JP2015090105A - 排熱回収器 - Google Patents

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一博 出居
宏章 鱒渕
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宏章 鱒渕
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Abstract

【課題】サーモアクチュエータなどの劣化を抑制する排熱回収器を提供する。【解決手段】サーモアクチュエータ7によってバルブ11を動作させる排熱回収器1であって、ロッド72の直線運動をバルブ11の回動運動に変換するリンク機構8に、ロッド72の直線運動が作用する作用部83を有するクランク部80と、ロッド72の移動量に対するロッド72の軸方向へ作用部83の移動量を抑制する抑制部86、91とを備える。【選択図】図4A

Description

本発明は排熱回収器に関するものである。
バルブをサーモアクチュエータによって回動させる排熱回収器が特許文献1に開示されている。
特開2010−31669号公報
サーモアクチュエータは、熱膨張体の温度に応じてロッドが進退する。排熱回収器では、排熱非回収時には、高温の排気ガスが排熱回収側に流入しないようにバルブによって排熱回収側の流路を閉塞することが望ましく、ロッドが伸長した場合にバルブがストッパーに当接するように設計されている。また、バルブがストッパーに当接した後に、さらにバルブを回動させる力が作用し、バルブやサーモアクチュエータに過大な負荷がかかると、バルブやサーモアクチュエータが劣化するので、ロッドのストローク量が最大となった場合にバルブがストッパーに当接するように設計されている。しかし、使用環境や経時劣化などによるロッドのストロークのバラツキによって、バルブがストッパーに当接した後もロッドが伸びる場合があり、バルブやサーモアクチュエータなどが劣化するおそれがある。
本発明はこのような問題点を解決するために発明されたもので、ロッドのストロークにバラツキがある場合でも、バルブやサーモアクチュエータなどが劣化することを抑制することを目的とする。
本発明のある態様に係る排熱回収器は、流体の流れ方向を切り替えるバルブと、熱膨張体が膨張収縮することでロッドを進退させるサーモアクチュエータと、ロッドの直線運動をバルブの回動運動に変換するリンク機構とを備え、リンク機構は、バルブに連結する軸部と、ロッドの直線運動が作用する作用部とを有し、軸部を中心に回動するクランク部と、ロッドと共に進退し、ロッドの移動量に対するロッドの軸方向への作用部の移動量を抑制する抑制部とを備える。
この態様によると、ロッドの移動量に対するロッドの軸方向への作用部の移動量を抑制することで、ロッドのストロークにバラツキがある場合でも、バルブ、サーモアクチュエータ、リンク機構に大きな負荷がかかることを抑制し、これらが劣化することを抑制することができる。
本実施形態の排熱回収器の斜視図である。 熱交換部に排気ガスを導入する場合のバルブの状態を示す図である。 バイパス部に排気ガスを導入する場合のバルブの状態を示す図である。 冷媒排出部、サーモアクチュエータの断面を示す概略図である。 図3のIV−IV断面におけるサーモアクチュエータ、及びリンク機構の概略図である。 リンク機構の直線部が嵌合部から外れた状態を示す図である。 第2実施形態のリンク機構を説明する断面図である。 第2実施形態のリンク機構を説明する断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の排熱回収器1の斜視図である。排熱回収器1は、熱交換部2と、バイパス部3と、ガス導入部4と、ガス排出部5と、サーモアクチュエータ7と、リンク機構8とを備える。
熱交換部2は、流入した排気ガスと冷媒導入部9を介して導入された冷媒との間で熱交換を行う。熱交換部2で冷媒と熱交換を行い、温度が低くなった排気ガスはガス排出部5へ排出される。また、排気ガスと熱交換を行い、温度が高くなった冷媒は熱交換部2の上方に設けた冷媒排出部10を介して排出される。冷媒は、エンジン冷却水やエンジン冷却水とは独立したサイクルの冷却水、フロン類などである。温度が高くなった冷媒は、エンジンの暖機などに使用される。
バイパス部3は、熱交換部2と並列に配置され、熱交換部2をバイパスして排気ガスをガス排出部5へ流すことができる。
ガス導入部4には、図2A、図2Bに示すようにバルブ11が配置され、バルブ11はサーモアクチュエータ7の動作に応じて回動し、エンジンから排出された排気ガスを熱交換部2、またはバイパス部3に流入させる。ガス導入部4には、バルブ11の回動を規制するストッパー40、41が形成されている。図2Aに示すように排気ガスを熱交換部2に流入させる場合には、バルブ11はストッパー40に当接し、図2Bに示すように排気ガスをバイパス部3に流入させる場合には、バルブ11はストッパー41に当接する。
ガス排出部5は、熱交換部2、またはバイパス部3を流れた排気ガスを排熱回収器1から排出する。
サーモアクチュエータ7について図3を用いて説明する。図3は、冷媒排出部10、サーモアクチュエータ7の断面を示す概略図である。
サーモアクチュエータ7は、エレメント70と、ピストン71と、ロッド72と、バネ73と、ケース74とを備える。
エレメント70は、冷媒排出部10に設けた孔10aに、後端側が冷媒排出路12内に位置するように挿入され、冷媒排出部10に支持される。エレメント70には熱膨張体としてワックス75が封止されている。また、エレメント70にはピストン71が進退可能となるように挿入されている。
ケース74には、エレメント70側に開口部74aが形成され、ケース74はフランジ76を介して冷媒排出部10に取り付けられる。ケース74には、ロッド72の一部、及びバネ73が収容される。ケース74には開口部74aとは反対側の側面74bに孔74cが形成され、ロッド72が進退可能となるように、孔74cにロッド72の一部が挿入されている。
ロッド72は、エレメント70側の端部に鍔部72aを備え、鍔部72aは、ケース74内で、ピストン71の先端部に当接している。孔74cを通ってケース74の外側に位置するロッド72の端部は、リンク機構8のブロック部81に連結する。
バネ73は、一方の端部が鍔部72aに、もう一方の端部がケース74の側面74bに当接するように、鍔部72aと側面74bとの間に設けられ、ロッド72をエレメント70側に向けて付勢する。
冷媒排出路12内を流れる冷媒の温度が高くなり、エレメント70内のワックス75の温度が高くなり、ワックス75が融解して膨張すると、ピストン71の一部がエレメント70から押し出されて前進し、この動きに応じてロッド72がバネ73を圧縮しながら前進する。一方、冷媒排出路12内を流れる冷媒の温度が低くなり、ワックス75が凝固して収縮すると、バネ73の反力によってロッド72、及びピストン71が後退する。このように、サーモアクチュエータ7は、エレメント70の雰囲気温度に応じて、ロッド72を進退させる。なお、以下において、ワックス75が固体の状態であり、ピストン71が最も後退している位置を初期位置と言う。
リンク機構8について図4Aを用いて説明する。図4Aは図3のIV−IV断面におけるサーモアクチュエータ7、及びリンク機構8の概略図である。リンク機構8は、ロッド72の直線運動を、バルブ11の回動運動に変換する機構である。リンク機構8は、クランク部80と、ブロック部81とを備える。
クランク部80は、バルブ11に連結する軸部82と、軸部82に平行な作用部83と、軸部82と作用部83とを連結する連結部84とを備える。軸部82の一部はガス導入部4に挿入され、ガス導入部4内でバルブ11と連結しており、軸部82はガス導入部4によって軸支されている。つまり、軸部82は、バルブ11と一体となって回転し、バルブ11、及びクランク部80の回動軸となる。作用部83は、ブロック部81に係合しており、ブロック部81を介してロッド72の直線運動が作用し、クランク部80は、ブロック部81の動きに応じて軸部82を中心に回動する。
ブロック部81は、ロッド72に連結しており、ロッド72と一体となって前進、または後退する。ブロック部81は、クランク部80の作用部83が嵌合可能な嵌合部85と、嵌合部85から外れた作用部83が摺動する摺動部86とを備える。嵌合部85は、ブロック部81の移動と共に作用部83を移動させ、クランク部80を軸部82を中心に回動させる。摺動部86は、ロッド72の軸方向に平行な平面であり、作用部83が摺動部86に接している場合には、ブロック部81の移動に対して作用部83が摺動し、作用部83は移動せず、クランク部80は回動しない。
本実施形態の排熱回収器1の動作について詳しく説明する。
例えばエンジンが暖気されておらず、排気ガスの温度が低く、冷媒排出路12の冷媒の温度が低い場合には、エレメント70内のワックス75は固体となっており、ピストン71はバネ73によって初期位置に保持されている。図4Aに示すように、ピストン71が初期位置の場合には、ブロック部81の嵌合部85にクランク部80の作用部83が嵌合している。また、バルブ11は、図2Aに示すようにストッパー40に当接し、バイパス部3を閉塞し、排気ガスを熱交換部2に流入させる。
排気ガスの温度が高くなり、冷媒排出路12の冷媒の温度が高くなると、エレメント70内のワックス75が融解して膨張し、バネ73の反力に抗してピストン71、ロッド72、及びブロック部81が前進する。リンク機構8の作用部83は、ブロック部81の嵌合部85に嵌合しており、作用部83がブロック部81の移動と共に移動することで、クランク部80は、軸部82を中心に回動し、バルブ11が回動する。
ピストン71、ロッド72、及びブロック部81が前進し、図2Bに示すようにバルブ11がストッパー41に当接する位置まで回動すると、作用部83が嵌合部85から外れて、図4Bに示すように摺動部86と当接する。
サーモアクチュエータ7、リンク機構8は、ワックス75の膨張量が使用環境や経時劣化などによってバラツキが生じた場合であっても、バルブ11がストッパー41に当接するように設定されている。そのため、ワックス75がさらに膨張することがあり、膨張によってピストン71を押し出す力がさらに発生することがある。この力が発生しても、バルブ11はストッパー41に当接しており、回動することができないので、バルブ11、リンク機構8、サーモアクチュエータ7にかかる負荷が大きくなり、これらを劣化させるおそれがある。
または、バルブ11の先端側部とストッパー41とが当接している場合において、ストッパー41の流路内方の凸部が微小であると、ワックス75の膨張によってピストン71を押し出す力が勝り、バルブ11の先端が凸部を乗り越えてしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態では、バルブ11がストッパー41に当接した状態からさらにピストン71、ロッド72、及びブロック部81が前進しても、ロッド72などの移動量に対して、ロッド72の軸方向への作用部83の移動量が小さくなり、作用部83は摺動部86に対して摺動し、摺動部86に対する相対的な位置が変わるだけであり、クランク部80は回動しない。つまり、バルブ11がストッパー41に当接した後に、ピストン71、ロッド72、及びブロック部81が前進しても、クランク部80には、クランク部80を回動させる力が作用せず、バルブ11を回動させる力も作用しない。また、バルブ11はストッパー41に常時当接した状態で保持されるので、熱交換部2を閉塞し、排気ガスはバイパス部3に流入しない。
例えば、バルブ11がストッパー41に常時当接し、排気ガスがバイパス部3に流入することで、熱交換部2で冷媒が加熱されなくなり、冷媒の温度が低くなり、ワックス75が凝固し、収縮すると、バネ73の反力によってピストン71、ロッド72、及びブロック部81が後退し、ピストン71が初期位置まで戻る。これに伴い、作用部83が嵌合部85に嵌合してクランク部80、及びバルブ11が回動し、バルブ11はストッパー40に当接し、バイパス部3を閉塞し、排気ガスを熱交換部2に流入させる。
本発明の第1実施形態の効果について説明する。
ロッド72の直進運動をバルブ11の回動運動に変換するリンク機構8において、ロッド72の移動量に対するロッド72の軸方向への作用部83の移動量を抑制する摺動部86をブロック部81に備える。これにより、バルブ11がストッパー41に当接した後に、部品のバラツキにより、ピストン71、ロッド72、ブロック部81を前進させる力が発生しても、バルブ11にそのような力が伝達されることが抑制されるので、バルブ11、リンク機構8、サーモアクチュエータ7にかかる負荷が大きくなることを抑制し、これらが劣化することを抑制することができる。
摺動部86をロッド72の軸方向に延設することで、バルブ11がストッパー41に当接した後に、ピストン71、ロッド72、ブロック部81を前進させる力が発生しても、バルブ11にそのような力が伝達されることがなく、バルブ11、リンク機構8、サーモアクチュエータ7が劣化することを防ぐことができる。
バルブ11がストッパー41に当接すると、クランク部80の作用部83が嵌合部85から外れて、摺動部86に当接するので、バルブ11、リンク機構8、サーモアクチュエータ7にかかる負荷が大きくなることを防ぐことができ、バルブ11、リンク機構8、サーモアクチュエータ7が劣化することを防ぐことができる。
次に本発明の第2実施形態について説明する。
リンク機構8のブロック部90が第1実施形態と異なっている。図5A、Bは、本実施形態のリンク機構8を説明する断面図である。
ブロック部90は、ロッド72の軸方向に対して傾斜する方向に延設された摺動部91を備える。摺動部91は、図5Aに示すようにロッド72が初期位置から前進する場合に、バルブ11がストッパー41に当接する図5Bの位置までクランク部80を回動可能となるように形成される。つまり、摺動部91は、サーモアクチュエータ7側が迫り上がるように形成されている。
本発明の第2実施形態の効果について説明する。
本実施形態の構成においても、ロッド72の移動量に対するロッド72の軸方向への作用部83の移動量を抑制することができ、バルブ11、リンク機構8、サーモアクチュエータ7が劣化することを防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
なお、第1実施形態の摺動部86に、第2実施形態の摺動部91を適用してもよい。
また、上記実施形態では、ロッド72が前進する場合に、作用部83が摺動部86、91に摺動するようにブロック部81、90を設けたが、ロッド72が後退する場合に、作用部83が摺動するように摺動部を逆側に設けてもよい。
1 排熱回収器
7 サーモアクチュエータ
8 リンク機構
11 バルブ
41 ストッパー
72 ロッド
75 ワックス(熱膨張体)
80 クランク部
82 軸部
83 作用部
85 嵌合部
86 摺動部(抑制部)
91 摺動部(抑制部)

Claims (4)

  1. 流体の流れ方向を切り替えるバルブと、
    熱膨張体が膨張収縮することでロッドを進退させるサーモアクチュエータと、
    前記ロッドの直線運動を前記バルブの回動運動に変換するリンク機構とを備え、
    前記リンク機構は、
    前記バルブに連結する軸部と、前記ロッドの直線運動が作用する作用部とを有し、前記軸部を中心に回動するクランク部と、
    前記ロッドと共に進退し、前記ロッドの移動量に対する前記ロッドの軸方向への前記作用部の移動量を抑制する抑制部とを備えることを特徴とする排熱回収器。
  2. 請求項1に記載の排熱回収器であって、
    前記リンク機構は、前記作用部が嵌合する嵌合部を備え、
    前記抑制部は、前記ロッドの軸方向に延設され、前記クランク部の回動によって前記嵌合部から外れた前記作用部が摺動することを特徴とする排熱回収器。
  3. 請求項2に記載の排熱回収器であって、
    前記バルブがストッパーに当接すると、前記作用部は前記嵌合部から外れることを特徴とする排熱回収器。
  4. 請求項1に記載の排熱回収器であって、
    前記抑制部は、前記ロッドの軸方向に対して傾斜する方向に延設され、前記作用部が摺動することを特徴とする排熱回収器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105649731A (zh) * 2016-01-08 2016-06-08 浙江海洋学院 一种船用尾气加热器

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