JP2015086323A - 水性塗料組成物及び塗装物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐候性と耐吸水白化性を有しながら、良好な耐汚染性(効果の持続性)を有し、耐ブロッキング性にも優れた塗膜を形成することができる水性塗料組成物、及び当該水性塗料組成物を用いた塗装物品を提供する。【解決手段】乳化重合型アクリル重合体粒子が分散した乳化重合型アクリル重合体水性分散体と、糖類から誘導される親水化剤とを含む水性塗料組成物であって、乳化重合型アクリル重合体水性分散体は、SP値(溶解度パラメーター)が9.0〜10.0である乳化重合型アクリル重合体粒子が水中に分散されてなるものであり、親水化剤は特定の構成単位を含むことを特徴とする水性塗料組成物である。また、当該水性塗料組成物を基材に塗装してなる塗装物品である。【選択図】なし

Description

本発明は、住宅やビル等の建築物の外壁、内壁又は屋根、窯業系建材等の建材の塗装に適用可能な水性塗料組成物及び水性塗料組成物を塗装して得られる塗装物品に関する。
住宅、ビル等の建築物の壁面は、風雨にさらされたり日光の直射を受けたりするため、品質や外観が損なわれやすい環境にある。それらの品質や外観を良好な状態で維持するため、塗料が塗装される。塗膜には耐候性や意匠性等の性能に加えて、その美観を維持するための機能として耐汚染性や汚染除去性を有することが望まれている。また近年、環境汚染、塗装作業場の安全や衛生等の問題から、塗料の水性化が進んでいる。
また、壁面の美観維持という観点からは、湿度の高い環境で塗膜が水分を吸収して白化してしまう吸水白化現象や、塗料を塗装した外装用建材同士が運搬などの間に密着し塗板の間の合紙が付着するなどして建材表面の塗膜の外観を損なってしまうブロッキングなどを防止することも重要である。
塗膜の耐汚染性を改善する試みとして、塗膜に親水性を付与し、降雨等で汚染物質を洗い流す方法が種々検討されている。
例えば、含フッ素ビニル共重合体の側鎖や末端にカルボン酸塩やスルフォン酸塩のような塩構造を形成している基を導入する方法(例えば、特許文献1参照)、アクリル系樹脂エマルションに水性コロイダルシリカを添加した塗料組成物(例えば、特許文献2参照)、グリセリン又はペンタエリスリトール等にエチレンオキシド、プロピレンオキシドを重合させた化合物(例えば、特許文献3参照)、糖類にポリオキシアルキレン鎖を結合させた化合物を配合した塗料等が検討されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平6−179790号公報 特開平11−116885号公報 特開平11−279454号公報 特開2005−132916号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載された方法では、塗膜の耐候性及び耐吸水白化性が十分ではなく、特許文献3に記載された方法では、耐汚染性の効果の持続性が満足いくものではなかった。特許文献4に記載された方法では、耐汚染性は向上するものの耐ブロッキング性において満足いくものではなかった。
そこで本発明は、耐候性と耐吸水白化性を有しながら、良好な耐汚染性(効果の持続性)を有する塗膜を形成することが可能で、特に窯業系建材等に適用した場合は、優れた耐ブロッキング性を示す水性塗料組成物、及び当該水性塗料組成物が基材に塗装されてなる塗装物品を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは下記本発明に想到し当該課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] 乳化重合型アクリル重合体粒子が分散した乳化重合型アクリル重合体水性分散体と、糖類から誘導される親水化剤とを含む水性塗料組成物であって、前記乳化重合型アクリル重合体水性分散体は、SP値(溶解度パラメーター)が9.0〜10.0である乳化重合型アクリル重合体粒子が水中に分散されてなるものであり、前記親水化剤は下記式(1)で表される構造の化合物を含むことを特徴とする水性塗料組成物。
Figure 2015086323
(ただし、一般式(1)において、Qは糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、Lは炭素数6〜15のジイソシアネートの反応残基、OA及びAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3のアルケニル基又は水素原子(すべてのQには少なくとも1個のアルキル基又はアルケニル基をもつ)、nは0〜80の整数(すべてのQには少なくとも1個のOA又はAOをもち、Q1個がもつOA及びAOの総数は10〜80である)、mは2〜4の整数、tは0〜4の整数を表し、R、OA、AO、(OA)n、(AO)n、Q、L、n、mは、それぞれ同じでも異なってよい。)
[2] 前記親水化剤の構成単位であるQ−{(AO)n}mの分子量が2100未満である[1]に記載の水性塗料組成物。
[3] 前記乳化重合型アクリル重合体粒子は、Tg(ガラス転移温度)が20℃以上である単層の乳化重合型アクリル重合体粒子である[1]又は[2]に記載の水性塗料組成物。
[4] 前記乳化重合型アクリル重合体粒子は、Tg(ガラス転移温度)が−70〜35℃であるアクリル重合体からなる第1層と、Tgが25〜105℃であって第1層のアクリル重合体よりもTgが20℃以上高いアクリル重合体からなる第2層とを有する少なくとも2層の多層構造粒子である[1]又は[2]に記載の水性塗料組成物。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の水性塗料組成物を基材に塗装してなる塗装物品。
[6] 外装用建材である[5]に記載の塗装物品。
本発明によれば、耐候性と耐吸水白化性と良好な耐汚染性(効果の持続性)を有し、さらに優れた耐ブロッキング性を示す塗膜を形成することが可能である水性塗料組成物、及び当該水性塗料組成物が基材に塗装されてなる塗装物品を提供することができる。
[水性塗料組成物]
本発明の水性塗料組成物は、乳化重合型アクリル重合体粒子が分散した水性分散体と、糖類から誘導される親水化剤とを含む。以下、これらについて詳細に説明する。
(乳化重合型アクリル重合体水性分散体)
乳化重合型アクリル重合体水性分散体は、SP値(溶解度パラメーター)が9.0〜10.0である乳化重合型アクリル重合体粒子が水中に分散されてなる。
ここで、溶解度パラメーター(SP値)とは、溶解性の尺度となるものであり、次のようにして測定される。(参考文献SUH,CLARKE〔J.P.S.A−1,5,1671−1681(1967)〕)
まず、サンプルとして樹脂0.5gを100mlビーカーに秤量し、アセトン10mlをホールピペットを用いて加え、マグネティックスターラーにより溶解したものを使用する。このサンプルに対して測定温度20℃で、50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた点を滴下量とする。貧溶媒は、高SP値貧溶媒としてイオン交換水を用い、低SP値貧溶媒としてn−ヘキサンを使用して、それぞれ濁点測定を行う。樹脂のSP値δは下記計算式によって与えられる。
δ=(Vml 1/2δml+Vmh 1/2δmh)/(Vml 1/2+Vmh 1/2
m=V12/(φ12+φ21
δm=φ1δ1+φ2δ2
i:溶媒の分子容(ml/mol)
[V1、V2はそれぞれ溶媒1,2の分子容(本明細書では溶媒1,2はそれぞれ、アセトン−イオン交換水、アセトン−ヘキサンである。下記δも同様。)]
φi:濁点における各溶媒の体積分率
δi:溶媒のSP値
[δ1、δ2はそれぞれ溶媒1,2のSP値]
ml:低SP値貧溶媒混合系
mh:高SP値貧溶媒混合系
後述する多層構造粒子が分散した分散体を使用した場合、このような粒子の溶解度パラメーターは第1層を形成する樹脂及び第2層を形成する樹脂それぞれの溶解度パラメーターを測定し、これらの相加平均をアクリル樹脂の溶解度パラメーターとする。
SP値が9.0未満の場合、乳化重合型アクリル重合体粒子の製造において粒子が凝集しやすいなどの問題が生じるおそれがあり、また、本発明の水性塗料組成物から得られる塗膜の下地との密着性や耐候性が低下してしまうおそれがある。SP値が10.0を超えると、耐吸水白化性が低下してしまう。SP値は9.3〜9.8であることが好ましい。
乳化重合型アクリル重合体粒子は、本発明の水性塗料組成物から得られる塗膜の耐ブロッキング性を考慮すると、Tgが20℃以上(好ましくは20〜105℃)である単層の乳化重合型アクリル重合体粒子、又は、後述の少なくとも2層の多層構造粒子であることが好ましい。当該条件を満たすことにより、耐ブロッキング性を良好なものとすることができる。
乳化重合型アクリル重合体粒子は、本発明の水性塗料組成物から得られる塗膜の耐ブロッキング性をさらに向上させるために、Tgが−70〜35℃であるアクリル重合体からなる第1層と、Tgが25〜105℃であって第1層のアクリル重合体よりもTgが20℃以上高いアクリル重合体からなる第2層とを有する少なくとも2層の多層構造粒子であることがより好ましい。第1層及び第2層の形成順序としては、第1層をコア側とし第2層を第1層より表面側に設けてもよく、その逆に、第1層を表面側とし第2層を第1層より内側に設けてもよい。また、第1層及び第2層の間に他の層を設けてよい。
以下、Tgが−70〜35℃であるアクリル重合体(以下、「アクリル重合体A」ということがある)からなる第1層と、Tgが25〜105℃であって第1層のアクリル重合体AよりもTgが20℃以上高いアクリル重合体(以下、「アクリル重合体B」ということがある)からなる第2層を設けた構成を例に、多層構造粒子について説明する。
アクリル重合体AのTgが−70〜35℃であることで、乳化重合型アクリル重合体水性分散体の長期安定性が維持し、得られる塗膜の造膜性、耐吸水白化性を良好なものとすることができる。上記Tgは、−40〜20℃であることが好ましく、−25〜10℃であることがより好ましい。
アクリル重合体BのTgが25〜105℃であることで、得られる塗膜の耐ブロッキング性を良好なものとすることができる。上記Tgは、35〜75℃であることが好ましく、45〜70℃であることがより好ましい。
上記アクリル重合体BのTgは、上記アクリル重合体AのTgよりも20℃以上高いことが好ましい。上記アクリル重合体BのTgとアクリル重合体AのTgとの差が20℃以上であると、造膜性及び耐ブロッキング性の両立が出来る。上記アクリル重合体BのTgとアクリル重合体AのTgとの差は、40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。
乳化重合型アクリル重合体粒子のTgは、乳化重合型アクリル重合体粒子を形成する乳化重合型アクリル重合体粒子の各単量体の質量分率を、各単量体から誘導される単独重合体のTg(K:ケルビンで表す。)値で割ることによって得られるそれぞれの商の合計の逆数として計算することができる。乳化重合型アクリル重合体粒子の第1層及び第2層を構成する重合体のTgは、第1層及び第2層のそれぞれを形成する各単量体の質量分率を、各単量体から誘導される単独重合体のTg(K:ケルビンで表す。)値で割ることによって得られるそれぞれの商の合計の逆数として計算することができる。
乳化重合型アクリル重合体粒子における第1層と第2層との質量比(第1層/第2層)は、2/8〜8/2であることが好ましく、3/7〜7/3であることが好ましい。
質量比が2/8〜8/2であることで、得られる塗膜の耐ブロッキング性を良好なものとすることができ、かつ得られる塗膜の造膜性及び耐吸水白化性の低下を防ぐことができる。
上記乳化重合型アクリル重合体粒子は、置換又は無置換のシクロアルキル基含有重合性単量体(a)を含む単量体を乳化重合することにより得ることができる。当該単量体は、更に、後述するアルコキシシリル基含有重合性単量体(b)及び/又はその他の重合性単量体(d)を含有するものであることが好ましい。
なお、本明細書において「重合性単量体」とは、分子中にビニル基等の不飽和結合を少なくとも1つ有するものをいい、アクリル酸やメタアクリル酸の誘導体を含む。
シクロアルキル基含有重合性単量体(a)の当該シクロアルキル基は、炭素数4〜20を有するものであれば特に限定されない。シクロアルキル基が置換基を有する場合の当該置換基は炭素数1〜4の直鎖状又は分枝状の炭化水素基であることが好ましく、さらにヒドロキシル基等により置換されていてもよい。
当該シクロアルキル基含有重合性単量体(a)が乳化重合型アクリル重合体粒子中に含有されると、得られる塗膜に優れた耐候性、耐変色性、耐加水分解性、耐クラック性、耐水性、光沢及び光沢保持性を与えることができるほか、他の成分と協同して優れた造膜性、耐ブロッキング性及び耐温度変化性をも与えることができる。
上記シクロアルキル基含有重合性単量体(a)としては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。これらのうち、特に、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、本明細書中(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタアクリレートを指す。
シクロアルキル基含有重合性単量体(a)は、全重合性単量体中5〜70質量%含有されていることが好ましい。5〜70質量%含有されていることで、得られる塗膜の耐候性が低下するのを防ぎ、かつ造膜性及び耐吸水白化性の低下を防ぐことができる。シクロアルキル基含有重合性単量体(a)の含有量は、10〜65質量%であることが好ましく、20〜55質量%であることがより好ましい。ここで、全重合性単量体とは、シクロアルキル基含有重合性単量体(a)、アルコキシシリル基含有重合性単量体(b)及びその他の重合性単量体(d)の合計量をいい、乳化重合型アクリル重合体粒子が多層構造粒子である場合には、第1層と第2層を合わせた重合性単量体の合計量をいう。(以下、本明細書において同じ。)
アルコキシシリル基含有重合性単量体(b)は、少なくとも1個のビニル基等の重合性の不飽和結合を含有する炭化水素基が、当該アルコキシシリル基を構成する珪素原子に少なくとも1個結合してなることが好ましい。不飽和結合を有するため、アルコキシシリル基含有重合性単量体(b)は付加重合による高分子量化にも寄与することができる。その結果、シロキサン結合による効果に加えて、得られる塗膜の造膜性、耐ブロッキング性及び耐温度変化性を著しく向上させる。
アルコキシシリル基を構成する珪素原子には、炭素数1〜14のアルコキシル基が1〜3個結合していてもよい。アルコキシル基は、特に酸性の環境において加水分解されてシラノール基を形成しやすい。シラノール基は脱水結合することによりシロキサン結合を形成して架橋したり高分子量化したりするので、得られる塗膜の造膜性、耐ブロッキング性及び耐温度変化性が著しく向上し、特に、優れた耐候性、耐吸水白化性が得られる。
アルコキシシリル基含有重合性単量体(b)は、炭素数1〜14のアルコキシシリル基を含有する重合性単量体であることが好ましく、例えば、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランGMPTMS)、トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリブトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、ジメトキシメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等を挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。これらのうち、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好ましい。
アルコキシシリル基含有重合性単量体(b)は、全重合性単量体中0.1〜10質量%含有されることが好ましい。0.1〜10質量%であることで、シロキサン結合に基づく架橋や高分子量化を充分なものとし、得られる塗膜の耐候性を良好なものとすることができる。また、重合時の安定生産を可能とすることができる。含有量は0.5〜8質量%であることがより好ましく、1〜7質量%であることがさらに好ましい。
その他の重合性単量体(d)としては、分子中に少なくとも1つの不飽和結合を有する単量体であることが好ましく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のエチレン系不飽和カルボン酸単量体;アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチル等のエチレン系不飽和ジカルボン酸のモノエステル単量体;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルとεカプロラクトンとの反応物等のヒドロキシル基含有エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ブチルアミノエチルアクリレート等のエチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル単量体;アミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、メチルアミノプロピルメタクリルアミド等のエチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルアミド単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メトキシブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のその他のアミド基含有エチレン系不飽和カルボン酸単量体;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の不飽和脂肪酸グリシジルエステル単量体;(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステル単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体等を挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。
これらのうち、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、スチレンが好ましい。
その他の重合性単量体(d)は、全重合性単量体中20〜94.8質量%含有されることが好ましい。20〜94.8質量%であることで、コア部又はシェル部を構成するアクリル重合体のTgを所望の範囲に調整することが容易となる。含有量は30〜89質量%であることがより好ましく、40〜78質量%であることがさらに好ましい。
乳化重合型アクリル重合体粒子は、更に、炭素数1〜14のアルコキシシラン基含有化合物(c)を含有してもよい。アルコキシシラン基含有化合物(c)は、得られる塗膜に優れた耐候性、耐水性、光沢保持性、及び、無機質基材に対する密着性等の塗料としての優れた基本性能を与えることができるほか、造膜性、耐温度変化性、更には、本発明の課題である耐ブロッキング性をも向上させることができる。
上記アルコキシシラン基含有化合物(c)は、炭素数1〜14のアルコキシル基を有するアルコキシシラン基を含有する化合物であることが好ましく、アルコキシル基は直鎖状又は分枝状であってもよい。また、アルコキシル基はアルコキシシラン基を構成する珪素原子に1〜4個結合していてもよい。本発明においてアルコキシシラン基含有化合物(c)は、アルコキシシリル基含有重合性単量体(b)とは異なり、化合物中にビニル基等の重合性の不飽和結合を有しない。
アルコキシシラン基含有化合物(c)としては例えば、テトラメトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。これらのうち、テトラメトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
アルコキシシラン基含有化合物(c)は、全重合性単量体100質量部に対して、0.1〜10質量部含有することが好ましい。0.1〜10質量部であることで、シロキサン結合に基づく架橋ないし高分子量化が充分なものとなり、得られる塗膜の耐候性を良好なものとすることができる。また、重合時の安定生産を可能とすることができる。含有量は0.5〜8質量部であることがより好ましく、1〜7質量部であることがさらに好ましい。
本発明においては、上記したそれぞれの単量体以外の成分を含むものであってもよい。
本発明の水性塗料組成物に用いる乳化重合型アクリル重合体水性分散体が単層構造の粒子である場合は、バッチ重合、モノマー滴下重合、乳化モノマー滴下重合等の通常の乳化重合法を適宜選択して製造することができる。特に、乳化モノマー滴下重合が、製造時の安定性を確保する上で好適である。
多層構造粒子である乳化重合型アクリル重合体水性分散体を調製するにあたって行う乳化重合においては、例えば、水性媒体等の存在下、メチルメタクリレートモノマーを主成分とした単量体を乳化重合して、Tgが25〜105℃であるアクリル重合体(アクリル重合体B)からなる第2層を形成させ(第一工程)、その後、シクロヘキシルメタクリレートを主成分とした単量体を滴下して、第一工程で形成したシェル部の内部に供給し、乳化重合してTgが−70〜35℃であるアクリル重合体(アクリル重合体A)からなる第1層を形成させる(第二工程)。これらの工程を経ることにより、多層構造粒子が水中に分散されてなる上記乳化重合型アクリル重合体水性分散体を得ることができる。
また、単量体を乳化重合してTgが−70〜35℃であるアクリル重合体からなる上記第1層を形成し、その後、単量体を乳化重合してTgが25〜105℃であるアクリル重合体からなる第2層を形成することにより、多層構造粒子が水中に分散されてなる乳化重合型アクリル重合体水性分散体を得ることもできる。
乳化重合型アクリル重合体水性分散体を調製するに際して行う乳化重合は、乳化剤を用いて行うことができる。乳化剤としては、通常の乳化剤、例えば、分子中にビニル基等の重合性の不飽和結合を有しない非反応性乳化剤、及び/又は、分子中にビニル基等の重合性の不飽和結合を有する反応性乳化剤を使用することができる。
非反応性乳化剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエステル等を挙げることができる。
反応性乳化剤としては、例えば、アクアロンHS−10等のアクアロンHSシリーズ(第一工業製薬社製)、アクアロンKHシリーズ(第一工業製薬社製)、エレミノールJS−2(三洋化成工業社製)等を挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。
反応性乳化剤は、乳化機能を有するだけでなく、分子中にビニル基等の重合性の不飽和結合、及び、親水性基を有する、水可溶性重合性単量体でもある。通常の乳化剤が生成粒子表面に吸着するだけであるのに対し、重合過程において重合体の一成分として生成粒子に組み込まれるため、造膜後、水により乳化剤が重合体から遊離しないという特徴を有する。従って、このような反応性乳化剤を使用した水性塗料組成物は、その安定性が向上する。本発明においては、得られる水性塗料組成物の安定性及び得られる塗膜の耐吸水白化性の点から、上記反応性乳化剤が特に好ましく、例えば、アクアロンKH−10等のアクアロンKHシリーズ(第一工業製薬社製)又はエレミノールJS−2(三洋化成工業社製)を好適に使用することができるが、非反応性乳化剤であるラウリル硫酸アンモニムを好適に使用することもできる。
反応性乳化剤の使用量は、乳化重合型アクリル重合体水性分散体を調製するに際して行う乳化重合に用いる重合性単量体の総量100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましく、1〜4.5質量部であることがより好ましく、1.5〜4質量部であることがさらに好ましい。反応性乳化剤の使用量が0.5〜5質量部であることで、得られる乳化重合型アクリル重合体水性分散体の安定性を維持し、得られる塗膜の耐吸水白化性の低下を防ぐことができる。なお、本発明においては、反応性乳化剤は重合性単量体の総量には算入しない。
乳化剤は、第1層及び第2層の何れか、又は、上記第1層及び上記第2層の両方に添加することができる。得られる乳化重合型アクリル重合体水性分散体の分散性が一層向上するので、乳化剤はシェル部に添加することが好ましい。
乳化重合型アクリル重合体水性分散体を調製するに際して行う乳化重合は、重合開始剤を用いて行うことができる。重合開始剤は、熱又は還元性物質等によりラジカルを生成して単量体を付加重合させるものであり、水溶性重合開始剤又は油溶性重合開始剤を使用することができる。
水溶性重合開始剤としては例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩系開始剤、又は、過酸化水素等の無機系開始剤等を挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。
油溶性重合開始剤としては例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリル等のアゾビス化合物等を挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。
本発明においては、乳化重合を主として水性媒体中で行うため水溶性重合開始剤を使用することが好ましく、例えば、過硫酸アンモニウムを好適に使用することができる。水溶性重合開始剤又は油溶性重合開始剤には、亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤を併用することもでき、これにより、乳化重合速度を促進したり、低温における乳化重合をも行ったりすることが容易になる。
乳化重合型アクリル重合体水性分散体を調製するに際して行う乳化重合は、水性媒体を用いて行うことができる。水性媒体としては特に限定されず、例えば、水、又は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール若しくは1−ブタノール等のアルコールと水との混合系を使用することができる。
乳化重合型アクリル重合体水性分散体には、その他必要に応じて公知の添加物である重合度調整剤、粒子径調整剤、増粘剤、粘性調整剤、充填剤、分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、凍結防止剤、防藻剤、防腐剤、消泡剤等を添加してもよい。
乳化重合型アクリル重合体水性分散体を調製するに際して行う乳化重合は、pH2〜6の水性媒体中において行うことが好ましい。pHを2〜6とすることで、強酸性による反応容器内部の腐食を防ぐことができる。また、アルコキシシリル基又は上記アルコキシシラン基の加水分解反応性を十分な状態に維持し、得られる乳化重合型アクリル重合体水性分散体の貯蔵安定性を長期間維持し、得られる塗膜の耐吸水白化性を良好なものとすることができる。pHは2.5〜5.5であることがより好ましく、pH3〜5であることがさらに好ましい。なお、pH調整剤としては、塩酸、硝酸などの無機酸、ギ酸、酢酸などの有機酸、水酸化ナトリウムなどの無機アルカリ化合物、アンモニア、アミン化合物などを用いることができる。
乳化重合型アクリル重合体水性分散体を調製するに際して行う乳化重合の後、得られる反応溶液をpH7〜10に調整することが好ましい。これにより、得られる乳化重合型アクリル重合体水性分散体に含有されるカルボキシル基が中和され、架橋構造もしっかりしたものとなり、長期間貯蔵しても分散する粒子が凝集することなく安定性に優れた分散体が得られる。そのため、造膜性に優れた水性塗料組成物を得ることができる。pHは8〜10であることがより好ましく、8.5〜9.5であることがさらに好ましい。このようなpHの調整は、塩基性物質を添加することにより行うことができる。
上記塩基性物質としては例えば、アンモニア、トリブチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、アミノメチルプロパノール等のアミン化合物、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属化合物等を挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。これらのうち、耐吸水白化性の点から、アミン化合物が好ましい。
(親水化剤)
親水化剤は下記式(1)で表される、オキシアルキレン基と糖類からなる構造を含む。
Figure 2015086323
ただし、一般式(1)において、Qは糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、Lは炭素数6〜15のジイソシアネートの反応残基、OA及びAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3のアルケニル基又は水素原子(すべてのQには少なくとも1個のアルキル基又はアルケニル基をもつ)、nは0〜80の整数(すべてのQには少なくとも1個のOA又はAOをもち、Q1個がもつOA及びAOの総数は10〜80である)、mは2〜4の整数、tは0〜4の整数を表し、R、OA、AO、(OA)n、(AO)n、Q、L、n、mは、それぞれ同じでも異なってよい。
糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖、多糖類、糖アルコール、またはこれらの誘導体が挙げられる。
これらの中でも、非還元性二糖類及び非還元性三糖類が好ましい。非還元性二糖類又は非還元性三糖類としては、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオース等が挙げられる。これらのうち、汚染低減性の観点から、蔗糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース及びプランテオースが好ましく、トレハロース及び蔗糖がより好ましく、供給性及びコスト等の観点から蔗糖がさらに好ましい。
オキシアルキレン基(OA)としては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン及びこれらの混合等が挙げられる。これらのうち、耐吸水白化性の観点から、オキシプロピレン及びオキシブチレンが好ましく、さらに好ましくはオキシプロピレンである。また、mが2〜4の場合において、オキシアルキレン基(OA)およびmは、それぞれ同じでも異なっていてもよい。OA内のオキシアルキレン基の順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び数には制限ない。また、OAにオキシエチレン基と、オキシプロピレン基又は/及びオキシブチレン基とを含む場合、反応残基(Q)から離れた端部にオキシプロピレン又は/及びオキシブチレンが位置することが好ましい。すなわち、OAにオキシエチレン基を含む場合、反応残基(Q)にオキシエチレン基が直接的に結合し得ていることが好ましい。OAに複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、ブロック状を含むことが好ましい。また、オキシエチレンを含む場合、この含有量はオキシアルキレン基の重量に基づいて30重量%以下とすることが好ましい。
また、式(1)中のmは、2〜4であることが好ましい。nは1〜30であることが好ましい。
前記親水化剤において、構成単位であるQ−{(AO)n}mの分子量は2100未満であることが好ましく、380〜2000であることがより好ましい。
分子量は2100未満であることで、耐吸水白化性への影響を少なくすることができる。
本発明に用いる親水化剤としては市販品を用いてもよく、たとえばSNクリーンアクト85、SNクリ−ンアクト82(いずれもサンノプコ社製)などが挙げられる。
親水化剤は、既述の乳化重合型アクリル重合体水性分散体と混合し水性塗料組成物を製造するが、既述の乳化重合型アクリル重合体の製造時に添加しその後にさらに当該親水化剤を添加して所望の水性塗料組成物としてもよい。
アクリル重合体水性分散体と親水化剤の配合量は、水性分散体の固形分100重量部に対し、0.5〜20重量部とすることが好ましく、2〜10重量部とすることがより好ましい。
本発明の水性塗料組成物は、乳化重合型アクリル重合体水性分散体と親水化剤との他に、必要に応じて、顔料、添加剤、造膜助剤、増粘剤、粘性調整剤、防腐剤、防かび剤、消泡剤、光安定剤等を含むことができる。
本発明の水性塗料組成物は、上記造膜助剤として、沸点が150〜300℃であり、かつ、酢酸ブチルを100とした蒸発速度が0.1〜20である有機溶剤を、乳化重合型アクリル重合体粒子100質量部に対して1〜20質量部含有することが好ましい。これにより、低温又は短時間における造膜性を向上することができる。
上記造膜助剤としての有機溶剤において、より好ましく沸点は170〜270℃であり、更に好ましい沸点は200〜250℃である。上記造膜助剤としての有機溶剤において、酢酸ブチルを100とした蒸発速度が0.5〜17であるものがより好ましく、酢酸ブチルを100とした蒸発速度が1〜15であるものが更に好ましい。
有機溶剤としては、上記の性質を有するものであれば特に限定されず、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジブチルエーテル、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールモノイソブチレート等を挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。これらのうち、エチレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましい。
本発明の水性塗料組成物には、耐候性の観点から、光安定剤としてヒンダードアミン系光安定剤を含有させてもよい。ヒンダードアミン系光安定剤としては例えば、サノールLS292(三共社製)、チヌビン123、チヌビン144(以上、チバ社製)、アデカLA−62、アデカLA−63P、アデカLA−67、アデカLA−503(以上、旭電化社製)等を挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。これらのうち、サノールLS292(三共社製)が特に好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤は、乳化重合型アクリル重合体粒子100質量部に対して0.1〜5質量部含有することが好ましく、0.5〜4.5質量部であることがより好ましく、1〜4質量部であることがさらに好ましい。これらは、使用目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の水性塗料組成物には、耐候性の観点から紫外線吸収剤を含有させてもよい。紫外線吸収剤としては例えば、シーソーブ103(白石カルシウム社製)、チヌビン900、チヌビン1130、チヌビン384、チヌビン327(以上、チバ社製)等を挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。
紫外線吸収剤は、乳化重合型アクリル重合体粒子100質量部に対して0.1〜5質量部含有することが好ましく、0.5〜4.5質量部であることがより好ましく、1〜4質量部であることがさらに好ましい。これらは、使用目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の水性塗料組成物を塗布する基材としては、後述するように、金属基材、プラスチック基材、無機材料基材等を挙げることができる。これらのうち、無機材料基材、特に、住宅やビル等の建築物の内壁若しくは外壁等の壁面又は屋根、窯業系建材、コンクリート、ALC、その他の無機質建材が好ましく、窯業系建材がより好ましい。窯業系建材等の外装用建材に適用した場合は、優れた耐ブロッキング性を発揮することができる。
塗布する方法は特に限定されず、例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアースプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーター等の一般に用いられている塗布方法等を挙げることができる。これらは基材の用途に応じて適宜選択することができる。
[塗装物品]
本発明の塗装物品は、水性塗料組成物を基材に塗装してなる。当該塗装物品は、外装用建材であることが好ましい。
基材としては既述の通りで、金属基材、プラスチック基材、無機材料基材等を挙げることができる。
金属基材としては特に限定されず、例えば、アルミニウム板、鉄板、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム亜鉛メッキ鋼板、ステンレス板、ブリキ板等を挙げることができる。
プラスチック基材としては、アクリル板、ポリ塩化ビニル板、ポリカーボネート板、ABS板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリオレフィン板等を挙げることができる。
無機材料基材としては、JIS A5422、JIS A5430等に記載された窯業系建材、ガラス基材等を挙げることができる。
これらのうち、本発明においては、無機材料基材、特に、住宅やビル等の建築物の内壁若しくは外壁等の壁面又は屋根、窯業系建材、コンクリート、ALC、その他の無機質建材が好ましく、窯業系建材がより好ましい。
上記基材は、密着性向上や防錆性付与のために表面処理が施されていてもよい。又、上記基材には、下塗り塗料(シーラー)、又は、下塗り塗料と中塗り塗料とが塗装されていてもよく、基材の裏面には、裏面塗料が塗装されていてもよい。これらは、使用目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の水性塗料組成物を基材に塗装して塗膜(本発明に係る塗膜)を形成するための塗布方法は既述の通り、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアースプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーター等の一般に用いられている塗布方法等を挙げることができる。これらは基材の用途に応じて適宜選択することができる。
本発明に係る塗膜は、基材に対して、乾燥膜厚で5〜350μmであることが好ましく、20〜300μmであることがより好ましい。
本発明に係る塗膜は、50〜150℃の乾燥温度で、約1〜30分間乾燥することにより、形成することができる。
本発明の塗装物品(外装用建材等)に形成された塗膜は、耐候性、耐吸水白化性、耐ブロッキング性を有しながら、耐汚染性を有する。
(水性分散体(A)の製造)
反応容器に、脱イオン水40質量部及び反応性乳化剤(アクアロンKH10 第一工業製薬社製)0.5質量部を入れ、内容物温度を85℃とした。その中に、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)30質量部、メチルメタクリレート(MMA)40質量部、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)30質量部、アクリル酸(AA)1質量部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(GMPTMS)1.5質量部、脱イオン水60質量部及び反応性乳化剤(アクアロンKH10 第一工業製薬社製)0.5質量部からなるプレ乳化液と、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部及び脱イオン水10質量部からなる重合開始剤水溶液とを3時間で滴下し、さらに3時間かく拌を継続して水性分散体を製造した。その後、反応温度を30℃まで冷却し、25%アンモニア水を添加して乳化重合型アクリル重合体粒子が分散した乳化重合型アクリル重合体水性分散体(A)を得た(詳細は下記表1参照)。
(水性分散体(B)の製造)
反応容器に、脱イオン水40質量部及び反応性乳化剤(アクアロンKH10 第一工業製薬社製)0.5質量部を入れ、内容物温度を85℃とした。その中にメチルメタクリレート40質量部、2−エチルヘキシルアクリレート10質量部、アクリル酸1質量部、脱イオン水30質量部及び反応性乳化剤(アクアロンKH10 第一工業製薬社製)0.5質量部からなるプレ乳化液と、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部及び脱イオン水5質量部からなる重合開始剤水溶液とを2時間で滴下し、第2層を形成した。
その後、シクロヘキシルメタクリレート10質量部、メチルメタクリレート15質量部、2−エチルヘキシルアクリレート25質量部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1質量部、脱イオン水30質量部および反応性乳化剤(アクアロンKH10 第一工業製薬社製)0.5質量部からなるプレ乳化液と、過硫酸アンモニウム0.1質量部及び脱イオン水5質量部からなる重合開始剤水溶液を2時間で滴下し、さらに3時間かく拌を継続して第1層を形成した。
その後、反応温度を30℃まで冷却し、25%アンモニア水を添加して二層構成の乳化重合型アクリル重合体粒子を含む乳化重合型アクリル重合体水性分散体(B)を得た(詳細は下記表1参照)。
(水性分散体(C)の製造)
下記表1の配合により、水性分散体(B)の製造と同様にして、二層構成の乳化重合型アクリル重合体粒子を含む乳化重合型アクリル重合体水性分散体(C)を得た。
(水性分散体(D)の製造)
下記表1の配合により、水性分散体(A)の製造と同様にして、乳化重合型アクリル重合体水性分散体(D)を得た。
Figure 2015086323
(実施例1)
・水性塗料組成物の製造
乳化重合型アクリル重合体水性分散体(A)60質量部(固形分50質量%)に、親水化剤(a)(SNクリーンアクト85 サンノプコ社製)3質量部、造膜助剤(エチレングリコールモノブチルエーテル)6質量部、光安定化剤(サノールLS292 チバ社製)0.5質量部、消泡剤(SNデフォーマー777 サンノプコ社製)0.2質量部、脱イオン水20質量部を添加し、水性塗料組成物を得た。
・塗膜の形成
NK2カップで30秒となるように増粘剤(プライマルASE60 ローム&ハース社製)を添加した水性塗料組成物を、シーラー塗料およびエナメル塗料を塗装したセラミックボードに、乾燥膜厚20μmとなるようスプレー塗装し、110℃で3分間乾燥させ、目的とする塗膜を得た。
(実施例2〜4及び比較例1〜4)
乳化重合型アクリル重合体水性分散体と、親水化剤との組み合わせを下記表2,3に従った以外は実施例1と同様の方法で、水性塗料組成物を製造し、塗膜を形成した。親水化剤(g)としては、SNクリ−ンアクト82(サンノプコ社製)を用いた。
(評価)
得られた塗膜について下記のような評価を行った。結果を下記表2,3に示す。
・耐汚染性(表面親水性)
塗膜表面に3マイクロリットルの脱イオン水を滴下し、1分後の水滴の接触角を接触角計(KRUSS製DSA20)により測定した。
○:水接触角≦30°
△:30°<水接触角<50°
×:水接触角≧50°
・表面親水性の長期持続性
塗板を50℃の温水に10日間浸漬し、その塗膜を室温で24時間乾燥させ、上記と同様に水接触角を測定した。
○:水接触角≦55°
△:55°<水接触角<65°
×:水接触角≧65°
・耐吸水白化性
塗板を60℃の温水に浸漬し、24時間後の塗膜外観(色差)を評価した。
○:異常なし (色差≦1.0)
△:少し白化 (1.0<色差<2.0)
×:著しく白化 (色差≧2.0)
・耐候性
塗板を、アイスーパーUVテスター(岩崎電気製)で促進試験(6時間照射、2時間湿潤)を実施し、試験時間600時間後の塗膜外観(光沢保持率、色差)を評価した。
○:光沢保持率≧80%かつ色差≦3.0
△:60%<光沢保持率<80%かつ色差≦3.0、もしくは、光沢保持率≧80%かつ3.0<色差≦4.0、もしくは60%<光沢保持率<80%かつ3.0<色差≦4.0
×:光沢保持率≦60%、色差≧4.0
・耐ブロッキング性
塗板を、ホットプレス試験機(株式会社 小平製作所製)でブロッキング試験を行なった。塗板はサイズ15cm×15cmのものを用い、塗板の間に合紙(低圧ポリエチレンフィルム)を挟んで板温50℃、積載荷重は5.2kg/cm2で試験を行い下記基準に基づいて評価した。なお、プレスマークとは、試験後の塗板において、合紙が付着した跡が残り塗膜のツヤが引けたり、荷重後の塗板を離す際に塗膜に応力がかかり塗膜が変形するなどの変化を指す。
◎:プレスマーク無し
○:若干のプレスマークが認められる。
×:著しいプレスマークが認められる。
Figure 2015086323
Figure 2015086323

Claims (6)

  1. 乳化重合型アクリル重合体粒子が分散した乳化重合型アクリル重合体水性分散体と、糖類から誘導される親水化剤とを含む水性塗料組成物であって、
    前記乳化重合型アクリル重合体水性分散体は、SP値(溶解度パラメーター)が9.0〜10.0である乳化重合型アクリル重合体粒子が水中に分散されてなるものであり、
    前記親水化剤は下記式(1)で表される構造を含むことを特徴とする水性塗料組成物。
    Figure 2015086323
    (ただし、一般式(1)において、Qは糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、Lは炭素数6〜15のジイソシアネートの反応残基、OA及びAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3のアルケニル基又は水素原子(すべてのQには少なくとも1個のアルキル基又はアルケニル基をもつ)、nは0〜80の整数(すべてのQには少なくとも1個のOA又はAOをもち、Q1個がもつOA及びAOの総数は10〜80である)、mは2〜4の整数、tは0〜4の整数を表し、R、OA、AO、(OA)n、(AO)n、Q、L、n、mは、それぞれ同じでも異なってよい。)
  2. 前記親水化剤の前記構成単位であるQ−{(AO)n}mの分子量が2100未満である請求項1に記載の水性塗料組成物。
  3. 前記乳化重合型アクリル重合体粒子は、Tg(ガラス転移温度)が20℃以上である単層の乳化重合型アクリル重合体粒子である請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
  4. 前記乳化重合型アクリル重合体粒子は、Tg(ガラス転移温度)が−70〜35℃であるアクリル重合体からなる第1層と、Tgが25〜105℃であって第1層のアクリル重合体よりもTgが20℃以上高いアクリル重合体からなる第2層とを有する少なくとも2層の多層構造粒子である請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性塗料組成物を基材に塗装してなる塗装物品。
  6. 外装用建材である請求項5に記載の塗装物品。
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