JP2015096083A - 消化管用デバイス - Google Patents

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【課題】消化管用デバイスの入れ替え作業を行うことなく生体内に留置された筒部の長さを調整することを可能にし、生体への負担を低減する消化管用デバイスを提供する。【解決手段】消化管用デバイス100は、貫通孔111および長手方向に折り畳まれた折り畳み部113が形成された筒部110と、筒部が挿通される挿通孔121が設けられるとともに筒部を生体内に保持する留置部120と、留置部よりも筒部の基端側に配置され、第1の状態から第2の状態へ変形可能な変形部170と、変形部よりも筒部の基端側に配置されるとともに変形部との間において筒部の折り畳み部を挟み込み、かつ変形部が第1の状態から第2の状態へ変形するのに伴って留置部に係止されるストッパー180と、を有している。【選択図】図2

Description

本発明は、消化管内に設置される消化管用デバイスに関する。
近年、糖尿病(特に2型糖尿病)や肥満の治療方法として、胃の上部と小腸の下部を外科的に直結するバイパス術が有効であることが知られている。このようなバイパス術を行うと、摂取した栄養素が胃の上部から小腸の下部へ直接流れ込むため、小腸上部の十二指腸や空腸上部に栄養素が流れなくなり、栄養の吸収を減少させることができる。さらに、小腸上部に栄養素が流れなくなることで、栄養素の刺激により分泌される消化管ホルモンであるグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)やグルカゴン等が分泌され難くなり、かつ未消化の栄養素が小腸下部の空腸下部や回腸を通ることで、栄養素による刺激によって消化管ホルモンであるグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)の分泌が増加する。GIPやグルカゴンは、インスリンの分泌を減少させる因子であると考えられており、これらが分泌されなくなることで、インスリンの分泌が阻害され難くなる。また、GLP−1は、インスリンの分泌を促す因子であると考えられている。このように、バイパス術は、摂取した栄養素の吸収を制限するのみならず、消化管ホルモンの作用によってインスリンの分泌を促して血糖値を減少させ、糖尿病や肥満の治療に効果を発揮すると考えられている。
しかしながら、バイパス術は侵襲性が高いため、近年、小腸上部に栄養素が流れるスリーブを設置する低侵襲な方法が注目されている。例えば特許文献1には、小腸内に設置可能な筒状のスリーブを備えたデバイスが記載されている。このデバイスは、経口的に設置可能であるため低侵襲であり、幽門輪に到達した栄養素を、スリーブの内部を通過させることで小腸の上部に触れさせずに小腸の下部へ到達させることができる。
このようなデバイスにおいては、小腸が吸収する栄養の増減はスリーブの長さに依存する。したがって、小腸に留置後、上記デバイスによる栄養吸収の効率を低減させたい場合、すなわち、デバイスによる効果を強めたい場合には、スリーブの長さをより長く調整すればよい。
米国特許出願公開第2011/0004320号明細書
特許文献1に記載のデバイスを留置する際には、スリーブの末端部分は閉じた状態で小腸内へ導入される。そして、スリーブは、小腸内へ導入する際に末端部分が開口されて長手方向へ展開される。留置時にはスリーブの末端部分の開口および展開とともにスリーブを一部伸長させるがことが可能になっているが、小腸内に留置した後にスリーブの長さを調整することはできない。したがって、留置後に小腸における栄養吸収を低減させるような場合には、スリーブを小腸内から一旦取り出して異なる長さのスリーブを小腸内へ導入する作業を行うことが必要になり、このような入れ替え作業による生体への負担が大きなものとなる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、消化管用デバイスの入れ替え作業を行うことなく生体内に留置された筒部の長さを調整することを可能にし、長さ調整に伴う生体への負担を低減する消化管用デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための消化管用デバイスは、貫通孔および長手方向に折り畳まれた折り畳み部が形成された筒部と、前記筒部が挿通される挿通孔が設けられるとともに前記筒部を生体内に保持する留置部と、前記留置部よりも前記筒部の基端側に配置され、第1の状態から第2の状態へ変形可能な変形部と、前記変形部よりも前記筒部の基端側に配置されるとともに前記変形部との間において前記筒部の折り畳み部を挟み込み、かつ前記変形部が前記第1の状態から前記第2の状態へ変形するのに伴って前記留置部に係止されるストッパーと、を有し、前記筒部を前記留置部によって生体内に保持した状態で前記変形部を前記第1の状態から前記第2の状態へ変形させることによって、前記筒部を生体内に保持しつつ前記筒部の折り畳み部を前記筒部の先端側へ展開させることを特徴とする。
上記のように構成した消化管用デバイスは、折り畳み部が形成された筒部を留置部によって生体内に保持した状態で留置部に係止された変形部を変形させることにより、筒部を生体内に保持しつつ筒部の折り畳み部を筒部の先端側へ展開させることができる。筒部を留置した後に小腸における栄養吸収を低減させるような場合に筒部を入れ替える煩雑な作業を行う必要がない。このため、留置後の筒部の長さ調整を簡単に行うことができ、長さ調整に伴う生体への負担を低減することができる。
また、変形部が、留置部に係止される拡張状態から留置部に対する係止が解除される収縮状態に変形可能なバルーンによって構成される場合、バルーンの拡張および収縮を操作するだけの簡単な作業によって筒部の折り畳み部を先端側へ展開させることができる。
また、変形部を構成するバルーンが、筒部を挿通可能な環状のバルーンによって構成される場合、製造が比較的容易な汎用された構造のバルーンを変形部に使用することができるため、消化管用デバイスの製造コストの削減および製造作業の簡略化を図ることができる。
また、消化管用デバイスを生体内に導入する際に、筒部の折り畳み部、留置部、変形部、およびストッパーを覆うカバー材が設けられる場合、生体内への導入時に各部材が生体に対して引っ掛かることを防止することができるため、消化管用デバイスの導入作業を円滑に行うことができる。
実施形態に係る消化管用デバイスを示す斜視図である。 図1の2−2線に沿う断面図であり、筒部の折り畳み部を展開させる前の状態を示す図である。 図1の2−2線に沿う断面図であり、筒部の折り畳み部を展開させた状態を示す図である。 実施形態に係る消化管用デバイスを消化管内に設置するための消化管用デバイス設置用システムを示す概略図である。 実施形態に係る消化管用デバイスに把持部材および供給管を連結した状態を示す断面図である。 消化管の一部を示す概略断面図である。 消化管の内部に内視鏡を介して消化管用デバイスを挿入する状態を示す概略断面図である。 消化管の内部から内視鏡を抜去する状態を示す概略断面図である。 消化管に留置した消化管用デバイスへ内視鏡とともに供給管を近付ける作業を示す概略断面図である。 消化管に消化管用デバイスを留置した状態で筒部の折り畳み部を展開させた状態を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本発明の実施形態に係る消化管用デバイス100は、経口的または経鼻的に消化管内に挿入され消化管の一部を覆うように留置されて、摂食された食物を、消化管の覆われた部位に接触させないように流通させるデバイスである。消化管用デバイス100は、図1、図2に示すように、筒状に形成された貫通孔111を備える柔軟な筒部110と、筒部110の貫通方向の一端側に設けられる留置部120と、筒部110の長さを調整する調整部200とを備えている。以下、消化管用デバイス100において、筒部110が設けられる側を先端側、留置部120および長さ調整部200が設けられる側を基端側と称する。また、消化管内において、肛門側を遠位側、口腔側を近位側と称する。
図2および図3に示すように、筒部110には、貫通孔111および長手方向に折り畳まれた折り畳み部113が形成されている。また、筒部110を生体内に保持する留置部120には、筒部110が挿通される挿通孔121が形成されている。
消化管用デバイス100は、留置部120よりも筒部110の基端側に配置された変形部170をさらに有している。変形部170は、拡張状態である第1の状態(図2を参照)から収縮状態である第2の状態(図3を参照)へ変形可能に設けられている。消化管用デバイス100は、さらに、変形部170よりも筒部110の基端側に配置されるとともに変形部170との間において筒部110の折り畳み部113を挟み込み、かつ変形部170が拡張状態から収縮状態へ変形するのに伴って留置部120に対して係止されるストッパー180を有している。そして、消化管用デバイス100においては、筒部110を留置部120によって生体内に保持した状態で変形部170を拡張状態から収縮状態へ変形させることによって、筒部110を生体内に保持しつつ、筒部110の折り畳み部113を筒部110の先端側へ展開させることが可能になっている。
筒部110は、消化管の運動に応じて柔軟に変形可能な膜状の部材により形成されている。筒部110は、設置される小腸上部の内径よりも若干小さな外径を有している。筒部110の外径は、筒部110の貫通孔111の貫通方向に略一定であるが、必ずしも一定でなくてもよい。
筒部110の厚さは、好ましくは0.002mm〜0.02mmであり、筒部110の外径は、好ましくは10mm〜60mmであり、筒部110の貫通方向の長さは、好ましくは600mm〜1300mmであるが、筒部110の寸法は必ずしもこれらに限定されない。
筒部110は、本実施形態ではポリテトラフルオロエチレン(PTFE)により形成されるが、柔軟に変形可能であれば材料は限定されず、例えばポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリウレタン等を用いてもよい。なお、筒部110に適用される材料に応じて、上述した筒部110の寸法は、適宜変更され得る。
筒部110の折り畳み部113は、筒部110の長手方向(貫通孔の貫通方向、図2、図3中の上下方向)に筒部110を複数回折り返すことによって形成されている。折り畳む回数および折り畳み部113の長さには特に制限はなく、留置後に必要とされる筒部110全体の長さに合わせて任意に設定することが可能である。
留置部120は、生体内の十二指腸M3などに係止することが可能な環状の部材によって構成されている。留置部120に形成された挿通孔121内には筒部110の一部が挿通される。留置部120は、硬質の樹脂材料によって構成されているが、筒部110を生体に対して保持することが可能であれば、材質は特に限定されない。
消化管用デバイス100においては、留置部120に対して係止される変形部170を、流動体の注入によって拡張し、注入した流動体の排出によって収縮するバルーンによって構成している。また、バルーンには、例えば、筒部110を挿通することが可能な中心孔171を備える環状のバルーンが使用される。変形部170を変形させるための流動体は、例えば生理的食塩水であるが、他の液体、空気等の気体、液体中や気体中に固体が分散したもの、または粒子の集合体等であってもよい。また、流動体を、液体および気体の混合体とすることで、非圧縮性の液体によって強い保持力を維持しつつ、圧縮性の気体によって消化管からの強い圧縮力を吸収する構成としてもよい。
変形部170を構成するバルーンは、例えば、拡張状態においては留置部120の挿通孔121よりも大きな外径を備え、収縮状態においては留置部120の挿通孔121よりも小さな外径を備えるように構成することができる。拡張時および収縮時の変形部170の外径は、特に限定されないが、例えば、挿通孔121の径が20mm程度で形成される場合には、拡張時の外径は、25mm程度、収縮時の外径は、18mm程度に形成することができる。
上記バルーンには、例えば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、ナイロンエラストマー、ポリエーテルエラストマー等によって形成される従来公知のバルーンを使用することができる。
変形部170を構成するバルーンには、バルーン内部へ流動体を送り込むための流入部160が液密・気密に接続されている。流入部160には、例えば、流動体が流通可能な公知の樹脂チューブが用いられる。なお、流入部160には、流動体の逆流を防止する逆止弁などを設けてもよい。
ストッパー180は、変形部170よりも基端側に配置された環状の部材によって構成されている。ストッパー180は変形部170との間において筒部110の折り畳み部113を挟み込むように配置される。また、ストッパー180は、接着や融着などの公知の方法によって筒部110の折り畳み部113の上端側に取り付けることができる。ストッパーを構成する材料は、特に限定されないが、例えば、硬質の樹脂材料などによって構成することができる。
消化管用デバイス100を生体内に導入する際には、筒部110の折り畳み部113、留置部120、変形部170、およびストッパー180は、カバー材190によって覆われる。これにより、生体内への導入時に各部材が生体に対して引っ掛かることを防止して、消化管用デバイス100を生体内に円滑に導入することができる。なお、明細書の説明において、カバー材190およびカバー材190の内部に収容された各部材を含めて便宜的に長さ調整部200と称する。
変形部170に接続された流入部160は、カバー材190から基端側へ導出させている。カバー材190の下端部192は、接着や融着などの公知の方法によって留置部120に固定されている。カバー材190の上端部191は、接着や融着などの公知の方法によってストッパー180に固定されている。カバー材190の材質は特に限定されないが、例えば、筒部110の構成材料と同様の材料で構成することができる。
次に、筒部110の折り畳み部113を展開させる際の長さ調整部200の動作を説明する。
図2に示すように、筒部110に形成された折り畳み部113は、拡張した変形部170とストッパー180との間に挟み込まれる。留置部120は、筒部110に折り畳み部113が形成された状態で、生体内の所定の位置に係止させることができる。
図3に示すように、変形部170を収縮させることにより、筒部110の折り畳み部113を先端側へ展開させる。この際、変形部170は留置部120の挿通孔121を通過する。ストッパー180は先端側へスライド移動して留置部120に対して係止される。留置部120は筒部110の折り畳み部113の展開に関わらず、生体への係止を維持する。これにより、留置部120による筒部110の生体への保持を維持しつつ、筒部110を伸長させることができる。
次に、実施形態に係る消化管用デバイス100を、消化管内に設置する方法を説明する。
消化管用デバイス100を設置する際には、図4、図5に示すように、内視鏡10、表示装置20、把持装置40を使用する。また、これらの装置とともに、生体内に留置された筒部110の折り畳み部113を展開させるための装置として、流動体供給装置30が用いられる。これらの消化管用デバイス100、内視鏡10、表示装置20、把持装置40は、消化管用デバイス100の消化管内への設置、および筒部110の長さを調整することを可能にする消化管用デバイス設置システムを構成する。
内視鏡10は、撮像を行うためのCCDセンサ等からなる撮像素子11と、消化管用デバイス100を生体内に挿入するためのチャネル12とを備えている。なお、内視鏡10は、一般的なものを使用でき、撮像が可能であって消化管用デバイス100の挿入が可能であれば、構成は特に限定されない。
表示装置20は、内視鏡10により取得される映像を表示するモニターを備えている。
流動体供給装置30は、流動体である生理的食塩水を任意の圧力で供給可能な加圧装置31と、一端が加圧装置31に連結されて流動体が流通し、他端が消化管用デバイス100の流入部160に対して液密に連結可能な供給管32とを備えている。
把持装置40は、消化管用デバイス100を把持して所定の位置まで移動させた後、把持を解除して消化管用デバイス100を所定の位置に位置決めする装置である。把持装置40の手元側には、レバー41を備える操作部42が設けられ、レバー41を操作することで、把持装置40の先端に設けられる把持部材43により消化管用デバイス100を把持し、または把持を解除することができる(図5の一点鎖線を参照)。なお、把持装置40の構造は、特に限定されず、例えばバルーンを用いることもできる。
消化管用デバイス100を設置する部位は、消化管内の幽門輪M2の近傍である。幽門輪M2は、図6に示すように、胃M1と十二指腸M3との間に位置し、内径が胃M1および十二指腸M3よりも小さくなっている。十二指腸M3は、幽門輪M2を介して胃M1と隣接する十二指腸球部M4を有し、十二指腸球部M4の遠位側に、十二指腸球部M4よりも内径が小さい十二指腸下行部M5を有する。胃M1は、空のときには細くなるように収縮しており、食物が摂取されると、径を広げるように拡張する。そして、胃M1の収縮の波により食物を撹拌するとともに胃液により食物を消化して糜粥状の分解産物としつつ遠位側へ搬送する。幽門前庭部M6は、アルカリ性の粘液を分泌し、酸性の糜粥状の分解産物を中和し、分解産物がアルカリ性となると、幽門輪M2の括約筋が緩んで幽門輪M2を開き、腸の腸動が生じる。そして、胃M1の下部の幽門前庭部M6の収縮によって、分解産物が幽門輪M2を通って十二指腸M3へ送り込まれる。十二指腸M3は、蠕動運動、分節運動および振り子運動を含む腸動により、分解産物を撹拌しつつ遠位側へ搬送する。
消化管用デバイス100を設置するに際し、長さ調整部200の設定を行う。まず、留置後に展開される折り畳み部113を筒部に予め形成する。そして、流動体供給装置30により、変形部170を構成するバルーンを拡張した状態にしておき、折り畳み部113を折り畳んだ状態に保持する。なお、筒部110を折り畳む量(折り畳む回数や、折り畳み部の長さ)などは、導入の準備段階で設定してもよいし、消化管用デバイス100の製造時に予め設定してもよい。また、供給管32は変形部170を拡張させた後に流入部160から取り外してもよい。
次に、消化管用デバイス100の筒部110の先端側を折り畳む。この折り畳まれた部位は、留置後の長さ調整に用いられる折り畳み部113を構成する部位ではなく、生体への導入性を向上させるために導入に先立って形成される部位である。後述するように、導入時には折り畳まれた状態を解除して十二指腸の遠位側へ展開させられる。
そして、内視鏡10を口または鼻から挿入し、図7に示すように、画像を確認しながら内視鏡10の先端が幽門輪M2近傍に位置するまで前進させる。把持装置40により消化管用デバイス100を把持して、消化管用デバイス100を内視鏡10のチャネル12に挿入し、把持装置40を押し込むように操作して消化管用デバイス100を先端側へ移動させる。なお、内視鏡10を口または鼻から挿入する前に、把持装置40によって消化管用デバイス100を予めチャネル12内に挿入しておいてもよい。
次に、消化管用デバイス100を内視鏡10の先端から十二指腸球部M4に向けて突出させる。この際、長さ調整部200が備える留置部120を幽門輪M2に引っ掛けて係止させる。これにより、筒部110を生体に対して保持することができる。
消化管用デバイス100が、幽門輪M2近傍に置かれると、十二指腸M3の蠕動運動によって、筒部110の先端側が遠位側へ展開する。なお、蠕動による筒部110の展開を促すために、筒部110の先端側に補助部材を仮止めしておいてもよい。補助部材は、例えば球状の部材であり、蠕動運動によって遠位側へ向かう力を受けて筒部110を展開させ、筒部110が展開した後に、蠕動運動から受ける力によって筒部110から離脱し、最終的に排泄される。仮止めする際には、接着剤を用いたり、または所定の力で外れるように係合させたりしてもよい。
この後、把持装置40の操作部42を操作して、消化管用デバイス100の把持を解除する(図5の一点鎖線を参照)。そして、図8に示すように、内視鏡10、把持装置40を消化管内から引き抜き、留置手技が完了する。
留置後に消化管デバイス100の筒部110の長さを調整する場合には、図9に示すように、内視鏡10を幽門輪M2近傍まで再び導入させる。
そして、内視鏡10により得られる画像を確認しつつ、図10に示すように、消化管用デバイス100の流入部160に供給管32を連結させる。変形部170内に充填された流動体を変形部170から外部へ排出させることにより、変形部170を収縮させる。これにより、筒部110の折り畳み部113が先端側へ展開され、十二指腸M3内における筒部110の留置長さを長くすることできる。
次に、本実施形態に係る消化管用デバイス100の作用を説明する。
消化管に消化管用デバイス100を設置された患者が摂食すると、食物が胃M1で胃内消化された後、糜粥状の分解産物が幽門輪M2の近傍から筒部110の貫通孔111に流入する。このとき、幽門輪M2の内側に位置する連結部150は、柔軟に変形可能であり、幽門輪M2の開閉を阻害しない。また、筒部110は、消化管の運動に応じて柔軟に変形可能となっているため、筒部110の内部に流入した分解産物は、十二指腸M3の腸動によって撹拌されつつ遠位側へ押し出されることになる。そして、筒部110に覆われている小腸上部の十二指腸M3および空腸上部には、栄養素が直接接触せず、栄養の吸収は、食物が筒部110を通過した後に行われることになる。そして、小腸上部に食物が接触しなくなると、栄養の吸収が減少されるとともに、栄養素の刺激により分泌される消化管ホルモンであるGIPやグルカゴン等が分泌され難くなる。GIPやグルカゴン等は、インスリンの分泌を減少させる因子であると考えられており、これらが分泌されなくなることで、インスリンの分泌が阻害されず、インスリンによって血糖値を減少させることができる。そして、未消化の食物が小腸下部の空腸下部や回腸に到達すると、栄養素による刺激によって、インスリンの分泌を促す因子と考えられている消化管ホルモンであるGLP−1の分泌が増加し、インスリンの分泌がさらに促されて血糖値を減少させることができる。このように、消化管用デバイス100を消化管内に設置することで、栄養素の吸収を低減させるとともに血糖値を減少させ、糖尿病(特に2型糖尿病)や肥満の治療に高い効果を発揮する。
そして、本発明は、長手方向に折り畳まれた折り畳み部を有する筒部、および筒部を生体内に保持する留置部を有する消化管デバイスを、経口的または経鼻的に消化管内へ導入し;留置部よりも基端側に配置された変形部と変形部よりも基端側に配置されたストッパーとの間において筒部の折り畳み部を挟み込んだ状態から変形部を変形させることによって、筒部の折り畳み部を先端側へ展開させて筒部の長さを調整する方法をも提供する。
なお、本方法は、糖尿病や肥満に対する利用において、これら患者の病気または症状を治療、治癒、軽減、緩和、変化、改善、改良、回復、向上または作用させることを含む。
以上のように、本実施形態に係る消化管用デバイス100は、折り畳み部113が形成された筒部110を留置部120によって生体内に保持した状態で留置部120に係止された変形部170を変形させることにより、筒部110を生体内に保持しつつ筒部110の折り畳み部113を筒部110の先端側へ展開させることができる。筒部110を留置した後に小腸における栄養吸収を低減させるような場合に筒部110を入れ替える煩雑な作業を行う必要がない。このため、留置後の筒部110の長さ調整を簡単に行うことができ、長さ調整に伴う生体への負担を低減することができる。
また、変形部170が、留置部120に係止される拡張状態から留置部120に対する係止が解除される収縮状態に変形可能なバルーンによって構成される場合、バルーンの拡張および収縮を操作するだけの簡単な作業によって筒部110の折り畳み部113を先端側へ展開させることができる。
また、変形部170を構成するバルーンが、筒部110を挿通可能な環状のバルーンによって構成される場合、製造が比較的容易な汎用化された構造のバルーンを変形部170に使用することができるため、消化管用デバイス100の製造コストの削減および製造作業の簡略化を図ることができる。
また、消化管用デバイス100を生体内に導入する際に、筒部110の折り畳み部113、留置部120、変形部170、およびストッパー180がカバー材190によって覆われる場合、生体内への導入時に各部材が生体に対して引っ掛かることを防止することができ、消化管用デバイス100の導入作業を円滑に行うことができる。
上述した実施形態は、適宜変更することが可能である。
留置部120を配置する位置は、幽門輪M2に限定されず、十二指腸球部M4や噴門M7(図6参照)などに配置してもよい。また、留置部120とともに筒部110を生体内に保持するためのバルーンやステントなどを用いることにより、生体内における筒部110の保持力の向上を図ることも可能である。
また、変形部170をバルーンによって構成した形態を示したが、変形部170はバルーンのみに限定されず、第1の状態から第2の状態への変形に伴って筒部110の折り畳み部113を先端側へ展開させることが可能な構成であればよい。例えば、液体、光、超音波等によって収縮または分解する材料で変形部を構成することができる。留置後に液体、光、超音波等を変形部に作用させることによって変形を生じさせ、筒部110を伸長させることが可能になる。液体で変形する材料で変形部を構成する場合、液体の塗布は、流入部160を介して行うことができる。液体利用の場合の変形部の構成素材として、pH分解性ポリマーであるポリ(メタクリル酸−メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸メチルーメチルメタクリレートーメタクリレート酸)コポリマー及びメタクリレート酸−メタクリレート酸メチルコポリマー、水崩壊性ポリマーであるポリビニルアルコールや生分解性ポリマーであるポリ乳酸、ポリビニルアルコールが利用できる。また、光や超音波の照射は、流入部160に照射ファイバーを挿入して照射しても良いし、流入部160を利用せずに筒部110内部側から筒部110を透過させて照射しても良い。光利用の場合の変形部の構成素材として、ポリケトン、ベンジル基含有ポリマー、アゾベンゼンが挙げられる。超音波利用の場合の変形部の構成素材として、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、プルランが挙げられる。
また、人為的な作業によって変形部を変形させずに、生体導入後の時間経過に伴わせて変形部を自動的に変形させる構成を採用することもできる。例えば、気体や液体等の流体の注入によって拡張し、かつ、これらの流体が注入された後に徐々に透過する素材で変形部を構成すれば、人為的な作業を行うことなく変形部を変形させることができる。変形部が時間の経過とともに徐々に収縮することにより、収縮に伴わせて筒部を段階的に伸長させることができる。
また、実施形態においては、収縮した変形部170が留置部120の挿通孔121を通過して留置部120よりも先端側へ移動する構成を示したが、例えば、留置部120の挿通孔121を通過することなく留置部120に対して変形部170が係止される構成を採用してもよい。
また、筒部110に一つの折り畳み部113を形成した構成を示したが、例えば、複数の折り畳み部113を長手方向に離隔させて形成し、かつ複数の変形部170を設けることによって、筒部110の長さを多段階に調整させる構成を採用してもよい。
また、筒部110の折り畳み部113を展開させる際、ストッパー180を留置部120に対して係止させる構成を示したが、例えば、ストッパー180の設置を省略して、カバー材190を留置部120に対して係止させる構成を採用することも可能である。このような構成を採用することにより、カバー材190をストッパーとして機能させることができ、長さ調整部200の小型化を図ることができる。
100 消化管用デバイス、
110 筒部、
111 貫通孔、
113 折り畳み部、
120 留置部、
121 挿通孔、
160 流入部、
170 変形部(バルーン)、
171 中心孔、
180 ストッパー、
190 カバー材、
191 カバー材の上端、
192 カバー材の下端、
200 長さ調整部。

Claims (4)

  1. 貫通孔および長手方向に折り畳まれた折り畳み部が形成された筒部と、
    前記筒部が挿通される挿通孔が設けられるとともに前記筒部を生体内に保持する留置部と、
    前記留置部よりも前記筒部の基端側に配置され、第1の状態から第2の状態へ変形可能な変形部と、
    前記変形部よりも前記筒部の基端側に配置されるとともに前記変形部との間において前記筒部の折り畳み部を挟み込み、かつ前記変形部が前記第1の状態から前記第2の状態へ変形するのに伴って前記留置部に係止されるストッパーと、を有し、
    前記筒部を前記留置部によって生体内に保持した状態で前記変形部を前記第1の状態から前記第2の状態へ変形させることによって、前記筒部を生体内に保持しつつ前記筒部の折り畳み部を前記筒部の先端側へ展開させることが可能な消化管用デバイス。
  2. 前記変形部は、前記第1の状態である拡張状態から前記第2の状態である収縮状態へ変形可能なバルーンによって構成される、請求項1に記載の消化管用デバイス。
  3. 前記バルーンは、前記筒部が挿通可能な環状のバルーンによって構成される、請求項2に記載の消化管用デバイス。
  4. 当該消化管用デバイスを生体内へ導入する際に、前記筒部の折り畳み部、前記留置部、前記変形部、および前記ストッパーを覆うカバー材をさらに有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の消化管用デバイス。
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