JP2015098184A - 着せ替え式車両 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、同一の車体構造体に複数のボデー群から選択された一のボデーを装着する着せ替え式車両を提供する。
【解決手段】本車両の着せ替え車両において、バンパを構成する部材は、車両のフェンダ等を構成する他の部材と共に前記車体構造体へ脱着可能に取り付けられ 、バンパを構成する部材は、前記車両のフェンダ等を構成する他の部材を取り外すことなく、車体構造体から取り外すことが可能である。
【選択図】図１

Description

本発明は、同一の車体構造に複数の車体外板を着せ替え可能な着せ替え式車両において、車体損傷時の部品交換を容易に実行し得る着せ替え車両に関する。

近年、着せ替え式車両が登場している。例えば、同一のフレーム（車体構造）に複数のタイプの車体（車体外板）を変更可能に取付けられる構造をしており、車体下部を構成するアンダー部材に、ピラー部材、車体上部を構成する車体パネル部材など複数の部材を接合固定することで着せ替え作業を行う。

このような着せ替え式車両の構造によれば、車両を買い換えることなく、異なるタイプの車体を得ることが可能であることで有利であるが、車両販売の一態様になることを確立していくには、着せ替え作業の効率化と作業コストの低減、すなわち部品交換時の作業を簡略化し、これによる工賃の抑制が求められる。

また、着せ替え作業を各ディーラーで行うこととした場合、通常の部品交換作業から予想できないような特殊な着せ替え工程を要求すると、経験数の少ないディーラーでは作業の効率化を促進し難いという問題もある。

例えば、特許文献１は、車体前部において、車体前部空間と車室を仕切るダッシュパネルよりも車室側には各種車両用補機類に対応するダッシュパネルの少なくとも一部分が、この一部分を除く他のダッシュパネル部分に対して開閉または脱着自在に取付けられている。このため、同一のフレームに複数のタイプの車体が変更可能に取付けることができる。

また、特許文献２は、車体下部を構成するアンダー部材を合成樹脂で形成し、ピラー部材や、車体上部を構成する車体パネル部材など複数の部材を、上記アンダー部材に接合固定する車体構造とすることにより、アンダー部材の剛性と強度が向上し、パネル部材の取付け剛性も向上され、パネル部材を交換することによって異なるタイプの車両を得ることが可能な構造となっている。しかしながら、特許文献１および特許文献２の車両構造においては、着せ替え作業時の車体外板部材の組み付け順については触れられておらず、通常の部品交換作業から予想できないような特殊な着せ替え工程を要求すると、経験数の少ないディーラーでは作業に常の部品交換作業と比べて多大な時間がかかり、工賃の抑制が困難となる等の問題が残る。

実開平３−３８２８７号公報 特開平１−１１１５７５号公報

以上の事情に鑑みて本発明は創作されたものであり、本発明は、同一の車体構造に複数の車体外板を着せ替え可能であり、車体損傷時に部品交換性が良く、作業工賃も抑制し得る着せ替え車両の提供を目的とする。

本発明は、同一の車体構造体、即ち、車体の骨格を形成する複数の強度部材の組立体に、複数のボデー群から選択された一のボデーを装着する着せ替え式車両を提供する。この車両では、バンパを構成する部材は、車両のフェンダ等（バンパ以外）を構成する他の部材と共に前記へ脱着可能に取り付けられる。また、バンパを構成する部材は、前記車両のフェンダ等を構成する他の部材を取り外すことなく、車体構造体から取り外すことが可能である。

本発明の着せ替え車両において、バンパを構成する部材は、車両のフェンダ等を構成する他の部材と共に車体構造体に取付けられるが、バンパを構成する部材は、他の部品を取り外すことなく、単独で取り外すことが可能な構造を形成する。具体的には、着せ替え作業のうちボデーを取り外す工程において、車両前後に有するバンパを最初に取り外すことができるような組み付け順としている。逆にボデーを装着する工程では、バンパを最後に組み付けることとしている。

本発明によれば、車両前後のバンパを、フェンダやピラー部材等のその他部品を取り外さなくても部品交換すなわち着せ替え可能な構造としている。したがって、着せ替え作業工程や、通常の修理作業において、部品交換ニーズの高いバンパを、先行して脱着可能なため、部品交換時の作業を簡略化でき、作業時間を短縮できる。また、作業時間を短縮できるため、作業費用（工賃）も抑制できる。

本発明の一実施形態に係る着せ替え式車両（A）の図である。 本発明の一実施形態に係る着せ替え式車両の、着せ替え後の車両（B）の図である。 車体構造体に、ボデー群を構成する部材を装着する過程と、組付点の一部を示す略図である。 ボデー群を構成する主な部材と、各々の組付点を示す略図である。 車体構造体に、ボデー群を構成する部材を装着した状態を示す略図である。 エンジンフード部を開けた、エンジンルームの略上視図である。 トランクリッド部を開けた、トランクルームの略上視図である。

以下、本発明の一実施形態に係る着せ替え式車両１０について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図１〜図２は２種類の着せ替え式車両１０、１００の斜視図が示されており、ここでは図１に着せ替え式車両（A）、図２に着せ替え式車両（B）を示している。

図１〜図２に示すように、着せ替え式車両１０、１００は、図３に示す車体構造体３０（車体の骨格を形成する複数の強度部材の組立体）に、複数のボデー群から選択した一つのボデー群を装着して構成される。本実施形態においては、その組み付け順に着目して具体的に説明する。
尚、図１〜図７において、下２桁が同一な番号は、同種の部品を示している。

図１に示すように、着せ替え式車両（A）１０は、図３に示す車体構造体３０に一つのボデー群を装着して構成される。図３〜図４は、車体構造体に、ボデー群を構成する部材を装着する過程を表すための側面図と、組付点の一部を示す側面図とを示している。

前記ボデー群を構成する部材は、概ねドア部２０と、図示しないルーフ（屋根）部と、エンジンフード部２２と、トランクリッド部２３と、前輪フェンダ部２４と、後輪フェンダ部２５と、図示しない前部バンパ部（図５に２７として示す）と、図示しない後部バンパ部（図５に２８として示す）と、ロッカーパネル部２９と、で構成される。

図３に示すように、ボデー群を構成する各々の部材は車体構造体３０に脱着可能であり、図３〜図４に示す前記車体構造体３０に予め所定位置に設けている組付点３５、３６、３７，３８、３９と４０を利用して、前記ボデー群を構成する部材をネジ止め、クリップ留めや嵌合（スナップ止め等）で装着する。

図１に示す着せ替え式車両（A）１０から、図２に示す着せ替え式車両（B）１００へ着せ替える工程では、ボデー群を構成する部材である前部バンパ部２７と、図示しない後部バンパ部（図５に２８として示す）と、ドア部２０と、前輪フェンダ部２４と、後輪フェンダ部２５と、さらに他にボデー群を構成する部材を、順次、車体構造体３０から取外す。

上記の工程により、図１に示した着せ替え式車両１０は、図３に示す車体構造体３０のみの状態となる。

次に、ボデー群から図２に示した着せ替え式車両（B）１００を構成する一のボデーを準備し、車体構造体３０へ順次装着することにより、図２に示す車両（B）１００への着せ替えが完了する。

尚、ボデー群を構成する各々の部材のうち、エンジンフード部２２、トランクリッド部２３、ドア部２０、図示しないルーフ（屋根）部、のうち１つもしくは複数は着せ替えしない、といった実施形態も可能である。

バンパを構成する部材を、車両のフェンダ等を構成する他の部材を取り外すことなく、車体構造体３０から取り外すことを可能とする手段としては、一例として、概ね図３に示すように、ボデー群を構成する部材のうち、図示しない前部バンパ部（図５に２７として示す）と、図示しない後部バンパ部（図５に２８として示す）と、を除く他の部材、即ちドア部２０と、図示しないルーフ（屋根）部と、エンジンフード部２２と、トランクリッド部２３と、前輪フェンダ部２４と、後輪フェンダ部２５と、ロッカーパネル部２９とを、車体構造体３０へ装着する。

上述した概ね図３の状態の車両に対して、図５に示すように、最後に前部バンパ部２７と、後部バンパ部２８と、を装着する組み付け順となるよう、予め前部バンパ部２７と、後部バンパ部２８、および前輪フェンダ部２４、後輪フェンダ部２５等ボデー群を構成する部材の形状、および図４に示す組付点３５〜組付点３８と、図３に示す組付点３９〜組付点４０の配置を設定しておく。

例えば、前部バンパ部２７は、図３および図６に示す組付点３９に、エンジンルーム５０内側から、車体構造体３０に装着することが可能なように設定しておく。詳述すると、隣り合う部材である左右の前輪フェンダ部２４と、図５に示すエンジンフード部２２と、を車体構造体３０に装着した後、図５に示すエンジンフード部２２を開け、前部バンパ部２７をエンジンルーム５０内側からクリップ留めすることが可能な位置に、図３および図６に示す組付点３９を配設しておき、図６に示すように最後に前部バンパ部２７を車体構造体３０に取り付ける。

前記クリップには種々のタイプがあるが、一例には樹脂製で、一端は平面で、他端の先にフック有し、図６に示すように、車体構造体３０と前部バンパ部２７とに配設された組付点の穴に押し通すと、先端のフックが縮まって穴を通過し、通過後に穴の直径よりも大きい状態に戻ることで、前部バンパ部２７を車体構造体３０に固定するものであり、工具を使用して取り外すことが可能である。

前記の手段によれば、前部バンパ部２７を、ドア部２０、エンジンフード部２２、トランクリッド部２３、前輪フェンダ部２４、後輪フェンダ部２５、ロッカーパネル部２９等の、他の部材を取り外すことなく、車体構造体３０から取り外すことが可能となる。

また、後部バンパ部２８は、図３および図７に示す組付点４０に、トランクルーム５２内側から、車体構造体３０に装着することが可能なように設定しておく。詳述すると、隣り合う部材である左右の後輪フェンダ部２５と、図５に示すトランクリッド部２３と、を車体構造体３０に装着した後、トランクリッド部２３を開け、後部バンパ部２８をトランクルーム５２内側からクリップ留めすることが可能な位置に、組付点４０を配設しておき、図７に示すように最後に後部バンパ部２８を車体構造体３０に取り付ける。

前記の手段によれば、後部バンパ部２８を、ドア部２０、エンジンフード部２２、トランクリッド部２３、前輪フェンダ部２４、後輪フェンダ部２５、ロッカーパネル部２９等の、他の部材を取り外すことなく、車体構造体３０から取り外すことが可能となる。

尚、図６〜図７のエンジンルーム５０やトランクルーム５２の内側には、防音や積載する荷物の傷付き、汚れを防止するため、図示しない防音部材や内装部材が配設されている場合があるが、これらの部材の取り外し、および取り付け作業は、ボデー群を構成する各々の部材の取り外し、および取り付け作業に比べて容易であり、通常の部品交換作業でも実施されているため、前部バンパ部２７、後部バンパ部２８の取り外しに先立ち、防音部材や内装部材の取り外しが必要となった場合も、部品交換時に車両ユーザーの支払う修理費用（工賃）の上昇にはつながらない。

尚、バンパ２７、２８を構成する部材は、車両のフェンダ部２４、２５等を構成する他の部材と共に車体構造体に取付けられるが、バンパ２７、２８を構成する部材は、他の部品を取り外すことなく、単独で取り外すことが可能な構造とする。

前後バンパ２７、２８を最初に取り外すことができる組み付け順とする。すなわち、最後に組み付けられる。これによりバンパ２７、２８を、他部品を外さなくても脱着可能な構造とすることができる。したがって、交換ニーズの高いバンパを、他部品を外さずとも脱着可能なため、部品交換時の作業を簡略化でき、作業時間を短縮できる。また、 作業時間を短縮できるため、車両ユーザーの支払う修理費用（工賃）も抑制できる。

以上、本発明の着せ替え式車両の着せ替え作業時の車体外板部材の組み付け順についての実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。

１０ 着せ替え式車両（A）
２０ ドア部
２２ エンジンフード部
２３ トランクリッド部
２４ 前輪フェンダ部
２５ 後輪フェンダ部
２７ 前部バンパ部
２８ 後部バンパ部
２９ ロッカーパネル部
３０ 車体構造体
３５ 前輪フェンダ部の組付点
３６ ボデー群を構成する一部材の組付点
３７ ロッカーパネル部の組付点
３８ 後輪フェンダ部の組付点
３９ 前部バンパ部の組付点
４０ 後部バンパ部の組付点
５０ エンジンルーム
５２ トランクルーム
１００ 着せ替え式車両（B）
１２０ 着せ替え式車両（B）のドア部
１２２ 着せ替え式車両（B）のエンジンフード部
１２３ 着せ替え式車両（B）のトランクリッド部
１２４ 着せ替え式車両（B）の前輪フェンダ部
１２５ 着せ替え式車両（B）の後輪フェンダ部
１２７ 着せ替え式車両（B）の前部バンパ部
１２８ 着せ替え式車両（B）の後部バンパ部
１２９ 着せ替え式車両（B）のロッカーパネル部

Claims (1)

1. 同一の車体構造体に複数のボデー群から選択された一のボデーを装着する着せ替え式車両であって、
   バンパを構成する部材は、車両のフェンダ等を構成する他の部材と共に前記車体構造体へ脱着可能に取り付けられ 、
   バンパを構成する部材は、前記車両のフェンダ等を構成する他の部材を取り外すことなく、車体構造体から取り外すことが可能である、
   ことを特徴とする着せ替え式車両。