以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1ついて説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
大入賞口23は、第2始動口22の下側中央に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球8個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、15回)だけ繰り返す。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(後述する通常状態、時短状態等)を表示する。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球8個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、15回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。なお、本実施形態における遊技状態については、後に詳述する。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
また、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400は、演出ボタン37および演出キー38が接続され、遊技者が押下する操作に応じて演出ボタン37および演出キー38からそれぞれ出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、遊技者に特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、遊技者に予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、遊技者に特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7の動作を制御する。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、高確状態と、電サポ状態と、時短状態と、大当り遊技状態と、通常状態とが少なくとも存在する。高確状態とは、特別図柄抽選の当選確率が高確率(1/50:低確率は1/300)に設定されている遊技状態である。電サポ状態とは、例えば普通図柄抽選の当選確率が上がり(例えば10/10:低確率は1/10)、かつ普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間開放されるように制御されることによって、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入球(入賞)し易くなる遊技状態である。時短状態とは、特別図柄抽選の実行間隔が短縮される遊技状態である。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)大入賞口23が開放される大当り遊技が実行されている遊技状態である。通常状態は、以上の遊技状態のいずれでもない通常の遊技状態である。通常状態及び大当り遊技状態は、それぞれ、他の遊技状態と併存することは無いが、高確状態と電サポ状態と時短状態とは、互いに併存する場合がある。本実施形態では、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとして、電サポ状態かつ時短状態のことを、以下では、まとめて、時短状態という。この時短状態においては、第2始動口22へ遊技球が入賞し易くなるため、遊技球が殆ど減ることなく短時間で多数の特別図柄抽選を実行できることとなる。このため、時短状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。また、以下では、高確状態かつ時短状態のことを高確/時短状態といい、高確状態であり時短状態ではないことを高確/非時短状態(または潜伏状態)という。
[本実施形態における大当り遊技の概要]
次に、本実施形態における特別図柄抽選の大当り遊技の概要について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態に係る特別図柄抽選の大当り内訳の一例を説明するための図である。図5の(1)は、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳を示し、図5の(2)は、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳を示す。図5の(1)に示すように、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りAの当選確率が10%であり、大当りBの当選確率が40%であり、大当りCの当選確率が25%であり、大当りDの当選確率が25%である。また、図5の(2)に示すように、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りAの当選確率が70%であり、大当りBの当選確率が30%である。以下に、図5の(3)を参照して、各大当りA〜Dに当選した場合の大当り遊技について説明する。
大当りAに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、大入賞口23が閉状態から開状態にされて1ラウンド(以下、単に「R」と記載する場合がある)が開始される。1Rにおいて、大入賞口23に遊技球が8個入賞するか開放時間が29.5秒経過すると、大入賞口23が開状態から閉状態にされて1Rが終了される。その後、ラウンドとラウンドとの間のインターバル期間(例えば2秒間)が設けられた後に、1Rと同様に大入賞口23が開放されてから閉鎖されて2Rが終了する。以後同様に、インターバル期間を挟んで大入賞口23の開閉によって計15回のラウンドが実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。したがって、遊技者は、この大当り遊技の間に約1500球の賞球総数を獲得することができる。その後、遊技状態は、大当たり遊技が終了してから78回転終了するまで(つまり、特別図柄抽選が78回実行されて表示器4に特別図柄が78回変動表示されてから停止表示されるまで)の間、高確/時短状態に制御される。
大当りBに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、インターバル期間を挟んで大入賞口23の開閉によって計5回のラウンドが実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。したがって、遊技者は、この大当り遊技の間に約500球の賞球総数を獲得することができる。その後、遊技状態は、大当たり遊技が終了してから78回転終了するまでの間、高確/時短状態に制御される。
大当りCに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、大入賞口23が閉状態から開状態にされて極めて短時間(例えば0.1秒)経過すると大入賞口23が開状態から閉状態にされるラウンドが、インターバル期間を挟んで所定回数(例えば5回)実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。つまり、この大当り遊技の間には、大入賞口23は瞬間的にしか開放されないため、遊技球が大入賞口23に入ることは殆どなく、遊技者は、この大当り遊技の間に実質的に賞球を得ることはできない。その後、遊技状態は、大当たり遊技が終了してから78回転終了するまでの間、高確/時短状態に制御される。
大当りDに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、大入賞口23が閉状態から開状態にされて極めて短時間(例えば0.1秒)経過すると大入賞口23が開状態から閉状態にされるラウンドが、インターバル期間を挟んで所定回数(例えば5回)実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。つまり、この大当り遊技の間には、大入賞口23は瞬間的にしか開放されないため、遊技球が大入賞口23に入ることは殆どなく、遊技者は、この大当り遊技の間に実質的に賞球を得ることはできない。その後、遊技状態は、大当たり遊技が終了してから78回転終了するまでの間、潜伏状態(高確状態であるが非時短状態)に制御される。
なお、本実施形態では、特別図柄抽選に当選しなかった場合(つまりハズレである場合)において、所定の確率(例えば1/200)で当選する「小当り」を設けている。この「小当り」に当選した場合には、小当り遊技として、大当りDに当選したかのような演出が行われ、かつ、大当りDに当選した場合と同様に大入賞口23が開閉制御される。このことによって、遊技者に対して、実際は「小当り」であっても、大当りDに当選(潜伏当り)したかもしれないという期待感を抱かせ、遊技の興趣性を向上させることができる。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理について説明する。
[メイン制御部の主要動作]
図6は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図6を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図6に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図6以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類(図5の(3)参照)を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図9のステップS57の処理で使用される。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を決定するための乱数である。ここで、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動中に行われる報知演出の実行時間と等しい。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図9のステップS58の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当り乱数では299)に達した後は再び0に戻る。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視し、いずれかのスイッチがONとなった時点(第1始動口スイッチ111a又は第2始動口スイッチ111bから遊技球の検出信号が出力された時点)で、第1特別図柄抽の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図8を用いて後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視し、ゲートスイッチ113がONとなった時点(ゲートスイッチ113から遊技球の検出信号が出力された時点)で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄を表示させたり、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図9を用いて後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。図7は、普通図柄処理に関する処理の一例について説明するための図である。図7に示すように、CPU101は、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間を、非時短状態(通常状態および潜伏状態)では10秒に設定し、時短状態では0.5秒に短縮する。また、CPU101は、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)を、非時短状態では低確率(1/10)に設定し、時短状態では高確率(10/10)に上昇させる。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)等に、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23に所定の開閉動作を行わせたり、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は賞球を獲得可能となる。また、CPU101は、設定した遊技状態を示すコマンドを演出制御部400に送信する。このことによって、演出制御部400は、設定中の遊技状態を認識することができる。この大入賞口処理については、図11及び図12を用いて後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、図7に示すように、通常状態では電動チューリップ27を極短期間(0.10秒間を1回)開放制御し、電サポ状態では電動チューリップ27を長期間(2.00秒間を3回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。
[始動口スイッチ処理]
図8は、図6のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図6のステップS2における始動口スイッチ処理について、図8を用いて説明する。
まず、ステップS21において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aからの検出信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111aがONになったか否かを判定する。ステップS21での判定がYESの場合、処理はステップS22に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS27に移る。
ステップS22において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS22での判定がYESの場合、処理はステップS23に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS27に移る。
ステップS23において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS24に移る。
ステップS24において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図9のステップS56の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS24の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS25に移る。
ステップS25において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS24の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かやリーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図9のステップS57及びS58の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS26に移る。
ステップS26において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS25の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。その後、処理はステップS27に移る。
ステップS27において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの検出信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ111bがONになったか否かを判定する。ステップS27での判定がYESの場合、処理はステップS28に移り、この判定がNOの場合、処理は図6のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS28において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS28での判定がYESの場合、処理はステップS29に移り、この判定がNOの場合、処理は図6のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS29において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS30に移る。
ステップS30において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図9のステップS54の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS30の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS31に移る。
ステップS31において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS30の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かやリーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図9のステップS57及びS58の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS32に移る。
ステップS32において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS31の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。その後、処理は図6のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。なお、ステップS26でセットされた第1保留数増加コマンド及びステップS32でセットされた第2保留数増加コマンドは、図6のステップS9の出力処理によって、演出制御部400に送信される。
[特別図柄処理]
図9は、図6のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9を用いて、図6のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS51において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)または小当り遊技中であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中または小当りに当選した場合の小当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS51での判定がYESの場合、処理は図6のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS52に移る。
ステップS52において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS52での判定がYESの場合、処理はステップS61に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS53に移る。
ステップS53において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS53での判定がYESの場合、処理はステップS54に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS55に移る。
ステップS54において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図8のステップS30によって取得された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS57に移る。
一方、ステップS55において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS55での判定がYESの場合、処理はステップS56に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いこととなるので、処理は図6のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS56において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図8のステップS24によって取得された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS57に移る。
以上のステップS53〜S56の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS57において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS54の処理に続いてステップS57の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS54の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS56の処理に続いてステップS57の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS56の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄(小当りの場合には小当りの種類を表す小当り図柄)を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類(図5の(3)参照)を判定する。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS58に移る。
ステップS58において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、CPU101は、非時短状態で制御されているときには、図10を用いて後述するTS1またはTS3を使用対象の変動時間テーブルセットとして設定し、時短状態で制御されているときには、図10を用いて後述するTS2を使用対象の変動時間テーブルセットとして設定する。
図10は、非時短状態(通常状態または潜伏状態)および時短状態において使用される変動時間テーブルセットの例を説明するための図である。変動時間テーブルセットは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間を決定するために使用されるテーブルセットである。遊技機1は、図10に示す変動時間テーブルセットTS1〜TS3のいずれかを用いて、特別図柄抽選毎に特別図柄変動時間を決定する。ここで、特別図柄変動時間は、演出を交えて大当り抽選結果を報知する報知演出の実行時間と等しい。なお、以下の説明では、変動時間テーブルセットTS1、TS2、およびTS3を、単に、TS1、TS2、およびTS3という。
図10の(1)に示すように、TS1は、非時短状態で使用されるテーブルセットであり、大当り用変動時間テーブルと、リーチありハズレ用変動時間テーブルと、リーチなしハズレ用変動時間テーブルとから成る。大当り用変動時間テーブルは、「30秒」、「60秒」および「90秒」の特別図柄変動時間から成り、特別図柄抽選に当選(大当り)して報知演出においてリーチ演出を実行した後に大当りしたことを報知する場合に使用されるテーブルである。大当り用変動時間テーブルが使用される確率は1/300であり、この1/300のうち、それぞれ1/3の確率で「30秒」「60秒」「90秒」が特別図柄変動時間として決定される。リーチありハズレ用変動時間テーブルは、「30秒」、「60秒」および「90秒」の特別図柄変動時間から成り、特別図柄抽選に落選して(ハズレて)報知演出においてリーチ演出を実行した後にハズレたことを報知する場合に使用されるテーブルである。リーチありハズレ用変動時間テーブルが使用される確率は20/300であり、この20/300のうち、それぞれ1/3の確率で「30秒」「60秒」「90秒」が特別図柄変動時間として決定される。リーチなしハズレ用変動時間テーブルは、「12秒」、「10秒」、「8秒」および「4秒」の特別図柄変動時間から成り、特別図柄抽選に落選して(ハズレて)報知演出においてリーチ演出を実行しないでハズレたことを報知する場合に使用されるテーブルである。リーチなしハズレ用変動時間テーブルが使用される確率は279/300であり、第1及び第2特別図柄抽選の保留数の合計が0又は1の場合は「12秒」が特別図柄変動時間として決定され、この合計が2の場合は「10秒」が特別図柄変動時間として決定され、この合計が3の場合は「8秒」が特別図柄変動時間として決定され、この合計が4以上の場合は「4秒」が特別図柄変動時間として決定される。以上のように、大当り用変動時間テーブルおよびリーチありハズレ用変動時間テーブルは、報知演出においてリーチ演出が実行される場合に使用されるので、比較的長い特別図柄変動時間から成る。一方、リーチなしハズレ用変動時間テーブルは、報知演出においてリーチ演出が実行されない場合に使用されるので、比較的短い特別図柄変動時間から成り、上記した保留数の合計が多くなるほど、より短い時間となる。
図10の(2)に示すように、TS2は、時短状態において使用されるテーブルセットであり、上記したTS1に対して、リーチなしハズレ用変動時間テーブルが、「12秒」、「5秒」、「4秒」および「3秒」の特別図柄変動時間から成り、第1及び第2特別図柄抽選の保留数の合計が2の場合は「5秒」が特別図柄変動時間として決定され、この合計が3の場合は「4秒」が特別図柄変動時間として決定され、この合計が4以上の場合は「3秒」が特別図柄変動時間として決定される点で異なる。但し、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率1/300から高確率1/50に上昇されている(遊技状態が高確状態に制御されている)ときには、大当り用変動時間テーブルが使用される確率は6/300であり、リーチありハズレ用変動時間テーブルが使用される確率は15/300である。以上のように、電サポ状態で使用されるTS2は、通常状態で使用されるTS1よりも、短い特別図柄変動時間を決定し易いテーブルセットである。
図10の(3)に示すように、TS3は、非時短状態のうち、大当りD(いわゆる潜伏当り)による大当り遊技が終了してから、または小当り遊技が終了してから特別図柄抽選が所定回数(後述する第1回数;後述する図15参照)実行されるまでの間において使用されるテーブルセット(特殊テーブルセット)である。なお、この第1回数は、小当りの種類(小当り図柄の種類)と大当りDに対応して予め設定されている回数であり、その詳細については図15を用いて後述する。TS3は、上記したTS1に対して、リーチありハズレ用変動時間テーブルが、「12秒」、「30」、「60秒」の特別図柄変動時間から成り、大当り用変動時間テーブルが、「12秒」、「30」、「60秒」の特別図柄変動時間から成る点で異なる。したがって、大当りDによる大当り遊技または小当り遊技が終了してからの所定回数において使用されるTS3は、TS1よりも、短い特別図柄変動時間を決定し易いテーブルセットである。さらに、TS3には、TS1とは異なり、ハズレ時の切り替え用テーブルとして、固定された「12秒」の特別図柄変動時間が設けられている。この切り替え用テーブルは、上記した第1回数目における特別図柄変動時間を決定するために使用されるテーブルであり、このため、大当りDによる大当り遊技または小当り遊技が終了してから第1回数目における特別図柄抽選では、特別図柄変動時間が固定的に「12秒」に設定される。
説明は図9に戻り、ステップS58において、CPU101は、ステップS57の大当り判定処理で大当りと判定した場合、使用対象として設定されている変動時間テーブルセット(TS1〜TS3のいずれか)に含まれる大当り用変動時間テーブルを用いて、この大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数がROM102に記憶されている所定値(大当り発生時の変動パターン決定用の所定値)の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。
一方、CPU101は、ステップS57の大当り判定処理でハズレと判定した場合、この大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数がROM102に記憶されている所定値(ハズレ時のリーチ実行決定用の所定値)の何れかと一致するかに基づいて、リーチ演出を実行するか否かを決定する。そして、CPU101は、リーチ演出を実行すると決定した場合、使用対象として設定されている変動時間テーブルセット(TS1〜TS3のいずれか)に含まれるリーチありハズレ用変動時間テーブルを用いて、今回の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数がROM102に記憶されている所定値(ハズレ時にリーチ演出を実行する場合の変動パターン決定用の所定値)の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。一方、CPU101は、リーチ演出を実行しないと判定した場合、使用対象として設定されている変動時間テーブルセット(TS1又はTS2)に含まれるリーチなしハズレ用変動時間テーブルを用いて、今回の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数がROM102に記憶されている所定値(ハズレ時にリーチ演出を実行しない場合の変動パターン決定用の所定値)の何れと一致するか、及び、RAM103に記憶されている保留数U1及びU2に基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。一方、CPU101は、大当りDによる大当り遊技または小当り遊技が終了してから第1回数目における特別図柄抽選の場合には、使用対象として設定されている変動時間テーブルセットTS3に含まれる切り替え用テーブルを用いて、RAM103から読み出された変動パターン乱数やRAM103に記憶されている保留数U1及びU2に関わらず、変動パターン(特別図柄変動時間)を「12秒」に決定する。
以上のようにして決定された大当りか否かの情報、大当りの場合の大当りの種類、小当りの場合の小当りの種類、変動パターンの情報及びリーチ演出を実行するか否かを示す情報は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS59に移る。
ステップS59において、CPU101は、ステップS57の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS58の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6及びスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報も含まれる。この報知演出開始コマンドは、図6のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS60に移る。
ステップS60において、CPU101は、ステップS59の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS61に移る。
ステップS61において、CPU101は、ステップS60における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS58の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS61での判定がYESの場合、処理はステップS62に移り、この判定がNOの場合、処理は図6のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS62において、CPU101は、画像表示部6等による報知演出の終了を指示する報知演出停止コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS63に移る。なお、ステップS62でセットされた報知演出停止コマンドは、図6のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS63において、CPU101は、ステップS60の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了してその停止図柄を表示する。その後、処理はステップS64に移る。
ステップS64において、CPU101は停止中処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS57の大当り判定処理で大当りしたと判定した場合、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)を大当り遊技中(大当り遊技状態)であることを示すものに変更し、大当り遊技演出の開始を指示するオープニングコマンドをRAM103にセットする。また、CPU101は、ステップS57の大当り判定処理で小当り(所定のハズレ)したと判定した場合、RAM103に記憶されている情報を小当り遊技中であることを示すものに変更し、小当り遊技演出の開始を指示するオープニングコマンドをRAM103にセットする。これらのオープニングコマンドは図6のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、大当り遊技演出または小当り遊技演出が開始される。また、CPU101は、ステップS60及びS63の処理によって特別図柄が変動して停止表示される回数(以下、回転数ともいう)に応じて、遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定や電動チューリップ27の開放設定を切り替える)。その後、処理は図6のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[大入賞口処理]
図11及び図12は、図6のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図6のステップS6における大入賞口処理について、図11及び図12を用いて説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング演出中であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS608に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニング演出の実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmaxと大当り遊技の大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、大当り遊技に含まれるラウンドの数量(Rmax:本実施形態では「15」または「5」)と大当り遊技中の大入賞口23の動作パターン(長開放パターン、瞬間的開放パターン等)を設定し、その設定情報をRAM103にセットする。ステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に書き換える。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンドが開始されて大入賞口23の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS613に移る。
ステップS608において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS608での判定がYESの場合、処理はステップS609に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS610に移る。
ステップS609において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS609での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっていないので、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS610において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、処理は図12のステップS619に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS611において、CPU101は、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ114からの検出信号の有無に基づいて、大入賞口スイッチ114がONになったか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理はステップS612に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS613に移る。
ステップS612において、CPU101は、大入賞口23への遊技球の入賞を検出したと判断して、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に書き換える。ステップS612の処理が大入賞口スイッチ114がONになる毎に実行されることで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。その後、処理はステップS613に移る。
ステップS613において、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間が経過したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、図5の(3)に示す大当りAまたは大当りBに当選した場合に実行される大当り遊技の場合には、29.5秒の開放制御時間が経過したか否かを判定し、図5の(3)に示す大当りCまたは大当りDに当選した場合に実行される大当り遊技の場合は、0.1秒の開放制御時間が経過したか否かを判定する。ステップS613での判定がYESの場合、処理はステップS615に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS614に移る。
ステップS614において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「8」)となったか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理はステップS615に移り、この判定がNOの場合、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS615において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、CPU101は、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、大入賞口23を開放してから29.5秒(大当りA、Bの場合)、または0.1秒(大当りC、Dの場合)が経過するまでに大入賞口スイッチ114によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が8個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから8個の遊技球が入賞することなく29.5秒(大当りA、Bの場合)、または0.1秒(大当りC、Dの場合)が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS616に移る。
ステップS616において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS616での判定がYESの場合、処理は図12のステップS617に移り、この判定がNOの場合、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図12のステップS617において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図6のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS619に移る。
ステップS619において、CPU101は、ステップS618でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図11のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS619での判定がYESの場合、処理はステップS620に移り、この判定がNOの場合、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS620において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技中であることを示す設定情報(典型的には、フラグによる情報)を解除して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS620で大当り遊技を終了した場合に、今回の大当りの種類に応じて遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定および電動チューリップ27の開放設定を切り替える)。その後、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。なお、小当り遊技が実行される場合には、上記した大入賞口処理ではないものの、大当りC、Dの場合と同様に大入賞口23を例えば0.1秒瞬間開放させる動作を5回行うことで、小当たり遊技を終了し、小当り遊技の前後においては遊技状態を切り替えない。また、この開放態様は、総開放時間が1.8秒を超えないような態様であればどのような開放態様であってもよい。
[演出制御部による演出制御処理]
図13は、演出制御部400によって行われる演出制御処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図13を参照して、演出制御部400によって行われる演出制御処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図13に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図13のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。また、以下の説明では、大当り遊技演出等に関する内容については、その説明を省略している。
まず、図13のステップS101において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図8のステップS26及びS32参照)。ステップS101での判定がYESの場合、処理はステップS102に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS106に移る。
ステップS102において、CPU401は、保留数加算処理を実行する。具体的には、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に格納されている第1特別図柄抽選の保留数を1加算し、第2保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に格納されている第2特別図柄抽選の保留数を1加算する。また、CPU401は、保留増加コマンドに含まれる事前判定情報を抽出し、保留増加コマンドの種別(第1保留増加コマンド又は第2保留増加コマンド)毎にRAM403に記憶する。その後、処理はステップS103に移る。
ステップS103において、CPU401は、保留表示処理を実行する。具体的には、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、画像音響制御部500に指示して画像表示部6に第1特別図柄抽選の保留数を示す保留画像(図示せず)を1つ増加表示させる。同様に、CPU401は、第2保留数増加コマンドを受信した場合、画像音響制御部500に指示して画像表示部6に第2特別図柄抽選の保留数を示す保留画像を1つ増加表示させる。なお、前述したように、この保留増加コマンドには、特別図柄抽選の結果を示す事前判定情報が含まれている。従って、ステップS103において、CPU401は、事前判定情報に基づいて、例えば、特別図柄抽選に対する当選の期待度を示唆するように保留表示の態様を変化させる先読み保留予告演出を実行してもよい。その後、処理はステップS104に移る。
ステップS104において、CPU401は、先読み予告演出を実行するか否かを判定する。ここで、先読み予告演出とは、報知演出において、この報知演出よりも後に実行する報知演出で大当りが報知されることを示唆する(期待させる)演出である。例えば、CPU401は、RAM403に記憶されている特別図柄抽選の保留数が1以上であるか否かを判定して1以上であると判定した場合、直近のステップS102の処理でRAM403に記憶された事前判定情報に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かを判定する。ステップS104での判定がYESの場合、処理はステップS105に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS106に移る。
ステップS105において、CPU401は、先読み予告演出の内容を決定する。例えば、CPU401は、報知演出において特定のキャラクタ画像を表示する内容の先読み予告演出を決定する。その後、処理はステップS106に移る。
ステップS106において、CPU401は、図9のステップS59でセットされた報知演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS106での判定がYESの場合、処理はステップS107に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS111に移る。
ステップS107において、CPU401は、ステップS106で受信した報知演出開始コマンドを解析する。つまり、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報を取得する。その後、処理はステップS108に移る。
ステップS108において、CPU401は、ステップS107で解析した報知演出開始コマンドに基づいて実行されるべき報知演出が、ステップS105での先読み予告演出の実行対象に決定された報知演出であるか否かを判定する。つまり、今回の報知演出において先読み予告演出を実行するか否かを判定する。ステップS108での判定がYESの場合、処理はステップS109に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS110に移る。
ステップS109において、CPU401は、ステップS107で取得した設定情報の条件(大当りしたか否かの条件、報知演出実行時間の条件及びリーチ演出を実行するか否かの条件等)を満たす多数の報知演出の演出パターンから抽選等によって実行する演出パターンを決定し、又、先読み予告演出(特定のキャラクタ画像)を付加して、先読み予告演出を含む報知演出を画像音響制御部500等に指示して実行する。その後、処理はステップS101に戻る。
一方、ステップS110において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、先読み予告演出を含まない報知演出を決定して実行する。ここで、ステップS110の処理で実行される報知演出においては、特別図柄抽選の抽選結果を報知する演出に加えて、特別遊技(大当り遊技)を行うと判定され易い(つまり、特別図柄抽選に当選し易い)有利な遊技状態(つまり、高確状態)である可能性(信頼度)が高いことを示唆するモード演出が実行される。なお、本実施形態における特徴的なこのモード演出の詳細については図17〜図20を用いて後述する。
図14は、ステップS110の処理の詳細フローチャートの一例である。以下、図14を用いて、ステップS110の処理について説明する。
まず、図14のステップS120において、CPU401は、大当りDに当選した場合に実行される大当り遊技(以下、潜伏当り遊技ということがある)または小当り遊技の終了直後であるか否かを判定する。具体的には、CPU401は、例えば、潜伏当り遊技の遊技演出または小当りによる小当り遊技の演出を終了した直後であるか否かを判定する。その後、処理はステップS121に移る。
ステップS121において、CPU401は、直前に終了した遊技が潜伏当り遊技または小当り遊技であるか、小当り遊技である場合にはその小当りの種類に基づいて、第1回数、第2回数、フェイク回数、フェイクの種類を決定し、RAM403に記憶する。また、特定フラグをONにし、抽選フラグをONにする。ここで、特定フラグとは、ONである場合には後述する通常モードのモード演出以外のモード演出が行われる可能性があることを示し、OFFである場合には通常モードのモード演出以外のモード演出が行われないことを示すフラグであり、抽選フラグとは、ONである場合には後述する切り替え抽選が行われる可能性があることを示し、OFFである場合には切り替え抽選が行われないことを示すフラグである。
ここで、図15を用いて、上記した第1回数、第2回数、フェイク回数、フェイクの種類について説明する。図15に示すように、小当り(小当たりE〜H)および大当りDには、それぞれ第1回数、第2回数、フェイク回数、フェイクの種類が設定される。ここで第1回数は、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後に、特別図柄抽選に当選し易い有利な遊技状態(高確状態)である可能性(信頼度)が最も高いことを示唆するモードAのモード演出(後述する図17参照)が実行される可能性のある最大回転数(特別図柄が変動して停止表示される回数)を示し、第2回数は、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後に、このモードAのモード演出が必ず実行される最低保証回転数を示す。なお、前述したように第1回数は、特別図柄変動時間を決定するためにテーブルセットTS3(特殊テーブルセット)が使用される回数でもある。したがって、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後にモードAのモード演出が実行される最大回転数までは、テーブルセットTS3を用いて特別図柄変動時間が決定される。フェイク回数は、回転数が第1回数を超過後に付加される回数であり、この付加された回数の期間(フェイク期間)においては、モードAよりも上記した有利な遊技状態である可能性(信頼度)が低いことを示唆するモードBのモード演出または上記した有利な遊技状態である可能性(信頼度)が最も低いことを示唆する通常モードのモード演出が実行される(後述する図17参照)。フェイクの種類とは、0回ではないフェイク回数が付加される場合においてモードBのモード演出が実行される度合いに対応付けて設定されたものであり、本実施形態ではフェイクAとフェイクBが用意されており、フェイクBは、フェイクAよりもモードBのモード演出が実行され易い。
小当りとしては、小当りの種類(小当たり図柄の種類)に対応して、小当りE〜小当りHが用意されており、各小当りに対して予め第1回数が設定されている。具体的には、小当りEには第1回数として20回が設定されており、小当りFには第1回数として30回が設定されており、小当りGには第1回数として40回が設定されており、小当りHには第1回数として50回が設定されている。また、大当りDに対しても予め第1回数が設定されており、本実施形態では第1回数として、大当りDの大当り遊技後に潜伏状態で制御される回転数(以下、最大ST回数ともいう)と同じ78回が設定されている。すなわち、小当りE〜Hおよび大当りDのそれぞれに対して、第1回数として最大ST回数以下の回数が設定されている。
第2回数は、小当りE〜Hおよび大当りDのそれぞれにおいて対応付けられた第1回数よりも少ない回数として決定される。具体的には、小当りEの場合には、第1回数(20回)よりも少ない10回が決定され、小当りFの場合には、第1回数(30回)よりも少ない10回、20回のいずれかが抽選により決定され、小当りGの場合には、第1回数(40回)よりも少ない10回、20回、30回のいずれかが抽選により決定され、小当りHの場合には、第1回数(50回)よりも少ない10回、20回、30回、40回のいずれかが抽選により決定され、大当りDの場合には、第1回数(78回)よりも少ない10回、20回、30回、40回、50回のいずれかが抽選により決定される。なお、小当りの場合には、第2回数として決定される回数は、同等の割合で抽選により決定されるが、大当りDの場合には、第2回数として抽選により決定される割合は、10回、20回、30回、40回、50回の昇順に高くなる。つまり、実際に大当りDに当選して潜伏状態になっている場合には、第2回数として設定される回数は、小当りの第2回数よりも多くなる確率が高い。
フェイク回数は、最大ST回数から第1回数を引いた残りの回数以下になるように、小当りE〜Hおよび大当りDのそれぞれに対応付けられて決定される。具体的には、小当りE〜Hの場合には、0回、5回、10回のいずれかが抽選により決定され、大当りDの場合には、0回が決定される。
フェイクの種類は、フェイク回数が0回ではない場合において、フェイクAまたはフェイクBが抽選により決定される。なお、このフェイクAとフェイクBの詳細については、図16を用いて後述する。
以上のようにして、CPU401は、小当りE〜Hおよび大当りDの種類に応じて、第1回数、第2回数、フェイク回数、フェイクの種類を決定し、RAM403に記憶する。その後、処理はステップS122に移る。
ステップS122において、CPU401は、特定フラグがONであるか、すなわち、通常モードのモード演出以外のモード演出が行われる可能性があるか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS135に移る。
ステップS123において、CPU401は、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の回転数が第2回数(以下、例えば30回とする)を超過したか否かを判定する。具体的には、CPU401は、潜伏当り遊技または小当り遊技が終了してから、報知演出を実行する毎に、その実行直前に回転数をカウントアップしてRAM403に記憶し、この回転数がRAM403に記憶された第2回数を超過したか否かを判定する。ステップS123での判定がYESの場合、処理はステップS124に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS124において、CPU401は、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の回転数がRAM403に記憶された第1回数(以下、例えば50回とする)を超過したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS131に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS125に移る。
ステップS125において、CPU401は、抽選フラグがONであるか否かを判定する。ステップS125での判定がYESの場合、処理はステップS126に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS130に移る。
ステップS126において、CPU401は、切り替え抽選を実行する。具体的には、CPU401は、切り替え抽選用の乱数を抽選により取得する。なお、切り替え抽選とは、モードAのモード演出からモードBのモード演出に切り替えるか否かを決定する抽選である。その後、処理はステップS127に移る。
ステップS127において、CPU401は、切り替え抽選に当選したか否かを判定する。具体的には、CPU401は、ステップS126で取得された切り替え抽選用の乱数が、ROM402に予め記憶された切り替え抽選の当選用の乱数に一致したか否かを判定する。なお、この当選用の乱数が適宜設定されることにより、切り替え抽選の当選確率はたとえば30%に設定される。ステップS127での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示してモードAのモード演出を実行する。具体的には、CPU401は、後述する背景画像BIとしてモードAを示す背景画像を表示させる(後述する図17の(2)参照)つまり、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の回転数が第2回数(30回転)以内の場合(ステップS123でNOの場合)には、必ずモードAのモード演出が実行され、回転数が第2回数を超過して第1回数(50回転)以内の場合には、切り替え抽選に当選しない場合(ステップS127でNOの場合)にモードAのモード演出が実行される。その後、処理はステップS136に移る。
ステップS129において、CPU401は、抽選フラグをOFFにする。これにより、切り替え抽選に一度当選すると、ステップS125でNOと判定されるため再度切り替え抽選が行われることはない。また、抽選フラグがOFFであるということは、すでに切り替え抽選に当選したことを示す。その後、処理はステップS130に移る。
ステップS130において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示してモードBのモード演出を実行する。具体的には、CPU401は、後述する背景画像BIとしてモードBを示す背景画像を表示させる(後述する図17の(3)参照)つまり、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の回転数が第2回数(30回転)を超過して第1回数(50回転)以内の場合には、切り替え抽選に当選した場合(ステップS127でYESの場合)にモードBのモード演出が実行され(モードBの演出に切り替えられ)、以後回転数が第1回数(50回転)に達するまで(ステップS124でNOかつステップS125でNO)モードBの演出が継続される。その後、処理はステップS138に移る。
ステップS131において、CPU401は、フェイク期間中であるか否かを判定する。具体的には、CPU401は、RAM403に記憶されたフェイク回数に基づいて、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の回転数が、第1回数(50回転)を超過後に付加されたフェイク回数(以下、例えば10回とする)の期間(フェイク期間;51回転目〜60回転目)であるか否かを判定する。ステップS131での判定がYESの場合、処理はステップS132に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS134に移る。
ステップS131において、CPU401は、フェイク抽選を実行する。具体的には、RAM403に記憶されたフェイクの種類(フェイクAまたはフェイクB)に基づいて参照されるフェイクテーブルを用いてフェイク抽選を実行する。ここで、フェイクテーブルについて図16を用いて説明する。
図16の(1)に示すように、フェイクの種類としてフェイクAがRAM403に記憶されている場合には、フェイクテーブルとしてフェイクA1テーブルまたはフェイクA2テーブルが参照される。具体的には、フェイク期間の最初の特別図柄の変動表示(51回転目)においては、フェイクA1テーブルが参照され、取得されたフェイク乱数が例えば1〜15である場合には、モード演出として通常モードのモード演出が決定され、フェイク期間内の次以降(52回転目〜60回転目)の特別図柄の変動表示においては、参照テーブルがフェイクA2テーブルに切り替えられる。一方、フェイクA1テーブルが参照され、取得されたフェイク乱数が例えば16〜20である場合には、モード演出としてモードBのモード演出が決定され、フェイク期間内の次以降(52回転目〜60回転目)の特別図柄の変動表示においてもフェイクA1テーブルが参照される。また、フェイクA1テーブルからフェイクA2テーブルに切り替えられた場合、取得されたフェイク乱数が例えば1〜19である場合には、モード演出として通常モードのモード演出が決定され、取得されたフェイク乱数が例えば20である場合には、モード演出としてモードBのモード演出が決定される。すなわち、フェイクAが実行される場合に参照されるフェイクテーブルによれば、フェイク期間の最初(51回転目)に通常モードのモード演出が実行される割合(例えば75%)が高く、モードBのモード演出が実行される割合(例えば25%)は低い。また、ひとたび通常モードのモード演出が実行されると、参照テーブルがフェイクA2テーブルに切り替わるため、モードBのモード演出が実行される割合(例えば5%)は更に低くなり、再度モードBのモード演出が実行される可能性は低くなる。このことから、フェイクAが実行されるフェイク期間は、通常モードのモード演出が行われ易く、ひとたび通常モードの演出が行われるとモードBのモード演出が行われ難くなる期間といえる。
図16の(2)に示すように、フェイクの種類としてフェイクBがRAM403に記憶されている場合には、フェイクテーブルとしてフェイクB1テーブルまたはフェイクB2テーブルが参照される。具体的には、フェイク期間の最初の特別図柄の変動表示(51回転目)においては、フェイクB1テーブルが参照され、取得されたフェイク乱数が例えば1〜5である場合には、モード演出として通常モードのモード演出が決定され、フェイク期間内の次以降(52回転目〜60回転目)の特別図柄の変動表示においては、参照テーブルがフェイクB2テーブルに切り替えられる。一方、フェイクB1テーブルが参照され、取得されたフェイク乱数が例えば6〜20である場合には、モード演出としてモードBのモード演出が5回転継続して実行されることが決定され、フェイク期間内の次以降(5回転は100%モードBのモード演出が継続されるので、56回転〜60回転目)の特別図柄の変動表示においては、参照テーブルがフェイクB2テーブルに切り替えられる。また、フェイクB1テーブルからフェイクB2テーブルに切り替えられた場合、取得されたフェイク乱数が例えば1〜8である場合には、モード演出として通常モードの演出が決定され、取得されたフェイク乱数が例えば9〜20である場合には、モード演出としてモードBのモード演出が決定される。すなわち、フェイクBが実行される場合に参照されるフェイクテーブルによれば、フェイク期間の最初(51回転目)にモードBのモード演出が5回転継続して実行される割合(例えば75%)が高く、通常モードのモード演出が実行される割合(例えば25%)は低い。また、参照テーブルがフェイクB2テーブルに切り替わっても、モードBのモード演出が実行される割合(例えば60%)は、通常モードのモード演出が実行される割合(例えば40%)よりも高い。このことから、フェイクBが実行されるフェイク期間は、モードBのモード演出が行われ易く、通常モードの演出が行われたとしてもモードBのモード演出が行われ易い期間といえる。以上のことから、フェイクBは、フェイクAよりもモードBのモード演出が実行され易い。
以上のようにして、CPU401は、フェイクの種類に応じたフェイク抽選を行い、モード演出としてモードBのモード演出、または通常モードのモード演出を決定する。その後、処理はステップS133に移る。
ステップS133において、CPU401は、ステップS132でのフェイク抽選により決定されたモード演出(モードBのモード演出または通常モードのモード演出)を画像音響制御部500等に指示して実行する。具体的には、CPU401は、後述する背景画像BIとしてモードBを示す背景画像、または通常モードを示す背景画像を表示させる(後述する図17の(1)、(3)参照)。つまり、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の回転数がフェイク期間(51回転目〜60回転目)である場合には、フェイク抽選の結果に応じたモード演出(モードAよりも有利な遊技状態である可能性(信頼度)の低いモードBまたは通常モードのモード演出)が実行される。その後、処理はステップS138に移る。
ステップS134において、CPU401は、特定フラグをOFFにし、また、RAM403に記憶された第1回数、第2回数、フェイク回数、フェイクの種類をリセットする。その後、処理はステップS135に移る。
ステップS135において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して通常モードのモード演出を実行する。具体的には、CPU401は、後述する背景画像BIとして通常モードを示す背景画像を表示させる(後述する図17の(1)参照)。つまり、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の回転数がフェイク期間(51回転目〜60回転目)を超えたとき(ステップS131でNOの場合)に、通常モードのモード演出が実行され、以後(ステップS122でNOとなるため)通常モードのモード演出が継続される。その後、処理はステップS138に移る。
ステップS136において、CPU401は、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の回転数が第1回数目(50回転目)であるか否かを判定する。ステップS136での判定がYESの場合、処理はステップS137に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS138に移る。
ステップS137において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して「ハズレ」時に切り替え演出を実行する。具体的には、CPU401は、図13のステップS107で取得した設定情報の条件(大当りか否かの条件、報知演出実行時間の条件及びリーチ演出を実行するか否かの条件等)を満たす多数の報知演出の演出パターンから抽選等によって実行する演出パターンを決定する。ところで、前述したように潜伏当り遊技または小当り遊技終了後には、回転数が第1回数(ここでは50回転)に達するまで特別図柄変動時間を決定するためにテーブルセットTS3が用いられ、さらに潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の第1回数目(50回転目)においては、「ハズレ」の場合には、特別図柄変動時間が固定的に「12秒」に設定された切り替え用テーブルが用いられる(図10の(3)参照)。したがって、CPU401は、この切り替え用テーブルに基づく特別図柄変動時間「12秒」に対応して予め設定された、切り替え演出を実行する演出パターンを決定し、当該演出パターンに基づく演出を画像音響制御部500等に指示して実行する。なお、CPU401は、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の第1回数目(50回転面)において、「大当り」の場合には、テーブルセットTS3のうち大当り用変動時間テーブルに基づいて決定された特別図柄変動時間に対応して設定された大当り演出を実行する演出パターンの中から抽選によって実行する演出パターンを決定し、当該演出パターンに基づく演出を画像音響制御部500等に指示して実行する。そして、ステップS110の処理を終了する。
ステップS138において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、演出パターンに基づく(切り替え演出ではない)演出を実行する。具体的には、CPU401は、図14のステップS107で取得した設定情報の条件(大当りしたか否かの条件、報知演出実行時間の条件及びリーチ演出を実行するか否かの条件等)を満たす多数の報知演出の演出パターンから抽選等によって実行する演出パターンを決定し、当該演出パターンに基づく演出を画像音響制御部500等に指示して実行する。そして、ステップS110の処理を終了する。
説明は図13に戻り、ステップS111において、CPU401は、図9のステップS62の処理でセットされた報知演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS101に戻る。
ステップS112において、CPU401は、ステップS109又はS110の処理で実行開始した報知演出を終了して、特別図柄抽選の結果を演出的に報知する。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU401は、保留数減算処理を実行する。具体的には、CPU401は、報知演出開始コマンドの設定情報に含まれている第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報が、第1特別図柄抽選が実行されたことを示す場合、RAM403に格納されている第1特別図柄抽選の保留数を1減算し、第2特別図柄抽選が実行されたことを示す場合、RAM403に格納されている第2特別図柄抽選の保留数を1減算する。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、保留表示処理を実行する。具体的には、CPU401は、報知演出開始コマンドの設定情報に含まれている第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報が、第1特別図柄抽選が実行されたことを示す場合、画像音響制御部500に指示して画像表示部6に最も早く表示されている第1特別図柄抽選の保留数を示す保留画像(例えば、現在特別図柄の変動表示中であることを示す保留画像)を1つ消化(削除)させる。そして、その他の保留画像が表示されている場合には、それらの保留画像を順次移動させる。同様に、CPU401は、報知演出開始コマンドの設定情報に含まれている第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報が第2特別図柄抽選が実行されたことを示す場合、画像音響制御部500に指示して画像表示部6に最も早く表示されている第2特別図柄抽選の保留数を示す保留画像を1つ消化(削除)させる。そして、その他の保留画像が表示されている場合には、それらの保留画像を順次移動させる。その後、処理はステップS101に戻る。
[本実施形態による特徴的動作]
次に、以上にフローチャートを用いて説明した本実施形態による特徴的動作について、図17〜図20を用いて具体的に説明する。図17は、本実施形態におけるモード演出について説明するための図であり、図18は、本実施形態における小当り遊技後のモード移行の様子を時系列に表した説明図であり、図19は、本実施形態における大当りDによる大当り遊技後(潜伏状態)のモード移行の様子を時系列に表した説明図であり、図20は、本実施形態における切り替え演出について説明するための図である。
[本実施形態におけるモード演出の概要]
図17の(1)に示すように、画像表示部6には、装飾図柄DI(DI1〜DI3)および背景画像BIが表示される。装飾図柄DIは、3つの装飾図柄DI1〜DI3から構成されて特別図柄の変動表示に応じて変動表示される。具体的には、左に配された第1装飾図柄DI1が最初に変動表示された後に仮停止され、次に右に配された第2装飾図柄DI2が変動表示された後に仮停止され、最後に中央に配された第3装飾図柄DI3が仮停止表示された後に、3つの装飾図柄DI1〜DI3が完全に停止表示される。なお、仮停止とは、装飾図柄DIの変動が停止したと遊技者が認識できる態様で停止されることをいい、完全に停止しているわけではなく、例えば、上下に僅かに変動した状態で表示される。これにより、特別図柄が未だ変動中であることが示される。また、図17、図20の図面では、変動中または仮停止中の装飾図柄DIを点線で表示し、完全に停止(本停止)した装飾図柄DIを実線で表示している。
背景画像BIは、上記した装飾図柄DIの背景に表示される画像であり、本実施形態においては、モード演出の一表示態様として機能する。ここで、本実施形態では、モード演出として通常モードのモード演出(図17の(1)参照)と、モードAのモード演出(図17の(2)参照)と、モードBのモード演出(図17の(3)参照)の少なくとも3種類のモード演出が用意されており、所定期間(所定回転数)の特別図柄の変動表示において各モード演出を示す背景画像BIが継続して表示されることにより、各モード演出が実行されていることが報知される。また、それぞれのモード演出が実行されることにより、現在の遊技状態が特別図柄抽選に当選し易い有利な遊技状態(高確状態)である可能性(信頼度)が示唆される。具体的には、図17の(4)に示すように、通常モードのモード演出が実行されている場合には、潜伏状態である可能性はなく、特別図柄抽選に当選し難い遊技状態(低確状態)である(つまり信頼度はゼロである)ことが示唆される。一方、モードAまたはモードBのモード演出が実行されている場合には潜伏状態である可能性があり、特別図柄抽選に当選し易い有利な遊技状態(高確状態)である可能性(信頼度が相対的に高いこと)が示唆される。また、モードAのモード演出は、図15を用いて説明した第2回数まで必ず実行されることにより、上記した信頼度が高いことが示唆され、その実行される期間が長い(回転数が多い)ほど潜伏状態である可能性が高いことが示唆される。ここで、大当りDに当選して潜伏状態になっている場合には、第2回数として設定される回数は、小当りの第2回数よりも多くなる確率が高いため、小当りした場合に比べて大当りDに当選して潜伏状態になっている場合の方がモードAに滞在している可能性が高くなっている。すなわち、モードAのモード演出は、長く継続して実行されるほど特別図柄抽選に当選し易い遊技状態である可能性(信頼度)が相対的に高いことが示唆される。一方、モードBのモード演出は、モードAのモード演出から切り替えられて実行されることにより、モードAのモード演出よりも、上記した信頼度が低下したことが示唆される。つまり、モードBのモード演出は、通常モードのモード演出よりも上記した信頼度は高いがモードAのモード演出よりは上記した信頼度が低いことが示唆される。このように、本実施形態では、モード演出の種類および実行される期間の長さ(回転数の多さ)により、特別図柄抽選に当選し易い遊技状態である可能性(信頼度)が示唆される。
[本実施形態におけるモード移行の概要]
次に、図18、図19を用いて、本実施形態における潜伏当り遊技または小当り遊技終了後のモード移行について説明する。本実施形態では、大当りDによる大当り遊技と、小当り遊技とでは、同じように、瞬間的に大入賞口23が開放される開閉制御が行われる。このため、遊技者は、大当りDに当選した(つまり、潜伏状態に移行した)のか小当りに当選した(つまり、結局はハズレである)のかがわからない。このため、モード演出を実行することによって、大当りDに当選したことにより特別図柄抽選に当選し易い有利な遊技状態(高確状態)となっているのか、そうでないのかをモード演出を実行することによって示唆する。また、本実施形態では潜伏状態に移行していたとしても、潜伏状態に移行してからの回転数が最大ST回数(78回)を超えると通常遊技状態に移行する。このため、本実施形態では潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の回転数が最大ST回数を超えるまでの間に、種々のモード演出を行うことにより、遊技者に対して潜伏状態であること、すなわち特別図柄抽選に当選し易い有利な遊技状態(高確状態)となっていることを期待させる。
まず、図18を用いて、小当りに当選した場合に、小当り遊技後に実行されるモード演出について説明する。なお、以下では一例として図15に示す小当りHに当選して、第1回数として「50回」が決定され、第2回数として「30回」が決定され、フェイク回数として「10回」が決定されたものとする。
図18に示すように、小当り遊技終了後には、回転数に応じて各期間に区分けされ、各期間において対応するモード演出が実行される。具体的には、滞在期間は、小当り遊技終了後から回転数が第2回数に達するまでの期間(1回転目〜30回転目)であり、移行抽選期間は、回転数が第2回数を超過してから第1回数に達するまでの期間(31回転目〜50回転目)であり、フェイク期間は、回転数が第1回数を超過してから付加されたフェイク回数に達するまでの期間(51回転目〜60回転目)である。そして、滞在期間においては、モード演出としてモードAのモード演出が実行される。また、移行抽選期間においては、切り替え抽選が実行され、切り替え抽選に当選すると、モードAのモード演出からモードBのモード演出に切り替わり(有利な遊技状態である可能性(信頼度)の低いモード演出に転落し)、その後、移行抽選期間においてはモードBのモード演出が継続される。したがって、例えば35回転目に切り替え抽選に当選した場合には、35回転目〜50回転目までモードBのモード演出が継続される。反対にいえば、1回転目〜34回転目まではモードAのモード演出が継続される。また、フェイク期間では、フェイクAまたはフェイクBに基づくフェイク抽選が実行されることにより抽選結果に基づいてモードBのモード演出または通常モードのモード演出が実行される。フェイクAに基づくフェイク抽選ではモードBのモード演出が決定されることは殆どない(図16の(1)参照)ため、通常モードのモード演出が継続される割合が高いものの、フェイクBに基づくフェイク抽選ではモードBのモード演出が決定される度合いが高い(図16の(2)参照)。したがって、フェイク期間においては、フェイクAまたはフェイクBに基づくフェイク抽選が実行されることにより、モードBから通常モードに転落したり、反対に通常モードからモードBにモードアップしたりする。そして、フェイク期間が終了すると(61回転目以降)、通常モードのモード演出が実行される。
次に、図19を用いて、大当りDに当選した場合に、大当り遊技後に実行されるモード演出について説明する。なお、以下では一例として大当りDに当選して第1回数として「78回」が決定され、第2回数として「40回」が決定されたものとする。なお、大当りDに当選した場合には、フェイク回数は「0回」が付加される(フェイク回数は付加されない)。
図19に示すように、大当りDによる大当り遊技終了後には、滞在期間(1回転目〜40回転目)においては、モード演出としてモードAのモード演出が実行される。また、移行抽選期間(40回転目〜78回転目)においては、切り替え抽選が実行され、切り替え抽選に当選すると、モードAのモード演出からモードBのモード演出に切り替わり(有利な遊技状態である可能性(信頼度)の低いモード演出に転落し)、その後、移行抽選期間においてはモードBのモード演出が継続される。したがって、例えば50回転目に切り替え抽選に当選した場合には、50回転目〜78回転目までモードBのモード演出が継続される。反対にいえば、1回転目〜50回転目まではモードAのモード演出が継続される。そして、移行抽選期間が終了すると(78回転目以降)、通常モードのモード演出が実行される。
なお、図18および図19で説明した移行抽選期間において、切り替え抽選に当選しない場合がある。このような場合には、本実施形態では、第1回数目における特別図柄の変動表示において、切り替え演出を実行して、次の特別図図柄の変動表示から信頼度の低いモードBまたは通常モードのモード演出に強制的に切り替える。以下、この切り替え演出について図20を用いて説明する。
図20の(1)に示すように、移行抽選期間の最後の特別図柄の変動表示(図18に示す例では、50回転目であり、図19に示す例では78回転目)においても切り替え抽選に当選しなかった場合、背景画像BIはモードAを示す背景画像のままであり、モードAのモード演出が実行されている。このとき、この移行抽選期間の最後の特別図柄の変動表示(第1回数目の変動表示)においては、前述したように、特別図柄変動時間が保留数に関係なく12秒に固定されている。そして、この固定された特別図柄変動時間(すなわち、演出時間)を用いて切り替え演出が実行される(図20の(2)参照)。なお、切り替え演出が実行されるのは、第1回数目(図18に示す例では50回転目、図19に示す例では78回転目)における特別図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合であり、「当り」である場合には、その後、大当り遊技に移行するので切り替え演出は行われない。また、切り替え演出としては、種々の演出があってよいが、モードAから信頼度の低いモードBや通常モードに切り替えられることを示唆するための演出であるため、例えば主人公キャラクタが敗北するといった遊技者にとって好ましくない演出が行われるのが好適である。そして、図20の(3)に示すように装飾図柄DIとしてハズレ図柄が停止表示され、第1回数目の特別図柄の変動表示が終了する。その後、次の特別図柄の変動表示(図18に示す例では51回転目の変動表示、図19に示す例では79回転目の変動表示)においては、背景画像BIはモードAを示す背景画像からモードBまたは通常モードを示す背景画像BIに切り替えられ、モードBまたは通常モードのモード演出が実行される。なお、図18に示す例の場合には、モードBまたは通常モードの演出が実行されるか否かは、フェイク期間におけるフェイク抽選に基づいて決定され、図19に示す例の場合には、通常モードのモード演出が実行される。
以上のように、本実施形態によれば、実際に潜伏状態である場合(図19参照)、および実際には潜伏状態ではない場合(図18参照)にも、潜伏当り遊技または小当り遊技の終了後には、まずモードAのモード演出が開始される。このことから、遊技者は、大当りDに当選したのか、小当りに当選したのかがわからず、大当りDに当選したかもしれないという期待感をもって遊技を楽しむことができる。そして、モードAの演出が実行される期間が長いほど、潜伏状態である可能性が高く、つまり特別図柄抽選に当選し易い有利な遊技状態(高確状態)である可能性(信頼度)が高いことが示唆されるため、遊技者は、このモードAのモード演出が長く実行されることを期待する。そして、モードAのモード演出が必ず実行される滞在期間(つまり、第2回数)は、小当りの種類に応じて異なる期間が設定されているため、同じ小当りであっても、モードAのモード演出が実行される期間としてバリエーションを持たせることができ、遊技者は、小当りに当選したのか大当りDに当選したのかが、よりわかりにくくなり、大当りDに当選したのではないかという期待を長く抱かせることができる。また、移行抽選期間においては、切り替え抽選に当選したタイミングでモードBに移行するため、遊技者に意外感を与えることができる。また、小当りの場合には、フェイク期間が設けられているため、このフェイク期間においては、通常モードからモードBにモードアップすることがある。これにより、通常モードのモード演出に移行して落胆した遊技者に対して、やはり大当りDに当選しているのかもしれないという期待感を再度喚起することができる。また、フェイク期間においては、モードBのモード演出と通常モードのモード演出が切り替わり表示されることもあるので、遊技者は、一度通常モードのモード演出に転落したとしても再度モードBのモード演出が実行されるかもしれないという期待感をもって(つまり、大当りDに当選しているかもしれないという期待感をもって)遊技を楽しむことができる。また、移行抽選期間において切り替え抽選に当選しない場合であっても、この移行抽選期間の最後(つまり、回転数が第1回数目)の特別図柄の変動表示においては、特別図柄変動時間が12秒に固定されているので、この特別図柄変動時間において、次の特別図柄の変動表示においてモード演出が切り替えられることを示唆する切り替え演出を実行することができる。このため、遊技者には、事前にモード演出の切り替えを示唆することができ、強制的に切り替えられる印象を与えないようにすることができる。
なお、本実施形態では、まず潜伏当り遊技または小当り遊技が終了した直後から、特別図柄抽選に当選し易い有利な遊技状態(高確状態)である可能性(信頼度)が最も高いことを示唆するモードAのモード演出が実行され、その後、モードAよりも信頼度の低いモードBや通常モードのモード演出が実行されるようになっている。これは、以下の理由による。すなわち、本実施形態では、仮に大当りDに当選していたとしても、潜伏状態で制御されるのは回転数が最大ST回数(78回)に達するまでであり、したがって、回転数が最大ST回数に近づくにつれ、遊技状態が潜伏状態で制御されているということよりも、この潜伏状態に制御されている遊技状態の残り回数が少なくなっているということの方が重要な意味をもつ。このため、仮に大当りDに当選していたとしても、回転数の増加とともに、モードAからモードBにモード転落させる演出を行うことにより、他方では、回転数が最大ST回数に迫っている(つまり、残り回数が少なくなることにより結果として特別図柄抽選に当選し易い有利な遊技状態(高確状態)である可能性(信頼度)が低くなってきている)ということを暗に報知することができる。
以上に説明したように、本実施形態によれば、小当りに当選したとしても種々のバリエーションを持ったモード演出が実行されるので、遊技者に対して大当りDに当選したかの如く期待させることができる。したがって、本実施形態によれば、より斬新で、より遊技者の関心を惹きつけることのできるモード演出を実行することができる。
[変形例]
なお、上記実施形態では、移行抽選期間の最後(つまり、第1回数目)における特別図柄の変動表示(つまり1変動)において、切り替え演出を実行するものとしたが、移行抽選期間の最後およびその直前(つまり、第1回数目とその直前)の特別図柄の変動表示(つまり2変動)に亘る切り替え演出を実行するものとしてもよい。つまりこの2変動における特別図柄変動時間が、予め固定された変動時間(例えば「12秒」)に決定されるものとしてもよい。このように例えば2変動に亘る切り替え演出を用いる例(変形例)について、図21、図22を用いて説明する。
図21、図22は、変形例における、上記した2変動に亘る切り替え演出を説明するための図である。図21の(1)に示すように、本変形例では、画像表示部6として、メイン画像表示部6aとサブ画像表示部6bの2つの画像表示部を備える。そして、切り替え演出が行われないときには、通常の演出として、特別図柄の変動表示が実行される毎に、メイン画像表示部6aとサブ画像表示部6bとの間で、アイテムAとアイテムBが交互に切り替え表示される。具体的には、図21の(1)に示すように、ある特別図柄の変動表示において、アイテムAがメイン画像表示部6aに表示され、アイテムBがサブ画像表示部6bに表示される。そして、図21の(2)に示すように、次の特別図柄の変動表示においては、アイテムBがメイン画像表示部6aに表示され、アイテムAがサブ画像表示部6bに表示される。
一方、切り替え演出が行われるときには、以下の演出が行われる。すなわち、図22の(1)に示すように、ある特別図柄の変動表示において、アイテムAがメイン画像表示部6aに表示され、アイテムBがサブ画像表示部6bに表示されているときに、図22の(2)に示すように、例えばアイテムAが破壊される演出が実行される。そして、次の特別図柄の変動表示においては、図22の(3)に示すように、アイテムBがメイン画像表示部6aに表示されるが、アイテムAは破壊されてしまったため、サブ画像表示部6bには表示されない。そして、さらに当該変動表示において、図22の(4)に示すように、メイン画像表示部6aに表示されたアイテムBが破壊される演出が実行される。そして、図22の(5)に示すように、2つの画像表示部(6a、6b)に表示されていたアイテムAおよびアイテムBの両方が破壊されたことを契機に、次の特別図柄の変動表示において、モードAのモード演出から、モードAよりも有利な遊技状態である可能性(信頼度)の低いモードB(または通常モード)のモード演出に切り替わる。このように、特別図柄の変動表示を2変動(2回転)用いることで、2つの画像表示部(6a、6b)に表示される2つのアイテムがともに破壊される演出を切り替え演出として実行することができる。
また、上記実施形態では、小当りに当選した場合には、フェイク回数を設けるものとしたが、フェイク回数を設けずに、その分、第1回数を増やすように設定するものとしてもよい。また、上記実施形態では、フェイク抽選が実行されるのは、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の回転数が第1回数を超えてからとした(図18参照)が、例えば、移行抽選期間において切り替え抽選に当選してからとしてもよい。
また、上記実施形態では、大当りDに当選した場合には、フェイク回数を設けないものとした。つまり、大当りDに当選した場合には、潜伏当り遊技または小当り遊技終了後の回転数が最大ST回数に達するまでに通常モードの演出が行われることはないものとして、大当りDに当選したことがより示唆されるものとした(図19参照)。しかし、大当りDにおける第1回数を例えば60回に設定し、フェイク回数として例えば10回を設定するものとしてもよい。このように設定することで、大当りDに当選していた場合でも、通常モードの演出が行われることがあり、大当りDに当選したのか、小当りに当選したのかをよりわかりにくくすることができる。
また、上記実施形態では、背景画像BIを用いてモード演出を行うものとしたが、これに限られるものではない。例えば、各モードを示すキャラクタ画像が表示されるものとしてもよいし、各モードを示す音響による演出が実行されもよく、種々の変形が可能である。すなわち、モード演出は、それぞれが異なるモードの演出であることが報知されるものであればよい。
また、上記した実施形態では、図5を用いて説明したように、大当りDの場合には、大当り遊技が終了してから78回転終了するまでの間、遊技状態は潜伏状態に制御されるものとした。しかし、この潜伏状態において再び大当りDに当選した場合には、大当り遊技が終了してから78回転終了するまでの間、遊技状態は、高確/時短状態に制御されるものとしてもよい。なお、再び大当りDに当選した場合には、時短状態に制御されることにより小当りとの区別がつくため、上記したモード演出は実行されないものとするのがよい。
また、上記した実施形態では、特別図柄抽選に当選(大当り)した場合には、その後に特別図柄抽選が所定回数(例えば78回)実行されるまでは高確状態に設定され、その後に通常状態に設定されるいわゆるST機のゲーム構成を一例に挙げて説明した。しかし、これには限られず、例えば特別図柄抽選に当選(大当り)した場合には、次に大当りするまで高確状態に設定されるゲーム構成(いわゆるループ機)であってもよい。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。