JP2015096729A - タービン - Google Patents
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衝動タービンとは、静翼がノズル形状を有し、この静翼を通過した蒸気が動翼に噴射され、蒸気から受ける衝撃力だけによって動翼が回転するものである。一方、反動タービンは、静翼の形状は動翼と同様であって、この静翼を通過した蒸気から受ける衝撃力と、動翼を通過する際に生じる蒸気の膨張に対する反動力とによって動翼が回転するものである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の第1参考例に係る蒸気タービンの構成について説明する。図1は、第1参考例に係る蒸気タービン1を示す概略断面図である。
蒸気タービン1は、中空のケーシング10と、このケーシング10の内部に流入する蒸気S(流体)の量と圧力を調整する調整弁20と、ケーシング10の内部に回転自在に設けられ、不図示の発電機等の機械に動力を伝達する軸体30と、ケーシング10に保持された環状静翼群40と、軸体30に設けられた環状動翼群50(ブレード)と、軸体30を軸回りに回転可能に支持する軸受部60と、を備えている。
そして、このように構成される6個の環状静翼群40が、軸体30の軸方向に所定間隔で設けられており、蒸気Sの圧力エネルギーを速度エネルギーに変換して、下流側に隣接する動翼51側に案内するようになっている。
そして、このように構成される6個の環状動翼群50が、6個の環状静翼群40の下流側に隣接するようにしてそれぞれ設けられている。これにより、1組1段とされる環状静翼群40及び環状動翼群50が、軸方向に沿って合計6段に構成されている。
また、本参考例では、シールフィン12を仕切板外輪11から突出して設け、チップシュラウド52との間に微小隙間13を形成したが、これとは逆に、シールフィン12をチップシュラウド52から突出して設け、仕切板外輪11との間に微小隙間13を形成してもよい。
次に、本発明の第2参考例に係る蒸気タービンの構成について説明する。本参考例に係る蒸気タービンは、第1参考例の蒸気タービン1と比較すると、動翼51の先端部周辺に形成されるキャビティCにおいて、死水域充填部を設ける位置が異なっている。それ以外の構成については第1参考例と同じであるため、同じ符号を用い、ここでは説明を省略する。
次に、本発明の第3参考例に係る蒸気タービンの構成について説明する。本参考例に係る蒸気タービンも、第1参考例の蒸気タービン1と比較すると、動翼51の先端部周辺に形成されるキャビティCにおいて、死水域充填部を設ける位置が異なっている。それ以外の構成については第1参考例と同じであるため、同じ符号を用い、ここでは説明を省略する。
次に、本発明の第4参考例に係る蒸気タービンの構成について説明する。本参考例に係る蒸気タービンは、第1参考例の蒸気タービン1と比較すると、動翼51の先端部周辺に形成されるキャビティCにおいて、死水域充填部を設ける位置及びその形状が異なっている。それ以外の構成については第1参考例と同じであるため、同じ符号を用い、ここでは説明を省略する。
また、軸方向に沿って2番目に上流側に位置する第2キャビティC2にも、第1参考例と同じ2つの隅部に、略楕円弧形状の傾斜面Kを有する死水域充填部73が設けられるとともに、第2参考例と同じ1つの隅部に、略楕円弧形状の傾斜面Kを有する死水域充填部74が設けられている。
更に、軸方向に沿って最も下流側に位置する第3キャビティC3にも、第1参考例と同じ2つの隅部に、略楕円弧形状の傾斜面Kを有する死水域充填部75が設けられるとともに、第2参考例と同じ1つの隅部に、略楕円弧形状の傾斜面Kを有する死水域充填部76が設けられている。
これは、3つのキャビティCに発生する主渦SU1,SU2,SU3の軸方向に沿った断面形状は、真円よりも楕円になる方が一般的であるため、この主渦SU1,SU2,SU3の形状により正確に沿うように、死水域充填部72〜76の傾斜面Kの形状も略楕円弧形状とした方が、蒸気Sが死水域に流入してそのエネルギーが損失することを、第3参考例より一層確実に防止できるからである。
次に、本発明の第5参考例に係る蒸気タービンの構成について説明する。本参考例に係る蒸気タービンは、第1参考例の蒸気タービン1と比較すると、動翼51の先端部周辺に形成されるキャビティCにおいて、死水域充填部を設ける位置及びその形状が異なっている。それ以外の構成については第1参考例と同じであるため、同じ符号を用い、ここでは説明を省略する。
また、軸方向に沿って2番面に上流側に位置する第2キャビティC2にも、第1参考例と同じ2つの隅部に、略直線状の傾斜面Kを有する死水域充填部78が設けられるとともに、第2参考例と同じ1つの隅部に、略直線状の傾斜面Kを有する死水域充填部79が設けられている。
更に、軸方向に沿って最も下流側に位置する第3キャビティC3にも、第1参考例と同じ2つの隅部に、略直線状の傾斜面Kを有する死水域充填部80が設けられるとともに、第2参考例と同じ1つの隅部に、略直線状の傾斜面Kを有する死水域充填部81が設けられている。
次に、本発明の第1実施形態に係る蒸気タービンの構成について説明する。本実施形態に係る蒸気タービンは、第1参考例の蒸気タービン1と比較すると、死水域充填部を設ける位置が、動翼51の先端部周辺ではなく、静翼41の先端部周辺である点で異なっている。それ以外の構成については第1参考例と同じであるため、同じ符号を用い、ここでは説明を省略する。尚、本実施形態では、環状静翼群40が本願発明に係るブレードに相当し、軸体30が本願発明に係る構造体に相当する。
次に、本発明の第2実施形態に係る蒸気タービンの構成について説明する。本実施形態に係る蒸気タービンは、第1実施形態の蒸気タービンと比較すると、軸方向に沿って最も上流側に位置するキャビティの形状が異なっている。それ以外の構成については第1実施形態と同じであるため、同じ符号を用い、ここでは説明を省略する。
従って、本実施形態の主渦SU5は、図8に示す第1実施形態のように段落ちの無い場合と比較すると、主渦SU5の旋回中心が微小隙間85Aに近付くことになる。従って、微小隙間85Aの付近における主渦SU5の径方向速度は、段落ちのある場合の方が段落ちの無い場合より速くなり、主渦SU5の縮流効果が高くなるため、微小隙間85Aにおける蒸気Sのリーク量を一層低減化することができる。
また、本実施形態では、第7キャビティC7の2つの隅部に、死水域充填部87,88が設けられているので、第1実施形態のように第4キャビティC4の1つの隅部だけに死水域充填部86が設けられている場合と比較すると、死水域を更に減らして主渦SU5を一層強めることができる。
これにより、本実施形態は、第1実施形態と比較して、微小隙間85Aにおける蒸気Sのリーク量を一層低減させることができるという効果を奏する。
次に、本発明の第3実施形態に係る蒸気タービンの構成について説明する。本実施形態に係る蒸気タービンは、第1実施形態の蒸気タービンと比較すると、各キャビティの形状が異なっている。それ以外の構成については第1実施形態と同じであるため、同じ符号を用い、ここでは説明を省略する。
これにより、第11キャビティC11の軸方向下流部には、径方向に若干拡幅された拡幅部90が形成されている。そして、段差部89より下流側では、底面301aの径方向高さ位置は、第10キャビティC10を形成する底面301aと略等しい高さ位置になっている。尚、段差部89より下流側における底面301aは、第10キャビティC10を形成する底面301aと異なる高さ位置であってもよい。
そして、図10に示す構成と同様に、ハブシュラウド42の外周面42aと第1シールフィン84Aとによって形成される隅部、及び外周面42aと第2シールフィン84Bによって形成される隅部には、死水域充填部82がそれぞれ設けられている。更に、段差部91と底面301aとによって形成される隅部には、死水域充填部100が設けられている。
次に、本発明の第4実施形態に係る蒸気タービンの構成について説明する。本実施形態に係る蒸気タービンは、第1参考例の蒸気タービン1と比較すると、動翼51の先端部周辺に形成されるキャビティCにおいて、死水域充填部を設ける位置が異なっている。ここで、図12は、第4実施形態の動翼51の先端部周辺を示す概略断面図であって、特に、第1シールフィン93の先端部について拡大した図である。尚、第1シールフィン93以外の構成については第1参考例と同じであるため、同じ符号を用い、ここでは説明を省略する。
次に、本発明の第6参考例に係る蒸気タービンの構成について説明する。本参考例に係る蒸気タービンは、第1参考例の蒸気タービン1と比較すると、動翼51の先端部周辺に形成されるキャビティCにおいて、死水域充填部を設ける位置が異なっている。
それ以外の構成については第1参考例と同じであるため、同じ符号を用い、ここでは説明を省略する。
同様に、本参考例における第2キャビティC2及び第3キャビティC3においても、合計3個の死水域充填部17,17,99及び19,19,99がそれぞれ設けられており、第1キャビティC1と同様の作用効果が得られるため、微小隙間13B,13Cにおける蒸気Sのリーク量を低減させることができる。
10 ケーシング
11 仕切板外輪(構造体)
111 環状溝
111a 底面
111b 側面
12 シールフィン
12A 第1シールフィン
12B 第2シールフィン
12C 第3シールフィン
13 微小隙間
13A 微小隙間
13B 微小隙間
13C 微小隙間
14 拡幅部
15 死水域充填部
16 拡幅部
17 死水域充填部
18 拡幅部
19 死水域充填部
20 調整弁
21 調整弁室
22 弁体
23 弁座
24 蒸気室
30 軸体(構造体)
301 環状溝
301a 底面
301b 側面
301c 段差面
31 軸本体
32 ディスク
40 環状静翼群(ブレード)
41 静翼
42 ハブシュラウド
42A 角部
42a 外周面
42b 軸方向端面
50 環状動翼群(ブレード)
51 動翼
52 チップシュラウド
52A 角部
521a 軸方向壁面
521b 軸方向壁面
521c 軸方向壁面
522a 径方向壁面
522b 径方向壁面
522c 径方向壁面
60 軸受部
61 ジャーナル軸受装置
62 スラスト軸受装置
70 死水域充填部
71 死水域充填部
72 死水域充填部
73 死水域充填部
74 死水域充填部
75 死水域充填部
76 死水域充填部
77 死水域充填部
78 死水域充填部
79 死水域充填部
80 死水域充填部
81 死水域充填部
82 死水域充填部
83 死水域充填部
84 シールフィン
84A 第1シールフィン
84B 第2シールフィン
84C 第3シールフィン
85 微小隙間
85A 微小隙間
85B 微小隙間
85C 微小隙間
86 死水域充填部
87 死水域充填部
88 死水域充填部
89 段差部
90 拡幅部
91 段差部
92 拡幅部
93 第1シールフィン
931 フィン本体部
932 空間制限部
94 拡幅部
95 死水域充填部
96 拡幅部
97 拡幅部
98 拡幅部
99 死水域充填部
C キャビティ
C1 第1キャビティ
C10 第10キャビティ
C11 第11キャビティ
C12 第12キャビティ
C2 第2キャビティ
C3 第3キャビティ
C4 第4キャビティ
C5 第5キャビティ
C6 第6キャビティ
C7 第7キャビティ
C8 第8キャビティ
C9 第9キャビティ
HU1 剥離渦
HU2 剥離渦
HU3 剥離渦
HU4 剥離渦
HU5 剥離渦
K 傾斜面
K1 傾斜面
K2 傾斜面
S 蒸気
SU1 主渦
SU2 主渦
SU3 主渦
SU4 主渦
SU5 主渦
SU6 主渦
SU7 主渦
Claims (7)
- ケーシングと、
該ケーシングの内部に回転自在に設けられた軸体と、
該軸体に設けられた動翼と、
前記ケーシングに保持される静翼と、
前記静翼の先端側に設けられるハブシュラウドと、
前記ハブシュラウドから突出して設けられ、前記軸体との間に微小隙間を形成する複数のシールフィンと、
を備え、
前記複数のシールフィンのうち、最も上流側に設けられた第1シールフィンが、前記ハブシュラウドにおける最も上流側に位置する上流端面と同一面上に配置され、
前記軸体に環状溝が形成されており、
前記ハブシュラウドは前記環状溝内に配置され、
前記環状溝の底面と該環状溝における前記上流端面の上流側に対向する側面との隅部に形成された死水域充填部を備えるタービン。 - 前記環状溝の底面における前記第1シールフィンの前記上流側の部分が、該第1シールフィンの下流側の部分よりも径方向内側に位置しており、
該底面における前記上流側の部分と前記下流側の部分との間に、前記第1シールフィン及び前記上流端面と同一面に配置された段差面が形成され、
前記底面における前記上流側の部分と前記段差面との隅部に形成された死水域充填部をさらに備える請求項1に記載のタービン。 - 前記第1シールフィンにおける前記下流側を向く面と前記ハブシュラウドにおける径方向内側を向く面との隅部に形成された死水域充填部をさらに備える請求項2に記載のタービン。
- 複数のシールフィンのうち第1シールフィンの次に上流側に設けられた第2シールフィンの前記上流側を向く面と前記ハブシュラウドにおける径方向内側を向く面との隅部に形成された死水域充填部をさらに備える請求項3に記載のタービン。
- 前記底面の前記下流側の部分における前記第1シールフィンと前記第2シールフィンとの間に、該下流側の部分における下流側が上流側よりも径方向内側に段落ちするような段差部が形成されている請求項4に記載のタービン。
- 前記底面における前記下流側の部分における前記第1シールフィンと前記第2シールフィンとの間に、該下流側の部分における下流側が上流側よりも径方向外側に一段上がるような段差部が形成されている請求項4に記載のタービン。
- ケーシングと、
該ケーシングの内部に回転自在に設けられた軸体と、
前記ケーシングに保持される静翼と、
前記軸体に設けられた動翼と、
前記動翼の先端側に設けられるチップシュラウドと、
前記ケーシングの内壁面に設けられて、前記チップシュラウドに対向する仕切板外輪と、
前記仕切板外輪から径方向に突出するように設けられて前記チップシュラウドとの間に微小隙間を形成する複数のシールフィンと、
を備え、
前記複数のシールフィンのうち、軸方向に沿って最も上流側に設けられた第1シールフィンが、
フィン本体部と、
該フィン本体部よりも幅広に形成された空間制限部と、
前記フィン本体部と前記空間制限部との隅部に形成された死水域充填部と、を備えるタービン。
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