JP2013180053A - 消化管用デバイス - Google Patents

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直希 荒巻
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Abstract

【課題】筒部の脱落を効果的に防止するとともに、筒部を装着した消化管に損傷を与えることを防止し、もって消化管の運動に伴う過度な負荷が生体に掛ることを防止することができる消化管用デバイスを提供する。
【解決手段】消化管用デバイス100は、貫通孔を備える筒部110と、筒部の基端側に設けられ、筒部を生体内に保持する留置部120と、筒部の外表面に設けられ、筒部の外部から筒部に対して押圧力が付与された際に筒部の先端側への移動を制限する制限部180とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、消化管内に設置される消化管用デバイスに関する。
従来、肥満の治療のために消化管の内部に装着し栄養の吸収を妨げる消化管用デバイスに関して、腸などの胃腸管の少なくとも一部分にしっかりと位置して保たれるようなアンカを備えた装置がある。このようなアンカは、細長い弾性部材から形成されている。その弾性部材は、中心軸の周囲の環状の波状パターンに形成されたラジアルばねを含んでいる(たとえば、特許文献1参照)。
特許第4512597号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の装置を胃や小腸等の消化管に設置すると、その消化管の運動(蠕動運動、分節運動、振り子運動等)に伴い、装置の外周に設けられた針状の突起が消化管に突き刺さり、その消化管に裂傷を生じるそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、筒部の脱落を効果的に防止するとともに、筒部を装着した消化管に損傷を与えることを防止し、もって消化管の運動に伴う過度な負荷が生体に掛ることを防止することができる消化管用デバイスの提供を目的とする。
上記目的を達成するための消化管用デバイスは、貫通孔を備える筒部と、前記筒部の基端側に設けられ、前記筒部を生体内に保持する留置部と、前記筒部の外表面に設けられ、前記筒部の外部から前記筒部に対して押圧力が付与された際に前記筒部の先端側への移動を制限する制限部と、有する。
上記のように構成した消化管用デバイスは、消化管が運動して筒部に対して押圧力が付与される際に、筒部の外表面に設けられた制限部が筒部の先端側への過度な移動を防止する。これにより、筒部の脱落を効果的に防止するとともに、筒部を装着した消化管に損傷を与えることを防止し、もって消化管の運動に伴う過度な負荷が生体に掛ることを防止することができる。
また、この消化管用デバイスの制限部が、筒部に対して中心軸方向に押圧力が付与されたときに筒部の先端側へ向かう抗力を筒部に付勢する付勢部材を有する場合には、消化管の運動に伴い押圧力が筒部に付与されると、先端側に向かう方向の抗力が筒部に付勢され、抗力の付勢に伴い基端側に押し戻す力が筒部に作用する。すなわち、付勢部材が筒部を基端側に押し戻す力を生じさせるため、筒部が先端側へ過度に移動することを防止することができる。
また、付勢部材が、筒部の基端側へ向けてそれぞれ傾斜する複数の突出片を有する場合には、筒部の外表面に突出片を形成させる簡単な方法によって制限部を構成することができる。これにより、制限部の設置に伴うデバイスの構造の複雑化、製造コストの増加、およびデバイスの大型化などを抑えることができる。
また、制限部が、生体組織との接触に伴って生体組織に付着可能な付着片を有する場合には、筒部の外表面に設けられた付着片と生体組織との間の付着力によって筒部の先端側への過度な移動を防止することができる。
また、付着片が付着される生体組織が十二指腸の絨毛突起であり、付着片が絨毛突起に引っ掛け可能な環状の鉤手部を有する場合には、十二指腸の絨毛突起に引っ掛けた環状の鉤手部によって、筒部の移動を許容しつつ一定の範囲内で筒部の移動を制限することができ、より安定した筒部110の留置を行うことができる。
第1実施形態に係る消化管用デバイスを示す斜視図である。 図1の1−1線に沿った概略断面図である。 図2の一部を拡大した概略断面図である。 第1実施形態に係る消化管用デバイスの留置部を示す断面図であり、図2の破線部3Aで囲んだ部分を拡大した図である。 第1実施形態に係る消化管用デバイスを消化管内に設置するための消化管用デバイス設置用システムを示す概略図である。 第1実施形態に係る消化管用デバイスに把持部材および供給管を連結した状態を示す断面図である。 消化管の一部を示す概略断面図である。 消化管の内部に内視鏡を介して消化管用デバイスを挿入した際を示す概略断面図である。 消化管の内部に挿入された消化管用デバイスの第2拡張部を拡張させた際を示す概略断面図である。 消化管の内部に挿入された消化管用デバイスの第1拡張部を拡張させた際を示す概略断面図である。 第2実施形態に係る消化管用デバイスを示す斜視図である。 第2実施形態に係る消化管用デバイスの要部を示す部分拡大図である。 第2実施形態に係る消化管用デバイスの鉤手部を示す図であり、図2の破線部13Aで囲んだ部分を拡大した図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
以下、まず第1実施形態に係る消化管用デバイスの構成について図1〜図4を参照しながら説明する。次に第1実施形態に係る消化管用デバイスを消化管内に設置するための装置について図5、図6を参照しながら説明する。さらに第1実施形態に係る消化管用デバイスを消化管内に設置する手技について図7〜図10を参照しながら説明する。
まず、第1実施形態に係る消化管用デバイスの構成について、図1〜図4を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態に係る消化管用デバイス100は、経口的または経鼻的に消化管内に挿入され、さらに消化管の一部を覆うように留置される。そして、消化管用デバイス100は、摂食された食物を消化管の覆われた部位に接触させないように流通させることを可能にするデバイスである。本消化管用デバイス100は、図1〜図4に示すように、貫通孔111を備える柔軟な筒部110と、筒部110の貫通方向の一端側に設けられる留置部120とを備えている。以下、消化管用デバイス100において、筒部110が設けられる側を先端側、留置部120が設けられる側を基端側と称する。また、消化管内において、肛門側を遠位側、口腔側を近位側と称する。
筒部110は、消化管の運動に応じて柔軟に変形可能な膜状の部材により形成されている。筒部110は、設置される小腸上部の内径よりも若干小さな外径を有している。筒部110の外径は、筒部110の貫通孔111の貫通方向に略一定であるが、必ずしも一定でなくてもよい。
筒部110の厚さは、好ましくは0.002mm〜0.02mmであり、筒部110の外径は、好ましくは10mm〜60mmであり、筒部110の貫通方向の長さは、好ましくは600mm〜1300mmであるが、筒部110の寸法は必ずしもこれらに限定されない。
筒部110は、本実施形態ではポリテトラフルオロエチレン(PTFE)により形成されるが、柔軟に変形可能に形成可能であれば材料は限定されず、例えばポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリウレタン等を用いてもよい。なお、筒部110に適用される材料に応じて、上述した筒部110の寸法は、適宜変更され得る。
留置部120は、筒部110の貫通方向に沿って並ぶ第1拡張部130および第2拡張部140と、第1拡張部130および第2拡張部140を連結する連結部150と、第1拡張部130および第2拡張部140の内部に流動体を流入させる流入部160とを備えている。流動体は、例えば生理的食塩水であるが、他の液体、空気等の気体、液体中や気体中に固体が分散したもの、または粒子の集合体等であってもよい。また、流動体を、液体および気体の混合体とすることで、非圧縮性の液体によって強い保持力を維持しつつ、圧縮性の気体によって消化管からの強い圧縮力を吸収する構成としてもよい。
連結部150は、筒部110と同一素材によって筒部110と一体的に筒状に形成されている。連結部150の径は、本実施形態では筒部110の径と同一となっているが、筒部110の径と異なってもよい。なお、連結部150は、筒部110とは異なる他の部材によって形成されてもよく、例えば、第1拡張部130および第2拡張部140と同一素材によって一体的に形成されてもよい。また、連結部150は、筒状でなくてもよく、例えば周方向の一部のみに設けられたり、または周方向に複数に分割して設けられたりしてもよい。
第1拡張部130は、連結部150の基端側に配置される環状のバルーンであり、環の中央の第1孔部131が筒部110の貫通孔111と連通している。第1拡張部130の内部には、外部から供給される流動体が第1流入孔133を介して流入可能な第1流入空間部132が形成されている。第1孔部131は、食物が流入する空間を形成し、後述する第2拡張部140の第2孔部141および筒部110の貫通孔111へ食物を導く役割を果たす。
第2拡張部140は、連結部150の先端側に配置される環状のバルーンであり、環の中央の第2孔部141が筒部110の貫通孔111と連通している。第2拡張部140の内部には、外部から供給される流動体が第2流入孔143を介して流入可能な第2流入空間部142が形成されている。第2孔部141は、第1拡張部130の第1孔部131から食物が流入する空間を形成し、筒部110の貫通孔111へ食物を導く役割を果たす。
第1拡張部130および第2拡張部140は、弾性的に変形可能なシリコーン樹脂により形成される。なお、第1拡張部130および第2拡張部140は、例えば天然ゴム、フルオロ・シリコーン重合体等の弾性的に変形可能な他の弾性材料により形成されてもよい。また、折り畳まれて収縮した状態から、流動体を流入させることで折り畳みを開いて拡張する構成とすることも可能であり、この場合には、第1拡張部130および第2拡張部140は、必ずしも弾性材料でなくてもよい。
第1拡張部130は、拡張することで外径が好ましくは5mm〜60mm程度まで拡張可能であり、長さは、好ましくは30mm〜50mmであり、第2拡張部140は、拡張することで外径が好ましくは10mm〜50mm程度まで拡張可能であり、長さは、好ましくは30mm〜50mmであり、第1拡張部130と第2拡張部140との間の間隔は、好ましくは10mm〜60mmであるが、第1拡張部130および第2拡張部140の寸法は必ずしもこれに限定されない。
流入部160は、外部からの流動体の流入を許容するとともに、一旦流入した流動体の逆流を防止する逆流防止部161と、第1拡張部130よりも第2拡張部140を先に拡張させるように外部からの流体の流れを調整する調整部162とを備えている。
逆流防止部161は、外部からの流動体の流入を許容するとともに、一旦流入した流動体の逆流を防止するダックビル型逆止弁であるが、外部から流入した流動体の逆流を防止できるのであれば、構造は限定されない。
調整部162は、第1拡張部130の基端側から第2拡張部140まで延在する流路管163と、第1拡張部130および第2拡張部140への流路を切り換える流路切り換え部170とを備えている。
流路管163は、第1拡張部130および第2拡張部140の孔部近傍(内周側)に位置し、外部から供給される流動体を第1拡張部130および第2拡張部140へ導く管体である。流路管163は、シリコーン樹脂、フルオロ・シリコーン重合体等により形成されるが、材料は特に限定されない。
流路切り換え部170は、流路管163の途中に設けられており、第1拡張部130の第1流入孔133へ流動体を導く第1流路171と、第2拡張部140の第2流入孔143へ流動体を導く第2流路172と、流動体の圧力に応じて移動する切換部材173と、切換部材173を付勢する弾性部材174とを備えている。
切換部材173は、流動体の供給が停止した状態では、流入部160と第1流路171および第2流路172の間の流路を塞ぐ位置に付勢されており、流動体の圧力が低い状態では、弾性部材174によって第1流路171を塞ぐとともに第2流路172を開く位置に付勢されている。流動体の圧力が上昇することで、流動体に押されて第2流路172を塞ぐとともに第1流路171を開く位置に移動する構成となっている。すなわち、流動体の圧力が低い場合には第2拡張部140が拡張し、圧力が上昇することで、第1拡張部130が拡張する構成となっている。また、流動体の圧力の調整によって、第1流路171および第2流路172の両方が開くことも可能な構成でもよい。また、流動体の供給が停止した状態では、切換部材173は、第1流路171を塞ぐ位置、もしくは第2流路172を塞ぐ位置、もしくは第1流路171および第2流路172の間の流路を塞ぐ位置に付勢されてもよい。
筒部110が備える制限部180は、筒部110の外表面に設けられている。制限部180は、筒部110の外部から筒部110に対して押圧力が付与された際に、筒部110の先端側への移動を制限することを可能にするものである。
制限部180は、図1〜図3に示すように、筒部110の外表面の径方向(周方向)に沿って配置することができる。本実施形態においては、制限部180は、たとえば図3に示すように、逆三角形状に突起した複数の付勢部材(突出片)によって構成している。付勢部材の逆三角形状に突起した構造は、筒部110の基端側へ向けて径方向の外側に傾斜して構成している。なお、制限部180は、筒部110と一体に形成することも可能であるし、筒部110と別素材のものを筒部110の製造後に後付けすることも可能である。
ここで、図3に示すように、消化管が運動(蠕動運動、分節運動、振り子運動等)して筒部110に対して外周側から中心軸に向かって押圧力Pが付与されると、その筒部110の外表面に設けられた制限部180の逆三角形状に突起した斜面により、図中の斜め下方に向かって抗力Rを付勢する。そして、筒部110には、抗力Rの付勢に伴い基端側に押し戻す力が作用される。したがって、筒部110の外表面に設けられた制限部180に対して消化管の運動に伴う押圧力Pが付与された場合、その制限部180に起因して消化管に対して先端側に向かう方向に作用する抗力Rを利用し、消化管が筒部110をその基端側に移動させることができる。
次に、第1実施形態に係る消化管用デバイスを消化管内に設置する装置について、図5、図6を参照しながら説明する。
消化管用デバイス100を設置する際には、図5、図6に示すように、内視鏡10、表示装置20、流動体供給装置30および把持装置40を使用する。すなわち、消化管用デバイス100、内視鏡10、表示装置20、流動体供給装置30および把持装置40は、消化管用デバイスを消化管内に設置するための消化管用デバイス設置システムを構成する。
内視鏡10は、撮像を行うためのCCDセンサ等からなる撮像素子11と、消化管用デバイス100を生体内に挿入するためのチャネル12とを備えている。なお、内視鏡10は、一般的なものを使用でき、撮像が可能であって消化管用デバイス100の挿入が可能であれば、構成は特に限定されない。
表示装置20は、内視鏡10により取得される映像を表示するモニターを備えている。
流動体供給装置30は、流動体である生理的食塩水を任意の圧力で供給可能な加圧装置31と、一端が加圧装置31に連結されて流動体が流通し、他端が消化管用デバイス100の流入部160に対して液密に連結可能な供給管32とを備えている。
把持装置40は、消化管用デバイス100を把持して所定の位置まで移動させた後、把持を解除して消化管用デバイス100を所定の位置に位置決めする装置である。把持装置40の手元側には、レバー41を備える操作部42が設けられ、レバー41を操作することで、把持装置40の先端に設けられる把持部材43により消化管用デバイス100を把持し、または把持を解除することができる(図5の一点鎖線を参照)。なお、把持装置40の構造は、特に限定されず、例えばバルーンを用いることもできる。
さらに、第1実施形態に係る消化管用デバイス100を消化管内に設置する手技について、図6〜図9を参照しながら説明する。
消化管用デバイス100を設置する部位は、消化管内の幽門輪M2の近傍である。幽門輪M2は、図6に示すように、胃M1と十二指腸M3との間に位置し、内径が胃M1および十二指腸M3よりも小さくなっている。十二指腸M3は、幽門輪M2を介して胃M1と隣接する十二指腸球部M4を有し、十二指腸球部M4の遠位側に、十二指腸球部M4よりも内径が小さい十二指腸下行部M5を有する。胃M1は、空のときには細くなるように収縮しており、食物が摂取されると、径を広げるように拡張する。そして、胃M1の収縮の波により食物を撹拌するとともに胃液により食物を消化して糜粥状の分解産物としつつ遠位側へ搬送する。幽門前庭部M6は、アルカリ性の粘液を分泌し、酸性の糜粥状の分解産物を中和し、分解産物がアルカリ性となると、幽門輪M2の括約筋が緩んで幽門輪M2を開き、腸の腸動が生じる。そして、胃M1の下部の幽門前庭部M6の収縮によって、分解産物が幽門輪M2を通って十二指腸M3へ送り込まれる。十二指腸M3は、蠕動運動、分節運動および振り子運動を含む腸動により、分解産物を撹拌しつつ遠位側へ搬送する。
消化管用デバイス100を設置する際には、内視鏡10を口または鼻から挿入し、図7に示すように、画像を確認しながら内視鏡10の先端が幽門輪M2を通過するまで前進させる。幽門輪M2を通過した内視鏡10の先端は、十二指腸M3内に位置する。なお、消化管用デバイス100を胃M1側から幽門輪M2を通して十二指腸M3側へ挿入できるのであれば、内視鏡10の先端は、必ずしも幽門輪M2を通過させなくてもよい。
消化管用デバイス100を消化管に導入する際には、消化管用デバイス100の筒部110を折り畳み、さらに第1拡張部130および第2拡張部140を収縮させ、加圧装置31に繋がる供給管32に流入部160を連結する(図5参照)。そして、把持装置40により消化管用デバイス100を把持して消化管用デバイス100を内視鏡10のチャネル12に挿入し、把持装置40を押し込むように操作して消化管用デバイス100を先端側へ移動させる。なお、内視鏡10を口または鼻から挿入する前に、把持装置40および供給管32に連結された消化管用デバイス100を予めチャネル12内に挿入しておいてもよい。
再び図7を参照して、内視鏡10により得られる映像を確認しつつ、消化管用デバイス100を内視鏡10の先端から十二指腸M3内に突出させる。消化管用デバイス100が、幽門輪M2に隣接する十二指腸球部M4または十二指腸球部M4よりも遠位側に到達すると、十二指腸M3の蠕動運動によって、折り畳まれていた筒部110が遠位側へ伸長する。なお、蠕動による筒部110の伸長を促すために、筒部110の先端側に補助部材を仮止めしておいてもよい。補助部材は、例えば球状の部材であり、蠕動運動によって遠位側へ向かう力を受けて筒部110を伸長させ、筒部110が完全に伸長した後に、蠕動運動から受ける力によって筒部110から離脱し、最終的に排泄される。仮止めする際には、接着剤を用いたり、または所定の力で外れるように係合させたりしてもよい。
次に、図8に示すように、加圧装置31を操作して流動体を消化管用デバイス100に供給する。このとき、流動体の圧力を、流路切り換え部170の切換部材173が第1流路171を塞ぐとともに第2流路172を開いた状態を維持する程度の低い圧力に調整する(図3参照)。そして、図9に示すように、消化管用デバイス100全体を手元の操作によって近位側へ後退させた後、内視鏡10により得られる映像を確認しながら第2拡張部140を拡張させ、第2拡張部140が幽門輪M2を通り抜け不能な大きさまで拡張した後に、加圧装置31を操作して流動体の供給を停止させる。
これにより、幽門輪M2の内径よりも大きく拡張した第1拡張部130が幽門輪M2よりも近位側に位置し、第2拡張部140が十二指腸球部M4に嵌合し、しかも第1拡張部130および第2拡張部140の間に幽門輪M2を挟み込んだ構成となる。したがって、消化管用デバイス100は、消化管に強固に留置される。
なお、例えば、第2拡張部140をある程度拡張させた後、消化管用デバイス100を後退させて第2拡張部140を幽門輪M2に接触させた後に、再び第2拡張部140を拡張させる手順を行ってもよい。
この後、供給管32を牽引して供給管32を消化管用デバイス100の流入部160から離脱させる。なお、供給管32を外しても、消化管用デバイス100には逆流防止部161が設けられているため、消化管用デバイス100の内部の流動体は漏出せず、第1拡張部130および第2拡張部140が拡張した状態が維持される。この後、把持装置40の操作部42を操作して、消化管用デバイス100の把持を解除する(図6の一点鎖線を参照)。そして、内視鏡10、把持装置40および供給管32を消化管内から引き抜き、手技が完了する。
次に、本実施形態に係る消化管用デバイス100の作用を説明する。
消化管に消化管用デバイス100を設置された患者が摂食すると、食物が胃M1で胃内消化された後、糜粥状の分解産物が幽門輪M2の近傍から筒部110の貫通孔111に流入する。このとき、幽門輪M2の内側に位置する筒部110は、柔軟に変形可能であり、幽門輪M2の開閉を阻害しない。また、筒部110は、消化管の運動に応じて柔軟に変形可能となっているため、筒部110の内部に流入した分解産物は、十二指腸M3の腸動によって撹拌されつつ遠位側へ押し出されることになる。そして、筒部110に覆われている小腸上部の十二指腸M3および空腸上部には、栄養素が直接接触せず、栄養の吸収は、食物が筒部110を通過した後に行われることになる。そして、小腸上部に食物が接触しなくなると、栄養の吸収が減少されるとともに、栄養素の刺激により分泌される消化管ホルモンであるGIPやグルカゴン等が分泌され難くなる。GIPやグルカゴン等は、インスリンの分泌を減少させる因子であると考えられており、これらが分泌されなくなることで、インスリンの分泌が阻害されず、インスリンによって血糖値を減少させることができる。そして、未消化の食物が小腸下部の空腸下部や回腸に到達すると、栄養素による刺激によって、インスリンの分泌を促す因子と考えられている消化管ホルモンであるGLP−1の分泌が増加し、インスリンの分泌がさらに促されて血糖値を減少させることができる。このように、消化管用デバイス100を消化管内に設置することで、栄養素の吸収を低減させるとともに血糖値を減少させ、糖尿病(特に2型糖尿病)や肥満の治療に高い効果を発揮する。
なお、本発明は、糖尿病や肥満に対する利用において、これら患者の病気または症状を治療、治癒、軽減、緩和、変化、改善、改良、回復、向上または作用させることを含む。
以上のように本実施形態に係る消化管用デバイス100によれば、消化管が運動をして筒部110に対して押圧力が付与される際に、筒部110の外表面に設けられた制限部180が筒部110の先端側への過度な移動を防止する。これにより、筒部110の脱落を効果的に防止するとともに、筒部110を装着した消化管に損傷を与えることを防止し、もって消化管の運動に伴う過度な負荷が生体に掛ることを防止することができる。
また、この消化管用デバイス100の制限部180が、筒部110に対して中心軸方向に押圧力が付与されたときに筒部110の先端側へ向かう抗力を筒部110に付勢する付勢部材190を有する場合には、消化管の運動に伴い押圧力が筒部110に付与されると、先端側に向かう方向の抗力が筒部110に付勢され、抗力の付勢に伴い基端側に押し戻す力が筒部110に作用する。すなわち、付勢部材190が筒部110を基端側に押し戻す力を生じさせるため、筒部110が先端側へ過度に移動することを防止することができる。
また、付勢部材190が、筒部110の基端側へ向けてそれぞれ傾斜する複数の突出片を有する場合には、筒部110の外表面に複数の突出片を形成させる簡単な方法によって制限部180を構成することができる。これにより、制限部180の設置に伴うデバイスの構造の複雑化、製造コストの増加、およびデバイスの大型化などを抑えることができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る消化管用デバイス200は、第1実施形態に係る消化管用デバイス100とは制限部280の構成が異なる。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態に係る消化管用デバイス200の制限部280は、図11〜図13に示すように、生体組織に対して付着可能な付着片290を、筒部110の外表面に設けている。付着片290の配置は特に限定されないが、例えば、図示するようにマトリクス状(格子状)に配置することができる。また、付着片290の設置数も特に限定されない。
各付着片290は、例えば、生体組織である十二指腸の絨毛突起に対して引っ掛け可能となるように、図12、図13に示すような環状の鉤手部291を有するように構成することができる。絨毛突起は、十二指腸の腸壁に形成されており、先端部分が僅かに屈曲した長細の外形形状を有している。このため、環状の鉤手部291を十二指腸の絨毛突起に引っ掛けて筒部110を部分的に腸壁に係止させることが可能になっている。
鉤手部291が環状に形成されているため、環状部分の内径寸法の範囲内で筒部110を移動させることができる。さらに、消化管が運動することによって一部の付着片290が絨毛突起から一時的に外れることがあっても、外れた付着片290が絨毛突起に接近および接触することで鉤手部291が絨毛突起に再度引っ掛かるため、複数回に亘る付着を容易に行うことができる。
なお、環状の鉤手部291は、筒部110と同様の材質によって構成することができ、例えば、筒部110の外表面に対して溶着等によって取り付けることができる。
以上のように、第2実施形態に係る消化管用デバイス200は、第1実施形態に係る消化管用デバイス100と同様に、筒部110の脱落を効果的に防止するとともに、筒部110を装着した消化管に損傷を与えることを防止することができる。さらに、制限部280が、生体組織との接触に伴って生体組織に付着可能な付着片290を有する場合には、筒部110の外表面に設けられた付着片290と生体組織との間の付着力によって筒部110の先端側への過度な移動を防止することができる。
また、付着片290が付着される生体組織が十二指腸の絨毛突起であり、付着片290が絨毛突起に引っ掛け可能な環状の鉤手部291を有する場合には、十二指腸の絨毛突起に引っ掛けた環状の鉤手部291によって、筒部110の移動を許容しつつ一定の範囲内で筒部110の移動を制限することができ、より安定した筒部110の留置を行うことができる。
100、200 消化管用デバイス、
110 筒部、
120 留置部、
180、280 制限部、
190 突出片、
290 付着片、
291 鉤手部。

Claims (5)

  1. 貫通孔を備える筒部と、
    前記筒部の基端側に設けられ、前記筒部を生体内に保持する留置部と、
    前記筒部の外表面に設けられ、前記筒部の外部から前記筒部に対して押圧力が付与された際に前記筒部の先端側への移動を制限する制限部と、を有する消化管用デバイス。
  2. 前記制限部は、前記筒部に対して中心軸方向に押圧力が付与されたときに前記筒部の先端側へ向かう抗力を前記筒部に付勢する付勢部材を有する、請求項1に記載の消化管用デバイス。
  3. 前記付勢部材は、前記筒部の基端側へ向けてそれぞれ傾斜する複数の突出片を有する、請求項2に記載の消化管用デバイス。
  4. 前記制限部は、生体組織との接触に伴って前記生体組織に付着可能な付着片を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の消化管用デバイス。
  5. 前記生体組織は、十二指腸の絨毛突起であり、
    前記付着片は、前記絨毛突起に引っ掛け可能な環状の鉤手部を有する、請求項4に記載の消化管用デバイス。
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