JP2015091080A - 回線割当方法および無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】端末局ごとに伝搬路の伝搬利得が変化する状況において、ノード局が利用できる全帯域の中から端末局間で帯域を融通し、全端末局が要求速度を達成するか、あるいは全端末局が公平かつできるだけ高い伝送速度を実現する。【解決手段】端末局ごとの伝搬路の伝搬利得および要求速度に基づいて割り当てられた通信回線により各端末局が通信を行う無線通信システムの回線割当方法において、端末局は、一定間隔で伝搬路の伝搬利得を検知して基地局に通知し、基地局は、伝搬路の伝搬利得が低下し、割り当てられた通信回線で要求速度を満たす通信ができない端末局(譲受局)に対して、回線割当当初の伝搬利得を維持または向上した端末局(譲渡局)から帯域の一部を譲渡し、通信回線の再割り当てを行って譲受局および譲渡局が通信を継続する制御を行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の端末局が1台のノード局を介して通信を行う無線通信システムにおいて、周波数帯域(以下、帯域という)を有効利用するために端末局への回線割当を制御する回線割当方法および無線通信システムに関する。
図11に示す衛星通信システムまたは図12に示すセルラ通信システムのように、通信衛星やセルラ基地局(本明細書では、ノード局という)を介して端末局と端末局が通信を行う無線通信システムでは、全通信回線の帯域の総和はノード局が利用できる全帯域に制限される。この帯域を各端末局が有効利用あるいは公平利用するために、回線割当装置が端末局の通信開始時に、端末局が要求する伝送速度(以下、要求速度という)の達成に必要な帯域を端末局に割り当てる、要求時割当多元接続(DAMA:Demand Assign Multiple Access)方式による回線割当が用いられる。なお、図11および図12では、端末局Aが天候や建物の遮蔽により伝搬路が変動している状況を示す。
図13は、通信モードごとのスペクトラム利用効率(帯域あたりの伝送速度) と所要C/N(通信を行うために必要なキャリア電力対雑音電力比) との関係を示す。ここで、通信モードは、端末局が通信に用いる変復調方式(BPSK,QPSK,8PSK,16QAMなど) と、誤り訂正符号化率(1/2, 3/4, 2/3 など) の組み合わせをいう。例えば、変復調方式QPSKと誤り訂正符号化率1/2 の通信モードを「QPSK 1/2」と表記する。併せて、各通信モードの数値(スペクトラム利用効率,所要C/N)を示す。
スペクトラム利用効率をη、要求速度をRreq とするとき、要求速度を満たすために端末局に割り当てる帯域Wは次式となる。
W=Rreq /η …(1)
式(1) より、できるだけ少ない帯域で通信を行うには、端末局はスペクトラム利用効率の大きい通信モードを用いることが望ましい。
一方、端末局の受信C/N(受信信号のキャリア電力対雑音電力比)は、端末局の伝搬路が悪くなったとき低下し、端末局の伝搬路が良くなったとき向上する。また、受信C/Nが所要C/Nよりも低くなると、ビットエラーが多くなり通信を行うことができない。そこで、図13より、スペクトラム利用効率の大きい通信モードほど所要C/Nが高くなることから、端末局は受信C/N以下となる最大の所要C/Nを持つ通信モードを選択すればよい。
図14は、従来の回線割当例を示す。
図14(1) は、伝搬路の受信C/Nがほぼ等しい端末局A,B,Cに、同じ要求速度(1Mbit/s )を達成する通信モード(QPSK 1/2)と帯域(1MHz )を割り当てた例である。ここで、図11および図12に示すように端末局Aの伝搬路が悪化し、図14(2) に示すように受信C/Nが所要C/Nよりも低くなると、端末局Aは通信を行うことができない。これに対応する従来の方法として、非特許文献1に示す適応変復調技術がある。この従来技術によれば、図14(3) に示すように、伝搬路が悪くなった端末局Aは、当初の通信モードよりも所要C/Nが低い通信モード(BPSK 1/2)に変更することにより通信を継続することができる。
S. Cioni, R. De Gaudenzi and R. Rinaldo:"Adaptive coding and modulation for the reverse link of broadband satellite networks ", IEEE Global Telecommunications Conference, GLOBECOM, Vol.2, Dallas, Texas, USA, pp.1101-1105 (2004). J. Mashino and T. Sugiyama: "A sub-spectrum suppressed transmission scheme for highly efficient satellite communications ", IEEE Vehicular Technology Conference Fall, VTC Fall, Anchorage, Alaska, pp.1-5 (2011). J. Abe, F. Yamashita, K. Nakahira and K. Kobayashi: "Direct spectrum division transmission for highly efficient frequency utilization in satellite communications",IEICE Transactions on Communications, 95, 2, pp.563-571 (2012). 風間, 阪田, 坂井, 加藤:"TDMA衛星通信システム用送信電力制御方式", 電子情報通信学会論文誌, 76, 5, pp.354-362 (1993). BHATTI, S., BATEMAN, M.:"Transport Protocol Throughput Fairness". Journal of Networks, North America, 4, 9, pp.881-894 (2009).
図13および図14において、通信モードQPSK 1/2の所要C/Nは1.9dB であり、通信モードBPSK 1/2の所要C/Nは-1.1dBであり、その差は3dBである。従って、QPSK 1/2で通信をしていた端末局の受信C/Nの低下が3dB以内であれば、端末局は通信モードをQPSK 1/2からBPSK 1/2に変更することにより、受信C/Nが所要C/Nを上回り通信を継続することができる。しかし、スペクトラム利用効率は、QPSK 1/2の1bit/s/HzからBPSK 1/2は 0.5bit/s/Hzに半減するため、当初の帯域(1MHz )で通信を継続すると伝送速度が半分(1Mbit/s から 500kbit/s )になる。すなわち、当初の伝送速度(1Mbit/s )に必要な帯域は2倍(2MHz )となる。従って、従来技術では、受信C/Nが低くなった端末局が通信モードを変更しても、当初の帯域のままでは要求速度を達成できないことがある。
一方、伝搬路が良くなり受信C/Nが高くなった端末局にあっては、要求速度を達成するだけであれば帯域に余裕があることになる。すなわち、スペクトラム利用効率の大きい通信モードに切り替えることにより、必要な帯域を削減することができる。例えば、端末局の受信C/Nが9dB以上良好になり、通信モードをQPSK 1/2から8PSK 3/4に変更できる場合には、要求速度1Mbit/s に必要な帯域は1MHz から1/2.25=0.44MHz になり、0.56MHz の帯域が余裕となる。また、通信モードがQPSK 1/2のままで、要求速度を1Mbit/s から 750kbit/s に下げた場合に必要な帯域は1MHz から0.75MHz になり、0.25MHz の帯域が余裕となる。
本発明は、端末局ごとに伝搬路の伝搬利得が変化する状況において、ノード局が利用できる全帯域の中から端末局間で帯域を融通し、全端末局が要求速度を達成するか、あるいは全端末局が公平かつできるだけ高い伝送速度を実現することができる回線割当方法および無線通信システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、複数の端末局と、当該端末局の通信を中継するノード局と、これらの通信に用いる通信回線の割り当てを行う基地局とにより構成され、端末局ごとの伝搬路の伝搬利得および要求速度に基づいて割り当てられた通信回線により各端末局が通信を行う無線通信システムの回線割当方法において、端末局は、一定間隔で伝搬路の伝搬利得を検知して基地局に通知し、基地局は、伝搬路の伝搬利得が低下し、割り当てられた通信回線で要求速度を満たす通信ができない端末局(譲受局)に対して、回線割当当初の伝搬利得を維持または向上した端末局(譲渡局)から帯域の一部を譲渡し、通信回線の再割り当てを行って譲受局および譲渡局が通信を継続する制御を行う。
第1の発明の回線割当方法において、基地局は、譲渡局でスペクトラム利用効率の高い通信モードに変えたときに、要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの譲渡局で余剰となる帯域を譲受局に譲渡し、通信モードの切り替えを含む通信回線の再割り当てを行う。
第1の発明の回線割当方法において、基地局は、譲渡局および譲受局の要求速度を下げたときに、譲渡局で要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、下げた要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの譲渡局で余剰となる帯域を譲受局に譲渡し、通信モードの切り替えを含む通信回線の再割り当てを行う。
第1の発明の回線割当方法において、基地局は、譲渡局でスペクトラム削減伝送を行ったときに、要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、下げた要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの譲渡局で余剰となる帯域を譲受局に譲渡し、通信モードの切り替えを含む通信回線の再割り当てを行う。
第2の発明は、複数の端末局と、当該端末局の通信を中継するノード局と、これらの通信に用いる通信回線の割り当てを行う基地局とにより構成され、端末局ごとの伝搬路の伝搬利得および要求速度に基づいて割り当てられた通信回線により各端末局が通信を行う無線通信システムにおいて、端末局は、一定間隔で伝搬路の伝搬利得を検知して基地局に通知する手段を備え、基地局は、伝搬路の伝搬利得が低下し、割り当てられた通信回線で要求速度を満たす通信ができない端末局(譲受局)に対して、回線割当当初の伝搬利得を維持または向上した端末局(譲渡局)から帯域の一部を譲渡し、通信回線の再割り当てを行って譲受局および譲渡局が通信を継続する制御を行う制御手段を備える。
第2の発明の無線通信システムにおいて、端末局は、スペクトラム利用効率の異なる通信モードに切り替える手段を備え、基地局の制御手段は、譲渡局でスペクトラム利用効率の高い通信モードに変えたときに、要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの譲渡局で余剰となる帯域を譲受局に譲渡し、通信モードの切り替えを含む通信回線の再割り当てを行う構成である。
第2の発明の無線通信システムにおいて、端末局は、スペクトラム利用効率の異なる通信モードに切り替える手段を備え、基地局の制御手段は、譲渡局および譲受局の要求速度を下げたときに、譲渡局で要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、下げた要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの譲渡局で余剰となる帯域を譲受局に譲渡し、通信モードの切り替えを含む通信回線の再割り当てを行う構成である。
第2の発明の無線通信システムにおいて、端末局は、スペクトラム利用効率の異なる通信モードに切り替える手段と、スペクトラム削減伝送を行う手段とを備え、基地局の制御手段は、譲渡局でスペクトラム削減伝送を行ったときに、要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、下げた要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの譲渡局で余剰となる帯域を譲受局に譲渡し、通信モードの切り替えを含む通信回線の再割り当てを行う構成である。
本発明は、端末局ごとの伝搬路の状況が変化しても、1つの譲受局に対して1つ以上の譲渡局があれば、それぞれの通信モードを変更し、あるいはスペクトラム削減伝送により譲渡局で余剰となる帯域を確保し、譲渡局から譲受局へ帯域の譲渡を行うことにより、各端末局で当初の要求速度を維持することができる。
本発明は、端末局ごとの伝搬路の状況が変化しても、1つの譲受局に対して1つ以上の譲渡局があれば、それぞれの要求速度を下げることにより譲渡局で余剰となる帯域を確保し、譲渡局から譲受局へ帯域の譲渡を行うことにより、各端末局に公平かつできるだけ高い伝送速度を提供することができる。
本発明における端末局と基地局の通信シーケンスを示す図である。 本発明における帯域譲渡の実施例1を示す図である。 本発明における帯域譲渡の実施例2を示す図である。 本発明における帯域譲渡の実施例3を示す図である。 スペクトラム削減伝送による所要C/N特性を示す図である。 本発明における帯域譲渡の実施例4を示す図である。 本発明における帯域譲渡の実施例5を示す図である。 本発明における帯域譲渡の実施例6を示す図である。 本発明の無線通信システムの基地局および端末局の構成例を示す図である。 伝搬利得を測定する方法の例を説明する図である。 衛星通信システムの構成例を示す図である。 セルラ通信システムの構成例を示す図である。 通信モードごとのスペクトラム利用効率と所要C/Nとの関係を示す図である。 従来の回線割当例を示す図である。
本発明は、端末局ごとに伝搬路の伝搬利得(伝搬路の状況を数値化した値、例えば受信C/N)が変化する状況において、回線割当が行われた当初の伝搬利得が低下した端末局に対して、伝搬利得を維持または伝搬利得が向上した端末局から帯域の一部を譲渡することにより、全端末局が所定の要求速度で通信を維持できるように制御することを特徴とする。ここで、帯域の一部を譲渡する端末局を譲渡局、帯域の譲渡を受ける端末局を譲受局という。
本発明の第1の実施形態は、伝搬利得が低下して帯域の譲渡がなければ当初の要求速度を維持できない譲受局と、伝搬利得が向上して帯域の一部を譲渡しても当初の要求速度を維持できる譲渡局がそれぞれ出現したときに、譲渡局から譲受局へ帯域の一部を譲渡することにより、ともに当初の要求速度を維持しながら通信を可能にする。すなわち、伝搬利得が向上した譲渡局は、スペクトラム利用効率の高い通信モードに切り替え、またはスペクトラム削減伝送(詳しくは後述する)により、当初の要求速度の維持と譲渡する帯域を確保する。一方、伝搬利得が低下した譲受局は、スペクトラム利用効率の低い通信モードに切り替え、かつ譲渡された帯域を加えることにより、当初の要求速度を確保する。
本発明の第2の実施形態は、伝搬利得が低下して帯域の譲渡がなければ当初の要求速度を維持できない譲受局が出現する一方で、伝搬利得が十分に向上していないため要求速度を維持したままでは譲渡する帯域を確保できない端末局があるときに、ノード局が利用できる全帯域の範囲で、各端末局に公平かつできるだけ高い要求速度を提供できるように、要求速度を下げて帯域の一部を譲渡できる譲渡局を確保する。例えば、各端末局の当初の要求速度が1Mbit/s であるときに、通信モードの切り替えによる譲渡帯域を確保できない場合に、各端末局の要求速度を1Mbit/s から例えば 750kbit/s に低下させるにより譲渡帯域を確保し、公平な要求速度の達成を実現する。
以下、2つの実施形態をベースに、譲渡局において譲渡帯域を確保するための各実施例について説明するが、その前に端末局と基地局の通信シーケンスについて説明する。
図1は、本発明における端末局と基地局の通信シーケンスを示す。ここで、基地局(帯域割当装置)は、図11に示す衛星通信システムの通信衛星またはセルラ通信システムのセルラ基地局に接続され、端末局との間で帯域割当および帯域譲渡の制御を行う。
図1において、各端末局と基地局(帯域割当装置)は、それぞれ非同期に動作するが、帯域の譲渡に伴う伝送パラメータ(通信モード、帯域、中心周波数)の伝送(f),(f')は同期して行う必要がある。
端末局は、一定間隔で伝搬利得(伝搬路の状況を数値化した値、例えば受信C/N)を検知して基地局に送信する((a),(a'))。端末局が通信開始時に回線要求信号を基地局に送信すると((b),(b'))、基地局は回線要求内容と伝搬利得をもとに伝搬パラメータを決定し、当該端末局に返信する((c),(c'))。その後、端末局は返信された伝送パラメータを用いてデータの送受信を行う((d),(d'))。
次に、一定間隔で検知される伝搬利得が一方の端末局で向上し、他方の端末局で劣化した場合を想定する((e),(e'))。ここで、ある端末局の伝搬利得が低下し、受信C/Nが要求C/Nを下回ると、そのままでは通信を継続できないので、基地局は本発明の以下の手順に従って譲渡局から譲受局に帯域の譲渡を行う処理を行う。
手順1:受信C/Nが要求C/Nを下回った端末局を譲受局とする。
手順2:譲受局以外の複数の端末局から譲渡局となりうる端末局を1台以上選出する。 手順3:譲渡局から譲受局に帯域を譲渡するために双方の伝搬パラメータを変更する。
基地局は、変更された伝送パラメータを譲渡局および譲受局双方に同期して送信する((f),(f'))。譲渡局および譲受局は、変更された伝送パラメータを用いてデータの送受信を行う((g),(g'))。
ここで、譲渡局となりうる端末局とは、当初の通信モードにおける所要C/Nよりも高い受信C/Nが得られて帯域に余裕があり、より高い所要C/Nの通信モードやスペクトラム削減率(詳しくは後述する)を選択できる端末局である。あるいは、当初の要求速度を下げて対応する場合(詳しくは後述する)には、受信C/Nが要求C/Nを上回る端末局でもよい。基地局は、先に譲渡局となりうる端末局を認識し、その後に譲受局となる端末局を認識した場合は、その時点で上記の手順1〜3を実行する。しかし、先に譲受局となる端末局を認識した場合は、譲渡局となりうる端末局が現れるまで所定の期間だけ手順の実行を保留する。所定の期間が経過しても譲渡局となりうる端末局が現れなければ、当該手順の実行をキャンセルする。
なお、図1に示す通信シーケンスは、端末局と基地局の通信を前提としたが、端末局間の通信の場合は、基地局が送信側端末局と受信側端末局のそれぞれの伝送パラメータを決定して送信した後に、送信側端末局は、データ送信時に受信側端末局の端末局IDを付加すればよい。
図2は、本発明における帯域譲渡の実施例1を示す。実施例1は、端末局ごとの伝搬路の状況が変化しても、各端末局が当初の要求速度を達成するように各端末局間で帯域の譲渡を行う例を示す。
図2(1) は、端末局A,B,Cの当初の帯域割当例を示す。端末局A,B,Cの要求速度をそれぞれ1Mbit/s とし、通信モードをQPSK 1/2(スペクトラム利用効率:1.00)とすると、各端末局には1MHz の帯域が割り当てられる。このとき、各端末局の受信C/Nは、QPSK 1/2の所要C/N以上になっている。
図2(2) は、端末局Aの受信C/Nが劣化して通信不可となり、端末局B,Cの受信C/Nが向上して帯域譲渡が可能となり、それぞれ譲受局A、譲渡局B,Cとなる例を示す。譲渡局B,Cでは、通信モードをQPSK 1/2から、受信C/Nが所要C/Nを満たす8PSK 3/4(スペクトラム利用効率:2.25)に変更する。このとき要求速度1Mbit/s に必要な帯域は1MHz から1/2.25=0.44MHz になり、0.56MHz の帯域が余裕となる。すなわち、譲渡局B,Cは、通信モードを変更することにより、当初の伝送速度を維持したまま、それぞれ0.56MHz ずつ合計1.12MHz の帯域が余裕となり、譲渡が可能となる。
図2(3) は、譲渡局B,Cから譲受局Aへの帯域の譲渡を示す。譲受局Aは、通信モードをQPSK 1/2から、受信C/Nが所要C/Nを満たすBPSK 1/2(スペクトラム利用効率:0.50)に変更する。このとき、要求速度1Mbit/s に必要な帯域は1MHz から1/0.50=2MHz になる。譲受局Aは、譲渡局B,Cから余裕の帯域1.12MHz のうち1MHz を譲渡され、当初の帯域1MHz と合わせて2MHz を確保することにより、当初の伝送速度1Mbit/s を維持することができる。
なお、譲受局Aと、譲渡局B,Cは、それぞれの帯域の幅が変わるため、周波数が重なる場合には帯域の中心周波数を変更する。
以上により、端末局ごとの伝搬路の状況が変化しても、1つの譲受局に対して1つ以上の譲渡局があれば、それぞれの通信モードを変更して譲渡局から譲受局へ帯域の譲渡を行うことにより、各端末局で当初の要求速度を維持することができる。
図3は、本発明における帯域譲渡の実施例2を示す。実施例2は、端末局ごとの伝搬路の状況が変化しても、ノード局が利用できる全帯域の範囲で、各端末局に公平かつできるだけ高い伝送速度を提供できるように、各端末局間で帯域の譲渡を行う例を示す。
図3(1) は、端末局A,B,Cの当初の帯域割当例を示す。端末局A,B,Cの要求速度をそれぞれ1Mbit/s とし、通信モードをQPSK 1/2(スペクトラム利用効率:1.00)とすると、各端末局には1MHz の帯域が割り当てられる。このとき、各端末局の受信C/Nは、QPSK 1/2の所要C/N以上になっている。
図3(2) は、端末局Aの受信C/Nが劣化して通信不可となり、端末局B,Cの受信C/Nは向上しないが、それぞれ譲受局A、譲渡局B,Cとなる例を示す。ここで、ノード局が利用できる全帯域の範囲で、各端末局に公平かつできるだけ高い要求速度を提供するために、当初の要求速度1Mbit/s を 750kbit/s に下げる。
譲渡局B,Cでは、通信モードをQPSK 1/2に維持したまま、伝送速度を1Mbit/s から 750kbit/s に下げると、必要とする帯域が1MHz から0.75MHz になり、0.25MHz の帯域が余裕となる。すなわち、譲渡局B,Cは、伝送速度を低下させて帯域の一部を削除することにより、それぞれ0.25MHz ずつ合計 0.5MHz の帯域が余裕となり、譲渡が可能となる。
図3(3) は、譲渡局B,Cから譲受局Aへの帯域の譲渡を示す。譲受局Aは、通信モードをQPSK 1/2から、受信C/Nが所要C/Nを満たすBPSK 1/2(スペクトラム利用効率:0.50)に変更する。このとき、要求速度 750kbit/s に必要な帯域は0.75MHz から0.75/0.50= 1.5MHz になる。譲受局Aは、譲渡局B,Cから余裕の帯域 0.5MHz を譲渡され、当初の帯域1MHz と合わせて 1.5MHz を確保することにより、要求速度 750kbit/s を達成することができる。
なお、譲受局Aと、譲渡局B,Cは、それぞれの帯域の幅が変わるため、周波数が重なる場合には帯域の中心周波数を変更する。
以上により、端末局ごとの伝搬路の状況が変化し、特に受信C/Nが低下して現状のままでは通信不可となる端末局が発生する一方で、受信C/Nが向上する端末局がない場合でも、要求速度を下げるとともに譲受局の通信モードを変更して譲渡局から譲受局へ帯域の譲渡を行うことにより、各端末局に公平かつできるだけ高い伝送速度を提供することができる。
図4は、本発明における帯域譲渡の実施例3を示す。実施例3は、実施例1,2を合わせたものであり、受信C/Nが低下して現状のままでは通信不可となる端末局が発生する一方で、受信C/Nが向上する端末局があり、要求速度を下げるとともにそれぞれの通信モードを変更して譲渡局から譲受局へ帯域の譲渡を行うことにより、各端末局に公平かつできるだけ高い伝送速度を提供する例を示す。
図4(1) は、端末局A,Bの当初の帯域割当例を示す。端末局A,Bの要求速度をそれぞれ1Mbit/s とし、通信モードをQPSK 1/2(スペクトラム利用効率:1.00)とすると、各端末局には1MHz の帯域が割り当てられる。このとき、各端末局の受信C/Nは、QPSK 1/2の所要C/N以上になっている。
図4(2) は、端末局Aの受信C/Nが劣化して通信不可となり、端末局Bの受信C/Nが向上して帯域譲渡が可能となり、それぞれ譲受局A、譲渡局Bとなる例を示す。ここでは、譲渡局Bにおいて通信モードの変更だけでは譲渡可能な十分な帯域を確保できない場合に、各端末局に公平かつできるだけ高い要求速度を提供するために、当初の要求速度1Mbit/s を 750kbit/s に下げる。
譲渡局Bでは、通信モードをQPSK 1/2から、受信C/Nが所要C/Nを満たすQPSK 3/4(スペクトラム利用効率:1.50)に変更する。このとき、要求速度1Mbit/s に必要とする帯域が1MHz から1/1.5 =0.67MHz になり、さらに要求速度 750kbit/s に下げると、必要な帯域は0.67×0.75=0.50MHz になり、0.50MHz の帯域が余裕となる。すなわち、譲渡局Bは、通信モードの変更と要求速度の低下により、0.50MHz の帯域が余裕となり、譲渡が可能となる。
図4(3) は、譲渡局Bから譲受局Aへの帯域の譲渡を示す。譲受局Aは、通信モードをQPSK 1/2から、受信C/Nが所要C/Nを満たすBPSK 1/2(スペクトラム利用効率:0.50)に変更する。このとき、要求速度 750kbit/s に必要な帯域は0.75MHz から0.75/0.50= 1.5MHz になる。譲受局Aは、譲渡局Bから余裕の帯域 0.5MHz を譲渡され、当初の帯域1MHz と合わせて 1.5MHz を確保することにより、要求速度 750kbit/s を達成することができる。
なお、譲受局Aと、譲渡局Bは、それぞれの帯域の幅が変わるため、周波数が重なる場合には帯域の中心周波数を変更する。
以上により、端末局ごとの伝搬路の状況が変化し、特に受信C/Nが低下して現状のままでは通信不可となる端末局が発生する一方で、受信C/Nが向上する端末局があれば、それぞれの通信モードを変更し、かつ要求速度を下げて譲渡局から譲受局へ帯域の譲渡を行うことにより、各端末局に公平かつできるだけ高い伝送速度を提供することができる。
実施例1の譲渡局B,Cは、受信C/Nが向上したために、所要C/Nが高くかつスペクトラム利用効率が高い通信モード、例えばQPSK 1/2から8PSK 3/4に変更することにより、スペクトラム利用効率のアップに伴う余剰帯域を確保して譲渡した。
実施例2の譲渡局B,Cは、受信C/Nを維持しており、通信モードの切り替えによる帯域を確保できないが、各端末局に公平かつできるだけ高い伝送速度を提供するために、通信モードを維持したまま伝送速度を低下させて得られる余剰帯域を確保して譲渡した。
実施例3の譲渡局Bは、通信モードの切り替えによる余剰帯域を譲渡するだけでは、譲受局Aの通信速度を維持できない場合に、各端末局に公平かつできるだけ高い伝送速度を提供するために、通信モードの切り替えと伝送速度の低下による余剰帯域を確保して譲渡した。
実施例4の譲渡局は、受信C/Nが向上したときに、スペクトラム削減伝送方式(非特許文献2)により削減した帯域を譲渡する。スペクトラム削減伝送方式では、伝送速度を維持したまま、送信側で帯域の一部を削減して信号を送信する。このとき、受信側では、帯域の一部が削減されたことに伴って信号歪みが発生するが、信号補償技術により信号歪みを取り除いて正常な受信処理を行うことができる。すなわち、本方式による帯域譲渡のための帯域削減は、受信側の信号補償技術とセットで用いられることになる。
削減する帯域の幅を変えることにより、帯域当たりの伝送速度であるスペクトラム利用効率を変える。このとき、スペクトラム利用効率に対する所要C/Nの値は、図5に示すようにスペクトラム利用効率のアップとともにアップする。なお、スペクトラム利用効率に対する所要C/Nの変化の様子は、通信モードによって異なる。
スペクトラム削減伝送方式において、削減前の帯域の幅をWb とし、削減後の帯域の幅をWa とするとき、スペクトラム削減率Cを次式で定義する。
C=1−Wa /Wb
図6は、スペクトラム削減による帯域譲渡の実施例4を示す。
図6(1) は、端末局A,B,Cの当初の帯域割当例を示す。端末局A,B,Cの要求速度をそれぞれ1Mbit/s とし、通信モードをQPSK 1/2(スペクトラム利用効率:1.00)とすると、各端末局には1MHz の帯域が割り当てられる。このとき、各端末局の受信C/Nは、QPSK 1/2の所要C/N以上になっている。
図6(2) は、端末局Aの受信C/Nが劣化して通信不可となり、端末局B,Cの受信C/Nが向上して帯域譲渡が可能となり、それぞれ譲受局A、譲渡局B,Cとなる例を示す。
譲渡局B,Cでは、通信モードQPSK 1/2と伝送速度1Mbit/s を維持したまま、スペクトラム削減率C=0.5 とすると、伝送速度1Mbit/s に必要とする帯域が1MHz から 0.5MHz になり、 0.5MHz の帯域が余裕となる。すなわち、譲渡局B,Cは、スペクトラム削減伝送により帯域の一部を削減することにより、それぞれ 0.5MHz ずつ合計1MHz の帯域が余裕となり、譲渡が可能となる。
図6(3) は、譲渡局B,Cから譲受局Aへの帯域の譲渡を示す(図2(3) と同様)。譲受局Aは、通信モードをQPSK 1/2から、受信C/Nが所要C/Nを満たすBPSK 1/2(スペクトラム利用効率:0.50)に変更する。このとき、要求速度1Mbit/s に必要な帯域は1MHz から1/0.50=2MHz になる。譲受局Aは、譲渡局B,Cから余裕の帯域1MHz を譲渡され、当初の帯域1MHz と合わせて2MHz を確保することにより、当初の伝送速度1Mbit/s を維持することができる。
図7は、スペクトラム削減による帯域譲渡の実施例5を示す。ここでは、譲渡局B,Cが、スペクトラム削減伝送と通信モードの変更を同時に行い、譲渡する帯域を確保する例を示す。図7(1),(3) は、図6(1),(3) の実施例4と同様である。
図7(2) において、譲渡局B,Cは、通信モードをQPSK 1/2から、受信C/Nが所要C/Nを満たすQPSK 3/4(スペクトラム利用効率:1.50)に変更する。このとき要求速度1Mbit/s に必要な帯域は1MHz から1/1.50=0.67MHz になり、0.33MHz の帯域が余裕となる。すなわち、譲渡局B,Cは、通信モードを変更することにより、当初の伝送速度を維持したまま、それぞれ0.33MHz ずつ合計0.66MHz の帯域が余裕となり、譲渡が可能となる。
しかし、このままでは1MHz の帯域譲渡を必要としている譲受局Aの要求を満たすことができない。そこで、伝送速度1Mbit/s を維持したまま、スペクトラム削減率C=0.25とすると、伝送速度1Mbit/s に必要とする帯域が0.67MHz から 0.5MHz になり、 0.5MHz の帯域が余裕となる。すなわち、譲渡局B,Cは、通信モードの変更と、スペクトラム削減伝送により帯域の一部を削減することにより、それぞれ 0.5MHz ずつ合計1MHz の帯域が余裕となり、譲渡が可能となる。
同様に、譲渡局B,Cは、通信モードの変更と、スペクトラム削減伝送による帯域の一部削減と、要求速度を下げることにより、譲渡局B,Cから譲受局Aへ譲渡する帯域を確保し、各端末局に公平かつできるだけ高い伝送速度を提供するようにしてもよい。このように、以上示した各実施例は適宜組み合わせることができる。
また、以上の各実施例において、各端末局の要求速度を均一の1Mbit/s としたが、必ずしも均一である必要はなく、端末局ごとに異なる要求速度を維持するように帯域譲渡を行うようにしてもよい。また、各端末局に対する公平かつできるだけ高い伝送速度は、必ずしも均一である必要はなく、当初の要求速度に対する伝送速度の比率が公平であってもよい。
実施例1〜実施例5の譲受局Aでは、当初の帯域1MHz と、譲渡局B,Cまたは譲受局Bから譲渡された帯域とを連続した帯域として利用したが、実施例6の譲受局Aは、スペクトラム合成伝送方式(非特許文献3)を用いることにより、譲渡された帯域をそのまま利用する。図8は、実施例1に適用した帯域譲渡の実施例6を示すが、実施例2〜実施例5に適用する場合にも同様である。譲受局Aは、譲渡局B,Cから譲渡された帯域を含む合計2MHz の帯域でスペクトラム合成伝送を行う。
スペクトラム合成伝送方式は、送信側で伝送速度を保ったまま、周波数軸上で連続した帯域を複数の狭い帯域(サブスペクトラム)に分割して信号の送信を行う。受信側では、複数の狭い帯域を送信側と同じ周波数軸上で連続した帯域に合成し、伝送データを復元する。このスペクトラム合成伝送方式を用いることにより、帯域の譲渡前後のスペクトラムの中心周波数を変える必要がない利点がある。
図9は、本発明の無線通信システムの基地局および端末局の構成例を示す。
図9において、無線通信システムを構成する基地局10は、アンテナ部11、送受信部12、アクセス制御部13、回線管理データベース(DB)14、回線割当処理部15、データ入出力部16により構成され、端末局20は、アンテナ部21、送受信部22、アクセス制御部23、伝搬路測定部24、回線要求部25、データ入出力部26により構成される。
基地局10は、回線管理DB14において、端末局IDと関連付けて端末局ごとの伝搬利得(伝搬路の状況を数値化した値、例えば受信C/N)と伝送パラメータをデータベース化している。送受信部12から回線要求信号を受信すると、アクセス制御部13が端末局IDと要求速度の情報を取り出し、回線割当処理部15に通知する。回線割当処理部15は、回線管理DB14から端末局IDに対する伝搬利得を取り出し、要求速度と伝搬利得から、通信モードと帯域を決定する。さらに、回線管理DB14から帯域を配置できる未使用帯域の中心周波数を決定する。その後、当該端末局へ決定した伝送パラメータを返信すると共に、回線管理DB14の当該端末局の端末局IDに対する伝送パラメータをアップデートする。送受信部12から伝搬利得を受信すると、アクセス制御部13が端末局IDと伝搬利得を取り出し、回線管理DB14の内容をアップデートする。このとき伝搬利得から当該端末局IDの受信C/Nを計算し、所要C/Nを下回る場合、当該端末局IDを譲受局とする。また、回線管理DB14から譲渡局を決定し、本発明の方法により譲受局と譲渡局の伝送パラメータを決定し、それらの局に返信すると共に、回線管理DB14の伝送パラメータをアップデートする。また、データ入出力部16から送受信部12にデータが入力されると、アクセス制御部13でデータに送信先の端末局IDを付加して送受信部12から送信する。また、送受信部から受信したデータに基地局IDが付加されていることをアクセス制御部で検知すると、データをデータ入出力部から出力する。
端末局20は、伝搬路測定部24で一定間隔で伝搬利得を測定し、アクセス制御部23で伝搬利得に端末局IDを付加して送受信部22から基地局10に送信する。また、通信要求が発生すると、アクセス制御部23で要求速度に端末局IDを付加して送受信部22から基地局10に送信する。また、アクセス制御部23において、送受信部22から受信した伝送パラメータに当該端末局の端末局IDが付加されていることを検知すると、伝送パラメータの内容を送受信部22に設定し、以降は当該伝送パラメータを用いて信号の送受信を行う。また、データ入出力部26から送受信部22にデータが入力されると、アクセス制御部23でデータに送信先の基地局IDを付加して送受信部22から送信する。また、送受信部22から受信したデータに当該端末局の端末局IDが付加されていることをアクセス制御部23で検知すると、データをデータ入出力部26から出力する。
端末局20において、伝搬利得を測定する方法として、図10に示す3通りの方法がある(非特許文献4)。
図10(1) のオープンループ方式は、通信衛星(ノード局)から一定電力で常時送信されるビーコン波を端末局が受信し、ビーコン波の受信レベルから伝搬利得を得る。
図10(2) のクローズドループ方式は、通信衛星(ノード局)へ折り返し信号を送信し、自局に折り返された信号の受信レベルから伝搬利得を得る。
図10(3) のフィードバック方式は、端末局から一定電力で送信される信号を通信衛星(ノード局)を介して基地局で受信し、その受信レベルから伝搬利得を測定し、端末局にフィードバックする。
(性能評価)
無線サービスエリア内をランダム移動する多数の端末局への回線割当のシミュレーションを行い、従来技術と本発明による伝送速度の公平性指標を比較する。公平性指標は公平性を示す一般的な指標であり、非特許文献5に記載がある。0から1までの値をとり1に近いほど公平性が高い。要求速度は当初は1600kbit/s とするが、1600kbit/s が達成できないときは、順次800, 400, 200, 100kbit/s へと低下させる。また、端末局の伝搬路の状況が変化し可能な場合は、より高い要求速度に変更する。ノード局の全帯域は72MHz とした。その結果、公平性指標および伝送速度合計は次のようになった。
従来技術: 0.43 、 975Mbit/s
本発明 : 0.90 、1068Mbit/s
このように、本発明は従来技術によりも公平性指標が1に近くなると同時に、全端末局の伝送速度の合計値も高くなる。
10 基地局
11 アンテナ部
12 送受信部
13 アクセス制御部
14 回線管理データベース(DB)
15 回線割当処理部
16 データ入出力部
20 端末局
21 アンテナ部
22 送受信部
23 アクセス制御部
24 伝搬路測定部
25 回線要求部
26 データ入出力部
第1の発明は、複数の端末局と、当該端末局の通信を中継するノード局と、これらの通信に用いる通信回線の割り当てを行う基地局とにより構成され、端末局ごとの伝搬路の伝搬利得および要求速度に基づいて割り当てられた通信回線により各端末局が通信を行う無線通信システムの回線割当方法において、端末局は、一定間隔で伝搬路の伝搬利得を検知して基地局に通知し、基地局は、伝搬路の伝搬利得が低下し、当該低下した伝搬利得に対応してスペクトラム利用効率の低い通信モードに変更したときに帯域不足により要求速度を満たせない端末局(譲受局)に対して、回線割当当初の伝搬利得を維持または向上した端末局(譲渡局)から余剰となる帯域の一部を譲渡し、通信回線の再割り当てを行って譲受局および譲渡局が通信を継続する制御を行う。
第1の発明の回線割当方法において、基地局は、譲渡局でスペクトラム削減伝送を行ったときに、要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの譲渡局で余剰となる帯域を譲受局に譲渡し、通信モードの切り替えを含む通信回線の再割り当てを行う。
第2の発明は、複数の端末局と、当該端末局の通信を中継するノード局と、これらの通信に用いる通信回線の割り当てを行う基地局とにより構成され、端末局ごとの伝搬路の伝搬利得および要求速度に基づいて割り当てられた通信回線により各端末局が通信を行う無線通信システムにおいて、端末局は、一定間隔で伝搬路の伝搬利得を検知して基地局に通知する手段を備え、基地局は、伝搬路の伝搬利得が低下し、当該低下した伝搬利得に対応してスペクトラム利用効率の低い通信モードに変更したときに帯域不足により要求速度を満たせない端末局(譲受局)に対して、回線割当当初の伝搬利得を維持または向上した端末局(譲渡局)から余剰となる帯域の一部を譲渡し、通信回線の再割り当てを行って譲受局および譲渡局が通信を継続する制御を行う制御手段を備える。
第2の発明の無線通信システムにおいて、端末局は、スペクトラム利用効率の異なる通信モードに切り替える手段と、スペクトラム削減伝送を行う手段とを備え、基地局の制御手段は、譲渡局でスペクトラム削減伝送を行ったときに、要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの譲渡局で余剰となる帯域を譲受局に譲渡し、通信モードの切り替えを含む通信回線の再割り当てを行う構成である。

Claims (8)

  1. 複数の端末局と、当該端末局の通信を中継するノード局と、これらの通信に用いる通信回線の割り当てを行う基地局とにより構成され、端末局ごとの伝搬路の伝搬利得および要求速度に基づいて割り当てられた通信回線により各端末局が通信を行う無線通信システムの回線割当方法において、
    前記端末局は、一定間隔で前記伝搬路の伝搬利得を検知して前記基地局に通知し、
    前記基地局は、前記伝搬路の伝搬利得が低下し、割り当てられた通信回線で前記要求速度を満たす通信ができない端末局(以下、譲受局という)に対して、回線割当当初の伝搬利得を維持または向上した端末局(以下、譲渡局という)から帯域の一部を譲渡し、前記通信回線の再割り当てを行って譲受局および譲渡局が通信を継続する制御を行う
    ことを特徴とする回線割当方法。
  2. 請求項1に記載の回線割当方法において、
    前記基地局は、前記譲渡局でスペクトラム利用効率の高い通信モードに変えたときに、前記要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに前記譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、前記要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの前記譲渡局で余剰となる帯域を前記譲受局に譲渡し、前記通信モードの切り替えを含む前記通信回線の再割り当てを行う
    ことを特徴とする回線割当方法。
  3. 請求項1に記載の回線割当方法において、
    前記基地局は、前記譲渡局および前記譲受局の前記要求速度を下げたときに、前記譲渡局で前記要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに前記譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、前記下げた要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの前記譲渡局で余剰となる帯域を前記譲受局に譲渡し、前記通信モードの切り替えを含む前記通信回線の再割り当てを行う
    ことを特徴とする回線割当方法。
  4. 請求項1に記載の回線割当方法において、
    前記基地局は、前記譲渡局でスペクトラム削減伝送を行ったときに、前記要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに前記譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、前記下げた要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの前記譲渡局で余剰となる帯域を前記譲受局に譲渡し、前記通信モードの切り替えを含む前記通信回線の再割り当てを行う
    ことを特徴とする回線割当方法。
  5. 複数の端末局と、当該端末局の通信を中継するノード局と、これらの通信に用いる通信回線の割り当てを行う基地局とにより構成され、端末局ごとの伝搬路の伝搬利得および要求速度に基づいて割り当てられた通信回線により各端末局が通信を行う無線通信システムにおいて、
    前記端末局は、一定間隔で前記伝搬路の伝搬利得を検知して前記基地局に通知する手段を備え、
    前記基地局は、前記伝搬路の伝搬利得が低下し、割り当てられた通信回線で前記要求速度を満たす通信ができない端末局(以下、譲受局という)に対して、回線割当当初の伝搬利得を維持または向上した端末局(以下、譲渡局という)から帯域の一部を譲渡し、前記通信回線の再割り当てを行って譲受局および譲渡局が通信を継続する制御を行う制御手段を備えた
    ことを特徴とする無線通信システム。
  6. 請求項5に記載の無線通信システムにおいて、
    前記端末局は、スペクトラム利用効率の異なる通信モードに切り替える手段を備え、
    前記基地局の制御手段は、前記譲渡局でスペクトラム利用効率の高い通信モードに変えたときに、前記要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに前記譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、前記要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの前記譲渡局で余剰となる帯域を前記譲受局に譲渡し、前記通信モードの切り替えを含む前記通信回線の再割り当てを行う構成である
    ことを特徴とする無線通信システム。
  7. 請求項5に記載の無線通信システムにおいて、
    前記端末局は、スペクトラム利用効率の異なる通信モードに切り替える手段を備え、
    前記基地局の制御手段は、前記譲渡局および前記譲受局の前記要求速度を下げたときに、前記譲渡局で前記要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに前記譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、前記下げた要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの前記譲渡局で余剰となる帯域を前記譲受局に譲渡し、前記通信モードの切り替えを含む前記通信回線の再割り当てを行う構成である
    ことを特徴とする無線通信システム。
  8. 請求項5に記載の無線通信システムにおいて、
    前記端末局は、スペクトラム利用効率の異なる通信モードに切り替える手段と、スペクトラム削減伝送を行う手段とを備え、
    前記基地局の制御手段は、前記譲渡局でスペクトラム削減伝送を行ったときに、前記要求速度を達成するにあたり余剰となる帯域を計算し、さらに前記譲受局でスペクトラム利用効率の低い通信モードに変えたときに、前記下げた要求速度を達成するにあたり不足となる帯域を計算し、少なくとも1つの前記譲渡局で余剰となる帯域を前記譲受局に譲渡し、前記通信モードの切り替えを含む前記通信回線の再割り当てを行う構成である
    ことを特徴とする無線通信システム。
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