JP2015096481A - アゴメラチンを含有する貼付剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、速やかな経皮吸収性を示すアゴメラチンのテープ剤を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のテープ剤では、アゴメラチンを溶解する可溶化剤に、ジメチルイソソルビド又はN−メチル−2−ピリドンを使用し、更に経皮吸収促進剤として、乳酸やオレイン酸等の脂肪酸を使用してテープ剤を作製した。これにより、アゴメラチンが速やかに皮膚吸収される製剤を作製できた。また、グリセリンのようなアルコール系溶媒を添加することにより、経皮吸収性を向上させることができた。これらの結果、本発明のテープ剤では、アゴメラチンの経口用錠剤と遜色のないin vivoでの血中濃度変化を達成することができた。【選択図】 なし
Description
本発明は、アゴメラチンを含有する貼付剤組成物に関するものである。特に、アゴメラチンの経皮吸収性が向上した貼付剤組成物に関するものである。
アゴメラチンは、メラトニン作用系リセプターの選択的アゴニストであり、また、5−HT2Cリセプターのアンタゴニストである、以下の構造式(1)の化合物である。
アゴメラチンは中枢神経系の薬効が強く、現在ヨーロッパで、うつ病の治療薬として上市が行われている。
しかし、アゴメラチンは肝臓による代謝を受けやすく、経口投与による利用率が、非経口投与に比べて非常に低く、しかも個人差の影響が大きいことが報告されている(特許文献1)。
そこで、アゴメラチンの低い利用率を改善するため、口腔内の粘膜からの速やかな吸収により、肝臓での代謝を受け難くする試みが報告されている(特許文献2)。しかし、アゴメラチンは刺激性が強く、口腔内速崩壊錠あるいは舌下錠の検討が困難と考えられている。最近になり、それを改良すべく製剤処方の検討が行われている(特許文献1)。
アゴメラチンの利用率を改善するためには、肝臓の初回通過効果(FIRST PASS EFFECT)を回避することが必須であり、そのためには、経皮製剤による経皮投与が最も効果的であると考えられるが、これまでそのような検討は全くなされていない状況であった。
しかし、アゴメラチンは肝臓による代謝を受けやすく、経口投与による利用率が、非経口投与に比べて非常に低く、しかも個人差の影響が大きいことが報告されている(特許文献1)。
そこで、アゴメラチンの低い利用率を改善するため、口腔内の粘膜からの速やかな吸収により、肝臓での代謝を受け難くする試みが報告されている(特許文献2)。しかし、アゴメラチンは刺激性が強く、口腔内速崩壊錠あるいは舌下錠の検討が困難と考えられている。最近になり、それを改良すべく製剤処方の検討が行われている(特許文献1)。
アゴメラチンの利用率を改善するためには、肝臓の初回通過効果(FIRST PASS EFFECT)を回避することが必須であり、そのためには、経皮製剤による経皮投与が最も効果的であると考えられるが、これまでそのような検討は全くなされていない状況であった。
本発明は、アゴメラチンの速やかな経皮吸収性を実現したテープ剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、これまでアゴメラチンの経皮製剤化を検討してきたが、アゴメラチンは通常の有機溶媒には難溶であり、アゴメラチンの可溶化溶媒としてデカン酸トリエタノールアミン塩のような脂肪酸系イオン液体を用いて溶解させ、テープ剤の作製を行ってきた。
本発明者らは、更に検討を進め、アゴメラチンの可溶化剤として、ジメチルイソソルビド又はN−メチル−2−ピロリドンが適当であることを見出した。また、経皮吸収促進剤として、添加剤の組合せを色々検討した結果、乳酸やオレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸の添加が、アゴメラチンの経皮吸収性を改善することを見出した。更に、充填剤を使用して、テープ剤からの薬剤放出を容易にできている。これらの結果により、速く経皮吸収でき、薬剤有効利用率の高いアゴメラチン含有の非水系テープ剤を製造できるようになった。
本発明者らは、以上の知見に基づいて、本件発明を完成した。
本発明者らは、更に検討を進め、アゴメラチンの可溶化剤として、ジメチルイソソルビド又はN−メチル−2−ピロリドンが適当であることを見出した。また、経皮吸収促進剤として、添加剤の組合せを色々検討した結果、乳酸やオレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸の添加が、アゴメラチンの経皮吸収性を改善することを見出した。更に、充填剤を使用して、テープ剤からの薬剤放出を容易にできている。これらの結果により、速く経皮吸収でき、薬剤有効利用率の高いアゴメラチン含有の非水系テープ剤を製造できるようになった。
本発明者らは、以上の知見に基づいて、本件発明を完成した。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)アゴメラチン、ジメチルイソソルビド又はN−メチル−2−ピロリドン、炭素数3〜22の脂肪酸を含有することを特徴とする、アゴメラチン含有のテープ剤。
(2)炭素数3〜22の脂肪酸が乳酸である、上記(1)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(3)乳酸の添加量が、0.5〜2重量%であることを特徴とする、上記(2)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(4)更に炭素数3〜22の脂肪酸が添加される、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(5)上記炭素数3〜22の脂肪酸が、オレイン酸、イソステアリン酸、デカン酸の中から1つ以上が選択される、上記(4)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(6)上記炭素数3〜22の脂肪酸が、オレイン酸とイソステアリン酸である、上記(5)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(7)更に、炭素数3〜22の脂肪酸トリエタノールアミン塩が添加される、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(8)上記炭素数3〜22の脂肪酸トリエタノールアミン塩が、オレイン酸トリエタノールアミン塩及び/又はイソステアリン酸トリエタノールアミン塩である、上記(7)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(9)アゴメラチンの製剤含有量が、0.5〜5重量%である、上記(1)〜(8)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(10)アルコール系溶媒が、更に添加されている、上記(1)〜(9)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(11)アルコール系溶媒として、グリセリン、オレイルアルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールの中から、一つ以上が選択される、上記(10)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(12)アルコール系溶媒として、グリセリンが選択される、上記(10)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(13)グリセリンが、0.5〜5重量%添加される、上記(12)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(14)充填剤が更に添加されている、上記(1)〜(13)のいずれかに記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(15)充填剤が、無水ケイ酸又は結晶セルロースである、上記(14)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(16)充填剤が、無水ケイ酸である、上記(14)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(17)充填剤が、1〜5重量%添加される、上記(14)〜(16)のいずれかに記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(18)上記テープ剤のエラストマーがSISである、上記(1)〜(17)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(1)アゴメラチン、ジメチルイソソルビド又はN−メチル−2−ピロリドン、炭素数3〜22の脂肪酸を含有することを特徴とする、アゴメラチン含有のテープ剤。
(2)炭素数3〜22の脂肪酸が乳酸である、上記(1)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(3)乳酸の添加量が、0.5〜2重量%であることを特徴とする、上記(2)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(4)更に炭素数3〜22の脂肪酸が添加される、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(5)上記炭素数3〜22の脂肪酸が、オレイン酸、イソステアリン酸、デカン酸の中から1つ以上が選択される、上記(4)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(6)上記炭素数3〜22の脂肪酸が、オレイン酸とイソステアリン酸である、上記(5)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(7)更に、炭素数3〜22の脂肪酸トリエタノールアミン塩が添加される、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(8)上記炭素数3〜22の脂肪酸トリエタノールアミン塩が、オレイン酸トリエタノールアミン塩及び/又はイソステアリン酸トリエタノールアミン塩である、上記(7)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(9)アゴメラチンの製剤含有量が、0.5〜5重量%である、上記(1)〜(8)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(10)アルコール系溶媒が、更に添加されている、上記(1)〜(9)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(11)アルコール系溶媒として、グリセリン、オレイルアルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールの中から、一つ以上が選択される、上記(10)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(12)アルコール系溶媒として、グリセリンが選択される、上記(10)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(13)グリセリンが、0.5〜5重量%添加される、上記(12)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(14)充填剤が更に添加されている、上記(1)〜(13)のいずれかに記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(15)充填剤が、無水ケイ酸又は結晶セルロースである、上記(14)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(16)充填剤が、無水ケイ酸である、上記(14)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(17)充填剤が、1〜5重量%添加される、上記(14)〜(16)のいずれかに記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
(18)上記テープ剤のエラストマーがSISである、上記(1)〜(17)に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
本発明のアゴメラチン含有のテープ剤は、有機溶媒に難溶であるアゴメラチンを可溶化剤であるジメチルイソソルビド又はN−メチル−2−ピロリドンに溶解して膏体中に均一に分散させた製剤である。更に、本発明の特徴として、経皮吸収促進剤として、乳酸又はオレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸を使用することである。また、経皮吸収促進のために、アルコール系の溶媒として、グリセリンを添加し、更に、オレイン酸トリエタノールアミン塩やイソステアリン酸トリエタノールアミン塩のような脂肪酸系イオン液体を添加している。
このことにより、アゴメラチンが速やかに経皮吸収されると共に、アゴメラチンの有効利用率が高くなっている。即ち、本願発明の特徴であるアゴメラチンの可溶化剤と経皮吸収促進剤、粘着剤層から薬剤を放出し易くする充填剤の複合効果により、本発明のテープ剤では、in vivo評価試験で、貼付後の速やかな、高い血中濃度を達成できることが示された。
このことにより、アゴメラチンが速やかに経皮吸収されると共に、アゴメラチンの有効利用率が高くなっている。即ち、本願発明の特徴であるアゴメラチンの可溶化剤と経皮吸収促進剤、粘着剤層から薬剤を放出し易くする充填剤の複合効果により、本発明のテープ剤では、in vivo評価試験で、貼付後の速やかな、高い血中濃度を達成できることが示された。
本発明の「アゴメラチン」とは、N−[2−(7−メトキシ−1−ナフチル)エチル]アセトアミドであり、前述の式(1)の構造式で表される化合物である。アゴメラチンの合成に関しては、EP0447285に記載されている。
本発明の「炭素数3〜22の脂肪酸」とは、例えば乳酸、レブリン酸、カプリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸ことを言う。好ましい脂肪酸としては、乳酸、オレイン酸、イソステアリン酸を挙げることができる。より好ましいものとして、乳酸を挙げることができる。なお、乳酸の添加量としては、0.5〜2重量%が望ましいことが分かった。
本発明の「炭素数3〜22の脂肪酸トリエタノールアミン塩」とは、上記炭素数3〜22の脂肪酸とトリエタノールアミンの等モル塩のことを言う。例えば、乳酸トリエタノールアミン塩、レブリン酸トリエタノールアミン塩、カプリン酸トリエタノールアミン塩、オレイン酸トリエタノールアミン塩、イソステアリン酸トリエタノールアミン塩のことを言う。好ましいものとしては、オレイン酸トリエタノールアミン塩、イソステアリン酸トリエタノールアミン塩を挙げることができる。更には、これらのトリエタノールアミン塩を適宜混合して使用することができる。
なお、添加する炭素数3〜22の脂肪酸の含量は、上記脂肪酸トリエタノールアミン塩も含めて、総量として3〜10重量%が望ましい。これを超えると酸による刺激性が増すので、好ましくない。
本発明の「炭素数3〜22の脂肪酸」とは、例えば乳酸、レブリン酸、カプリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸ことを言う。好ましい脂肪酸としては、乳酸、オレイン酸、イソステアリン酸を挙げることができる。より好ましいものとして、乳酸を挙げることができる。なお、乳酸の添加量としては、0.5〜2重量%が望ましいことが分かった。
本発明の「炭素数3〜22の脂肪酸トリエタノールアミン塩」とは、上記炭素数3〜22の脂肪酸とトリエタノールアミンの等モル塩のことを言う。例えば、乳酸トリエタノールアミン塩、レブリン酸トリエタノールアミン塩、カプリン酸トリエタノールアミン塩、オレイン酸トリエタノールアミン塩、イソステアリン酸トリエタノールアミン塩のことを言う。好ましいものとしては、オレイン酸トリエタノールアミン塩、イソステアリン酸トリエタノールアミン塩を挙げることができる。更には、これらのトリエタノールアミン塩を適宜混合して使用することができる。
なお、添加する炭素数3〜22の脂肪酸の含量は、上記脂肪酸トリエタノールアミン塩も含めて、総量として3〜10重量%が望ましい。これを超えると酸による刺激性が増すので、好ましくない。
本発明の「アルコール系溶媒」とは、経皮吸収促進剤として使用するだけでなく、更に、アゴメラチンのジメチルイソソルビド溶液等を希釈したり、膏体に溶解させ分散させるために使用されるものを言い、例えばエタノール、プロパノール、オレイルアルコール等の1価のアルコール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、グリセリン等の多価アルコールを挙げることができる。好ましいものとしては、グリセリン、オレイルアルコールを挙げることができる。
本発明の「有機溶媒」とは、上記のアルコール系溶媒と同様に、経皮吸収促進剤であると共に、アゴメラチンのジメチルイソソルビド溶液等を希釈したり、膏体に溶解させ分散させるためのものである。例えば中鎖脂肪酸トリグリセリド、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、炭酸プロピレン、アジピン酸ジイソプロピル等のエステル類を挙げることができる。これらの有機溶媒は、上記の目的を達成するために、適宜組み合わせて使用することができる。好ましいものとしては、中鎖脂肪酸トリグリセリド、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、炭酸プロピレンの中から1つ以上を選択して組み合わせて使用することができる。
なお、アゴメラチンの可溶化剤(ジメチルイソソルビド又はN−メチル−2−ピロリドン)とアルコール系溶媒、有機溶媒の総量としては、15〜30重量%が望ましい。好ましくは15〜25重量%を挙げることができる。
本発明の「有機溶媒」とは、上記のアルコール系溶媒と同様に、経皮吸収促進剤であると共に、アゴメラチンのジメチルイソソルビド溶液等を希釈したり、膏体に溶解させ分散させるためのものである。例えば中鎖脂肪酸トリグリセリド、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、炭酸プロピレン、アジピン酸ジイソプロピル等のエステル類を挙げることができる。これらの有機溶媒は、上記の目的を達成するために、適宜組み合わせて使用することができる。好ましいものとしては、中鎖脂肪酸トリグリセリド、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、炭酸プロピレンの中から1つ以上を選択して組み合わせて使用することができる。
なお、アゴメラチンの可溶化剤(ジメチルイソソルビド又はN−メチル−2−ピロリドン)とアルコール系溶媒、有機溶媒の総量としては、15〜30重量%が望ましい。好ましくは15〜25重量%を挙げることができる。
本発明の「充填剤」とは、例えば無水ケイ酸、酸化亜鉛、酸化チタン及び炭酸カルシウム、カオリン等の貼付剤の膏体に使用される無機系の固形粉末状の試剤を挙げることができる。更には、コーンスターチ、結晶セルロース、ステアリン酸等の有機系の固形粉末状の試剤を挙げることができる。本発明の充填剤として好ましいものは、無機系の試剤としては、無水ケイ酸、有機系の試剤としては、コーンスターチ、結晶セルロースを挙げることができる。更に好ましいものとしては、結晶セルロース、無水ケイ酸を挙げることができる。充填剤の添加量としては、1〜10重量%であり、好ましくは1〜5重量%を挙げることができる。充填剤としては、無機系の固形粉末状の試剤と有機系の固形粉末状の試剤を組み合わせて使用することができる。
本発明の「テープ剤」とは、アゴメラチンを可溶化剤と有機溶媒等に溶解して粘着基剤に含有するテープ剤のことである。粘着基剤は、エラストマーと粘着付与剤、軟化剤、充填剤、抗酸化剤等から構成されるものである。
エラストマーとしては、例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック(以下SISという)共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエンゴム−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ブチルゴム、シリコンゴム等の合成ゴム、例えばポリアクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸メチルエステル等のアクリル酸系樹脂、天然ゴムなどを挙げることができる。好ましいものとしては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブテン、ポリイソプレン、ブチルゴム、天然ゴム等のゴム系重合体をベースとするものが挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、上記樹脂フィルムは単独で使用されてもよく、二種以上が積層されて使用されてもよい。
粘着付与剤としては、脂環族炭化水素樹脂、ポリテルペン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、ポリスチレン系樹脂、ロジン、水添ロジン、ポリブテン等を言う。好ましいものとしては、脂環族炭化水素樹脂やテルペン樹脂、ポリブテンを挙げることができる。
軟化剤としては、例えばプロセスオイル、ポリブテン等の石油系軟化剤、例えばヒマシ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、精製ラノリン、流動パラフィン、ゲル状炭化水素等を挙げることができる。
抗酸化剤としては、例えばアスコルビン酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン(以下BHTという)、没食子酸プロピル等の有機系抗酸化剤、例えばチオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等の無機系抗酸化剤を挙げることができる。
なお、本発明のテープ剤は、上記のように粘着基剤としては非水系であるが、充填剤が含まれているので、少量の水が含まれていても、粘着基剤中にうまく分散し、経皮吸収も維持することができる。それ故、本発明のテープ剤は、水分の影響を受け難いものとなっている。
本発明のテープ剤の粘着基剤として、好ましいものは、アクリル酸樹脂の基剤、あるいはSIS(スチレン−イソプレン−スチレン共重合体)樹脂と粘着付与剤、軟化剤等を添加した基剤を挙げることができる。より好ましいものとしては、SIS樹脂をエラストマーとする基剤を挙げることができる。
エラストマーとしては、例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック(以下SISという)共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエンゴム−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ブチルゴム、シリコンゴム等の合成ゴム、例えばポリアクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸メチルエステル等のアクリル酸系樹脂、天然ゴムなどを挙げることができる。好ましいものとしては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブテン、ポリイソプレン、ブチルゴム、天然ゴム等のゴム系重合体をベースとするものが挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、上記樹脂フィルムは単独で使用されてもよく、二種以上が積層されて使用されてもよい。
粘着付与剤としては、脂環族炭化水素樹脂、ポリテルペン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、ポリスチレン系樹脂、ロジン、水添ロジン、ポリブテン等を言う。好ましいものとしては、脂環族炭化水素樹脂やテルペン樹脂、ポリブテンを挙げることができる。
軟化剤としては、例えばプロセスオイル、ポリブテン等の石油系軟化剤、例えばヒマシ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、精製ラノリン、流動パラフィン、ゲル状炭化水素等を挙げることができる。
抗酸化剤としては、例えばアスコルビン酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン(以下BHTという)、没食子酸プロピル等の有機系抗酸化剤、例えばチオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等の無機系抗酸化剤を挙げることができる。
なお、本発明のテープ剤は、上記のように粘着基剤としては非水系であるが、充填剤が含まれているので、少量の水が含まれていても、粘着基剤中にうまく分散し、経皮吸収も維持することができる。それ故、本発明のテープ剤は、水分の影響を受け難いものとなっている。
本発明のテープ剤の粘着基剤として、好ましいものは、アクリル酸樹脂の基剤、あるいはSIS(スチレン−イソプレン−スチレン共重合体)樹脂と粘着付与剤、軟化剤等を添加した基剤を挙げることができる。より好ましいものとしては、SIS樹脂をエラストマーとする基剤を挙げることができる。
本発明のテープ剤においては、本発明の効果を妨げない範囲で、更に、界面活性剤、増粘剤等の添加物を含んでいても良い。これらの添加剤は、市販の試薬を適宜目的に応じて使用することができる。
更に、カーボポール等の増粘剤、紫外線吸収剤、粉体類等を添加することができる。
更に、カーボポール等の増粘剤、紫外線吸収剤、粉体類等を添加することができる。
本発明のテープ剤を調製する方法としては、例えば、溶剤塗工法を挙げることができる。上記溶剤塗工法としては、アゴメラチンを含有する膏体組成物を調製し、これを直接支持体上に塗工、乾燥する方法が挙げられる。また、上記膏体組成物を一旦剥離紙上に塗工、乾燥した後、剥離して支持体に転写密着させる方法も使用可能である。
上記剥離紙は粘着剤層の保護を目的として使用され、例えば、ポリエチレンコート上質紙、ポリオレフィンコートグラシン紙、ポリエチレンテレフタレート(以下PETという)フィルム、ポリプロピレンフィルムなどの片面をシリコン処理したものが使用可能である。
上記剥離紙は粘着剤層の保護を目的として使用され、例えば、ポリエチレンコート上質紙、ポリオレフィンコートグラシン紙、ポリエチレンテレフタレート(以下PETという)フィルム、ポリプロピレンフィルムなどの片面をシリコン処理したものが使用可能である。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に何等限定されるものではない。
(実施例1)アゴメラチンを含有する貼付剤組成物における添加剤の効果
アゴメラチンは、ミリスチン酸イソプロピルやセバシン酸ジエチル等の製剤処方に使用される汎用の有機溶媒に溶け難く、僅かにジメチルイソソルビドやN−メチル−2−ピロリドンに溶解する。そこで、これらの可溶化溶媒を使用して非水系テープ剤の作製を行い、このテープ剤における添加剤の添加効果を検討した。
(1)製剤処方
アゴメラチン500mgを秤取し、ジメチルイソソルビド5gに溶解し、経皮吸収促進剤および脂肪酸、グリセリンPGを順次添加して撹拌、溶解した。その後、あらかじめ表1の組成(w/w%)に記載の膏体(テルペン樹脂、SIS、流動パラフィン、アエロジル、BHT)、中鎖脂肪酸トリグリセリド(パナセート810)を真空65℃で撹拌、溶解したものと混合した。混合後、60℃で撹拌し、50gとした。
この組成物をPETフィルム上で伸展し、約450μmの厚さのテープ剤を作製した。
(2)評価方法
試験例1のフランツセル法を用いたin vitro評価試験を行った。その結果を合わせて、以下の表1に示す。
アゴメラチンは、ミリスチン酸イソプロピルやセバシン酸ジエチル等の製剤処方に使用される汎用の有機溶媒に溶け難く、僅かにジメチルイソソルビドやN−メチル−2−ピロリドンに溶解する。そこで、これらの可溶化溶媒を使用して非水系テープ剤の作製を行い、このテープ剤における添加剤の添加効果を検討した。
(1)製剤処方
アゴメラチン500mgを秤取し、ジメチルイソソルビド5gに溶解し、経皮吸収促進剤および脂肪酸、グリセリンPGを順次添加して撹拌、溶解した。その後、あらかじめ表1の組成(w/w%)に記載の膏体(テルペン樹脂、SIS、流動パラフィン、アエロジル、BHT)、中鎖脂肪酸トリグリセリド(パナセート810)を真空65℃で撹拌、溶解したものと混合した。混合後、60℃で撹拌し、50gとした。
この組成物をPETフィルム上で伸展し、約450μmの厚さのテープ剤を作製した。
(2)評価方法
試験例1のフランツセル法を用いたin vitro評価試験を行った。その結果を合わせて、以下の表1に示す。
上記表1に示されるように、経皮吸収促進剤として、乳酸の添加の有無は、アゴメラチンの経皮吸収性に大きな影響を与えることが示された。しかし、トリエタノールアミンの添加については、試験No.A278、A275とA277に対比して示されるように、あまり経皮吸収性に影響を与えないことが分かった。
(実施例2)経皮吸収性に対する乳酸の添加量の効果
実施例1で、経皮吸収促進剤として、乳酸の添加効果が大きいことを見出したが、乳酸の添加量が経皮吸収性にどのような影響を与えるかを評価した。以下の表2の組成(w/w%)で試薬を秤取し、実施例1と同様にしてテープ剤を作製した。なお、作製されたテープ剤の経皮吸収性を試験例1のフランツ・セル法でin vitro経皮吸収性を評価した。その結果を合わせて表2に示す。
実施例1で、経皮吸収促進剤として、乳酸の添加効果が大きいことを見出したが、乳酸の添加量が経皮吸収性にどのような影響を与えるかを評価した。以下の表2の組成(w/w%)で試薬を秤取し、実施例1と同様にしてテープ剤を作製した。なお、作製されたテープ剤の経皮吸収性を試験例1のフランツ・セル法でin vitro経皮吸収性を評価した。その結果を合わせて表2に示す。
上記表2に示されるように、乳酸の添加量が0.5〜2重量%の範囲でアゴメラチンの経皮吸収性が良好になることが分かった。
(実施例3)経皮吸収促進剤(脂肪酸)の種類と量の効果
実施例1で、経皮吸収促進剤として、乳酸の添加効果が大きいことを見出したが、乳酸以外の高級脂肪酸の添加効果を評価した。以下の表3の組成(w/w%)で試薬を秤取し、実施例1と同様にしてテープ剤を作製した。なお、作製されたテープ剤の経皮吸収性を試験例1のフランツ・セル法でin vitro経皮吸収性を評価した。その結果を合わせて表3に示す。
実施例1で、経皮吸収促進剤として、乳酸の添加効果が大きいことを見出したが、乳酸以外の高級脂肪酸の添加効果を評価した。以下の表3の組成(w/w%)で試薬を秤取し、実施例1と同様にしてテープ剤を作製した。なお、作製されたテープ剤の経皮吸収性を試験例1のフランツ・セル法でin vitro経皮吸収性を評価した。その結果を合わせて表3に示す。
上記表3に示されるように、アゴメラチンの経皮吸収性は、添加する脂肪酸がオレイン酸でもイソステアリン酸でもあまり影響を受けないことから、脂肪酸の種類に係らないことが分かった。更に、添加する脂肪酸の量が増えれば、試験No.A273とA275に見られるように、あまり大きな影響ではないが、経皮吸収性は増加する傾向にあることが分かった。
(実施例4)有機溶媒の添加量の効果
使用される有機溶媒は、例えばミリスチン酸イソプロピル(IPM)なども、経皮吸収促進剤としての役割を果たすことから、有機溶媒の添加量の効果を評価した。以下の表4の組成(w/w%)で試薬を秤取し、実施例1と同様にしてテープ剤を作製した。なお、作製されたテープ剤の経皮吸収性を試験例1のフランツ・セル法でin vitro経皮吸収性を評価した。その結果を合わせて表4に示す。
使用される有機溶媒は、例えばミリスチン酸イソプロピル(IPM)なども、経皮吸収促進剤としての役割を果たすことから、有機溶媒の添加量の効果を評価した。以下の表4の組成(w/w%)で試薬を秤取し、実施例1と同様にしてテープ剤を作製した。なお、作製されたテープ剤の経皮吸収性を試験例1のフランツ・セル法でin vitro経皮吸収性を評価した。その結果を合わせて表4に示す。
上記表4に示されるように、有機溶媒の添加量とアゴメラチンの経皮吸収性の間には、あまり相関性が見出せなかった。しかし、試験No.A282の場合には、溶媒量が少ないが経皮吸収性は良好であった。そこで、試験No.A282を用いて、マウスでのin vivo試験を行なったところ、貼付部位が赤発して、少し皮膚がかぶれる傾向が見られた。アゴメラチンの場合、経皮吸収性が向上し、皮膚に浸透するアゴメラチンの量が約80μg/cm2になってくると、皮膚がかぶれ、赤発する。それ故、アゴメラチンの経皮吸収性としては、約50〜70μg/cm2の範囲の製剤の方が、皮膚障害が少なく安全性が高いと考えられた。
(試験例1)フランツ・セルでの経皮吸収性評価試験
実施例1〜4のテープ剤の経皮吸収性を比較検討するため、試験温度32℃でフランツ拡散セル(透過面積:1cm2、レセプター液容量:8mL)を用いて以下のように経皮吸収性の評価試験を行なった。
(1)ラット皮膚: 5週令のウィスターラット(雄)の腹部摘出皮膚
(2)レセプター溶液:生理食塩水+20%エタノール
(3)透過薬物の濃度測定:HPLC−ES法(230nm)
市販のラット腹部冷凍皮膚(5週齢のウイスター系ラット)を縦型拡散セル(有効拡散面積:1cm2)に挟み、角質層側に表1〜5に記載の各サンプルを、また、真皮層側に生理食塩水+20%エタノール溶液を適用した。実験開始後2、4、6時間目にサンプリングし、10μLをHPLCにより測定し、各時間における薬物の累積透過量を測定した。なお、貼付後6時間目の薬物累積透過量の結果を、表1〜表4に記載した。また、試験No.A302のサンプルに関する、アゴメラチンの累積透過量の時間的推移を図2に示す。
実施例1〜4のテープ剤の経皮吸収性を比較検討するため、試験温度32℃でフランツ拡散セル(透過面積:1cm2、レセプター液容量:8mL)を用いて以下のように経皮吸収性の評価試験を行なった。
(1)ラット皮膚: 5週令のウィスターラット(雄)の腹部摘出皮膚
(2)レセプター溶液:生理食塩水+20%エタノール
(3)透過薬物の濃度測定:HPLC−ES法(230nm)
市販のラット腹部冷凍皮膚(5週齢のウイスター系ラット)を縦型拡散セル(有効拡散面積:1cm2)に挟み、角質層側に表1〜5に記載の各サンプルを、また、真皮層側に生理食塩水+20%エタノール溶液を適用した。実験開始後2、4、6時間目にサンプリングし、10μLをHPLCにより測定し、各時間における薬物の累積透過量を測定した。なお、貼付後6時間目の薬物累積透過量の結果を、表1〜表4に記載した。また、試験No.A302のサンプルに関する、アゴメラチンの累積透過量の時間的推移を図2に示す。
(試験例2)マウスを用いたin vivo血中濃度評価試験
(1)実験動物:
wisterマウス(雄性)、5週齢
(2)試験方法:
a)血中濃度の評価:
A302の製剤サンプル(アゴメラチン、166μg/cm2)として、2cm×2cmの絆創膏型貼付剤を作製した。上記ラット1群(6匹)として、マウスの投与部位周辺(背部から側腹部)を電気バリカン〔THRIVE,Model 5500(0.05 mm),大東電機工業株式会社〕を用いて除毛した後,電気シェーバー(Cleancut,セイコーエスヤード株式会社)を用いて剃毛する.1匹に上記製剤サンプルを3枚貼付し、投与24時間後に製剤を剥離、投与後1、2、4、8、24、27時間目に採血を行った。
採血したマウス血漿200μlをガラス管に加えて、ミリQ200μlを添加し均一にする。次にジエチルエーテル500μlを添加してvortex攪拌して、10分間遠心後、エーテル層を回収する。残った水層に同様のエーテル週出操作を計3回行う。抽出したエーテルを集め高純度窒素気流下での溶媒留去を行う。エーテルを蒸発させ、乾固した残渣にミリQ200μlを加えて溶解する。その後、0.45μmの濾過フィルターで濾過し、濾液10μlをHPLCで分析した。
b)テープ剤の薬剤残存率の評価:
薬剤残存率の定量は24時間貼付後のテープ剤を回収して、製剤1枚を100mLのメスフラスコに入れ、テトラヒドロフラン10mLを加えて膏体を溶かし、メタノールを加えて正確に100mLとした。この液の一部を0.45μmの濾過フィルターで濾過し、テープ剤に残存するアゴメラチンの量を評価した、その結果、テープ剤中に残存するアゴメラチンの残存量は約15.2%であった。即ち、約85%のアゴメラチンが皮膚から吸収され、有効利用されていることが示された。
(3)結果
上記分析の結果をまとめて、図1にアゴメラチンの血漿中の濃度の推移を示した。
(1)実験動物:
wisterマウス(雄性)、5週齢
(2)試験方法:
a)血中濃度の評価:
A302の製剤サンプル(アゴメラチン、166μg/cm2)として、2cm×2cmの絆創膏型貼付剤を作製した。上記ラット1群(6匹)として、マウスの投与部位周辺(背部から側腹部)を電気バリカン〔THRIVE,Model 5500(0.05 mm),大東電機工業株式会社〕を用いて除毛した後,電気シェーバー(Cleancut,セイコーエスヤード株式会社)を用いて剃毛する.1匹に上記製剤サンプルを3枚貼付し、投与24時間後に製剤を剥離、投与後1、2、4、8、24、27時間目に採血を行った。
採血したマウス血漿200μlをガラス管に加えて、ミリQ200μlを添加し均一にする。次にジエチルエーテル500μlを添加してvortex攪拌して、10分間遠心後、エーテル層を回収する。残った水層に同様のエーテル週出操作を計3回行う。抽出したエーテルを集め高純度窒素気流下での溶媒留去を行う。エーテルを蒸発させ、乾固した残渣にミリQ200μlを加えて溶解する。その後、0.45μmの濾過フィルターで濾過し、濾液10μlをHPLCで分析した。
b)テープ剤の薬剤残存率の評価:
薬剤残存率の定量は24時間貼付後のテープ剤を回収して、製剤1枚を100mLのメスフラスコに入れ、テトラヒドロフラン10mLを加えて膏体を溶かし、メタノールを加えて正確に100mLとした。この液の一部を0.45μmの濾過フィルターで濾過し、テープ剤に残存するアゴメラチンの量を評価した、その結果、テープ剤中に残存するアゴメラチンの残存量は約15.2%であった。即ち、約85%のアゴメラチンが皮膚から吸収され、有効利用されていることが示された。
(3)結果
上記分析の結果をまとめて、図1にアゴメラチンの血漿中の濃度の推移を示した。
本発明のテープ剤は、アゴメラチンをジメチルイソソルビドなどの可溶化剤に溶解し、更に経皮吸収促進剤として有機酸を添加して、速やかな経皮吸収性を達成することができた。その結果、アゴメラチンの有効利用率が大幅に改良され、テープ剤の薬剤残存量が顕著に低下した。これらのことから、本発明のテープ剤を使用することにより、アゴメラチンの経口剤と遜色のない血中濃度の維持が可能となった。
Claims (14)
- アゴメラチン、ジメチルイソソルビド又はN−メチル−2−ピロリドン、炭素数3〜22の脂肪酸を含有することを特徴とする、アゴメラチン含有のテープ剤。
- 炭素数3〜22の脂肪酸が乳酸である、請求項1に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- 乳酸の添加量が、0.5〜2重量%であることを特徴とする、請求項2に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- 更に炭素数3〜22の脂肪酸が添加される、請求項1〜3のいずれかに記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- 上記炭素数3〜22の脂肪酸が、オレイン酸とイソステアリン酸である、請求項4に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- 炭素数3〜22の脂肪酸トリエタノールアミン塩が、更に添加される、請求項1〜5のいずれかに記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- 上記炭素数3〜22の脂肪酸トリエタノールアミン塩が、オレイン酸トリエタノールアミン塩及び/又はイソステアリン酸トリエタノールアミン塩である、請求項6に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- アルコール系溶媒が、更に添加されている、請求項1〜9に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- アルコール系溶媒がグリセリンである、請求項8に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- グリセリンが、0.5〜5重量%添加される、請求項9に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- 充填剤が更に添加されている、請求項1〜10のいずれかに記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- 充填剤が、無水ケイ酸である、請求項11に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- 充填剤が、1〜5重量%添加される、請求項11又は12に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
- 上記テープ剤のエラストマーがSISである、請求項1〜13に記載のアゴメラチン含有のテープ剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013237499A JP2015096481A (ja) | 2013-11-17 | 2013-11-17 | アゴメラチンを含有する貼付剤組成物 |
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JP (1) | JP2015096481A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114042055A (zh) * | 2021-12-29 | 2022-02-15 | 江苏山信药业有限公司 | 一种阿戈美拉汀透皮贴剂及其制备方法和其应用 |
-
2013
- 2013-11-17 JP JP2013237499A patent/JP2015096481A/ja active Pending
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CN114042055A (zh) * | 2021-12-29 | 2022-02-15 | 江苏山信药业有限公司 | 一种阿戈美拉汀透皮贴剂及其制备方法和其应用 |
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