JP2015097430A - モールドモータ - Google Patents

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誠治 黒住
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Abstract

【課題】本発明は、モールドモータを駆動するにあたり、固定子鉄心へ巻装される巻線に施される絶縁被膜やインシュレータなどの絶縁材料から分解ガスが発生した場合、この分解ガスをモールドモータの外部へ導き出すことで、絶縁特性を確保するものである。
【解決手段】本発明のモールドモータ1は、巻線11を巻装した固定子鉄心であるステータコア12をモールド樹脂によってモールドする固定子10と、固定子10に対向して周方向に永久磁石23を有する回転体21と、回転体21の軸芯を貫通する回転軸22とを含む回転子20と、一対の回転軸22を回転自在に挟持する軸受2,3と、を備える。さらに、モールド樹脂は、固定子10で生じた分解ガスをモールド樹脂の外部へと導くガス流路16を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、巻線を巻装した固定子鉄心をモールド樹脂によってモールド成形される回転子を備えたモールドモータに関するものである。
従来、家電機器等に用いられるモールドモータは、小型化、薄型化および高出力化が強く求められる。特に、一部の家電機器へ組み込まれるモールドモータにおいては、低騒音や低振動であることも要求される。これらの要求に応えるため、巻線を巻装した固定子鉄心をモールド樹脂によりモールド成形されたモールドモータが提案されている。
図14を用いて、従来の家電機器に用いられるモールドモータ101について、説明する。
固定子110は、巻線11が巻装された固定子鉄心であるステータコア12と、このステータコア12の内周面を除いて成形されるモールド樹脂114とを有する。巻線11は、巻枠を介してステータコア12へ巻装される。
ステータコア12の内部には、外周面に永久磁石23が施された回転子20が位置する。回転子20の中心軸に沿って、回転軸22が設けられる。回転軸22は、回転軸22が回転自在となるよう軸受102,103によって支持される。軸受103は、ブラケット4により保持される。
モールドモータ101を形成するモールド樹脂114の内部には、巻線11へ流す電流を制御する制御回路130が備えられる。
近年、上記モールドモータ101に対する要求を満たすため、巻線11は、線積率を高めることが検討されている。線積率を高めるために、巻線11の被膜として低沸点材料が塗布される。巻線11の被膜として低沸点材料には、巻線11の潤滑性を向上するものが存在するためである。
一方、従来、巻線11に施された低沸点材料が揮発し、巻線11間の絶縁障害が引き起こされることもよく知られている。
この絶縁障害については、ポリウレタン電線に有機潤滑剤の被膜を形成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリウレタン電線に樹脂の被膜を形成することで生じる電子部品への悪影響を抑制するものも提案されている。すなわち、電線の被膜自体に自己潤滑性を付与することで、分解ガスの発生を防止する(例えば、特許文献2参照)。
さらに、モールドモータの信頼性を向上するものも提案されている。具体的には、ステータ鉄心(本願発明の「固定子鉄心」に相当)の外周面を、部分的に露出するというものである。これは、高温高湿という条件化において、モールドモータの絶縁特性を改良できる(例えば、特許文献3参照)。
特開昭63−121213号公報 特開昭63−178410号公報 特公昭61−60655号公報
しかしながら、ポリウレタン電線に有機潤滑剤の被膜を形成する、あるいは、ポリウレタン電線の被膜自体に自己潤滑性を付与することで、分解ガスの発生を防止する方法では、次の課題があった。すなわち、これらの方法では、分解ガスの発生を抑制できても、分解ガスの発生そのものを完全になくすことはできないというものである。
ところで、小型化、薄型化および高出力化などの要求を満たすために、モールドモータへ従来よりも高い負荷が加えられることがある。このような高負荷の条件下において、モールドモータを駆動した場合、つぎの課題を有していた。すなわち、高負荷の条件下において、モールドモータが駆動されると、当初想定された範囲以上の電流が巻線へ流される。その結果、巻線には、当初見込まれていた以上の発熱が生じる。この発熱によって、巻線の絶縁被膜や、ステータコアと巻線との間に設けられるインシュレータなどの絶縁部材が温められ、分解ガスが発生する。
モールドモータ内において、巻線や絶縁部材などはモールド樹脂で覆われている。よって、モールドモータ内の雰囲気は高温高圧となる。このような高温高圧下において、上述した絶縁被膜や絶縁部材に含まれる絶縁材料は、加速度的に劣化が進行する。この結果、これらの絶縁材料は、耐絶縁性能が劣化するため、モールドモータに要求される絶縁特性を維持できなくなっていた。
また、ステータ鉄心の外周面のみを部分的に露出しても、巻線から発生した分解ガスをモールドモータの外部へ排出することは困難である。よって、上述したものと同様、絶縁材料の耐絶縁性能が劣化するため、モールドモータに要求される絶縁特性を維持できなくなっていた。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、固定子鉄心へ巻装される巻線に施される絶縁被膜やインシュレータなどの絶縁材料から分解ガスが発生した場合、この分解ガスをモールドモータの外部へ導き出すガス流路を有するものである。この結果、所望の絶縁特性を有するモールドモータを提供することができる。
本発明に関するモールドモータは、巻線を巻装した固定子鉄心をモールド樹脂によってモールドする固定子と、固定子に対向して周方向に永久磁石を有する回転体と、回転体の軸芯を貫通する回転軸とを含む回転子と、一対の回転軸を回転自在に挟持する軸受と、を備える。さらに、モールド樹脂は、固定子で生じたガス、特に分解ガスをモールド樹脂の外部へと導くガス流路を有する。
本発明のモールドモータによれば、モールドモータ内で生じた分解ガスは、モールド樹脂の外部、つまり、モールドモータの外部へ導き出される。よって、モールドモータ内の雰囲気が高温高圧となることを回避できる。この結果、モールドモータに要求される絶縁特性は確保される。
本発明の実施の形態1におけるモールドモータの斜視図 本発明の実施の形態1におけるモールドモータの縦断面図 本発明の実施の形態1における巻線の断面図 本発明の実施の形態1における他の巻線の断面図 本発明の実施の形態1におけるインシュレータの斜視図 本発明の実施の形態1における他のインシュレータの斜視図 本発明の実施の形態1におけるモールドモータの説明図 本発明の実施例1におけるポリブチレンテレフタレートの重量変化を示す説明図 本発明の実施例1におけるバルクモールドコンパウンドの重量変化を示す説明図 本発明の実施例1におけるモールドモータの絶縁耐圧試験を示す説明図 本発明の比較例1におけるモールドモータの絶縁耐圧試験を示す説明図 本発明の実施の形態1における他のインシュレータの斜視図 本発明の実施の形態1におけるさらに他のインシュレータの斜視図 従来のモールドモータの縦断面図
以下、本発明の実施の形態におけるモールドモータについて図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、特に顕著な効果を発揮するモールドモータ、いわゆるブラシレスモールドモータを用いて説明する。
また、背景技術で説明したものと同じ構成要素については、同一の符号を付し、説明を援用する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモールドモータの斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1におけるモールドモータの縦断面図である。図に示すモールドモータは、モールド形成されたブラシレスDCモータ(以下、「モールドモータ」と記す。)である。
モールドモータ1は、固定子10と、固定子10の内側に配された回転子20とを備える。
固定子10は、巻線11を巻装した固定子鉄心であるステータコア12を有する。具体的には、巻線11は、ステータコア12の周りに対してコイル状に巻き回される。巻線11とステータコア12との間には、絶縁部材であるインシュレータ13が設けられる。固定子10は、モールド樹脂となる樹脂材、特に熱硬化性樹脂でモールド成形されたモールドフレーム14と一体化して構成される。
巻線11は、銅などで芯線11Aが構成される。図3に示すように、この芯線11Aに対して、中心側から順に、第1の絶縁被膜11B、第2の絶縁被膜11Cの層が形成される。第1の絶縁被膜11Bには、ポリエステルを用いることができる。第2の絶縁被膜には、ポリアミドを用いることができる。第2の絶縁被膜11Cが施された巻線11の直径は、0.3mm程度となる。また、図4に示すように、さらに第2の絶縁被膜11Cには、自己潤滑性を有する潤滑被膜11Dを施してもよい。この潤滑被膜11Dは、パラフィン油を用いることができる。
インシュレータ13は、図5、図6に示すように、巻線11と交差する方向へ溝部15を有する。
モールドフレーム14に用いられるモールド樹脂は、例えば、熱伝導率が1.1W/m・Kであり、UL規格の94V−0の難燃性を有するものが使用できる。具体的な組成は、不飽和ポリエステル樹脂とポリエステル樹脂との合計配合量が21.2重量%、ガラス繊維が7重量%、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシベンゾエートが0.4重量%、ステアリン酸亜鉛が1.3重量%、重合禁止剤が0.1重量%、水酸化アルミニウムが70重量%である。不飽和ポリエステル樹脂は、ディーエイチ・マテリアル株式会社製のサンドーマ(登録商標)PB210を用いることができる。ポリエステル樹脂は、ディーエイチ・マテリアル株式会社製のサンドーマPB987を用いることができる。
図2に示すように、回転子20は、回転体21と回転軸22とを有する。回転体21は、固定子10に対向して周方向に永久磁石23を有する。回転軸22は、回転体21の軸心を貫通して取り付けられる。
軸受は、内輪と、外輪と、この内輪とこの外輪との間に玉と、を有する玉軸受2,3である。一対の玉軸受2,3は、回転子20を回転自在に挟持する。内輪と外輪とは、金属粉末を焼結させた焼結金属で構成される。玉は鉄で構成される。
ブラケット4は、玉軸受3を保持する。ブラケット4は、導電性を有する金属からなる。例えば、亜鉛めっき鋼板、アルミダイカスト、ステンレス鋼板などが用いられる。より具体的には、亜鉛めっき鋼板として、SECCやSECDを用いることができる。アルミダイカストとして、ADC12を用いることができる。ステンレス鋼板として、SUS304やSUS430を用いることができる。なお、同様の特性を得ることができれば、他の金属を用いてもよい。
玉軸受2は、モールドフレーム14と一体となって保持される。
玉軸受3は、回転軸22を囲うように配される。玉軸受3の周囲には、ブラケット4の一部を回転体21方向へ凸状に突き出して環状の壁面とした環状部4Aが設けられる。玉軸受3は、環状部4Aに対して嵌め合い公差で固定される。
ガス流路16は、モールドフレーム14に形成される。ガス流路16は、モールドモータ1の内側とモールドモータ1の外側とを連通する。ガス流路16(16A,16B,16C,16D,16E)は、モールドフレーム14の各部に設けられる。
まず、図1、図7に示すように、ガス流路16Aは、一端をステータコア12が有するスロット17の位置に、他端をモールドモータ1の外表面に設けられる。
他に、図1、図7に示すように、ガス流路16Bは、一端をインシュレータ13に設けられた溝部15の端部13Aに、他端をモールドモータ1の外表面に設けられる。
また、図2に示すように、ガス流路16Cは、一端をステータコア12へ巻装された巻線11の最外周部11Eに、他端をモールドモータ1の外表面に設けられる。
また、図2に示すように、ガス流路16Dは、一端をインシュレータ13の端部13Bに、他端をモールドモータ1の外表面に設けられる。
あるいは、図2に示すように、ガス流路16Eは、一端をインシュレータ13の端部13Cに、他端をモールドモータ1の外表面に設けられる。
このような位置へ設けられるガス流路16は、モールド成形時に使用される押えピンを用いて、形成される。特に、インシュレータ13の位置決めに用いられる押えピンを用いれば、ガス流路16B,16D,16Eは容易に形成される。よって、ガス流路16を形成するための工数が、増加することはない。
モールドモータ1は、インバータ回路を搭載した制御基板を内部に有してもよい。制御基板を内蔵した場合、この制御基板で制御された高周波パルスが、巻線11へ流す電流を切替える。
以上のように構成されたモールドモータ1について、その作用を説明する。
固定子10が有する巻線11へ、所定の制御電流が流される。この制御電流が作り出す磁界を追従するように、永久磁石23が設けられた回転子20は回動する。回転軸22へ加えられる負荷に応じて、巻線11へ供給される電流は増減する。
巻線11を構成する芯線11Aは、抵抗成分を有する。よって、巻線11へ電流が流されると、この電流と抵抗成分との関係により、巻線11は発熱する。巻線11が発熱すれば、芯線11Aに施された第1の絶縁被膜11B、第2の絶縁被膜11Cや、インシュレータ13などの絶縁部材などから分解ガスが発生する。このとき、分解ガスは、モールドモータ1の内側とモールドモータ1の外側とを連通するガス流路16(16A乃至16E)を経て、モールドモータ1の外側へ放出される。その詳細について、説明する。
巻線11は所定の線径を有している。よって、ステータコア12へ巻線11が巻き付けられると、巻線11間には多少の隙間が生じる。モールドモータ1の内側に生じた分解ガスは、この隙間を経由して、固定子10表面へ移動する。
ところで、モールドモータ1の内部に分解ガスが発生すると、モールドモータ1の内部の気圧は高くなる。そこで、固定子10表面へ移動した分解ガスは、各部に設けられたガス流路16(16A乃至16E)を介して、モールドモータ1の外部へ導き出される。
まず、ステータコア12が有する各スロット17の位置に、ガス流路16Aの一端が設けられる。各スロット17には、隣接するティース18へ巻き付けられた巻線11が密集している。これら巻線11間には、上述したように多少の隙間が存在している。よって、隙間を介してスロット17へ流れ出た分解ガスは、スロット17位置へ一方の開口を有するガス流路16Aを経て、モールドモータ1の外部へと導き出される。
次に、巻線11は、インシュレータ13を介してステータコア12へ巻き付けられる。インシュレータ13は、巻線11と交差する方向へ溝部15を有する。よって、巻線11とインシュレータ13との間には、所定の隙間が生じるため、巻線11とインシュレータ13とが密着することはない。巻線11やインシュレータ13から生じた分解ガスは、この溝部15に沿って流れる。溝部15の一端は、ガス流路16Bの一端と連絡している。この結果、溝部15を介してガス流路16Bへとたどり着いた分解ガスは、ガス流路を経て、モールドモータ1の外部へと導き出される。
ところで、溝部15の幅は、モールドフレーム14を構成するモールド樹脂の細部流動性より小さい寸法とすればよい。これは、モールド樹脂が溝部15へ流れ込むことがなく、モールド樹脂が溝部15という分解ガスの流路を妨げることがなくなるためである。
本実施の形態1では、モールドフレーム14を構成するモールド樹脂の細部流動性は0.1mm以上である。そこで、溝部15の幅を0.05mmとした。
また、ステータコア12へ幾重にも巻装された巻線11は、その最外周部11Eに隙間が生じる。よって、巻線11などで生じた分解ガスは、巻線11に生じた隙間を経て、巻線11の最外周部11Eへと移動する。巻線11の最外周部11Eには、モールドモータ1の外部へと通じるガス流路16Cの一端が設けられている。よって、巻線11の最外周部11Eへと移動した分解ガスは、ガス流路16Cを介して、モールドモータ1の外部へと導き出される。
本発明の実施の形態1におけるモールドモータ1を用いれば、モールドフレーム14に設けられたガス流路16(16A乃至16E)を経て、モールドモータ1内に発生した分解ガスをモールドモータ1の外側へ導き出すことができる。この結果、モールドモータ1の内部が、高温高圧となることを回避できる。従って、巻線11の第1の絶縁被膜11B、第2の絶縁被膜11Cやインシュレータ13などの絶縁部材が高温高圧の雰囲気下に晒されることを防止できる。よって、これら第1の絶縁被膜11B、第2の絶縁被膜11Cや絶縁部材の劣化を抑制することが可能となり、モールドモータ1の信頼性を向上できる。
あるいは、本発明の実施の形態1におけるモールドモータ1を用いれば、モールドモータ1内で生じた分解ガスの排出を促進できるため、従来よりも高い負荷を加えることが可能となる。従って、モールドモータとしての出力を上げることができる。または、同じ出力であれば、モールドモータを小型にすることも可能となる。
なお、巻線11の最表面へ自己潤滑性を有する潤滑被膜11Dを設けた場合、モールドフレーム14を成すモールド樹脂と巻線11とが密着することを抑制できる。よって、固定子10で生じた分解ガスをガス流路16Cへと導き易くなる。
(実施例1)
本発明の実施の形態1におけるモールドモータ1を用いて、実験した結果を示す。図8に、絶縁部材であるインシュレータ13に用いられるポリブチレンテレフタレート(Polybutylene Terephthalate、以下「PBT」と記す。)について、重量変化(TG)に着目して熱分析を行った結果30を示す。
従来、モールドモータが使用されていた負荷領域で生じる巻線温度を100℃、本発明の実施の形態1におけるモールドモータであれば使用可能となる負荷領域で生じる巻線温度を150℃とする。この巻線温度100℃と巻線温度150℃について、TG分析を行った。その結果、1000時間を経過したところで、100℃での重量変化を1とした場合、150℃での重量変化は、約7.6倍の分解ガスが生じることが確認された。
次に、図9に、モールドフレーム14を構成するモールド樹脂として、バルクモールドコンパウンド(以下、「BMC」と記す。)について、重量変化(TG)に着目して熱分析を行った結果31を示す。なお、BMCとは、熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル)と無機充填材(水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等)からなるガラス繊維強化樹脂である。PBTと同様、巻線温度100℃と巻線温度150℃について、TG分析を行った。その結果、30分を経過したところで、100℃での重量変化を1とした場合、150℃での重量変化は、約2倍の分解ガスが生じることが確認された。なお、いずれの測定にも、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の示差熱熱重量同時測定装置であるEXSTAR6000TG/DTAを用いた。
以上の結果から、1000時間という長期的評価、および、30分という短期的評価のいずれからも、巻線温度が高くなれば、より多くの分解ガスが発生することが確認された。
上記結果を踏まえ、本発明の実施の形態1におけるモールドモータ1について、巻線11へ自己潤滑剤を塗布しないもの(仕様1)と、自己潤滑剤を塗布したもの(仕様2)とを評価した。運転条件は、電気用品安全法で定められた絶縁耐圧試験に従った。そして、電源と回転軸22との間にAC1000Vで1分間の電圧を掛けて、リーク電流が10mA以下である場合、規格クリアと判断した。この測定には、菊水電子工業株式会社製の耐電圧試験器であるTOS5050を用いた。この絶縁耐圧試験の結果32を図10に示す。
以上の結果より、ガス流路16が設けられているモールドモータ1であれば、巻線11への自己潤滑剤の塗布の有無に拘らず、上記規格をクリアできることが確認できた。
(比較例1)
つぎに、上述した本発明の実施の形態1におけるモールドモータと比較を行うため、次の仕様について評価を行った。
まず、従来、モールドモータが使用されている範囲として仕様3を測定した。具体的には、仕様3におけるモールドモータには、本願発明が特徴とするガス流路が設けられていない。また、巻線へ自己潤滑剤も塗布されていない。巻線温度は、従来の使用状況に照らし、100℃とした。
さらに、本願発明の特徴であるガス流路と、巻線へ自己潤滑剤を塗布することの効果を検証するため、次の仕様を準備した。
仕様4におけるモールドモータは、ガス流路が設けられず、かつ、巻線へ自己潤滑剤も塗布されない。巻線温度は、求められる仕様状況に照らして150℃とした。
仕様5におけるモールドモータは、ガス流路は設けられないものの、巻線には自己潤滑剤が塗布されている。巻線温度は、求められる仕様状況に照らして150℃とした。これらの評価結果33を、図11に示す。
以上の結果より、つぎの見解が導き出される。すなわち、仕様3の評価結果より、従来の使用状況であれば、ガス流路および巻線への自己潤滑剤の塗布がなくても、上記規格がクリアできていたことが確認できた。
また、仕様4、仕様5の評価結果より、本願発明が特徴とするガス流路がなければ、巻線へ自己潤滑剤を塗布したとしても、上記規格がクリアできないことが確認できた。
以上の実験結果より、モールドモータへガス流路を設ければ、従来の使用状況よりも厳しい環境であっても、上記規格がクリアできることが確認できた。これは、ガス流路が、モールドモータ内に発生した分解ガスをモールドモータ外へと導く、ガス抜き穴の役目を果たしているためと考えられる。この結果、本発明の実施の形態1におけるモールドモータを用いれば、同じ大きさのモールドモータであれば、より高い負荷を掛けることができる。あるいは、同じ負荷を掛けるのであれば、モールドモータの大きさをより小さくすることができる。
なお、図12、図13に示すように、他の実施の形態として、インシュレータ13には、巻線11と交差する方向へ突条19を施してもよい。本構成において、図2、図7に示すように、ガス流路16は、一端をインシュレータ13に設けられた突条19の端部に、他端をモールドモータ1の外表面に設けられる。このとき、隣接する突条19間の空間が分解ガスの通り道となる。その結果、モールドモータ1内に発生した分解ガスを円滑にガス流路16Bへと導くことが可能となる。
本発明の利用分野は、巻線を巻装した固定子鉄心をモールド樹脂によってモールドされる固定子を備え、この固定子がモールド樹脂によりモールド成形されるモールドモータについて、広範囲に利用することができる。
1 モールドモータ
2,3 玉軸受(軸受)
10 固定子
11 巻線
11E 最外周部
12 ステータコア(固定子鉄心)
13 インシュレータ(絶縁部材)
13A,13B,13C 端部
14 モールドフレーム(モールド樹脂)
15 溝部
16,16A,16B,16C,16D,16E ガス流路
17 スロット
19 突条
20 回転子
21 回転体
22 回転軸
23 永久磁石

Claims (5)

  1. 巻線を巻装した固定子鉄心をモールド樹脂によってモールドする固定子と、
    前記固定子に対向して周方向に永久磁石を有する回転体と、前記回転体の軸芯を貫通する回転軸とを含む回転子と、
    一対の前記回転軸を回転自在に挟持する軸受と、を備え、
    前記モールド樹脂は、前記固定子で生じたガスを前記モールド樹脂の外部へと導くガス流路を有するモールドモータ。
  2. 前記ガス流路は、前記固定子鉄心が有するスロットの位置に前記ガス流路の一端を設けた請求項1に記載のモールドモータ。
  3. さらに、前記巻線と前記固定子鉄心との間に絶縁部材を備え、
    前記絶縁部材は、前記巻線と交差する方向へ溝部を有し、この溝部の一端は、前記ガス流路の一端と連絡する請求項1に記載のモールドモータ。
  4. さらに、前記巻線と前記固定子鉄心との間に絶縁部材を備え、
    前記絶縁部材は、前記巻線と交差する方向へ突条を有し、この突条の一端は、前記ガス流路の一端と連絡する請求項1に記載のモールドモータ。
  5. 前記ガス流路は、前記固定子鉄心へ巻装された前記巻線の最外周部に前記ガス流路の一端を設けた請求項1に記載のモールドモータ。
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