JP2015082643A - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】色むらが少なく、高い光取り出し効率を有し、かつ良好な動作特性を有して信頼性に優れるなど、高性能な発光装置を提供する。【解決手段】発光装置10は、支持体11と、支持体上に配されて発光層を含む半導体層からなる発光素子13と、発光素子上に配されて蛍光体粒子を含む透光性部材からなる波長変換層15とを有する発光装置であって、波長変換層は、半導体層上に配された第1の透光性層15Aと、第1の透光性層の上に配された第2の透光性層15Bと、を有し、第1の透光性層と第2の透光性層との間の界面に空隙が存在する。【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置、特に、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)素子を用いた発光装置及びその製造方法に関する。
LED素子を搭載した発光装置が、照明、バックライト、産業機器等に従来から用いられてきた。このような発光装置においては、青色光を発するLED素子上に黄色蛍光体を配することで、白色を得ているものがある。特許文献1には、蛍光体を含有している透明無機部材からなるコーティング層に散乱材が含有され、発光素子の上面に垂直な方向(上方)に指向性が高い励起光を散乱させている発光装置が開示されている。
特開2004−88013号公報
特許文献1に開示されている発光装置では、散乱材の表面の反射によってLED素子から出射した励起光が散乱されるので、LED素子から出射した励起光がLED素子に向かって、すなわち発光装置の光出射方向とは逆の方向に反射されてしまい、光取り出し効率が低下してしまっていた。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、色むらが少なく、高い光取り出し効率を有し、かつ良好な動作特性を有して信頼性に優れるなど、高性能な発光装置を提供することを目的とする。
本発明の発光装置は、支持体と、当該支持体上に配されて発光層を含む半導体層からなる発光素子と、当該発光素子上に配されて蛍光体粒子を含む透光性部材からなる波長変換層と、を有する発光装置であって、当該波長変換層は、当該半導体層上に配された第1の透光性層と、当該第1の透光性層の上に配された第2の透光性層と、を有し、当該第1の透光性層と当該第2の透光性層との間の界面に空隙が存在することを特徴とする。
また、本発明の発光装置の製造方法は、支持体上に発光素子を配置するステップと、当該発光素子上に蛍光体粒子を堆積するステップと、当該発光素子上に当該蛍光体粒子の上から第1の透光性材料を塗布する第1の塗布ステップと、当該第1の塗布ステップにおいて塗布された当該第1の透光性材料を仮硬化するステップと、当該第1の透光性材料上に第2の透光性材料を塗布する第2の塗布ステップと、当該第1及び当該第2の透光性材料を硬化させるステップと、を有することを特徴とする。
本発明の実施例である発光装置の断面図である。 図1の拡大図である。 図2の拡大図である。 本発明の実施例である発光装置の製造工程の断面図である。 本発明の変形例である発光装置の拡大図である。
以下に本発明の実施例である発光装置10について、図1乃至3を参照しつつ説明する。図1は、発光装置10の断面図である。発光装置10は、白抜き矢印の方向を光出射方向とする発光装置である。支持体11は、板状のAlN基板である。発光素子13は、例えば、支持体11上に配されたゲルマニウム支持基板上にp型半導体層、発光層及びn型半導体層(図示せず)がこの順に積層されているLED素子である。発光素子13の発光層は、例えば、波長450nm程度の青色光を発するように構成されている。発光素子13上には、発光素子13を覆うように波長変換層15が形成されている。波長変換層15は、蛍光体粒子(図示せず)を含むガラス等の透光性部材からなる層である。
図2は、図1の領域Aの拡大図である。波長変換層15は、ガラス等の透光性部材からなる第1の透光性層15Aと第2の透光性層15Bからなっており、波長変換層15の上面、すなわち第2の透光性層15Bの上面が光取り出し面Sとなっている。第1の透光性層15Aと第2の透光性層15Bとの間には界面17が形成されている。第1の透光性層15A及び第2の透光性層15B内には、蛍光体粒子19が分散されている。蛍光体粒子19は発光素子13の上面から互いに接して積み上がるように配されている。透光性粒子19は、例えば、平均粒径が15μmであり、発光素子13から発せられる青色光により励起されて黄色光を発するイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)に賦活剤としてセリウム(Ce)を添加したYAG:Ce蛍光体である。第1の透光性層15Aの層厚は、蛍光体粒子19の平均粒径よりも薄くなっている。従って、蛍光体粒子19の一部は第1の透光性層15Aの上面から突出しており、蛍光体粒子19の一部は第1の透光性層15Aと第2の透光性層15Bとの界面17を跨いで配されている。
空隙21は、界面17を跨いでいる蛍光体粒子19の各々の間の領域に、界面17に沿って形成されている空隙領域(クラック)である。図2に示すように、空隙21は、界面17に沿って横方向に伸びている、すなわち発光素子13の上面と平行な方向成分が大きい空隙となっている。この空隙21が形成される第1の透光性層15Aと第2の透光性層15Bとの界面17が、発光素子13上の蛍光体粒子19が配されていない領域に存在する。すなわち、空隙21は隣り合う蛍光体粒子19の表面を接続するように形成されている。換言すれば、発光素子13の上面に平行な方向における空隙21の端部は蛍光体粒子19の表面に接している。よって、発光素子13の上の領域は、蛍光体粒子19または蛍光体粒子19の各々の間に形成されている空隙21によって覆われている。
図2の領域Bの拡大図を図3に示す。図3において、発光素子13からの励起光を矢印で示している。上述したように、発光素子13の上の領域は、蛍光体粒子19または蛍光体粒子19の間の界面17に沿って形成されている空隙21によって覆われている。従って、発光素子13から出射され、発光素子13の上面に対して垂直方向への指向性が高い励起光は、その多くが蛍光体粒子19の表面で反射されるかまたは空隙21に進入して散乱させられ、発光装置10から様々な方向に均一化されて出射させられる。
発光装置10においては、発光素子13から出射して蛍光体粒子19を励起せずに発光装置10の外に出る青色励起光と、青色励起光によって励起された蛍光体粒子19から全方位に出射される蛍光とが混ざり合うことで白色光が生成される。上述のように、発光装置10においては、発光素子13の上面に垂直な方向に指向性が高い青色励起光が、蛍光体粒子19に当たるかまたは空隙21に進入することで様々な方向に散乱される。従って、蛍光体粒子19からの蛍光と発光素子13から出射されて散乱させられた青色励起光が、発光装置10から様々な方向にバランスよく出射され、発光装置10の視認角度による色むらを低減することができる。すなわち、発光装置10の光出射方向に亘って励起光の出射量が均一化され、発光装置10を様々な角度方向からみた場合の色の変化、すなわち視認角度による色の変化を低減することができる。また、空隙21に進入した励起光は、発光素子13の方向にはほとんど反射されず、換言すれば後方に散乱されずに前方に散乱されて光取り出し面に向かう。従って、視認角度による色の変化(色むら)を低減しつつ、光取り出し効率も高く維持することが可能である。
[発光装置10の製造方法]
実施例である発光装置10の製造方法について、以下に詳細に説明する。図4(a)−(e)は、発光装置10の各製造工程を示す断面図である。なお、図4(b)−(e)は、図4(a)の領域Cの部分を拡大して示している。
まず、図4(a)に示すようにゲルマニウム(熱膨張係数6×10-6/℃)の支持基板13A上にp型半導体層13B、発光層13C及びn型半導体層13Dがこの順に積層されている発光素子13を形成する。その後、図4(a)に示すように、板状のAlN基板である支持体11上に発光素子13を載置する。この際、支持体11と発光素子13の支持基板とを、例えば樹脂材による接着によってまたは金属接合によって固定する。なお、支持体11は、Al2O3等のセラミック基板でもよいし、Cu、Al等を基材とする基板またはガラスエポキシ基板等の他の材料からなる基板であってもよい。また、発光素子13が支持基板とは逆側の面から電流を供給するフリップチップ型の素子である場合には、支持基板と逆側の面が支持基板の主面と対向するように発光素子13を載置することも可能である。
次に、発光素子13上に蛍光体粒子19を堆積させる。蛍光体粒子19の堆積は、蛍光体19を含有する液体を発光素子13上に噴霧または塗布することによって行う。具体的には、アルコール系またはキシレン等の揮発性を有する有機溶剤内にYAG:Ce蛍光体粒子19(熱膨張係数8×10-6/℃)を50wt%の濃度で分散させた蛍光体含有溶液(例えば、粘度100Pa・S)を発光素子13上に噴霧または塗布する。この噴霧または塗布の後、乾燥を行って有機溶剤を蒸発させ、図4(b)に示すように発光素子13上に蛍光体粒子19が堆積した状態が形成される。
次に、第1の透光性層15A及び第2の透光性層15Bを形成する。まず、硬化させることにより第1の透光性層15Aとなる第1の未硬化層15APを形成する。具体的には、エチルシリケート化合物等のガラス前駆体を溶解させたアルコール系またはキシレン等の揮発性のある有機溶剤からなるガラスバインダー溶液(例えば、粘度3.0Pa・S)を発光素子13上に蛍光体粒子19の上から噴霧または塗布した後に、常温で乾燥させ仮硬化させる。図4(c)に示すように、第1の未硬化層15APは、前述の乾燥工程の後に蛍光体粒子19の一部が第1の未硬化層15APの上面から露出(突出)するように形成される。このようにするために、例えば、第1の未硬化層15APは、蛍光体粒子19の平均粒径よりも小さい層厚を有するように、すなわち発光素子13の上面から蛍光体粒子19の平均粒径よりも小さい高さまで達するように噴霧または塗布される。
なお、前述の噴霧または塗布の工程において、蛍光体粒子19が密集している領域では、ガラス前駆体を含む有機溶剤が毛細管現象によって蛍光体粒子19の間に入り込むため蛍光体粒子19の間の隙間はガラス前駆体を含む有機溶剤によって充填される。蛍光体粒子19は、1つ1つの粒子の大きさにばらつきがあり、また、発光素子13の上面において完全に均一に配されずに領域により積み重なったりしているので、第1の未硬化層15APの上面から突出している蛍光体粒子19同士は発光素子13上面から互いに異なった高さに配されており、液体である有機溶剤の表面張力故に蛍光体粒子19間の第1の未硬化層15APの上面は傾斜している。
次に、第2の透光性層15Bとなる第2の未硬化層15BPを形成する。具体的には、第1の未硬化層15APと同様に、エチルシリケート化合物等のガラス前駆体を溶解させたアルコール系またはキシレン等の揮発性のある有機溶剤からなるガラスバインダー溶液を、第1の未硬化層15APの上に噴霧または塗布した後に常温で乾燥させた。このようにすることで、図4(d)に示すように、仮硬化された第1の未硬化層15APとその上に積層された第2の未硬化層BPとが形成され、それとともに第1の未硬化層15APの上面に界面17が形成される。なお、上述の蛍光体含有溶液及びガラスバインダー溶液の噴霧または塗布は、スプレー装置、ポッティング装置、ジェットディスペンサー装置等様々な装置で行うことが可能である。
次に、第1の未硬化層15AP及び第2の未硬化層BPを例えば180℃で1時間焼成することでガラス化させて、図4(e)に示すように、第1の透光性層15A及び第2の透光性層15Bを完成させるとともに空隙21を形成する。この際、第1の未硬化層15APのガラス化は、第2の未硬化層15BPのガラス化よりもわずかに早く進行する。これは、第2の未硬化層15BPが一度の乾燥工程を経ているだけなのに対し、第1の未硬化層APが第1の未硬化層15APに対する乾燥工程及び第2の未硬化層15BPに対する乾燥工程の二回の乾燥工程を経ており、比較的早くガラス化が開始、完了されることが一因である。このガラス化の進行状態の差異及びガラス化の完了時刻の差により、第1の透光性層15Aと第2の透光性層15Bとの界面17に沿って、すなわち、発光素子13の表面である光取り出し面13Sに平行な方向成分が大きい空隙(クラック)が発生し空隙21が形成される。なお、第1及び第2の透光性層15A、15Bを形成するために使用する溶液は、例えば、硬化後の第1及び第2の透光性層15A、15Bの熱膨張係数が8×10-6/℃となるように調製した。
このように、第1の透光性層15Aは、発光素子13の上面に蛍光体粒子19を配した後に蛍光体粒子19の上から液状のガラス前駆体等の透光性材の前駆体を塗布して硬化することで形成される。蛍光体粒子19は、1つ1つの粒子の大きさにばらつきがあり、また、発光素子13の上面において完全に均一に配されずに領域により積み重なっている領域も存在する。さらに、隣接する蛍光体粒子19間の界面17は透光性材料前駆体の表面張力故に傾斜し(図2)、界面17に沿った空隙21も傾斜している。このように空隙21が傾斜していることにより、発光素子13からの励起光が空隙21において反射して発光素子13の方向に戻る光の割合が低下し、発光装置10の光取り出し効率が高まる。
なお、意図的に空隙21を形成することにより、発光装置10の使用時に波長変換層15及び発光素子13にかかる熱応力および機械的応力が空隙21によって緩和され、波長変換層15にさらなるクラック等の損傷が発生し、またそれにより発光素子13が損傷することが防止される。
[発光素子10の比較評価]
比較例の発光装置を用いて実施例の発光素子10の比較評価を行った。比較例1の発光装置は、上記発光装置10の製造方法において、蛍光体粒子を噴霧した後に実施例の製造方法で用いたのと同様のガラスバインダー溶液を一回のみ塗布して、クラック(空隙)が発生しないように比較的低温(例えば、150℃)で硬化させて波長変換層を形成したものである。すなわち、比較例1の発光装置は、波長変換層内に界面17及び空隙21が形成されていない構造になっている。
比較例2の発光装置は、上記発光装置10の製造方法における蛍光体粒子の噴霧時に、蛍光体粒子を含む溶液にさらに粒径0.5〜30μmの光拡散粒子(TiO2を用いた、尚Al23でも良い)を5wt%混合した溶液を噴霧し、ガラスバインダー溶液を一回のみ塗布して、クラック(空隙)が発生しないように比較的低温(例えば、150℃)で硬化させて波長変換層を形成したものである。すなわち、比較例2の発光装置は波長変換層内に光拡散粒子が含有されており、かつ界面17及び空隙21が形成されていない構成になっている。
比較例3の発光装置は、発光素子の支持基板をSi基板(熱膨張係数2.6×10-6/℃)とした発光素子を用い、蛍光体粒子を噴霧した後に、硬化の後に熱膨張係数が12×10-6になるように調製したガラスバインダー溶液を一回のみ塗布して、実施例に記載した製造方法と同様に180℃で硬化させて透光性層を形成し、波長変換層を形成したものである。比較例3の発光装置においては、発光素子の支持基板とガラスバインダー硬化した後の透光性層の熱膨張係数の差が大きい故に、波長変換層内に発光素子の上面と垂直な方向成分が大きい縦方向のクラック(空隙)が形成されている。
比較評価においては、実施例の発光装置10と比較例1−3の発光装置に同量の順方向電流(例えば20mA)を流して、色むらの改善の効果、色度の視認角度依存性及び光束維持率を評価した。また、比較評価においては、波長変換層に空隙が形成されておらず、光散乱粒子も含有されていない比較例1を基準に比較評価を行った。
まず、色むらの改善の効果の評価を行った。色むらは目視によって評価した。色むらは、比較例3の発光装置は比較例1の発光装置と同等であり、実施例の発光装置10及び比較例2の発光装置は、比較例1の発光装置よりも色むらが改善されていた。
次に、色度の視認角度依存性を評価した。この評価は、比較例1の発光装置に対して色むらの改善効果が認められた実施例の発光装置10及び比較例2の発光装置に対して行った。この評価においては、CIE1931(JIS Z8701)で規定された方法で発光素子の光軸を0°として角度−70°〜+70°まで10°毎に色度を表すCx値を測定し、0°及び70°でのCxの差異を角度依存性評価値ΔCxとし、比較例1の発光装置と実施例の発光装置10及び比較例2の発光装置とでΔCxを比較することによって改善率を算出して評価を行った。改善率は(1−(評価対象のΔCx/比較例1の発光装置のΔCx))×100とした。結果、各々の改善率は、実施例の発光装置10が19.46%、比較例2の発光装置は13.58%となり、実施例の発光装置10の方が改善率は高かった。
最後に光束維持率の評価を行った。この評価も、比較例1の発光装置に対して色むらの改善効果が認められた実施例の発光装置10及び比較例2の発光装置に対して、比較例1の発光装置と比較することによって行った。光束維持率は、(評価対象の全光束/比較例1の発光装置の全光束)×100とした。結果、光束維持率は、実施例の発光装置10が98.29%、比較例2の発光装置が94.41%となり、実施例の発光装置10の方が光束維持率が高かった。
これらの結果から、本発明の実施例の発光装置10のように波長変換層に発光素子13の上面と平行な方向の成分が大きい横方向の空隙21を形成することで、比較例2の発光装置のように波長変換層に光散乱粒子を含有させるよりも、全光束を高く維持しつつ視認角度に対する色むらを改善することが可能であることがわかった。また、比較例3の発光装置のように、波長変換層に縦方向の空隙があることでは、色むらが改善されないことがわかった。
[変形例等]
図5は、発光装置10の変形例を示す図であり、図1の領域Aの拡大図である。上述の実施例では、空隙21が隣り合う蛍光体粒子19の表面を接続するように形成されているとしたが、図5に示すように、空隙21が蛍光体粒子19の表面から離間して形成されていてもよい。
また、上述の実施例では、第1の透光性層15Aと第2の透光性層15Bの界面17を跨いで蛍光体粒子19が存在し、蛍光体粒子19の間に空隙21が存在することとしたが、本発明はこのような構成には限定されない。例えば、界面17が蛍光体粒子19が存在する領域よりも高い位置(発光素子13から離れた位置)に形成され、蛍光体粒子19が存在する領域よりも高い位置に空隙21が形成されることとしてもよい。このようにした場合にも、励起光が空隙21に進入することで分散されて、励起光の出射量が発光装置10の光出射方向に亘って均一化され、発光装置10の視認角度による色むらを低減することができる。
また、上記実施例では、波長変換層15を第1の透光性層15Aと第2の透光性層15Bの2層で形成することとしたが、波長変換層15を3層以上の透光性層で形成することとしてもよい。それにより、透光性層の界面が複数形成されて、界面の各々に空隙が形成されることによって、発光素子から出射される励起光をさらに散乱させて、励起光の出射量を発光装置の光出射方向に亘ってさらに均一化することが可能となる。
上記実施例では、ガラス前駆体を溶解させたアルコール系またはキシレン等の揮発性のある有機溶剤を用いて透光性層15A及び15Bを形成したが、透光性層15A及び15Bの形成には様々な材料(溶液)を使用することが可能である。
例えば、透光性層15A及び15Bの形成にはポリシラザン溶液を用いることができる。ガラス前駆体であるポリシラザンは、分子式(R1R2SiNR3)nで表され、R1、R2およびR3は、それぞれ水素原子またはアルキル基、アリール基、ビニル基、シクロアルキル基を表し、nは重合数を表す。透光性層15A及び15Bの形成に用いるポリシラザン溶液には、例えばn=1〜60程度のポリシラザンを用いることができる。
ポリシラザン溶液と共に用いる反応促進剤としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、塩酸、シュウ酸、フマル酸、スルホン酸、酢酸やニッケル、鉄、パラジウム、イリジウム、白金、チタン、アルミニウムを含む金属カルボン酸塩などが挙げられる。なお、反応促進剤は必ずしも用いなくともよい。
また、ポリシラザン溶液の溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン炭化水素、エーテル類、エステル類を使用することができる。具体的には、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルフルオライド、クロロホルム、四塩化炭素、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルブチルエーテル等が挙げられる。
なお、透光性層15A及び15Bの形成には、有機貴金属化合物、加水分解用の水、溶媒及び触媒を含むゾルゲル溶液も使用可能であり、当該ゾルゲル溶液の有機金属化合物としては、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート等、溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等、触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸、アンモニア等が使用可能である。
また、上記実施例においては、第1及び第2の透光性層15A、15Bを形成するために使用するガラスバインダー溶液は、硬化後の第1及び第2の透光性層15A、15Bの熱膨張係数が同様になるように調製したが、第1の透光性層15Aと第2の透光性層15Bとで、熱膨張係数が異なるように、例えばガラス前駆体の種類を変更する等して、ガラスバインダー溶液を調製して空隙21の発生を促進させることとしてもよい。
また、シリコーン樹脂等の他の透光性材料を塗布して硬化させることで透光性層15A及び15Bを形成することとしてもよい。その際に、第1の透光性層15Aと第2の透光性層15Bを硬度の異なる透光性材料で形成することで、界面17におけるクラックの形成を助長することとしてもよい。
また、上記実施例においては、蛍光体粒子19としてYAG:Ce蛍光体を用いたが、窒化物蛍光体等他の蛍光体を用いてもよい。また、本発明は、LD(Laser Diode)素子等他の発光素子を用いた発光装置にも応用可能であり、いわゆるフェイスアップ素子、フリップチップ素子、メタルボンディング(支持基板貼り合わせ構造)素子等様々な素子を用いた発光装置にも適用可能である。
上述した実施例における種々の数値、寸法、材料等は、例示に過ぎず、用途及び製造される半導体素子等に応じて、適宜選択することができる。
10 発光装置
11 支持体
13 発光素子
15 波長変換層
15A 第1の透光性層
15B 第2の透光性層
17 界面
19 蛍光体粒子
21 空隙

Claims (5)

  1. 支持体と、前記支持体上に配されて発光層を含む半導体層からなる発光素子と、前記発光素子上に配されて蛍光体粒子を含む透光性部材からなる波長変換層と、を有する発光装置であって、
    前記波長変換層は、前記半導体層上に配された第1の透光性層と、前記第1の透光性層の上に配された第2の透光性層と、を有し、前記第1の透光性層と前記第2の透光性層との間の界面に空隙が存在することを特徴とする発光装置。
  2. 前記蛍光体粒子が、前記第1の透光性層から前記第2の透光性層に突出しており、当該突出している蛍光体粒子の各々の間の前記界面に空隙が存在することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記空隙が当該突出している蛍光体粒子の表面を接続するように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 支持体上に発光素子を配置するステップと、
    前記発光素子上に蛍光体粒子を堆積するステップと、
    前記発光素子上に前記蛍光体粒子の上から第1の透光性材料を塗布する第1の塗布ステップと、
    前記第1の塗布ステップにおいて塗布された前記第1の透光性材料を仮硬化するステップと、
    前記第1の透光性材料上に第2の透光性材料を塗布する第2の塗布ステップと、
    前記第1及び前記第2の透光性材料を硬化させるステップと、を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
  5. 前記蛍光体粒子が、前記仮硬化ステップの後に前記第1の透光性材料の上面から突出していることを特徴とする請求項4に記載の発光装置の製造方法。
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US11942579B2 (en) 2017-02-13 2024-03-26 Nichia Corporation Light emitting device and adaptive driving beam headlamp

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