JP2015086702A - 高周波プラズマ点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火プラグの誤点火を防ぎつつ高周波プラズマ点火装置の小型化を図ることを目的とする。【解決手段】直列に半導体スイッチが2個接続されたアームを2個備えたフルブリッジインバータ回路により直流電圧を高周波交流電圧に変換して点火プラグに印加するように構成された高周波プラズマ点火装置において、複数の点火プラグに高周波交流電圧を順次印加するようフルブリッジインバータ回路を点火プラグの個数だけ構成するために、点火プラグの個数の2倍よりも少ない個数の複数のアームを備え、それぞれのフルブリッジインバータ回路を、複数のアームのうちそれぞれ異なる組み合わせの2個のアームにより構成した。【選択図】図1

Description

この発明は、難着火性の燃焼機関に装着され、前記燃焼機関の点火を行う高周波プラズマ点火装置に関するものである
自動車エンジン等の内燃機関において燃焼排気中に含まれる環境負荷物質の低減や更なる燃費の改善のため、燃料の希薄化、高過給気化等が図られている。一般に、希薄燃料機関や高過給気混合燃焼機関は難着火性であるため、より着火性に優れた点火装置が望まれている。
特許文献1には、点火プラグに高電圧を印加して放電空間内の絶縁を破壊するトリガ放電を行い、次いで高周波電流を印加して放電空間内の気体を極めて高温・高圧のプラズマ状態にして着火を行う高周波プラズマ点火装置が開示されている。
特開2012−127286号公報
このような高周波プラズマ点火装置にあっては、従来の点火装置では不要であったフルブリッジインバータ回路と高周波トランスから成る高周波電源および、トリガ放電時の高電圧より高周波電源を保護するLC共振回路が必要となり、装置が高コスト化・大型化する課題がある。また、特許文献1には複数の点火プラグがある場合の構成は記載されていないが、フルブリッジインバータ回路、高周波トランス、LC共振回路のいずれか一つでも共用化してしまうと、任意の点火プラグに高周波電流を印加してプラズマを発生させる過程において、別の点火プラグの電極間に電圧が印加され、誤点火してしまう課題があるため、点火プラグと同数の高周波電源、LC共振回路を用意する必要がある。その結果、装置はさらに高コスト化・大型化する。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、点火プラグの誤点火を防ぎつつ高周波電源の部品を共用化することで高周波プラズマ点火装置の小型化を図ることを目的としている。
この発明は、直列に半導体スイッチが2個接続されたアームを2個備えたフルブリッジインバータ回路により直流電圧を高周波交流電圧に変換して点火プラグに印加するように構成された高周波プラズマ点火装置において、複数の点火プラグに高周波交流電圧を順次印加するようにフルブリッジインバータ回路を点火プラグの個数だけ構成するために、点火プラグの個数の2倍よりも少ない個数の複数のアームを備え、それぞれのフルブリッジインバータ回路を、複数のアームのうちそれぞれ異なる組み合わせの2個のアームにより構成したものである。
本発明によれば、アームを共用化する構成としたことで、点火プラグの誤点火を防ぎつつ高周波プラズマ点火装置の小型化が実現できるという効果がある。
本発明の実施の形態1による高周波プラズマ点火装置の基本的な構成を示す回路構成図である。 エンジンの動作サイクルを説明する図である。 比較例の高周波プラズマ点火装置を示すブロック図である。 別の比較例の高周波プラズマ点火装置を示すブロック図である。 さらに別の比較例の高周波プラズマ点火装置を示すブロック図である。 さらに別の比較例の高周波プラズマ点火装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による高周波プラズマ点火装置の要部の構成を説明するための回路図である。 この発明の実施の形態1による高周波プラズマ点火装置の点火プラグ3aに高周波交流電圧を印加するときの動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による高周波プラズマ点火装置の点火プラグ3aに高周波交流電圧を印加するときの要部の電圧および電流を示す線図である。 この発明の実施の形態1による高周波プラズマ点火装置の点火プラグ3bに高周波交流電圧を印加するときの動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による高周波プラズマ点火装置の点火プラグ3bに高周波交流電圧を印加するときの要部の電圧および電流を示す線図である。 本発明の実施の形態2による高周波プラズマ点火装置の基本的な構成を示す回路構成図である。 本発明の実施の形態2による高周波プラズマ点火装置の別の構成のアームの組み合わせを説明する表を示す図である。 本発明の実施の形態2による高周波プラズマ点火装置のさらに別の構成のアームの組み合わせを説明する表を示す図である。 本発明の実施の形態3による高周波プラズマ点火装置の基本的な構成を示す回路構成図である。 本発明の実施の形態3による高周波プラズマ点火装置の別の構成のアームの組み合わせを説明する表を示す図である。 本発明の実施の形態3による高周波プラズマ点火装置の基本的な構成を示す回路構成図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による高周波プラズマ点火装置の基本的な構成を示す回路構成図である。本発明は、複数の点火プラグに順次高電圧および高周波交流電圧を印加する高周波プラズマ点火装置に関する発明であるので、図1においては、まずその代表として2気筒エンジンの2個の点火プラグに高電圧および高周波交流電圧を印加する高周波プラズマ点火装置1の場合を例にして説明する。点火プラグ3a、3bには、直流電源30からそれぞれ高電圧回路4a、4bを介して高電圧が印加されるように構成されている。また、点火プラグ3a、3bには、それぞれ高周波トランス8a、8bで昇圧された高周波交流電圧が、それぞれLC共振回路9a、9bを通じて印加されるように構成されている。高周波トランス8a、8bには、直流電源20から、直流を交流に変換するためのフルブリッジインバータ回路7a、7bを通じて高周波交流電圧が印加されるように構成されている。フルブリッジインバータ回路は、スイッチング素子が2個直列に接続されたアーム2個により構成される。高周波トランス8aはスイッチング素子5a、5bで構成されるアーム6aと、スイッチング素子5c、5dで構成されるアーム6bとで構成されるフルブリッジインバータ回路7aに接続される。一方、高周波トランス8bはスイッチング素子5c、5dで構成されるアーム6bと、スイッチング素子5e、5fで構成されるアーム6cとで構成されるフルブリッジインバータ回路7bに接続される。
このように、3個のアームのうちアーム6bは、高周波トランス8aおよび高周波トランス8bいずれにも接続されており、フルブリッジインバータ回路7aおよびフルブリッジインバータ回路7bの2つのフルブリッジインバータ回路のアームを兼ねている。スイッチング素子5a〜5fの種類はシリコンによるMOS‐FETに限定されない。例えば、SiCなどのワイドバンドギャップ半導体による半導体スイッチなども適用することができる。
なお、高周波プラズマ点火装置は現在開発段階であり、高周波交流電圧の周波数としては例えばMHzオーダーの周波数が考えられている。本発明の高周波交流電圧は、点火装置として有効な周波数の交流電圧を意味しており、高周波としての周波数の限定は特に無い。
以下、高周波プラズマ点火装置1の動作について順に説明する。図2に示すエンジンの動作サイクルを示す図の吸気プロセスにおいて、吸気バルブ10を開き、外部よりシリンダ11内に空気とガソリンの混合物を取り入れる。このとき、ピストン12が図面下方に移動し、シリンダ11内の体積が増える。
圧縮プロセスにおいて、吸気バルブ10を閉め、ピストン12が図面上方に移動することでシリンダ11内の体積が減少し、シリンダ11内の空気とガソリンの混合物が圧縮され圧力が大きくなる。
以下、点火プラグ3a、3bのうちの1個の点火プラグを代表として説明をするため、点火プラグの符号は3として、その他の部材の符号も、a、bなどを省略して説明する。燃焼・膨張プロセスにおいて、高周波プラズマ点火装置1の制御回路(図示せず)は、高電圧回路4を制御して直流電源30から高電圧を発生させ、点火プラグ3に印加することで電極間の絶縁を破壊するトリガ放電を発生させる。このとき、シリンダ11内の圧力は大きく、絶縁破壊電圧VSは数十kVにもなる。また、直流電源20、フルブリッジイン
バータ回路7および高周波トランス8で構成される高周波電源と点火プラグ3とは、LC共振回路9を介して並列に接続されている。このため、LC共振回路9が高電圧に対して十分高いインピーダンスを持たない場合、またはLC共振回路9がない場合、高周波電源が破壊される恐れがある。また、直流電源20、直流電源30、高電圧回路4、LC共振回路9は、図1の構成に限定されず、当事業者によって容易に想到される任意の構成を適用することができる。例えば、直流電源20や直流電源30はバッテリであっても良いし、バッテリにDC‐DCコンバータを接続したものでも良い。高電圧回路4は昇圧トランスとスイッチング素子を組合せた回路等が利用できる。
続いて、制御回路(図示せず)はフルブリッジインバータ回路7内のスイッチング素子5をON/OFF制御し、直流電圧を高周波交流電圧に変換して高周波トランス8に供給する。フルブリッジインバータ回路7の動作の詳細については後述する。そして、高周波トランス8で昇圧された高周波交流電圧は、フルブリッジインバータ回路7の駆動周波数において低インピーダンスとなるLC共振回路9を介して点火プラグ3に印加される。結果、点火プラグ3に高周波電流が流れ、電極間にプラズマが発生し、シリンダ11内の空気とガソリンの混合物に着火、空気とガソリンの混合物の体積が急激に膨張すると共にピストン12が図面下方に移動する。
最後に、排気プロセスにおいて、排気バルブ13を開き、ピストン12を図面上方に移動させることで、シリンダ11外に空気とガソリンの混合物の燃え残りを排出し、排気バルブ13を閉じ、吸気プロセスに戻る。
上記の吸気プロセス→圧縮プロセス→燃焼・膨張プロセス→排気プロセスを1サイクルとし、繰り返し行うことでエンジンが動作する。このとき、2気筒エンジンであれば1/2サイクル、4気筒エンジンであれば1/4サイクルずつ気筒ごとに動作をずらして運用する。
ここで、図3の比較例の高周波プラズマ点火装置に示すように複数の点火プラグ3ごとにフルブリッジインバータ回路70、高周波トランス8、LC共振回路9を設ける必要があり、高周波プラズマ点火装置が高コスト・大型化してしまう。
ここで、2気筒エンジンの場合において高周波プラズマ点火装置の構成物共用化の課題について説明する。高周波プラズマ点火装置の高周波側の構成物を共用化する場合、7通りの組合せが考えられるが、比較例として図4〜図6の3つのパターンが一般的であると考えられる。図4の構成は、2つの点火プラグ3a、3bに高周波交流電圧を印加するように一つのフルブリッジインバータ回路71を共用する構成である。図5の構成は、2つの点火プラグ3a、3bに高周波交流電圧を印加するように、一つのフルブリッジインバータ回路72および一つの高周波トランス80を共用する構成である。図6の構成は、2つの点火プラグ3a、3bに高周波交流電圧を印加するように、一つのフルブリッジインバータ回路73、一つの高周波トランス81、および一つのLC共振回路91を共用する構成である。しかし、比較例である図4〜図6のいずれのパターンにおいても、片方の点火プラグ3aがプラズマを発生させる際に、他方の点火プラグ3bに高周波電源から高周波電力が供給され、電極間に電圧が印加されてしまう。
ここで、電極間に印加された電圧で他方の点火プラグ3bの絶縁が破壊されなければ問題ないが、電極間の絶縁破壊電圧VSはパッシェンの法則に従い、圧力と電極間距離に依存する。式(1)にパッシェンの法則による絶縁破壊電圧VSの計算式を示す。
Vs=B*p*d/ln[A*p*d/ln(1+1/γ)] = f(pd) (1)
また、表1に各種ガスにおける式(1)中の定数A、Bの値を示す。
Figure 2015086702
さらに、表2に各種金属における式(1)中の二次電子放出係数γの値を示す。
Figure 2015086702
式(1)におけるp[Torr]は圧力、d[cm]は電極間距離である。点火プラグ3の電極材料にはニッケル合金が良く使用されるため二次電子放出係数をγ=1.35、シリンダ11内の空燃比は約20:1でほぼ空気であるため各種ガスの定数をA=14.6[1/Torr・cm]、B=365[1/Torr・cm]、通常、電極間距離は0.8〜1.8mm前後の幅で選定されるため、間を取ってd=1.3mmと仮定し、シリンダ11内の最低圧力である1気圧(=760[Torr])と最大圧力であると考えられる20気圧(=15200[Torr])の場合の絶縁破壊電圧VSを計算すると、式
(2)および式(3)のようになる。
Vs = 365×760×0.13/ln[14.6x760x0.13/ln(1+1/13.5)]=3638V (@1atm)
………(2)
Vs = 365×15200×0.13/ln[14.6x15200x0.13/ln(1+1/13.5)]=55873V (@20atm)
………(3)
この計算結果は、電極が平行平板である場合のものであり、点火プラグの場合はもっと低い電圧で絶縁破壊が発生する。いずれにしても、この計算結果より、1気圧では20気圧と比べて約1/15の電圧で絶縁破壊が発生することがわかる。
上記でも述べた通り、2気筒エンジンでは片方の点火プラグ3aが燃焼・膨張プロセスのとき、他方の点火プラグ3bは1/2サイクルずれているため吸気プロセスである。つまり、シリンダ11内に外気(空気)とガソリンの混合物を取り込んでいるため1気圧であり、非常に絶縁破壊が発生し易い状態である。よって、高周波電力が供給されることにより電極間に印加されてしまう電圧でも絶縁破壊が発生し、ガソリンに点火することで誤点火が発生してしまう。4気筒エンジンでも同様で、ある点火プラグ3が燃焼・膨張プロセスのときに吸気プロセスを行っている点火プラグ3が誤点火を起こしてしまう。
本発明では構成物共用化としてフルブリッジインバータ回路に着目した。まず、図7に示すようにスイッチング素子5を2つ直列に接続したアーム6a、6b、6cを設ける。アーム6a、6b、6cの中から2本ずつのペアを組合せが異なるように点火プラグ3と同数作り、フルブリッジインバータ回路7とする。ここでは、3本のアーム6a、6b、6cから点火プラグ3と同数の2つのフルブリッジインバータ回路を作る必要があるため、32=3通りの組合せの中から異なる2つの組合せを選択し、フルブリッジインバータ回路7aおよびフルブリッジインバータ回路7bとした。最後にフルブリッジインバータ回路を構成するアーム同士を電気的・機械的に結びつけるために、アームを構成するスイッチング素子同士の接続点間に高周波トランスの一次巻線の両端を接続する構成とする。
ここでは、フルブリッジインバータ回路7aを構成する2本のアーム6a、6bを電気的・機械的に結びつけるために、アーム6aを構成するスイッチング素子5a、5bの接続点と、アーム6bを構成するスイッチング素子5c、5dの接続点との間に一次巻線14aを接続する構成とした。また同様に、フルブリッジインバータ回路7bを構成する2本のアーム6b、6cを電気的・機械的に結びつけるために、アーム6bを構成するスイッチング素子5c、5dの接続点と、アーム6cを構成するスイッチング素子5e、5fの接続点間との間に一次巻線14bを接続する構成とした。以上のような構成とし、アーム6bを2個のフルブリッジインバータ回路7aとフルブリッジインバータ回路7bとで共用化することで、スイッチング素子の数を減らすことができ、低コスト化・小型化が可能となる。
また、上記のような構成とし、点火プラグ3aに高周波交流電圧を印加するためにフルブリッジインバータ回路7aを動作させて高周波トランス8aの一次巻線14aに高周波電力を供給する場合は、図8に示すように、各スイッチング素子を5a:ON、5b:OFF、5c:OFF、5d:ONとするモード(図8左図)と5a:OFF、5b:ON、5c:ON、5d:OFFとするモード(図8右図)を繰り返し、フルブリッジインバータ回路7aに含まれないスイッチング素子5e、5fは常時OFFとする。このように動作させることで、図9に示すように、一次巻線14aの端子間電圧Vaには電源電圧Vの2倍の振幅の矩形波が印加されるため、図8の一点鎖線矢印の経路で電流Iが流れ、一次巻線14aに高周波電力が供給される。このとき、高周波トランス8bの一次巻線14bの端子間電圧Vbは0Vであるため高周波電力は供給されない。
また、点火プラグ3bに高周波交流電圧を印加するためにフルブリッジインバータ回路7bを動作させて一次巻線14bに高周波電力を供給する場合は、図10に示すように、各スイッチング素子を5c:ON、5d:OFF、5e:OFF、5f:ONとするモード(図10左図)と5c:OFF、5d:ON、5e:ON、5f:OFFとするモード(図10右図)を繰り返し、フルブリッジインバータ回路7bに含まれないスイッチング素子5a、5bは常時OFFとする。このように動作させることで、図11のように一次巻線14bの端子間電圧Vbには電源電圧Vの2倍の振幅の矩形波が印加されるため、図10の一点鎖線矢印の経路で電流Iが流れ、一次巻線14bに高周波電力が供給される。このとき、一次巻線14aの端子間電圧Vaは0Vであるため高周波電力は供給されない。ここで、高周波トランス8bには共振負荷が接続されるため、電流Iは正弦波に近い波形となる。以上のように、高周波電力を供給したい高周波トランスの一次巻線と接続されている2本のアームを構成するスイッチング素子のみON/OFF制御し、それ以外のスイッチング素子はOFF状態とすることで、所望の高周波トランスのみに高周波電力を供給することができ、誤点火を防ぐことが可能となる。
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2による高周波プラズマ点火装置の基本的な構成を示す回路構成図である。実施の形態1では点火プラグが2本の場合について述べたが、点火プラグが3本以上の場合においても、複数の点火プラグに順次高周波交流電圧を印加するように、フルブリッジインバータ回路のアームを共用する構成が可能である。図12に示す構成は、点火プラグが3本の場合の構成である。図12に示すように3本の点火プラグ3a、3b、3cと同数の3個のアーム6a、6b、6cで、点火プラグと同数の3個のフルブリッジインバータ回路7a、7b、7cを構成することが可能である。図12において、高周波トランス8aにはアーム6aとアーム6bとで構成されるフルブリッジインバータ回路7aにより高周波電力が供給される。高周波トランス8bにはアーム6bとアーム6cとで構成されるフルブリッジインバータ回路7bにより高周波電力が供給される。高周波トランス8cにはアーム6aとアーム6cとで構成されるフルブリッジインバータ回路7cにより高周波電力が供給される。
図12では、3本の点火プラグに対し、3個のアームを備え、3個のアームから2個のアームの異なる組み合わせを点火プラグと同数の3個作り、3個のフルブリッジインバータ回路を構成するようにして、それぞれの点火プラグに高周波交流電圧を順次印加するようにした。点火プラグが3本の場合、例えばアームを4個備え、4個のアームから2個のアームの異なる組み合わせを点火プラグと同数の3個作り、フルブリッジインバータ回路としてもよい。図13に、3個の点火プラグに対して4個のアームから異なる組み合わせの2個のアームを選択する一例を示す。またアームを5個としても良い。図14に、3個の点火プラグに対して5個のアームから異なる組み合わせの2個のアームを選択する一例を示す。
フルブリッジインバータ回路を、アームを共用しない構成とすると、アームの個数はフルブリッジインバータ回路の個数、すなわち点火プラグの個数の2倍の個数が必要である。以上説明したように、本発明では、アームの個数を、点火プラグの個数の2倍よりも少ない個数の複数の構成とし、複数の点火プラグに高周波交流電圧を順次印加するように、複数のアームのうちそれぞれ異なる組み合わせの2個のアームにより点火プラグの個数のフルブリッジインバータ回路を構成すれば良い。このように構成することにより、少なくとも一つのアームを共用する構成となる。
アームを共用化することで、フルブリッジインバータ回路を構成するスイッチング素子の利用頻度が増えるため、スイッチング素子の発熱が増加し、冷却部品の高コスト化・大型化を懸念するかも知れないが、その場合は、スイッチング素子に低損失で高温環境下でも使用できるワイドバンドギャップ半導体スイッチング素子を用いることで、冷却部品を簡素化でき、低コスト・小型化が実現可能である。
フルブリッジインバータ回路をハーフブリッジインバータ回路に置き換えることで、スイッチング素子の個数を削減できる効果が得られると考えることがあるかも知れない。しかし、フルブリッジインバータ回路の場合と同様のプラズマを発生させるためには、点火プラグに同じ大きさの高周波電流を供給する必要があり、そのときの高周波電源の出力電圧は同じでなければならない。つまり、フルブリッジインバータ回路をハーフブリッジインバータ回路に置き換えると、実効電圧が半分となるため、残りの半分の電圧は直流電源の電圧、または、高周波トランスの昇圧比を上げる必要が有り、結局のところ直流電源、もしくは、高周波トランスが高コスト化・大型化する。
実施の形態3.
図15は、本発明の実施の形態3による高周波プラズマ点火装置の基本的な構成を示す回路構成図である。点火プラグ3a、3b、3c、3dの4個の点火プラグに対して、アーム6a、6b、6c、6dの4個のアームを備える構成としている。点火プラグ3aには、アーム6aとアーム6bとで構成するフルブリッジインバータ回路により高周波交流電圧を印加する。点火プラグ3bにはアーム6bとアーム6cとで、点火プラグ3cにはアーム6cと6dとで、点火プラグ3dにはアーム6dと6aとでそれぞれ構成されるフルブリッジインバータ回路により高周波交流電圧を印加する。アーム6a、6b、6c、6dの4個のアームそれぞれが、いずれも2個のフルブリッジインバータ回路のアームとして共用される構成となっている。4個の点火プラグの場合、4個のアームを備えるのが最小構成となる。
図16は、本発明の実施の形態3による高周波プラズマ点火装置の別の構成による、異なる組み合わせの2個のアームの選択について説明する表を示す図である。図16に示す構成は、点火プラグ3a、3b、3c、3d、3e、3fの6個の点火プラグに高周波交流電圧を印加するための高周波プラズマ点火装置であって、アーム6a、6b、6c、6dの4個のアームを備えた構成における、それぞれの点火プラグに対するフルブリッジインバータ回路を構成するアームの組み合わせを示したものである。図16に示すように、6個の点火プラグの場合、アーム6a、6b、6c、6dの4個のアームそれぞれが、3個のフルブリッジインバータ回路のアームとして共用される構成とすることができ、最小構成となる。
アームの個数が最少となる最小構成は、点火プラグが2個の場合、図1に示したアームが3個、点火プラグが3個の場合、図12に示したアームが3個、点火プラグが4個の場合、図15に示したアームが4個といったようになる。一般的に、点火プラグの個数をP、アームの個数をnとすると、アームの個数が最少となる最小構成は、
n2≧P>n-12……(4)
の関係を満足する場合である。
例えば、3本の点火プラグに対し、3個のアームで3個のフルブリッジインバータ回路を構成する最小構成の場合のスイッチング素子の数は、本発明を適用せずに点火プラグと同数のフルブリッジインバータ回路を設けた場合の半分で済む。また、6本の点火プラグに対し、4個のアームで6個のフルブリッジインバータ回路を構成する最小構成の場合のスイッチング素子の数は、本発明を適用せずに点火プラグと同数のフルブリッジインバータ回路を設けた場合の3分の1で済む。このように、式(4)を満足する最小構成の場合、高周波プラズマ点火装置の低コスト・小型化に特に大きい効果がある。
実施の形態4.
図17は、本発明の実施の形態4による高周波プラズマ点火装置の基本的な構成を示す回路構成図である。直流電源20の電圧が十分に高い場合は、図17に示すように高周波トランスを省くことができる。実施の形態1と同様、3個のアーム6a、6b、6cを備え、2個の点火プラグ3a、3bのうち、点火プラグ3aには、アーム6aとアーム6bで構成されるフルブリッジインバータ回路7aからLC共振回路9aを介して高周波交流電圧が印加される。また、点火プラグ3bには、アーム6bとアーム6cで構成されるフルブリッジインバータ回路7bからLC共振回路9bを介して高周波交流電圧が印加される。このように、アーム6bがフルブリッジインバータ回路7aと7bの両方のフルブリッジインバータ回路のアームを共用するように構成されている。このとき、直流電源20はGNDレベルの整合を取るため、絶縁型のDC−DCコンバータを含んでいることが望ましい。
図17では、点火プラグが2個の場合を例にして説明したが、高周波トランスが無い場合においても、点火プラグが3個以上の場合も、実施の形態2および実施の形態3と同様に、点火プラグの個数の2倍よりも少ない個数の複数のアームを備え、それぞれの点火プラグに高周波交流電圧を印加するためのそれぞれのフルブリッジインバータ回路が、複数のアームのうちそれぞれ異なる組み合わせの2個のアームにより構成されるようにすれば良い。この構成により、少なくとも一つのアームを複数のフルブリッジインバータ回路のアームとして共用する構成を実現できる。
このように、高周波トランスがない場合においても、それぞれの点火プラグに高周波電力を供給するためのそれぞれのフルブリッジインバータ回路が、複数のアームのうちそれぞれ異なる組み合わせの2個のアームにより構成されるようにすれば、実施の形態1〜3と同様に誤点火を防ぎつつ、アームの数を減らすことができ、低コスト化・小型化が実現できる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、あるいはその構成要件を省略したりすることが可能である。
1 高周波プラズマ点火装置、3、3a、3b、3c、3d、3e、3f 点火プラグ、5、5a、5b、5c、5d、5e、5f スイッチング素子、6、6a、6b、6c、6d アーム、7、7a、7b、7c フルブリッジインバータ回路、8、8a、8b、8c、8d 高周波トランス、9、9a、9b、9c、9d LC共振回路、20 直流電源

Claims (5)

  1. 直列に半導体スイッチが2個接続されたアームを2個備えたフルブリッジインバータ回路により直流電圧を高周波交流電圧に変換して点火プラグに高周波交流電圧を印加するように構成された高周波プラズマ点火装置において、
    複数の前記点火プラグに高周波交流電圧を順次印加するように前記フルブリッジインバータ回路を前記点火プラグの個数だけ構成するために、前記点火プラグの個数の2倍よりも少ない個数の複数の前記アームを備え、それぞれの前記フルブリッジインバータ回路は、前記複数のアームのうちそれぞれ異なる組み合わせの2個のアームにより構成されることを特徴とする高周波プラズマ点火装置。
  2. 前記フルブリッジインバータ回路により変換された高周波交流電圧が、高周波トランスにより昇圧されるよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の高周波プラズマ点火装置。
  3. 前記点火プラグには、LC共振回路を介して高周波交流電圧が印加されるよう構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の高周波プラズマ点火装置。
  4. 点火プラグの個数をP、アームの個数をnとしたとき、
    n2≧P>n-12
    の関係を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の高周波プラズマ点火装置。
  5. 前記半導体スイッチが、ワイドバンドギャップ半導体により形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の高周波プラズマ点火装置。
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