JP2015095202A - 車両用歩行者検出装置 - Google Patents

車両用歩行者検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015095202A
JP2015095202A JP2013235658A JP2013235658A JP2015095202A JP 2015095202 A JP2015095202 A JP 2015095202A JP 2013235658 A JP2013235658 A JP 2013235658A JP 2013235658 A JP2013235658 A JP 2013235658A JP 2015095202 A JP2015095202 A JP 2015095202A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pedestrian
gravity
body center
tilt angle
forward tilt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013235658A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6206668B2 (ja
Inventor
岩本 太郎
Taro Iwamoto
太郎 岩本
慎也 山崎
Shinya Yamazaki
山崎  慎也
晃 舟久保
Akira Funakubo
晃 舟久保
章史 露木
Akifumi Tsuyuki
章史 露木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2013235658A priority Critical patent/JP6206668B2/ja
Publication of JP2015095202A publication Critical patent/JP2015095202A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6206668B2 publication Critical patent/JP6206668B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、歩行者の立ち止まり状態からの動き出しをより早く精度よく判定可能な車両用歩行者検出装を提供することを目的としている。【解決手段】車両用歩行者検出装置は、自車両の前方を撮像して画像を生成するカメラ10と、前記画像から立ち止まっている歩行者を検出する歩行者検出部12と、前記歩行者の体重心の位置の移動速度を検出する移動速度検出部14と、前記歩行者の身体の前傾角度を検出する前傾角度検出部16と、検出された前記体重心の移動速度及び検出された前記前傾角度が、体重心の移動速度と前傾角度とをパラメータとする判定マップ上において、所定範囲を逸脱した場合に、前記歩行者が歩行を開始したと判定する歩行開始判定部18とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用歩行者検出装置に係り、より詳細には、歩行者の立ち止まり状態からの動き出しを判定可能な車両用歩行者検出装置に関する。
近年、撮像手段の高機能化及び数値演算処理装置の高速化が進んだことにより、高度な画像処理機能が安価に提供可能となってきている。このため、撮像手段で取得した画像を処理することで得られる情報を活用して車両の運転支援を行う種々の運転支援装置の車両への搭載が進められている。そのような運転支援装置は、例えば、車両の進路上の歩行者を画像から検出して緊急自動ブレーキを作動させることができる。
さらに、下記の特許文献1には、歩行者がこれから自車両の進路内に進入するか否かを判定する歩行者認識装置が開示されている。この歩行者認識装置には、歩行者の身長と脚部開度とを検出し、その身長に対する脚部開度の比率が所定値以上か否かを判定することにより、移動中の歩行者が自車両の進路内に進入するか否かを判定している。
ところで、特許文献1に開示の技術においては、歩行中の歩行者に対しては横断可能性を判定することができるが、立ち止まった状態の歩行者に対しては、横断開始の判定が遅れ、緊急自動ブレーキの作動が遅れることが懸念される。
そこで、下記の特許文献2には、歩行者の意思が反映された膝部位置移動速度及び肩部位置移動速度を検出することにより、歩行者の横断開始の判定を早く精度よく行う技術が開示されている。
特開2007−264778号公報 特開2010−66810号公報
上記の特許文献2に開示の技術により、歩行者の立ち止まり状態からの動き出しを判定することが可能となったが、車両の運転支援機能をより向上させるためには、歩行者の動き出しをより早く且つより精度良く検出することが望ましい。
そこで、本発明は、歩行者の立ち止まり状態からの動き出しをより早く精度よく判定可能な車両用歩行者検出装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明の車両用歩行者検出装置は、自車両の前方を撮像して画像を生成する撮像手段と、前記画像から立ち止まっている歩行者を検出する歩行者検出手段と、前記歩行者の体重心の位置の移動速度を検出する移動速度検出手段と、前記歩行者の身体の前傾角度を検出する前傾角度検出手段と、検出された前記体重心の移動速度及び検出された前記前傾角度が、体重心の移動速度と前傾角度とをパラメータとする判定マップ上において、所定範囲を逸脱した場合に、前記歩行者が歩行を開始したと判定する歩行開始判定手段と、を備えることを特徴としている。
人間の二足歩行原理は、前傾させた身体が前方へ倒れるのを、左右の足を交互に踏み出して支えることにより、前進するものである。かかる二足歩行原理によれば、歩行者の体重心が歩行者の足裏の先端(爪先)を通る鉛直線よりも前に出た場合、足を前に踏み出さない限り、歩行者は前方に転倒してしまう。したがって、歩行者の体重心が爪先よりも前に出たことを以て、歩行者が歩き始めたと判定することも考えられる。しかしながら、かかる判定方法では、歩行者が歩き始めても、歩行者の体重心が爪先よりも前方へ出るまでの間は、歩行開始を判定することが困難である。
そこで、本出願に係る発明者は、歩行者が歩き始めたことをより早い段階で判定するために、歩行者の体重心の運動エネルギと位置エネルギとに着目した。実施形態において詳しく説明するように、モデル化した歩行者の体重心の位置エネルギは、体重心が爪先を通る鉛直線上に位置するときに最大となる。このため、立ち止まっている歩行者の体重心の位置エネルギと運動エネルギとの合計が上記最大の位置エネルギよりも小さければ、歩行者の体重心は爪先を通る鉛直線を越えて前方へは移動できない。したがって、歩行者は足を踏み出さずに立ち止まっていられる。
これに対し、ある前傾角度での歩行者の体重心の位置エネルギと運動エネルギとの合計が上記の最大の位置エネルギよりも大きければ、歩行者の体重心は爪先を通る鉛直線を越えて前方に移動することになる。その結果、歩行者は前方に転倒しないように足を踏み出さなければならず、立ち止まっていられない。したがって、歩行者の体重心の運動エネルギと位置エネルギとに着目すれば、歩行者の体重心が爪先より前方へ出る前であっても、歩行開始を判定することが可能となる。
さらに、本出願に係る発明者は、立ち止まっている歩行者の体重心の位置エネルギと運動エネルギとの合計が上記最大の位置エネルギよりも小さい場合、すなわち、歩行者が足を踏み出さずに立ち止まっていられる場合、その歩行者の体重心の移動速度と前傾角度とが、体重心の移動速度と前傾角度とをパラメータとする判定マップ上において、所定の範囲内に含まれることを導き出した。これにより、本発明では、かかる判定マップを用いて、歩行者の身体の前傾角度と歩行者の体重心の位置の移動速度とにより、歩行者が一歩目を踏み出す前に、歩行者の歩行開始が判定される。
このように、本発明によれば、歩行者の身体の前傾角度と歩行者の体重心の位置の移動速度を画像から取得することによって、歩行者の歩行開始を判定することができる。体重心の位置の移動速度及び身体の前傾角度は、撮像された歩行者の身体シルエットから図形的(幾何学的)な処理で容易に取得することができる。このため、本発明によれば、上記の特許文献2において画像から歩行者の肩及び膝を特定してそれらの位置を取得する場合よりも、処理量の低減を図ることができる。その結果、誤差による精度の低下を抑制でき、そのうえ、計算時間の短縮を図ることができる。これにより、本発明の車両用歩行者検出装置によれば、歩行者の立ち止まり状態からの動き出しをより早く精度よく判定することができる。
また、本発明において好ましくは、前記所定の範囲は、ある前傾角度のときの体重心の運動エネルギの大きさが、当該前傾角度での体重心の位置における体重心の位置エネルギと、体重心が歩行者の足裏の先端を通る鉛直線上に位置するときの体重心の位置エネルギとの差分の大きさ以下となる範囲である。
判定マップ上におけるかかる所定の範囲は、換言すれば、検出された前傾角度の歩行者の運動エネルギが、立ち止まっている歩行者の足裏で支持可能な位置エネルギの大きさ以下となる範囲である。これにより、判定マップ上において、歩行者が足を踏み出さずに立ち止まっていられる所定範囲が特定される。
また、本発明において好ましくは、前記所定の範囲は、前記判定マップ上において、前傾角度をパラメータとする軸上の2点であって、体重心が歩行者の足裏の、自車両から見て左側の先端を通る鉛直線上に位置するときの左前傾角度の点、及び、体重心が足裏の、自車両から見て右側の先端を通る鉛直線上に位置するときの右前傾角度の点と、体重心の移動速度をパラメータとする軸上の2点であって、体重心が歩行者の足裏の中央の鉛直線上に位置するときの体重心の位置エネルギと体重心が歩行者の足裏の先端を通る鉛直線上に位置するときの体重心の位置エネルギとの差分の大きさに等しい運動エネルギに相当する、自車両から見て左向きの移動速度の点及び自車両から見て右向きの移動速度の点と、からなる4点を頂点とする四辺形で囲まれた範囲である。
傾斜角度をパラメータとする軸上の左前傾角度は、自車両から見て歩行者の体重心がこの角度よりも左側へ傾斜すれば、足を踏み出さない限り左側へ転倒してしまう角度である。また、右前傾角度は、自車両から見て歩行者の体重心がこの角度よりも右側に傾けば、足を踏み出さない限り右側へ転倒してしまう角度である。さらに、体重心の移動速度をパラメータとする軸上の左向きの移動速度は、歩行者の体重心がこの速度で左側へ移動すれば、歩行者が足を踏み出さない限り左側へ転倒してしまう運動エネルギに相当する速度である。また、右向きの移動速度は、歩行者の体重心がこの速度で右側へ移動すれば、歩行者が足を踏み出さない限り右側へ転倒してしまう運動エネルギに相当する速度である。このように、判定マップ上の所定範囲を、かかる4つの頂点を有する四辺形で規定することにより、歩行者が足を踏み出さずに立ち止まっていられる、所定範囲が特定される。
このように、本発明の車両用歩行者検出装置によれば、本発明は、歩行者の立ち止まり状態からの動き出しをより早く精度よく判定することができる。
本発明の実施形態による車両用歩行者検出装置の構成を説明するブロック図である。 歩行者の体重心及び前傾角度の説明図である。 (a)は、ある前傾角度で立ち止まっている歩行者のT字モデルの模式図であり、(b)は、歩行者の体重心が歩行者の足裏の先端(爪先)を通る鉛直線上に位置しているときの歩行者のT字モデルも模式図である。 本発明の実施形態に車両用歩行者検出装置における判定マップである。 本発明の実施形態の車両用歩行者検出装置の動作例を説明するフローチャートである。 歩行者が歩行を開始したときのプロットの軌跡を示す判定マップである。 歩行者が歩行を開始しないときのプロットの軌跡を示す判定マップである。
以下、添付の図面を参照して、本発明の車両用歩行者検出装置の実施形態を説明する。
まず、図1のブロック図を参照して、本実施形態の車両用歩行者検出装置の構成について説明する。図1に示すように、車両用歩行者検出装置は、自車両の前方を撮像して画像を生成するカメラ10と、その画像から立ち止まっている歩行者を検出する歩行者検出部12と、歩行者の体重心の位置の移動速度を検出する移動速度検出部14と、歩行者の身体の前傾角度を検出する前傾角度検出部16と、歩行者が立ち止まっている状態から歩行を開始したことを判定する歩行開始判定部18とを備えている。
なお、歩行検出部12,移動速度検出部14、前傾角度検出部16及び歩行開始判定部18の処理機能は、例えば、ECU(electric control unit:電子制御装置)等のコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより実現される。
カメラ10は、車室内からフロントガラス越しに車両前方に向けて取り付けられ、自車両の前方の走行路及びその周辺を撮像する。また、カメラ10がステレオカメラである場合には、撮像された物標までの距離も画像上の視角差から取得することができる。カメラ10がステレオカメラでない場合には、例えばミリ波レーダのような、物標までの距離を測定する手段を設けるとよい。
歩行者検出部12は、カメラ10により撮像された画像から、歩行者を検出する。画像中の歩行者は、自車両から所定距離内の物標から検出するとよい。また、抽出された歩行者のうち、複数の連続撮像フレームから、立ち止まっている歩行者を抽出するとよい。立ち止まっている歩行者は、画像中、車両前方の走行路の周囲の領域のみから検出するようにしてもよい。
なお、走行路上の障害物、例えば走行路を横切っている歩行者や、走行路に接近している障害物、例えば歩道上を車道に向かって移動している歩行者に対しては、従来公知の技術、例えば特許文献1に記載の運転支援技術で対応することができる。
移動速度検出部14は、歩行者の体重心の位置及びその移動速度を、撮像された歩行者の身体シルエットから図形的(幾何学的)な処理で取得する。体重心の位置の検出に当たっては、公知の任意好適な技術を利用することができる。また、体重心の移動速度は、複数の撮像フレーム中の歩行者の身体シルエットからそれぞれ取得した体重心の移動量と、自車両から歩行者までの距離に基づいて求めるとよい。
前傾角度検出部16は、歩行者の身体の前傾角度を、歩行者の体重心の位置及びその移動速度を、撮像された歩行者の身体シルエットから図形的(幾何学的)な処理で取得する。なお、体重心の位置の検出に当たっては、公知の任意好適な技術を利用することができる。
ここで、図2に、歩行者20の体重心Mの位置、その移動速度v、及び前傾角度θを模式的に示す。歩行者20は、体重心Mから足裏Bに下ろした垂線と足裏Bとからなる細長い逆T字形状のT字モデルとして表される。このT字モデルは、図面右側に前傾する場合に、足裏Bの先端tを中心にして回転する。
続いて、図3を参照して、歩行者の歩行開始の判定原理を説明する。図3(a)は、ある前傾角度で立ち止まっている歩行者のT字モデルの模式図であり、図3(b)は、歩行者20の体重心が歩行者の足裏Bの先端(爪先)tを通る鉛直線上に位置しているときの歩行者のT字モデルも模式図である。
図3(a)に示したT字モデルにおける体重心Mの位置エネルギ(mgh)と運動エネルギ((1/2)mv2)との合計と、図3(b)に示したT字モデルにおける体重心Mの位置エネルギ(mgr)とが等しい場合、下記の式(1)が成り立つ。
mgh+(1/2)mv2=mgr ・・・(1)
ここで、mは、歩行者の体重心の質量を表し、gは、重力加速度を表し、hは、体重心の高さを表し、vは体重心の移動速度を表し、rは、歩行者の足裏の先端(爪先)と体重心との距離を表し、T字モデルの爪先を中心とした体重心の回転半径となる。
T字モデルでは、歩行者が前傾すると、体重心Mが爪先tを中心として回転する。このため、図3(b)に示すように、体重心Mの位置エネルギは、体重心が爪先を通る鉛直線p上に位置するときに、最大の位置エネルギ(mrg)となる。その結果、下記の式(2)に示すように、図3(a)のT字モデルの体重心の位置エネルギと運動エネルギとの合計が、図3(b)のT字モデルの体重心の最大の位置エネルギよりも小さければ、歩行者の体重心は爪先を通る鉛直線pを越えて前方へは移動できない。したがって、歩行者は足を踏み出さずに立ち止まっていられる。
mgh+(1/2)mv2<mgr ・・・(2)
これに対し、下記の式(3)に示すように、図3(a)のT字モデルの体重心Mの位置エネルギと運動エネルギとの合計が、図3(b)のT字モデルの体重心Mの最大の位置エネルギよりも大きければ、体重心Mが鉛直線p上まで来ても、依然として体重心Mは運動エネルギを残していることになる。このため、体重心Mは爪先tを通る鉛直線pを越えて前方に移動することになる。その結果、歩行者は前方に転倒しないように足を踏み出さなければならず、立ち止まっていられない。
mgh+(1/2)mv2>mgr ・・・(3)
したがって、体重心の運動エネルギ及び位置エネルギが、上記の式(3)を満たす場合に、歩行者が歩行を開始したと判定することができる。
さらに、上記の式(1)に、下記の式(4)及び式(5)を代入することにより、上記の式(1)は、図4に示す、体重心の移動速度と前傾角度とをパラメータとする判定マップ上において、菱形Dに対応することが導かれる。
x=v×cosθ ・・・(4)
r={h2+(w/2)21/2 ・・・(5)
ここで、vxは、体重心の移動速度の進行方向成分(水平方向成分)を表し、θは、体重心Mが、足裏Bの、自車両から見て右側の先端tに位置しているときを0°とした前傾角度である。このため、図3(a)に示すT字モデルの前傾角度は負の値となる。
図4の判定マップの菱形Dの内側では、上記の式(2)が満たされている。したがって、ある前傾角度のときの体重心の運動エネルギの大きさが、当該前傾角度での体重心の位置における体重心の位置エネルギと、体重心が歩行者の足裏の先端を通る鉛直線上に位置するときの体重心の位置エネルギとの差分の大きさ以下となっている。換言すれば、この範囲内では、検出された前傾角度の歩行者の運動エネルギが、立ち止まっている歩行者の足裏で支持可能な位置エネルギの大きさ以下となっている。すなわち、この範囲内では、歩行者は足を踏み出さずに立ち止まっていられる。
これに対し、判定マップの菱形Dの外側では、上記の式(3)が満たされている。したがって、検出された前傾角度の歩行者の運動エネルギが、この範囲の外側にある場合には、検出された前傾角度の歩行者の運動エネルギが、立ち止まっている歩行者の足裏で支持可能な位置エネルギの大きさを上回っている。すなわち、この範囲外では、歩行者は足を踏み出さずに立ち止まっていられない。
図4の判定マップ上の菱形Dの4つの頂点は、以下の点a、b、c及びdに対応する。
まず、前傾角度をパラメータとする軸上の2点a及びcは、体重心が歩行者の足裏の、自車両から見て左側の先端を通る鉛直線上に位置するときの左前傾角度の点aと、体重心が足裏の、自車両から見て右側の先端を通る鉛直線上に位置するときの右前傾角度の点cとにそれぞれ対応する。
図4の判定マップの菱形Dでは、例えば、左前傾角度の点aをθ=−16°とし、右前傾角度の点cをθ=0°としている。図4では、体重心が足裏の、自車両から見て右側の先端を通る鉛直線上に位置するときの右前傾角度の点cに位置しているとき基準として、前傾角度を表しているため、左前傾角度の点aは負の値となっている。
また、体重心の移動速度をパラメータとする軸上の2点b及びdは、体重心が歩行者の足裏の中央の鉛直線上に位置するときの体重心の位置エネルギと体重心が歩行者の足裏の先端を通る鉛直線上に位置するときの体重心の位置エネルギとの差分の大きさに等しい運動エネルギに相当する、自車両から見て左向きの移動速度の点bと、自車両から見て右向きの移動速度の点dと、にそれぞれ対応する。
なお、図4の判定マップの菱形Dでは、例えば、左向きの移動速度の点bをvx=−0.4m/sとし、右向きの移動速度の点dをvx=0.4m/sとしている。図4では、右向きの速度を正としているため、左向きの移動速度の点bは負の値となっている。
判定マップの菱形Dは、例えば、多数の歩行者をサンプリングして、その平均値をモデル化するとよい。また、歩行者が児童である場合(例えば、身長が所定値以下の場合)には、体重心から離れた東部や腕などの身体部位の慣性質量の比率が大きいため、児童の身のこなしによって力学的な安定範囲が変化しやすい。このため、児童の歩行開始の判定に当たっては、判定マップの菱形Dを横長に設定するとよい。また、歩行者が高齢者である場合には、筋肉の衰え等により、足を踏み出さずに立っていられる許容前傾角度が、一般人よりも小さい。このため、高齢者の歩行開始に当たっては、判定マップの菱形Dを小さく設定するとよい。
そして、開始判定手段18は、図4に示す判定マップの菱形Dを判定基準として、検出された体重心の移動速度及び検出された前傾角度が、菱形Dの範囲を逸脱した場合に、歩行者が歩行を開始したと判定する。このように、歩行者の体重心の運動エネルギと位置エネルギとに着目すれば、歩行者の体重心が爪先より前方へ出る前であっても、早い段階で精度よく歩行開始を判定することができる。
さらに、開始判定手段18が出力する判定結果に応じて、車両の運転支援装置が、緊急自動ブレーキを作動させたり、ドライバに警告を発したりするとよい。
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施形態の車両用歩行者検出装置の動作例を説明する。
まず、カメラ10が、自車両の前方を撮像して画像を生成する(S1)。
次いで、歩行者検出手段12が、カメラ10によって撮像された画像から、歩行者像を抽出する(S2)。続いて、歩行者検出手段12が、抽出された歩行者像のうちから、立ち止まっている歩行者像を検出する(S3)。立ち止まっている歩行者像が検出された場合(ステップS3において「Yes」の場合)、歩行者検出手段12は、歩行者像の輪郭(シルエット)を検出する(S4)。
次いで、前傾角度検出部16が、歩行者像の輪郭に基づいて、歩行者の身体の前傾角度を検出する(S5)。次いで、移動速度検出部14が、歩行者像の輪郭に基づいて、歩行者の体重心の位置を検出し(S6)、さらに、その体重心の移動速度を検出する(S7)。
なお、ステップS5と、ステップS6及びS7とを実行する順序は問わない。
次いで、歩行開始判定部18が、検出された前記体重心の移動速度及び検出された前記前傾角度と、判定マップ上の判定基準である菱形Dとを比較して、歩行者の歩行開始の有無を判定する(S8)。
ここで、図6の判定マップを参照して、歩行者が歩行を開始した場合を説明する。図6の判定マップ上に示したプロットの軌跡Pは、立ち止まっていた歩行者が歩き始めたときに検出された体重心の移動速度及び前傾角度の時間変化を示している。図6から分かるように、歩行を開始したときのプロットの軌跡Pは、時間の経過とともに、判定基準である菱形Dに囲まれた範囲内から、菱形Dの外側へ移動している。
軌跡P上の時刻t1のプロットまでは、プロットが判定基準である菱形Dに囲まれた範囲内に含まれているため、まだ、歩行開始とは判定されない。これに対し、次の時刻t2のプロットは菱形Dの外側に逸脱しているため、時刻t2のプロットの検出結果に基づき、歩行開始判定部18よって歩行開始と判定される。
続いて、軌跡Pは、時刻t3に、右前傾角度cの前傾角度よりも大きな前傾角度に達する。この右前傾角度は、前述したように、体重心が爪先を通る鉛直線上に来たときの角度である。したがって、歩行者の身体がこの右前傾角度よりも大きくなれば、歩行者は足を踏み出さない限り転倒してしまう。
ここで注目すべきことは、体重心が爪先を通る鉛直線上を超えたプロットの時刻t3よりも早い時刻t2の検出結果に基づいて、歩行開始が判定できる点である。この時刻t2と時刻t3との時間差は、例えば、0.2〜0.3秒である。より早く歩行開始が判定できれば、より安全に車両を制御することができる。例えば、時速36kmで走行している車両は、0.2秒間に2m進む。この場合、緊急自動ブレーキを0.2秒早く作動させれば、2m手前で車両を停止させることができる。
次に、図7の判定マップを参照して、歩行を開始しない場合を説明する。図7の判定マップ上に示した軌跡は、歩行者が歩行を開始しない場合に検出された体重心の移動速度及び前傾角度の時間変化を示している。実線で示す軌跡Iは、歩行者が継続して立ち止まっている場合に検出された体重心の移動速度及び前傾角度のプロットの軌跡である。軌跡Iは、判定マップ上の菱形Dで囲まれた範囲内に収まっている。
さらに、破線で示す軌跡IIは、歩行者が片足を上げて振った場合に検出された体重心の移動速度及び前傾角度のプロットの軌跡である。軌跡IIは、判定マップ上の菱形Dで囲まれた範囲内に収まっている。さらに、歩行者が立ち止まったまま前方や左右の物を拾う動作をした場合や、身体を前後左右に揺らした場合にも、プロットの軌跡は、菱形Dの範囲内に収まっている。このように、歩行者が単に立ち止まっている場合に限らず、立ち止まったまま種々の動作を行った場合においても、検出された体重心の移動速度及び前傾角度のプロットの軌跡は、判定マップ上の菱形Dで囲まれた範囲内に収まっている。
このように、検出された体重心の移動速度及び前傾角度のプロットが、判定マップ上で、菱形Dで囲まれた範囲内に含まれるか否かを見ることによって、精度よく歩行者の歩行開始を判定することができる。
上述した各実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、判定マップ上の所定の領域を菱形に囲まれた領域として説明したが、本発明では、所定の領域は、4つの頂点を結ぶ非対称な四辺形で囲まれた領域であってもよい。また、四辺形の4つの頂点を結ぶ辺は、線分でなく曲線であってもよい。また、例えば、上述した実施形態では、図4、図6及び図7に示した判定マップでは、右前傾角度の点cの角度を基準として前傾角度を表示したが、前傾角度の基準はこれに限定されない。例えば、体重心が、T字モデルの足裏の中央に位置するときの前傾角度をθ=0°としてもよいし、図4、図6及び図7に示した判定マップの左前傾角度の点aのときの角度を基準としてもよい。
10 カメラ
12 歩行者検出部
14 移動速度検出部
16 前傾角度検出部
18 歩行開始判定部
20 歩行者

Claims (3)

  1. 自車両の前方を撮像して画像を生成する撮像手段と、
    前記画像から立ち止まっている歩行者を検出する歩行者検出手段と、
    前記歩行者の体重心の位置の移動速度を検出する移動速度検出手段と、
    前記歩行者の身体の前傾角度を検出する前傾角度検出手段と、
    検出された前記体重心の移動速度及び検出された前記前傾角度が、体重心の移動速度と前傾角度とをパラメータとする判定マップ上において、所定範囲を逸脱した場合に、前記歩行者が歩行を開始したと判定する歩行開始判定手段と、
    を備えることを特徴とする車両用歩行者検出装置。
  2. 前記所定の範囲は、ある前傾角度のときの体重心の運動エネルギの大きさが、当該前傾角度での体重心の位置における体重心の位置エネルギと、体重心が歩行者の足裏の先端を通る鉛直線上に位置するときの体重心の位置エネルギとの差分の大きさ以下となる範囲である、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用歩行者検出装置。
  3. 前記所定の範囲は、前記判定マップ上において、
    前傾角度をパラメータとする軸上の2点であって、体重心が歩行者の足裏の、自車両から見て左側の先端を通る鉛直線上に位置するときの左前傾角度の点、及び、体重心が足裏の、自車両から見て右側の先端を通る鉛直線上に位置するときの右前傾角度の点と、
    体重心の移動速度をパラメータとする軸上の2点であって、体重心が歩行者の足裏の中央の鉛直線上に位置するときの体重心の位置エネルギと体重心が歩行者の足裏の先端を通る鉛直線上に位置するときの体重心の位置エネルギとの差分の大きさに等しい運動エネルギに相当する、自車両から見て左向きの移動速度の点及び自車両から見て右向きの移動速度の点と、
    からなる4点を頂点とする四辺形で囲まれた範囲である、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用歩行者検出装置。
JP2013235658A 2013-11-14 2013-11-14 車両用歩行者検出装置 Active JP6206668B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013235658A JP6206668B2 (ja) 2013-11-14 2013-11-14 車両用歩行者検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013235658A JP6206668B2 (ja) 2013-11-14 2013-11-14 車両用歩行者検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015095202A true JP2015095202A (ja) 2015-05-18
JP6206668B2 JP6206668B2 (ja) 2017-10-04

Family

ID=53197534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013235658A Active JP6206668B2 (ja) 2013-11-14 2013-11-14 車両用歩行者検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6206668B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017210118A (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 マツダ株式会社 歩行者回避行動検出装置
US20200372266A1 (en) * 2018-03-12 2020-11-26 Yazaki Corporation In-vehicle system
CN114220295A (zh) * 2021-11-10 2022-03-22 岚图汽车科技有限公司 交通预警系统、控制方法、存储介质、控制装置和车辆

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007264778A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Honda Motor Co Ltd 歩行者認識装置
JP2010066810A (ja) * 2008-09-08 2010-03-25 Mazda Motor Corp 車両用歩行者検出装置
JP2010165003A (ja) * 2009-01-13 2010-07-29 Toyota Central R&D Labs Inc 歩行者認識支援装置および歩行者認識支援方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007264778A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Honda Motor Co Ltd 歩行者認識装置
JP2010066810A (ja) * 2008-09-08 2010-03-25 Mazda Motor Corp 車両用歩行者検出装置
JP2010165003A (ja) * 2009-01-13 2010-07-29 Toyota Central R&D Labs Inc 歩行者認識支援装置および歩行者認識支援方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017210118A (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 マツダ株式会社 歩行者回避行動検出装置
US20200372266A1 (en) * 2018-03-12 2020-11-26 Yazaki Corporation In-vehicle system
CN114220295A (zh) * 2021-11-10 2022-03-22 岚图汽车科技有限公司 交通预警系统、控制方法、存储介质、控制装置和车辆
CN114220295B (zh) * 2021-11-10 2023-03-14 岚图汽车科技有限公司 交通预警系统、控制方法、存储介质、控制装置和车辆

Also Published As

Publication number Publication date
JP6206668B2 (ja) 2017-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10387733B2 (en) Processing apparatus, processing system, and processing method
JP6648411B2 (ja) 処理装置、処理システム、処理プログラム及び処理方法
JP7052174B2 (ja) 将来経路を推定するシステム及び方法
JP4978721B2 (ja) 運転支援装置
US11199851B2 (en) Moving body
US20150332103A1 (en) Processing apparatus, computer program product, and processing method
Hu et al. 3D Pose tracking of walker users' lower limb with a structured-light camera on a moving platform
WO2018180144A1 (ja) 歩行支援システム、歩行支援方法、および歩行支援プログラム
JP5023186B2 (ja) 3dワーピング手法と固有対象物運動(pom)の検出の組み合わせに基づく対象物の動き検出システム
CN108028021A (zh) 信息处理设备、信息处理方法和程序
JP5077017B2 (ja) 運転支援装置及び歩行者検出装置
JP4735676B2 (ja) 走行支援装置
JP6669948B2 (ja) 移動体制御装置及び移動体
JP6206668B2 (ja) 車両用歩行者検出装置
JP6120011B2 (ja) 車両用歩行者検出装置
JP2019136166A (ja) データ処理装置、モニタリングシステム、覚醒システム、データ処理方法、及びデータ処理プログラム
KR20160000136A (ko) 보행 패턴 분석 시스템 및 방법
JP6418341B1 (ja) データ処理装置、モニタリングシステム、覚醒システム、データ処理方法、及びデータ処理プログラム
JP6252783B2 (ja) 車両用歩行者検出装置
JP6786922B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
JP6172474B2 (ja) 車両用歩行者検出装置
KR102061984B1 (ko) 스마트글라스의 보행보조 컨트롤 방법 및 보행보조 컨트롤 시스템
JP2005092516A (ja) 車載用移動体検出装置
JP2012115312A (ja) 歩行支援装置、及び歩行支援プログラム
JP7435257B2 (ja) 通知装置、通知方法、およびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161222

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6206668

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150