JP2015089987A - 吸収性物品用複合化材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】基体材料及び吸水性材料が、接着剤によらず、かつ、加熱されることなく、かつ、吸水性材料が基体材料に埋没されることなく複合化してなる、吸収性物品用複合化材料を提供する。
【解決手段】無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中で表面が正又は負に帯電する基体材料に対して、前記所定の溶媒中で表面が前記基体材料の表面と反対の電荷に帯電する吸水性材料が静電的相互作用により吸着してなる、吸収性物品用複合化材料であって、前記基体材料が、繊維基体又は樹脂基体と、表層に設けられた高分子電解質層とを有する、及び/又は、前記吸水性材料が、吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体と、表層に設けられた高分子電解質層とを有する、前記複合化材料を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸収性物品用複合化材料に関する。
熱可塑性樹脂繊維の表面に粒子を担持させる方法として、熱可塑性樹脂繊維の表面に接着剤(バインダ)によって粒子を固定させる方法(特許文献1)、熱可塑性樹脂繊維の融点より高い温度に加熱された粒子を、熱可塑性樹脂繊維と接触させ、熱可塑性樹脂繊維の表面に粒子を融着させる方法(特許文献2)等が知られている。
一方、母粒子に子粒子を吸着させる方法として、母粒子及び子粒子の表面を互いに反対の電荷に帯電する高分子電解質(カチオン性高分子又はアニオン性高分子)で被覆し、静電的相互作用により母粒子に子粒子を吸着させる方法(特許文献3)が知られている。
特開平6−341044号公報 特開2009−174114号公報 特開2010−64945号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、粒子の表面が必要以上に接着剤(バインダ)によって覆われてしまい、粒子が所望の機能を有効に発揮できないおそれがある。
また、粒子が、加熱によって性質が変化する材料を含む場合、特許文献2に記載の方法は不適である。例えば、粒子が高吸水性樹脂粒子である場合、高吸水性樹脂粒子が加熱によって架橋されると、吸水による高吸水性樹脂粒子の膨張が架橋によって阻害されるため、高吸水性樹脂粒子の吸水性能が低下するおそれがある。
また、特許文献2に記載の方法では、粒子が繊維に埋没するため、粒子が膨張によって機能を発揮する場合、特許文献2に記載の方法は不適である。例えば、粒子が高吸水性樹脂粒子である場合、高吸水性樹脂粒子が繊維に埋没すると、吸水による高吸水性樹脂粒子の膨張が埋没によって阻害されるため、高吸水性樹脂粒子の吸水性能が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、基体材料及び吸水性材料が、接着剤によらず、かつ、加熱されることなく、かつ、吸水性材料が基体材料に埋没されることなく複合化してなる、吸収性物品用複合化材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中で表面が正又は負に帯電する基体材料に対して、前記所定の溶媒中で表面が前記基体材料の表面と反対の電荷に帯電する吸水性材料が静電的相互作用により吸着してなる、吸収性物品用複合化材料であって、前記基体材料が、繊維基体又は樹脂基体と、表層に設けられた高分子電解質層とを有する、及び/又は、前記吸水性材料が、吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体と、表層に設けられた高分子電解質層とを有する、前記複合化材料を提供する。
本発明の複合化材料の好ましい一態様(態様1)では、前記基体材料及び/又は前記吸水性材料が、積層された複数の高分子電解質層を有し、前記複数の高分子電解質層において、前記所定の溶媒中で互いに反対の荷電に帯電する高分子電解質層が隣接している。
本発明の複合化材料の好ましい一態様(態様2)では、前記所定の溶媒中における前記基体材料及び前記吸水性材料のゼータ電位の絶対値が、20mV以上であって、かつ、電荷的に釣り合っている。態様2は、態様1と組み合わせることができる。
本発明の複合化材料の好ましい一態様(態様3)では、前記基体材料が、下記工程(a1)〜(c1):
(a1)水、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中において、前記所定の溶媒中で表面が正又は負に帯電する繊維基体又は樹脂基体と、前記所定の溶媒中で前記繊維基体又は前記樹脂基体の表面と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第1の高分子電解質層を表層に有する第1の被覆体を製造する工程;
(b1)水、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中において、前記所定の溶媒中で正又は負に帯電する第k1の高分子電解質層を表層に有する第k1の被覆体(ここで、k1は1以上の整数である。)と、前記所定の溶媒中で前記第k1の高分子電解質層と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第(k1+1)の高分子電解質層を表層に有する第(k1+1)の被覆体を製造する工程;及び
(c1)工程(b1)をk1=1で実施し、第2の高分子電解質層を表層に有する第2の被覆体を製造する、又は、工程(b1)をk1=1からk1=m(ここで、mは2以上の整数である。)まで繰り返して実施し、第(m+1)の高分子電解質層を表層に有する第(m+1)の被覆体を製造する工程
を含む方法によって製造された前記第2又は前記第(m+1)の被覆体である。態様3は、態様1及び/又は態様2と組み合わせることができる。
態様3の好ましい一態様(態様4)では、前記第2又は前記第(m+1)の被覆体のゼータ電位の絶対値が20mV以上である。
本発明の複合化材料の好ましい一態様(態様5)では、前記吸水性材料が、下記工程(a2)〜(c2):
(a2)無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中において、前記所定の溶媒中で表面が正又は負に帯電する吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体と、前記所定の溶媒中で前記吸水性粒子基体又は前記吸水性繊維基体の表面と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第1の高分子電解質層を表層に有する第1の被覆体を製造する工程;
(b2)無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中において、前記所定の溶媒中で正又は負に帯電する第k2の高分子電解質層を表層に有する第k2の被覆体(ここで、k2は1以上の整数である。)と、前記所定の溶媒中で前記第k2の高分子電解質層と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第(k2+1)の高分子電解質層を表層に有する第(k2+1)の被覆体を製造する工程;及び
(c2)工程(b2)をk2=1で実施し、第2の高分子電解質層を表層に有する第2の被覆体を製造する、又は工程(b2)をk2=1からk2=n(ここで、nは2以上の整数である。)まで繰り返して実施し、第(n+1)の高分子電解質層を表層に有する第(n+1)の被覆体を製造する工程
を含む方法によって製造された前記第2又は前記第(n+1)の被覆体である。態様5は、態様1〜4のうちの1又は2以上の態様と組み合わせることができる。
態様5の好ましい一態様(態様6)では、前記第2又は前記第(n+1)の被覆体のゼータ電位の絶対値が20mV以上である。
本発明の複合化材料の好ましい一態様(態様7)では、前記極性有機溶媒が、炭素数1〜3の一価アルコールである。態様7は、態様1〜6のうちの1又は2以上の態様と組み合わせることができる。
本発明の複合化材料の好ましい一態様(態様8)では、前記基体材料の前記繊維基体が、熱可塑性樹脂繊維又はその集合体である。態様8は、態様1〜7のうちの1又は2以上の態様と組み合わせることができる。
本発明の複合化材料の好ましい一態様(態様9)では、前記基体材料の前記繊維基体又は前記樹脂基体が、不織布シート又は樹脂シートである。態様9は、態様1〜8のうちの1又は2以上の態様と組み合わせることができる。
本発明によれば、基体材料及び吸水性材料が、接着剤によらず、かつ、加熱されることなく、かつ、吸水性材料が基体材料に埋没されることなく複合化してなる、吸収性物品用複合化材料が提供される。
図1(A)及び(B)は、実施例で得られた粒子複合化不織布の電子顕微鏡写真(Aは300倍、Bは600倍)である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中で表面が正又は負に帯電する基体材料に対して、前記所定の溶媒中で表面が前記基体材料の表面と反対の電荷に帯電する吸水性材料が静電的相互作用により吸着してなる、吸収性物品用複合化材料であって、前記基体材料が、繊維基体又は樹脂基体と、表層に設けられた高分子電解質層とを有する、及び/又は、前記吸水性材料が、吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体と、表層に設けられた高分子電解質層とを有する、前記複合化材料に関する。
基体材料及び吸水性材料のうちの少なくとも一方が高分子電解質層を表層に有することにより、静電的相互作用を通じて基体材料に吸水性材料を効果的に吸着させることができ、これにより、基体材料と吸水性材料とを効果的に複合化することができる。基体材料及び吸水性材料のうちの一方が高分子電解質層を表層に有する限り、他方は高分子電解質層を表層に有していてもよいし、有していなくてもよいが、静電的相互作用によって基体材料に吸水性材料を効果的に吸着させる点から、基体材料及び吸水性材料の両方が、高分子電解質を表層に有することが好ましい。
基体材料は、基体として繊維基体又は樹脂基体を含むことができる。基体材料に含まれる繊維基体は、繊維の集合体であることが好ましく、繊維の集合体の形態としては、例えば、不織布シートが挙げられる。基体材料に含まれる樹脂基体は、樹脂成形体であることが好ましく、樹脂成形体の形態としては、例えば、樹脂シートが挙げられる。基体材料の基体が繊維の集合体である場合、基体材料には、高分子電解質層を表層に有する被覆繊維に加えて、高分子電解質層を表層に有しない繊維が含まれていてもよい。また、基体材料に含まれる複数の被覆繊維において、各被覆繊維が表層に有する高分子電解質層の種類は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
吸水性材料は、基体として吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体を含むことができる。吸水性材料に含まれる吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体は、複数の吸水性粒子又は吸水性繊維であることが好ましい。吸水性材料の基体が複数の吸水性粒子又は吸水性繊維である場合、吸水性材料には、高分子電解質層を表層に有する被覆粒子又は被覆繊維に加えて、高分子電解質層を表層に有しない粒子又は繊維が含まれていてもよい。また、吸水性材料に含まれる複数の被覆粒子又は被覆繊維において、各被覆粒子又は各被覆繊維が表層に有する高分子電解質層の種類は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
基体材料の表面と吸水性材料の表面とは、所定の溶媒中で互いに反対の電荷に帯電する。高分子電解質層を表層に有する材料の表面の電荷は、表層に位置する高分子電解質層の電荷で判断される。例えば、所定の溶媒中で正に帯電する高分子電解質層を表層に有する材料は、所定の溶媒中で表面が正に帯電する材料であり、所定の溶媒中で負に帯電する高分子電解質層を表層に有する材料は、所定の溶媒中で表面が負に帯電する材料である。
所定の溶媒中における基体材料及び吸水性材料のゼータ電位の絶対値は、好ましくは20mV以上、さらに好ましくは50mV以上である。すなわち、正に帯電する場合のゼータ電位は、好ましくは+20mV以上、さらに好ましくは+50mV以上であり、負に帯電する場合のゼータ電位は、好ましくは−20mV以下、さらに好ましくは−50mV以下である。また、所定の溶媒中における基体材料及び吸水性材料のゼータ電位の絶対値は、電荷的に釣り合っていることが好ましい。ここで、「電荷的に釣り合う」とは、基体材料及び吸水性材料のゼータ電位の絶対値が等しい又はほぼ等しいことを意味し、「絶対値がほぼ等しい」とは、基体材料のゼータ電位の絶対値と吸収性材料のゼータ電位の絶対値との差(大きい方の絶対値から小さい方の絶対値を引くことにより求められる差)が、大きい方の絶対値を基準として20%以下、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下であることを意味する。なお、ゼータ電位の上限値は、正に帯電する場合、通常+100mV、好ましくは+70mVであり、負に帯電する場合、通常−100mV、好ましくは−70mVである。
基体材料及び吸水性材料のゼータ電位は、大塚電子製のゼータ電位測定システムELSZ−1を使用して20℃の環境雰囲気下で測定される。この際、粒子のゼータ電位の測定において、モードはフローセルを使用しての測定であり、測定原理はレーザードップラー法(電気泳動光散乱測定法)を利用したものである。また、繊維のゼータ電位の測定において、モードは平板試料用セルを使用しての測定であり、測定原理は試料表面に接する液体に生じる電気浸透流を利用したものである。
基体材料としては、基体(繊維基体又は樹脂基体)と、該基体を被覆する1以上の高分子電解質層とを有し、そのうちの1の高分子電解質層が表層に位置する被覆体を使用することができる。基体材料として使用される被覆体は、積層された複数の高分子電解質層を有し、複数の高分子電解質層において、所定の溶媒中で互いに反対の荷電に帯電する高分子電解質層が隣接していることが好ましい。被覆体が有する高分子電解質層の数は、特に限定されるものではないが、所定の溶媒中でのゼータ電位の絶対値が20mV以上となるように(すなわち、正に帯電する場合、+20mV以上となるように、負に帯電する場合、−20mV以下となるように)調節されることが好ましく、50mV以上となるように(すなわち、正に帯電する場合、+50mV以上となるように、負に帯電する場合、−50mV以下となるように)調節されることがさらに好ましい。また、被覆体が有する高分子電解質層の数は、基体材料及び吸水性材料のゼータ電位の絶対値が電荷的に釣り合うように調節されることが好ましい。ここで、「電荷的に釣り合う」とは、基体材料及び吸水性材料のゼータ電位の絶対値が等しい又はほぼ等しいことを意味し、「絶対値がほぼ等しい」とは、基体材料のゼータ電位の絶対値と吸収性材料のゼータ電位の絶対値との差(大きい方の絶対値から小さい方の絶対値を引くことにより求められる差)が、大きい方の絶対値を基準として20%以下、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下であることを意味する。なお、被覆体のゼータ電位の上限値は、正に帯電する場合、通常+100mV、好ましくは+70mVであり、負に帯電する場合、通常−100mV、好ましくは−70mVである。
吸水性材料としては、吸水性を有する基体(吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体)と、該基体を被覆する1以上の高分子電解質層とを有し、そのうちの1の高分子電解質層が表層に位置する被覆体を使用することができる。吸水性材料として使用される被覆体は、積層された複数の高分子電解質層を有し、複数の高分子電解質層において、所定の溶媒中で互いに反対の荷電に帯電する高分子電解質層が隣接していることが好ましい。被覆体が有する高分子電解質層の数は、特に限定されるものではないが、所定の溶媒中でのゼータ電位の絶対値が20mV以上となるように(すなわち、正に帯電する場合、+20mV以上となるように、負に帯電する場合、−20mV以下となるように)調節されることが好ましく、50mV以上となるように(すなわち、正に帯電する場合、+50mV以上となるように、負に帯電する場合、−50mV以下となるように)調節されることがさらに好ましい。また、被覆体が有する高分子電解質層の数は、基体材料及び吸水性材料のゼータ電位の絶対値が電荷的に釣り合うように調節されることが好ましい。ここで、「電荷的に釣り合う」とは、基体材料及び吸水性材料のゼータ電位の絶対値が等しい又はほぼ等しいことを意味し、「絶対値がほぼ等しい」とは、基体材料のゼータ電位の絶対値と吸収性材料のゼータ電位の絶対値との差(大きい方の絶対値から小さい方の絶対値を引くことにより求められる差)が、大きい方の絶対値を基準として20%以下、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下であることを意味する。なお、被覆体のゼータ電位の上限値は、正に帯電する場合、通常+100mV、好ましくは+70mVであり、負に帯電する場合、通常−100mV、好ましくは−70mVである。
本発明の複合化材料は、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中において、該所定の溶媒中で表面が正又は負に帯電する基体材料と、該所定の溶媒中で表面が基体材料の表面と反対の電荷に帯電する吸水性材料とを接触させ、静電的相互作用により基体材料に吸水性材料を吸着させる吸着工程を含む方法により製造することができるので、基体材料及び吸水性材料を、接着剤によらず、かつ、加熱されることなく、かつ、吸水性材料が基体材料に埋没されることなく複合化することができる。
吸着工程では、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒が使用される。無極性有機溶媒及び極性有機溶媒の種類は、高分子電解質のイオン化が可能である限り特に限定されない。一般的な高分子電解質は、極性溶媒中でイオン化するが、無極性溶媒中でイオン化するように設計された高分子電解質も存在する(例えば、ACS Macro Lett. 2012, 1, 1270-1273)。高分子電解質が極性溶媒中でイオン化する場合、吸着工程で使用される溶媒は、極性有機溶媒又は極性溶媒と水との混合溶媒であり、高分子電解質が無極性溶媒中でイオン化する場合、吸着工程で使用される溶媒は、無極性有機溶媒である。有機溶媒は容易に揮発させることができるので、吸着工程を経て製造された複合化材料は、自然乾燥により、又は乾燥機を使用する場合には少ない加熱量で、容易に乾燥させることができる。したがって、吸着工程の後に行われる乾燥工程で生じるおそれがある基体材料及び吸水性材料の構造及び性質の変化を防止することができる。例えば、吸水性材料が高吸水性樹脂(Superabsorbent Polymer:SAP)を含む粒子である場合、加熱によるSAPの架橋及びそれに伴うSAPの吸水性能の低下を防止することができるとともに、加熱による吸水性材料の基体材料への埋没及びそれに伴うSAPの吸水性能の低下を防止することができる。
極性溶媒中でイオン化する高分子電解質に対して使用される極性有機溶媒としては、例えば、一価アルコール、多価アルコール、ケトン等が挙げられる。一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、ケトンとしては、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン等が挙げられる。
極性有機溶媒は、好ましくはアルコールであり、さらに好ましくは炭素数1〜3の一価アルコールである。
極性有機溶媒と水との混合溶媒における極性有機溶媒の割合は特に限定されないが、吸水性材料が、吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体と、表層に設けられた高分子電解質層とを有する場合、有機溶媒の割合が高くなるほど、吸着工程における吸水性材料の吸水量が小さくなるので、吸着工程を経て製造された複合化材料の乾燥に必要な時間、加熱量等を減少させることができる。したがって、混合溶媒における有機溶媒の割合は、高いほど好ましい。混合溶媒における有機溶媒の割合は、通常95.0重量%以上、好ましくは、97.0重量%以上、さらに好ましくは99.5重量%以上である。極性有機溶媒と水との混合溶媒中に含まれる水としては、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水等が挙げられるが、好ましくは、イオン交換水である。
無極性溶媒中でイオン化する高分子電解質に対して使用される無極性有機溶媒としては、例えば、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、ヘキサン等が挙げられる。
吸着工程において、基体材料及び吸水性材料を溶媒中で接触させる際、接触時間は、通常1〜60分、好ましくは3〜20分、さらに好ましくは5〜15分であり、溶媒の温度は、通常0〜50℃、好ましくは10〜40℃、さらに好ましくは20〜30℃であり、溶媒のpHは、通常4〜10、好ましくは5〜9、さらに好ましくは6〜8である。吸水性材料が粒子(すなわち、吸水性粒子基体と、表層に設けられた高分子電解質層とを有する被覆粒子)である場合、基体材料及び吸水性材料を溶媒中で接触させる際の溶媒中の粒子の濃度は、通常0.1〜20vol%、好ましくは0.2〜10vol%、さらに好ましくは0.5〜5vol%である。
吸着工程において、静電的相互作用により基体材料に吸水性材料を吸着させることにより、基体材料と吸水性材料とが複合化した複合化材料を製造することができる。吸着工程の後、乾燥工程を実施し、複合化材料を乾燥してもよい。乾燥工程は、有機溶媒が揮発可能である限り特に限定されるものではなく、自然乾燥であってもよいし、乾燥機による乾燥であってもよい。乾燥機による乾燥の場合、乾燥温度は、基体材料及び吸水性材料の融点よりも低いことが必要である。基体材料及び吸水性材料の融点が100℃を超える場合、通常30〜100℃、好ましくは40〜90℃、さらに好ましくは50〜80℃である。乾燥時間は、乾燥温度に応じて適宜調節することができるが、通常1〜30分、好ましくは5〜25分、さらに好ましくは10〜20分である。
基体(繊維基体又は樹脂基体)と、該基体を被覆する1の高分子電解質層とを有する被覆体は、下記工程(a1)により製造することができ、こうして製造された被覆体を、基体材料として、吸着工程で使用することができる。基体(繊維基体又は樹脂基体)と、該基体を被覆する2以上の高分子電解質層とを有する被覆体は、下記工程(a1)〜(c1)により製造することができ、こうして製造された被覆体(第2又は第(m+1)の被覆体)を、基体材料として、吸着工程で使用することができる。
(a1)水、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中で、該所定の溶媒中で表面が正又は負に帯電する繊維基体又は樹脂基体と、該所定の溶媒中で繊維基体又は樹脂基体の表面と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第1の高分子電解質層を表層に有する第1の被覆体を製造する工程
(b1)水、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中で、該所定の溶媒中で正又は負に帯電する第k1の高分子電解質層を表層に有する第k1の被覆体(ここで、k1は1以上の整数である。)と、該所定の溶媒中で第k1の高分子電解質層と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第(k1+1)の高分子電解質層を表層に有する第(k1+1)の被覆体を製造する工程
(c1)工程(b1)をk1=1で実施し、第2の高分子電解質層を表層に有する第2の被覆体を製造する、又は、工程(b1)をk1=1からk1=m(ここで、mは2以上の整数である。)まで繰り返して実施し、第(m+1)の高分子電解質層を表層に有する第(m+1)の被覆体を製造する工程
以下、工程(a1)〜(c1)について説明する。
<工程(a1)>
所定の溶媒中で表面が正に帯電する基体(繊維基体又は樹脂基体)は、表面にカチオン性基を有する限り特に限定されない。カチオン性基は、所定の溶媒中で電離して正に帯電する基であり、例えば、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、第4級ホスホニウム基、スルホニウム基、ピリジニウム基等が挙げられる。カチオン性基は、基体が元来有する基であってもよいし、人為的に導入された基であってもよい。所定の溶媒中で表面が正に帯電する基体は、表面が全体として正に帯電する限り、表面に若干のアニオン性基を有していてもよい。
所定の溶媒中で表面が負に帯電する基体(繊維基体又は樹脂基体)は、表面にアニオン性基を有する限り特に限定されない。アニオン性基は、所定の溶媒中で電離して負に帯電する基であり、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、リン酸基等が挙げられる。アニオン性基は、基体が元来有する基であってもよいし、人為的に導入された基であってもよい。所定の溶媒中で表面が負に帯電する基体は、表面が全体として負に帯電する限り、表面に若干のカチオン性基を有していてもよい。
基体(繊維基体又は樹脂基体)の表面修飾(カチオン性基又はアニオン性基の導入)は、常法に従って行うことができる。
繊維基体を構成する繊維の種類は特に限定されるものではなく、その具体例としては、天然繊維(羊毛,コットン等)、再生繊維(レーヨン,アセテート等)、無機繊維(ガラス繊維,炭素繊維等)、熱可塑性樹脂繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタラート、ポリトリメチレンテレフタラート、ポリ乳酸等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド)、これらの表面修飾体等が挙げられるが、熱可塑性樹脂繊維又はその表面修飾体であることが好ましい。
繊維基体を構成する繊維は、単一成分の繊維;芯鞘型繊維、サイド・バイ・サイド型繊維、島/海型繊維等の複合繊維;中空タイプの繊維;扁平、Y型、C型等の異型繊維;潜在捲縮又は顕在捲縮の立体捲縮繊維;水流、熱、エンボス加工等の物理的負荷により分割する分割繊維等のいずれであってもよい。
繊維基体の平均繊維径は、通常10〜40μm、好ましくは12〜38μm、さらに好ましくは14〜36μmである。なお、ここで記載した平均繊維径は、次の方法により測定したときの平均繊維径である。基体繊維を電子顕微鏡(株式会社キーエンス社製,VE−8800)で300倍に拡大し、拡大画像中の繊維について2点間距離を計測する。任意の30本の繊維について同様の計測を行い(n=30)、その平均値を平均繊維径とする。1つの拡大画像に数本(例えば、3〜5本程度)の繊維しか映らない場合、電子顕微鏡で拡大する繊維基体の部位を変えて、拡大画像を複数回撮影し、n=30とする。
樹脂基体を構成する樹脂の種類は特に限定されるものではなく、その具体例としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリブチレン、これらを主体とした共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー樹脂)等が挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンタレフタレート(PET)、ポリトリメチレテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレタレート(PBT)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸をはじめとする直鎖状又は分岐状の炭素数20までのポリヒドロキシアルカン酸等のポリエステル、これらを主体とした共重合体、アルキレンテレフタレートを主成分として他の成分を少量共重合してなる共重合ポリエステル等が挙げられる。ポリアミドとしては、例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロン等が挙げられる。樹脂基体としては、常法に従って成形した樹脂成形体を使用することができる。
工程(a1)において、所定の溶媒中で表面が正に帯電する基体が使用される場合、該所定の溶媒中で負に帯電する高分子電解質が使用される。所定の溶媒中で負に帯電する高分子電解質としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニル硫酸(PVS)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリカルボン酸(PCA)等のアニオン性高分子が挙げられる。
工程(a1)において、所定の溶媒中で表面が負に帯電する基体が使用される場合、該所定の溶媒中で正に帯電する高分子電解質が使用される。所定の溶媒中で正に帯電する高分子電解質としては、例えば、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(PDDA)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン(PVAm)、ポリ(ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸)共重合等のカチオン性高分子が挙げられる。
水、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒は、高分子電解質のイオン化が可能である限り特に限定されない。高分子電解質が極性溶媒中でイオン化する場合、工程(a1)で使用される溶媒は、水、極性有機溶媒又は極性有機溶媒と水との混合溶媒であり、高分子電解質が無極性溶媒中でイオン化する場合、工程(a1)で使用される溶媒は、無極性有機溶媒である。水としては、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水等が挙げられるが、好ましくは、イオン交換水である。極性有機溶媒及び無極性有機溶媒の具体例は、吸着工程と同様である。
基体及び高分子電解質を所定の溶媒中で接触させる際、溶媒中の高分子電解質の濃度は、通常0.05〜10wt%、好ましくは0.1〜5wt%、さらに好ましくは0.2〜1wt%であり、接触時間は、通常1〜60分、好ましくは3〜20分、さらに好ましくは5〜15分であり、溶媒の温度は、通常0〜50℃、好ましくは10〜40℃、さらに好ましくは20〜30℃であり、溶媒のpHは、通常4〜10、好ましくは5〜9、さらに好ましくは6〜8である。
工程(a1)の一実施形態では、所定の溶媒中において、該所定の溶媒中で表面が正に帯電する基体と、該所定の溶媒中で負に帯電する高分子電解質とを接触させることにより、正に帯電する基体が負に帯電する高分子電解質層で被覆された第1の被覆体を製造することができる。工程(a1)の別の実施形態では、所定の溶媒中において、該所定の溶媒中で表面が負に帯電する基体と、該所定の溶媒中で正に帯電する高分子電解質とを接触させることにより、負に帯電する基体が正に帯電する高分子電解質層で被覆された第1の被覆体を製造することができる。
工程(a1)の後、洗浄工程を実施し、第1の被覆体を有機溶媒で洗浄して第1の被覆体に付着する余剰の高分子電解質を除去することが好ましい。洗浄工程の後、乾燥工程を実施し、第1の被覆体を乾燥してもよい。乾燥工程は、有機溶媒が揮発可能である限り特に限定されるものではなく、自然乾燥であってもよいし、乾燥機による乾燥であってもよい。
<工程(b1)>
工程(b1)の一実施形態では、所定の溶媒中において、該所定の溶媒中で正に帯電する第k1の高分子電解質層を表層に有する第k1の被覆体と、該所定の溶媒中で負に帯電する高分子電解質とを接触させることにより、該所定の溶媒中で負に帯電する第(k1+1)の高分子電解質層を表層に有する第(k1+1)の被覆体を製造することができる。
工程(b1)の別の実施形態では、所定の溶媒中において、該所定の溶媒中で負に帯電する第k1の高分子電解質層を表層に有する第k1の被覆体と、該所定の溶媒中で正に帯電する高分子電解質とを接触させることにより、該所定の溶媒中で正に帯電する第(k1+1)の高分子電解質層を表層に有する第(k1+1)の被覆体を製造することができる。
高分子電解質の具体例、所定の溶媒の具体例、所定の溶媒中での第k1の被覆体と高分子電解質との接触条件等は、工程(a1)と同様である。
<工程(c1)>
工程(b1)をk1=1で実施することにより、基体と該基体を被覆する第1及び第2の高分子電解質層とを有し、第2の高分子電解質層が表層に位置する第2の被覆体を製造することができる。また、工程(b1)をk1=1からk1=m(ここで、mは2以上の整数である。)まで繰り返して実施することにより、基体と該基体を被覆する第1〜第(m+1)の高分子電解質層とを有し、第(m+1)の高分子電解質層が表層に位置する第(m+1)の被覆体を製造することができる。第1〜第(m+1)の高分子電解質層は、所定の溶媒中で互いに反対の荷電に帯電する高分子電解質層が隣接するように積層される。例えば、所定の溶媒中で表面が正に帯電する基体が使用され、mが3である場合、基体に、負に帯電する第1の高分子電解質層、正に帯電する第2の高分子電解質層、負に帯電する第3の高分子電解質層、及び正に帯電する第4の高分子電解質層が積層され、第4の高分子電解質層が表層に位置する、第4の被覆体を製造することができる。また、所定の溶媒中で表面が負に帯電する基体が使用され、mが3である場合、基体に、正に帯電する第1の高分子電解質層、負に帯電する第2の高分子電解質層、正に帯電する第3の高分子電解質層、及び負に帯電する第4の高分子電解質層が積層され、第4の高分子電解質層が表層に位置する、第4の被覆体を製造することができる。
mは2以上の整数である限り特に限定されないが、2〜5であることが好ましく、3〜4であることがさらに好ましい。これにより、高分子電解質層の電荷密度が一定となり、その強度も増加するため、均一な表面被覆が達成される。
なお、mは、第(m+1)の被覆体の表層に位置する高分子電解質層が、吸着工程において第(m+1)の被覆体と接触させる吸水性材料の表面と反対の電荷に帯電するように調整される。
工程(a1)〜(c1)の一実施形態では、所定の溶媒中で表面が正に帯電する基体を、アニオン性高分子溶液と、カチオン性高分子溶液とに交互に浸漬することにより、基体に、アニオン性高分子層及びカチオン性高分子層が積層された被覆体を製造することができる。
工程(a1)〜(c1)の別の実施形態では、所定の溶媒中で表面が負に帯電する基体を、カチオン性高分子溶液と、アニオン性高分子溶液とに交互に浸漬することにより、基体に、カチオン性高分子層及びアニオン性高分子層が積層された被覆体を製造することができる。
基体(吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体)と、該基体を被覆する1の高分子電解質層とを有する被覆体は、下記工程(a2)により製造することができ、こうして製造された被覆体を、吸水性材料として、吸着工程で使用することができる。基体(吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体)と、該基体を被覆する2以上の高分子電解質層とを有する被覆体は、下記工程(a2)〜(c2)により製造することができ、こうして製造された被覆体(第2又は第(n+1)の被覆体)を、吸水性材料として、吸着工程で使用することができる。
(a2)無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中で、該所定の溶媒中で表面が正又は負に帯電する吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体と、該所定の溶媒中で吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体の表面と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第1の高分子電解質層を表層に有する第1の被覆体を製造する工程
(b2)無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中で、該所定の溶媒中で正又は負に帯電する第k2の高分子電解質層を表層に有する第k2の被覆体(ここで、k2は1以上の整数である。)と、該所定の溶媒中で第k2の高分子電解質層と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第(k2+1)の高分子電解質層を表層に有する第(k2+1)の被覆体を製造する工程
(c2)工程(b2)をk2=1で実施し、第2の高分子電解質層を表層に有する第2の被覆体を製造する、又は工程(b2)をk2=1からk2=n(ここで、nは2以上の整数である。)まで繰り返して実施し、第(n+1)の高分子電解質層を表層に有する第(n+1)の被覆体を製造する工程
以下、工程(a2)〜(c2)について説明する。
<工程(a2)>
所定の溶媒中で表面が正に帯電する基体(吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体)は、表面にカチオン性基を有する限り特に限定されない。カチオン性基は、所定の溶媒中で電離して正に帯電する基であり、例えば、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、第4級ホスホニウム基、スルホニウム基、ピリジニウム基等が挙げられる。カチオン性基は、基体の材料が元来有する基であってもよいし、人為的に導入された基であってもよい。所定の溶媒中で表面が正に帯電する基体は、表面が全体として正に帯電する限り、表面に若干のアニオン性基を有していてもよい。
所定の溶媒中で表面が負に帯電する基体(吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体)は、表面にアニオン性基を有する限り特に限定されない。アニオン性基は、所定の溶媒中で電離して負に帯電する基であり、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、リン酸基等が挙げられる。アニオン性基は、基体の材料が元来有する基であってもよいし、人為的に導入された基であってもよい。所定の溶媒中で表面が負に帯電する基体は、表面が全体として負に帯電する限り、表面に若干のカチオン性基を有していてもよい。
基体(吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体)の表面修飾(カチオン性基又はアニオン性基の導入)は、常法に従って行うことができる。
吸水性粒子基体としては、例えば、高吸水性樹脂(Superabsorbent Polymer:SAP)を含む粒子又はその表面修飾体が挙げられる。高吸水性樹脂としては、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系の高吸水性樹脂が挙げられ、デンプン系又はセルロース系の高吸水性樹脂としては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物等が挙げられ、合成ポリマー系の高吸水性材料としては、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸塩系、ポリグルタミン酸塩系、ポリアルギン酸塩系、デンプン系、セルロース系等の高吸水性樹脂等が挙げられるが、これらのうちポリアクリル酸塩系(特に、ポリアクリル酸ナトリウム系)の高吸水性樹脂が好ましい。
吸水性粒子基体の平均粒子径は、通常200nm〜20μm、好ましくは1μm〜15μm、さらに好ましくは3μm〜10μmである。また、吸水性粒子基体の平均粒子径は、表面電荷付与工程における溶媒分散性の観点から、5μm程度が好ましい。また、基体材料が繊維基体を含む場合、吸水性粒子基体の平均粒子径は、基体材料に含まれる繊維基体の平均繊維径よりも小さいことが好ましい。粒子径の測定は、JIS R 6002:1998に記載のふるい分け試験方法に準拠して実施する。
吸水性繊維基体を構成する繊維は吸水性を有する限り特に限定されるものではなく、その具体例としては、針葉樹又は広葉樹を原料として得られる木材パルプ(例えば、砕木パルプ、リファイナーグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ;クラフトパルプ、サルファイドパルプ、アルカリパルプ等の化学パルプ;半化学パルプ等);木材パルプに化学処理を施して得られるマーセル化パルプ又は架橋パルプ;バガス、ケナフ、竹、麻、綿(例えばコットンリンター)等の非木材パルプ;レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース;アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース等が挙げられる。
吸水性繊維基体を構成する繊維は、単一成分の繊維;芯鞘型繊維、サイド・バイ・サイド型繊維、島/海型繊維等の複合繊維;中空タイプの繊維;扁平、Y型、C型等の異型繊維;潜在捲縮又は顕在捲縮の立体捲縮繊維;水流、熱、エンボス加工等の物理的負荷により分割する分割繊維等のいずれであってもよい。
基体材料が繊維基体を含む場合、吸水性繊維基体の長さは、基体材料に含まれる繊維基体の長さよりも短いことが好ましい。吸水性繊維基体の平均繊維径は、通常10〜40μm、好ましくは12〜38μm、さらに好ましくは14〜36μmである。なお、ここで記載した平均繊維径は、上記と同様の方法により測定したときの平均繊維径である。
高分子電解質の具体例、所定の溶媒の具体例、所定の溶媒中での基体粒子と高分子電解質との接触条件等は、工程(a1)と同様である。なお、工程(a1)で使用される所定の溶媒は、水、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択されるのに対して、工程(a2)で使用される所定の溶媒は、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される。
工程(a2)の一実施形態では、所定の溶媒中において、該所定の溶媒中で表面が正に帯電する基体と、該所定の溶媒中で負に帯電する高分子電解質とを接触させることにより、正に帯電する基体が負に帯電する高分子電解質層で被覆された第1の被覆体を製造することができる。工程(a2)の別の実施形態では、所定の溶媒中において、該所定の溶媒中で表面が負に帯電する基体と、該所定の溶媒中で正に帯電する高分子電解質とを接触させることにより、負に帯電する基体が正に帯電する高分子電解質層で被覆された第1の被覆体を製造することができる。
工程(a2)の後、洗浄工程を実施し、第1の被覆体を有機溶媒で洗浄して第1の被覆体に付着する余剰の高分子電解質を除去することが好ましい。洗浄工程の後、乾燥工程を実施し、第1の被覆体を乾燥してもよい。乾燥工程は、有機溶媒が揮発可能である限り特に限定されるものではなく、自然乾燥であってもよいし、乾燥機による乾燥であってもよい。
<工程(b2)>
工程(b2)の一実施形態では、所定の溶媒中において、該所定の溶媒中で正に帯電する第k1の高分子電解質層を表層に有する第k2の被覆体と、該所定の溶媒中で負に帯電する高分子電解質とを接触させることにより、該所定の溶媒中で負に帯電する第(k2+1)の高分子電解質層を表層に有する第(k2+1)の被覆体を製造することができる。
工程(b2)の別の実施形態では、所定の溶媒中において、該所定の溶媒中で負に帯電する第k2の高分子電解質層を表層に有する第k2の被覆体と、該所定の溶媒中で正に帯電する高分子電解質とを接触させることにより、該所定の溶媒中で正に帯電する第(k2+1)の高分子電解質層を表層に有する第(k2+1)の被覆体を製造することができる。
高分子電解質の具体例、所定の溶媒の具体例、所定の溶媒中での第k2の被覆体と高分子電解質との接触条件等は、工程(a1)と同様である。なお、工程(a1)で使用される所定の溶媒は、水、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択されるのに対して、工程(b2)で使用される所定の溶媒は、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される。
<工程(c2)>
工程(b2)をk2=1で実施することにより、基体と該基体を被覆する第1及び第2の高分子電解質層とを有し、第2の高分子電解質層が表層に位置する第2の被覆体を製造することができる。また、工程(b2)をk2=1からk2=n(ここで、nは2以上の整数である。)まで繰り返して実施することにより、基体と該基体を被覆する第1〜第(n+1)の高分子電解質層とを有し、第(n+1)の高分子電解質層が表層に位置する第(n+1)の被覆体を製造することができる。第1〜第(n+1)の高分子電解質層は、所定の溶媒中で互いに反対の荷電に帯電する高分子電解質層が隣接するように積層される。例えば、所定の溶媒中で表面が正に帯電する基体が使用され、nが3である場合、基体に、負に帯電する第1の高分子電解質層、正に帯電する第2の高分子電解質層、負に帯電する第3の高分子電解質層、及び正に帯電する第4の高分子電解質層が積層され、第4の高分子電解質層が表層に位置する、第4の被覆体を製造することができる。また、所定の溶媒中で表面が負に帯電する基体が使用され、nが3である場合、基体に、正に帯電する第1の高分子電解質層、負に帯電する第2の高分子電解質層、正に帯電する第3の高分子電解質層、及び負に帯電する第4の高分子電解質層が積層され、第4の高分子電解質層が表層に位置する、第4の被覆体を製造することができる。
nは2以上の整数である限り特に限定されないが、2〜5であることが好ましく、2〜3であることがさらに好ましい。これにより、高分子電解質層の電荷密度が一定となり、その強度も増加するため、均一な表面被覆が達成される。
なお、nは、被覆体の表層に位置する高分子電解質層が、吸着工程において被覆体と接触させる基体材料の表面と反対の電荷に帯電するように調整される。
工程(a2)〜(c2)の一実施形態では、所定の溶媒中で表面が正に帯電する基体を、アニオン性高分子溶液と、カチオン性高分子溶液とに交互に浸漬することにより、基体に、アニオン性高分子層及びカチオン性高分子層が積層された被覆体を製造することができる。
工程(a2)〜(c2)の別の実施形態では、所定の溶媒中で表面が負に帯電する基体を、カチオン性高分子溶液と、アニオン性高分子溶液とに交互に浸漬することにより、基体に、カチオン性高分子層及びアニオン性高分子層が積層された被覆体を製造することができる。
本発明の複合化材料は、基体材料及び吸水性材料を、接着剤を使用することなく、かつ、粒子を加熱することなく、かつ、吸水性材料を基体材料に埋没させることなく、複合化して製造することができる。したがって、本発明の複合化材料における基体材料及び吸水性材料として、広範な材料を適用可能である。例えば、基体材料として不織布の形態の繊維を使用し、吸水性材料として複数のSAP粒子を使用する(但し、基体材料及び吸水性材料のうち一方又は両方が、表層に設けられた高分子電解質層を有する)場合、本発明の複合化材料は、吸水性に優れた粒子複合化繊維シートとして有用である。
本発明の複合化材料は、吸収性物品用複合化材料として使用される。吸収性物品の種類及び用途は特に限定されるものではない。吸収性物品としては、例えば、使い捨てオムツ、生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁ライナー、尿用パッド、母乳パッド、汗取りシート等の衛生用品・生理用品が挙げられ、これらはヒトを対象としてもよいし、ペット等のヒト以外の動物を対象としてもよい。吸収性物品が吸収対象とする液体は特に限定されるものではなく、例えば、着用者の液状排泄物(例えば、経血、尿、体液等)が挙げられる。本発明の複合化材料は、吸収性物品が具備する1種又は2種以上の吸収性部材として使用することができる。例えば、吸収性物品が、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、それらの間に配置された1又は2種以上の吸収性部材とを備える場合、本発明の複合化材料は、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとの間に配置された1又は2種以上の吸収性部材として使用することができる。本発明の複合化材料が、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとの間に配置された吸収性部材として使用される場合、本発明の複合化材料は、基体材料として不織布の形態の繊維を使用し、吸水性材料として複数のSAP粒子を使用する(但し、基体材料及び吸水性材料のうち一方又は両方が、表層に設けられた高分子電解質層を有する)ことにより得られる粒子複合化繊維シートの形態であることが好ましい。これにより、従来の吸収性物品よりも薄く、柔軟性及び通気性に富んだ吸収性物品の製造が可能となる。
[製造例1]粒子複合化繊不織布の製造
本実施例において、別段規定しない限り、以下の材料、試薬、条件等を採用した。
遠心分離は、遠心分離機(製造元:株式会社久保田製作所,販売元:久保田商事株式会社,型式:ユニバーサル冷却遠心機5922)を使用して実施し、遠心分離の条件は、8.5×gで5分間とした。
エタノールとして、和光純薬社製の純度99.5%のエタノールを使用した。
ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(以下「PDDA」という)として、アルドリッチ社製の重量平均分子量(Mw)10万〜20万のPDDAを使用した。
ポリアクリル酸(以下「PAA」という)として、アルドリッチ社製の重量平均分子量(Mw)2.5万〜5万のPAAを使用した。
SAP粒子として、住友精化株式会社製のSAP粒子(商品名:SA55SX−II)を使用した。
不織布として、PETを芯成分とし、PEを鞘成分とする芯鞘型複合繊維(4.4dtex×38mm)で構成されたスルーエアー不織布(坪量:38g/m2,厚み:1.4mm)を使用した。
(1)高分子電解質層で被覆された被覆不織布の製造
工程A1:不織布を容器に入れた。
工程B1:工程A1の後、不織布が十分に浸漬する量のPAAのエタノール溶液を加え、15分間放置した後、PAAのエタノール溶液を除去した。
工程C1:工程B1の後、不織布が十分に浸漬する量のエタノールを加え、十分に振盪した後、エタノールを除去した。この洗浄を2回繰り返した。
工程D1:工程C1の後、不織布が十分に浸漬する量のPDDAのエタノール溶液を加え、15分間放置した後、PDDAのエタノール溶液を除去した。
工程E1:工程D1の後、不織布が十分に浸漬する量のエタノールを加え、十分に振盪した後、エタノールを除去した。この洗浄を2回繰り返した。
工程A1〜工程E1により、基体である不織布がPAA層及びPDDA層で被覆され、表層にPDDA層が位置する被覆不織布を製造した。
20℃の環境雰囲気下、大塚電子製のゼータ電位測定システムELSZ−1を使用して、エタノール中における被覆不織布のゼータ電位を測定したところ、被覆不織布のゼータ電位は+40mVであった。なお、被覆不織布のゼータ電位の測定に関し、モードは平板試料用セルを使用しての測定であり、測定原理は試料表面に接する液体に生じる電気浸透流を利用したものである。
(2)高分子電解質層で被覆された被覆SAP粒子の製造
工程A2:エタノール10mL及びSAP粒子0.5gを遠心分離機付属の遠沈管に加え、遠心分離し、遠心上清を除去した。
工程B2:工程A2の後、遠沈管にPDDAのエタノール溶液(PDDA濃度:5mg/mL)を10mL加え、15分間放置した後、遠心分離し、遠心上清を除去した。
工程C2:工程B2の後、遠沈管にエタノールを10mL加え、十分に撹拌した後、遠心分離し、遠心上清を除去した。この洗浄を2回繰り返した。
工程D2:工程C2の後、遠沈管にPAAのエタノール溶液(PAA濃度:5mg/mL)を10mL加え、15分間放置した後、遠心分離し、遠心上清を除去した。
工程E2:工程D2の後、遠沈管にエタノールを10mL加え、十分に撹拌した後、遠心分離し、遠心上清を除去した。この洗浄を2回繰り返した。
工程A2〜工程E2により、基体であるSAP粒子がPDDA層及びPAA層で被覆され、表層にPAA層が位置する被覆SAP粒子を製造した。
20℃の環境雰囲気下、大塚電子製のゼータ電位測定システムELSZ−1を使用して、エタノール中における被覆SAP粒子のゼータ電位を測定したところ、被覆SAP粒子のゼータ電位は−40mVであった。なお、被覆SAP粒子のゼータ電位の測定に関し、モードはフローセルを使用しての測定であり、測定原理はレーザードップラー法(電気泳動光散乱測定法)を利用したものである。
(3)複合化材料の製造
被覆不織布及び被覆SAP粒子をエタノール中で混合し、静電的相互作用により被覆不織布に被覆SAP粒子を吸着させ、不織布とSAP粒子との複合化材料(サンプル1〜12)を製造した。
サンプル1〜12に関して、SAP粒子複合化前後の不織布シートの重量から算出したSAP粒子の複合化量を表1に示す。
[試験例1]SAP粒子複合化不織布の吸水倍率及び保水倍率の測定
250メッシュナイロン(NBC工業製,N−NO.250HD)からなる上端が開口する袋(x(g))に、予め重量を測定しておいたサンプル(y(g))を入れ、開口上端をヒートシールした。サンプル入りの袋を0.9%生理食塩水又はイオン交換水に完全浸漬させ、60分間放置した。放置後、サンプル入りの袋を引き上げ、25分間、自然放置にて水切りを行った後、サンプル入りの袋の重量(z1(g))を測定した。次式に基づいて吸水倍率(g/g)を算出した。
吸水倍率(g/g)=(z1−x−y)/y
自然放置による水切りの後、遠心分離機を使用して150Gで90秒間脱水し、脱水後のサンプル入りの袋の質量(z2(g))を測定し、次式に基づいて保水量(g/g)を算出した。
保水倍率(g/g)=(z2−x−y)/y
結果を表2に示す。なお、表2に示す吸水倍率及び保水倍率は、サンプルとして表1のサンプル2及び3を使用して算出された吸水倍率及び保水倍率の平均値である。
表2に示すように、吸水倍率及び保水倍率は、不織布に対するSAP粒子の複合化により増加した。特に、イオン交換水に対する吸水倍率及び保水倍率は、不織布に対するSAP粒子の複合化により顕著に増加した。
また、図1に示すように、不織布に対してSAP粒子が複合化していることを、電子顕微鏡(JEOL製,JCM−5000)による観察(二次電子像観察,加速電圧10kV)で確認した。なお、図1(A)は300倍の電子顕微鏡写真、図1(B)は600倍の電子顕微鏡写真である。

Claims (10)

  1. 無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中で表面が正又は負に帯電する基体材料に対して、前記所定の溶媒中で表面が前記基体材料の表面と反対の電荷に帯電する吸水性材料が静電的相互作用により吸着してなる、吸収性物品用複合化材料であって、
    前記基体材料が、繊維基体又は樹脂基体と、表層に設けられた高分子電解質層とを有する、及び/又は、前記吸水性材料が、吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体と、表層に設けられた高分子電解質層とを有する、前記複合化材料。
  2. 前記基体材料及び/又は前記吸水性材料が、積層された複数の高分子電解質層を有し、前記複数の高分子電解質層において、前記所定の溶媒中で互いに反対の荷電に帯電する高分子電解質層が隣接している、請求項1に記載の複合化材料。
  3. 前記所定の溶媒中における前記基体材料及び前記吸水性材料のゼータ電位の絶対値が、20mV以上であって、かつ、電荷的に釣り合っている、請求項1又は2に記載の複合化材料。
  4. 前記基体材料が、下記工程(a1)〜(c1):
    (a1)水、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中において、前記所定の溶媒中で表面が正又は負に帯電する繊維基体又は樹脂基体と、前記所定の溶媒中で前記繊維基体又は前記樹脂基体の表面と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第1の高分子電解質層を表層に有する第1の被覆体を製造する工程;
    (b1)水、無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中において、前記所定の溶媒中で正又は負に帯電する第k1の高分子電解質層を表層に有する第k1の被覆体(ここで、k1は1以上の整数である。)と、前記所定の溶媒中で前記第k1の高分子電解質層と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第(k1+1)の高分子電解質層を表層に有する第(k1+1)の被覆体を製造する工程;及び
    (c1)工程(b1)をk1=1で実施し、第2の高分子電解質層を表層に有する第2の被覆体を製造する、又は、工程(b1)をk1=1からk1=m(ここで、mは2以上の整数である。)まで繰り返して実施し、第(m+1)の高分子電解質層を表層に有する第(m+1)の被覆体を製造する工程
    を含む方法によって製造された前記第2又は前記第(m+1)の被覆体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合化材料。
  5. 前記第2又は前記第(m+1)の被覆体のゼータ電位の絶対値が20mV以上である、請求項4に記載の複合化材料。
  6. 前記吸水性材料が、下記工程(a2)〜(c2):
    (a2)無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中において、前記所定の溶媒中で表面が正又は負に帯電する吸水性粒子基体又は吸水性繊維基体と、前記所定の溶媒中で前記吸水性粒子基体又は前記吸水性繊維基体の表面と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第1の高分子電解質層を表層に有する第1の被覆体を製造する工程;
    (b2)無極性有機溶媒、極性有機溶媒、及び極性有機溶媒と水との混合溶媒から選択される所定の溶媒中において、前記所定の溶媒中で正又は負に帯電する第k2の高分子電解質層を表層に有する第k2の被覆体(ここで、k2は1以上の整数である。)と、前記所定の溶媒中で前記第k2の高分子電解質層と反対の電荷に帯電する高分子電解質とを接触させ、第(k2+1)の高分子電解質層を表層に有する第(k2+1)の被覆体を製造する工程;及び
    (c2)工程(b2)をk2=1で実施し、第2の高分子電解質層を表層に有する第2の被覆体を製造する、又は工程(b2)をk2=1からk2=n(ここで、nは2以上の整数である。)まで繰り返して実施し、第(n+1)の高分子電解質層を表層に有する第(n+1)の被覆体を製造する工程
    を含む方法によって製造された前記第2又は前記第(n+1)の被覆体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合化材料。
  7. 前記第2又は前記第(n+1)の被覆体のゼータ電位の絶対値が20mV以上である、請求項6に記載の複合化材料。
  8. 前記極性有機溶媒が、炭素数1〜3の一価アルコールである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合化材料。
  9. 前記基体材料の前記繊維基体が、熱可塑性樹脂繊維又はその集合体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合化材料。
  10. 前記基体材料の前記繊維基体又は前記樹脂基体が、不織布シート又は樹脂シートである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合化材料。
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