JP2015086805A - 回転機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビテーションによる不安定現象を抑制しつつ、低流量時の不安定特性を抑えることのできる回転機械を提供する。
【解決手段】ブレード3を有して、軸線O回りに回転するインペラ2と、インペラ2を収容する主流路C、及び、主流路Cに連通する逆流流路RCが形成されたケーシング7と、逆流流路RCに設けられたベーン部13と、を備え、逆流流路RCは、入口RCaが主流路Cに開口するとともに出口RCbが入口RCaよりも主流路Cの上流側に開口して形成され、ベーン部13は、逆流流路RC内を入口RCaから出口RCbに向かって流通する流体Wを、主流路C内にインペラ2の回転方向逆側に向かって案内することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体が内部を流通する回転機械に関する。
従来から、例えば、回転機械として、流体のエネルギーと機械的エネルギーとを連続的に変換する遠心ポンプや遠心圧縮機等のターボ機械が知られている。
このような回転機械では、特に低流量運転時にインペラの入口となるブレードの前縁近傍で主流とは逆方向に流れる逆流が発生し、キャビテーションによる不安定現象が生じることがある。不安定現象とは、即ち、回転と非同期な流体振動がインペラのブレードに作用して回転軸の振動を誘発したり、主流の流量と圧力とが大きく変動したりする現象である。
また、このような逆流は、回転軸の回転の影響で回転方向に予旋回成分を有し、この逆流に起因する予旋回成分は流量の低下に伴い増加する傾向にあるため、低流量域での運転においてインペラにおけるオイラーヘッドを低下させる要因となり、Q(流量)−H(揚程)曲線の右上がり特性の発生原因の一つとなりうる。Q−H曲線の右上がり特性が発生する流量領域では、大きな脈動が発生するため安定したポンプの運転が実施不可となる。
ここで、特許文献1には、ケーシングに逆流返しとなる段差部を設けることで、逆流キャビティの伸縮を抑制し、逆流発生領域を安定化させ、性能維持を図った高速ポンプが記載されている。
特開2006−258040号公報
しかしながら、特許文献1に記載された段差部では、上述したような逆流の旋回成分を取り除くことができず、段差部に跳ね返された逆流が旋回成分を有したまま、主流に合流してしまう。この結果、上述したようにQ−H曲線の右上がり特性を抑制することは難しく、運転範囲を拡大することは難しい。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、キャビテーションによる不安定現象を抑制しつつ、低流量時の不安定特性を抑えることのできる回転機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
即ち、本発明に係る回転機械は、ブレードを有して、軸線回りに回転するインペラと、前記インペラを収容する主流路、及び、該主流路に連通する逆流流路が形成されたケーシングと、前記逆流流路に設けられた案内部と、を備え、前記逆流流路は、入口が前記主流路に開口するとともに出口が前記入口よりも前記主流路の上流側に開口して形成され、前記案内部は、前記逆流流路内を前記入口から前記出口に向かって流通する流体を、前記主流路内に前記インペラの回転方向逆側に向かって案内する、ことを特徴とする。
このような回転機械によれば、主流路内で、インペラの回転にともなってブレードの前縁近傍に逆流が生じると、逆流の生じた位置で主流とは反対方向の圧力勾配が発生するため、逆流流路の入口と、それより上流側に位置する出口との間に静圧差による差圧が生じて、流体が逆流流路に流入することになる。そして、逆流流路を流通する流体を案内部によってインペラの回転方向とは逆側へ流体を案内しつつ出口から流出させる。従って、逆流流路を流通する流体を逆旋回流れとして、主流路へ流出させることができ、インペラの回転にともなって逆流が有する予旋回成分を低減することができる。
また、前記逆流流路は、前記ケーシングの前記主流路を形成する内周面から前記軸線の径方向に凹む環状の溝部と該溝部における前記軸線の径方向内側の位置で、該溝部の開口を塞ぐように前記軸線の周方向に環状に設けられた蓋部との間に形成され、前記案内部は、前記溝部内で前記出口を含む位置に設けられて、前記軸線の径方向内側に向かうに従って前記回転方向逆側に向かって傾斜するベーン部であってもよい。
このように溝部と蓋部とによって逆流流路を容易に形成することができる。また、蓋部によって、溝部全体が主流路に開口しないため、主流路内を流通する主流の流れを乱してしまうことを抑制でき、運転効率の向上が可能となる。さらに、ベーン部によって、逆流流路を流通する流体を逆旋回流れとして主流路へ流出させることができ、インペラの回転にともなって逆流が有する予旋回成分を低減することができる。
さらに、前記逆流流路を形成する前記蓋部は、前記主流路内で前記入口へ向かう流体の流れが存在しない状態で前記入口を閉塞するとともに、前記主流路内で前記入口へ向かう流体の流れが生じた際に、前記入口を開放してもよい。
このような蓋部によって、逆流の生じていない(又は小規模な逆流が生じている)設計点での運転の際には逆流流路の入口を閉塞でき、主流路内を流通する主流の流れを乱してしまうことを抑制して運転効率の向上が可能となる。また、逆流が生じた際には入口を開放することで、静圧の差圧によって逆流流路へ流体を流入させ、この流体を逆旋回流れとして主流路へ流出させることができ、インペラの回転にともなって逆流が有する予旋回成分を低減することができる。
また、前記逆流流路は、前記ケーシングの前記主流路を形成する内周面から該ケーシングの内部へ延びる孔部によって形成され、前記案内部は、前記孔部のうちで、前記出口を含む位置で前記軸線の径方向内側に向かうに従って前記回転方向逆側に向かって傾斜する傾斜孔部であってもよい。
このように孔部によって逆流流路を形成することができ、逆流流路が主流路に開口する部分は、入口と出口とだけであるため、主流路内を流通する主流の流れを乱してしまうことを抑制でき、逆流流路の付加による効率の低下を抑制することが可能となる。さらに、傾斜孔部によって、逆流流路を流通する流体を逆旋回流れとして主流路へ流出させることができ、インペラの回転にともなって逆流が有する予旋回成分を低減することができる。
さらに、前記入口は、前記ケーシングの前記主流路を形成する内周面のうち、前記ブレードに前記軸線の径方向に対向する領域内の上流側の位置に開口し、前記出口は、前記ブレードが設けられた位置よりも上流側の位置に開口していてもよい。
ブレードにおける上流側の位置では逆流が生じ易く、このブレードにおける上流側の位置、即ち、前縁側の位置に逆流流路の入口が開口していることで逆流を積極的に逆流流路に案内することができるため、逆流を低減することができる。よって、逆流領域と主流との速度せん断層に発生するキャビテーションの発生を抑制し、不安定現象の発生を抑えることができる。
また、前記入口及び前記出口は、前記ブレードが設けられた位置よりも上流側の位置に開口していてもよい。
このように逆流流路の入口、出口がブレードよりも上流側に開口していることで、設計点での運転の際(逆流が生じていない場合や小規模な逆流が生じている場合)には、逆流流路の入口と出口との間には大きな差圧は生じていない。よって、逆流流路に流入する流体の流量を抑えることができ、主流路を流通する主流の流量が減少してしまうことがなく、運転効率を維持することができる。一方で、大規模な逆流が生じ、この逆流が逆流流路の入口に到達した際には、逆流の旋回成分の影響でこの入口近傍の静圧が上昇する。このため、逆流流路の入口と出口との間の差圧が大きくなって、逆流を形成する流体を積極的に逆流流路に案内できる。この結果、逆流を低減できるとともに案内部によって逆流が有する予旋回成分を低減することができる。
さらに、前記入口は、前記ブレードが設けられた位置よりも下流側の位置に開口し、前記出口は、前記ブレードが設けられた位置よりも上流側の位置に開口していてもよい。
このように、ブレードよりも下流の位置とブレードよりも上流の位置との間にわたって逆流流路が形成されていることで、インペラの揚程分の差圧が逆流流路の入口と出口との間に発生する。従って、この差圧を利用して、より多くの流体を逆流流路へ流入させて案内部によって案内しつつ出口から主流路へと流出させることで、逆流が有する予旋回成分をさらに低減することができる。
特にインペラでの揚程が大きくなる条件で、即ち、逆流の発生し易い低流量運転時に、逆流が有する予旋回成分をさらに低減できるため、キャビテーション発生の抑制、オイラーヘッド低下の抑制についての大きな効果が得られる。
また、前記入口は、前記ブレードが設けられた位置よりも上流側の位置に開口し、前記逆流流路を形成する前記蓋部は、前記ケーシングの前記主流路を形成する内周面から前記径方向内側に突出する下流側を向く端面と、前記主流路内で前記入口へ向かう流体の流れが存在しない状態で、前記端面を前記溝部の下流側の面に押し付けて前記入口を閉塞するとともに、前記主流路内で前記入口へ向かう流体の流れが生じた際に前記端面に接触する該流体の力によって前記入口を開放する付勢部と、を備えていてもよい。
このような蓋部によって、逆流の生じない設計点での運転時には逆流流路の入口を閉塞でき、運転効率の向上が可能となる。また、逆流が生じた際には、この逆流が、付勢部の付勢力に抗して端面を上流側に向かって押し出して蓋部を移動させ、入口を開放する。従って、逆流流路へ流体を流入させ、この流体を逆旋回流れとして主流路へ流出させることができ、インペラの回転にともなって逆流が有する予旋回成分を低減することができる。よって、逆流の発生に応じてより効果的にキャビテーション発生の抑制、及び、オイラーヘッドの低下抑制が可能となる。
さらに、前記ケーシングの内周面から前記径方向内側に突出する下流側を向く端面を備えて前記逆流流路を形成する前記蓋部は、前記軸線の径方向内側を向く表面が、前記上流側から前記下流側に向かうに従って、前記軸線の径方向外側から内側に向かって傾斜する傾斜面となっているとともに、上流側の端部が前記溝部から突出しない位置に配されていてもよい。
このように、蓋部における上流側の端部が溝部から突出しない位置に配されて、また、蓋部に傾斜面が形成されていることによって、主流路内の主流が上流側で蓋部によって妨げられることがなく、傾斜面に沿って主流をインペラに向かって滑らかに流通させることができる。このため、運転効率の向上が可能となる。
本発明の回転機械では、逆流流路から案内部を介して流体を主流路へ流出させることで、キャビテーションによる不安定現象を抑制しつつ、低流量時の不安定特性を抑えることができる。
本発明の第一実施形態に係るポンプを示す概略断面図である。 本発明の第一実施形態に係るポンプにおける軸線に直交する断面を示す図であって、図1のA−A断面を示すものである。 本発明の第一実施形態の変形例に係るポンプを示す概略断面図である。 本発明の第一実施形態の変形例に係るポンプにおける軸線に直交する断面を示す図であって、図3のB−B断面を示すものである。 本発明の第二実施形態に係るポンプを示す概略断面図である。 本発明の第三実施形態に係るポンプを示す概略断面図である。 本発明の第四実施形態に係るポンプを示す概略断面図である。
〔第一実施形態〕
以下、本発明の第一実施形態に係るポンプ1(回転機械)について説明する。
ポンプ1は、取り込んだ液体の作動流体Wの昇圧を行うものである。
図1に示すように、ポンプ1は、回転軸4及びブレード3を有して、軸線O回りに回転するインペラ2と、インペラ2を回転可能に収容するケーシング7とを備えている。
ケーシング7は、内部に軸線Oを中心として軸線Oに沿って延びる管状の主流路Cを画成しており、この主流路Cに流体Wの主流W1を流通可能とするとともに、インペラ2を収容している。また、主流路Cの内面となるケーシング7の内周面7aとインペラ2のブレード3のチップとの間にはクリアランスが設けられて、これら内周面7aとブレード3とが軸線Oの径方向に対向している。
ここで、主流W1は軸線O方向に主流路Cを流通し、軸線O方向の一方側(図1の紙面に向かって左側)が上流側、軸線O方向の他方側が下流側となっている。
さらに、ケーシング7には、内周面7aから軸線Oの径方向に凹む軸線Oを中心とした環状の溝部10が形成されている。この溝部10は、溝部10の内面として、径方向外側に位置する底面10aと、底面10aに連続して径方向内側に延びる一対の側面10bとを有している。
また、ケーシング7には、溝部10の開口を塞ぐように溝部10における径方向内側の位置で、軸線Oの周方向に環状に蓋部11が設けられている。
この蓋部11は、溝部10の底面10aとの間に周方向に互いに離間して設けられた複数のストラット12によって、底面10aとの間に空間を形成した状態でケーシング7に支持されている。そして蓋部11の軸線O方向の寸法は、溝部10の軸線O方向の寸法よりも小さくなっており、溝部10における下流側の端部位置、及び、溝部10における上流側の端部位置では、この空間が主流路Cに開口している。
このように溝部10と蓋部11との間に形成された空間は、流体Wが流通可能な逆流流路RCとなっており、下流側における溝部10の開口を逆流流路RCの入口RCaとし、上流側における溝部10の開口を逆流流路RCの出口RCbとする。
そして、逆流流路RCの入口RCaは、ケーシング7の内周面7aのうち、ブレード3に径方向に対向する領域内の上流側の位置に開口し、出口RCbは、ブレード3が設けられた位置よりも上流側の位置に開口している。
ここで、ポンプ1は、ケーシング7の溝部10内で、逆流流路RCの出口RCbを含む位置となる溝部10における上流側の側面10bに設けられたベーン部13(案内部)をさらに備えている。
図2に示すように、ベーン部13は、上流側の側面10bから軸線O方向の下流側に向かって蓋部11に干渉しない位置まで突出して設けられているとともに、径方向外側から内側に向かうに従って、軸線Oの径方向に回転方向Rの逆側に向かって傾斜する板状の部材である。このベーン部13は、周方向に間隔をあけて複数設けられている。
このようなポンプ1によると、インペラ2の回転によって、主流路Cを流通する流体Wの主流W1が昇圧される。この際、インペラ2への流体Wの入口RCa部分となるブレード3の前縁近傍には、主流W1の流れとは逆方向に、即ち、下流側から上流側に向かって流れる逆流W2が発生する。このような逆流W2の発生は、低流量運転時に顕著である。そしてこの逆流W2は、インペラ2の回転によって回転方向Rへの予旋回成分を有している。
このような逆流W2が発生すると、逆流W2の生じた位置で静圧が低下する。このため、逆流流路RCの入口RCaと、それより上流側に位置する出口RCbとの間に静圧差による差圧が生じて、逆流W2の流体Wが逆流流路RCに流入することになる。
そして、逆流流路RCを流通する流体Wをベーン部13によってインペラ2の回転方向Rとは逆側へ案内しつつ出口RCbから流出させることができる。従って、逆流流路RCを流通する流体Wを逆旋回流れとして、主流路Cへ流出させることができ、インペラ2の回転にともなって逆流W2が有する予旋回成分を低減することができる。
さらに、溝部10と蓋部11とによって逆流流路RCを容易に形成することができる。また、蓋部11によって溝部10全体が主流路Cに開口しないため、主流路C内を流通する主流W1の流れを乱してしまうことを抑制でき、運転効率の向上が可能となる。
また、上流側の位置、即ちブレード3の前縁側の位置に逆流流路RCの入口RCaが開口していることで、ブレード3近傍で発生した逆流W2を形成する流体Wを、積極的に逆流流路RCに案内することができるため、逆流W2を低減することができる。
本実施形態のポンプ1によると、ベーン部13によって逆流W2の予旋回成分を低減することで、キャビテーションの発生を抑制し、オイラーヘッド低下を抑え、不安定現象の発生を抑えることができる。
ここで、図3及び図4に示すように、逆流流路RCは、ケーシング7の内周面7aからケーシング7の内部へ延びる孔部21によって形成されていてもよい。
より具体的には、逆流流路RCとして周方向に間隔をあけて複数の孔部21が形成されている、また、各々の孔部21は、ケーシング7の内周面7aのうち、ブレード3に径方向に対向する領域内の上流側の位置で主流路Cに開口するとともに、ブレード3が設けられた位置よりも上流側の位置に開口し、主流路Cに連通している。即ち、溝部10と蓋部11とによって逆流流路RCを形成した場合と同様の位置に、逆流流路RCの入口RCaと出口RCbが開口している。
また、この孔部21は出口RCbを含む位置では、軸線Oの径方向内側に向かうに従って回転方向Rの逆側に向かって傾斜する傾斜孔部21a(案内部)となっている。
このような孔部21によっても、逆流流路RCを形成することができ、逆流流路RCが主流路Cに開口する部分は、入口RCaと出口RCbとだけであるため、主流路C内を流通する主流W1の流れを乱してしまうことを抑制でき、逆流流路RCの付加による効率の低下を抑制することが可能となる。
さらに、傾斜孔部21aによって、逆流流路RCを流通する流体Wを逆旋回流れとして主流路Cへ流出させることができ、インペラ2の回転にともなって逆流W2が有する予旋回成分を低減することができる。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態に係るポンプ1Aについて説明する。
本実施形態のポンプ1Aでは、逆流流路RC1の入口RC1aと出口RC1bの開口位置が第一実施形態と異なっている。
即ち、図5に示すように、逆流流路RC1の入口RC1a及び出口RC1bは、ブレード3が設けられた位置よりも上流側の位置に開口している。
このようなポンプ1Aによると、逆流流路RC1の入口RC1a、出口RC1bがブレード3よりも上流側に開口していることで、設計点での運転の際、逆流W2が生じていない場合や小規模な逆流W2が生じている場合には、逆流流路RC1の入口RC1aと出口RC1bとの間には大きな差圧は生じていない。
よって、このような場合では、逆流流路RC1に流入する流体Wの流量を抑えることができ、主流路Cを流通する主流W1の流量が減少してしまうことがなく、運転効率を維持することができる。
一方で、大規模な逆流W2が生じ、この逆流W2が逆流流路RC1の入口RC1aに到達した際には、逆流W2の旋回成分の影響でこの入口RC1a近傍の静圧が上昇する。このため、逆流流路RC1の入口RC1aと出口RC1bとの間で差圧が大きくなって、逆流W2を形成する流体Wを積極的に逆流流路RC1に案内できる。
この結果、逆流W2を低減できるとともにベーン部13によって逆流W2が有する予旋回成分を低減することができる。
本実施形態のポンプ1Aによると、大規模な逆流W2が生じた際に、逆流流路RC1へ逆流W2の流体Wを流入させた後にベーン部13を介して流体Wを主流路Cへ流出させる。従って、キャビテーションの発生を抑制し、オイラーヘッド低下を抑え、不安定現象の発生を抑えることができるとともに、逆流W2が有する予旋回成分を低減することができる。
なお、本実施形態においても、図3及び図4に示す孔部21によって逆流流路RC1を形成してもよい。
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態に係るポンプ1Bについて説明する。
本実施形態のポンプ1Bでは、逆流流路RC2の入口RC2aと出口RC2bの開口位置が第一実施形態及び第二実施形態と異なっている。
即ち、図6に示すように、逆流流路RC2の入口RC2aは、ブレード3が設けられた位置よりも下流側の位置に開口し、出口RC2bは、ブレード3が設けられた位置よりも上流側の位置に開口している。
このようなポンプ1Bによると、ブレード3よりも下流の位置と、ブレード3よりも上流の位置との間にわたって逆流流路RC2が形成されていることになる。よって、インペラ2の揚程分の差圧が逆流流路RC2の入口RC2aと出口RC2bとの間に発生する。
従って、この差圧を利用して、より多くの流体Wを逆流流路RC2へ流入させた後、出口RC2bからベーン部13によって案内しつつ主流路Cへと流出させることで、逆流W2が有する予旋回成分をさらに低減することができる。
本実施形態のポンプ1Bによると、特にインペラ2での揚程が大きくなる条件で、即ち、逆流W2の発生し易い低流量運転時に、キャビテーションの発生を抑制でき、オイラーヘッド低下を抑えることができる。
なお、本実施形態においても、図3及び図4に示す孔部21によって逆流流路RC2を形成してもよい。
〔第四実施形態〕
次に、本発明の第四実施形態に係るポンプ1Cについて説明する。
本実施形態のポンプ1Cでは、第一実施形態のポンプ1を基本の構成として、逆流流路RC3を形成する蓋部31が第一実施形態とは異なっている。
即ち、図7に示すように、第一実施形態同様、逆流流路RC3の入口RC3aはブレード3が設けられた位置よりも上流側の位置に開口している。
また、逆流流路RC3を形成する蓋部31は、ケーシング7の内周面7aから径方向内側に突出する下流側を向く端面31aと、溝部10内に配されて溝部10から径方向内側に突出しない上流側を向く端面31bと、端面31a、31bにおける径方向内側の端縁同士を接続する傾斜面31cと、端面31a、31bにおける径方向外側の端縁同士を接続する平面31dとを備えている。
また、この蓋部31は、溝部10の側面10bと上流側を向く端面31bとの間で、これらを接続するように設けられたコイルバネ33(付勢部)を備えている。
端面31a、31bは、それぞれが軸線O方向に対向する溝部10の側面10bと平行に形成されている。本実施形態では、溝部10の二つの側面10bと、蓋部31の二つの端面31a、31bとはすべて平行に形成されている。
また、傾斜面31cは、上流側から下流側に向かうに従って、径方向外側から内側に向かって傾斜して形成されている。
平面31dは、溝部10の底面10aに平行に形成されている。即ち、本実施形態ではこれら端面31a、31b、傾斜面31c、及び平面31dによって、蓋部31は軸線Oを含む断面から見た形状が台形状をなしており、蓋部31における上流側の端部が溝部10から突出しない位置に配されている。
コイルバネ33は、逆流W2が発生せず、入口RC3aへ向かう流体Wの流れが主流路C内に存在しない状態で、蓋部31における下流側を向く端面31aを、溝部10の下流側の側面10bに押し付けて入口RC3aを閉塞する。さらに、逆流W2が発生して入口RC3aへ向かう流体Wの流れが主流路C内に生じた際に、端面31aに接触する逆流W2の流体Wの力によって入口RC3aを開放可能なバネ定数のものを用いる。なお、このバネ定数の数値は、入口RC3aを開放させたい逆流W2の規模に合わせて、適宜選択可能である。
このようなポンプ1Cによると、蓋部31によって、逆流W2の生じていない(又は小規模な逆流が生じている)設計点での運転の際には、逆流流路RC3の入口RC3aを閉塞でき、運転効率の向上が可能となる。また、逆流W2が生じた際には、この逆流W2が、コイルバネ33の付勢力に抗して蓋部31の下流側を向く端面31aを上流側に向かって押し出して蓋部31を移動させ、入口RC3aが開放する。
従って、逆流W2が生じた際には、逆流流路RC3へ流体Wを流入させ、ベーン部13によってこの流体Wを逆旋回流れとして主流路Cへ流出させることができ、インペラ2の回転にともなって逆流W2が有する予旋回成分を低減することができる。
また蓋部31が傾斜面31cを備え、蓋部31における上流側の端部が溝部10から突出しない位置に配されていることで、主流路C内の主流W1の流れが上流側で蓋部31によって妨げられることがない。また、傾斜面31cに沿って主流W1をインペラ2に向かって滑らかに流通させることができる。よって、運転効率の向上が可能となる。
本実施形態のポンプ1Cによると、逆流W2の発生に応じてより効果的にキャビテーション発生の抑制、及び、オイラーヘッドの低下抑制が可能となる。
ここで、蓋部31の傾斜面31cは必ずしも、傾斜する平面でなくともよく、径方向内側、又は、径方向外側に凸な湾曲面であってもよい。また蓋部31の平面31dは、溝部10の底面10aに平行でなくともよい。
また、蓋部31における軸線Oの径方向内側を向く表面は必ずしも傾斜する面となっていなくともよい。この場合、蓋部31における上流側を向く端面31a、及び、下流側を向く端面31bはともに溝部10から径方向内側に突出するように配されていることになる。
さらに、少なくとも蓋部31の下流側を向く端面31aが軸線O方向に対向する側面10bに平行となって、側面10bに端面31aが接触した際に逆流流路RC3の入口RC3aを閉塞可能となっていれば、蓋部31の形状は上述の実施形態の場合に限定されない。例えば、傾斜面31cにおける軸線O方向の中途位置から径方向内側に突出する突起部を蓋部31に設けて、この突起部に逆流W2の流体Wが接触するようにしてもよい。
また、付勢部として、コイルバネ33に代えてゴム体等を溝部10の側面10bと蓋部11の端面31bとの間に設けてもよい。
また上述の実施形態では、蓋部31が逆流流路RC3の出口RC3bを閉塞、開放する機構として、蓋部31にコイルバネ33を設け、逆流W2を形成する流体Wが接触可能な下流側を向く端面31aを形成したが、必ずしもこのような機構でなくともよい。即ち、逆流流路RC3を形成する蓋部31は、入口RC3aへ向かう流体Wの流れが主流路C内に存在しない状態で入口RC3aを閉塞するとともに、入口RC3aへ向かう流体Wの流れが主流路C内に生じた際に、入口RC3aを開放するものであればよい。
具体的な他の例としては、逆流W2の発生の有無をセンサー等で検知し、この検知結果から逆流W2が生じたと検知された場合には、不図示の制御部、駆動部によって蓋部31を移動させて逆流流路RC3の入口RC3aを開放し、逆流W2が発生していないと検知された場合には、逆流流路RC3の入口RC3aを閉塞するような電気的な機構を用いてもよい。
このような機構であれば、第一実施形態から第三実施形態のいずれの逆流流路RCCであっても、即ち、逆流流路RC3の入口RC3aの位置に関わらず、逆流流路RC3の開閉が可能となる。
以上、本発明の実施形態について詳細を説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、多少の設計変更も可能である。
例えば、上述の実施形態では、回転機械の一例として遠心ポンプについて説明を行ったが、遠心圧縮機等、他の回転機械にも適用可能である。
また図3及び図4に示すように、孔部21によって形成された逆流流路RC(RC1、RC2)に場合、周方向に複数設けられた孔部21各々で、入口RCaの開口位置、出口RCbの開口位置が異なるようにしてもよい。このようにすることで、逆流W2の大きさが周方向に異なっている場合であっても、より効率的に逆流W2が有する予旋回成分を低減し、キャビテーション発生の抑制、及び、オイラーヘッドの低下抑制が可能となる。ここで、各々の孔部21によって形成された逆流流路RCの入口RCa、出口RCbの開口位置は、ポンプ1(1A、1B)の機種の違いで異なる周方向の逆流W2の分布に応じて、適宜選択可能である。
上記の回転機械よれば、逆流流路から案内部を介して流体を主流路へ流出させることで、キャビテーションによる不安定現象を抑制しつつ、低流量時の不安定特性を抑えることができる。
1、1A、1B、1C…ポンプ(回転機械) 2…インペラ 3…ブレード 4…回転軸 7…ケーシング 7a…内周面 10…溝部 10a…底面 10b…側面 11…蓋部 12…ストラット 13…ベーン部 21…孔部 21a…傾斜孔部(案内部) 31…蓋部 31a、31b…端面 31c…傾斜面 31d…平面 33…コイルバネ(付勢部) RC、RC1、RC2、RC3…逆流流路 RCa、RC1a、RC2a、RC3a…入口 RCb、RC1b、RC2b、RC3b…出口 O…軸線 C…主流路 W…流体 W1…主流 W2…逆流

Claims (9)

  1. ブレードを有して、軸線回りに回転するインペラと、
    前記インペラを収容する主流路、及び、該主流路に連通する逆流流路が形成されたケーシングと、
    前記逆流流路に設けられた案内部と、
    を備え、
    前記逆流流路は、入口が前記主流路に開口するとともに出口が前記入口よりも前記主流路の上流側に開口して形成され、
    前記案内部は、前記逆流流路内を前記入口から前記出口に向かって流通する流体を、前記主流路内に前記インペラの回転方向逆側に向かって案内する、
    ことを特徴とする回転機械。
  2. 前記逆流流路は、前記ケーシングの前記主流路を形成する内周面から前記軸線の径方向に凹む環状の溝部と該溝部における前記軸線の径方向内側の位置で、該溝部の開口を塞ぐように前記軸線の周方向に環状に設けられた蓋部との間に形成され、
    前記案内部は、前記溝部内で前記出口を含む位置に設けられて、前記軸線の径方向内側に向かうに従って前記回転方向逆側に向かって傾斜するベーン部であることを特徴とする請求項1に記載の回転機械。
  3. 前記逆流流路を形成する前記蓋部は、前記主流路内で前記入口へ向かう流体の流れが存在しない状態で前記入口を閉塞するとともに、前記主流路内で前記入口へ向かう流体の流れが生じた際に、前記入口を開放することを特徴とする請求項2に記載の回転機械。
  4. 前記逆流流路は、前記ケーシングの前記主流路を形成する内周面から該ケーシングの内部へ延びる孔部によって形成され、
    前記案内部は、前記孔部のうちで、前記出口を含む位置で前記軸線の径方向内側に向かうに従って前記回転方向逆側に向かって傾斜する傾斜孔部であることを特徴とする請求項1に記載の回転機械。
  5. 前記入口は、前記ケーシングの前記主流路を形成する内周面のうち、前記ブレードに前記軸線の径方向に対向する領域内の上流側の位置に開口し、
    前記出口は、前記ブレードが設けられた位置よりも上流側の位置に開口していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の回転機械。
  6. 前記入口及び前記出口は、前記ブレードが設けられた位置よりも上流側の位置に開口していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の回転機械。
  7. 前記入口は、前記ブレードが設けられた位置よりも下流側の位置に開口し、
    前記出口は、前記ブレードが設けられた位置よりも上流側の位置に開口していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の回転機械。
  8. 前記入口は、前記ブレードが設けられた位置よりも上流側の位置に開口し、
    前記逆流流路を形成する前記蓋部は、前記ケーシングの前記主流路を形成する内周面から前記径方向内側に突出する下流側を向く端面と、
    前記主流路内で前記入口へ向かう流体の流れが存在しない状態で、前記端面を前記溝部の下流側の面に押し付けて前記入口を閉塞するとともに、前記主流路内で前記入口へ向かう流体の流れが生じた際に前記端面に接触する該流体の力によって前記入口を開放する付勢部と、
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の回転機械。
  9. 前記逆流流路を形成する前記蓋部は、前記軸線の径方向内側を向く表面が、前記上流側から前記下流側に向かうに従って、前記軸線の径方向外側から内側に向かって傾斜する傾斜面となっているとともに、上流側の端部が前記溝部から突出しない位置に配されていることを特徴とする請求項8に記載の回転機械。
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