実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。なお、「可変表示が同期する」とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する場合を示しているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、予告演出(可動物予告演出)やスーパーリーチ演出が実行されるときに動作する。なお、可動物予告演出やスーパーリーチ演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出において可動部材78が動作するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、可動物予告演出やスーパーリーチ演出が実行される場合には、後述するように、可動部材78の可動に加えて、導光板の発光制御が行われる。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左右の下方には、モータ87の回転軸に取り付けられ、モータ87が回転すると移動する羽根形状の可動部材(以下、演出羽根役物という。)79a,79bが設けられている。演出羽根役物79a,79bは、例えば、予告演出(演出羽根役物予告演出)が実行されるときに動作する。なお、演出羽根役物予告演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出やスーパーリーチ演出において演出羽根役物79a,79bが動作するようにしてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。高確率状態。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、この実施の形態では、高ベース状態に移行される場合には、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)にも移行される。そのように時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、演出羽根役物79a,79bを動作させるためのモータ87を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25などに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図14参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路53を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路53にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。なお、ステップS27の普通図柄プロセス処理では、ゲート32への遊技球の通過を検出したことにもとづいて普通図柄の変動表示を実行して変動表示結果を導出表示したり、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置15を開放状態に制御したり閉鎖状態に制御したりする処理を実行する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別が全て確変大当りであるように遊技機を構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用A)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当り、確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチおよび擬似連を伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、スーパーリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−4とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチ且つ擬似連や滑り演出を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、非リーチ且つ擬似連や滑り演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2と、リーチ且つ滑り演出を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−3と、リーチ且つ滑り演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−4とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチ且つ擬似連や滑り演出を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1、非リーチ且つ擬似連や滑り演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも擬似連や滑り演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが擬似連や滑り演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも擬似連や滑り演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、スーパーリーチおよび擬似連を伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−6と、スーパーリーチのみを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
また、この実施の形態では、変動パターン種別を決定するための変動パターン種別判定用乱数は、2バイト(更新範囲0〜65535)の乱数である。ただし、この実施の形態では、変動パターン種別判定用乱数を用いて変動パターン種別を決定する場合、2バイトの全範囲(0〜65535)の値を用いて変動パターン種別を決定する場合と、上位1バイトの範囲(0〜255)の値を用いて変動パターン種別を決定する場合とがある。
また、この実施の形態では、図7に示すランダム1〜ランダム5がソフトウェア乱数である場合を示しているが、ハードウェア乱数であってもよい。
また、逆に、この実施の形態では、大当り判定用乱数としてハードウェア乱数(ランダムR)を用いるのであるが、ソフトウェア乱数であってもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路53のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して8個の判定値が割り当てられている(40分の8の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して2個の判定値が割り当てられている(40分の2の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当り(2ラウンドの大当り)と、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての通常大当りおよび確変大当り(15ラウンドの大当り)とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態(高ベース状態)に移行させる大当りである(後述するステップS167,168参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を100回終了すると時短状態が終了する(後述するステップS168,S137〜140参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、100回の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである(この実施の形態では確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9(A)〜(D)および図10(E)〜(F)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Fを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Fは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Fには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、スーパーCA3−4、特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CA4−3、特殊CA4−4の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図9(A),(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図9(C),(D)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132C,132Dとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3〜スーパーCA3−4の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Fを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132E,132Fでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CA4−3、特殊CA4−4といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、通常大当りや確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図10(G)〜(H)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132G,132Hを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132G,132Hは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図10(G)〜(H)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1、特殊CA4−2が決定される場合が示されている。
図11(A)〜(B)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135Bを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルル135A,135Bは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図11(A)〜(B)に示すように、はずれとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として非リーチCA2−1、非リーチCA2−2、非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5、スーパーCA2−6、スーパーCA2−7が決定される場合が示されている。
また、この実施の形態では、図9〜図11に示すように、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132F、小当り用変動パターン種別判定テーブル132G,132H、およびはずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135Bには、1バイトの判定値(データ範囲0〜255)が設定された変動パターン種別判定テーブルテーブル132A,132C,132E,132G,135Aと、2バイトの判定値(データ範囲0〜65535)が設定された変動パターン種別判定テーブルテーブル132B,132D,132F,132H,135Bとがある。
この実施の形態では、遊技状態が時短状態(高ベース状態)に制御されている場合には、可変入賞球装置15が開状態となる頻度を高める点から、変動時間が比較的短い変動パターン種別および変動パターンが決定されるようにしている。そのため、この実施の形態では、遊技状態が時短状態(高ベース状態)に制御されている場合には、選択されうる変動パターン種別や変動パターンの種類が少ないことから、データ量が少ない変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の上位1バイトの範囲の値を用いて、1バイトの変動パターン種別判定テーブルテーブル132A,132C,132E,132G,135Aを用いて変動パターン種別が決定される。
具体的には、図9〜図11に示すように、1バイトの変動パターン種別判定テーブルテーブル132A,132C,132E,132G,135Aには、変動時間が比較的長い擬似連や滑り演出を伴う変動パターン種別(ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−2、特殊CA4−4、非リーチCA2−2、ノーマルCA2−5、スーパーCA2−6)が設定されておらず、遊技状態が時短状態(高ベース状態)に制御されている場合には相対的に変動時間が短くなる。また、1バイトのはずれ用変動パターン種別判定テーブルテーブル135Aにのみ短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3が設定されており、遊技状態が時短状態(高ベース状態)に制御されている場合には相対的に変動時間が短くなる。
また、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行されることから、遊技状態が時短状態(高ベース状態)に制御され第2始動入賞口14に始動入賞しやすい状態となっている場合には、実質的に殆ど第2特別図柄の変動表示が連続して実行されやすい状態となる。そのため、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が実行される場合にも、データ量が少ない変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の上位1バイトの範囲の値を用いて、1バイトの変動パターン種別判定テーブルテーブル132A,132C,132E,132G,135Aを用いて変動パターン種別が決定される。
一方、遊技状態が時短状態に制御されておらず(低ベース状態)且つ第1特別図柄の変動表示を実行する場合であれば、演出のバリエーションを多様化する点から、変動時間が比較的長い変動パターン種別および変動パターンが決定されるようにしている。そのため、この実施の形態では、遊技状態が時短状態に制御されておらず(低ベース状態)且つ第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、選択されうる変動パターン種別や変動パターンの種類が多くなることから、データ量が多い変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の2バイトの全範囲の値を用いて、2バイトの変動パターン種別判定テーブルテーブル132B,132D,132F,132H,135Bを用いて変動パターン種別が決定される。そのように、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の2バイトの全範囲の値と2バイトの変動パターン種別判定テーブルテーブル132B,132D,132F,132H,135Bとを用いて変動パターン種別を用いることによって、選択可能な変動パターン種別や変動パターンの種類を多様化できるとともに、変動パターン種別や変動パターンのより細かな振り分け調整を行うことができる。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が実行される場合や遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合にのみ短縮変動の変動パターン種別(非リーチCA2−3)を含む1バイトのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを用いて短縮変動の変動表示が行われる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技状態が時短状態に制御されておらず(低ベース状態)且つ第1特別図柄の変動表示を実行する場合であっても、保留記憶数(合算保留記憶数や、第1保留記憶数、第2保留記憶数)が所定数(例えば、3)以上である場合には、短縮変動の変動パターン種別(非リーチCA2−3)を含む2バイトのはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いて短縮変動の変動表示を実行可能に構成するようにしてもよい。
図12(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3〜スーパーCA3−4のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1〜特殊CA4−4のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図13は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図14および図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14および図15に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「通常大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図23参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図16は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図17および図18は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、後述するように、遊技状態が時短状態でない(低ベース状態である)ことを条件として、第1始動入賞口13への始動入賞に対して始動入賞時の判定処理が実行される。図17および図18に示すように、この実施の形態では、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値(本例では、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の2バイトの全範囲の値)がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、はずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が0〜20479となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が0〜20479となる場合(すなわち、非リーチCA2−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が20480〜25599となる場合(すなわち、非リーチCA2−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が25600〜43519となる場合(すなわち、ノーマルCA2−4の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が43520〜52339となる場合(すなわち、ノーマルCA2−5の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が52340〜57343となる場合(すなわち、スーパーCA2−6の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が57344〜65535となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「通常大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が0〜19199となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が0〜19199となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が19200〜38399となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が38400〜58399となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ13コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が58400〜65535となる場合(すなわち、スーパーCA3−4の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ14コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が0〜9983となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が0〜9983となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ15コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が9984〜20479となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ16コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が20480〜50479となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ17コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が50480〜65535となる場合(すなわち、スーパーCA3−4の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ18コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が0〜10855となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が0〜10855となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ19コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が10856〜25855となる場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「19(H)」を設定した変動カテゴリ20コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が25856〜45855となる場合(すなわち、特殊CA4−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「1A(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が45856〜65535となる場合(すなわち、特殊CA4−4の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「1B(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が0〜45535となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が0〜45535となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「1C(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が45536〜65535となる場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「1D(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態でない(低ベース状態である)ことを条件として、大当り遊技中に第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合を除いて(ステップS1215A,S1216A参照)、第1始動入賞口13への始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図16に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図17および図18に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する保留予告演出を実行する。
なお、「保留予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行されるいわゆる先読み予告演出の一種であり、第1保留記憶表示部9aにおける保留表示を通常とは異なる表示態様で表示することにより行われる予告演出である。この実施の形態では、保留予告演出は、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行される。なお、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングでは通常の表示態様で保留表示の表示を一旦開始し、その後の所定タイミング(例えば、保留のシフトのタイミング)で通常とは異なる表示態様に保留表示を変化させることにより保留予告演出を実行するようにしてもよい。また、この実施の形態では、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示のみを変化させることにより保留予告演出を実行する場合を示しているが、第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示も変化させて保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図14および図15に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図14および図15に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図19および図20は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図32参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図21は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図21(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図21(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図21(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図22(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにし、それ以外の大当り判定用乱数(ランダムR)や大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)のみ(すなわち、ステップS1217Aの入賞時演出処理の入賞時判定の処理に必要な乱数のみ)を始動入賞時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図22は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図22に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数などの乱数値を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶する場合を示しているが、保留記憶として記憶する所定の情報は乱数値にかぎられない。例えば、大当り判定用乱数などにもとづいて大当りや小当りとするか否かをあらかじめ決定しておき、その決定結果を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶してもよい。
次いで、CPU56は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1215A)。セットされていれば、そのままステップS1220Aに移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS1216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU56は、そのままステップS1220Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220A)。
なお、ステップS1218A,S1219Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1218A〜S1220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
ただし、ステップS1215AまたはステップS1216AでYと判定したことによりステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU56は、ステップS1220Aにおいて、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御は行わない。なお、ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値(例えば、「FF(H)」)をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ステップS1215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、遊技状態が低ベース状態である場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、ステップS1216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。なお、大当り遊技状態である場合にのみステップS1217Aに移行しないようにし、小当り遊技状態である場合にはステップS1217Aに移行して入賞時演出処理が実行されるようにしてもよい。
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305参照)から大当り終了処理(ステップS307参照)までの処理が実行されている状態である。
次に、図21(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図22(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220B)。
図23は、ステップS1217Aの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶されている過去の全ての大当り判定用乱数(ただし、今回の始動入賞にもとづいて新たに抽出した大当り判定用乱数を除く)を読み出す(ステップS220)。そして、CPU56は、読み出した各大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、一致するものがあるか否かを確認する(ステップS220)。読み出した大当り判定用乱数(ランダムR)の中に大当り判定値と一致するものが1つでもあれば(ステップS221のY)、CPU56は、そのまま入賞時演出処理を終了する。すなわち、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファの中に既に大当りとなる保留記憶が記憶されているということは、今回新たに記憶した保留記憶にもとづく変動表示が開始される前に大当りが発生して、遊技状態が低ベース状態から時短状態(高ベース状態)に変化するということになる。従って、ステップS222以降の処理を実行して入賞時判定の処理を行っても、その保留記憶にもとづく変動表示が開始されるときには遊技状態が変化して、入賞時判定結果と実際の変動表示との間に不整合が生じるおそれがあるので、ステップS222以降の処理に移行せず、そのまま処理を終了するようにしている。
なお、ステップS221でYと判定し入賞時判定の処理を行わなかった場合には、ステップS1218A,S1219Aの処理をスキップしてステップS1220Aの処理に移行するものとする。なお、ステップS221でYと判定した場合であっても、ステップS1218A,S1219Aの処理を実行するようにし、例えば、EXTデータに入賞時判定結果が不明であることを特定可能な値をセットして図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
読み出した大当り判定用乱数(ランダムR)の中に大当り判定値と一致するものがなければ、CPU56は、ステップS1214Aで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する保留予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1214Aで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
そして、CPU56は、はずれ用の各2バイトの閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図17および図18に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
具体的には、CPU56は、2バイトの閾値20479、25599、43519、52339および57343を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が閾値20479以下であるか否かを判定し、閾値20479以下である場合(すなわち、0〜20479である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値25599以下である場合(すなわち、20480〜25599である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値43519以下である場合(すなわち、25600〜43519である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値52339以下である場合(すなわち、43520〜52339である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値57343以下である場合(すなわち、52340〜57343である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値57343以下でない場合(すなわち、57344〜65535である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に20479、25599、43519、52339および57343と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値20479以下であるか否かを判定した後に、閾値25599以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の0〜20479の範囲内となることはなく、20480〜25599の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に20479、25599、43519、52339および57343と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に57343、52339、43519、25599および20479と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
そして、CPU56は、小当り用の2バイトの閾値を設定する(ステップS228)。
具体的には、CPU56は、2バイトの閾値45535を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が閾値45535以下であるか否かを判定し、閾値45535以下である場合(すなわち、0〜45535である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「1C(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値45535以下でない場合(すなわち、45536〜65535である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「1D(H)」を設定すると判定する(図18参照)。
ステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1214Aで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各2バイトの閾値を設定する(ステップS231)。
具体的には、CPU56は、「通常大当り」と判定した場合には、2バイトの閾値19199、38399および58399を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が閾値19199以下であるか否かを判定し、閾値19199以下である場合(すなわち、0〜19199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値38399以下である場合(すなわち、19200〜38399である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値58399以下である場合(すなわち、38400〜58399である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値58399以下でない場合(すなわち、58400〜65535である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図18参照)。
また、CPU56は、「確変大当り」と判定した場合には、2バイトの閾値9983、20479および50479を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が閾値9983以下であるか否かを判定し、閾値9983以下である場合(すなわち、0〜9983である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値20479以下である場合(すなわち、9984〜20479である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値50479以下である場合(すなわち、20480〜50479である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値50479以下でない場合(すなわち、50480〜65535である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図18参照)。
また、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、2バイトの閾値10855、25855および45855を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が閾値10855以下であるか否かを判定し、閾値10855以下である場合(すなわち、0〜10855である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値25855以下である場合(すなわち、10856〜25855である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「19(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値45855以下である場合(すなわち、25856〜45855である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「1A(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値45855以下でない場合(すなわち、45856〜65535である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「1B(H)」を設定すると判定する(図18参照)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した2バイトの閾値と、ステップS1214Aで抽出した変動パターン種別判定用乱数とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図9〜図11参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図17および図18に示すような「00(H)」〜「05(H)」、「10(H)」〜「1D(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する保留予告演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、後述するように、「通常大当り」、「確変大当り」または「はずれ」となるときにスーパーリーチとなる場合に保留予告演出が実行されるのであるから、「突然確変大当り」や「小当り」となる場合には変動パターン種別の閾値判定を行うことなく、一律に突然確変大当りや小当りとなることを示すEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定するようにしてもよい。
以上の処理が実行されることによって、この実施の形態では、遊技状態が時短状態に制御されておらず(すなわち、低ベース状態であり)、且つ第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合にのみ、入賞時判定の処理を行うようにしている。また、第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに既に大当りとなる保留記憶が記憶されていないことを条件として、入賞時判定の処理を行うようにしている。そのように構成することによって、この実施の形態では、今回新たに発生した保留記憶にもとづく変動表示が開始される時点でも遊技状態が低ベース状態のまま変化しておらず、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値を用いて変動パターン種別が決定されることが確実に予測される場合に限って、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値を用いて入賞時判定の処理を行うようにしている。従って、この実施の形態では、2種類の可変表示態様決定用数値データ(変動パターン種別判定用乱数や、変動パターン種別判定テーブルに対応した閾値)のうち、実際に判定対象の保留記憶の変動表示で用いられる可変表示態様決定用数値データに対応した情報(本例では、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値や、2バイトの変動パターン種別判定テーブルに対応した閾値)を用いて、入賞時判定の処理を行うように構成されている。よって、この実施の形態では、そのような構成を備えることによって、選択可能な可変表示態様(変動パターン種別や変動パターン)を増加しつつ、可変表示態様の決定に必要な記憶容量を低減することができる。
なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、後述するように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には必ず変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いて変動パターン種別の決定が行われることから、第2始動入賞口14への始動入賞に対しても入賞時判定の処理を行うように構成し、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値や1バイトの変動パターン種別判定テーブルに対応した閾値を用いて、入賞時判定の処理を行うようにしてもよい。
また、例えば、第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに既に大当りとなる保留記憶が記憶されている場合であっても、実際に判定対象の保留記憶の変動表示が実行されるときに時短状態(高ベース状態)となっていることが確実に予測できる場合には、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値や1バイトの変動パターン種別判定テーブルに対応した閾値を用いて、入賞時判定の処理を行うようにしてもよい。
さらに、例えば、始動入賞時の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合であっても、実際に判定対象の保留記憶の変動表示が実行されるまでに時短状態(高ベース状態)が終了するか否かを予測し、その予測結果にもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の2バイト全体または上位1バイトの範囲の値や変動パターン種別判定テーブルに対応した閾値を用いて、入賞時判定の処理を行うようにしてもよい。
また、新たに始動入賞して発生した保留記憶が現在の遊技状態とは異なる遊技状態で消化されることとなるか否かをあらかじめ判定して、実際に消化される遊技状態に対応した変動パターン種別判定テーブルやそれに対応した閾値を用いて入賞時判定の処理を行うようにしてもよい。例えば、通常大当りにもとづく大当り遊技終了後(時短状態中)に99回目の変動表示を行っているときに3つ目の保留記憶が発生した場合には、その保留記憶が消化されるときには既に時短状態(高ベース状態)を終了して低ベース状態に移行していると判定できるので、2バイトの変動パターン種別判定テーブルやそれに対応した閾値を用いて入賞時判定の処理を行うようにすればよい。
なお、第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに既に大当りとなる保留記憶が記憶されておらずステップS221でNと判定してステップS222以降の入賞時判定の処理を行った場合であっても、この実施の形態では第2特別図柄の変動表示を優先実行するように構成していることから、事後的に大当りとなる第2特別図柄の変動表示が割り込んで時短状態(高ベース状態)に変化する場合も発生しうる。そのような場合には、例えば、保留予告演出の途中で大当りとなる第2特別図柄の変動表示が割り込んだ場合には、保留予告演出の実行を途中で終了して(保留表示を特殊態様から通常態様に変更して)、入賞時判定結果と実際の変動表示との間に不整合が生じないようにすればよい。
図24および図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
なお、この実施の形態で示したように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図23に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、確変状態(高確率状態)における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図26および図27は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、今回開始する変動表示が第1特別図柄の変動表示であるか否かを確認する(ステップS81)。なお、第1特別図柄の変動表示を開始する場合であるか否かは、具体的には、特別図柄ポインタに設定されている値が「第1」を示すデータであるか否かを確認することにより判定できる。第1特別図柄の変動表示を開始する場合であれば、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS82)。時短フラグがセットされていなければ(すなわち、時短状態でなければ(低ベース状態であれば))、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS83)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り種別に応じて、2バイトの大当り用変動パターン種別判定テーブル132B,132D,132F(図9(B)、図9(D)、図10(F)参照)のいずれかを選択する(ステップS84)。そして、ステップS88に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS85)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、2バイトの小当り用変動パターン種別判定テーブル132H(図10(H)参照)を選択する(ステップS86)。そして、ステップS88に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には(すなわち、はずれであれば)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、2バイトのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図11(B)参照)を選択する(ステップS87)。そして、ステップS88に移行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS84、S86またはS87の処理で選択したテーブルを参照することによって、読み出した変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値にもとづく抽選処理を行い、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS88)。そして、ステップS95に移行する。
ステップS81で第1特別図柄の変動表示を開始する場合でなければ(すなわち、第2特別図柄の変動表示を開始する場合であれば)、またはステップS82で時短フラグがセットされていれば(すなわち、時短状態(高ベース状態)であれば)、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS89)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り種別に応じて、1バイトの大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132C,132E(図9(A)、図9(C)、図10(E)参照)のいずれかを選択する(ステップS90)。そして、ステップS94に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS91)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、1バイトの小当り用変動パターン種別判定テーブル132G(図10(G)参照)を選択する(ステップS92)。そして、ステップS94に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には(すなわち、はずれであれば)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、1バイトのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図11(A)参照)を選択する(ステップS93)。そして、ステップS94に移行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS90、S92またはS93の処理で選択したテーブルを参照することによって、読み出した変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値にもとづく抽選処理を行い、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS94)。そして、ステップS95に移行する。
次いで、CPU56は、ステップS88,S94の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図12参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図13参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS95)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS96)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、始動入賞時に行う入賞時演出処理と変動開始時に行う変動パターン設定処理とで同じ変動パターン種別判定テーブル(入賞時演出処理ではそれに対応した閾値)を用いて変動パターン種別や変動パターンを決定する場合を示しているが、始動入賞時と変動開始時とで異なる変動パターン種別判定テーブルやそれに対応した閾値を選択または参照して変動パターン種別や変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS97)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS98)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS99)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS100)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS87,S88,S93〜S96の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図11に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図11に示すノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5、スーパーCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。このように構成する場合であっても、1バイト用と2バイト用の非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルおよびリーチ用の変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ用意しておき、いずれの特別図柄の変動表示を実行するかや時短状態(高ベース状態)であるか否かに応じて1バイト用と2バイト用のテーブルを切り替えて用いて変動パターン種別を決定するようにすればよい。
図28は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図14参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグや、時短状態であることを示す時短フラグ、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図31は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」であった場合には大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「確変大当り」であった場合には大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当り遊技が通常大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば(ステップS166のY)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(本例では100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合でなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図32は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図33は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図34は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14および図15参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図35〜図37は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001〜A002(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。この場合、例えば、大当り開始1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り開始2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301〜A302(H))であれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。この場合、例えば、大当り終了1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り終了2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))であれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている図柄指定コマンド格納領域に格納する(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている変動カテゴリコマンド格納領域に格納する(ステップS654)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS656)。また、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている保留記憶数加算指定コマンド格納領域に格納する(ステップS657)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS658)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS659)。また、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている保留記憶数加算指定コマンド格納領域に格納する(ステップS660)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS662)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示を1つ消去し、その消去した第1保留記憶以降の残りの第1保留表示を1つずつシフトして、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留記憶数表示を更新する(ステップS663)。例えば、第1保留記憶表示部9aの1つ目〜3つ目の第1保留表示が点灯表示されていた場合に、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には1つ目の第1保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた第1保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた第1保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS665)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS666)。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示を1つ消去し、その消去した第2保留記憶以降の残りの第2保留表示を1つずつシフトして、第2保留記憶表示部9aにおける第2保留記憶数表示を更新する(ステップS667)。例えば、第2保留記憶表示部9bの1つ目〜3つ目の第1保留表示が点灯表示されていた場合に、第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には1つ目の第2保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた第2保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた第2保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS668)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS669)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS670)。
受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS671)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS672)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS673)。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS674)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS675)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS676)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS677)。そして、ステップS611に移行する。
図38は、図33に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、保留予告演出の決定および実行を行う保留予告演出処理を実行する(ステップS800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図39は、保留予告演出処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。保留予告演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、新たな始動入賞が発生して新たに始動入賞時のコマンドを受信したか否かを確認する(ステップS6001)。なお、新たに始動入賞時のコマンドを受信したか否かは、具体的には、図柄指定コマンド格納領域や変動カテゴリコマンド格納領域、保留記憶数加算指定コマンド格納領域に新たな図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド、保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)が格納されているか否かを確認することにより判定できる。
新たに始動入賞時のコマンドを受信してれば(ステップS6001のY)、演出制御用CPU101は、新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS6002)。第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば、演出制御用CPU101は、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否かを確認する(ステップS6003)。なお、確変状態や時短状態であるか否かは、具体的には、確変状態フラグや時短状態フラグ(ステップ673,S767参照)がセットされているか否かを確認することにより判定できる。確変状態または時短状態であれば(すなわち、高ベース状態であれば)、ステップS6607に移行する。
確変状態および時短状態のいずれでもなければ(すなわち、低ベース状態であれば)、演出制御用CPU101は、保留予告演出を実行するか否かを決定するための保留予告決定テーブルを用いて、新たに受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、保留予告演出を実行するか否かを決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS6004)。
図40は、保留予告演出を実行するか否かを決定するための保留予告決定テーブルの具体例を示す説明図である。図40に示すように、各保留予告決定テーブルには、保留予告演出なし、および保留予告演出ありに対して、それぞれ判定値が割り振られている。
また、図40に示すように、保留予告決定テーブルには、スーパーリーチはずれとなる場合(すなわち、変動カテゴリコマンドでスーパーCA2−6の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC604(H)を受信している場合)や、スーパーCA2−7の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC605(H)を受信している場合))、およびスーパーリーチ大当りとなる場合(すなわち、変動カテゴリコマンドでスーパーCA3−3の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC612(H),C616(H)を受信している場合)や、スーパーCA3−4の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC613(H),C617(H)を受信している場合))にのみ判定値が割り振られている。従って、この実施の形態では、スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りとなる場合にのみ保留予告演出が実行されうる。
なお、この実施の形態では、図40に示すように、スーパーリーチはずれとなる場合には70%の割合で保留予告演出を実行することに決定し、スーパーリーチ大当りとなる場合には90%の割合で保留予告演出を実行することに決定するものとする。
なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、スーパーリーチはずれおよびスーパーリーチ大当り以外の変動カテゴリとなる場合も保留予告演出を実行可能に構成してもよい。例えば、非リーチはずれとなる場合であっても低い割合で保留予告演出を実行可能に構成し、いわゆるガセの保留予告演出を実行可能に構成してもよい。また、例えば、変動カテゴリコマンドにもとづいて大当りとなるか否かのみを特定し、その特定結果に従って保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
保留予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6005のY)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて特殊態様で第1保留表示を1つ増加させる(ステップS6006)。具体的には、この実施の形態では、第1保留記憶表示部9aにおいて通常態様で第1保留表示を表示する場合には白色の丸形表示を表示するのに対して、特殊態様の第1保留表示として赤色の丸形表示を1つ増加させる。なお、ステップS6006が実行されて保留予告演出が開始されると、変動表示が開始され第1保留表示が1つずつ消化されるに従って、予告対象の第1保留表示の表示位置が1つずつシフトされていき、最終的に予告対象の第1保留表示が消化されて第1保留記憶表示部9aから消去されることにより、保留予告演出が終了することになる(ステップS663参照)。
なお、この実施の形態では、特殊態様(本例では、赤色の丸形表示)で保留表示を表示することによって、スーパーリーチや大当りとなることを予告する態様で保留予告演出を実行する場合を示しているが、保留予告演出の態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、擬似連となることを示唆する態様や、突然確変大当りや小当りとなることを示唆する態様で保留表示を表示して保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
確変状態または時短状態であった場合(ステップS6003のY)または保留予告演出を実行しないことに決定した場合(ステップS6005のN)には、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて通常態様で第1保留表示を1つ増加させる(ステップS6007)。具体的には、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて、第1保留表示として白色の丸形表示を1つ増加させる。
ステップS6002で第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合でなければ(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて通常態様で第2保留表示を1つ増加させる(ステップS6008)。具体的には、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて、第2保留表示として白色の丸形表示を1つ増加させる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、可変表示態様決定用数値データ(本例では、変動パターン種別判定用乱数)のうちのデータ容量が異なる複数種類のデータ範囲(本例では、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲)のいずれかを用いて、識別情報の可変表示態様(本例では、変動パターン種別、変動パターン)を決定する。そして、遊技状態に応じて、識別情報の可変表示態様を決定するために用いる可変表示態様決定用数値データのデータ範囲を切り替える(本例では、時短状態(高ベース状態)であれば変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いて変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定し、時短状態でなければ(低ベース状態であれば)、第1特別図柄の変動表示を実行する場合であれば、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値を用いて変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する)。そのため、選択可能な可変表示態様を増加しつつ、可変表示態様の決定に必要な記憶容量を低減することができる。
また、この実施の形態によれば、第1可変表示手段(本例では、第1特別図柄表示器8a)における識別情報の可変表示を行う場合であるか第2可変表示手段(本例では、第2特別図柄表示器8b)における識別情報の可変表示を行う場合であるかに応じて、識別情報の可変表示態様を決定するために用いる可変表示態様決定用数値データのデータ範囲を切り替える(本例では、第2特別図柄の変動表示を行う場合であれば変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いて変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定し、第1特別図柄の変動表示を行う場合であれば、時短状態(高ベース状態)でなければ、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値を用いて変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する)。そのため、選択可能な可変表示態様を増加しつつ、可変表示態様の決定に必要な記憶容量を低減することができる。
また、この実施の形態によれば、始動入賞の発生時に、可変表示態様決定用数値データにもとづいて、識別情報の可変表示態様が特定可変表示態様(本例では、スーパーリーチ)となるか否かを判定し、特定可変表示態様となると判定された場合に、当該判定対象となった識別情報の可変表示が開始される以前に、特定演出(本例では、保留予告演出)を実行可能である。また、この場合、複数種類の可変表示態様決定用数値データのデータ範囲のうち、判定対象の識別情報の可変表示で識別情報の可変表示態様を決定するために用いられる可変表示態様決定用数値データのデータ範囲を用いて、特定可変表示態様となるか否かを判定する(本例では、保留記憶の中に大当りとなるものがなく、現在の遊技状態が時短状態でない(低ベース状態である)場合に、第1始動入賞口13への始動入賞にたいしてのみ(すなわち、実際に実行される変動表示において変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値が用いられることが確実に予測される場合にのみ)、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値を用いて変動パターン種別の判定が行われる)。そのため、選択可能な可変表示態様を増加しつつ、可変表示態様の決定に必要な記憶容量を低減することができる。
具体的には、低ベース状態である場合や第1特別図柄の変動表示を行う場合には2バイトの変動パターン種別判定テーブル132B,132D,132F,132H,135Bを用いた変動パターン種別および変動パターンの決定を可能として選択可能な変動パターンのバリエーションを増加させる一方で、高ベース状態である場合や第2特別図柄の変動表示を行う場合にはデータ容量の小さい1バイトの変動パターン種別判定テーブル132A,132C,132E,132G,135Aを用いた変動パターン種別および変動パターンの決定を行うようにして、変動パターン種別判定テーブルを記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であるか否かと、第1特別図柄と第2特別図柄のいずれの変動表示を実行するかとの両方を判定して、変動パターン種別判定用乱数を切り替えて用いる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であるか否かのみを判定し、時短状態(高ベース状態)であれば変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いて変動パターン種別を決定した後に変動パターンを決定するようにし、時短状態でなければ(低ベース状態であれば)一律に変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値を用いて変動パターン種別を決定した後に変動パターンを決定するようにしてもよい。また、逆に、時短状態(高ベース状態)であれば変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値を用いて変動パターン種別を決定した後に変動パターンを決定するようにし、時短状態でなければ(低ベース状態であれば)変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いて変動パターン種別を決定した後に変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、例えば、第1特別図柄と第2特別図柄のいずれの変動表示を実行するかのみを判定し、第2特別図柄の変動表示を行う場合であれば変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いて変動パターン種別を決定した後に変動パターンを決定するようにし、第1特別図柄の変動表示を行う場合であれば一律に変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値を用いて変動パターン種別を決定した後に変動パターンを決定するようにしてもよい。また、逆に、第2特別図柄の変動表示を行う場合であれば変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値を用いて変動パターン種別を決定した後に変動パターンを決定するようにし、第1特別図柄の変動表示を行う場合であれば変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いて変動パターン種別を決定した後に変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態として時短状態(高ベース状態)であるか否かに応じて変動パターン種別の決定に用いる変動パターン種別判定用乱数のデータ範囲を異ならせる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技状態として確変状態(高確率状態)であるか否かに応じて変動パターン種別の決定に用いる変動パターン種別判定用乱数のデータ範囲を異ならせるように構成してもよい。さらに、高ベース状態であるか否かと高確率状態であるか否かとを組み合わせて判定して、変動パターン種別の決定に用いる変動パターン種別判定用乱数のデータ範囲を切り替えるようにしてもよい。例えば、遊技状態が低確率/低ベース状態であるか、それ以外の遊技状態(低確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態、高確率/高ベース状態)であるかに応じて、変動パターン種別の決定に用いる変動パターン種別判定用乱数のデータ範囲を異ならせるように構成してもよい。
また、例えば、突然確変大当りや小当りの発生を契機として、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かを認識不能とする(例えば、確変状態であるか否かにかかわらず共通の背景画面を表示したり共通の演出を実行する)いわゆる確変潜伏状態に制御する場合に、突然確変大当りや小当りの発生を契機に変動パターン種別の決定に用いる変動パターン種別判定用乱数のデータ範囲を切り替えるように構成してもよい。この場合、例えば、確変潜伏状態中は変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いて変動パターン種別を決定し、確変潜伏状態中以外の場合には変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値を用いて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、可変表示態様決定用数値データとして変動パターン種別判定用乱数について1バイトと2バイトのデータ範囲を切り替えて用いて変動パターン種別を決定する場合を示したが、可変表示態様決定用数値データは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、(1)リーチ判定用乱数を用いたリーチ決定、(2)変動パターン種別判定用乱数を用いた変動パターン種別の決定、(3)変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定の順に変動パターンが決定されるように構成する場合には、(1)リーチ判定用乱数や(3)変動パターン判定用乱数について1バイトと2バイトのデータ範囲を切り替えて用いてリーチの有無や変動パターンを決定するようにしてもよい。このように、(1)リーチ判定用乱数、(2)変動パターン種別判定用乱数、および(3)変動パターン判定用乱数のうちのいずれか2つまたは全てについて、1バイトと2バイトのデータ範囲を切り替えて用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、データ容量の異ならせ方として1バイトと2バイトの2種類に異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、3種類以上のデータ容量の異なる乱数のデータ範囲を用いるように構成してもよい。例えば、1バイトと2バイトのデータ範囲に加えて3バイトのデータ範囲を切り替えて用いて、リーチの有無や、変動パターン種別、変動パターンを決定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、1つの2バイトの乱数(本例では、変動パターン種別判定用乱数)のうちの異なるデータ範囲を用いる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、2種類の乱数から抽出した値を演算を行うことにより、1バイトのデータのデータを作成して、リーチの有無や、変動パターン種別、変動パターンの決定に用いるようにしてもよい。また、データ量の異なる複数のデータを作成できるのであれば、1種類の乱数から抽出した値や3種類以上の乱数から抽出した値を演算を行うことにより、1バイトのデータのデータを作成して、リーチの有無や、変動パターン種別、変動パターンの決定に用いるようにしてもよい。さらに、時間に応じて値が変化するように構成されたリフレッシュレジスタの値と抽出した乱数値とを演算を行うことにより、1バイトのデータのデータを作成して、リーチの有無や、変動パターン種別、変動パターンの決定に用いるようにしてもよい。そのように、少なくとも、2バイト以上の数値にもとづいて1バイトの数値を求めるものであればよい。
また、この実施の形態では、特定演出として、保留予告演出を実行する場合を示したが、この実施の形態で示した態様にかぎられない。例えば、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行されるいわゆる先読み予告演出であれば、特定演出として、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の1変動または複数変動にわたって実行される連続予告演出(例えば、1変動または複数変動にわたって連続して所定表示結果(例えば、チャンス目)を停止表示させるような演出や、変動ごとにカウントダウンするような態様の演出)を実行するように構成してもよい。また、そのように特定演出として連続予告演出を実行する場合、必ずしも複数変動にわたって連続して実行する必要はなく、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の複数変動において間欠的に演出を実行するようなものであってもよい。また、例えば、必ずしも予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の変動で連続予告演出を終了する必要はなく、予告演出の対象となる変動表示までわたって演出を実行するようなものであってもよい。
また、この実施の形態では、特定可変表示態様としてスーパーリーチ(スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ大当り)となる場合に特定演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、特定可変表示態様としてリーチ(ノーマルリーチとスーパーリーチとを含む)となる場合に特定演出を実行するように構成したり、特定可変表示態様として非リーチはずれとなる場合に特定演出(いわゆるガセの先読み予告演出)を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図9〜図11に示すように、1バイトの乱数やテーブルを用いる場合と2バイトの乱数やテーブルを用いる場合とで、選択可能な変動パターン種別や変動パターンの範囲が異なるだけで、選択可能な変動パターン種別や変動パターンが重複する場合(例えば、図9(A),(B)の通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブルで見ると、1バイトであっても2バイトであってもノーマルCA3−1とスーパーCA3−4の変動パターン種別を選択可能である)を示したが、そのような態様にかぎらず、1バイトと2バイトとで全く異なる変動パターン種別や変動パターンを選択するように構成してもよい。そのように構成しても、いずれの遊技状態やいずれの特別図柄の変動表示を行う場合であっても一律に2バイトの乱数やテーブルを用いる場合と比較すると、可変表示態様の決定に必要な記憶容量を低減することができる。
また、この実施の形態によれば、可変表示態様決定用数値データ(本例では、変動パターン種別判定用乱数)は、2バイトで構成されている。また、識別情報の可変表示を決定するときの状態(変動表示を開始する時に時短状態(高ベース状態)であるか否かや、第1特別図柄と第2特別図柄のいずれの変動表示を実行するか)に応じて、識別情報の可変表示態様を決定するために用いる可変表示態様決定用数値データのデータ範囲を、該可変表示態様決定用数値データの2バイトの範囲または上位1バイトの範囲のいずれかに切り替える(本例では、変動パターン設定処理において、時短状態であるか否かなどに応じて、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値を用いて変動パターン種別を決定するステップS94の処理、または変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いて変動パターン種別を決定するステップS88の処理を実行する)。そのため、可変表示態様決定用数値データの2バイトの範囲または上位1バイトの範囲のいずれかに切り替えることによって、選択可能な可変表示態様を増加しつつ、可変表示態様決定に必要な記憶容量を低減することができる。
また、例えば、この実施の形態では、図11に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおいてスーパーCA2−7の変動パターン種別に着目すると、1バイトのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aでは224(E0(H))以上の範囲に割り振られ、2バイトのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bでは57344(E000(H))以上の範囲に割り振られている。従って、はずれとなる場合には、いずれのデータ範囲を用いるかに関係なく、変動パターン種別判定用乱数の最初の3ビットが全て1であれば、少なくともスーパーCA2−7の変動パターン種別となると判定することができる。よって、抽出した変動パターン種別判定用乱数の最初の3ビットが全て1であれば、少なくともスーパーリーチになるものと判定して特定演出(本例では、保留予告演出)を実行するようにしてもよい。そのように構成すれば、始動入賞の発生から実際に変動表示が実行されるまでに遊技状態の変わり目があるような場合であっても、特定演出に矛盾が生じないようにすることができる。従って、変動パターン種別の決定に用いる変動パターン種別判定用乱数のデータ範囲が1バイトと2バイトとの間で切り替わったときであっても、特定演出を好適に実行することができる。
なお、この実施の形態では、変動パターン種別判定用乱数のうちの1バイトの範囲を用いて変動パターン種別を決定する場合、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いて変動パターン種別を決定する場合を示したが、逆に、変動パターン種別判定用乱数の下位1バイトの範囲の値を用いて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。そのように構成すれば、上位1バイトよりも下位1バイトの方が値の更新周期が早いので、可変表示態様(変動パターン種別、変動パターン)を決定する際のランダム性を向上させることができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、判定対象の保留記憶の変動表示で変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値や2バイトの変動パターン種別判定テーブルが用いられることが確実に予測される場合に限って、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値や2バイトの変動パターン種別判定テーブルに対応した閾値を用いて入賞時判定の処理を行う場合を示したが、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値と2バイトの全範囲の値や1バイトと2バイトの変動パターン種別判定テーブルに対応した閾値の両方を用いて入賞時判定の処理を行い、いずれも特定可変表示態様(スーパーリーチ)となると判定した場合に保留予告演出を実行可能に構成してもよい。以下、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値と2バイトの全範囲の値や1バイトと2バイトの変動パターン種別判定テーブルに対応した閾値の両方を用いて入賞時判定の処理を行い、いずれも特定可変表示態様(スーパーリーチ)となると判定した場合に保留予告演出を実行可能に構成した第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図41は、第2の実施の形態における入賞時演出処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、入賞時演出処理において、ステップS220〜S224の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。なお、この実施の形態では、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値と2バイトの全範囲の値や1バイトと2バイトの変動パターン種別判定テーブルに対応した閾値の両方を用いて入賞時判定の処理を行うので、図21(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理において、時短状態(高ベース状態)に制御されているときであってもステップS1217Aの入賞時演出処理を実行してもよく、図21(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS1217Aと同様の処理に従って入賞時演出処理を実行してもよい。
ステップS224においてはずれを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定すると、CPU56は、はずれ用の各1バイトおよび各2バイトの閾値をそれぞれ設定する(ステップS226A)。具体的には、CPU56は、1バイトの閾値89,199および223を設定するとともに、2バイトの閾値20479、25599、43519、52339および57343を設定する。
ステップS227の処理は、第1の実施の形態で示した処理と同様である。
ステップS227において小当りを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定すると、CPU56は、小当り用の1バイトおよび2バイトの閾値をそれぞれ設定する(ステップS228A)。具体的には、CPU56は、1バイトの閾値255を設定するとともに、2バイトの閾値45535を設定する。なお、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いる場合には、変動パターン種別の設定が特殊CA4−1しかないので(図10(G)参照)、CPU56は、ステップS232において、必ず変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値が閾値255以下であると判定し、変動パターン種別が特殊CA4−1となると判定することになる。なお、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値を用いる場合には変動パターン種別の設定が特殊CA4−1しかないのであるから、閾値判定を行うことなく無条件に特殊CA4−1となると判定するようにしてもよい。
ステップS229,230の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS230において大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定すると、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各1バイトおよび各2バイトの閾値をそれぞれ設定する(ステップS231A)。具体的には、CPU56は、「通常大当り」と判定した場合には、1バイトの閾値149を設定するとともに、2バイトの閾値19199、38399および58399を設定する。また、CPU56は、「確変大当り」と判定した場合には、1バイトの閾値79を設定するとともに、2バイトの閾値9983、20479および50479を設定する。また、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、1バイトの閾値100を設定するとともに、2バイトの閾値10855、25855および45855を設定する。
次いで、CPU56は、ステップS226A,S228A,S231Aで設定した1バイトの閾値と、ステップS1214A,S1214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232A)。
次いで、CPU56は、ステップS226A,S228A,S231Aで設定した2バイトの閾値と、ステップS1214A,S1214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232B)。
次いで、CPU56は、ステップS232Aの判定結果とステップS232Bの判定結果がいずれもスーパーリーチを伴う変動パターン種別(スーパーCA3−3、スーパーCA3−4、スーパーCA2−6、スーパーCA2−7)となるとの判定結果であるか否かを確認する(ステップS232C)。
そして、CPU56は、いずれの判定結果もスーパーリーチを伴う変動パターン種別となるとの判定結果である場合には、スーパーリーチとなるとの判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233A)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、図39に示す保留予告演出処理において、スーパーリーチとなるとの判定結果に応じたEXTデータがセットされた変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて保留予告演出の有無を決定し、保留予告演出を実行することに決定した場合にはステップS6006と同様の処理に従って第1保留記憶表示部9aにおいて特殊態様で第1保留表示を1つ増加させ(第2保留記憶表示部9bにおいて特殊態様で第2保留表示を1つ増加させてもよい)、保留予告演出を開始する制御を行う。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、始動入賞の発生時に、可変表示態様決定用数値データにもとづいて、識別情報の可変表示態様が特定可変表示態様(本例では、スーパーリーチ)となるか否かを判定し、特定可変表示態様となると判定された場合に、当該判定対象となった識別情報の可変表示が開始される以前に、特定演出(本例では、保留予告演出)を実行可能である。また、この場合、可変表示態様決定用数値データの複数種類のデータ範囲のうちのいずれにおいても特定可変表示態様となると判定された場合に、特定演出を実行可能である。そのため、特定演出と実際に行われた識別情報の可変表示とで矛盾が生じることを防止することができる。
なお、この実施の形態では、1バイトの閾値と2バイトの閾値とを別々に設定して、設定された1バイトの閾値のみを用いてステップS232Aにおいて
変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値がいずれの範囲となるかを判定し、設定された2バイトの閾値のみを用いてステップS232Bにおいて変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、1バイトの閾値と2バイトの閾値とを区別することなくまとめて設定して、1バイトと2バイトとをまとめて設定した閾値を用いてステップS232Aにおいて変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲の値がいずれの範囲となるかを判定し、1バイトと2バイトとをまとめて設定した閾値を用いてステップS232Bにおいて変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲の値がいずれの範囲となるかを判定するようにしてもよい。
また、例えば、1バイトの閾値と2バイトの閾値との両方を設定するのではなく、いずれか一方の閾値のみを設定して判定を行うように構成してもよい。例えば、1バイトの閾値のみを設定し、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲と変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲のいずれについても1バイトの閾値を用いて判定を行うように構成してもよい。また、例えば、2バイトの閾値のみを設定し、変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの範囲と変動パターン種別判定用乱数の2バイトの全範囲のいずれについても2バイトの閾値を用いて判定を行うように構成してもよい。
また、例えば、この実施の形態では、図11に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおいてスーパーCA2−7の変動パターン種別に着目すると、1バイトのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aでは224(E0(H))以上の範囲に割り振られ、2バイトのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bでは57344(E000(H))以上の範囲に割り振られている。従って、はずれとなる場合には、いずれのデータ範囲を用いるかに関係なく、変動パターン種別判定用乱数の最初の3ビット(2バイトの変動パターン種別判定用乱数の上位1バイトの7〜5ビット目)が全て1であれば、少なくともスーパーCA2−7の変動パターン種別となると判定することができる。よって、抽出した変動パターン種別判定用乱数の最初の3ビットが全て1であれば、少なくともスーパーリーチになるものと判定して、スーパーリーチとなるとの判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定するようにしてもよい。
また、上記の場合、必ずしも1バイトと2バイトとの両方で最初の3ビット(7〜5ビット目)が全て1である場合にのみスーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合にかぎらず、1バイトと2バイトとで少なくとも一部の領域で最初の3ビット(7〜5ビット目)が全て1である場合にスーパーCA2−7の変動パターン種別となると確実に判定できるものであってもよい。例えば、スーパーCA2−7の変動パターン種別に関して、1バイトのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aでは224(E0(H))以上の範囲に割り振られている一方で、2バイトのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bでは50000(C350(H))以上の範囲に割り振られているようにしてもよい。そのような割り振りであっても、変動パターン種別判定用乱数の最初の3ビット(7〜5ビット目)が全て1であれば、少なくともスーパーCA2−7の変動パターン種別となると判定することができる。
また、この実施の形態では、1バイトと2バイトのいずれの場合であってもスーパーリーチとなると判定されるときに保留予告演出を実行可能に構成するのであるから、始動入賞時から変動開始時までの間に大当りの発生などによって遊技状態が変わったとしても、入賞時判定の結果と保留予告演出との間に不整合が生じるおそれはない。従って、図41に示す入賞時演出処理において、ステップS220,S221の処理は必ずしも実行する必要はなく省略してもよい。
実施の形態3.
第1の実施の形態や第2の実施の形態では、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる通常大当りや確変大当りにおいて、大当り遊技中の全てのラウンドにおいて大入賞口の開放時間を29秒とする場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、大当り遊技中に長期間(例えば、29秒)の大入賞口の開放を行うラウンドと短期間(例えば、0.5秒)の大入賞口の開放を行うラウンドとが混在するようにし、大当り種別に応じて見た目上のラウンド数が異なるように構成してもよい。以下、大当り遊技中に長期間の大入賞口の開放を行うラウンドと短期間の大入賞口の開放を行うラウンドとが混在するよう構成した第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態や第2の実施の形態と異なる部分について説明する。
図42は、第3の実施の形態における当り種別表である。図42の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率(高確率状態かどうか)、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間(時短状態かどうか)、大当り遊技状態における開放回数(ラウンド数)、大当り遊技状態における単位ラウンドの開放時間、および、大当り遊技状態における実質入賞可能なラウンド数が示されている。図42に示すように、この実施の形態では、16ラウンドの大当り遊技状態として、開放回数が同じで開放パターンが異なる大当り遊技状態を設けた例を示すが、16ラウンドの大当り遊技状態以外に、開放回数および開放パターンが異なる16ラウンド以外の大当り遊技状態が設けられてもよい。
この実施の形態では、図42に示すように、大当り種別として、16ラウンドの第1確変大当りと第2確変大当りとがある。第1確変大当りおよび第2確変大当りのような16ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間または0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる16ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1確変大当りまたは第2確変大当りの大当り遊技状態に制御された後は、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する。このような大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
大当り遊技状態において特別可変入賞球装置20が開状態(大入賞口が開放状態)となる複数回のラウンドのうち、各ラウンドは、1単位のラウンドであるので、単位ラウンドと呼ばれる。この実施の形態では、単位ラウンドとして、29秒間の開状態となる長開放ラウンドである第1単位ラウンドと、長開放ラウンドよりも短く0.5秒間の開状態となる短開放ラウンドである第2単位ラウンドとを含む。第1単位ラウンドは、開放時間が29秒間であり、大入賞口に遊技球が容易に入賞可能な状態となるので、大入賞口に実質的に遊技球が入賞可能なラウンドである。一方、第2単位ラウンドは、開放時間が0.5秒間であり、大入賞口に遊技球が入賞困難な状態となるので、大入賞口に実質的に遊技球が入賞不可能なラウンドである。
大当り遊技状態については、第1単位ラウンドと第2単位ラウンドとのうち、いずれか一方の組合せ、または、両方の組合せにより設定された開放パターンにもとづいて、特別可変入賞球装置20が開閉制御される。
図42に示すように、第1確変大当りは、29秒間の開状態となる第1単位ラウンドのみで、開放パターンが設定されており、16回分のラウンドで実質的に入賞が可能である。すなわち、第1確変大当りは、内部的に16ラウンドの大当りであるとともに、見た目上も16ラウンドの大当りである。一方、第2確変大当りは、29秒間の開状態となる第1単位ラウンドと、0.5秒間の開状態となる第2単位ラウンドの組合せにより開放パターンが設定されており、10回分のラウンドで実質的に入賞が可能である。すなわち、第2確変大当りは、内部的には16ラウンドの大当りであるが、見た目上は10ラウンドの大当りである。
図43は、第3の実施の形態における、大当り遊技状態において、大当りの種別に応じて、開放回(ラウンド)ごとに送信する開放中指定コマンドを選択してコマンドを送信するために用いられる開放中指定コマンドテーブルを示す図である。
開放中指定コマンドテーブルは、第1確変大当りのときに用いる第1確変大当り開放中指定コマンドテーブルと、第2確変大当りのときに用いる第2確変大当り開放中指定コマンドテーブルとに分けて設けられ、ROM54に記憶されている。これら開放中指定コマンドテーブルでは、大当り遊技状態における開放回(ラウンド)ごとに、何回目の開放回数であるか、および、開放時間(長開放または短開放)を特定可能なコマンドが設定されている。
図43(A)に示す第1確変大当り開放中指定コマンドテーブルでは、第1回目〜16回目までのすべての開放回(ラウンド)のそれぞれについて、長開放を指定する開放中1指定コマンドが選択されるようにデータが設定されている。これにより、第1確変大当りの大当り遊技状態においては、第1回目〜第16回目のすべての開放回(ラウンド)について、対応する「開放回目および長開放」を特定可能な開放中1指定コマンドが選択されて送信されることとなる。
図43(B)に示す第2確変大当り開放中指定コマンドテーブルでは、第1回目〜10回目までの開放回のそれぞれについては、長開放を指定する開放中1指定コマンドが選択されるようにデータが設定されている。そして、第2確変大当り開放中指定コマンドテーブルでは、第11回目〜16回目までの開放回のそれぞれについては、短開放を指定する開放中2指定コマンドが選択されるようにデータが設定されている。これにより、第2確変大当りの大当り遊技状態においては、第1回目〜第10回目のそれぞれの開放回(ラウンド)について、対応する「開放回目および長開放」を特定可能な開放中1指定コマンドが選択されて送信され、その後、11回目〜第16回目のそれぞれの開放回(ラウンド)について、該当する「開放回目および短開放」を特定可能な開放中2指定コマンドが選択されて送信されることとなる。
また、ROM54においては、図43の第1確変大当り開放中指定コマンドテーブルおよび第2確変大当り開放中指定コマンドテーブルと同様に、大当り遊技状態において、大当りの種別に応じて、開放回(ラウンド)ごとに送信する開放後指定コマンドを選択してコマンドを送信するために用いられる開放後指定コマンドテーブルが設けられている。開放後指定コマンドテーブルは、第1確変大当りのときに用いる第1確変大当り開放後指定コマンドテーブルと、第2確変大当りのときに用いる第2確変大当り開放後指定コマンドテーブルとに分けて設けられている。これら開放後指定コマンドテーブルでは、大当り遊技状態における開放回(ラウンド)ごとに、何回目の開放回数であるか、および、開放時間(長開放または短開放)を特定可能なコマンドが設定されている。このような開放後指定コマンドテーブルでは、図43の開放中コマンドのデータ内容がそのまま開放後コマンドのデータ内容に置き換えられたデータ構成で各開放回ごとのデータが設定されている。
図44は、第3の実施の形態における、第1確変大当りおよび第2確変大当りのそれぞれについて、大当り遊技状態において、実行される大入賞口の開閉パターン、送信される開放中コマンド、演出表示装置9でのラウンド数表示、および、演出表示装置9での出球表示の制御態様の関係を説明するタイミングチャートである。図44(A)では、第1確変大当りの制御態様が示されている。図44(B)では、第2確変大当りの制御態様が示されている。
図44(A)に示すように、第1確変大当りの大当り遊技状態においては、第1〜第16回目の各開放回において、29秒間の長開放態様で大入賞口が開状態に制御される。これにより、第1確変大当りでは、16回分の開放回において、実質的に大入賞口への入賞が可能であり賞球払出しが可能となる。一方、図44(B)に示すように、第2確変大当りの大当り遊技状態においては、第1〜第10回目の各開放回において、29秒間の長開放態様で大入賞口が開状態に制御された後、0.5秒間の短開放態様で大入賞口が開状態に制御される。これにより、第2確変大当りでは、10回分の開放回において、実質的に大入賞口への入賞が可能であり賞球払出しが可能となる。
また、図44(A),(B)に示すように、大当り遊技状態においては、各開放回(ラウンド)の開始時に、開放中1指定コマンドまたは開放中2指定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される。開放中コマンドとしては、長開放の開放回の開始時には長開放を示す開放中1指定コマンドが選択されて送信され、短開放の開放回の開始時には短開放を示す開放中2指定コマンドが選択されて送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、図44(A),(B)に示すように、開放中1指定コマンドを受信したときには、そのコマンドにより特定される何回目の開放であるかの情報に対応して、演出表示装置9におけるラウンド数表示において、実行される大入賞口の開放回のラウンド数を数値情報により表示する。たとえば、コマンドにより第1回目の開放であることが特定されるときには、第1ラウンドであることを示すラウンド数表示を演出表示装置9においてする制御が行なわれる。このように、演出表示装置9においては、所定の報知演出として、ラウンド数表示が行なわれる。
一方、演出制御用マイクロコンピュータ100では、図44(B)の11回目〜16回目の開放について示すように、開放中2指定コマンドを受信したときには、そのコマンドにより特定される何回目の開放であるかの情報に対応した新たなラウンド数表示の更新表示は行なわれず、元のラウンド数(この例では第10ラウンド)を示すラウンド数表示が継続される。これにより、実質的な大入賞口への入賞が得られず賞球が得られない短開放状態においてラウンド数が更新表示されないことにより、遊技の興趣の低下を防ぐことができる。たとえば、大入賞口への入賞による賞球が実質的に得られないにもかかわらずラウンド数が更新表示されると、ラウンドが進行したにもかかわらず大入賞口への入賞による出球が得られないので、遊技者の期待感が裏切られることにより遊技の興趣が低下するのであるが、そのような実質的に賞球が得られないときにラウンド数が更新表示されなければ、遊技者の期待感が裏切られないことにより遊技の興趣の低下を防ぐことができるのである。
なお、ラウンド数表示としては、現在実行中のラウンド数を示す数値情報を表示する代わりに、大当り遊技状態中に実行可能なラウンドの残数を示す数値情報を表示するようにしてもよい。
また、ラウンド数表示として、大当り遊技状態中に実行可能なラウンドの残数を示すときには、数値情報ではなく、ラウンドの残数に対応した数のアイコン画像を表示し、ラウンドが実行されるごとに当該アイコン画像を消去していく表示を行うようにしてもよい。たとえば、第2確変大当りの大当り遊技状態中には、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンド数「10」に対応した10個のアイコン画像を第1ラウンドで表示し、長開放ラウンドが実行されるごとにアイコン画像を消去していく表示制御を行うようにしてもよい。
また、ラウンド数表示として、大当り遊技状態中に実行可能なラウンドの残数を示すときには、まず残りラウンド数の一部を表示した後、表示された残りラウンド数が長開放ラウンドの実行によりすべて消化されたときに、ラウンドが継続するか否かの演出を行なって、ラウンドが継続する旨を示した後に、まだ消化していない一部のラウンド数を表示する演出制御を行うようにしてもよい。
また、ラウンド数表示として、ラウンドの残数に対応した数のアイコン画像を表示するときには、ラウンドが実行されるごとに当該アイコン画像の画像色を当初の画像色から特定の画像色(ラウンドが消化されたことを示す色)に変化させる表示を行うようにしてもよい。また、ラウンド数表示として、ラウンドの残数に対応した数のアイコン画像を表示するときには、ラウンドが実行されるごとに当該アイコン画像の形状を当初の画像形状から特定の画像形状(ラウンドが消化されたことを示す形状)に変化させる表示を行うようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100では、図44(A),(B)に示すように、開放中1指定コマンドを受信したときには、実行されるラウンドにおいて、受信した入賞カウント指定コマンドにもとづいて計数される出球個数の情報に対応して、演出表示装置9における出球表示において、大当り遊技状態中に払出された出球の個数の合算値を更新表示する。たとえば、カウントスイッチ23により検出される入賞球1個に対する賞球個数が15個であるときには、入賞カウント指定コマンドが受信されるごとに、出球の個数の合算値を示す出球表示を演出表示装置9において「15」ずつ加算更新表示する制御が行なわれる。このように、演出表示装置9においては、大当り遊技状態中に遊技者に付与された利益に関する利益特定表示として、出球表示をさせる制御が行なわれる。この実施の形態では、このような出球表示として、大当り遊技状態中に特別可変入賞球装置20(大入賞口)に入賞した遊技球を計数し、その遊技球に対して払出される賞球数を表示する例を示すが、大当り遊技状態中に行う出球表示としては、特別可変入賞球装置20(大入賞口)以外に設けられた入賞口(たとえば、1個の入賞球に対して10個の賞球が払出されるような一般入賞口)に入賞した遊技球を計数し、その計数値を大入賞口への入賞球に対して払出される賞球数に合算した賞球数を表示するようにしてもよい。
一方、演出制御用マイクロコンピュータ100では、図44(B)の11回目〜16回目の開放について示すように、開放中2指定コマンドを受信したときには、実行されるラウンドにおいて、入賞カウント指定コマンドを受信しても、演出表示装置9における出球表示が演出表示装置9において更新表示されないように、出球表示を制限する制御が行なわれる。これにより、実質的な大入賞口への入賞が得られず賞球が得られない短開放状態において出球数が更新表示されないことにより、遊技の興趣の低下を防ぐことができる。たとえば、大入賞口への入賞による賞球が実質的に得られないにもかかわらず出球数が更新表示されると、ラウンドが進行したにもかかわらず大入賞口への入賞による賞球が得られないので、遊技者の期待感が裏切られることにより遊技の興趣が低下するのであるが、そのような実質的に大入賞口への入賞による賞球が得られないときに出球数が更新表示されなければ、遊技者の期待感が裏切られないことにより遊技の興趣の低下を防ぐことができるのである。
図45は、第3の実施の形態における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行う(S403)。そして、ラウンド数計数用カウンタの値を−1(減算更新)する(S404)。次に、CPU56は、ラウンド数計数用カウンタの値に特定される今回のラウンド(今回開始するラウンド)が、長開放ラウンド(29秒開放のラウンド)であるか否かを確認する(S405)。
S405では、図43の第1確変大当り開放中指定コマンドテーブルと第2確変大当り開放中指定コマンドテーブルとのうち、実行する大当りの種別に対応するテーブルを選択し、選択したテーブルにもとづいて、ラウンドごとに減算更新されるラウンド数計数用カウンタの値から開始するラウンド数を確認する(たとえば、第1確変大当りおよび第2確変大当りともに16ラウンドの大当りであるので、「16」から減算更新されるラウンド数計数用カウンタの値が、「15」のときには「第1ラウンド」、「14」のときには「第2ラウンド」、「13」のときには「第3ラウンド」)。そして、選択したテーブルにおいて、確認した今回のラウンドに対応する開放時間が「長開放」であるか「短開放」であるかを確認することにより、今回のラウンドが長開放ラウンドであるか否かを確認する。
S405で今回のラウンドが長開放ラウンドであるときは、ラウンド数計数用カウンタの値にもとづいて確認した今回のラウンド数から、選択した大当り開放中指定コマンドテーブルにもとづいて、今回のラウンドについて、開放回数(今回のラウンド数)および開放時間(長開放)を特定可能な開放中1コマンドを選択して送信するための処理を行ない(S406)、S408に進む。一方、今回のラウンドが短開放ラウンドであるときは、ラウンド数計数用カウンタの値にもとづいて確認した今回のラウンド数から、選択した大当り開放中指定コマンドテーブルにもとづいて、今回のラウンドについて、開放回数(今回のラウンド数)および開放時間(長開放)を特定可能な開放中2コマンドを選択して送信するための処理を行ない(S407)、S408に進む。S406,S407に示すように、大当り遊技状態の進行に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ560から、長開放ラウンドを実行することを特定可能な開放中1指定コマンドと、短開放ラウンドを実行することを特定可能な開放中2指定コマンドとのいずれかが送信される。
より具体的な一例として、実行する大当りの種別が第2確変大当りであり、今回のラウンドが、第10ラウンドであるときには、第10回目の開放であること、および、長開放であることを特定する開放中1指定コマンドを選択して送信するための処理がS405,S406により行なわれる。そして、実行する大当りの種別が第2確変大当りであり、今回のラウンドが、第11ラウンドであるときには、第11回目の開放であること、および、短開放であることを特定する開放中2指定コマンドを選択して送信するための処理がS405,S407により行なわれる。
次いで、CPU56は、大当りの種別に応じた開放パターンデータ(たとえば、S137によりRAM55に記憶されたデータ)にもとづいて、大入賞口制御タイマに、大入賞口が開放可能な最大時間(大入賞口開放時間)に応じた大入賞口開放時間(0.5秒または29秒)を設定する(S408)。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新し(S409)、処理を終了する。
図46は、第3の実施の形態におけるラウンド中処理(S805)を示すフローチャートである。
図46のラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り遊技状態中において停電した後の停電復旧時であるか否かを判断するために、大当り遊技状態中において停電した後の停電復旧時にセットされる大当り中復旧フラグがセットされているか否かを確認する(S931)。S931で大当り中復旧フラグがセットされているときは、大当り遊技状態中において停電した後の停電復旧時に該当するので、停電復旧時に対応する表示等の処理を行う停電復旧時表示処理(S940)に進む。一方、S931で大当り中復旧フラグがセットされていないときは、大当り遊技状態中において停電した後の停電復旧時に該当しないので、S932に進み、次のような停電復旧時以外の定常状態での演出制御を行う。S932では、今回のラウンドが、長開放を特定する開放中1指定コマンドを受信したラウンドであるか否かを、いずれかの開放中1指定コマンドを受信したときにセットされる開放中指定フラグがセットされているかを判断することにもとづいて確認する(S932)。
S932により今回のラウンドが開放中1指定コマンドを受信したラウンドではないとき(開放中2指定コマンドを受信したラウンドであるとき)は、後述するS941に進む。一方、S932により今回のラウンドが開放中1指定コマンドを受信したラウンドであるときは、今回の処理が各ラウンドの開始時であるか否かを判断するために、S907または後述するS967によりラウンド開始時を示すためにセットされるラウンド開始時フラグがセットされているか否かを確認する(S933)。
S933でラウンド開始時フラグがセットされていないときは、後述するS937に進む。一方、S933でラウンド開始時フラグがセットされているときは、演出表示装置9で大当り遊技状態中におけるラウンド数表示(現在のラウンド数の表示)をするためにラウンド数を計数する計数手段であるラウンド数表示カウンタの値を+1(加算)する(S934)。ラウンド数表示カウンタは、各大当り遊技状態の開始時に初期値として設定された「0」から、開放中1指定コマンドが受信されるごとに、「1」ずつ加算更新されることとなる。なお、ラウンド数表示カウンタは、このようなラウンド中処理で更新することに代えて、ラウンド後処理(S806)においてラウンドの終了時のタイミングで加算更新してもよく、ラウンド中処理(S805)の前に各ラウンドの開始時に実行するラウンド開始処理が設けられるときには、そのラウンド開始処理においてラウンドの開始時のタイミングで加算更新するようにしてもよい。
次に、ラウンド数表示カウンタの値にもとづいて、演出表示装置9における所定の表示領域でラウンド数を表示(更新表示)する(S935)。このように表示されるラウンド数は、ラウンド数表示と呼ばれ、次にラウンド数表示カウンタが加算更新されるまで継続表示されることにより、開放中1指定コマンドを受信するごとに更新表示される。そして、ラウンド開始時フラグをリセットし(S936)、S937に進む。ラウンド数表示カウンタは、電源投入後の起動時または各大当り遊技状態の終了時において初期値に設定される。
S937では、新たに入賞カウント指定コマンドを受信したか否かを確認する(S937)。具体的に、新たに入賞カウント指定コマンドを受信したときには、コマンド解析処理において当該コマンドを受信したことを示すコマンド受信フラグがセットされ、当該コマンドにもとづいて出球個数が更新表示されたとき(S939)に当該コマンド受信フラグがリセットされる(図示省略)。S937では、新たに入賞カウント指定コマンドを受信したか否かを、入賞カウント指定コマンドを受信したことを示すコマンド受信フラグがセットされているか否かを判断することにより確認する。
S937で新たに入賞カウント指定コマンドを受信しているときは、1回の大当り遊技状態中における入賞球に応じて遊技者に払出された出球の合計数を表示するための計数を行う計数手段である出球表示カウンタを、カウントスイッチ23による1個の遊技球の検出(1入賞)に対して設定された払出個数分(たとえば、15個)加算更新する(S938)。これにより、出球表示カウンタは、各大当り遊技状態の開始時に設定される初期値としての「0」から、入賞カウント指定コマンドが受信されるごとに、「15」ずつ加算更新されることとなる。出球表示カウンタは、電源投入後の起動時または各大当り遊技状態の終了時において初期値に設定される。
次に、S937で加算更新された出球表示カウンタの計数値にもとづいて、演出表示装置9における特定の表示領域で当該大当り遊技状態中における出球数(更新表示)を表示する(S939)。その後、S941に進む。このように表示される出球数は、出球数表示と呼ばれ、次に出球表示カウンタが加算更新されるまで継続表示されることにより、入賞カウント指定コマンドを受信するごとに更新表示される。
一方、S937で新たに入賞カウント指定コマンドを受信していないときは、ラウンド数表示を更新せずに、後述するS941に進む。
また、S932により今回のラウンドが開放中1指定コマンドを受信したラウンドではないとき(開放中2指定コマンドを受信したラウンドであるとき)は、S937〜S939の処理を経ずにS941に進むので、入賞カウント指定コマンドを受信しても、出球表示カウンタが更新されず、出球数表示が更新されないこととなる。
S941では、いずれかの大当り終了指定コマンドを受信したことを示すコマンド受信フラグである大当り終了指定フラグがセットされているか否かを確認する(S941)。このような大当り終了指定フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、いずれかの大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示すコマンド受信フラグである大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(S942)。
S942でいずれの大入賞口開放後フラグもセットされていないときは、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S943)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、各種LED25,28等)の制御を実行する(S944)。たとえば、演出表示装置9においてラウンド中演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってキャラクタROMから画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S945)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行う(946)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせ(S947)、処理を終了する。
このように、プロセスタイマを用いて時間管理を行なって、プロセスデータを順次切替えていくことにより、たとえば、各種演出制御が行なわれる。
S942において大入賞口開放後フラグがセットされているときは、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、セットされている大入賞口開放後フラグをリセットし(S948)、大入賞口開放後指定コマンドの内容(長開放と短開放とのどちらであるか、および、何回目の開放であるかというような内容)にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択し、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S949)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(S950)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に設定する(S951)。
S941において大当り終了指定フラグがセットされているときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560からいずれかの種類の大当り終了指定コマンドを受信したときである。この場合、演出制御用CPU101は、セットされている大当り終了指定フラグセットフラグをリセットする(S952)。次いで、受信した当り終了指定コマンドに応じてエンディング演出(大当り終了演出)に応じたプロセスデータを選択する(S953)。そして、演出制御用CPU101は、演出時間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(S954)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に設定し(S955)、ラウンド中処理を終了する。
ここで、演出制御用マイクロコンピュータ100では、特別図柄の変動表示に対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示等の表示制御の他、ランプ等の発光制御およびスピーカ27からの音出力制御等の各種の演出制御をするための多数の処理を実行するものであるため、そのような処理の中で、ラウンド数表示の更新表示等のラウンド対応した表示を行うために大当り遊技状態中に長開放ラウンドであるか否かを独自に判断する処理を実行することを考えると、そのような場合には、多数の処理を実行することに起因して、制御プログラムのバグが生じやすく、ラウンド数の更新表示をするか否かの判断を誤る可能性が高くなりやすいという問題があった。
このように問題に対して、ラウンド中処理においては、S932,S935に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により、長開放ラウンドを実行することを特定可能な開放中1指定コマンドを受信したことにもとづいて所定の報知として、ラウンド数表示の更新表示が行なわれるので、演出制御用マイクロコンピュータ100側において、ラウンド数表示の更新表示を行うときに、独自の判断のみにもとづかず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した開放中指定コマンドにもとづいて、単位ラウンドの継続期間(開放時間)の長さを確認してラウンド数表示の更新表示報知をすることが可能となる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100によるラウンド数表示における不具合の発生を低減することができる。
また、ラウンド中処理においては、大当り遊技状態において、S932で短開放ラウンドであるときには、S937〜S939による出球表示を更新表示するための処理を実行しないことにより、出球表示が更新表示されない。これにより、大当り遊技状態中において、短開放ラウンド中に出球表示が制限されるので、実質的に大入賞口に入賞不可能な短開放ラウンドで出球表示の更新表示をしたことにより却って遊技の興趣が低下してしまうのを防ぐことができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技ラウンドは、第1期間(本例では、29秒)継続する第1単位遊技ラウンド(本例では、長開放ラウンド)と、該第1期間よりも短い第2期間(本例では、0.5秒)継続する第2単位遊技ラウンド(本例では、短開放ラウンド)とを含む。また、遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、特定遊技状態(本例では、大当り遊技状態)の進行に応じて、第1単位遊技ラウンドを実行することを特定可能な第1単位遊技指令情報(本例では、開放中1指定コマンド)と、第2単位遊技ラウンドを実行することを特定可能な第2単位遊技指令情報(本例では、開放中2指定コマンド)とのいずれかの単位遊技指令情報を送信可能である。そして、演出制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100)は、第1単位遊技指令情報を受信したことにもとづいて所定の報知(本例では、ラウンド数表示の更新表示)を行う。そのため、演出制御手段側において、所定の報知を行うときに、独自の判断のみにもとづかず、遊技制御手段から受信した指令情報にもとづいて、単位遊技ラウンドの継続期間の長さを確認して報知をすることが可能となる。これにより、演出制御手段による遊技ラウンドに関する報知における不具合の発生を低減することができる。
なお、この実施の形態では、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドとして、開放中1指定コマンドまたは開放中2指定コマンドとして送信し、そのコマンドにもとづいて、ラウンド数表示の更新表示、および、出球表示の更新表示等のような、長開放ラウンドの実行にもとづく演出表示を行う例を示した。しかし、これに限らず、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドとして、開放後1指定コマンドまたは開放後2指定コマンドにもとづいて、ラウンド数表示の更新表示、および、出球表示の更新表示等のような、長開放ラウンドの実行にもとづく演出表示を行うようにしてもよい。
また、開放中1指定コマンドおよび開放中2指定コマンドにより長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定する場合には、ラウンド数表示等のために開放中指定コマンドにより長開放ラウンドであるか否かを特定可能であるので、開放後指定コマンドとしては、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定しないようなコマンドを用いてもよい。一方、開放後1指定コマンドおよび開放後2指定コマンドにより長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定する場合には、ラウンド数表示等のために開放後指定コマンドにより長開放ラウンドであるか否かを特定可能であるので、開放中指定コマンドとしては、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定しないようなコマンドを用いてもよい。
また、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドとしては、開放中指定コマンドおよび開放後指定コマンドとは別に、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドを送信するようにしてもよい。
また、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドとしては、各ラウンドの開始時のタイミングで送信するコマンド、各ラウンドの終了時のタイミングでに送信するコマンド、および、各ラウンドの開始時と終了時とのいずれでもない各ラウンドの実行中(開放中)のタイミングで送信するコマンドのいずれを用いてもよい。
また、この実施の形態では、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドにもとづいて、長開放ラウンドであるときにする報知として、ラウンド数表示を更新する表示を実行する例を示した。しかし、これに限らず、長開放ラウンドであるときにする報知としては、ラウンド数表示を更新する表示に加えて、または、ラウンド数表示とは別に、長開放ラウンドであることを示す表示等の報知、および、大入賞口への入賞が可能なことを示す表示等の報知のように、その他の報知を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、短開放ラウンドとして、0.5秒間の開放時間のラウンドのように、実質的に大入賞口への入賞が不可能なラウンドを例示した。しかし、これに限らず、短開放ラウンドとしては、長開放ラウンドよりも開放時間が短いラウンドであれば、実質的に大入賞口への入賞が可能なラウンドであってもよい。
また、この実施の形態では、短開放ラウンドにおいてラウンド数表示を制限する制御例として、ラウンド数表示を更新しない例を示した。しかし、これに限らず、短開放ラウンドにおいてラウンド数表示を制限する制御例としては、ラウンド数表示を消去する(ラウンド数表示をしない)制御を行うようにしてもよい(消去されるので、更新表示はされない)。
また、この実施の形態では、短開放ラウンドにおいて出球表示を制限する制御例として、出球表示を更新しない例を示した。しかし、これに限らず、短開放ラウンドにおいて出球表示を制限する制御例としては、出球表示を消去する(出球表示をしない)制御を行うようにしてもよい(消去されるので、更新表示はされない)。
また、この実施の形態では、図43(B)および図44(B)に示したように、長開放のラウンドと短開放のラウンドとよりなる開放パターンとして、短開放のラウンドを大当り遊技状態の後半部において実行する開放パターンを例示した。しかし、これに限らず、長開放のラウンドと短開放のラウンドとよりなる開放パターンとしては、短開放のラウンドを大当り遊技状態の前半部(たとえば、第1〜第6ラウンド)において実行する開放パターンを用いてもよく、また、短開放のラウンドを大当り遊技状態の中間部(たとえば、第7〜第11ラウンド)において実行する開放パターンを用いてもよい。
また、この実施の形態では、長開放ラウンドとして、所定期間(たとえば、29秒間)開放し続ける開放態様のラウンドを示した。しかし、これに限らず、長開放ラウンドとしては、所定期間中において、一旦短開放して閉状態となった後に長開放する開放態様のラウンドであってもよく、また、所定期間中(たとえば、29秒間)において、複数回開放(入賞可能な態様で複数回開放)する開放態様のラウンドであってもよく、このような開放態様の長開放ラウンドにおいて、ラウンド数表示および出球表示を行うようにしてもよい。
また、長開放ラウンドとして、所定期間(たとえば、29秒間)中において、一旦短開放して閉状態となった後に長開放する開放態様のラウンド(一旦短開放と見せかけて長開放とするようなラウンド)を用いる場合には、そのラウンド中における短開放期間中ではラウンド数の表示および出球の表示を行なわず、そのラウンド中における長開放期間中にラウンド数の表示および出球の表示を行うようにしてもよい。
また、長開放ラウンドに対応して第1の動画等の長開放ラウンド画像を設けるとともに、短開放ラウンドに対応して第2の動画等の短開放ラウンド画像を設け、長開放ラウンドおよび短開放ラウンドのそれぞれに対応するラウンド画像を表示する演出制御を行うようにしてもよい。その場合には、所定の報知として、ラウンド数表示の更新表示を行う代わりに、これらラウンド画像を表示する演出制御を行うようにしてもよい。また、所定の報知としては、ラウンド数表示の更新表示に加えて、これらラウンド画像を表示する演出制御を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態で示した構成は、例えば、特別可変入賞球装置20(大入賞口)を遊技領域の右方に設けることなどにより、大当り遊技中に遊技球を遊技領域の右方を狙って発射させるように構成した遊技機(いわゆる右打ちタイプの遊技機)に適用することもできる。そのような右打ちタイプの遊技機に適用した場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、長開放ラウンドにおいて開放中1指定コマンドを受信した場合には、遊技球を遊技領域の右方を狙って発射させる右打ち報知(例えば、演出表示装置9やLED25,28を用いた表示や、スピーカ27を用いた音出力による報知))を通常の態様で行い、短開放ラウンドにおいて開放中2指定コマンドを受信した場合には、右打ち報知を通常の態様よりも控え目な態様で(例えば、通常よりも低い輝度や音量で)行うようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。