JP2015097496A - Robo1に対する親和性を向上させた抗体及び高親和性抗体の分子設計方法 - Google Patents

Robo1に対する親和性を向上させた抗体及び高親和性抗体の分子設計方法 Download PDF

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浩平 津本
秀章 藤谷
Hideaki Fujitani
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雄史 山下
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雄史 山下
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Hiroko Iwanari
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Makoto Nakakido
誠 中木戸
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栄一 溝端
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Abstract

【課題】Robo1に対する親和性を向上させた新規な抗Robo1抗体を提供する。
【解決手段】重鎖のアミノ酸配列として103番目のプロリン残基が他のアミノ酸に置換しているアミノ酸配列を有し、軽鎖のアミノ酸配列として特定のアミノ酸配列を有し、Robo1に対する親和性を有する抗体。該抗体は一本鎖抗体フラグメント(scFv)であり、抗体をコードする核酸。また、放射性同位元素で標識された抗体を含む、腫瘍の診断剤又は治療剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、Robo1に対する親和性を向上させた抗体、及びそれを用いた腫瘍の診断剤又は治療剤に関する。さらに本発明は、高親和性抗体の分子設計方法に関する。
Robo1(roundabout, axon guidance receptor, homolog 1)は肝細胞癌の細胞膜表面において特異的に発現が亢進しており、新しい抗体治療薬開発のための標的分子として有望視されている(非特許文献1)。
抗体は抗原と高い特異性を示し、生体内での安定性が高く、また毒性も低いため、医薬又は診断薬の開発へ向けた研究が盛んに行われている。特許文献1には、Robo1の全長cDNAを含む組み換えバキュロウイルスを感染させた宿主細胞の培養上清から回収されるRobo1提示発芽バキュロウイルスを抗原として用いて免疫動物を免疫することにより得られる、細胞表面上のRobo1を特異的に認識できるモノクローナル抗体が記載されており、放射性金属で標識した上記抗体をPET用腫瘍診断剤として使用することが記載されている。また特許文献2には、(a)抗Robo1抗体と、一対の親和性物質のうちの一方とを連結した第一の標的化分子、及び(b)放射性同位元素と、前記一対の親和性物質のうちの他方とを連結した第二の標的化分子を含む、腫瘍の診断剤又は治療剤キットが記載されている。さらに特許文献3には、放射性物質で標識した抗Robo1抗体を有効成分として含む肺癌治療剤が記載されている。
抗体医薬のより高い薬理効果を期待し、親和性向上を目指した抗体の開発が行われている。しかし、抗原抗体の相互作用を予測し、高い親和性を有する抗体分子を迅速かつ合理的に設計する方法は確立されていない。
Ito H, Funahashi S, Yamauchi N, Shibahara J, Midorikawa Y, Kawai S, Kinoshita Y, Watanabe A, Hippo Y, Ohtomo T, Iwanari H, Nakajima A, Makuuchi M, Fukayama M, Hirata Y, Hamakubo T, Kodama T, Tsuchiya M, Aburatani H. Identification of ROBO1 as a novel hepatocellular carcinoma antigen and a potential therapeutic and diagnostic target. Clin Cancer Res. 2006 Jun 1;12(11 Pt 1):3257-64
特開2008−290996号公報 WO2010/131590号公報 特開2013−71936号公報
本発明は、Robo1に対する親和性を向上させた新規な抗Robo1抗体を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、抗原抗体の相互作用を予測し、高い親和性を有する抗体分子を迅速かつ合理的に設計する方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討し、肝がん細胞表面に特異的に発現する蛋白質Robo1とその一本鎖抗体(scFv)B5209B(WO2010/131590号公報に記載)を用いて、等温滴定型熱量測定(ITC)法と分子動力学(MD)シミュレーションにより、高親和性抗体の合理的設計を目的として原子レベルでの相互作用解析を行った。先ず、抗原‐抗体複合体のX線共結晶構造をもとに重要な非共有結合を形成している残基を中心に11種類のアラニン置換変異体を作製した。ITCによる相互作用の解析結果から、ほとんどのアラニン変異体は予想通り、エンタルピー寄与の低下により2〜10倍程度の親和性低下が観察された。これらの親和性低下は、アラニン置換による重要な非共有結合の消失によるものと考えられる。ところが、2種類の変異体においては、それぞれエンタルピー寄与、及びエントロピー寄与が増加することにより、親和性が野生型よりも5〜10倍程度向上するという予想外な結果が得られた。この予想外な知見から、抗原との新たな非共有結合の形成を狙った従来の抗体設計とは異なり、変異によって相互作用点が減る場合であっても親和性を向上できるという、抗体を設計するための新たな方針が得られた。これらのアラニン置換により親和性が向上した要因を調べるために、野生型と比べて親和性が上昇した2種の変異体について、それぞれ分子動力学(MD)シミュレーションを行い、原子レベルでの解析を行った。その結果、抗原抗体間の揺らぎや相互作用エネルギーの寄与が変化することが明らかとなり、結合界面において新たな相互作用も観察された。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 重鎖のアミノ酸配列として配列番号1に記載のアミノ酸配列において103番目のプロリン残基が他のアミノ酸に置換しているアミノ酸配列を有し、軽鎖のアミノ酸配列として配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する、Robo1に対する親和性を有する抗体。
(2) 重鎖のアミノ酸配列として配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、軽鎖のアミノ酸配列として配列番号2に記載のアミノ酸配列において30番目のチロシン残基が他のアミノ酸に置換しているアミノ酸配列を有する、Robo1に対する親和性を有する抗体。
(3) 重鎖のアミノ酸配列として配列番号1に記載のアミノ酸配列において103番目のプロリン残基が他のアミノ酸に置換しているアミノ酸配列を有し、軽鎖のアミノ酸配列として配列番号2に記載のアミノ酸配列において30番目のチロシン残基が他のアミノ酸に置換しているアミノ酸配列を有する、Robo1に対する親和性を有する抗体。
(4) 前記他のアミノ酸がアラニンである、(1)から(3)の何れかに記載の抗体。
(5) 一本鎖抗体フラグメント(scFv)である、(1)から(4)の何れかに記載の抗体。
(6) (1)から(5)の何れかに記載の抗体をコードする核酸。
(7) 放射性同位元素で標識された(1)から(5)の何れかに記載の抗体を含む、腫瘍の診断剤又は治療剤。
(8)(a)抗原と非共有結合を形成している抗体中のアミノ酸部位を選択する工程、
(b)工程(a)で選択した抗体中のアミノ酸部位の中から、変異を導入することによる抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)が、野生型の場合の抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)より増大するアミノ酸部位を選択し、前記アミノ酸部位のアミノ酸を他のアミノ酸に置換することを設計する工程、
を含む、抗原に対する高親和性を有する抗体の設計方法。
(9) 工程(a)を、抗原抗体複合体の結晶構造解析により行う、(8)に記載の方法。
(10) 抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)の増大が、エンタルピーの変化の増加に起因するものである、(8)又は(9)に記載の方法。
(11) 抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)の増大が、エントロピーの変化の減少に起因するものである、(8)又は(9)に記載の方法。
(12) 抗原と抗体を用いた等温滴定熱量測定により、工程(b)を行う、(8)から(11の何れかに記載の方法。
(13) 分子動力学シミュレーションにより、工程(b)を行う、(8)から(11)の何れかに記載の方法。
本発明によれば、Robo1に対する親和性を向上させた新規な抗Robo1抗体が提供される。また、本発明の方法によれば、抗原抗体の相互作用を予測することにより高親和性抗体を迅速で合理的に設計及び製造することが可能になる。
図1は、pRA2ベクターマップを示す。 図2は、抗体の相互作用界面の様子を示す。 図3は、野生型、HP103A及びLY30Aの熱力学的パラメータの比較を示す。 図4は、分子動力学シミュレーションによる抗原−抗体間での相互作用エネルギーの解析結果を示す。 図5は、抗体各残基の寄与の変化を示す。 図6は、結晶構造からの塩橋の距離を比較した結果を示す。 図7は、結晶構造からの塩橋の距離を比較した結果を示す。 図8は、分子動力学シミュレーションによる水和数の解析結果を示す。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
(1)本発明の抗体
本発明の抗体は、重鎖のアミノ酸配列として配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、軽鎖のアミノ酸配列として配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するRobo1に対する親和性を有する抗体のアミノ酸配列に変異を導入し、Robo1に対する親和性を更に向上させた抗体である。なお、重鎖のアミノ酸配列として配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、軽鎖のアミノ酸配列として配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するRobo1に対する親和性を有する抗体はWO2010/131590号公報に記載されている。
本発明の抗体は、重鎖のアミノ酸配列として配列番号1に記載のアミノ酸配列において103番目のプロリン残基が他のアミノ酸に置換しているアミノ酸配列を有するか、及び/又は軽鎖のアミノ酸配列として配列番号2に記載のアミノ酸配列において30番目のチロシン残基が他のアミノ酸に置換しているアミノ酸配列を有する抗体である。上記のアミノ酸変異を有することにより、本発明の抗体は、重鎖のアミノ酸配列として配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、軽鎖のアミノ酸配列として配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する抗体と比較して、Robo1に対する親和性が5倍〜10倍向上している。
配列番号1に記載のアミノ酸配列における103番目のプロリン残基又は配列番号2に記載のアミノ酸配列における30番目のチロシン残基を他のアミノ酸に置換させる場合、他のアミノ酸としては、得られる抗体のRobo1に対する親和性が向上しているようなアミノ酸であれば特に限定されず、例えば、アラニン、トレオニン、セリン、アスパラギンなどが挙げられ、特に好ましくはアラニンが挙げられる。
本発明の抗体は、Robo1に対する親和性を有していれば特に限定されないが、Robo1を特異的に認識する抗体が好ましい。また、本発明の抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体の何れでもよいが、好ましくはモノクローナル抗体である。
本発明の抗体の種類は特に制限されず、マウス抗体、ヒト抗体、ラット抗体、ウサギ抗体、ヒツジ抗体、ラクダ抗体、トリ抗体等や、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体 、例えば、キメラ抗体 、ヒト化抗体等の何れでもよい。遺伝子組換え型抗体 は、既知の方法を用いて製造することができる。キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物、例えば、マウス抗体の重鎖、軽鎖の可変領域とヒト抗体の重鎖、軽鎖の定常領域からなる抗体であり、マウス抗体の可変領域をコードするDNAをヒト抗体 の定常領域をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得ることができる。ヒト化抗体は、ヒト以外の哺乳動物、たとえばマウス抗体の相補性決定領域(CDR)をヒト抗体 の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている。具体的には、マウス抗体 のCDRとヒト抗体 のフレームワーク領域(framework region;FR)を連結するように設計したDNA配列を、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR法により合成する。得られたDNAをヒト抗体 定常領域をコードするDNAと連結し、次いで発現ベクターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させることにより得られる(EP239400号公報、国際公開WO96/02576号公報など)。
また、ヒト抗体の取得方法も知られている。例えば、ヒトリンパ球をin vitroで所望の抗原または所望の抗原を発現する細胞で感作し、感作リンパ球をヒトミエローマ細胞、例えばU266と融合させ、抗原への結合活性を有する所望のヒト抗体 を得ることもできる(特公平1−59878参照)。また、ヒト抗体 遺伝子の全てのレパートリーを有するトランスジェニック動物を所望の抗原で免疫することで所望のヒト抗体 を取得することができる(WO93/12227,WO92/03918,WO94/02602,WO94/25585,WO96/34096,WO96/33735参照)。さらに、ヒト抗体 ライブラリーを用いて、パンニングによりヒト抗体 を取得する技術も知られている。例えば、ヒト抗体 の可変領域を一本鎖抗体 (scFv)としてファージディスプレイ法によりファージの表面に発現させ、抗原に結合するファージを選択することができる。選択されたファージの遺伝子を解析すれば、抗原に結合するヒト抗体 の可変領域をコードするDNA配列を決定することができる。抗原に結合するscFvのDNA配列が明らかになれば、当該配列を適当な発現ベクターを作製し、ヒト抗体を取得することができる。これらの方法は既に周知であり、WO92/01047,WO92/20791,WO93/06213,WO93/11236,WO93/19172,WO95/01438,WO95/15388を参考にすることができる。
また、これらの抗体は、Robo1を認識する特性を失わない限り、抗体断片(フラグメント)等の低分子化抗体や抗体の修飾物などであってもよい。抗体断片の具体例としては、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、Diabody、一本鎖抗体フラグメント(scFv)などを挙げることができる。このような抗体断片を得るには、これら抗体断片をコードする遺伝子を構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させればよい。抗体 の修飾物として、ポリエチレングリコール(PEG)等の各種分子と結合した抗体 を使用することもできる。
(2)腫瘍の診断剤及び治療剤、並びに診断及び治療キット
本発明の抗体は、放射性同位元素で標識することによって、腫瘍の診断剤又は治療剤として使用することができる。また、本発明の抗体は、一対の親和性物質のうちの一方で標識することによって、腫瘍の診断剤又は治療剤として使用することができる。本発明の抗体は、一対の親和性物質のうちの一方で標識する場合には、前記一対の親和性物質のうちの他方で標識された放射性同位元素と組み合わせることによって、腫瘍の診断又は治療のためのキットを提供することができる。
治療用の放射性同位元素としては、ベータ線核種(32P、67Cu、89Sr、90Y、114mIn、117mSn、131I、153Sm、166Ho、177Lu、186Re 、188Re など)、アルファ線核種(211At、212Bi、212Pb、213Bi、223Ra及び225Acなど)、オージェ電子核種(125I、及び165Erなど)を用いることができる。また、診断(イメージング等)用の放射性同位元素としては、ガンマ線核種(67Ga、99mTc、111In、及び123Iなど)、ポジトロン放出核種(18F、62Cu、64Cu、66Ga、68Ga、76Br、86Y、89Zr、94Tc、及び124Iなど)を用いることができる。上記の中でも、好ましくは、64Cu、124I、76Br、68Ga、111In、99mTc、123I、131I、または90Yを用いることができる。
なお、本発明の抗体と放射性同位元素との結合は、キレート剤を用いて行うことができる。キレート剤としては、DOTA(1,4,7,10-tetraazacyclododecane-N,N',N'',N'''-tetraacetic acid)、TETA(1,4,8,11-tetraazaryclotetradecane-N,N',N'',N'''-tetraacetic acid)、N2S2、MAG3、CHX−A−DTPAなどを挙げることができる。
標識した本発明の抗体は、薬学的に許容しうる溶媒、賦形剤、結合剤、安定化剤、分散剤等とともに、注射用溶液、懸濁液、乳剤等の剤形に製剤化することができる。注射用の処方においては、標識した本発明の抗体は、水性溶液、好ましくはハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理的食塩緩衝液等の生理学的に適合性の緩衝液中に溶解することができる。さらに、組成物は、油性または水性のベヒクル中で、懸濁液、溶液、または乳濁液等の形状をとることができる。
本発明の抗体の投与経路は特に限定されないが、通常は非経口投与であり、例えば注射剤(皮下注、静注、筋注、腹腔内注など)、経皮、経粘膜などで投与することができる。
投与量および投与回数は、患者の年齢、体重、診断の目的などによって異なる。一般には、抗体の投与量としては、有効成分の投与量として1回あたり体重1kgあたり、約0.1μgから1000mgの範囲、好ましくは約1μgから100mgの範囲となるように投与することができる。
(3)抗体の設計方法
本発明による抗体の設計方法は、抗原に対する高親和性を有する抗体を設計するための方法であり、以下の工程を含む。
(a)抗原と非共有結合を形成している抗体中のアミノ酸部位を選択する工程、
(b)工程(a)で選択した抗体中のアミノ酸部位の中から、変異を導入することによる抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)が、野生型の場合の抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)より増大するアミノ酸部位を選択し、前記アミノ酸部位のアミノ酸を他のアミノ酸に置換することを設計する工程。
工程(a)においては、抗体のアミノ酸配列中において、抗原と非共有結合を形成しているアミノ酸部位を選択する。抗原と非共有結合を形成しているアミノ酸部位を選択するための手段は、特に限定されないが、例えば、抗原抗体複合体の結晶構造解析(例えば、X線結晶構造解析など)による行うことができる。具体的には、X線結晶構造解析により、接触面積が大きいアミノ酸部位を選択することにより、抗原と非共有結合を形成しているアミノ酸部位を選択することができる。
工程(b)においては、工程(a)で選択した抗体中のアミノ酸部位の中から、変異を導入することによる抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)が、野生型の場合の抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)より増大するアミノ酸部位を選択する。抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)とは、抗原と抗体が解離した状態の自由エネルギー」から「抗原と抗体が結合した状態の自由エネルギー」への変化を意味する。抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)とは、抗原抗体間の結合に伴うエネルギー変化を言い,抗原と抗体の結合の強さを示す。
等温滴定熱量測定(ITC)は、一定温度下で滴定に伴う熱量変化を検出する測定である。分子同士が結合する時に発生する微小な熱量変化を計測し、得られる滴定曲線から、結合比(n)、結合定数(Ka)、結合のエンタルピー変化(ΔH)を求めることができる。さらに式(1)から結合の自由エネルギー変化(ΔG)を求めることができる。また式(2)から結合のエントロピー変化(ΔS)を算出できる。
ΔG=−RTlnKa 式(1)
ΔG=ΔH−TΔS 式(2)
上記式(2)に示す通り、自由エネルギー(ΔG)の変化は、エンタルピーの変化に起因する場合と、エントロピーの変化に起因する場合があるが、本発明においては何れの場合でもよい。
工程(b)は、抗原と抗体を用いて等温滴定熱量測定(ITC)により、結合の自由エネルギー変化(ΔG)を求めることによって行うことができる。また、工程(b)は、分子動力学シミュレーションにより行うこともできる。例えば、工程(b)は、分子動力学シミュレーションによりエンタルピーの変化の増減を予測することにより行うことができる。即ち、分子動力学シミュレーションによりエンタルピーの変化が増大する変異体を探索し、これにより、変異を導入することによる抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)が、野生型の場合より増大する変異体を選択することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(1)発現ベクターの構築
(アラニン(Ala)置換変異体の設計)
B5209B(WO2010/131590号公報に記載)の一本鎖抗体(scFv)とIG5-2ドメイン(B5209B抗体が認識するイムノグロブリン様ドメインの5番目)の共結晶構造を基に、PDBePISA (http://www.ebi.ac.uk/msd-srv/prot_int/)を用いて抗原との接触面積、塩橋や水素結合の形成などの相互作用の解析を行った。結果から抗原-抗体相互作用に重要と考えられる11種類の残基をAla置換の変異導入箇所として選定した(表1)。表1において、Lは軽鎖、Hは重鎖を示す。アミノ酸の後ろの数字は、軽鎖又は重鎖におけるアミノ酸位置を示す。
(発現ベクター)
N末端側からVHドメイン、(GGGGS)4リンカー、VLドメイン、(His tag)6の順に挿入されたpRA2を発現ベクターに用いた(図1)。
N末端側からVHドメイン、(GGGGS)4リンカー、VLドメイン、(His tag)6を有するB5209B scFvの塩基配列及びアミノ酸配列を配列表の配列番号3及び4に示す。
(変異導入)
PrimeSTAR(登録商標)Mutagenesis Basal Kit (タカラバイオ)を用いて表2のように部位特異的変異導入を行った。 変異導入用のプライマーは表3に示したものを使用した。
HS55A:重鎖の55番目のアミノ酸であるセリンをアラニンに変異
HY57A:重鎖の57番目のアミノ酸であるチロシンをアラニンに変異
HE97A:重鎖の97番目のアミノ酸であるグルタミン酸をアラニンに変異
HP102A:重鎖の102番目のアミノ酸であるプロリンをアラニンに変異
HP103A:重鎖の103番目のアミノ酸であるプロリンをアラニンに変異
HY104A :重鎖の104番目のアミノ酸であるチロシンをアラニンに変異
HY105A:重鎖の105番目のアミノ酸であるチロシンをアラニンに変異
LY30A:軽鎖の30番目のアミノ酸であるグルタミン酸をアラニンに変異
LL92A:軽鎖の92番目のアミノ酸であるロイシンをアラニンに変異
LT94A:軽鎖の94番目のアミノ酸であるトレオニンをアラニンに変異
LF96A:軽鎖の96番目のアミノ酸であるフェニルアラニンをアラニンに変異
PCR後、FastGeneゲル/PCR抽出キット(日本ジェネティクス)を用いて精製を行った。
PCR精製物2 μlをJM109コンピテントセル(タカラバイオ)100 μlに加え、氷上10分静置した。42 ℃でヒートショックを60秒行い、氷上に3分静置した後、LB培地100 μl添加して、37 ℃、600 rpmで振とうした。LB寒天培地(Amp終濃度50 μg/ml)に播種し、37 ℃で一晩培養した。1.6 mlのLB培地(Amp終濃度50 μg/ml)につまようじでコロニーを一つ取り出し、植菌を行い、37 ℃、140 rpmで一晩培養した。FastGeneプラスミドミニキット(日本ジェネティクス)にて発現ベクターの抽出を行った。
(2)目的蛋白質の発現
(形質転換)
発現ベクター0.5 μlをOrigami2(DE3)コンピテントセル100 μlに加え氷上10分静置した。42 ℃でヒートショックを60秒行い、氷上に3分静置した後、LB培地100 μl添加して、37 ℃、600 rpmで振とうした。クリーンベンチにて培養液をLB寒天培地(Amp終濃度50 μg/ml)に播種し、28 ℃で15時間程培養した。
(大腸菌の培養)
3 mlのLB培地(Amp終濃度50 μg/ml)につまようじでコロニーを取り出し、植菌を行った。28 ℃、140 rpmで15時間程培養した。1 LのLB培地(Amp終濃度50 μg/ml)に培養液を移して植え継ぎ、28 ℃、125 rpmで培養した。OD=0.7となった時点でIPTG(Isopropyl β-D-1-thiogalactopyranoside)を終濃度500 μMになるように添加し、20 ℃で18時間程培養して蛋白質を誘導した。
(大腸菌の回収)
4 ℃、7000 G、10 minで遠心し、集菌し、液体窒素で凍らせ、-30 ℃で保存した。
(3)目的蛋白質の精製
(大腸菌の超音波破砕)
緩衝液(20 mM Tris-HCl,200 mM NaCl, pH8.0 (4 ℃))で菌体を溶解し(25 ml/1L 培養液)、Ultrasonic Disruptor UD201 (TOMY)を用いて20分間(OUTPUT 7,DUTY 50)の超音波破砕を行った。40000 G、30分、4 ℃で遠心し、可溶性分画を0.22 μmのフィルター(Merck Millipore)に通してサンプルを回収した。
(金属キレートアフィニティークロマトグラフィー)
Binding buffer (20 mM Tris-HCl, 200 mM NaCl, mM imidazole pH8.0 (4 ℃))で平衡化したNi-NTA Agarose (Qiagen)にサンプルをロードし目的蛋白質を吸着させて、100 mM, 200 mMのimidazole緩衝液で溶出し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)ヘ一晩透析を行った。
(サイズ排除クロマトグラフィー)
透析サンプルを0.22 μmのフィルター(Merck Millipore)に通し、HiLoad 26/60 Superdex 75 pgカラム(GEヘルスケア)にて、流速2.5 ml/min、Alarm pressure 0.7 MPaで溶出した。装置にはAKTA purifier(GEヘルスケア)を用いた。最終生成物の純度はSDS-PAGEにて確認を行い、IG5-2とともにPBSへ一晩透析を行った。
(4)等温滴定型熱量測定
PBSで透析したscFvのサンプルはAmicon Ultra-15 10k(Merck Millipore)にて限外ろ過を行い、サンプルの濃縮を行った。NanoDrop 1000(Thermo Fisher Scientific)にて波長280 nmの吸光度を計測し、モル吸光係数(scFv:38850,IG5-2:15595)から濃度を算出した。シリンジに100 μM のIG5-2、セルに10 μMのscFvを充填し、iTC200(GEヘルスケア)にて熱量測定を行った。解析ソフトウェアにはOrigin7を用いた。等温滴定型熱量測定(ITC)による熱力学的解析結果を表4に示す。
Ig5-2のアミノ酸配列(配列番号27):
GSMGPVIRQGPVNQTVAVDGTFVLSCVATGSPVPTILWRKDGVLVSTQDSRIKQLENGVLQIRYAKLGDTGRYTCIASTPSGEATWSAYIEVQ
多くのAla変異体はAla置換による抗原との相互作用の消失により、エンタルピーの減少に伴い、親和性が低下した。Xで示した三種類の変異体については、発熱が小さくITCによるフィッティングができなかった。しかし、二種類のAla変異体(HP103AとLY30A)については、抗原との相互作用を弱める変異を入れたのにもかかわらず、親和性が5〜10倍程度上昇した。
抗体の相互作用界面の様子を図2に示す。図2に示す抗体の界面から、親和性が上昇した二種のアミノ酸の位置は青色で示しているように外側に位置していた。
また、野生型、HP103A及びLY30Aの熱力学的パラメータの比較を図3に示す。HP103A変異体及びLY30A変異体の熱力学的パラメータを比較するとHP103Aについてはエンタルピーの増加が親和性に寄与し、LY30Aについては逆にエントロピーが親和性に貢献していることがわかる。
(5)分子動力学シミュレーション
分子動力学シミュレーションにおいては、X線結晶構造など蛋白質の3次元座標をもとに、一つ一つの原子にかかる力を計算し、運動方程式を解く。その結果、蛋白質や溶媒の軌跡が得られ、分子のダイナミクスや相互作用の解析を行うことができる。
B5209Bの一本鎖抗体とIG5-2ドメインの共結晶構造で欠けているHA121、(GGGGS)4リンンカー、LD-2、LI-1、LL0の残基をDiscovoery studio3.1(Accelrys)を用いて付加した。
変異体の構造もDiscovoery studio3.1(Accelrys)を用いて側鎖を置換して作成した。
野生型、変異体の構造のそれぞれに水分子を24727個、ナトリウムイオンを66個、塩化物イオンを67個配置した。それぞれの系に対して、limited-memory Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno (L-BFGS)法によるエネルギー最小化をおこなった。この原子座標と、乱数により発生させた温度298 Kの初期速度を用いて、タンパク質の重原子に制限(初期位置中心にバネ定数1000 kJ/nm2の調和振動子ポテンシャルを加えている)をかけた分子動力学シミュレーションを1 nsおこない、水分子やイオンの配置の平衡化を行った。ここで、各系に対し異なる3つの初期速度を採用し、次におこなう分子動力学シミュレーションの初期条件を3つずつ用意した。続いて、タンパク質の重原子にかけていた制限を解除して、600 nsの分子動力学シミュレーションをおこなった。つまり、各系に3つのシミュレーションをおこなった。以上の計算には、分子動力学ソフトウェアGROMACS ver. 4.6.1を用いた。また、分子動力学計算のパラメーターは以下に示す。解析のため、この分子動力学計算の中で、3 psごとに、抗原抗体間の静電相互作用の近距離部分とLennard-Jones相互作用の和を出力する。この物理量の150nsから600nsまでの平均値をエンタルピー項の変化の指標として用いる。
分子動力学計算のパラメーター:
プログラム: Gromacs 4.6.1
タンパク質力場: FUJI force field
水分子力場: TIP3P
化学結合の振動伸縮: P-LINCS法によりすべて固定
原子数: 〜80,000
温度: 298 K(25℃)
温度制御法: Nose-Hoover法(緩和時間定数=1ps)
圧力: 1 atm
圧力制御法: Berendsen法(緩和時間定数=1ps)
タイムステップ: 3 fs
カットオフ長: 0.9 nm
計算時間: 600 ns
参考文献
GROMACS: B. Hess et al. J. Chem. Theory Comput. 4 435 (2008)
FUJI force field: H. Fujitani et al. J. Chem. Theory Comput. 5 1155 (2009)
分子動力学シミュレーションによる抗原−抗体間での相互作用エネルギーの解析結果を図4に示す。相互作用エネルギーとはエンタルピーの値の一部であり、抗原−抗体間に働く静電相互作用とVDW相互作用を足し合わせたものである。実験でのエンタルピーの値の大きさと相互作用エネルギーの大きさは傾向が一致している結果が得られた。HP103Aについては静電相互作用の増加が寄与している。
抗体各残基の寄与の変化を図5に示す。また、結晶構造からの塩橋の距離を比較した結果を図6及び図7に示す。残基ごとの解析より抗原抗体間の塩橋を強めることで相互作用エネルギーを獲得していることが明らかになった。LY30AはL鎖の30番Tyr残基がAlaに置換することでVDW相互作用が減少したことにより相互作用が低下した。
分子動力学シミュレーションによる水和数の解析結果を図8に示す。野生型(WT)に比べ、二つの変異体はどちらも水和数が減少していた。水和数の減少は溶媒中に拡散している水分子の数が多くなることを示し、エントロピー的に有利な状態になっていることが示唆された。
上記の結果から、Ala置換変異によって抗原との相互作用点を減らすことでも抗原との親和性を上昇できることが示された。、計算の結果より、相互作用の配向の変化や水和数の変化がエンタルピーやエントロピーに影響を与えていることが示された。HP103A(エンタルピー寄与)の場合は、変異とは異なる部位で相互作用が増加することにより、抗原との親和性が向上した。また、LY30A(エントロピー寄与)の場合は、水和の変化によりエントロピーを獲得し、抗原との親和性が向上した。

Claims (13)

  1. 重鎖のアミノ酸配列として配列番号1に記載のアミノ酸配列において103番目のプロリン残基が他のアミノ酸に置換しているアミノ酸配列を有し、軽鎖のアミノ酸配列として配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する、Robo1に対する親和性を有する抗体。
  2. 重鎖のアミノ酸配列として配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、軽鎖のアミノ酸配列として配列番号2に記載のアミノ酸配列において30番目のチロシン残基が他のアミノ酸に置換しているアミノ酸配列を有する、Robo1に対する親和性を有する抗体。
  3. 重鎖のアミノ酸配列として配列番号1に記載のアミノ酸配列において103番目のプロリン残基が他のアミノ酸に置換しているアミノ酸配列を有し、軽鎖のアミノ酸配列として配列番号2に記載のアミノ酸配列において30番目のチロシン残基が他のアミノ酸に置換しているアミノ酸配列を有する、Robo1に対する親和性を有する抗体。
  4. 前記他のアミノ酸がアラニンである、請求項1から3の何れか1項に記載の抗体。
  5. 一本鎖抗体フラグメント(scFv)である、請求項1から4の何れか1項に記載の抗体。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の抗体をコードする核酸。
  7. 放射性同位元素で標識された請求項1から5の何れか1項に記載の抗体を含む、腫瘍の診断剤又は治療剤。
  8. (a)抗原と非共有結合を形成している抗体中のアミノ酸部位を選択する工程、
    (b)工程(a)で選択した抗体中のアミノ酸部位の中から、変異を導入することによる抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)が、野生型の場合の抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)より増大するアミノ酸部位を選択し、前記アミノ酸部位のアミノ酸を他のアミノ酸に置換することを設計する工程、
    を含む、抗原に対する高親和性を有する抗体の設計方法。
  9. 工程(a)を、抗原抗体複合体の結晶構造解析により行う、請求項8に記載の方法。
  10. 抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)の増大が、エンタルピーの変化の増加に起因するものである、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 抗原と抗体の結合に伴う自由エネルギー変化(ΔG)の増大が、エントロピーの変化の減少に起因するものである、請求項8又は9に記載の方法。
  12. 抗原と抗体を用いた等温滴定熱量測定により、工程(b)を行う、請求項8から11の何れか1項に記載の方法。
  13. 分子動力学シミュレーションにより、工程(b)を行う、請求項8から11の何れか1項に記載の方法。
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JP2012501648A (ja) * 2008-09-03 2012-01-26 ジェネンテック, インコーポレイテッド 多重特異性抗体

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