JP2015094206A - 中間階床の支持構造、及び該中間階床の支持構造の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】中間階床の支持箇所を可及的抑制して、当該中間階の階下の間取り等の設計の自由度を向上させる。【解決手段】中間階床の支持構造は、柱4A〜4Dと、柱4A〜4D間に架設される梁5と、を備える。無床領域A2の四周には梁5が配設されており、平面視で無床領域A2を画成する梁5よりも低く且つ基礎梁37よりも高い位置に、床板Bを支持する中間階床梁フレーム9が設けられている。中間階床梁フレーム9は、第1の通芯L1,L2に沿う一対の第1中間梁7A,7Bと、第2の通芯L3,L4に沿う一対の第2中間梁8A,8Bと、を含んでおり、第2中間梁8Bは間柱11A,11Bに支持され、第1中間梁7Aは第2中間梁8Bに支持されるとともに間柱11Cに支持され、第2中間梁8Aは第1中間梁7Aに支持されるとともに間柱11Dに支持され、第1中間梁7Bは第2中間梁8A,8Bに支持されている。【選択図】図2
Description
本発明は、住宅等の建物における中間階床の支持構造、及び該中間階床の支持構造の形成方法に関する。
互いに交差する複数の通芯の交点に柱が立設され、隣り合う柱間に梁が架設された建物が知られている。建物は、複数の階床を備えてあり、各階の階床は、梁に床板が敷設されて形成される。
この種の建物の中には、各階とは高さの異なる位置に中間階床を設けた構造が知られている。例えば、特許文献1には、隣り合う柱間に複数の間柱を設け、この間柱の途中部位に腕木を取り付け、この腕木に中間階床を支持する床フレームが固定されている構造が記載されている。この構造では、壁内部に複数の間柱を設置すると共に当該間柱から壁面を貫通して腕木を突出させ、当該腕木に中間階床を支持させている。
しかしながら、特許文献1に記載の構造では、中間階の床フレームの各所を支持する複数の間柱を要し、これらの間柱を隠すために間柱が存在する3面を壁で完全に包囲している。その結果、中間階の階下の間取りが制約されてしまうという問題があった。
本発明は、中間階床の支持箇所を可及的抑制して、当該中間階の階下の間取り等の設計の自由度を向上させることができる中間階床の支持構造、及び該中間階床の支持構造の形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、互いに平行な複数の第1の通芯と、互いに平行であって且つ該第1の通芯に直交する複数の第2の通芯との交点に立設される柱と、隣り合う柱間に配設される梁と、梁に支持される床と、を備えた複数階建て建物における、中間階床の支持構造であって、1階及び屋上階を除く所定の階において、床が敷設された有床領域と、床が敷設されない矩形状の無床領域とが形成されており、無床領域の四周には、無床領域を画成する梁が配設されており、無床領域の内部において、平面視で、無床領域を画成する梁に沿うと共に、無床領域を画成する梁よりも低く且つ下階の梁よりも高い位置に、中間階床梁フレームが設けられ、当該中間階床梁フレームにて中間階床を構成する床材が支持されており、中間階床梁フレームを支持する間柱は、無床領域を画成する梁もしくはその直下の下階の梁の少なくとも一方に固定されており、中間階床梁フレームは、第1の通芯に沿う一対の第1中間梁と、第2の通芯に沿う一対の第2中間梁と、を含んでおり、一対の第2中間梁のうち、一方の第2中間梁は、2本の間柱に支持されており、一対の第1中間梁のうち、一方の第1中間梁の一方の端部は、一方の第2中間梁の端部で支持されるとともに、一方の第2中間梁に支持される端部とは反対側となる端部が間柱に支持されており、他方の第2中間梁の一方の端部は、一方の第1中間梁の端部で支持されるとともに、一方の第1中間梁に支持される端部とは反対側となる端部が間柱に支持されており、他方の第1中間梁の両端部は、一対の第2中間梁の端部で支持されていることを特徴とする。
上記の中間階床の支持構造では、一対の第1中間梁のうち他方の第1中間梁を一対の第2中間梁で支持するため、他方の第1中間梁を支持する間柱を設ける必要がない。このことで、中間階床に面する一面を大開口、すなわち開口いっぱいの開口とすることができる。また、一対の第1中間梁のうち一方の第1中間梁は、一方の第2中間梁の反対側の端部のみが間柱に支持されるものであるため、当該一方の第1中間梁を支持する間柱と、一方の第2中間梁を支持する間柱との間に比較的大きな開口を設けることができる。同様に、一対の第2中間梁のうち他方の第2中間梁は、一方の第1中間梁の反対側の端部のみが間柱に支持されるものであるため、当該他方の第2中間梁を支持する間柱と、一方の第1中間梁を支持する間柱との間に比較的大きな開口を設けることができる。すなわち、上述した大開口とは別に、比較的大きな開口を2つ設けることができる。このように、間柱だけでなく、中間梁を、他の中間梁を支持する構成とすることによって、中間階床の支持箇所が少なくなり、中間階床に面する一面が大開口となるとともに、間柱間に開口が設けられる。これにより、間柱を隠すための壁が不要になったり、間柱位置に配慮することなく制御装置を設置可能になったりして、中間階の階下の間取り等の設計の自由度が各段に向上する。
また、本発明は、互いに平行な複数の第1の通芯と、互いに平行であって且つ該第1の通芯に直交する複数の第2の通芯との交点に立設される柱と、隣り合う柱間に配設される梁と、梁に支持される床と、を備え、1階及び屋上階を除く所定の階において、床が敷設された有床領域と、床が敷設されない矩形状の無床領域とが形成されており、無床領域の四周には、無床領域を画成する梁が配設されており、無床領域の内部において、平面視で無床領域を画成する梁に沿うと共に、無床領域を画成する梁よりも低く且つ下階の梁よりも高い位置に、中間階床梁フレームが設けられ、当該中間階床梁フレームにて中間階床を構成する床材が支持されており、中間階床梁フレームを支持する間柱は、無床領域を画成する梁もしくはその直下の下階の梁の少なくとも一方に固定されており、中間階床梁フレームは、第1の通芯に沿う一対の第1中間梁と、第2の通芯に沿う一対の第2中間梁と、を含んでおり、一対の第2中間梁のうち、一方の前記第2中間梁は、2本の間柱に支持されており、一対の第1中間梁のうち、一方の第1中間梁の一方の端部は、一方の第2中間梁の端部で支持されるとともに、一方の第2中間梁に支持される端部とは反対側となる端部が間柱に支持されており、他方の第2中間梁の一方の端部は、一方の第1中間梁の端部で支持されるとともに、一方の第1中間梁に支持される端部とは反対側となる端部が間柱に支持されており、他方の第1中間梁の両端部は、一対の第2中間梁の端部で支持されている中間階床の支持構造の形成方法であって、柱を設置すると共に、一対の第2の通芯上、及び、一の第1の通芯上に間柱を設置し、柱間に梁を架設し、一方の第2の通芯上の間柱に、一方の第2中間梁を設置し、一方の第2中間梁と第1の通芯上の間柱との間に、一方の第1中間梁を架設し、一方の第1中間梁と他方の第2の通芯上の間柱との間に、他方の第2中間梁を架設し、一対の第2中間梁の端部間に他方の第1中間梁を架設することを特徴とする。
この中間階床の支持構造の形成方法では、中間階床の支持箇所が少なくなり、中間階床に面する一面が大開口となるとともに、間柱間に開口が設けられる。これにより、間柱を隠すための壁が不要になったり、間柱位置に配慮することなく制御装置を設置可能になったりして、中間階の階下の間取り等の設計の自由度が各段に向上する。
また、この方法では、間柱に一方の第2中間梁が設置された後に、間柱及び一方の第2中間梁に一方の第1中間梁が架設され、間柱及び一方の第1中間梁に他方の第2中間梁が架設され、その後に、一対の第2中間梁に他方の第1中間梁が架設される。つまり、第1中間梁、及び第2中間梁を予め組んでフレーム化した後で間柱に固定するのではなく、一方の第2中間梁から、一方の第1中間梁、他方の第2中間梁、他方の第1中間梁と、順次設置していく。先に中間梁のフレームを作ってしまうと取り回しが困難であり、うまく入れ込むことができない等の問題を生じる可能性がある。しかしながら、上記の方法では、第1中間梁、及び第2中間梁をフレーム化しないので、第1中間梁、及び第2中間梁を躯体に取り付ける際のハンドリングが容易であり、作業性も格段に向上する。
本発明によれば、中間階床の支持箇所を可及的抑制して、当該中間階の階下の間取り等の設計の自由度を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明に係る中間階床の支持構造の実施形態を説明する。図1、及び図2に示されるように、本実施形態に係る建物1は、鉄骨造の梁勝ち架構を有する2階建て(2層構成)の工業化住宅であり、予め規格化(標準化)された構造部材の組み合わせによって架構が構成される。構造部材としては、躯体を構成する柱や梁等の他、床板や中間梁等も含まれ、各構造部材は、工場にて製造され、建築現場にて組み立て作業がなされる。
また、建物1は、305mmの平面モジュール(M)を有し、柱や梁(基礎梁を含む)は、平面モジュール(M)の整数倍の間隔で規定された通芯上に配置される。具体的には、通芯は、例えば、互いに平行な複数の横の通芯(第1の通芯)L1,L2と、互いに平行な複数の縦の通芯(第2の通芯)L3,L4とが互いに直交して格子状をなし、第1の通芯と第2の通芯との交点に柱が立設される。
建物1は、1階床F1と2階床F2とを備え、更に、1階床F1と2階床F2との中間の高さに中間階床F3が設けられ、また、1階における中間階床F3の下方の領域に、1階床F1よりも一段下がった1階低床F4が形成されている。また、中間階床F3は、1階床F1から2階床F2までの高さを等分する位置ではなく、2階床F2寄りにずれて設けられている(図3参照)。また、建物1は、1階と中間階とを連絡する下側階段2と、中間階と2階とを連絡する上側階段3と、を備えている。
[2階及び非階床空間]
[2階及び非階床空間]
図2は、建物1の概略を示す平断面図である。図2に示されるように、複数の柱4A,4B,4C,4Dは、第1の通芯L1,L2と第2の通芯L3,L4との計4つの交点にそれぞれ立設されている。より具体的には、柱4Aは、第1の通芯L1と第2の通芯L3との交点に、柱4Bは、第1の通芯L1と第2の通芯L4との交点に、柱4Cは、第1の通芯L2と第2の通芯L4との交点に、柱4Dは、第1の通芯L2と第2の通芯L3との交点に、それぞれ立設されている。隣り合う柱4A〜4D間には、梁5(2階梁)が架設されている。2階床レベルの領域は、床が敷設された有床領域A1と床が敷設されない矩形状の無床領域(2階床レベルにおいて床が存在しない領域という意味)A2とに分かれている。
有床領域A1には、平行に架設された梁5間に小梁が適宜に架設されており、梁5上、及び小梁上にALC(軽量気泡コンクリート)パネルからなる床板Bが敷設されることで2階床F2が形成されている。一方で、無床領域A2には、床板Bが敷設されておらず、床開口部Sが形成されている。無床領域A2は、柱4Aと柱4Bの間で第1の通芯L1上に架設された梁5と、柱4Cと4Dとの間で第1の通芯L2上に架設された梁5と、柱4Aと柱4Dとの間で第2の通芯L3上に架設された梁5と、柱4Bと柱4Cとの間で第2の通芯L4上に架設された梁5と、によって画成されている。すなわち、無床領域A2の四周には、無床領域A2を画成する梁5が配設されている。
[中間階]
[中間階]
図2、図3、及び図4に示されるように、中間階床F3はこの無床領域A2内の一部領域に形成され、中間階床F3の上方が天井高の高い中間階空間S1、中間階床F3の下方が天井高の低い低天井空間S4となっている。床開口部S(無床領域A2)のうち、中間階床F3以外の領域の一部には、下側階段2と上側階段3とからなる階段ユニットが設置されて、階段室S3が形成され、その他の領域は吹き抜け部S2となっている。中間階床F3は、2階床F2と同様、ALCからなる床板(床材)Bで形成されている。床板Bは、無床領域A2内部において、平面視で無床領域A2を画成する梁5に沿うと共に、無床領域A2を画成する梁5よりも低く且つ基礎梁(1階梁)37よりも高い位置に設けられた一対の第1中間梁7A,7B及び一対の第2中間梁8A,8B、そして第1中間梁7A,7B間に架設された第3中間梁10にて支持されている。ここで、「梁5に沿って配置された」とは、当該梁5と離れた位置であって当該梁5の延在方向と同じ方向に延びて配置されている場合を含むものとする。
第1中間梁7A,7B及び第2中間梁8A,8Bは、その端部において互いに接合されて矩形額状の中間階床梁フレーム9が形成される。すなわち、中間階床フレームは、第1中間梁7A,7Bと第2中間梁8A,8Bとを含んでいる。
図7は、第2中間梁8Bの構成を示す図である。図7に示されるように、第2中間梁8Bは、上下一対のフランジ81A,81Bと、一対のフランジ81A,81Bを接合するウェブ82とからなるH形鋼で構成された長尺状の部材であり、その横断面は開断面である。ウェブ82には、4つのボルト挿通孔82aからなり間柱等の他の部材が接合される接合部83が第2中間梁8Bの全長にわたって、平面モジュール(M)に対応した間隔(両端においては平面モジュール(M)の2分の1の間隔、その他中間部は平面モジュール(M)に等しい間隔)で設けられている。
本実施の形態では、第2中間梁8Bの最端の接合部83に、それぞれ第1中間梁7A,7Bがボルト締結され、その隣の接合部83に間柱11A,11Bがボルト締結される。なお、ウェブ82には、接合部83の他に、配線の挿通等に利用される開口82bが適宜に形成されている。第2中間梁8Aの各部材の構成は、図7に示される第2中間梁8Bの構成と同様である。ただし、第2中間梁8Bが間柱11A,11Bにボルト締結されることによって設置され、間柱11A,11Bに支持されているのに対し、第2中間梁8Aは、一方の端部が第1中間梁7Aの端部にボルト締結されることにより支持され、他方(第1中間梁7Aに支持される端部とは反対側)の端部が間柱11Dにボルト締結されることによって支持されている。
間柱11A,11Bが接合される接合部83,83で挟まれた部分が一般部84である。間柱11A,11Bが接合される接合部83の領域内で最も断面性能が小さくなる断面位置は、ボルト挿通孔82aの中心を切断する位置(図7(b)参照)である。一方、一般部84、つまり、間柱11A,11Bが接合される左右の接合部83,83で挟まれる部分のうち、断面性能が最も小さい断面位置は、開口82bの中心を切断する位置(図7(c)参照)である。したがって、間柱11A,11Bに実際に接合された接合部83は、少なくとも一般部84の中で断面性能が最も小さい部分以上の断面性能を有する。ここで仮に、開口82bが形成されていない場合には、一般部84のなかで断面性能が最も小さい断面位置は、間柱11A,11Bが接合されない接合部83においてボルト挿通孔82aの中心を切断する位置であり、これは、間柱11A,11Bが接合される接合部83領域内での最小の断面性能と同等である。したがって、間柱11A,11Bに実際に接合された接合部83の強度が、他の一般部84に比べて局所的に低下することは無く、中間梁の強度面での性能が一定以上に確保されている。
間柱11A,11B,11C,11Dは、中間階床梁フレーム9を支持する支持手段である。間柱11A,11Bは、第2の通芯L4上の基礎梁(1階梁)37の上に立設されるとともに上端が梁(2階梁)5に接合されており、第2中間梁8Bをその両端寄りの位置で支持している。間柱11Cは、第1の通芯L1上の基礎梁(1階梁)37の上に立設されるとともに上端が梁(2階梁)5に接合されており、第1中間梁7Aをその一端寄り(柱4A側)の位置で支持している。また、間柱11Dは、第2の通芯L3上の基礎梁(1階梁)37の上に立設されるとともに上端が梁(2階梁)5に接合されており、第2中間梁8Aをその一端寄り(吹き抜け部S2側)の位置で支持している。
間柱11A〜11Dの構成について、図4、及び図5を用いて、間柱11Aを例に挙げて説明する。図4は、柱4B、梁5、間柱11A、第1中間梁7A、及び第2中間梁8Bの接合を示す斜視図である。図4、及び図5に示されるように、間柱11Aは、下端部(後述の梁接合部114の下端部114a)が基礎梁(1階梁)37に接合され、上端部(後述の梁接合部113の上端部113a)が梁(2階梁)5に接合される本体部111と、本体部111の中途部から持ち出されて第2中間梁8Bの側面に接合されるブラケット部115と、を備えている。
本体部111は、矩形の鋼管部112と、鋼管部112の上下両端のそれぞれに設けられた梁接合部113,114とを有する。梁接合部113は、その上端部113aにおいて梁5に接合される部材であり、梁接合部114は、その下端部114aにおいて基礎梁37に接合される部材である。梁接合部113は、平面モジュール(M)に対応した間隔で複数のボルト孔が穿設された梁5の下フランジ5Aに当接され、ボルト締結され、梁接合部114は、基礎梁37から突設されたアンカーボルトにて締結される。柱4A〜4Dも矩形鋼管からなる本体部を備えているが、間柱11Aの本体部111は、柱4A〜4Dの本体部に比べて肉厚であり、曲げ剛性が高くなっている。また、間柱11Aの本体部111の横断面の外形は、柱4A〜4Dの本体部の横断面の外形と同一である。
ブラケット部115は、断面コ字状で、両端部が本体部111の鋼管部112に溶接されている。ブラケット部115は、鋼管部112から持ち出された上下の水平面部116A,116Bと、水平面部116A,116Bの先端同士を連結し、第2中間梁8Bの接合部83(ウェブ82)に面接触してボルト締結される鉛直面部117とを備えている。なお、水平面部116A,116B及び鉛直面部117の内側には、板状の補強材であるリブ118が設けられている。
図6に示されるように、水平面部116Bの先端の幅は鉛直面部117の幅に対応しており、根元の幅に比べて途中から拡大している。水平面部116Aについても同様である。また、鉛直面部117の高さ寸法は、第2中間梁8Bのウェブ82の高さ寸法に比べて小さくなっている。ここで、鉛直面部117の高さ寸法、つまりブラケット部115の高さ寸法とは、鋼管部112から水平方向に持ち出されたブラケット部115の下端(水平面部116Bの下面)から上端(水平面部116Aの上面)までの寸法を意味する。そして、第2中間梁8Bのウェブ82の高さ寸法、つまり、第2中間梁8Bの高さ寸法は、下方のフランジ81Bの上面から上方のフランジ81Aの下面までの寸法を意味する。
第2中間梁8Bの左右両方の端部寄りの接合部83,83は、一対の間柱11A,11Bの各ブラケット部115の鉛直面部117にボルト締結されており、その結果として、第2中間梁8Bが間柱11A,11Bにそれぞれ支持されている。間柱11Cによる第1中間梁7Aの支持、及び、間柱11Dによる第2中間梁8Aの支持の詳細については後述する。
図8は、第1中間梁7Aの構成を示す図である。図8に示されるように、第1中間梁7Aは、横断面が開断面の鋼材からなる長尺状の本体部71と、本体部71の両端に設けられ、第2中間梁8A,8Bに接続される接合部75,75とを備えている。第1中間梁7Bの構成は、第1中間梁7Aと同様であるため、以下、第1中間梁7Aについて説明し、第1中間梁7Bの詳細な説明を省略する。本体部71は、上下一対のフランジ72A,72Bをウェブ73で接合して形成されるH形鋼からなる。本体部71の形状は、断面寸法も含め、基本的に第2中間梁8A,8Bと同様であるが、4つのボルト挿通孔73aからなる接合部74は、両端部の4つについてはその間隔が平面モジュール(M)の2分の1となるように、その他の中間部については平面モジュール(M)に等しくなるように設けられている。また、配線の挿通等に用いられる開口73bが適宜に形成されている。
図9に示されるように、本体部71の端部には、ウェブ73の中央部分が上下のフランジ72A,72Bよりも突き出た突出片73cが形成されており、突出片73cには、第2中間梁8A,8Bに接合される接合部75が溶接されている。接合部75は、突出片73cの先端、及び上下を囲むような断面コ字状であり、第2中間梁8A,8Bのウェブ82に面接触してボルト締結される当接板部76と、当接板部76の上下端で屈曲して突出片73cの上端及び下端に溶接される結合板部77A,77Bとを備えている。図10に示されるように、上下一対の結合板部77A,77Bは、くさび状であり、くさびの先にスリット77aが形成されている。接合部75は、このスリット77aに突出片73cが差し込まれるように装着され、且つ溶接される。
接合部75の高さ、つまり、結合板部77Bの下端から結合板部77Aの上端までの寸法は、第2中間梁8A,8Bの上下のフランジ81A,81B間の寸法よりも小さくなっている。その結果、接合部75は、第2中間梁8A,8Bの上下のフランジ81A,81B間に収まり、第2中間梁8A,8Bのウェブ82に到達してボルト締結される。
ここで、第1中間梁7Aは、一方の端部である接合部75が、第2中間梁8Bの柱4B側の端部にボルト締結されて支持されるとともに、第2中間梁8Bに支持される端部とは反対側となる柱4A側の端部(最端部だけでなく、最端部寄りの部分を含む)が間柱11Cによって支持されている。
そして、第2中間梁8Aは、一方の端部である接合部83が、第1中間梁7Aの柱4A側の端部にボルト締結されて支持されるとともに、第1中間梁7Aに支持される端部とは反対側となる吹き抜け部S2側の端部(最端部だけでなく、最端部寄りの部分を含む)が間柱11Dによって支持されている。
そして、第1中間梁7Bは、第2中間梁8A,8Bの端部(吹き抜け部S2及び階段室S3側の端部)にボルト締結されることによって支持されている。
第1中間梁7Aは、幅方向の中心位置が第1の通芯L1から平面モジュールの2分の1(M/2)だけ離隔して配置されている。同様に、第2中間梁8Aは幅方向の中心位置が第2の通芯L3から平面モジュールの2分の1(M/2)だけ離隔して配置されており、第2中間梁8Bは幅方向の中心位置が第2の通芯L4から平面モジュールの2分の1(M/2)だけ離隔して配置されている。
間柱11Aは第1の通芯L1から平面モジュール(M)だけ離隔した第2中間梁8Bの接合部83(端部から2つ目の接合部)に接合されている。ただし、間柱11Aの位置、及び間柱11Aが接合される接合部83の位置は上記に限定されない。すなわち、図7に示されるように、第2中間梁8Bには、接合部83が平面モジュール(M)の間隔で形成されているため、構造的に安全性を確認した上で、第1の通芯L1から平面モジュール(M)の整数倍だけ離隔した位置の接合部83を用いて間柱11Aを設置することができる。同様に、間柱11Bについても構造的に安全性を確認した上で、第1の通芯L1から平面モジュール(M)の整数倍だけ離隔した位置の接合部83を用いて設置することができる。
また、本実施形態では、梁5及び中間梁(第1中間梁7A,7B、第2中間梁8A,8B)の幅は、100mmである。また、第1中間梁7Aの長手方向の端部(当接板部76)は、第2中間梁8Bのウェブ82に面接触する。従って、第2の通芯L4上の梁5の端部(フランジ5Aの第2中間梁8B側の端部)と第1中間梁7Aの長手方向の端部との間の空き寸法は、少なくとも102.5mm(152.5(平面モジュール(M)の1/2)−50mm(梁5の幅の1/2))以上である。これにより、仮に第1中間梁7Aを設置した後に第2中間梁8Bを設置する場合においても、梁5と第2中間梁8Bとが互いに干渉しないので、第2中間梁8Bの施工が容易となる。具体的には、第2中間梁8Bを水平状態に吊り上げ、その後第2中間梁8Bを降下させて第2中間梁8Bの端部(接合部83)を第1中間梁7Aの端部(当接板部76)に接合させる際、第2中間梁8Bが梁5に干渉することがない。
図2及び図11に示されるように、第1中間梁7A,7B、第2中間梁8A,8B、及び第3中間梁10の上に床板Bが敷設されて中間階床F3が形成されている。第2中間梁8Aの上フランジ82Aの床板載置されない側の上面には、断面L字状の長尺部材であるモルタル受け22が第2中間梁8Aの長手方向に沿って固定されており、床板Bの端縁とモルタル受け22との間にはモルタル23が充填されている。床板B上には、遮音マット24、石膏ボード25、バーチクルボード26、及び寄木合板27がこの順に設置されて床仕上層28が形成されている。第2中間梁8Aの下側のフランジ82Bの下面には、ブラケット29を介して野縁30が固定されており、野縁30の下面には、石膏ボード等の天井材31が貼置されて天井32が形成されている。
図2における梁5は、建物の外周部に配置されたものあり、外周壁38に接している。外周壁38は、梁5の建物外部側に沿って、1階から2階にかけて連続的に立設された外壁材36と、石膏ボート等からなり表面にビニールクロス等で仕上げが施された内装壁材34A(中間階空間S1の内装壁材),34B(低天井空間S4の内装壁材)を有している。外壁材36と内装壁材34A,34Bとの間には、壁体内空間S6が確保されている。板状の発泡樹脂からなる断熱材35が、この壁体内空間S6を利用して、外壁材36の内面に沿って連続的に配設されている。断熱材35が配設された状態であっても、壁体内空間S6は中間階床F3位置で分断されることなく上下方向に連通している。内装壁材34Aの下端は、床仕上層28と接しており、内装壁材34Bの上端は、天井32と連続している。また、中間階床F3を構成する床板Bは、外壁材36とは離隔している。天井32と中間階床F3との間の天井懐空間S5は、第2中間梁8Aの開口83b及び第2中間梁8Aの下フランジ82Bと天井32との間の隙間を介して壁体内空間S6と連通している。この連通した壁体内空間S6、天井懐空間S5を利用して、中間階床F3方向に配線や配管を容易に挿通することができる。
次に、中間階床の支持構造の形成方法について説明する。中間階床F3の支持構造を形成する際には、(1)第1の通芯L1,L2と第2の通芯L3,L4を含む通芯に沿って、基礎梁37を含む基礎を構築する。(2)基礎梁37の交点、すなわち第1の通芯L1,L2と第2の通芯L3,L4との交点を含む所定の通り芯の交点に柱4A〜4Dを含む柱を立設する。(3)無床領域A2の周囲であり、第2の通芯L4上で、且つ柱4B,4Cとは異なる位置に二本の間柱11A,11Bを立設する。間柱11A,11Bの立設位置は、架設予定の第2中間梁8Bの接合部83に対応する位置であり、第2中間梁8Bにおける両端部寄りの位置である。(4)無床領域A2の周囲であり、第1の通芯L1上及び第2の通芯L3上で、且つ柱4A〜4Dとは異なる位置に各一本の間柱11C,11Dを立設する。間柱11Cの立設位置は、架設予定の第1中間梁7Aの接合部74に対応する位置であり、第1中間梁7Aにおける端部(柱4A側の端部)寄りの位置である。また、間柱11Dの立設位置は、架設予定の第2中間梁8Aの接合部83に対応する位置であり、第2中間梁8Aにおける端部(吹き抜け部S2側の端部)寄りの位置である。
(5)隣り合う柱4A〜4D間で梁5を架設し、併せて、間柱11A〜11Dの上端部をボルトによって梁5に締結固定する。(6)第2中間梁8Bを持ち上げ、第2の通芯L4上の間柱11A,11Bに設けられたブラケット部115に接合部83を突き当て、ボルトによって締結固定することで、第2中間梁8Bを間柱11A,11Bに設置する。
(7)第2中間梁8Bと第1の通芯L1上の間柱11Cとの間に、第1中間梁7Aを架設する。具体的には、第1中間梁7Aを持ち上げ、第2中間梁8Bの一方側の端部(柱4B側の端部)に第1中間梁7Aの接合部75を突き当ててボルト締結するとともに、間柱11Cのブラケット部115に接合部74を当ててボルト締結することで、第2中間梁8Bと間柱11Cとの間に第1中間梁7Aを架設する。
(8)第1中間梁7Aと第2の通芯L3上の間柱11Dとの間に、第2中間梁8Aを架設する。具体的には、第2中間梁8Aを持ち上げ、第2中間梁8Aの一方側の端部(柱4A側の端部)に第1中間梁7Aの接合部75を突き当ててボルト締結するとともに、間柱11Dのブラケット部115に接合部83を当ててボルト締結することで、第1中間梁7Aと間柱11Dとの間に第2中間梁8Aを架設する。
(9)一対の第2中間梁8A,8Bの端部間に第1中間梁7Bを架設する。具体的には、第1中間梁7Bを持ち上げ、対向する一対の第2中間梁8A,8Bの一方側の端部(吹き抜け部S2及び階段室S3側の端部)それぞれに、第1中間梁7Bの接合部75を突き当てボルト締結することで、第1中間梁7Bを第2中間梁8A,8Bの端部間に架設する。第1中間梁7Bを第2中間梁8A,8Bに架設すると、略矩形の中間階床梁フレーム9が形成される。
中間階床梁フレーム9には、適宜に床板Bを敷設して中間階床F3を形成する。更に、中間階床F3の上には床仕上層28を施し、中間階床F3の下方に天井32を施して中間階床F3を形成する。
次に、本実施形態に係る中間階床の支持構造、及び、中間階床の支持構造の形成方法の作用効果について説明する。
従来、中間階床の支持構造として、隣り合う柱間に複数の間柱を設け、該複数の間柱に取り付けた腕木によって中間階床を支持し床フレームを固定する構造等がある(特許文献1参照)。しかしながら、このような構造では、中間階床の床フレームの各所を支持する複数の間柱を要し、これらの間柱を隠すために間柱が存在する3面を壁で完全に包囲することとなるため、中間階の階下の間取りが制約されてしまっていた。
この点、本実施形態に係る中間階床の支持構造では、第1中間梁7Bを一対の第2中間梁8A,8Bで支持するため、第1中間梁7Bを支持する間柱を設ける必要がない。このことで、中間階床F3に面する一面(第1中間梁7Bに面する一面)を大開口、すなわち第1中間梁7Bに面する一面の略全面に亘る開口とすることができる。また、第1中間梁7Aは、第2中間梁8A側の端部のみが間柱11Cに支持されるものであるため、第1中間梁7Aの間柱11Cと、第2中間梁8Bの間柱11Aとの間に比較的大きな開口を設けることができる。同様に、第2中間梁8Aは、第1中間梁7B側の端部のみが間柱11Dに支持されるものであるため、第2中間梁8Aの間柱11Dと、第1中間梁7Aの間柱11Cとの間に比較的大きな開口を設けることができる。すなわち、上述した大開口に加えて、比較的大きな開口を2つ設けることができる。
本実施形態に係る中間階床の支持構造のように、間柱11A〜11Dだけでなく、第2中間梁8A,8Bで第1中間梁7Bを支持する構造とすることによって、中間階床F3における支持箇所が少なくなり、中間階床F3に面する一面が大開口となるとともに、間柱11A〜11D間に比較的大きな開口が設けられる。このような大開口及び比較的大きな開口を利用することで、間柱位置に配慮することなく制振装置を設置したり、第1中間梁7Bと隣接するようにして階段ユニットを設置することが可能となり、中間階の階下の間取り等の設計の自由度が各段に向上する。
また、上述した大開口は第1中間梁7Bが面する面に設けられるものであり、比較的大きな開口のうち一方の開口は第1中間梁7Aが面する面に設けられるものであるところ、2階と第1中間梁7Bの大開口及び第1中間梁7Aの比較的大きな開口とは壁等を介さずに空間が連続することとなる。そのため、例えば第1中間梁7Aが面する面に窓を設けた場合には、該窓から取り込んだ光や風が、効果的に2階に導かれる。すなわち、本実施形態に係る中間階床の支持構造は、採光や通風の観点において優れた構造である。
本実施形態に係る中間階床の支持構造の形成方法では、一対の第2の通芯L3,L4上、及び、一の第1の通芯L1上に間柱11A〜11Dを設置し、柱4A〜4D間に梁5を架設し、第2の通芯L4上の間柱11A,11Bに、第2中間梁8Bを設置し、第2中間梁8Bと第1の通芯L1上の間柱11Cとの間に、第1中間梁7Aを架設し、第1中間梁7Aと第2の通芯L3上の間柱11Dとの間に、第2中間梁8Aを架設し、一対の第2中間梁8A,8Bの端部間に第1中間梁7Bを架設する。この中間階床の支持構造の形成方法では、中間階床F3の支持箇所が少なくなり、中間階床F3に面する一面が大開口となるとともに、間柱11A〜11D間に比較的大きな開口が設けられる。これにより、間柱位置に配慮することなく制振装置を設置したり、第1中間梁7Bと隣接するようにして階段ユニットを設置することが可能となり、中間階の階下の間取り等の設計の自由度が各段に向上する。
また、この方法では、間柱11A,11Bに第2中間梁8Bが設置された後に、間柱11C及び第2中間梁8B間に第1中間梁7Aが架設され、間柱11D及び第1中間梁7A間に第2中間梁8Aが架設され、その後に、一対の第2中間梁8A,8Bに第1中間梁7Bが架設される。つまり、第1中間梁、及び第2中間梁を予め組んでフレーム化した後で間柱に固定するのではなく、一方の第2中間梁8Bから、一方の第1中間梁7A、他方の第2中間梁8A、他方の第1中間梁7Bと、順次設置していく。先に中間梁のフレームを作ってしまうと取り回しが困難であり、うまく入れ込むことができない等の問題を生じる可能性がある。しかしながら、上記の方法では、第1中間梁7A,7B、及び、第2中間梁8A,8Bをフレーム化しないので、第1中間梁7A,7B、及び、第2中間梁8A,8Bを躯体に取り付ける際のハンドリングが容易であり、作業性も格段に向上する。
なお、本実施形態に係る中間階床の支持構造及びその形成方法のように、中間階の階下の間取り等の設計の自由度を向上させるべく中間階床F3における支持箇所を少なくする構造としては、ダウンフロアのように、上梁からアームを伸ばして中間床を支持する梁に連絡する構造が考えられる。しかしながら、当該構成においては、中間床が上下階の中間高さに位置するため、中間床を懸下するアームが長尺化してしまい地震時に中間床が大きく横揺れしてしまうという問題がある。この点、本実施形態に係る中間階床の支持構造は、上梁からアームを伸ばす構造ではないため、上述した地震時の横揺れも大きな問題とならない。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、間柱11A,11Bは、第2中間梁8Bの端部を支持するとして説明したが、間柱11A,11Bは、第2中間梁8Bの端部以外の箇所を支持するものであってもよい。また、本実施形態では、中間梁の支持手段として、下端部及び上端部の両方において梁(梁5、基礎梁37)に固定される間柱11A〜11Dについて説明したが、支持手段としては、上下階の梁のうち一方に固定される柱部材等であってもよい。また、間柱の設置位置や本数についても、本実施形態の態様に限定されず、中間階床梁フレーム9を構造上より安全に支持することができるように3本の間柱で中間梁を支持するようにしてもよい。
また、無床領域A2や中間階床F3の大きさや縦横の比率なども本実施形態で示したものに限らず、例えば、無床領域A2すべてに中間階床F3が形成されてもよい。また、第3中間梁10の数や架設方向も本実施形態の態様に限定されず、例えば、第1中間梁7A,7Bや第2中間梁8A,8Bの長さ、使用する床板Bの寸法、構造安全性等に応じて、第3中間梁を複数設けてもよいし、第3中間梁を全く設けないようにしてもよい。また、第3中間梁を第1中間梁7A,7Bで支持するように架設してもよい。
1…建物、4A,4B,4C,4D…柱、5…梁、7A,7B…第1中間梁、8A,8B…第2中間梁、9…中間階床梁フレーム、11A,11B,11C,11D…間柱、28…床仕上層、32…天井、34A,34B…内装壁材、36…外壁材、37…基礎梁、38…外周壁、72A,72B,81A,81B…フランジ、73,82…ウェブ、74,75,83…接合部、84…一般部、111…本体部、115…ブラケット部、117…鉛直面部、A1…有床領域、A2…無床領域、B…床板、F3…中間階床、L1,L2…第1の通芯、L3,L4…第2の通芯、S…床開口部、S1…中間階空間、S5…天井懐空間、S6…壁体内空間。
Claims (2)
- 互いに平行な複数の第1の通芯と、互いに平行であって且つ該第1の通芯に直交する複数の第2の通芯との交点に立設される柱と、隣り合う前記柱間に配設される梁と、前記梁に支持される床と、を備えた複数階建て建物における、中間階床の支持構造であって、
1階及び屋上階を除く所定の階において、床が敷設された有床領域と、床が敷設されない矩形状の無床領域とが形成されており、
前記無床領域の四周には、前記無床領域を画成する前記梁が配設されており、
前記無床領域の内部において、平面視で、前記無床領域を画成する前記梁に沿うと共に、前記無床領域を画成する前記梁よりも低く且つ下階の梁よりも高い位置に、中間階床梁フレームが設けられ、当該中間階床梁フレームにて前記中間階床を構成する床材が支持されており、
前記中間階床梁フレームを支持する間柱は、前記無床領域を画成する前記梁もしくはその直下の下階の梁の少なくとも一方に固定されており、
前記中間階床梁フレームは、前記第1の通芯に沿う一対の第1中間梁と、前記第2の通芯に沿う一対の第2中間梁と、を含んでおり、
前記一対の第2中間梁のうち、一方の前記第2中間梁は、2本の前記間柱に支持されており、
前記一対の第1中間梁のうち、一方の前記第1中間梁の一方の端部は、一方の前記第2中間梁の端部で支持されるとともに、一方の前記第2中間梁に支持される端部とは反対側となる端部が間柱に支持されており、
他方の前記第2中間梁の一方の端部は、一方の前記第1中間梁の端部で支持されるとともに、一方の前記第1中間梁に支持される端部とは反対側となる端部が間柱に支持されており、
他方の前記第1中間梁の両端部は、前記一対の第2中間梁の端部で支持されていることを特徴とする中間階床の支持構造。 - 互いに平行な複数の第1の通芯と、互いに平行であって且つ該第1の通芯に直交する複数の第2の通芯との交点に立設される柱と、隣り合う前記柱間に配設される梁と、梁に支持される床と、を備え、1階及び屋上階を除く所定の階において、床が敷設された有床領域と、床が敷設されない矩形状の無床領域とが形成されており、無床領域の四周には、無床領域を画成する梁が配設されており、無床領域の内部において、平面視で無床領域を画成する梁に沿うと共に、無床領域を画成する梁よりも低く且つ下階の梁よりも高い位置に、中間階床梁フレームが設けられ、当該中間階床梁フレームにて中間階床を構成する床材が支持されており、中間階床梁フレームを支持する間柱は、無床領域を画成する梁もしくはその直下の下階の梁の少なくとも一方に固定されており、中間階床梁フレームは、第1の通芯に沿う一対の第1中間梁と、第2の通芯に沿う一対の第2中間梁と、を含んでおり、一対の第2中間梁のうち、一方の前記第2中間梁は、2本の間柱に支持されており、一対の第1中間梁のうち、一方の第1中間梁の一方の端部は、一方の第2中間梁の端部で支持されるとともに、一方の第2中間梁に支持される端部とは反対側となる端部が間柱に支持されており、他方の第2中間梁の一方の端部は、一方の第1中間梁の端部で支持されるとともに、一方の第1中間梁に支持される端部とは反対側となる端部が間柱に支持されており、他方の第1中間梁の両端部は、一対の第2中間梁の端部で支持されている中間階床の支持構造の形成方法であって、
前記柱を設置すると共に、一対の前記第2の通芯上、及び、一の前記第1の通芯上に間柱を設置し、
前記柱間に前記梁を架設し、
一方の前記第2の通芯上の前記間柱に、一方の前記第2中間梁を設置し、
一方の前記第2中間梁と前記第1の通芯上の前記間柱との間に、一方の前記第1中間梁を架設し、
一方の前記第1中間梁と他方の前記第2の通芯上の前記間柱との間に、他方の前記第2中間梁を架設し、
前記一対の第2中間梁の端部間に他方の前記第1中間梁を架設することを特徴とする中間階床の支持構造の形成方法。
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