JP2015089884A - リグニンモノマーの製造方法 - Google Patents

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正和 金子
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優 小澤
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Kana Tanaka
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Abstract

【課題】本発明の目的は、木材などのリグニン成分含有植物材料を、入手しやすく取扱い性に問題が無い反応剤を用いて分解し、リグニンモノマーを高収率で製造する方法を提供することである。【解決手段】リグニン成分含有植物材料と金属化合物との混合物にマイクロ波を照射し、該リグニン成分含有植物材料を分解することを特徴とする、リグニンモノマーの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、リグニン成分含有植物材料を分解して、バニリンなどのリグニンモノマーを製造する方法に関する。
現代において、人々の生活に化学品は欠かせないものとなっている。しかし、大抵の化学品は、石油などの化石燃料に由来する原料を用いて製造されており、化石燃料の枯渇や、大気中の二酸化炭素量の増大による地球温暖化が懸念されている。そのような問題への解法として、再生可能資源であるバイオマスによって化学品を製造するための研究開発が盛んに行われている。
バイオマスに関して、木材、竹、藁などの植物材料中に、リグノセルロース構造の成分として質量基準で10−35%程度含まれる芳香族高分子化合物であるリグニンは、存在量が豊富であり、且つ、紙の製造において副生することから、古くから注目されてきた。中でも、リグニンを分解して得られる、リグニンの構成単位を骨格とする低分子化合物、いわゆるリグニンモノマーにはバニリンなど有用なものが多い(特許文献1など)。
化学的にリグニンを分解する方法としては、アルカリ処理、クラフトパルプ化、サルファイトパルプ化、ソルボリシス、オゾン酸化、チオアシドリシス、ニトロベンゼン酸化等がある。しかし、これらの方法には、リグニンモノマーの収率が低い、反応剤が高価である、反応剤の取り扱い性が悪い、または、好ましくない副生物が生じる等の問題がある。その為、得られるリグニンモノマーは高コストとなり、これを原料とした化学品の普及における大きな障害となっていた。
国際公開第2008/106811号パンフレット
本発明の目的は、木材などのリグニン成分含有植物材料を、入手しやすく取扱い性に問題が無い反応剤を用いて分解し、リグニンモノマーを高収率で製造する方法を提供することである。
本発明者らは、リグニン成分含有植物材料をマイクロ波照射にて分解する際、金属化合物が存在すると、分解反応が円滑に進行し、バニリンなどのリグニンモノマーを高収率で得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、リグニン成分含有植物材料と金属化合物との混合物にマイクロ波を照射し、該リグニン成分含有植物材料を分解することを特徴とする、リグニンモノマーの製造方法を要旨とするものである
本発明により、リグニン成分含有植物材料を、入手しやすく取扱い性に問題が無い反応剤を用いて分解し、リグニンモノマーを高収率で製造することができる。更に、本発明により、リグニン成分含有植物材料から、バニリン等のリグニンモノマーを短時間のワンポット反応により効率よく高収率で得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明を説明するにおいて、質量基準の百分率を、便宜上、wt%と表記することがある。同様に、重量との用語も使用されるが、これは質量を意味する。
本発明は、リグニン成分含有植物材料と金属化合物との混合物(以下、原料混合物と略記することがある)にマイクロ波を照射し、該リグニン成分含有植物材料を分解することを特徴とする、リグニンモノマーの製造方法に関する。本発明の製造方法は、上記混合物が、更に酸化剤を含有するものであると好ましい。さらに、本発明の製造方法は、上記混合物が更に塩基性化合物を含むものであっても好ましい。
[リグニン成分含有植物材料]
本発明の製造方法において、リグニン成分含有植物材料(以下、リグニン材料と略称することがある)としては公知のものを使用することができ、針葉樹材、広葉樹材、草本、竹、リグノセルロース、およびリグニンからなる群より選ばれる1種以上であると好ましい。
針葉樹材としては、スギ、エゾマツ、カラマツ、クロマツ、トドマツ、ヒメコマツ、イチイ、ネズコ、ハリモミ、イラモミ、イヌマキ、モミ、サワラ、トガサワラ、アスナロ、ヒバ、ツガ、コメツガ、ヒノキ、イヌガヤ、トウヒ、イエローシーダー(ベイヒバ)、ロウソンヒノキ(ベイヒ)、ダグラスファー(ベイマツ)、シトカスプルース(ベイトウヒ)、ラジアータマツ、イースタンスプルース、イースタンホワイトパイン、ウェスタンラーチ、ウェスタンファー、ウェスタンヘムロック、タマラック、イチョウ及びこれらの関連樹種等からなる群より選ばれる1種以上が好ましいものとして例示される。
広葉樹材としては、ユーカリ、ブナ、アカシア、パラセリアンテス・ファルカタリア、白樺、アスぺン、アメリカンブラックチェリー、イエローポプラ、ウォールナット、カバザクラ、ケヤキ、シカモア、シルバーチェリー、タモ、チーク、チャイニーズエルム、チャイニーズメープル、ナラ、ハードメイプル、ヒッコリー、ピーカン、ホワイトアッシュ、ホワイトオーク、ホワイトバーチ、レッドオーク及びこれらの関連樹種等からなる群より選ばれる1種以上が好ましいものとして例示される。
草本として、イネ、サトウキビ、ムギ、トウモロコシ、パイナップル、オイルパーム等の農産物及びその廃棄物;ケナフ、綿等の工業植物及びその廃棄物;アルファルファ、チモシー等の飼料作物、ネピアグラス、エリアンサス、ミスカンサス等からなる群より選ばれる1種以上が好ましいものとして例示される。
竹としては品種を問わず公知のものを使用でき、ここで言う竹には笹を含む。
上記の針葉樹材、広葉樹材、草本や竹を本発明の製造方法において用いる際、それらの形状は特に制限されず、粉末状、チップ状、角材状、丸太状、フレーク状、繊維状(例えば、長さ0.5−3cm、直径0.01−2mm程度のもの)等の如何なる形状のものであってもよい。植物材料からリグニンを効率良く分解・抽出するという観点から、表面積の大きい粉末状、チップ状、フレーク状、繊維状が好ましい。
本発明の製造方法において用いられるリグニン材料には、上記の針葉樹材、広葉樹材、草本、または竹から分離したリグノセルロースやリグニンも含まれ、それらが化学修飾されたものも、本発明において用いることができる。
[金属化合物]
本発明の製造方法において、金属化合物としては公知の物を用いることができる。
金属化合物としては、金属酸化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属リン酸塩、金属ハロゲン化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属塩基性炭酸塩、金属アルコキシドおよび金属カルボン酸塩からなる群より選ばれる1種以上であると好ましい。
金属化合物としては、銅、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、亜鉛、ルテニウムおよびチタンからなる群より選ばれる1種以上の金属の化合物であると好ましい。
金属化合物としては、酸化銅(I)、酸化銅(II)、水酸化銅(II)、硫酸銅(II)、塩基性炭酸銅(II)、酸化マンガン(IV)、硫酸マンガン(II)からなる群より選ばれる1種以上の金属化合物であると更に好ましく、特に好ましくは、酸化銅(II)、水酸化銅(II)である。
本発明の製造方法において、金属化合物の使用量は特に制限されないが、リグニン材料1質量部あたり0.1〜5質量部であると反応性や経済性の点で好ましく、0.1〜2質量部であると更に好ましく、0.15〜0.7質量部であるとより好ましい。
本発明において使用される金属化合物は、乾燥させている状態ものより湿った状態のものであると好ましい。
[マイクロ波照射]
本発明の製造方法において、原料混合物にマイクロ波を照射する方法としては特に限定されず、公知のマイクロ波照射装置を用いることができる。例えば、マグネトロンを発振管として915MHzの周波数のマイクロ波を照射する装置、電子レンジなどで採用されている2450MHzの周波数のマイクロ波を照射する装置、およびジャイラトロンを発振管とする28000MHzのマイクロ波を照射する装置などからなる群より選ばれる1種以上の装置であると好ましい。また、マイクロ波を所望の部位に誘導する、マイクロ波用光導波管が用いられてもよい。
照射するマイクロ波の周波数にも特に制限は無いが、リグニン材料へのマイクロ波の透過性や減衰吸収の点で有利なことから、マイクロ波の周波数は300〜30000MHzであると好ましく、900〜30000MHzであるとより好ましく、900〜6000であると更に好ましい。
原料混合物にマイクロ波を照射する際の温度に特に制限はないが、反応が特に円滑に進んで目的のリグニンモノマーの分解が起き難く、かつコスト的にも有利なことから、照射時の温度は80〜300℃であると好ましく、140〜250℃であるとより好ましく、160〜220℃であると特に好ましい。
原料混合物にマイクロ波を照射する時間に特に制限はないが、反応が特に円滑に進んで目的のリグニンモノマーの分解が起き難く、かつコスト的にも有利なことから、照射時間としては0.5分〜180分であると好ましく、0.5分〜120分であるとより好ましく、5分〜90分であると更に好ましい。
マイクロ波で原料混合物を分解する際の反応装置に特に制限は無く、バッチ式でも連続式でもよい。反応装置の材質もマイクロ波照射に問題が無く、反応条件に耐えられるものであれば何でも良い。反応装置として耐圧のものを用いて、反応混合物を密封してマイクロ波照射を行うことも好ましい。その際の反応容器内の圧力は、耐圧性能の範囲内であれば特に制限は無く、マイクロ波照射や反応熱による内圧の上昇の成り行きに任せて良い。
なお、マイクロ波照射によりリグニン材料をリグニンモノマーが相当な量生成するまで分解すると、残留している固形分はリグニン材料の原形をとどめない微細な形状となり、未反応のリグニン成分を回収して再度マイクロ波照射し分解させたり、セルロース分を回収して利用したりすることが極めて容易になり好ましい。これはリグニン材料をマイクロ波照射以外の方法で分解してリグニンモノマーを得る場合には見受けられ難い特徴である。
[酸化剤]
本発明の製造方法としては、原料混合物が、更に、酸化剤を含むものであると、より反応が円滑に進み、リグニンモノマーの収率が上がり好ましい。
酸化剤としては、過酸化水素、オゾン、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過カルボン酸およびニトロキシルラジカル化合物からなる群より選ばれる1種以上であると好ましい。本発明の製造方法においては、大気中の酸素も酸化剤として作用しうるが、酸素以外の上記例示の酸化剤を用いるのが好ましく、酸素存在下に上記の群より選ばれる1種類以上の酸化剤を用いるとより好ましい。
過酸化水素としては、これを水に溶解し過酸化水素水溶液としたものが好ましいが、過酸化水素水を有機溶媒に溶解したものであってもよい。過酸化水素水溶液としては30wt%濃度のものが入手しやすく、かつ液量が少なくて済み好ましい。
次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過炭酸塩、過ホウ酸塩などはアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩であると入手しやすいので好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩であるとより好ましく、過炭酸ナトリウム塩または次亜塩素酸ナトリウム塩(NaClO)であると特に好ましい。これらの塩も水などの溶媒に溶解して用いることができる。
本発明の製造方法において、上記酸化剤の使用量は特に制限されないが、リグニン材料1質量部あたり0.05〜1.5質量部であると反応性や経済性の点で好ましく、0.1〜1質量部であると更に好ましく、0.15〜0.5質量部であるとより好ましい。
代表的な例として、リグニン材料1gあたり、30wt%過酸化水素水溶液を1mL程度用いると、金属化合物、特に酸化銅(II)との組み合わせにより、特に効率よく反応が進行し、1段階の反応でリグニンモノマーを得ることができる。
更に、過酸化水素と次亜塩素塩、特に次亜塩素ナトリウムとを合わせて用いると、極めて反応が円滑に進行し、高収率でリグニンモノマーを得ることができる。これは、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を過酸化水素と反応させることで一重項酸素を作り出し、その活性な一重項酸素が、過酸化水素由来のヒドロキシラジカル等の活性種と共にリグニンに作用するためと、本発明者らは考えている。なお、本発明の製造方法において、酸化剤として過酸化水素と次亜塩素酸ナトリウムを併用する場合での仕込み量の一例としては、仕込みの30wt%過酸化水素水溶液1mLに対して、有効塩素濃度5wt%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液であれば1mLである。
[塩基性化合物]
本発明の製造方法としては、原料混合物が、更に、塩基性化合物を含むものであると、より反応が円滑に進み、リグニンモノマーの収率が上がり好ましい。
本発明において用いられる塩基性化合物としては、特に制限されず、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、アンモニア、アミン化合物、アルカリ金属アルコキシドからなる群より選ばれる1種以上が例示される。なかでもアルカリ金属水酸化物が反応性およびコストの点で好ましく、水酸化ナトリムまたは水酸化カリウムが特に好ましい。水酸化ナトリムまたは水酸化カリウムは1〜2mol/Lの水溶液として用いると好ましく、より好ましくは2mol/Lの水溶液である。
本発明の製造方法において、上記塩基性化合物の使用量は特に制限されないが、リグニン材料1質量部あたり0.1〜5質量部であると反応性や経済性の点で好ましく、0.5〜3質量部であると更に好ましく、0.8〜2質量部であるとより好ましい。
[溶媒]
本発明の製造方法においては、原料混合物が、更に溶媒を含むものであっても良い。
溶媒としては、水、水以外の無機溶媒、有機溶媒、これらの混合物などの公知のものを特に制限なく用いることができる。炭素数1〜4のアルコール、炭素数1〜4のカルボン酸、イオン液体など種々の有機溶媒を用いることも可能だが、水を主成分とする溶媒が安価かつ反応性の点で好ましい。
溶媒の添加量としては、特に制限はないが、リグニン材料1質量部あたり5〜100質量部であると好ましく、10〜20質量部であるとより好ましい。
なお、上記の溶媒は、前記の金属化合物や酸化剤、塩基性化合物を溶液にして反応混合物を調製する際の溶媒であってもよく、溶媒自体が酸化剤や塩基性化合物としての機能を有するものであっても良い。
[リグニンモノマー]
本発明の製造方法によって得られるリグニンモノマーとは、リグニン成分含有植物材料を分解して得られ、リグニンに由来する有機化合物、好ましくは芳香族化合物であり、リグニンの前駆物質で一般にモノリグノールと称される有機化合物、その生合成経路に存在する有機化合物、リグニン成分含有植物材料の分解時に化学修飾や官能基変換がされた化合物、およびそれらの低分子縮合体(好ましくは分子量2000以下、より好ましくは分子量1000以下)などの化合物を指す。
本発明の製造方法において、リグニンモノマーは複数の混合物で得られても良い。
リグニンモノマーとしては、p−クマリルアルコール、コニフェリルアルコール、シナピルアルコール、p−クマリルアルデヒド、コニフェリルアルデヒド、シナピルアルデヒド、p−クマル酸、フェルラ酸、シナピン酸、カフェイルアルコール、カフェイルアルデヒド、カフェ酸、桂皮酸、バニリルアルコール、5−ホルミルバニリン酸、5−ホルミルバニリン、5−ヒドロキシメチルバニリン、5−カルボキシバニリン、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシ安息香酸、アセトバニロン、バニリン、バニリン酸、シリンガアルデヒド、シリンガ酸などからなる群より選ばれる1種以上が好ましいものとして例示され、なかでもバニリン、バニリン酸、シリンガアルデヒド、シリンガ酸などからなる群より選ばれる1種以上のものは有用性が特に高くより好ましい。
本発明の製造方法においては、マイクロ波照射による反応後、反応混合物を沈殿、抽出、蒸留、再結晶など公知の方法によって目的とするリグニンモノマーを分離精製することができる。本発明の製造方法において、前記の塩基化合物を用い、溶媒として水を用いた場合は、反応混合物を酸で中和した液からリグニンモノマーを有機溶媒で抽出し、蒸留することによりリグニンモノマーを得ることができる。
[特に好ましい態様]
本発明の製造方法としては、金属化合物として酸化銅(II)または水酸化銅(II)を、酸化剤として過酸化水素を用いると、特にリグニンモノマーの収率が高く好ましい。
また、本発明の製造方法としては、塩基性物質として水酸化ナトリウムを用いると特にリグニンモノマーの収率が高くなり好ましく、金属化合物として酸化銅(II)または水酸化銅(II)を、酸化剤として過酸化水素を用いた上で水酸化ナトリウムを用いるとより一層好ましい。
本発明の製造方法としては、溶媒として水を用いると反応が円滑に進み好ましく、過酸化水素などの酸化剤や水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物を水溶液にして用いると、原料の仕込み操作が簡便になり特に好ましい。
以下、本発明の具体例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1](スギ木粉、マイクロ波照射、170℃、CuO(99.9wt%純度)、H
温度検出端付き反応容器に、通常の空気雰囲気下、リグニン成分含有植物材料として14〜30メッシュに粉砕したスギ木粉(乾燥重量率94.8wt%、含水率5.2wt%、リグニン含有率31wt%)1gを投入し、次に金属化合物として酸化銅(II)0.2g(99.9%純度)と2mol/L水酸化ナトリウム水溶液18g、更に30wt%過酸化水素水溶液1mLを加え、マイクロ波照射装置「マイルストーン社製StartSYNTH」を用いて、直ちに2450MHzのマイクロ波を2分間で目標反応温度の170℃になる速度で照射した。170℃に到達後、マイクロ波出力を調整して80分間温度を保持した。その後、50℃以下になるまで放冷した。反応容器の内部を確認したところ、反応混合物中に見受けられる固形分は、原料であるスギ木粉に比べ微細なものであり、これらはセルロースを主成分とする。
更に、前記反応混合物を濾過し、セルロース成分等の未反応物や金属触媒は固形残渣として回収した。濾過により得られた濾液を8mol/L塩酸で完全に酸性にし、これらの液をすべて分液漏斗に移し、残存する過酸化物は亜硫酸ナトリウム水溶液で分解し、水層と等倍量の酢酸エチルを用いて3回抽出した。抽出液を硫酸マグネシウム(または硫酸ナトリウム)で脱水し、エバポレーターで濃縮乾固した。固形分に含まれる分解物は、メタノールに溶解しHPLCで定量分析した。HPLCは、カラムにYMC−Pack ODS−A(150mm x 4.6mm)、溶離液にA:0.1Vol%ギ酸水溶液とB:アセトニトリルを用い、サンプルを最初5分間A90%、B10%で通液した後、35分間かけてA50%、B50%に直線的に溶離液の組成を変化させた。流速は、0.8mL/minとした。主要なリグニンモノマーとして、バニリン、バニリン酸、シリンガアルデヒド、およびシリンガ酸に注目し、定量を行った。バニリン、シリンガアルデヒド、およびシリンガ酸の検出は280nm、バニリン酸の検出は220nmの紫外線吸収を用いた。なお、他のリグニンモノマーと思われるピークも検出されたが、それらの同定、定量については省略した。
分析結果から木粉の乾燥質量基準の各リグニンモノマー収率(wt%、以下、植物基準収率と言うことがある)を算出し、更に、この植物基準収率を、木粉のリグニン含有率で除して100を掛けてリグニン基準の各リグニンモノマー収率(wt%、以下、リグニン基準収率と言うことがある)を算出した。分析結果などを表1に示す。
[実施例2](スギ木粉、マイクロ波照射、190℃、CuO(90wt%純度),H
スギ木粉の量を0.25gとし、酸化銅(II)の量を0.25g(但し90.0wt%純度品)、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液の量を3.5g、30wt%過酸化水素水溶液の量を250μL(0.25mL)とし、目標反応温度を190℃、目標反応温度に到達してからの保持時間を10分とした以外は実施例1と同様に操作および分析を行った。分析結果などを表1に示す。
[実施例3](スギ木粉、マイクロ波照射、200℃、CuO(90wt%純度),H
酸化銅(II)の量を0.6g(但し90.0wt%純度品)とし、目標反応温度を200℃、目標反応温度に到達してからの保持時間を10分とした以外は実施例1と同様に操作および分析を行った。分析結果などを表1に示す。
[実施例4](スギ木粉、マイクロ波照射、200℃、CuO(90wt%純度),H、NaClO)
酸化銅(II)の量を0.6g(但し90.0wt%純度品)とし、更に、30wt%過酸化水素水溶液と共に1mLの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(塩素含量5wt%)も加え、目標反応温度を200℃、目標反応温度に到達してからの保持時間を10分とした以外は実施例1と同様に操作および分析を行った。分析結果などを表1に示す。
[実施例5](ユーカリ木粉、マイクロ波照射、170℃、CuO(99.9wt%純度)、H
スギ木粉の代わりに、14〜30メッシュに粉砕したユーカリ木粉(91.2wt%、含水率8.8wt%、リグニン含有率22wt%))1gを用いた以外は実施例1と同様に操作および分析を行った。分析結果などを表1に示す。
[実施例6](ブナ木粉、マイクロ波照射、170℃、CuO(99.9wt%純度)、H
スギ木粉の代わりに、14〜30メッシュに粉砕したブナ木粉(94.8wt%、含水率5.2wt%、リグニン含有率21wt%))1gを用いた以外は実施例1と同様に操作および分析を行った。分析結果などを表1に示す。
[実施例7](スギ木粉、マイクロ波照射、170℃、CuSO・5HO、H
酸化銅(II)の代わりに硫酸銅5水和物2.6gを用い、2mol/L 水酸化ナトリウム水溶液を17gとし、30wt%過酸化水素水溶液を添加しなかった以外は、実施例1と同様に操作および分析を行った。分析結果などを表1に示す。
[実施例8](スギ木粉、マイクロ波照射、200℃、MnO、H
酸化銅(II)の代わりに酸化マンガン(IV)0.7gを用い、目標反応温度を200℃、目標反応温度に到達してからの保持時間を10分とした以外は実施例1と同様、つまり、実施例3と同じ反応温度、反応時間として操作および分析を行った。分析結果などを表1に示す。
[実施例9](スギ木粉、マイクロ波照射、200℃、CuO)
酸化銅(II)の量を0.6g(但し90.0wt%純度品)とし、30wt%過酸化水素水溶液を添加せず、目標反応温度を200℃、目標反応温度に到達してからの保持時間を10分とした以外は実施例1と同様に操作および分析を行った。つまり、本実施例の条件は、過酸化水素水溶液を用いない以外は実施例3と同様である。分析結果などを表1に示す。
[実施例10](スギ木粉、マイクロ波照射、170℃、Cu(OH)、H
酸化銅(II)の代わりに水酸化銅(II)0.198gを用いた以外は実施例1と同様に操作および分析を行った。分析結果などを表1に示す。
[比較例1](スギ木粉、オートクレーブ使用(マイクロ波照射無し)、170℃、CuO(99.9wt%純度)、H
50mLオートクレーブ容器を用いて、マイクロ波照射ではなく、熱媒体により反応容器外部から加熱して170℃で80分間反応させた以外は、実施例1と同様に操作および分析を行った。分析結果などを表1に示す。なお、反応後にオートクレーブ容器の内部を確認したところ、反応混合物中に、スギ木粉が仕込み時の形状のまま残留したと思われる固形分が確認された。
[比較例2](スギ木粉、耐圧硝子容器使用(マイクロ波照射無し)、190℃、CuO(99.9wt%純度)、H
スギ木粉の量を0.12gとし、酸化銅(II)の量を0.12g(但し90.0wt%純度品)、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液の量を1.7g、30wt%過酸化水素水溶液の量を125μL(0.125mL)とし、5mL耐圧硝子容器を反応容器として用いて、マイクロ波照射ではなく、190℃に調整されたオイルバスに当該反応容器を浸漬することにより加熱して10分間反応させた以外は、実施例1と同様に操作および分析を行った。分析結果などを表1に示す。
[比較例3](スギ木粉、マイクロ波照射、200℃、金属化合物無し,H
酸化銅(II)を添加せず、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液の量を19gとし、目標反応温度を200℃、目標反応温度に到達してからの保持時間を10分とした以外は実施例1と同様に操作および分析を行った。つまり、本実施例の条件は、酸化銅(II)を用いない以外は実施例3と同様である。分析結果などを表1に示す。
[比較例4](スギ木粉、マイクロ波照射、200℃、H、NaClO)
酸化銅(II)を添加せず、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液の量を19gとし、更に、30wt%過酸化水素水溶液と共に1mLの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(塩素含量5wt%)も加え、目標反応温度を200℃、目標反応温度に到達してからの保持時間を10分とした以外は実施例1と同様に操作および分析を行った。つまり、本実施例の条件は、酸化銅(II)を用いない以外は実施例4と同様である。分析結果などを表1に示す。
Figure 2015089884
本発明から得られるバニリンなどのリグニンモノマーは、化学品として高分子材料の原料、各種添加剤、香料など種々の用途に極めて有用である。

Claims (14)

  1. リグニン成分含有植物材料と金属化合物との混合物にマイクロ波を照射し、該リグニン成分含有植物材料を分解することを特徴とする、リグニンモノマーの製造方法。
  2. 前記混合物が、更に酸化剤を含有する請求項1記載のリグニンモノマーの製造方法。
  3. 金属化合物が、金属酸化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属リン酸塩、金属ハロゲン化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属塩基性炭酸塩、金属アルコキシドおよび金属カルボン酸塩からなる群より選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載のリグニンモノマーの製造方法。
  4. 金属化合物が、銅、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、亜鉛、ルテニウム、およびチタンからなる群より選ばれる1種以上の金属の化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のリグニンモノマーの製造方法。
  5. 金属化合物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)、水酸化銅(II)、硫酸銅(II)、塩基性炭酸銅(II)、酸化マンガン(IV)、硫酸マンガン(II)からなる群より選ばれる1種以上の金属化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のリグニンモノマーの製造方法。
  6. 酸化剤が、過酸化水素、オゾン、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過カルボン酸およびニトロキシルラジカル化合物からなる群より選ばれる1種以上である請求項2〜5のいずれかに記載のリグニンモノマーの製造方法。
  7. リグニン成分含有植物材料が、針葉樹材、広葉樹材、草本、竹、リグノセルロース、およびリグニンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜6のいずれかに記載のリグニンモノマーの製造方法。
  8. 混合物が、更に塩基性物質を有する請求項1〜7のいずれかに記載のリグニンモノマーの製造方法。
  9. 周波数300〜30000MHzのマイクロ波を照射する請求項1〜8のいずれかに記載のリグニンモノマーの製造方法。
  10. 温度80〜300℃にてマイクロ波を照射する請求項1〜9のいずれかに記載のリグニンモノマーの製造方法。
  11. マイクロ波を照射する時間が0.5分〜180分である請求項1〜10のいずれかに記載のリグニンモノマーの製造方法。
  12. リグニンモノマーがバニリン、バニリン酸、シリンガアルデヒド、およびシリンガ酸からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜11のいずれかに記載のリグニンモノマーの製造方法。
  13. 金属化合物が酸化銅(II)または水酸化銅(II)であり、酸化剤が過酸化水素である請求項2〜12のいずれかに記載のリグニンモノマーの製造方法。
  14. 塩基性物質が水酸化ナトリウムである請求項8〜13のいずれかに記載のリグニンモノマーの製造方法。
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