住宅H内に設置されているものに限定されず、住宅H外のコンピュータ、例えば、クラウドサービスやASPサービスを提供するサーバコンピュータが漏水判定処理や報知処理を実行する機能を備えていることとしてもよい。
また、上記の実施形態では、給水ラインにおける漏水が有ると判定したときの判定結果を住宅H内の居住者に対して報知するために、照明機器4の状態を切り替えることとした。ただし、報知の手段については上記の内容に限定されず、住宅H内にある他の電気機器、例えば、テレビや音響機器、エアコン等の空調機器を報知手段として利用し、これらの機器の状態を切り替えることで漏水有りの判定結果を報知することとしてもよい。
また、上記の実施形態では、引き込みラインRa及び給湯ラインRbにそれぞれ1つずつ流量センサ6、7を取り付けることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、流量センサ6、7の設置数については任意に設定することが可能であり、例えば、水使用機器10Aや湯使用機器10Bの各機器に対して個別に流量センサ6、7が設けられていることとしてもよい。これであれば、給水ラインにおける漏水の有無を機器別に判定することが可能となる。
1 ホームサーバ(漏水判定装置)
2 ルータ
3 携帯端末
4 照明機器
5 人感センサ
6 引き込みライン側センサ(第1流量センサ)
7 給湯ライン側センサ(第2流量センサ)
8 給湯装置
9 止水弁
10A 水使用機器
10B 湯使用機器
11 CPU
12 メモリ
13 通信用インタフェース
14 I/Oポート
15 ハードディスクドライブ(記憶装置)
21 計測データ取得部
22 記憶部
23 処理実行部
24 検知データ取得部
25 制御部
26 メール送信部
GN 外部通信ネットワーク
H 住宅
Ra 引き込みライン
Rb 給湯ライン
Rx 配水ライン
S 流量監視システム
2 ルータ
3 携帯端末
4 照明機器
5 人感センサ
6 引き込みライン側センサ(第1流量センサ)
7 給湯ライン側センサ(第2流量センサ)
8 給湯装置
9 止水弁
10A 水使用機器
10B 湯使用機器
11 CPU
12 メモリ
13 通信用インタフェース
14 I/Oポート
15 ハードディスクドライブ(記憶装置)
21 計測データ取得部
22 記憶部
23 処理実行部
24 検知データ取得部
25 制御部
26 メール送信部
GN 外部通信ネットワーク
H 住宅
Ra 引き込みライン
Rb 給湯ライン
Rx 配水ライン
S 流量監視システム
Claims (8)
- 建物の敷地内に敷設された給水ラインにおける漏水の有無を判定する漏水判定装置であって、
給水ラインの所定箇所における流量を定期的に計測する流量センサによる計測値を示す計測データを、取得する計測データ取得部と、
該計測データ取得部が取得した前記計測データを記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された前記計測データを読み出し、前記計測データが示す前記計測値に基づいて前記給水ラインにおける漏水の有無を判定するための処理を実行する処理実行部と、を備え、
直近に取得された前記計測データが示す前記計測値が予め設定された閾値を超えているとき、前記処理実行部は、
直近の計測時刻から予め設定された時間だけ遡った第1期間中に計測した際の前記計測値を示す前記計測データを、前記記憶部から読み出す工程と、
前記第1期間における前記計測値のバラツキ度合いを示す指標値を算出する工程と、
前記指標値と予め設定された第1基準値とを対比する工程と、を有する前記処理を実行し、前記指標値が前記第1基準値以下であるときには前記給水ラインにおける漏水が有ると判定し、
前記指標値が前記第1基準値を超えているとき、前記処理実行部は、
前記第1期間より長い期間であり前記直近の計測時刻から予め設定された時間だけ遡った第2期間中に計測した際の前記計測値を示す前記計測データを、前記記憶部から読み出す工程と、
前記第2期間における前記計測値の各々と、予め設定された第2基準値とを対比する工程と、を有する前記処理を実行し、前記各々がいずれも前記第2基準値を超えているときには前記給水ラインにおける漏水が有ると判定することを特徴とする漏水判定装置。 - 前記漏水判定装置は、前記建物としての住宅内に設置されたホームサーバからなり、
該ホームサーバは、前記住宅内に構築された宅内ネットワークを介して前記住宅内の通信機器と通信して該通信機器の状態を制御する制御部を備えており、
該制御部は、前記処理実行部が前記給水ラインにおける漏水が有ると判定したとき、前記通信機器と通信して該通信機器の状態を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の漏水判定装置。 - 前記ホームサーバは、前記住宅内における人の有無を検知する人感センサと前記宅内ネットワークを介して通信することで前記人感センサの検知結果を示す検知データを取得する検知データ取得部を備えており、
前記処理実行部が前記給水ラインにおける漏水が有ると判定したとき、前記検知データ取得部が前記検知データを取得し、
前記住宅内に人が居ることを示す前記検知データを前記検知データ取得部が取得したとき、前記制御部は、前記住宅内の照明機器と通信して該照明機器の状態を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の漏水判定装置。 - 前記ホームサーバは、メールを生成して予め登録された送信先に向けて前記メールを送信するメール送信部を備えており、
前記住宅内に人が居ないことを示す前記検知データを前記検知データ取得部が取得したとき、前記メール送信部は、前記給水ラインにおける漏水が有ると前記処理実行部が判定したことを報知する前記メールを生成して前記送信先に向けて前記メールを送信することを特徴とする請求項3に記載の漏水判定装置。 - 前記住宅の敷地内において互いに異なる位置に前記流量センサとしての第1流量センサ及び第2流量センサが設置されており、
前記記憶部は、前記計測データを前記第1流量センサ及び前記第2流量センサの各流量センサ別に記憶しており、
前記処理実行部は、前記処理を前記各流量センサ別に実行することで、前記給水ラインにおける漏水の有無を前記各流量センサ別に判定することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の漏水判定装置。 - 前記給水ラインは、
水道水の供給元から前記住宅に向かって敷設された配水ラインに対して止水弁を介して繋ぎ込まれ、給湯装置を含む複数の給水先に向かって分岐した第1給水ラインと、
前記給湯装置から湯を給湯するために敷設され、複数の給湯先に向かって分岐した第2給水ラインと、を有し、
前記第1流量センサは、前記第1給水ラインにおいて前記止水弁と前記複数の給水先に向かって分岐した分岐点との間に配置され、
前記第2流量センサは、前記第2給水ラインにおいて前記給湯装置と前記複数の給湯先に向かって分岐した分岐点との間に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の漏水判定装置。 - 前記記憶部は、予め設定された水の使用時間を示すスケジュールデータを記憶しており、
前記処理実行部は、直近に取得された前記計測データが示す前記計測値が前記閾値を超えているとき、前記スケジュールデータを前記記憶部から読み出して、前記直近の計測時刻が前記使用時間外にあるかどうかを判断し、前記直近の計測時刻が前記使用時間外にある場合にのみ前記処理を実行することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の漏水判定装置。 - コンピュータにより、建物の敷地内に敷設された給水ラインにおける漏水の有無を判定する漏水判定方法であって、
前記コンピュータが、給水ラインの所定箇所における流量を定期的に計測する流量センサによる計測値を示す計測データを取得することと、
前記コンピュータの記憶装置が、取得した前記計測データを記憶することと、
前記コンピュータが、前記記憶装置に記憶された前記計測データを読み出し、前記計測データが示す前記計測値に基づいて前記給水ラインにおける漏水の有無を判定するための処理を実行することと、を備え、
直近に取得された前記計測データが示す前記計測値が予め設定された閾値を超えているとき、前記コンピュータは、
直近の計測時刻から予め設定された時間だけ遡った第1期間中に計測した際の前記計測値を示す前記計測データを、前記記憶装置から読み出す工程と、
前記第1期間における前記計測値のバラツキ度合いを示す指標値を算出する工程と、
前記指標値と予め設定された第1基準値とを対比する工程と、を有する前記処理を実行し、前記指標値が前記第1基準値以下であるときには前記給水ラインにおける漏水が有ると判定し、
前記指標値が前記第1基準値を超えているとき、前記コンピュータは、
前記第1期間より長い期間であり前記直近の計測時刻から予め設定された時間だけ遡った第2期間中に計測した際の前記計測値を示す前記計測データを、前記記憶装置から読み出す工程と、
前記第2期間における前記計測値の各々と、予め設定された第2基準値とを対比する工程と、を有する前記処理を実行し、前記各々がいずれも前記第2基準値を超えているときには前記給水ラインにおける漏水が有ると判定することを特徴とする漏水判定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013239861A JP2015099125A (ja) | 2013-11-20 | 2013-11-20 | 漏水判定装置及び漏水判定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015099125A true JP2015099125A (ja) | 2015-05-28 |
Family
ID=53375814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013239861A Pending JP2015099125A (ja) | 2013-11-20 | 2013-11-20 | 漏水判定装置及び漏水判定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015099125A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108181056A (zh) * | 2017-12-21 | 2018-06-19 | 上海科勒电子科技有限公司 | 室内漏水检测方法、系统、存储介质及电子设备 |
JP2019011975A (ja) * | 2017-06-29 | 2019-01-24 | 株式会社デンソーウェーブ | 水道使用状態判定装置 |
JP2019011973A (ja) * | 2017-06-29 | 2019-01-24 | 株式会社デンソーウェーブ | 漏水検出装置 |
-
2013
- 2013-11-20 JP JP2013239861A patent/JP2015099125A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019011975A (ja) * | 2017-06-29 | 2019-01-24 | 株式会社デンソーウェーブ | 水道使用状態判定装置 |
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