JP2015090400A - 現像容器、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像剤の残量の検知精度の向上を図ることができる技術を提供する。【解決手段】現像剤が収容された収容部と、回転することにより収容部に収容された現像剤を撹拌する攪拌部材22と、攪拌部材22に設けられ、変形により電圧を出力する複数の圧電素子23a、23bであって、同じ変形量における出力電圧値の大きさが互いに異なる複数の圧電素子23a、23bと、を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、現像容器、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
一般的に電子写真プリンタ等の画像形成装置に使用される現像装置は、現像剤(トナー)が収容される現像容器と、該現像容器の開口部に回転可能に設けられ、現像容器内の現像剤を担持搬送する現像ローラと、を備えている。現像容器内の現像剤は、現像容器内に設けられた攪拌部材の回転により攪拌され、現像ローラによって搬送されて静電潜像の現像に利用され消費される。
特許文献1には、消費される現像容器内の現像剤の残量を検知する方法として、撹拌部材にかかる現像剤の圧力(トナー粉圧)を検出することにより行う方法が開示されている。特許文献1の方法は、撹拌部材に圧電素子を設け、圧電素子に作用する現像剤の圧力の変化に基づいて現像剤の残量を検知するものである。
特許文献1には、消費される現像容器内の現像剤の残量を検知する方法として、撹拌部材にかかる現像剤の圧力(トナー粉圧)を検出することにより行う方法が開示されている。特許文献1の方法は、撹拌部材に圧電素子を設け、圧電素子に作用する現像剤の圧力の変化に基づいて現像剤の残量を検知するものである。
特許文献1では、剛体の攪拌部材のパドル面に板状の高分子圧電素子を貼り付けた構成となっており、高分子圧電素子は、圧電面に対して厚み方向に加わる現像剤の圧力の微小な変化を、発生電圧の変化として検出する。発生電圧の変化は、圧電素子の変形によって生じるが、厚み方向の現像剤の圧力によって生じる圧電素子の変形は、厚み方向に縮む変形のみとなる。一般的にトナーの比重は小さいため、圧電素子の厚み方向にかかるトナー粉圧の変化は微小である。また、一般的な高分子圧電素子のヤング率が2〜4×109N/m2であることから明らかなように、その変形量は極めて微小である。したがって、圧電素子に発生する電圧変化も非常に小さいものとなるため、センサとしての感度は非常に低く、検知精度に限界がある。
また、従来例では感度が低いことに鑑み、高分子圧電素子を剛性の撹拌パドルの長手方向全域に渡って配置し、大面積化することを提案している。しかし、この対応は対症療法的であり課題の本質的な解決手段にはなっておらず、且つまた、圧電素子の設置面積が増えてしまうので高コスト化を招く。また検知精度が低いという課題のために、従来例の構成ではトナー残量の高精度遂次検知は困難である。トナー残量の遂次的な変化を精度良く検知するためには、トナー粉圧の微小な変化を、大きな電圧に変換できるような高感度な圧電素子構成が必須となる。仮に、トナー残量の高精度遂次検知ができればユーザがトナー残量を常に確認できる大きなメリットがうまれる。
また、従来例では感度が低いことに鑑み、高分子圧電素子を剛性の撹拌パドルの長手方向全域に渡って配置し、大面積化することを提案している。しかし、この対応は対症療法的であり課題の本質的な解決手段にはなっておらず、且つまた、圧電素子の設置面積が増えてしまうので高コスト化を招く。また検知精度が低いという課題のために、従来例の構成ではトナー残量の高精度遂次検知は困難である。トナー残量の遂次的な変化を精度良く検知するためには、トナー粉圧の微小な変化を、大きな電圧に変換できるような高感度な圧電素子構成が必須となる。仮に、トナー残量の高精度遂次検知ができればユーザがトナー残量を常に確認できる大きなメリットがうまれる。
本発明の目的は、現像剤の残量の検知精度の向上を図ることができる技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の現像容器は、
現像剤が収容された収容部と、
回転することにより前記収容部に収容された現像剤を撹拌する攪拌部材と、
前記攪拌部材に設けられ、変形により電圧を出力する複数の圧電素子であって、同じ変形量における出力電圧値の大きさが互いに異なる複数の圧電素子と、
を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の現像容器は、
現像剤が収容された収容部と、
回転することにより前記収容部に収容された現像剤を撹拌する、可撓性を有するシート状の攪拌部材と、
前記攪拌部材に設けられ、変形により電圧を出力する複数の圧電素子と、
を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の現像装置は、
上記現像容器と、
前記現像容器の開口部に設けられ、現像剤を担持する現像剤担持体と、
を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明のプロセスカートリッジは、
画像形成装置の装置本体に着脱可能に構成された、現像剤により記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスを行うためのプロセスカートリッジであって、
上記現像容器、または上記現像装置を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
現像剤により記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
上記現像容器、上記現像装置、または上記プロセスカートリッジのいずれかと、
前記複数の圧電素子が出力する電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電圧検知手段が検知した電圧値に基づいて、前記収容部に収容されている現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段と、
を備え、
前記現像剤残量検知手段は、前記撹拌部材が1回転する間の同一タイミングにおける前記複数の圧電素子における第1の圧電素子の出力電圧値と第2の圧電素子の出力電圧値との差の大きさに基づいて、現像剤の残量を検知することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
現像剤により記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
現像剤が収容された収容部と、回転することにより前記収容部に収容された現像剤を撹拌する、可撓性を有するシート状の攪拌部材と、前記攪拌部材に貼り付けられ、変形により電圧を出力するフィルム状の複数の圧電素子と、を備える現像容器と、
前記複数の圧電素子が出力する電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電圧検知手段が検知した電圧値に基づいて、前記収容部に収容されている現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段と、
を備え、
前記複数の圧電素子は、同じ変形量における出力電圧値の大きさが互いに同じであり、
前記現像剤残量検知手段は、前記撹拌部材の1回転に対応する前記圧電素子の出力電圧の1周期分の波形において現像剤の残量によって変化する指標値の変化を、前記複数の圧電素子について平均した値に基づいて、現像剤の残量を検知することを特徴とする。
現像剤が収容された収容部と、
回転することにより前記収容部に収容された現像剤を撹拌する攪拌部材と、
前記攪拌部材に設けられ、変形により電圧を出力する複数の圧電素子であって、同じ変形量における出力電圧値の大きさが互いに異なる複数の圧電素子と、
を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の現像容器は、
現像剤が収容された収容部と、
回転することにより前記収容部に収容された現像剤を撹拌する、可撓性を有するシート状の攪拌部材と、
前記攪拌部材に設けられ、変形により電圧を出力する複数の圧電素子と、
を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の現像装置は、
上記現像容器と、
前記現像容器の開口部に設けられ、現像剤を担持する現像剤担持体と、
を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明のプロセスカートリッジは、
画像形成装置の装置本体に着脱可能に構成された、現像剤により記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスを行うためのプロセスカートリッジであって、
上記現像容器、または上記現像装置を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
現像剤により記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
上記現像容器、上記現像装置、または上記プロセスカートリッジのいずれかと、
前記複数の圧電素子が出力する電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電圧検知手段が検知した電圧値に基づいて、前記収容部に収容されている現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段と、
を備え、
前記現像剤残量検知手段は、前記撹拌部材が1回転する間の同一タイミングにおける前記複数の圧電素子における第1の圧電素子の出力電圧値と第2の圧電素子の出力電圧値との差の大きさに基づいて、現像剤の残量を検知することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
現像剤により記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
現像剤が収容された収容部と、回転することにより前記収容部に収容された現像剤を撹拌する、可撓性を有するシート状の攪拌部材と、前記攪拌部材に貼り付けられ、変形により電圧を出力するフィルム状の複数の圧電素子と、を備える現像容器と、
前記複数の圧電素子が出力する電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電圧検知手段が検知した電圧値に基づいて、前記収容部に収容されている現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段と、
を備え、
前記複数の圧電素子は、同じ変形量における出力電圧値の大きさが互いに同じであり、
前記現像剤残量検知手段は、前記撹拌部材の1回転に対応する前記圧電素子の出力電圧の1周期分の波形において現像剤の残量によって変化する指標値の変化を、前記複数の圧電素子について平均した値に基づいて、現像剤の残量を検知することを特徴とする。
本発明によれば、現像剤の残量の検知精度の向上を図ることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1〜図10を参照して、本発明の実施例に係る現像容器(現像剤容器)、現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置について説明する。本発明は、トナー撹拌部材と、トナー攪拌部材に取り付けられ弾性復元力を持つ撹拌シートとを有する現像容器に関するものである。特徴としては、トナー攪拌部材の駆動に伴い撓み量が変位する撹拌シートの撓み面の、少なくとも一部の撓み量を検知する撓み量検知部材を複数有し、その検知部材が可撓性を持つ高分子圧電性フィルムである、ことである。
図1〜図10を参照して、本発明の実施例に係る現像容器(現像剤容器)、現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置について説明する。本発明は、トナー撹拌部材と、トナー攪拌部材に取り付けられ弾性復元力を持つ撹拌シートとを有する現像容器に関するものである。特徴としては、トナー攪拌部材の駆動に伴い撓み量が変位する撹拌シートの撓み面の、少なくとも一部の撓み量を検知する撓み量検知部材を複数有し、その検知部材が可撓性を持つ高分子圧電性フィルムである、ことである。
ここで、画像形成装置(電子写真画像形成装置)とは、電子写真画像形成プロセスを用いて現像剤(トナー)により記録材(記録媒体)に画像を形成するものである。例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタなど)、電子写真ファクシミリ装置、及び、電子写真ワードプロセッサー、及び、それら複合機(マルチファンクションプリンタ)などが含まれる。また、記録材とは、画像を形成される物であって、例えば、記録シート、OHPシート等である。
また、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体ドラムと、この電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段としての帯電装置、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つを一体的にカートリッジ化したものである。そして、このプロセスカートリッジは、画像形成装置の装置本体に対して、着脱可能に構成されている。以下の説明において、画像形成装置本体(以下、「装置本体」という)とは、装置本体の構成から少なくともプロセスカートリッジ、現像装置あるいは現像容器を除いた装置構成部分のことである。
(1)画像形成装置の構成と動作の概略
図1を参照して、本発明の実施例に係る電子写真画像形成装置(画像形成装置)の全体構成について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体に接続された画像読み取り装置、或いは画像形成装置本体に通信可能に接続されたパーンナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置本体に入力される。
図1を参照して、本発明の実施例に係る電子写真画像形成装置(画像形成装置)の全体構成について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体に接続された画像読み取り装置、或いは画像形成装置本体に通信可能に接続されたパーンナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置本体に入力される。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。本実施例では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。
尚、本実施例では、第1〜第4の画像形成部の構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して説明する。
即ち、本実施例では、画像形成装置100は、複数の像担持体として、鉛直方向と交差する方向に並設された4個のドラム型の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1を有する。感光体ドラム1は、図示矢印A方向(時計方向)に図示しない駆動手段(駆動源)により回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1の表面を均―に帯電する帯電手段としての帯電ローラ2、画像情報に基づきレーザーを照射して感光体ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段としてのスキャナユニット(露光装置)3が配置されている。又、感光体ドラム1の周囲には、静電像をトナー像として現像する現像手段としての現像ユニット(現像装置)4、転写後の感光体ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段としてのクリーニング部材6が配置されている。更に、4個の感光体ドラム1に対向して、感光体ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト5が配置されている。
本実施例では、感光体ドラム1と、感光体ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像ユニット4及びクリーニング部材6とは、一体的にカートリッジ化されて、プロセスカートリッジ7を形成している。プロセスカートリッジ7は、画像形成装置100に着脱可能となっている。本実施例では、各色用のプロセスカートリッジ7は全て同一形状を有しており、各色用のプロセスカートリッジ7内には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブランク(K)の各色のトナーが収容されている。
中間転写体としての無端状のベルトで形成された中間転写ベルト5は、全ての感光体ドラム1に当接し、図示矢印B方向(反時計方向)に回転する。中間転写ベルト5は、複数の支持部材として、駆動ローラ51、二次転写対向ローラ52、従動ローラ53に掛け渡されている。中間転写ベルト5の内周面側には、各感光体ドラム1に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ8が並設されている。そして、一次転写ローラ8に、図示しない一次転写バイアス電源から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、各一次転写ニップ部N1において、感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト5上に転写される。又、中間転写ベルト5の外周面側において二次転写対向ローラ52に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ9が配置されている。そして、二次転写ローラ9に、図示しない二次転写バイアス電源から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、二次転写ニップ部N2において中間転写ベルト5上のトナー像が記録材12に転写される。
画像形成時には、先ず、感光体ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、スキャナユニット3から発された画像情報に応じたレーザー光によって、感光体ドラム1上に画像情報に従った静電像が形成される。次いで静電像は、現像ユニット4によってトナー像として現像され、一次転写ローラ8の作用によって中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト5上に各色のトナー像が次に重ね合わされる。その後、中間転写ベルト5上の4色トナー像は、一括して記録材12上に二次転写される。さらに定着装置10において、記録材12が熱及び圧力を加えられることでトナー像が定着される。又、一次転写工程後に感光体ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、クリーニング部材6によって除去、回収される。又、二次転写工程後に中間転写ベルト5上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置1
1によって清掃される。
1によって清掃される。
[プロセスカートリッジ]
図2を参照して、本実施例の画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。図2は、感光体ドラム1の長手方向(回転軸線方向)から見た本実施例のプロセスカートリッジ7の概略断面図である。尚、本実施例では、収容している現像剤の種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成及び動作は同一である。
図2を参照して、本実施例の画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。図2は、感光体ドラム1の長手方向(回転軸線方向)から見た本実施例のプロセスカートリッジ7の概略断面図である。尚、本実施例では、収容している現像剤の種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成及び動作は同一である。
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1等を備えた感光体ユニット13と、現像ローラ17等を備えた現像ユニット4とを有する。
感光体ユニット13には、感光体ユニット13内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体14を有し、感光体ドラム1が回転可能に取り付けられている。感光体ドラム1は、画像形成動作に応じて図示矢印A方向(時計方向)に回転駆動される。又、感光体ドラム1の周面上に接触するように、クリーニング部材6、帯電ローラ2が配置されている。帯電ローラ2には所定の直流電圧が印加されており、これにより感光ドラム1の表面には、一様な暗部電位(Vd)が形成される。又、前述のスキャナユニット3から画像データに対応したレーザー光が発光され、感光ドラム1上に明部電位(Vl)の静電潜像が形成される。
一方、現像ユニット4は、現像ローラ17、現像ブレード21、トナー供給ローラ20、トナー80、及びトナーを格納するトナー収容室を有する現像容器18からなる。画像形成動作に応じて、現像剤担持体としての現像ローラ17は、現像容器18のトナー収容室の開口部に設けられて図示矢印D方向(反時計方向)に回転駆動され、トナー供給ローラ20は、図示矢印E方向(反時計方向)に回転駆動される。尚、本実施例では、現像ローラ17は感光体ドラム1に接触して配置されているが、現像ローラ17は、感光体ドラム1に対して所定間隔を開けて近接配置される構成であってもよい。
現像容器18のトナー収容室内には、本実施例の特徴である攪拌部材22が設けられている。攪拌部材22は、現像容器18のトナー収容室内に収納されたトナーを攪拌すると共に、トナー供給ローラ20の上部に向けて図中矢印G方向にトナーを搬送するためのものでもある。尚、本実施例においては、現像ローラ17、トナー供給ローラ20は、共に外径φ20であり、トナー供給ローラ20の現像ローラ17への侵入量を1.5mmに設定した。本実施例においては、現像ローラ17に印加された所定のDCバイアスを印加し、感光体ドラム1に接触する現像部において、その電位差から、明部電位部にのみトナーを転移させることで静電潜像を顕像化する。
(2)撹拌部材の撓み量変化を検知する構成と、現像剤残量検知方法
2−1)撹拌部材と撓み量変化検知部材の構成
図3に本実施例で用いた高分子圧電性素子(以下ピエゾフィルム)23の概略断面図を示す。本実施例では、ピエゾフィルム23として、東京センサ(株)製のピエゾフィルムを用いた。材料はポリフッ化ビニルデン(PVDF)であり、厚みは20μmである。ピエゾフィルム23の表裏の面は銀インク電極を形成し、最も圧電性が高い製造時の圧延方向が撹拌の回転軸と直交するよう絶縁性の撹拌部材22に接着させる。
2−1)撹拌部材と撓み量変化検知部材の構成
図3に本実施例で用いた高分子圧電性素子(以下ピエゾフィルム)23の概略断面図を示す。本実施例では、ピエゾフィルム23として、東京センサ(株)製のピエゾフィルムを用いた。材料はポリフッ化ビニルデン(PVDF)であり、厚みは20μmである。ピエゾフィルム23の表裏の面は銀インク電極を形成し、最も圧電性が高い製造時の圧延方向が撹拌の回転軸と直交するよう絶縁性の撹拌部材22に接着させる。
図4は、本実施例で用いた撹拌部材22の構成を示す模式図であり、図4(a)は撹拌部材22の概略断面図、図4(b)は撹拌部材22の概略正面図である。図4に示すように、本実施例では、シート状部材である撹拌部材(以下撹拌シート)22の長手中央部に幅10mmと5mmの2種類のピエゾフィルム23を撹拌シート22と一体化するように
接着している。ここで、撹拌シート22の回転軸22aの方向を長手方向とする。撹拌シート22は、曲げ応力に対し可撓性を有するように、且つ曲げ応力に対して十分な弾性復元力を有するように、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂からなり、厚みは150μmである。ピエゾフィルム23の電極面は、不図示の金属フィルムと金属線によって外部に導かれ、摺動電極によって画像形成装置本体の発生電圧検知回路25につながっている。
接着している。ここで、撹拌シート22の回転軸22aの方向を長手方向とする。撹拌シート22は、曲げ応力に対し可撓性を有するように、且つ曲げ応力に対して十分な弾性復元力を有するように、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂からなり、厚みは150μmである。ピエゾフィルム23の電極面は、不図示の金属フィルムと金属線によって外部に導かれ、摺動電極によって画像形成装置本体の発生電圧検知回路25につながっている。
第1の圧電素子として、幅が5mmのピエゾフィルム23aと、第2の圧電素子として、幅が10mmのピエゾフィルム23bの2枚のピエゾフィルムを、撹拌シート22の回転方向の上流側の面に張り付けている。ピエゾフィルム23a、23bは、それぞれ撹拌シート22の回転軸22aに直交する方向に長い矩形状に構成され、該方向における長さは互いに同じであるが、回転軸22aの方向における幅が互いに異なっている。本実施例では、幅が5mmと10mmのピエゾフィルムを用い、一方の幅に対して他方の幅が2倍に設定されているが、これに限定されるものではない。例えば、一方の幅に対して他方の幅が1.5倍から3倍の幅で設定されていてもよい。一方のフィルム幅が6mmであれば、他方の幅は9mmや18mmに設定することになる。本実施例では、ピエゾフィルの長さは、撹拌シートの長さと同じであるがこれに限定されない。図4に図示した構成では、ピエゾフィルムの端部が攪拌シート22の回転軸22aに接する構成となっているが、回転軸22aとの間に隙間が設けられていてもよい。例えば、撹拌シートの長さが100mmとすると、それより短い50〜95mmの範囲で製品仕様等に応じて適宜設定可能である。また、長手方向におけるピエゾフィルムの貼り付け位置は、特に限定されるものではないが、攪拌シート22において変形が大きい先端側に貼り付けるのが望ましい。これは、ピエゾフィルムの厚さ方向への変形ではなく、長さ方向へのピエゾフィルムの変形による信号の強弱を利用することにより、より検出精度を向上させることができるためである。また、ピエゾフィルム23a、23bは、撹拌シート22に対して線対称の位置、すなわち、攪拌シート22の回転軸22aの方向における中央を通る回転軸22aに直交する仮想線に関して対称となる位置にそれぞれ貼り付けられている。このように幅の違う2種類のピエゾフィルム23を撹拌シート22に配置することで、画像形成装置本体の設置環境に関わらず、比較的小面積のピエゾフィルムで微小なトナー粉圧の変化を検知することが可能となる。
図5を参照して、上述した従来例(特許文献1)における撹拌部材と本実施例における撹拌部材の構成の違いについて説明する。図5は、本発明の実施例と従来例における撹拌部材の構成の比較図であり、図5(a)は従来例における撹拌部材の概略断面図、図5(b)は本実施例における撹拌部材の概略断面図をそれぞれ示している。
フィルム状の圧電素子であるピエゾフィルムは、薄膜化が可能で、可撓性を持つという特徴を有する。フィルムが薄く、断面積が非常に小さいため、小さい圧延方向の力から大きな材料内応力が発生する。この特徴により、厚み方向よりも圧延方向の伸びに対して非常に感度が高く、圧延方向対厚さ方向の標準的な有効感度はおよそ1000:1となる。本発明の本質は、このようなピエゾフィルムの特性を最大限利用することにより、高感度でトナー粉圧を検知可能としたことにある。
図5(a)に示すように、従来例は、ピエゾフィルム123の厚み方向にかかる微小なトナー粉圧を、フィルムの厚み方向の変形量に変換し、その変形量を電圧に変換する思想である。厚み方向でトナー粉圧を受けるため、必然的に撹拌板122は剛体である。このような構成ではトナー粉圧を厚み方向に受けた際、ピエゾフィルム123の変形が、厚み方向に縮む変形にのみ制限される。一般的な高分子圧電素子であるピエゾフィルム123のヤング率が2〜4×109N/m2であることから明らかなように、微小なトナー粉圧による厚み方向の変形量は極微小であり、発生する材料内応力は極めて小さくなる。前述
の圧電特性の方向性とあわさり、発生電圧は非常に小さい。
の圧電特性の方向性とあわさり、発生電圧は非常に小さい。
一方、図5(b)に示すように、本実施例では弾性復元力を持つ可撓性部材である撹拌シート22の撓み面に、ピエゾフィルム23の圧電性が高い圧延方向が撓むよう一体化して接着する。こうすることで微小なトナー粉圧を、図のように圧延方向の大きな伸び変形に変換することが可能となる。また、撹拌シート22に一体化して接着することで、中立軸が撹拌シート22にあるため、撹拌シート22が撓んだ時に、ピエゾフィルム23の歪み領域をより大きくすることが可能となる。また、本実施例では長手方向の先端が自由端となる撹拌シート22を用いたため、相対移動するトナー80との接触によって受ける力によって、より大きな曲げ変形を発生させることができる。以上より、本実施例に示す構成により微小なトナー粉圧の変化を、大きな電圧変化に変換することが可能となる。
2−2)本実施例の構成から得られる発生電圧プロファイルの概要
図6で、本構成にて撹拌部材の回転動作を実行した時の撹拌部材回転一周期内における、撹拌シート22の撓み量変化の概略を示す。図7に、その際に幅10mmのピエゾフィルム電極間に発生した電圧の検知プロファイルを示す。なお、幅5mmのピエゾフィルムの出力は、幅10mmの出力の約半分である。
図6で、本構成にて撹拌部材の回転動作を実行した時の撹拌部材回転一周期内における、撹拌シート22の撓み量変化の概略を示す。図7に、その際に幅10mmのピエゾフィルム電極間に発生した電圧の検知プロファイルを示す。なお、幅5mmのピエゾフィルムの出力は、幅10mmの出力の約半分である。
図6、図7を参照しながら、このようなプロファイルが得られる原理を説明する。撹拌シート22が図6中のAの位置から回転すると、A〜Bでトナー80の剤面に撹拌シート22の先端が突入し始め、図6中の反時計方向(正の方向とする)への撓み量変化が発生し始める。同時に、それに応じてピエゾフィルム23に電圧が発生する。その後、撹拌シート22は、少しずつ撓み量変化が大きくなり、Eの段階で最大の撓み量となった後、Fの段階で撓み量が減少し始め、Aの段階(すなわち、トナー80の剤面から脱出する段階)で急激に撓みが解放される。このとき、撓みが戻る方向(図6の時計方向。負の方向とする)に撹拌シート22が急激に変形するので、ピエゾフィルム23はその撓み方向の変化と、撓み量の急激な変化に対応し、図7のように逆方向の大きな電圧を発生する。
ここで、トナー60の剤面とは、通常の使用状態において、飛び散ったり浮遊したりせずに静的な状態でトナー80の大部分が留まる領域(堆積領域)の上面である。
ここで、トナー60の剤面とは、通常の使用状態において、飛び散ったり浮遊したりせずに静的な状態でトナー80の大部分が留まる領域(堆積領域)の上面である。
2−3)発生電圧の設置環境による差
2−2で説明したピエゾフィルム23の撓みによる発生電圧は、画像形成装置本体の設置温度によっても変化する。図8に幅10mmおよび5mmのピエゾフィルムの発生ピーク電圧Vaの絶対値と画像形成装置本体の設置温度の関係を示す。ピーク電圧Vaの絶対値は2−2のAの段階で急激に撓みが解放された時の値である。図8に示すように、画像形成装置本体の設置温度が上昇するのに比例して、Vaの絶対値も上昇する。しかし、10mmおよび5mmのピエゾフィルムの発生ピーク電圧Vaの絶対値の差(ΔVa)はほぼ同等となる。すなわち、10mmおよび5mmのピエゾフィルムは、同じ変形量における出力電圧値の大きさは互いに異なるが、温度の変化に対する出力電圧値の変化の割合が互いに同じである。
2−2で説明したピエゾフィルム23の撓みによる発生電圧は、画像形成装置本体の設置温度によっても変化する。図8に幅10mmおよび5mmのピエゾフィルムの発生ピーク電圧Vaの絶対値と画像形成装置本体の設置温度の関係を示す。ピーク電圧Vaの絶対値は2−2のAの段階で急激に撓みが解放された時の値である。図8に示すように、画像形成装置本体の設置温度が上昇するのに比例して、Vaの絶対値も上昇する。しかし、10mmおよび5mmのピエゾフィルムの発生ピーク電圧Vaの絶対値の差(ΔVa)はほぼ同等となる。すなわち、10mmおよび5mmのピエゾフィルムは、同じ変形量における出力電圧値の大きさは互いに異なるが、温度の変化に対する出力電圧値の変化の割合が互いに同じである。
2−4)トナー残量検知
上述のプロファイル中でトナー残量によって変化する値(指標値)を以下に示す。
<トナー残量によって変化する値>
(i)逆方向ピーク電圧発生タイミングTa、逆方向ピーク電圧Va
(ii)トナー剤面突入タイミングTc
(iii)正方向最大電圧Vf
(iv)撹拌シートの一回転周期あたりに得られるプロファイルの積分値
例:積分値α=発生電圧の絶対値の総和
積分値β=正方向の発生電圧の総和
積分値γ=逆方向の発生電圧の総和
上述のプロファイル中でトナー残量によって変化する値(指標値)を以下に示す。
<トナー残量によって変化する値>
(i)逆方向ピーク電圧発生タイミングTa、逆方向ピーク電圧Va
(ii)トナー剤面突入タイミングTc
(iii)正方向最大電圧Vf
(iv)撹拌シートの一回転周期あたりに得られるプロファイルの積分値
例:積分値α=発生電圧の絶対値の総和
積分値β=正方向の発生電圧の総和
積分値γ=逆方向の発生電圧の総和
以下、図7のプロファイルを参照しながら、トナー残量が減少すると、上記の<トナー残量によって変化する値>がどのように変化するか、その原理を説明する。トナー残量が減少すると、トナー剤面が図中下方に下がる変化と、撹拌シート22が撹拌する総トナー残量が減少する変化と、が起きる。トナー剤面が下がるため、撹拌シート22の撓み量の減少タイミングが早まり、(i)の逆方向ピーク電圧発生タイミングTaは、撹拌の回転
一周期の中で早まることになる。また、撹拌シート22が撹拌、搬送するトナー量が減少するため、撹拌シート22の最大撓み量が小さくなる。それにより弾性復元力を持つ撹拌シート22の復元量、及び復元速度が小さくなるため、逆方向ピーク電圧Vaは小さくなる。同様に、(ii)のトナー剤面突入タイミングTcは、トナー剤面が下方に下がることにより遅くなる。(iii)の正方向最大電圧Vfは、撹拌シート22が撹拌する総トナー
量が減少することで撹拌シート22の最大撓み量が小さくなることによる。(iv)のプロファイルの積分値は、上述のトナー剤面が図中下方に下がる変化、及び撹拌シート22が撹拌する総トナー量が減少する変化、の両方の変化に対応する値である。
一周期の中で早まることになる。また、撹拌シート22が撹拌、搬送するトナー量が減少するため、撹拌シート22の最大撓み量が小さくなる。それにより弾性復元力を持つ撹拌シート22の復元量、及び復元速度が小さくなるため、逆方向ピーク電圧Vaは小さくなる。同様に、(ii)のトナー剤面突入タイミングTcは、トナー剤面が下方に下がることにより遅くなる。(iii)の正方向最大電圧Vfは、撹拌シート22が撹拌する総トナー
量が減少することで撹拌シート22の最大撓み量が小さくなることによる。(iv)のプロファイルの積分値は、上述のトナー剤面が図中下方に下がる変化、及び撹拌シート22が撹拌する総トナー量が減少する変化、の両方の変化に対応する値である。
図9、図10を参照して、幅10mmおよび幅5mmのピエゾフィルム23の発生ピーク電圧Vaの絶対値の差(ΔVa)をトナー残量検知方法として使った場合の実施例を示す。実施は、本実施例の画像形成装置において、トナー量満タン時からトナー量エンド時まで、印字動作によってトナーを減少させ、それぞれのピエゾフィルム23のVaを測定した。このときの画像形成装置の設置温度は20と30℃の両方で行った。
図9は幅5mmのピエゾフィルム23からの出力Vaの各温度での推移を示しており、図10では幅5mmと幅10mmの各ピエゾフィルム23の出力差ΔVaの推移を示している。図9に示すように、出力Vaは同じ現像容器内のトナー量であっても設置温度によって異なるので、Vaだけを見ていては正確なトナー量を検知することはできない。しかし、図10に示すように、ΔVaは、温度によらずトナー残量に相関する結果が得られ、このΔVaを検出することによりトナー残量の遂次検知が可能となる。すなわち、本実施例では、撹拌シート22が1回転する間の同一タイミングにおける2枚のピエゾフィルム23a、23bの出力電圧値の差の大きさに基づいて、現像剤の残量を検知する。比較するタイミングとしては、2枚のピエゾフィルム23a、23bの出力電圧値がそれぞれピーク値を示すタイミングとしている。
図6に示すように、本実施例では、撹拌シート22の撹拌性能を重視し、撹拌シート22が現像容器(トナー収容部)18内壁の下部に摺擦する構成としている。ピエゾフィルム23の特性を活かした本構成の検出感度が非常に高いため、撹拌シート22が壁に接触することによる撓み量変化の影響が含まれた中から、トナー粉圧の微小な変化を取り出すことが可能である。
また、図6に示すように、本実施例では、撹拌シート22がトナー剤面から抜けるタイミング(図中A付近)で、撹拌シート22の先端が現像容器18内壁に接触しないように配置した。こうすることで、撹拌シート22の伸展量と伸展速度を大きくすることができ、上述の逆方向ピーク電圧発生タイミングTa、逆方向ピーク電圧Vaに関して、検出精度を更に高めることが可能となる。
また、本実施例においては、幅の異なる2枚のピエゾフィルムの出力差分を用いてトナー残量検知を行った。本実施例に近い別な方法として、「幅」が異なるのではなく「厚み」の異なるピエゾフィルムでも図10と同様の出力となり、画像形成装置本体の設置環境に関わらず、高精度なトナー残量検知を行うことができる。また、「幅」と「厚み」がそれぞれ異なるピエゾフィルムを組み合わせた構成としてもよい。すなわち、2枚のピエゾ
フィルムが、同じ変形量における出力電圧値の大きさは互いに異なるが、変形量の変化に対する出力電圧値の変化の割合は同じとなるように構成されていれば、種々の構成を採用することができる。
フィルムが、同じ変形量における出力電圧値の大きさは互いに異なるが、変形量の変化に対する出力電圧値の変化の割合は同じとなるように構成されていれば、種々の構成を採用することができる。
また、本実施例においては、撹拌シート22の撓み面に、ピエゾフィルム23の最も感度が高い圧延方向の撓み量が、それと直交する幅方向の撓み量よりも大きくなるように配置した。しかし、直交する幅方向の撓み量が大きくなるようにピエゾフィルム23を配置しても、従来例に対して、検知感度が大きくなる効果は得られる。
また、本実施例においては撹拌シート22の撓み量を検知するようにしたが、必ずしも現像容器18内のトナーを撹拌する機能の大部分を担う部材である必要はない。例えば撹拌部材とは別に、トナー残量検知専用の別部材を設けてもよい。
また、本実施例においては弾性復元力を持つ可撓性部材に、可撓性のピエゾフィルム23を貼り付ける構成としたが、ピエゾフィルム23が弾性復元力を持つ可撓性部材であってもよい。
また、本実施例においては撹拌シート22に対するピエゾフィルム23の貼り付け位置を長手方向中央、且つ短手方向(長手方向に直交する方向)の幅一杯に貼り付けたが、これに限定されるものではない。撹拌構成、現像容器構成に従って任意に変更してもよい。また、ピエゾフィルム23を貼り付ける面を攪拌シート22の回転方向の上流側の面としたが、下流側の面に貼り付けてもよい。
(3)効果
前述した通り、本実施例の構成においては、画像形成装置本体の設置環境に関わらず、微小なトナー粉圧の変化を検知することが可能となり、高精度なトナー残量検知を行うことができる。また、トナー残量に応じて発生電圧プロファイルが変化することを利用して、遂次残量検知が実現可能となった。
前述した通り、本実施例の構成においては、画像形成装置本体の設置環境に関わらず、微小なトナー粉圧の変化を検知することが可能となり、高精度なトナー残量検知を行うことができる。また、トナー残量に応じて発生電圧プロファイルが変化することを利用して、遂次残量検知が実現可能となった。
(実施例2)
図11〜図13を参照して、本発明の実施例2に係る現像容器について説明する。ここでは、実施例1と異なる点についてのみ説明し、実施例1と共通する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。ここで説明しない事項は、実施例1と同様である。
図11〜図13を参照して、本発明の実施例2に係る現像容器について説明する。ここでは、実施例1と異なる点についてのみ説明し、実施例1と共通する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。ここで説明しない事項は、実施例1と同様である。
本実施例の特徴は、同一形状のピエゾフィルム2枚を長手方向に撹拌シートの長手方向線対称に貼り付け、2枚のピエゾフィルムからの出力タイミングを平均化することで、高精度のトナー残量検知を行うことである。具体的には、撹拌シートの1回転に対応するピエゾフィルムの出力電圧の1周期分の波形においてトナー残量によって変化する指標値を、2枚のピエゾフィルムについて平均した値に基づいて、トナー残量を検知する。
(1)撹拌部材と撓み量変化検知部材の構成
図11は、本発明の実施例2で用いた撹拌シート22の構成を示す模式図であり、図11(a)は撹拌シート22の概略断面図、図11(b)は撹拌シート22の概略正面図である。本実施例が実施例1と違う点は、2枚のピエゾフィルム24a、24bが同一形状であることと、それらが撹拌シート22の長手方向に線対称に貼り付けられていることである。本実施例のその他の構成は実施例1と同様である。
図11は、本発明の実施例2で用いた撹拌シート22の構成を示す模式図であり、図11(a)は撹拌シート22の概略断面図、図11(b)は撹拌シート22の概略正面図である。本実施例が実施例1と違う点は、2枚のピエゾフィルム24a、24bが同一形状であることと、それらが撹拌シート22の長手方向に線対称に貼り付けられていることである。本実施例のその他の構成は実施例1と同様である。
(2)本実施例の構成から得られる発生電圧プロファイルの概要
ピエゾフィルム24a、24bの発生電圧のプロファイルの概要は、実施例1の図7で説明したものと基本的には同等である。ただし、2枚のピエゾフィルム24a、24bか
らの出力値の絶対値やタイミングは、現像容器18内長手方向でのトナー片寄りがあれば、それぞれ異なることになる。
ピエゾフィルム24a、24bの発生電圧のプロファイルの概要は、実施例1の図7で説明したものと基本的には同等である。ただし、2枚のピエゾフィルム24a、24bか
らの出力値の絶対値やタイミングは、現像容器18内長手方向でのトナー片寄りがあれば、それぞれ異なることになる。
図12は、トナー片寄りがあった場合の1例として、現像容器18内でピエゾフィルム24b付近が当接するトナー剤面の高さが、ピエゾフィルム24a付近が当接する高さよりも低かった場合の発生電圧プロファイルを示す図である。図12に示すように、このようなトナー片寄りある場合には、ピエゾフィルム24bのトナー剤面突入タイミングは、ピエゾフィルム24aのタイミングより遅れる。同様に、タイミングだけでなく出力値もトナー剤面の高さによりピエゾフィルム24a、24b間で異なる値となる。
(3)トナー残量検知
本実施例のように2枚のピエゾフィルム24a、24bを長手方向に線対称に貼り付けることにより、ピエゾフィルム1枚のみでトナー残量検知を行うより、さらに高精度なトナー残量検知を行うことができる。
本実施例のように2枚のピエゾフィルム24a、24bを長手方向に線対称に貼り付けることにより、ピエゾフィルム1枚のみでトナー残量検知を行うより、さらに高精度なトナー残量検知を行うことができる。
図13を参照して、トナー剤面突入タイミングTcを用い、トナー量満タン時のTc−Initial値を基準として、トナー残量に応じて変化する値Tc−Nowとの差分ΔTcを用いたトナー残量測定について説明する。図13は、ΔTcと現像容器内のトナー残量の関係を、ピエゾフィルム1枚および2枚の平均値で行った場合のデータ推移を示す図である。2枚の平均値でトナー残量検知を行った方が、トナー残量をより精度よく表している。つまりピエゾフィルム2枚の出力を平均化することで、トナー剤面の高さが違う場合でも、1枚で行うよりさらに高精度なトナー残量検知を行うことができる。
また、本実施例においては2枚のピエゾフィルムを用いたが、2枚以上のピエゾフィルムの出力を平均化することで、より精度の高いトナー残量検知を行うことができる。
なお、本実施例の構成を用いて、2枚のピエゾフィルムからの出力差を読み取ることにより、現像容器の長手方向のトナーの片寄り具合を検知することもできる。よってこの検知結果を用いて、現像容器長手でトナーが均一になるような制御(例えば撹拌シートを一定期間空回転する)をしてもよい。
なお、上記各実施例における残量検知手法は、可撓性を有するシート状ではない、例えば、剛体の板状の攪拌部材に、複数の圧電素子を設けた構成に対しても適用できることは言うまでもない。また、圧電素子もフィルム状のものに限定されるものではない。
4…現像ユニット(現像装置)、18…現像容器、22…撹拌部材、23a、23b…ピエゾフィルム(圧電素子)、80…トナー(現像剤)
Claims (20)
- 現像剤が収容された収容部と、
回転することにより前記収容部に収容された現像剤を撹拌する攪拌部材と、
前記攪拌部材に設けられ、変形により電圧を出力する複数の圧電素子であって、同じ変形量における出力電圧値の大きさが互いに異なる複数の圧電素子と、
を備えることを特徴とする現像容器。 - 前記複数の圧電素子は、温度の変化に対する出力電圧値の変化の割合が互いに同じであることを特徴とする請求項1に記載の現像容器。
- 前記攪拌部材は、可撓性を有するシート状の部材であることを特徴とする請求項1または2に記載の現像容器。
- 現像剤が収容された収容部と、
回転することにより前記収容部に収容された現像剤を撹拌する、可撓性を有するシート状の攪拌部材と、
前記攪拌部材に設けられ、変形により電圧を出力する複数の圧電素子と、
を備えることを特徴とする現像容器。 - 前記複数の圧電素子は、前記攪拌部材に貼り付けられるフィルム状の部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像容器。
- 前記複数の圧電素子は、それぞれ前記撹拌部材の回転軸に直交する方向に長い矩形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像容器。
- 前記複数の圧電素子は、前記撹拌部材の回転軸の方向における幅が互いに異なることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像容器。
- 前記複数の圧電素子は、厚さが互いに異なることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の現像容器。
- 前記複数の圧電素子は、前記撹拌部材の回転軸に直交する方向における長さが互いに同じであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の現像容器。
- 前記複数の圧電素子は、前記攪拌部材の回転方向の上流側の面に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の現像容器。
- 前記複数の圧電素子は、前記攪拌部材の前記回転軸の方向における中央を通る前記回転軸に直交する仮想線に関して対称となる位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の現像容器。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の現像容器と、
現像剤を担持する現像剤担持体と、
を備えることを特徴とする現像装置。 - 画像形成装置の装置本体に着脱可能に構成された、現像剤により記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスを行うためのプロセスカートリッジであって、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の現像容器、または請求項12に記載の現像装置を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 現像剤により記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の現像容器、請求項12に記載の現像装置、または請求項13に記載のプロセスカートリッジのいずれかと、
前記複数の圧電素子が出力する電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電圧検知手段が検知した電圧値に基づいて、前記収容部に収容されている現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段と、
を備え、
前記現像剤残量検知手段は、前記撹拌部材が1回転する間の同一タイミングにおける前記複数の圧電素子における第1の圧電素子の出力電圧値と第2の圧電素子の出力電圧値との差の大きさに基づいて、現像剤の残量を検知することを特徴とする画像形成装置。 - 前記現像剤残量検知手段は、前記第1の圧電素子及び前記第2の圧電素子の出力電圧値がそれぞれピーク値となる同一タイミングで、現像剤の残量を検知することを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
- 現像剤により記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
現像剤が収容された収容部と、回転することにより前記収容部に収容された現像剤を撹拌する、可撓性を有するシート状の攪拌部材と、前記攪拌部材に貼り付けられ、変形により電圧を出力するフィルム状の複数の圧電素子と、を備える現像容器と、
前記複数の圧電素子が出力する電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電圧検知手段が検知した電圧値に基づいて、前記収容部に収容されている現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段と、
を備え、
前記複数の圧電素子は、同じ変形量における出力電圧値の大きさが互いに同じであり、
前記現像剤残量検知手段は、前記撹拌部材の1回転に対応する前記圧電素子の出力電圧の1周期分の波形において現像剤の残量によって変化する指標値の変化を、前記複数の圧電素子について平均した値に基づいて、現像剤の残量を検知することを特徴とする画像形成装置。 - 前記指標値は、前記1周期分の波形において前記出力電圧がピーク値を示すタイミングの変化であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
- 前記出力電圧がピーク値を示すタイミングは、前記撹拌部材が1回転する間において前記撹拌部材の先端が前記現像容器における現像剤の堆積領域に突入するときであることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
- 前記出力電圧がピーク値を示すタイミングは、前記撹拌部材が1回転する間において前記撹拌部材の先端が前記現像容器における現像剤の堆積領域から脱出するときであることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
- 前記複数の圧電素子からの信号をもとに、現像剤の残量を検知することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の現像容器。
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