以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。以下、図面を参照して、実施形態について説明するが、図面の記載において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して重複する説明を省く場合がある。なお、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合がある。また、説明の都合上、図面相互間においても互いの寸法の関係又は比率が異なる部分が含まれる場合がある。
図1は、一実施形態におけるメガネ100を概略的に示す。メガネ100は、一対のレンズ110と、フレーム120と、液体容器130とを備える。メガネ100およびフレーム120は、アイウエアの一例である。メガネ100は、装着者の目の周辺に装着される装具である。
液体容器130は、液体を保持する液体保持部の一例である。フレーム120の一部には、開口140が形成されている。液体容器130の少なくとも一部は、開口140に収容され得る。開口140は、液体容器130の少なくとも一部を収容する収容部の一例である。後述するように、液体容器130は、ヒンジによって、液体容器130が開口140に収容される位置と液体容器130が開口140に収容されない位置との間で可動にフレーム120に支持される。図1は、液体容器130が開口140に収容されていない状態のメガネ100を概略的に示す。
図2は、液体容器130が開口140に収容された状態のメガネ100を概略的に示す。液体容器130には、液体容器130が開口140に収容されフレーム120が装着者の顔部に装着されている場合に顔部に対向する面である側面134に複数の通気孔135が形成されている。通気孔135は、後述する空洞132まで貫通し、気体を透過させるが液体を透過させない。液体容器130に保持された液体は気化して通気孔135を通じて装着者の顔部へ提供される。そのため、メガネ100は、一例としてドライアイ対策を目的として利用され得る。メガネ100は、ドライアイ対策の目的に加えて、または、ドライアイ対策の目的に代えて、花粉症対策を目的として利用され得る。
フレーム120は、ノーズパッド121と、リム122と、ブリッジ123と、智部124と、ヒンジ支軸部材150と、テンプル126と、イヤーパッド128とを有する。ノーズパッド121は、フレーム120が装着者の顔部に装着された場合に、顔部の鼻に当接する。フレーム120が装着者の顔部に装着された場合に、ノーズパッド121は装着者の顔部に対してフレーム120を位置決めする。ブリッジ123は、一対のリム122の間に位置する。
リム122は、レンズ110を保持する。レンズ110は、装着者の目の屈折異常を補正するレンズであってよい。レンズ110としては近視矯正用レンズ、遠視矯正用レンズ等を例示できる。レンズ110は、リム122に保持される光学部材の一例である。光学部材は、メガネ100の使用目的に応じた光学特性を有する。例えば、光学部材は、レンズ機能に加えて、特定波長域の光を選択的に透過する波長選択特性を有してよい。なお、光学部材は、レンズ機能を有しなくてもよい。例えば、光学部材の屈折力は実質的に0であってよい。この場合、装着者の目の屈折異常は実質的に補正されない。すなわち、装着者の視力は矯正されない。
リム122は、レンズ110の周囲から装着者方向に伸びるフード部材を有する。これにより、液体容器130から蒸発した気体が拡散することを抑制できる。ヨロイとも呼ばれる智部124は、リム122の端部に配され、ヒンジ支軸部材150を介してテンプル126と結合する。一対のテンプル126は、装着者の頭部を挟み込む。イヤーパッド128は、テンプル126の先端部に位置する。イヤーパッド128の少なくとも一部は、フレーム120が装着されている場合に、装着者の耳の近傍に当接する。イヤーパッド128は、テンプル126の少なくとも一部を覆うパッド部材であってもよい。
図3は、メガネ100の斜視展開図を概略的に示す。図3は、メガネ100のブリッジ123から左目側の斜視展開図を概略的に示す。図4は、液体容器130の斜視図を概略的に示す。液体容器130は、容器本体131と、蓋137とを有する。
液体容器130の内部には、液体を保持する空洞132が形成されている。空洞132は、液体を貯留できる。空洞132に保持される液体としては、水を例示できる。空洞132の内面は撥水処理が施されていてもよい。空洞132の内面は抗菌処理が施されていてもよい。
液体容器130には、液体容器130が開口140に収容されていない状態で空洞132に液体を供給するための開口部が形成されている。開口部は、液体容器130が開口140に収容されている場合に、開口140の内面に対向する位置に形成されている。具体的には、開口部は、液体容器130の上部に形成されている。
蓋137は、液体容器130の上部の開口部を塞ぐ。蓋137には、挿入口138が形成されている。挿入口138は、外部から空洞132まで貫通する液体供給口の一例である。挿入口138にはスポイト等の液体注入器具を挿入できる。液体容器130が開口140に収容されていない状態で、液体注入器具を挿入口138に挿入して、液体注入器具から液体を空洞132に供給することができる。一例として、挿入口138は、断面が直径1.5mmの円形状を有する。
蓋137は、軟性樹脂で形成されてよい。蓋137は、容器本体131が形成される材料より柔軟性が高い材料で形成されてよい。蓋137の材質は、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴムなどのエラストマーであってよい。この場合、液体容器130がフレーム120の開口140に収容されたときに、開口140の内面および液体容器130の間に配された蓋137が両者を押圧するので、液体容器130が開口140から外れにくくなる。
蓋137は、液体容器130の上部の開口部に対して着脱可能に設けられてよい。使用者は、液体容器130が開口140に収容されていない状態で、液体容器130の上部の開口部から蓋137を取り外すことができる。蓋137を取り外して開口部を露出させることができるので、露出させた開口部を通じて、液体注入器具を使用せずに空洞132へ液体を供給することができる。また、露出させた開口部を通じて、空洞132に保持されている液体を空洞132から外に排出することができる。そのため、空洞132に保持されている液体を容易に交換することができる。
液体容器130は、ヒンジ支軸部材150により、フレーム120に連結される。具体的には、液体容器130は、ヒンジ支軸部材150により、智部124に連結される。より具体的には、液体容器130は、ヒンジ支軸部材150により、智部124に対して可動に支持される。液体容器130の容器本体131は、ヒンジ支軸部材150が挿通される挿通部136を有する。ヒンジ支軸部材150は、挿通部136が有する挿通口174に挿通される。
リム122には、ヒンジ支軸部材150が挿通される挿通部160が形成されている。ヒンジ支軸部材150は、挿通部160が有する挿通口162に挿通される。テンプル126には、ヒンジ支軸部材150が挿通される挿通部170が形成されている。ヒンジ支軸部材150は、挿通部170が有する挿通口172に挿通される。このように、ヒンジ支軸部材150は、挿通口162、挿通口172および挿通口174に挿通される。ヒンジ支軸部材150は、上側の挿通部160から挿通される軸部材152と、下側の挿通部160から挿通される軸部材154とを有する。軸部材154および軸部材152には、各挿通口に挿通される挿通部と、挿通口162より大きい頭部とを有する。軸部材154は、軸部材154の挿通部の少なくとも一部が軸部材152の挿通部内に収容されて組み付けられる。軸部材152は、各挿通口に挿通部が挿通されて、軸部材154とともにヒンジ支軸部材150として智部124に組み付けられる。
ヒンジ支軸部材150および挿通部136は、液体容器130をフレーム120に対して可動に支持するヒンジ機構を提供する。当該ヒンジ機構により、液体容器130は、智部124およびテンプル126の双方に対して可動に支持される。具体的には、液体容器130は、テンプル126および智部124に対して、ヒンジ支軸部材150の回りに独立して回転する。したがって、液体容器130は、ヒンジ支軸部材150の周りを回転して、開口140に収容される位置と収容されない位置との間で移動できる。このように、当該ヒンジ機構は、液体容器130を、液体容器130が開口140に収容される位置と液体容器130が開口140に収容されない位置との間で可動にフレーム120に支持する。そのため、液体容器130に保持させる液体の注入や交換が容易な形で、液体容器130をフレームに支持することができる。また、液体容器130がフレーム120から外れにくく、液体容器130を紛失してしまう可能性を低減できる。
ヒンジ支軸部材150および挿通部170は、テンプル126を智部124に対して可動に支持するヒンジ機構を提供する。当該ヒンジ機構により、テンプル126は、図1の左側のテンプル126に例示したように、テンプル126が智部124に対して折り曲げられた状態と、図2に例示したようにテンプル126が智部124に対して折り曲げられていない状態との間で可動に智部124に支持される。
このように、開口140は、フレーム120の智部124に形成されており、テンプル126は、当該ヒンジによって、智部124に対して可動に支持される。液体容器130およびテンプル126は、当該ヒンジによって共通のヒンジ支軸部材150の周りに回転可能に支持される。そのため、ヒンジの支軸を共通化することができ、ヒンジの支軸を共通化しない場合と比較して、部品点数を削減できる。ヒンジの支軸を共通化しない場合と比較して、ヒンジ機構を小型化することができ、ひいては液体を保持するスペースをより大きく確保できる。
上述したヒンジ機構により、液体容器130およびテンプル126は、ヒンジ支軸部材150の回りに独立して回転できる。例えば、液体容器130が開口140に収容された状態にしたまま、テンプル126を智部124に対して折り曲げることができる。テンプル126を智部124に対して折り曲げても、液体容器130は智部124に対して移動しない。テンプル126が智部124に対して折り曲げられた状態で、液体容器130をヒンジ支軸部材150の周りに回転させることで、液体容器130を開口140から引き出すことができる。
テンプル126が智部124に対して折り曲げられていない場合、テンプル126の智部側側面184は、液体容器130の容器本体131のテンプル側側面186に当接する。したがって、テンプル126が智部124に対して折り曲げられていない場合、液体容器130は開口140から容易には外れない。したがって、メガネ100が装着者に装着されている場合、液体容器130は開口140から容易には外れない。
液体容器130が開口140に収容されている場合、液体容器130は、液体容器130が配されたフレーム120が顔部に装着された場合に顔部に対向する側に配されることになる側面134と、側面134に対向して配される側面133とを有する。側面134および側面133は、フレーム120の側面に沿った形状を有してよい。例えば、側面134および側面133は、智部124の側面に沿った形状を有してよい。側面133は、テンプル126の外側面182に沿った形状を有してよい。側面134は、テンプル126において外側面182とは反対側の面である内側面181に沿った形状を有してよい。側面134および側面133は、フレーム120の対応する側面よりもフレーム120の内側に配されてもよい。側面133は智部124の外側の側面に沿った形状を有し、側面134は、智部124の内側の側面よりも内側に配されてもよい。
メガネ100において、通気孔135は、側面134において4行7列のマトリクス状に設けられる。通気孔135は、液体容器130が開口140に収容されフレーム120が顔部に装着されている場合に、空洞132から顔部へ気体を透過させる気体透過部の一例である。具体的には、通気孔135は、空洞132から側面134まで液体を透過させないが、気体を透過させる。一例として、通気孔135は、側面134に平行な面における断面において直径1mmの円形状を有する。
これにより、通気孔135から液体が漏出することを抑制できる。例えば、通気孔135がフェルト、紙、海綿、スポンジ、吸水性ポリマー、ハイドロゲルのような保水性または吸水性を有する材料で覆われていない場合や、空洞132が保水性または吸水性を有する材料の充填材で充填されていない場合であっても、通気孔135から液体が漏出することを抑制できる。したがって、充填材を使用することなく、液体容器130の内部に液体を貯留することができる。そのため、液体容器130の内部に全体的に充填材が充填されている場合と比較して、より多くの液体を貯留することができる。さらに、液体容器130の内部に、充填材が充填されていない場合であっても、通気孔135から液体が漏出することを抑制できるので、メガネ100を衛生的に使用することもできる。
液体容器130は、蓋137を有しなくてもよい。液体容器130が開口140に収容されている場合に、開口140の内面で空洞132の開口部を実質的に塞ぐことができれば、蓋137を有していなくても、空洞132に保持している液体が外に漏れ出すことを抑制できる。
図5は、他の実施形態における液体容器230の斜視図を示す。液体容器130の各部と同様の構成を有する部材には同一の符号を付して、説明を省略する場合がある。
通気孔135は、側面134において3行7列のマトリクス状に設けられる。蓋137には、挿入口238が形成されている。挿入口238の断面形状は非円形である。挿入口238の長手方向の長さをaとし、挿入口238の短手方向の長さをbとする。一例として、aは4mmであり、bは3mmであってよい。他の例として、aは7mmであり、bは3mmであってよい。aの値およびbの値の組み合わせとしては、上述した組み合わせの他に、種々の値の組み合わせを適用できる。挿入口238の断面は、楕円形状であってよい。挿入口238の断面形状としては、これに限らず種々の形状を適用できる。また、通気孔135は、側面134において2行7列のマトリクス状に設けられてもよい。
図6は、他の実施形態における液体容器330の斜視図を概略的に示す。液体容器130の各部と同様の構成を有する部材には同一の符号を付して、説明を省略する場合がある。
液体容器330は、容器本体131と、蓋137とを有する。蓋137には、挿入口138と、挿入口138に連通するスリット139が形成されている。蓋137には、挿入口138に連通するスリット139が形成されているので、多様な種類の液体供給器具を使用して液体容器130に液体を供給することができる。
図5等に関連して説明した液体容器230において、蓋137には、液体容器330におけるスリット139に対応するスリットは形成されていない。しかし、液体容器330におけるスリット139と同様に、液体容器230においても、挿入口238に連通するスリットが蓋137に形成されていてもよい。
液体容器130、液体容器230および液体容器330において、通気孔135の断面が直径1mmの円形状である場合について説明した。また、複数の通気孔135がマトリクス状に整列して設けられる場合について説明した。しかし、通気孔135の形状、数および配置は、これらに限定されない。例えば、通気孔135は1つであってよい。すなわち、通気孔135は1以上設けられてよい。複数の通気孔135が配される場合、複数の通気孔135が整列して設けられなくてもよい。通気孔135の形状、数および配置は、空洞132から側面134まで気体を透過させるが、液体を透過させないように決定されてよい。
通気孔135の形状は、空洞132からフレーム120の内側の面まで水蒸気を透過させるが、純水または水道水を透過させないように決定されてよい。通気孔135の形状としては、通気孔135の断面形状、断面の大きさ、および、空洞132側の面からフレーム120の内側の面までの通気孔135の距離を例示することができる。通気孔135が水蒸気を透過させるか否かは、JIS Z0208で定められた透湿度試験方法(カップ法)またはJIS K7129で定められた透湿度試験方法(Lyssy法など)により、試験片を通過する水蒸気の量を測定することで決定してよい。試験片に通気孔135を設けた場合の水蒸気透過量が、試験片に通気孔135を設けなかった場合の水蒸気透過量よりも大きい場合に、通気孔135が水蒸気を透過させると判断してよい。
通気孔135が純水または水道水を透過させるか否かは、通気孔135の空洞132側の開口と、通気孔135のフレーム120の内側の面側の開口との間に、9.806Pa以下の圧力差を設けた状態で10分間静置した場合に、純水または水道水が通気孔135を透過するか否かにより判断してよい。純水または水道水が通気孔135を透過したか否かは、目視により液体の水の漏出を確認することにより決定してよい。好ましくは、上記の圧力差が9.806Paより大きく49.03Pa以下であることが好ましく、より好ましくは、上記の圧力差が49.03Paより大きく98.06Pa以下であることが好ましく、さらに好ましくは、上記の圧力差が98.06Paより大きく294.18Pa以下であることが好ましい。
通気孔135の断面形状が円形である場合、通気孔135の直径は0.1mm以上1.5mm以下、好ましくは0.3mm以上1.2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下であってよい。通気孔135の断面形状が楕円形である場合、通気孔135の長径は0.1mm以上1.7mm以下、好ましくは0.5mm以上1.4mm以下、より好ましくは0.7mm以上1.2mm以下であってよい。空洞132側の面からフレーム120の内側の面までの通気孔135の距離は、0.1mm以上1.5mm以下、好ましくは0.3mm以上1.2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下であってよい。
複数の通気孔135の体積を合計した値は、空洞132の体積より小さくてよい。ここで、空洞132の内部に充填材が配される場合には、空洞132の内部で充填材が占めている部分の体積は、空洞132の体積に含まれない。
通気孔135は、液体容器130が配されたフレーム120が顔部に装着された場合に水面となる位置よりも上側の位置に配されてもよい。なお、通気孔135の大きさが十分小さい場合には、液体容器130が配されたフレーム120が顔部に装着された場合に水面となる位置よりも下側の位置に、通気孔135が配されてもよい。
以上の構成により、空洞132に貯留された液体が気化して発生した気体が、通気孔135を透過してフレーム120の内側に供給される。また、通気孔135は空洞132に貯留された液体を透過させないので、装着者の顔部に液体が飛散することを抑制できる。
本実施形態において、気体透過部が、通気孔135である場合について説明した。しかし、気体透過部はこれに限定されない。気体透過部は、気体を透過させるが液体を透過させない有機高分子膜または無機多孔質膜を有してもよい。気体透過部は、水蒸気を透過させるが純水または水道水を透過させない有機高分子膜または無機多孔質膜を有してよい。気体透過部は、シリコーンゴムであってよい。この構成によっても通気孔135から液体が漏出することを抑制できる。例えば、通気孔135が保水性または吸水性を有する材料で覆われていない場合であっても、通気孔135から液体が漏出することを抑制できる。この場合、より多くの液体を貯留することができる。メガネ100を衛生的に使用することもできる。
メガネ100において、空洞132の内部に保水性または吸水性を有する材料が配されない場合について説明した。しかし、メガネ100はこれに限定されない。フェルト、紙、海綿、スポンジ、吸水性ポリマー、ハイドロゲルなどの保水性または吸水性を有する材料が気体透過部の一部を構成してよい。空洞132の内部に、保水性または吸水性を有する材料が配されてよい。これにより、通気孔135の大きさが大きい場合であっても、空洞132から液体が漏出することを抑制できる。なお、この場合、保水性または吸水性を有する材料の上端は、空洞部に貯留される液体の液面よりも上方に配されることが好ましい。
保水性または吸水性を有する材料が空洞132の内部に配される場合には、空洞132の内部で保水性または吸水性を有する材料が占める体積は、空洞132の内部に保水性または吸水性を有する材料が配されない状態における空洞132の体積の半分より小さくてよい。これにより、空洞132により多くの液体を貯留することができる。
メガネ100において、液体容器130がフレーム120の外側の面から開閉されて、液体容器130が開口140に収容される位置と液体容器130が開口140に収容されない位置との間で移動する場合について説明した。しかし、液体容器130が開閉される方向は、これに限定されない。例えば、液体容器130が、内側の面から開閉されてよい。液体容器130が、外側の面および内側の面の両面から開閉できてもよい。
メガネ100において、液体容器130が、フレーム120の開口140に収容される場合について説明した。しかし、液体容器130を収容する収容部は、これに限定されない。例えば、液体容器130は、フレーム120に形成された凹部に収容されてもよい。例えば、フレーム120の内側または外側の面に凹部が形成されており、液体容器130が当該凹部に収容されてよい。例えば、液体容器130を収容する凹部は、フレーム120の内側の面に形成されてよい。この場合、液体容器130は、フレーム120の内側の面から開閉されてよい。液体容器130を収容する凹部は、フレーム120の外側の面に形成されてもよい。この場合、液体容器130は、フレーム120の外側の面から開閉されてよい。
メガネ100において、液体容器130を収容する収容部が智部124に設けられる場合について説明した。しかし、収容部の位置は、これに限定されない。収容部がテンプルに形成されてもよい。
メガネ100において、液体容器130をフレーム120に対して可動に支持する支軸を、智部124に対してテンプル126を可動に支持する支軸と共通化した場合について説明した。しかし、液体容器130をフレーム120に対して可動に支持する機構は、これに限定されない。液体容器130は、智部124に対してテンプル126を可動に支持する支軸とは異なる支軸により、フレーム120に対して可動に支持されてよい。例えば、メガネ100は、液体容器130をフレーム120に対して可動に支持するヒンジと、テンプル126を智部124に対して可動に支持するヒンジとを有してよい。また、液体容器130は、ヒンジ機構以外の変位機構により、フレーム120に対して可動に支持されてもよい。
図7から図11は、メガネ100の他の形態におけるフレーム420および液体容器430を概略的に示す。図7から図11は、メガネにおける左目側部分を含む範囲を主として示す。フレーム420はフレーム120に対応し、液体容器430は液体容器130に対応する。フレーム420および液体容器430に係る構成のうち、以上に説明したフレーム120および液体容器130が有する構成との相違点を主として説明し、フレーム120および液体容器130が有する構成と同様の構成については説明を省略する場合がある。
図7は、液体容器430がフレーム420に収容されていない状態を概略的に示す。図8、図9は、液体容器430がフレーム420に収容された状態を概略的に示す。図8は、フレーム420が折り曲げられた状態を概略的に示す。図9は、フレーム420が折り曲げられてない状態を概略的に示す。図10は、フレーム420および液体容器430の斜視展開図を概略的に示す。図11は、液体容器430がフレーム420から取り外され、蓋437が容器本体431から外された状態を概略的に示す。図11に示されるように、液体容器430は、液体容器130とは異なり、フレーム420に対して液体容器430が着脱可能に設けられる。
液体容器430は、液体を保持する液体保持部の一例である。フレーム420の一部には、開口440が形成されている。液体容器430の少なくとも一部は、開口440に収容され得る。開口440は、液体容器430の少なくとも一部を収容する収容部の一例である。後に具体的に示すように、液体容器430は、ヒンジによって、液体容器430が開口440に収容される位置と液体容器430が開口440に収容されない位置との間で可動にフレーム420に支持される。
液体容器430には、液体容器430が開口440に収容されフレーム420が装着者の顔部に装着されている場合に顔部に対向する面である側面434に、通気孔135に対応する複数の通気孔435が形成されている。通気孔435は、容器本体431が有する空洞432まで貫通しており、気体を透過させるが液体を透過させない。液体容器430に保持された液体は気化して通気孔435を通じて装着者の顔部へ提供される。
フレーム420は、リム122に対応するリム422と、ブリッジ123に対応するブリッジ423と、智部124に対応する智部424と、ヒンジ支軸部材150に対応するヒンジ支軸部材450と、テンプル126に対応するテンプル426とを有する。フレーム420は、ノーズパッド121に対応するノーズパッドと、イヤーパッド128に対応するイヤーパッドをさらに有する。ブリッジ423は、一対のリム422の間に位置する。
リム422が、レンズの周囲から装着者方向に伸びるフード部材を有する。これにより、液体容器430から蒸発した気体が拡散することを抑制できる。智部424は、リム422の端部に配され、ヒンジ支軸部材450を介してテンプル426と結合する。一対のテンプル426は、装着者の頭部を挟み込む。
液体容器430は、容器本体131に対応する容器本体431と、蓋137に対応する蓋437とを有する。
液体容器430の内部には、液体を保持する空洞432が形成されている。空洞432は、空洞132に対応する。空洞432は、液体を貯留できる。空洞432に保持される液体としては、水を例示できる。空洞432の内面は撥水処理が施されていてもよい。空洞432の内面は抗菌処理が施されていてもよい。
液体容器430には、液体容器430が開口440に収容されていない状態で空洞432に液体を供給するための開口部が形成されている。開口部は、液体容器430が開口440に収容されている場合に、開口440の内面に対向する位置に形成されている。具体的には、開口部は、液体容器430の上部に形成されている。
蓋437は、液体容器430の上部の開口部を塞ぐ。蓋437には、挿入口138に対応する挿入口438が形成されている。挿入口438は、外部から空洞432まで貫通する液体供給口の一例である。挿入口438にはスポイト等の液体注入器具を挿入できる。液体容器430が開口440に収容されていない状態で、液体注入器具を挿入口438に挿入して、液体注入器具から液体を空洞432に供給することができる。一例として、挿入口438は、断面が直径3.5mmの円形状を有する。挿入口438の断面の直径は、1mm以上7mm以下であってよい。挿入口438の断面の直径は、2mm以上5mm以下であることが好ましい。
蓋437は、軟性樹脂で形成されてよい。蓋437は、容器本体431が形成される材料より柔軟性が高い材料で形成されてよい。蓋437の材質は、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴムなどのエラストマーであってよい。この場合、液体容器430がフレーム420の開口440に収容されたときに、開口440の内面および液体容器430の間に配された蓋437が両者を押圧するので、液体容器430が開口440から外れにくくなる。
蓋437は、液体容器430の上部の開口部に対して着脱可能に設けられてよい。使用者は、液体容器430が開口440に収容されていない状態で、液体容器430の上部の開口部から蓋437を取り外すことができる。蓋437を取り外すことで液体容器430の上部の開口部を露出させることができるので、露出させた開口部を通じて、液体注入器具を使用せずに空洞432へ液体を供給することもできる。また、露出させた上部の開口部を通じて、空洞432に保持されている液体を空洞432から外に排出することができる。そのため、空洞432に保持されている液体を容易に交換することができる。
液体容器430は、ヒンジ支軸部材450により、フレーム420に連結される。具体的には、液体容器430は、ヒンジ支軸部材450により、智部424に連結される。より具体的には、液体容器430は、ヒンジ支軸部材450により、智部424に対して可動に支持される。液体容器430の容器本体431は、ヒンジ支軸部材450が挿通される挿通部436を有する。ヒンジ支軸部材450は、液体容器430の挿通部436が有する挿通口474に挿通される。挿通部436は挿通部136に対応し、挿通口474は挿通口174に対応する。
挿通口474は、ヒンジ支軸部材450を回転自在に保持する。挿通部436は、ヒンジ支軸部材450の回転軸に沿うスリット部510を有する。スリット部510は、挿通口474と挿通部436の外部との間を連通する連通部を提供する。ヒンジ支軸部材450の回転軸に直交する断面においては、挿通口474の内周面は、スリット部510が形成された部分で離間している。
ヒンジ支軸部材450の回転軸に直交する断面において、挿通口474の直径は、ヒンジ支軸部材450の直径より大きい。ヒンジ支軸部材450の回転軸に直交する断面において、スリット部510の幅は、ヒンジ支軸部材450の直径より小さい。
液体容器430がフレーム420に装着された状態から液体容器430をフレーム420から取り外す場合、液体容器430を開いた状態で、挿通口474内のヒンジ支軸部材450がスリット部510に向かう向きの力を液体容器430に加えると、スリット部510はヒンジ支軸部材450によって押されて弾性的に押し拡げられる。ヒンジ支軸部材450は、拡がったスリット部510の間を通って、挿通部436から外れる。ヒンジ支軸部材450が挿通部436から外れると、スリット部510が元の位置に弾性復帰する。
液体容器430がフレーム420から取り外された状態から液体容器430をフレーム420に装着する場合、スリット部510をヒンジ支軸部材450に当接させ、ヒンジ支軸部材450が挿通口474に向かう向きの力を液体容器430に加えると、スリット部510はヒンジ支軸部材450によって押されて弾性的に押し拡げられる。ヒンジ支軸部材450は、拡がったスリット部510の間を通って挿通口474内に入り込む。そして、ヒンジ支軸部材450が挿通口474内に入り込むとスリット部510が元の位置に弾性復帰する。これにより、ヒンジ支軸部材450が挿通口474に回転自在に嵌合される。
液体容器430がフレーム420に装着されると、液体容器430は、ヒンジ支軸部材450が挿通口474に回転自在に嵌合した状態で、挿通口474の内周面がヒンジ支軸部材450の外周面に接しながらヒンジ支軸部材450のまわりを回転する。そのため、液体容器430を開閉する時にヒンジ支軸部材450がスリット部510から容易に抜けることがなく、スムーズに開閉することができる。
このように、液体容器430はフレーム420に対して着脱可能に設けられる。そのため、液体容器430を新しい液体容器に交換することができる。また、液体容器430をフレーム420から取り外して洗浄した後に、フレーム420に装着することもできる。したがって、メガネを衛生的に使用できる。
リム422には、ヒンジ支軸部材450が挿通される挿通部460が形成されている。ヒンジ支軸部材450は、挿通部460が有する挿通口462に挿通される。挿通部460は、挿通部160に対応する。挿通口462は挿通口162に対応する。
テンプル426には、ヒンジ支軸部材450が挿通される挿通部470が形成されている。ヒンジ支軸部材450は、挿通部470が有する挿通口472に挿通される。挿通部470は挿通部170に対応し、挿通口472は挿通口172に対応する。
このように、ヒンジ支軸部材450は、挿通口462、挿通口472および挿通口474に挿通される。ヒンジ支軸部材450は、上側の挿通部460から挿通される軸部材452と、下側の挿通部460から挿通される軸部材454とを有する。軸部材452は軸部材152に対応し、軸部材454は軸部材154に対応する。
軸部材454および軸部材452には、各挿通口に挿通される挿通部と、挿通口462より大きい頭部とを有する。軸部材454は、軸部材454の挿通部の少なくとも一部が軸部材452の挿通部内に収容されて組み付けられる。軸部材452は、各挿通口に挿通部が挿通されて、軸部材454とともにヒンジ支軸部材450として智部424に組み付けられる。
ヒンジ支軸部材450および挿通部436は、液体容器430をフレーム420に対して可動に支持するヒンジ機構を提供する。当該ヒンジ機構により、液体容器430は、智部424およびテンプル426の双方に対して可動に支持される。具体的には、液体容器430は、テンプル426および智部424に対して、ヒンジ支軸部材450の回りに独立して回転する。したがって、液体容器430は、ヒンジ支軸部材450の周りを回転して、開口440に収容される位置と収容されない位置との間で移動できる。このように、当該ヒンジ機構は、液体容器430を、液体容器430が開口440に収容される位置と液体容器430が開口440に収容されない位置との間で可動にフレーム420に支持する。そのため、液体容器430に保持させる液体の注入や交換が容易な形で、液体容器430をフレームに支持することができる。また、液体容器430がフレーム420から外れにくく、液体容器430を紛失してしまう可能性を低減できる。
ヒンジ支軸部材450および挿通部470は、テンプル426を智部424に対して可動に支持するヒンジ機構を提供する。当該ヒンジ機構により、テンプル426は、図7、図8、図11に例示したように、テンプル426が智部424に対して折り曲げられた状態と、図9に例示したようにテンプル426が智部424に対して折り曲げられていない状態との間で可動に智部424に支持される。
このように、開口440は、フレーム420の智部424に形成されており、テンプル426は、当該ヒンジによって、智部424に対して可動に支持される。液体容器430およびテンプル426は、当該ヒンジによって共通のヒンジ支軸部材450の周りに回転可能に支持される。そのため、ヒンジの支軸を共通化することができ、ヒンジの支軸を共通化しない場合と比較して、部品点数を削減できる。ヒンジの支軸を共通化しない場合と比較して、ヒンジ機構を小型化することができ、ひいては液体を保持するスペースをより大きく確保できる。
上述したヒンジ機構により、液体容器430およびテンプル426は、ヒンジ支軸部材450の回りに独立して回転できる。例えば、液体容器430が開口440に収容された状態にしたまま、テンプル426を智部424に対して折り曲げることができる。テンプル426を智部424に対して折り曲げても、液体容器430は智部424に対して容易には移動しない。テンプル426が智部424に対して折り曲げられた状態で、液体容器430をヒンジ支軸部材450の周りに回転させることで、液体容器430を開口440から引き出すことができる。
テンプル426が智部424に対して折り曲げられていない場合、テンプル426の智部側側面484は、液体容器430の容器本体431のテンプル側側面486に当接する。したがって、テンプル426が智部424に対して折り曲げられていない場合、液体容器430は開口440から容易には外れない。したがって、メガネが装着者に装着されている場合、液体容器430は開口440から容易には外れない。
液体容器430が開口440に収容されている場合、液体容器430は、液体容器430が配されたフレーム420が顔部に装着された場合に顔部に対向する側に配されることになる側面434と、側面434に対向して外側に配される側面433とを有する。側面434および側面433は、フレーム420の側面に沿った形状を有してよい。例えば、側面434および側面433は、智部424の側面に沿った形状を有してよい。側面433は、テンプル426の外側面482に沿った形状を有してよい。側面434は、テンプル426において外側面482とは反対側の面である内側面481に沿った形状を有してよい。側面434および側面433は、フレーム420の対応する側面よりもフレーム420の内側に配されてもよい。側面433は智部424の外側の側面に沿った形状を有し、側面434は、智部424の内側の側面よりも内側に配されてもよい。
通気孔435は、側面434において2行5列のマトリクス状に設けられる。通気孔435は、液体容器430が開口440に収容されフレーム420が顔部に装着されている場合に、空洞432から顔部へ気体を透過させる気体透過部の一例である。具体的には、通気孔435は、空洞432から側面434まで液体を透過させないが、気体を透過させる。一例として、通気孔435は、側面434に平行な面における断面において直径1mmの円形状を有する。
これにより、通気孔435から液体が漏出することを抑制できる。例えば、通気孔435がフェルト、紙、海綿、スポンジ、吸水性ポリマー、ハイドロゲルのような保水性または吸水性を有する材料で覆われていない場合や、空洞432が保水性または吸水性を有する材料の充填材で充填されていない場合であっても、通気孔435から液体が漏出することを抑制できる。したがって、充填材を使用することなく、液体容器430の内部に液体を貯留することができる。そのため、液体容器430の内部に全体的に充填材が充填されている場合と比較して、より多くの液体を貯留することができる。さらに、液体容器430の内部に、充填材が充填されていない場合であっても、通気孔435から液体が漏出することを抑制できるので、メガネを衛生的に使用することもできる。
なお、液体容器430は、蓋437を有しなくてもよい。液体容器430が開口440に収容されている場合に、開口440の内面で空洞432の開口部を実質的に塞ぐことができれば、蓋437を有していなくても、空洞432に保持している液体が外に漏れ出すことを抑制できる。
また、挿入口438の断面形状は非円形であってよい。例えば、液体容器430の変形例として、図5に関連して説明した液体容器130に係る構成と同様の構成を採用できる。
また、蓋437には、挿入口438に連通するスリットが設けられてよい。例えば、液体容器430の変形例として、図6に関連して説明した液体容器130に係る構成と同様の構成を採用できる。
液体容器430、液体容器230および液体容器330において、通気孔435の断面が円形状である場合について説明した。また、複数の通気孔435がマトリクス状に整列して設けられる場合について説明した。しかし、通気孔435の形状、数および配置は、これらに限定されない。例えば、通気孔435は1つであってよい。すなわち、通気孔435は1以上設けられてよい。複数の通気孔435が配される場合、複数の通気孔435が整列して設けられなくてもよい。通気孔435の形状、数および配置は、空洞432から側面434まで気体を透過させるが、液体を透過させないように決定されてよい。
通気孔435の形状は、空洞432からフレーム420の内側の面まで水蒸気を透過させるが、純水または水道水を透過させないように決定されてよい。通気孔435の形状としては、通気孔435の断面形状、断面の大きさ、および、空洞432側の面からフレーム420の内側の面までの通気孔435の距離を例示することができる。通気孔435が水蒸気を透過させるか否かは、JIS Z0208で定められた透湿度試験方法(カップ法)またはJIS K7129で定められた透湿度試験方法(Lyssy法など)により、試験片を通過する水蒸気の量を測定することで決定してよい。試験片に通気孔435を設けた場合の水蒸気透過量が、試験片に通気孔435を設けなかった場合の水蒸気透過量よりも大きい場合に、通気孔435が水蒸気を透過させると判断してよい。
通気孔435が純水または水道水を透過させるか否かは、通気孔435の空洞432側の開口と、通気孔435のフレーム420の内側の面側の開口との間に、9.806Pa以下の圧力差を設けた状態で10分間静置した場合に、純水または水道水が通気孔435を透過するか否かにより判断してよい。純水または水道水が通気孔435を透過したか否かは、目視により液体の水の漏出を確認することにより決定してよい。好ましくは、上記の圧力差が9.806Paより大きく49.03Pa以下であることが好ましく、より好ましくは、上記の圧力差が49.03Paより大きく98.06Pa以下であることが好ましく、さらに好ましくは、上記の圧力差が98.06Paより大きく294.18Pa以下であることが好ましい。
通気孔435の断面形状が円形である場合、通気孔435の直径は0.1mm以上1.5mm以下、好ましくは0.3mm以上1.2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下であってよい。通気孔435の断面形状が楕円形である場合、通気孔435の長径は0.1mm以上1.7mm以下、好ましくは0.5mm以上1.4mm以下、より好ましくは0.7mm以上1.2mm以下であってよい。空洞432側の面からフレーム420の内側の面までの通気孔435の距離は、0.1mm以上1.5mm以下、好ましくは0.3mm以上1.2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下であってよい。
複数の通気孔435の体積を合計した値は、空洞432の体積より小さくてよい。ここで、空洞432の内部に充填材が配される場合には、空洞432の内部で充填材が占めている部分の体積は、空洞432の体積に含まれない。
通気孔435は、液体容器430が配されたフレーム420が顔部に装着された場合に水面となる位置よりも上側の位置に配されてもよい。なお、通気孔435の大きさが十分小さい場合には、液体容器430が配されたフレーム420が顔部に装着された場合に水面となる位置よりも下側の位置に、通気孔435が配されてもよい。
以上の構成により、空洞432に貯留された液体が気化して発生した気体が、通気孔435を透過してフレーム420の内側に供給される。また、通気孔435は空洞432に貯留された液体を透過させないので、装着者の顔部に液体が飛散することを抑制できる。
本実施形態において、気体透過部が、通気孔435である場合について説明した。しかし、気体透過部はこれに限定されない。気体透過部は、気体を透過させるが液体を透過させない有機高分子膜または無機多孔質膜を有してもよい。気体透過部は、水蒸気を透過させるが純水または水道水を透過させない有機高分子膜または無機多孔質膜を有してよい。気体透過部は、シリコーンゴムであってよい。この構成によっても通気孔435から液体が漏出することを抑制できる。例えば、通気孔435が保水性または吸水性を有する材料で覆われていない場合であっても、通気孔435から液体が漏出することを抑制できる。この場合、より多くの液体を貯留することができる。また、メガネを衛生的に使用することもできる。
液体容器430において、空洞432の内部に保水性または吸水性を有する材料が配されない場合について説明した。しかし、液体容器430はこれに限定されない。フェルト、紙、海綿、スポンジ、吸水性ポリマー、ハイドロゲルなどの保水性または吸水性を有する材料が気体透過部の一部を構成してよい。空洞432の内部に、保水性または吸水性を有する材料が配されてよい。これにより、通気孔435の大きさが大きい場合であっても、空洞432から液体が漏出することを抑制できる。なお、この場合、保水性または吸水性を有する材料の上端は、空洞部に貯留される液体の液面よりも上方に配されることが好ましい。
保水性または吸水性を有する材料が空洞432の内部に配される場合には、空洞432の内部で保水性または吸水性を有する材料が占める体積は、空洞432の内部に保水性または吸水性を有する材料が配されない状態における空洞432の体積の半分より小さくてよい。これにより、空洞432により多くの液体を貯留することができる。
液体容器430を開閉する構成として、液体容器430がフレーム420の外側の面から開閉されて、液体容器430が開口440に収容される位置と液体容器430が開口440に収容されない位置との間で移動する場合について説明した。しかし、液体容器430が開閉される方向は、これに限定されない。例えば、液体容器430が、内側の面から開閉されてよい。液体容器430が、外側の面および内側の面の両面から開閉できてもよい。
液体容器430を収容する構成として、フレーム420の開口440に液体容器430が収容される場合について説明した。しかし、液体容器430を収容する収容部は、これに限定されない。例えば、液体容器430は、フレーム420に形成された凹部に収容されてもよい。例えば、フレーム420の内側または外側の面に凹部が形成されており、液体容器430が当該凹部に収容されてよい。例えば、液体容器430を収容する凹部は、フレーム420の内側の面に形成されてよい。この場合、液体容器430は、フレーム420の内側の面から開閉されてよい。液体容器430を収容する凹部は、フレーム420の外側の面に形成されてもよい。この場合、液体容器430は、フレーム420の外側の面から開閉されてよい。
液体容器430において、液体容器430を収容する収容部が智部424に設けられる場合について説明した。しかし、収容部の位置は、これに限定されない。収容部がテンプルに形成されてもよい。
液体容器430において、液体容器430をフレーム420に対して可動に支持する支軸を、智部424に対してテンプル426を可動に支持する支軸と共通化した場合について説明した。しかし、液体容器430をフレーム420に対して可動に支持する機構は、これに限定されない。液体容器430は、智部424に対してテンプル426を可動に支持する支軸とは異なる支軸により、フレーム420に対して可動に支持されてよい。例えば、フレーム420は、液体容器430をフレーム420に対して可動に支持するヒンジと、テンプル426を智部424に対して可動に支持するヒンジとを有してよい。また、液体容器430は、ヒンジ機構以外の変位機構により、フレーム420に対して可動に支持されてもよい。
以上に説明した実施形態において、容器本体131および容器本体431は、弾性樹脂等の弾性材料で形成された弾性部材であってよい。例えば、容器本体131および容器本体431は、ポリアミド樹脂で形成される。具体的には、容器本体131および容器本体431は、グリルアミド(登録商標)TR−90で形成されてよい。容器本体131および容器本体431は、硬性樹脂等の硬性材料で形成された硬性部材であってもよい。蓋137は、容器本体131を形成する材料と同じ材料で形成されてよい。蓋437は、容器本体431を形成する材料と同じ材料で形成されてよい。
図12から図15は、メガネ100の他の形態におけるフレーム720および液体容器730を概略的に示す。図12から図15は、メガネにおける左目側部分を含む範囲を主として示す。フレーム720はフレーム420に対応し、液体容器730は液体容器430に対応する。液体容器730が有する容器本体731は、液体容器430が有する容器本体431に対応する。液体容器730が有する蓋737は、液体容器430が有する蓋437に対応する。
フレーム720は、フレーム420の液体容器430とは異なる液体容器730を有する。例えば、液体容器730の蓋737は、フレーム420の蓋437とは異なる。少なくともこの点で、フレーム720はフレーム420と相違する。フレーム720が有する他の構成要素は、フレーム420が有する対応する構成要素と同様の構成を有してよい。
フレーム720および液体容器730に係る構成のうち、上述したフレーム420および液体容器430が有する構成との相違点を主として説明し、フレーム420および液体容器430が有する構成と同様の構成については説明を省略する場合がある。
図12は、液体容器730がフレーム720に収容されていない状態を概略的に示す。図12では、フレーム720が折り曲げられた状態が概略的に示されている。図13は、液体容器730がフレーム720から取り外された状態を概略的に示す。図14および図15は、蓋737の斜視図を示す。
液体容器730は、液体を保持する液体保持部の一例である。フレーム720の一部には開口740が形成され、液体容器730の少なくとも一部は、開口740に収容され得る。開口740は、液体容器730の少なくとも一部を収容する収容部の一例である。液体容器430と同様に、液体容器730は、ヒンジによって、液体容器730が開口740に収容される位置と液体容器730が開口740に収容されない位置との間で可動にフレーム720に支持される。
液体容器730には、液体容器730が開口740に収容されフレーム720が装着者の顔部に装着されている場合に顔部に対向する面である側面734に、通気孔435に対応する複数の通気孔735が形成されている。通気孔735は、容器本体731が内部に有する空洞まで貫通しており、気体を透過させるが液体を透過させない。液体容器730に保持された液体は気化して通気孔735を通じて装着者の顔部へ提供される。
フレーム720は、リム422に対応するリム722と、ブリッジ423に対応するブリッジ723と、智部424に対応する智部724と、ヒンジ支軸部材450に対応するヒンジ支軸部材750と、テンプル426に対応するテンプル726とを有する。フレーム720は、フレーム420が有するノーズパッドと同様のノーズパッドを有する。フレーム720は、フレーム420が有するイヤーパッドと同様のイヤーパッドをさらに有する。ブリッジ723は、一対のリム722の間に位置する。
リム722は、レンズの周囲から装着者方向に伸びるフード部材を有する。これにより、液体容器730から蒸発した気体が拡散することを抑制できる。智部724は、リム722の端部に配され、ヒンジ支軸部材750を介してテンプル726と結合する。一対のテンプル726は、装着者の頭部を挟み込む。
液体容器730は、容器本体731と、蓋737とを有する。容器本体431と同様、容器本体731は、弾性樹脂等の弾性材料で形成された弾性部材であってよい。例えば、容器本体731は、ポリアミド樹脂で形成される。具体的には、容器本体731は、グリルアミド(登録商標)TR−90で形成されてよい。容器本体731は、硬性樹脂等の硬性材料で形成された硬性部材であってもよい。
液体容器730の内部には、液体容器430の空洞432に対応する、液体を保持する空洞が形成されている。本実施形態において、「液体容器730の空洞」とは、液体容器430の空洞432に対応する空洞のことを指す。液体容器430の空洞432と同様に、液体容器730の空洞は、液体を貯留できる。液体容器730の空洞に保持される液体としては、水を例示できる。液体容器730の空洞の内面は撥水処理が施されていてもよい。液体容器730の空洞の内面は抗菌処理が施されていてもよい。
液体容器430と同様に、液体容器730には、液体容器730が開口740に収容されていない状態で、液体容器730の空洞に液体を供給するための開口部が形成されている。当該開口部は、液体容器730が開口740に収容されている場合に、開口740の内面に対向する位置に形成されている。具体的には、当該開口部は、液体容器730の上部に形成されている。なお、当該開口部のことを、液体容器730の「上部の開口部」と呼ぶ場合がある。
蓋737は、液体容器730の上部の開口部を塞ぐ。蓋737には、挿入口738が形成されている。挿入口738は、外部から液体容器730の空洞まで貫通する液体供給口の一例である。挿入口738にはスポイト等の液体注入器具を挿入できる。液体容器730が開口740に収容されていない状態で、液体注入器具を挿入口738に挿入して、液体注入器具から液体を液体容器730の空洞に供給することができる。
蓋737は、ゴム弾性を有する材料で形成されてよい。例えば、蓋737は、ラバー等のエラストマーで形成されてよい。蓋737の材質は、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム等であってよい。液体容器730がフレーム720の開口740に収容されたときに、開口740の内面および液体容器730の間に配された蓋737が両者を押圧するので、液体容器730が開口740から外れにくくなる。また、開口740の内面と蓋737の上部面800とが密着するので、液体容器730の空洞に保持された液体が、蓋737の隙間から液体容器730の外に漏れることを抑止することができる。
蓋737は、液体容器730の上部の開口部に対して着脱可能に設けられてよい。使用者は、液体容器730が開口740に収容されていない状態で、液体容器730の上部の開口部から蓋737を取り外すことができる。蓋737を取り外すことで液体容器730の上部の開口部を露出させることができるので、露出させた開口部を通じて、液体注入器具を使用せずに液体容器730の空洞へ液体を供給することもできる。また、露出させた上部の開口部を通じて、液体容器730の空洞に保持されている液体を、液体容器730の空洞から外に排出することができる。そのため、液体容器730の空洞に保持されている液体を容易に交換することができる。
液体容器730は、ヒンジ支軸部材750により、フレーム720に連結される。具体的には、液体容器730は、ヒンジ支軸部材750により、智部724に連結される。より具体的には、液体容器730は、ヒンジ支軸部材750により、智部724に対して可動に支持される。液体容器730の容器本体731は、ヒンジ支軸部材750が挿通される挿通部736を有する。ヒンジ支軸部材750は、液体容器730の挿通部736が有する挿通口774に挿通される。挿通部736は挿通部436に対応し、挿通口774は挿通口474に対応する。
挿通口774は、ヒンジ支軸部材750を回転自在に保持する。挿通部736は、ヒンジ支軸部材750の回転軸に沿うスリット部710を有する。スリット部710は、挿通口774と挿通部736の外部との間を連通する連通部を提供する。ヒンジ支軸部材750の回転軸に直交する断面においては、挿通口774の内周面は、スリット部710が形成された部分で離間している。
ヒンジ支軸部材750の回転軸に直交する断面において、挿通口774の直径は、ヒンジ支軸部材750の直径より大きい。ヒンジ支軸部材750の回転軸に直交する断面において、スリット部710の幅は、ヒンジ支軸部材750の直径より小さい。
液体容器730がフレーム720に装着された状態から液体容器730をフレーム720から取り外す場合、液体容器730を開いた状態で、挿通口774内のヒンジ支軸部材750がスリット部710に向かう向きの力を液体容器730に加えると、スリット部710はヒンジ支軸部材750によって押されて弾性的に押し拡げられる。ヒンジ支軸部材750は、拡がったスリット部710の間を通って、挿通部736から外れる。ヒンジ支軸部材750が挿通部736から外れると、スリット部710が元の位置に弾性復帰する。
液体容器730がフレーム720から取り外された状態から液体容器730をフレーム720に装着する場合、スリット部710をヒンジ支軸部材750に当接させ、ヒンジ支軸部材750が挿通口774に向かう向きの力を液体容器730に加えると、スリット部710はヒンジ支軸部材750によって押されて弾性的に押し拡げられる。ヒンジ支軸部材750は、拡がったスリット部710の間を通って挿通口774内に入り込む。そして、ヒンジ支軸部材750が挿通口774内に入り込むとスリット部710が元の位置に弾性復帰する。これにより、ヒンジ支軸部材750が挿通口774に回転自在に嵌合される。
液体容器730がフレーム720に装着されると、液体容器730は、ヒンジ支軸部材750が挿通口774に回転自在に嵌合した状態で、挿通口774の内周面がヒンジ支軸部材750の外周面に接しながらヒンジ支軸部材750のまわりを回転する。そのため、液体容器730を開閉する時にヒンジ支軸部材750がスリット部710から容易に抜けることがなく、スムーズに開閉することができる。
このように、液体容器730はフレーム720に対して着脱可能に設けられる。そのため、液体容器730を新しい液体容器に交換することができる。また、液体容器730をフレーム720から取り外して洗浄した後に、フレーム720に装着することもできる。したがって、メガネを衛生的に使用できる。
リム722には、ヒンジ支軸部材750が挿通される挿通部が形成されている。リム722の挿通部は、リム422の挿通部460に対応し、挿通部460と同様の構成を有するので、リム722の挿通部の詳細については説明を省略する。テンプル726には、ヒンジ支軸部材750が挿通される挿通部が形成されている。テンプル726の挿通部は、テンプル426の挿通部470に対応し、挿通部470と同様の構成を有するので、テンプル726の挿通部の詳細については説明を省略する。また、ヒンジ支軸部材750は、ヒンジ支軸部材450の軸部材452と同様の軸部材と、ヒンジ支軸部材450の軸部材454と同様の軸部材とを有するので、ヒンジ支軸部材750の詳細については説明を省略する。
ヒンジ支軸部材750および挿通部736は、液体容器730をフレーム720に対して可動に支持するヒンジ機構を提供する。当該ヒンジ機構により、液体容器730は、智部724およびテンプル726の双方に対して可動に支持される。具体的には、液体容器730は、テンプル726および智部724に対して、ヒンジ支軸部材750の回りに独立して回転する。したがって、液体容器730は、ヒンジ支軸部材750の周りを回転して、開口740に収容される位置と収容されない位置との間で移動できる。このように、当該ヒンジ機構は、液体容器730を、液体容器730が開口740に収容される位置と液体容器730が開口740に収容されない位置との間で可動にフレーム720に支持する。そのため、液体容器730に保持させる液体の注入や交換が容易な形で、液体容器730をフレームに支持することができる。また、液体容器730がフレーム720から外れにくく、液体容器730を紛失してしまう可能性を低減できる。
ヒンジ支軸部材750およびテンプル726の挿通部は、テンプル726を智部724に対して可動に支持するヒンジ機構を提供する。当該ヒンジ機構により、テンプル726は、図12、図13に例示したように、テンプル726が智部724に対して折り曲げられた状態と、テンプル726が智部724に対して折り曲げられていない状態との間で可動に智部724に支持される。
このように、開口740は、フレーム720の智部724に形成されており、テンプル726は、当該ヒンジによって、智部724に対して可動に支持される。液体容器730およびテンプル726は、当該ヒンジによって共通のヒンジ支軸部材750の周りに回転可能に支持される。そのため、ヒンジの支軸を共通化することができ、ヒンジの支軸を共通化しない場合と比較して、部品点数を削減できる。ヒンジの支軸を共通化しない場合と比較して、ヒンジ機構を小型化することができ、ひいては液体を保持するスペースをより大きく確保できる。
上述したヒンジ機構により、液体容器730およびテンプル726は、ヒンジ支軸部材750の回りに独立して回転できる。例えば、液体容器730が開口740に収容された状態にしたまま、テンプル726を智部724に対して折り曲げることができる。テンプル726を智部724に対して折り曲げても、液体容器730は智部724に対して容易には移動しない。テンプル726が智部724に対して折り曲げられた状態で、液体容器730をヒンジ支軸部材750の周りに回転させることで、液体容器730を開口740から引き出すことができる。
液体容器730が開口740に収容されている場合、液体容器730は、液体容器730が配されたフレーム720が顔部に装着された場合に顔部に対向する側に配されることになる側面734と、側面734に対向して外側に配される側面733とを有する。側面734は、液体容器430の側面434に対応し、側面434と同様の構成を有する。側面733は、液体容器430の側面433に対応し、側面433と同様の構成を有する。そのため、液体容器730の側面733および側面734の詳細については説明を省略する。
通気孔735は、側面734においてマトリクス状に設けられる。例えば、通気孔735は、側面734において、2行7列のマトリクス状に設けられる。通気孔735は、液体容器730が開口740に収容されフレーム720が顔部に装着されている場合に、液体容器730の空洞から顔部へ気体を透過させる気体透過部の一例である。具体的には、通気孔735は、液体容器730の空洞から側面734まで液体を透過させないが、気体を透過させる。一例として、通気孔735は、側面734に平行な面における断面において直径1mmの円形状を有する。
これにより、通気孔735から液体が漏出することを抑制できる。例えば、通気孔735がフェルト、紙、海綿、スポンジ、吸水性ポリマー、ハイドロゲルのような保水性または吸水性を有する材料で覆われていない場合や、液体容器730の空洞が保水性または吸水性を有する材料の充填材で充填されていない場合であっても、通気孔735から液体が漏出することを抑制できる。したがって、充填材を使用することなく、液体容器730の内部に液体を貯留することができる。そのため、液体容器730の内部に全体的に充填材が充填されている場合と比較して、より多くの液体を貯留することができる。さらに、液体容器730の内部に、充填材が充填されていない場合であっても、通気孔735から液体が漏出することを抑制できるので、メガネを衛生的に使用することもできる。
蓋737に係る構成について説明する。蓋737は、上部面800と、下部面840と、第1側部881と、第2側部882とを有する。下部面840は、上部面800の反対側の面である。下部面840の一部は、液体容器730の空洞の一部を画定する。
第1側部881および第2側部882は、蓋737の外周の一部分を画定する。第1側部881は、液体容器730が開口740に収容されフレーム720が装着者の顔部に装着されている場合に、顔部に対向する部分である。第1側部881は、側面734に沿った面を有する。第2側部882は、第1側部881の反対側の部分である。
蓋737の上部面800には、凹部804が形成されている。凹部804は、側面部802と底部803とを有する。
挿入口738は、凹部804に形成されている。具体的には、挿入口738は、凹部804の底部803から下部面840まで貫通している。
挿入口738は、第1開口810と、第2開口820とを有する。第1開口810は、凹部804の底部803に形成されている。第2開口820は、下部面840に形成され、第1開口810と連通している。第1開口810の中心は、第2開口820の中心に略一致している。
第2開口820の断面の大きさは、第1開口810の断面の大きさより小さい。具体的には、第2開口820の断面の面積が、第1開口810の断面の面積より小さい。
第1開口810は円形状を有する。第2開口820は円形状を有する。第2開口820の断面の直径は、第1開口810の断面の直径より小さい。例えば、第1開口810の断面の直径は2.8mmであり、第2開口820の断面の直径は1.5mmである。
第1開口810の断面形状が円形である場合を取り上げて第1開口810の断面の大きさの範囲を説明すると、第1開口810の断面の直径は、2mm以上7mm以下であることが好ましい。第1開口810の断面の直径は、2mm以上4mm以下であることがより好ましい。
第2開口820の断面形状が円形である場合を取り上げて第2開口820の断面の大きさの範囲を説明すると、第2開口820の断面の直径は、2.5mm以下であることが好ましい。第2開口820の断面の直径は、2mm以下であることがより好ましい。第2開口820の断面の直径は、1.5mm以下であってよい。
なお、第1開口810および第2開口820の少なくとも一方の開口の断面形状は、非円形であってよい。開口の断面形状が非円形の場合でも、開口の断面の面積は、上述した直径の範囲で定まる面積の範囲内であることが好ましい。
このように、第1開口810の断面が第2開口820の断面より大きいので、液体容器730の空洞に液体を供給する場合に、液体注入器具等を用いて、挿入口738から液体容器730の空洞に液体を供給し易い。また、第2開口820の断面が第1開口810の断面より小さいので、液体容器730の空洞に液体が保持されている場合において、液体容器730の空洞に保持されている液体が挿入口738を通じて液体容器730の外に漏れ出ることを抑制できる。例えば、液体容器730が揺さぶられる等して液体容器730の空洞内の液体が飛び跳ねた場合でも、挿入口738を通じて液体が液体容器730の外に漏れ出ることを抑制できる。また、液体容器730が傾けられた場合でも、液体容器730の空洞内の液体が挿入口738を通じて液体容器730の外に漏れ出ることを抑制できる。また、上部面800と開口740との密着度が小さくなっても、液体容器730の空洞内の液体が挿入口738を通じて液体容器730の外に漏れ出ることを抑制できる。また、第1開口810の断面が第2開口820の断面より大きいので、第1開口810の近くに布や髪の毛等の物が接触した場合でも、液体容器730の空洞に保持されている液体が物体に吸い出されることを抑制できる。
上部面800の凹部804は、第1側部881まで延伸している。そのため、第1側部881と上部面800との境界は、凹部804の形状に沿った段差形状を有する。そのため、第1側部881は、液体容器730の側面734に沿った断面において、挿入口738と連通する開口を有する。このように、第1側部881は、凹部804に連通する開口を有するので、液体容器730が開口740に収容されて蓋737の上部面800がフレーム720と密着している場合でも、液体容器730の空洞は、挿入口738を通じて液体容器730の外部と連通する。このため、液体容器730の空洞と液体容器730の外部との間の空気の流動性が高まり、液体容器730の空洞に保持されている液体の蒸発量を高めることができる。
底部803からの側面部802の高さは0.3mmである。したがって、凹部804は0.3mmの深さを有する。なお、側面部802の高さは、0.1mm以上1mm以下であることが好ましい。側面部802の高さは、0.2mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。
上述したように上部面800の凹部804は第1側部881まで延伸して形成されているが、第2側部882までは延伸していない。そのため、液体容器730の空洞に保持されている液体が蒸発して、挿入口738を通って、フレーム720の装着者に対向しない側から外に出ることを抑制できる。
上述したように、蓋737における第2開口820の断面の大きさは、第1開口810の断面の大きさより小さい。しかし、第1開口810の断面の大きさが、第2開口820の断面の大きさより小さくてもよい。
蓋737の下部面840から上部面800までの厚みが3.4mmである場合における第1開口810および第2開口820のそれぞれの深さの一例を説明する。第2開口820と第1開口810との境界面は、下部面840から1.5mmの位置にあってよい。すなわち、第2開口820の深さは、1.5mmであってよい。また、第1開口810と底部803との境界面が、下部面840から2.9mmの位置にあってよい。すなわち、第1開口810の深さは、1.4mmであってよい。
なお、蓋737の下部面840から上部面800までの厚みにかかわらず、第1開口810の深さd1と第1開口810の断面の直径D1との比D1/d1の値は、1.6以上2.4以下であることが好ましい。比D1/d1の値は、1.8以上2.2以下であることがより好ましい。また、第2開口820の深さd2と第2開口820の断面の直径D2との比D2/d2の値は、0.8以上1.2以下であることが好ましい。比D2/d2の値は、0.9以上1.1以下であることがより好ましい。
以上に説明した実施形態において、フレーム120、フレーム420およびフレーム720を「フレーム」と総称し、液体容器130、液体容器430および液体容器730を「液体容器」と総称し、通気孔135、通気孔435および通気孔735を「通気孔」として総称し、空洞132、空洞432および液体容器730の空洞を「空洞」として総称し、側面134、側面434および側面734を「内側側面」として総称すると、上述したように、通気孔は、空洞から内側側面まで貫通している。また、複数の通気孔はマトリクス状に整列して設けられる。また、通気孔の断面が円形状である場合を主として説明した。しかし、通気孔の形状、数および配置は、これらに限定されない。例えば、通気孔は1つであってよい。すなわち、通気孔は1以上設けられてよい。複数の通気孔が配される場合、複数の通気孔が整列して設けられなくてもよい。通気孔の形状、数および配置は、空洞から内側側面まで気体を透過させるが、液体を透過させないように決定されてよい。
通気孔の形状は、空洞からフレームの内側の面まで水蒸気を透過させるが、純水または水道水を透過させないように決定されてよい。通気孔の形状としては、通気孔の断面形状、断面の大きさ、および、空洞側の面からフレームの内側の面までの通気孔の距離を例示することができる。通気孔が水蒸気を透過させるか否かは、JIS Z0208で定められた透湿度試験方法(カップ法)またはJIS K7129で定められた透湿度試験方法(Lyssy法など)により、試験片を通過する水蒸気の量を測定することで決定してよい。試験片に通気孔を設けた場合の水蒸気透過量が、試験片に通気孔を設けなかった場合の水蒸気透過量よりも大きい場合に、通気孔が水蒸気を透過させると判断してよい。
通気孔が純水または水道水を透過させるか否かは、通気孔の空洞側の開口と、通気孔のフレームの内側の面側の開口との間に、9.806Pa以下の圧力差を設けた状態で10分間静置した場合に、純水または水道水が通気孔を透過するか否かにより判断してよい。純水または水道水が通気孔を透過したか否かは、目視により液体の水の漏出を確認することにより決定してよい。好ましくは、上記の圧力差が9.806Paより大きく49.03Pa以下であることが好ましく、より好ましくは、上記の圧力差が49.03Paより大きく98.06Pa以下であることが好ましく、さらに好ましくは、上記の圧力差が98.06Paより大きく294.18Pa以下であることが好ましい。
通気孔の断面形状が円形である場合、通気孔の直径は0.1mm以上1.5mm以下、好ましくは0.3mm以上1.2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下であってよい。通気孔の断面形状が楕円形である場合、通気孔の長径は0.1mm以上1.7mm以下、好ましくは0.5mm以上1.4mm以下、より好ましくは0.7mm以上1.2mm以下であってよい。空洞側の面からフレームの内側側面までの通気孔の距離は、0.1mm以上1.5mm以下、好ましくは0.3mm以上1.2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下であってよい。
複数の通気孔の体積を合計した値は、空洞の体積より小さくてよい。ここで、空洞の内部に充填材が配される場合には、空洞の内部で充填材が占めている部分の体積は、空洞の体積に含まれない。
通気孔は、液体容器が配されたフレームが顔部に装着された場合に水面となる位置よりも上側の位置に配されてもよい。なお、通気孔の大きさが十分小さい場合には、液体容器が配されたフレームが顔部に装着された場合に水面となる位置よりも下側の位置に、通気孔が配されてもよい。
以上の構成により、空洞に貯留された液体が気化して発生した気体が、通気孔を透過してフレームの内側に供給される。また、通気孔は空洞に貯留された液体を透過させないので、装着者の顔部に液体が飛散することを抑制できる。
以上に説明した実施形態において、気体透過部が、通気孔である場合について説明した。しかし、気体透過部はこれに限定されない。気体透過部は、気体を透過させるが液体を透過させない有機高分子膜または無機多孔質膜を有してもよい。気体透過部は、水蒸気を透過させるが純水または水道水を透過させない有機高分子膜または無機多孔質膜を有してよい。気体透過部は、シリコーンゴムであってよい。この構成によっても通気孔から液体が漏出することを抑制できる。例えば、通気孔が保水性または吸水性を有する材料で覆われていない場合であっても、通気孔から液体が漏出することを抑制できる。この場合、より多くの液体を貯留することができる。また、メガネを衛生的に使用することもできる。
なお、液体容器において、空洞の内部に保水性または吸水性を有する材料が配されない場合について説明した。しかし、液体容器はこれに限定されない。フェルト、紙、海綿、スポンジ、吸水性ポリマー、ハイドロゲルなどの保水性または吸水性を有する材料が気体透過部の一部を構成してよい。空洞の内部に、保水性または吸水性を有する材料が配されてよい。これにより、通気孔の大きさが大きい場合であっても、空洞から液体が漏出することを抑制できる。なお、この場合、保水性または吸水性を有する材料の上端は、空洞部に貯留される液体の液面よりも上方に配されることが好ましい。
保水性または吸水性を有する材料が空洞の内部に配される場合には、空洞の内部で保水性または吸水性を有する材料が占める体積は、空洞の内部に保水性または吸水性を有する材料が配されない状態における空洞の体積の半分より小さくてよい。これにより、空洞により多くの液体を貯留することができる。
液体容器を開閉する構成として、液体容器がフレームの外側の面から開閉されて、液体容器が開口に収容される位置と液体容器が開口に収容されない位置との間で移動する場合について説明した。しかし、液体容器が開閉される方向は、これに限定されない。例えば、液体容器が、フレームの内側の面から開閉されてよい。液体容器が、フレームの外側の面およびフレームの内側の面の両面から開閉できてもよい。
液体容器を収容する構成として、フレームの開口に液体容器が収容される場合について説明した。しかし、液体容器を収容する収容部は、これに限定されない。例えば、液体容器は、フレームに形成された凹部に収容されてもよい。例えば、フレームの内側または外側の面に凹部が形成されており、液体容器が当該凹部に収容されてよい。例えば、液体容器を収容する凹部は、フレームの内側の面に形成されてよい。この場合、液体容器は、フレームの内側の面から開閉されてよい。液体容器を収容する凹部は、フレームの外側の面に形成されてもよい。この場合、液体容器は、フレームの外側の面から開閉されてよい。
また、以上に説明した実施形態における智部124、智部124および智部724を「智部」、テンプル126、テンプル426およびテンプル726を「テンプル」と総称すると、液体容器において、液体容器を収容する収容部は、智部に設けられる。しかし、収容部の位置は、これに限定されない。収容部がテンプルに形成されてもよい。
また、液体容器430および液体容器730については、液体容器をフレームに対して可動に支持する支軸を、智部に対してテンプルを可動に支持する支軸と共通化した場合について説明した。しかし、液体容器をフレームに対して可動に支持する機構は、これに限定されない。液体容器は、智部に対してテンプルを可動に支持する支軸とは異なる支軸により、フレームに対して可動に支持されてよい。例えば、フレームは、液体容器をフレームに対して可動に支持するヒンジと、テンプルを智部に対して可動に支持するヒンジとを有してよい。また、液体容器は、ヒンジ機構以外の変位機構により、フレームに対して可動に支持されてもよい。
以上に説明した実施形態において、アイウエアが、メガネである場合について説明した。メガネは、装着者の目の屈折異常を補正したり、装着者の目を保護したり、着飾ったりすること等を更なる目的としても利用され得る。しかし、アイウエアはメガネに限定されない。アイウエアは、目に関連する装具であればよく、メガネ、サングラス、ゴーグル、ヘッドマウントディスプレイなどの顔面装着具または頭部装着具であってよい。アイウエアは、顔面装着具または頭部装着具のフレームまたは当該フレームの一部であってもよい。アイウエアに適用される光学部材としては、レンズ特性に限らず、アイウエアの使用目的に応じた光学特性を持つ光学部材を適用できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。