JP2015081937A - 画像形成装置及び画像形成装置の設計方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 省エネ化を図るため、定着ニップ装置の定着ニップ幅を狭くしても、十分な定着性を確保でき、しかも、耐熱性や保存性の点でも問題の少ない画像形成装置及び画像形成装置の設計方法を提供する。
【解決手段】 回転可能な定着ローラ101と、この定着ローラ101の表面に押圧する加圧ローラ106とを備え、これら定着ローラ101と加圧ローラ106との間に、記録紙を挟む定着ニップ部Nを圧接形成し、この定着ニップ部N内に記録紙を通紙させることにより、記録紙に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置であり、定着ローラ101の回転速度をV(mm/s)、定着ニップ部Nのニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱されたホットプレート上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合に、記録紙が定着ニップ部Nを通過するニップ通過時間W/Vを、0.5t≦W/Vとした。
【選択図】 図2
【解決手段】 回転可能な定着ローラ101と、この定着ローラ101の表面に押圧する加圧ローラ106とを備え、これら定着ローラ101と加圧ローラ106との間に、記録紙を挟む定着ニップ部Nを圧接形成し、この定着ニップ部N内に記録紙を通紙させることにより、記録紙に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置であり、定着ローラ101の回転速度をV(mm/s)、定着ニップ部Nのニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱されたホットプレート上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合に、記録紙が定着ニップ部Nを通過するニップ通過時間W/Vを、0.5t≦W/Vとした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置において、記録部材上の未定着トナー像を接触加熱定着する定着装置を備えた画像形成装置及び画像形成装置の設計方法に関するものである。
従来の定着装置としては、一対の定着ローラと加圧ローラ(加圧部材)との間に圧接形成された定着ニップ部に記録紙の未定着トナー像を通過させることにより、記録紙の未定着トナー像を定着させるローラ対方式の装置が知られている(特許文献1参照)。この定着装置の定着ローラは、アルミ等の金属製の中空芯金の内部に加熱源としてハロゲンランプが配置され、ローラの表面に設けられた温度センサ(サーミスタ)の信号を入力した温度制御回路によりハロゲンランプがオン、オフ制御されることでローラの表面温度が一定に保たれる。
加圧ローラは、芯金上に被覆層としてシリコーンゴム等の耐熱性の弾性層が覆着されたタイプが用いられている。弾性層は、定着ローラと加圧ローラとが圧接された場合に弾性変形して所定の定着ニップ部を形成し、この定着ニップ部に記録紙の未定着トナー像が通過することにより、未定着トナー像が熱溶融して定着する。
このような定着装置において、定着ニップ部の幅(以下、定着ニップ幅と記す)を極力狭く設定し、逆に定着ローラの表面温度(以下、定着温度と記す)を高く設定することにより、記録紙へ逃げる熱損失を少なくし、省エネ化を図る技術が提案されている。図5はこの効果を伝熱シミュレーションにより計算した結果である。具体的には、トナーの記録紙に対する定着性(定着強度)はトナーと記録紙との界面温度に依存することから、定着温度と定着ニップ幅とは、各々異なるものの、トナーと記録紙の界面温度は同じ103℃となる(すなわち、定着性は同じである)。
下記の3条件
(1)条件1:定着温度220度、定着ニップ幅3.2mm
(2)条件2:定着温度185度、定着ニップ幅5.5mm
(3)条件3:定着温度165度、定着ニップ幅7.5mm
で、定着ニップ部出口での記録紙の厚み方向の温度を計算した結果が図7である。
(1)条件1:定着温度220度、定着ニップ幅3.2mm
(2)条件2:定着温度185度、定着ニップ幅5.5mm
(3)条件3:定着温度165度、定着ニップ幅7.5mm
で、定着ニップ部出口での記録紙の厚み方向の温度を計算した結果が図7である。
図5の結果から、定着ニップ幅が狭いほど、記録紙の厚み方向の温度が低く、同じ定着性を確保しながら、記録紙への熱損失を低減できる、すなわち、省エネ化を図れることが分かる。
しかしながら、本発明者等が鋭意検討した結果、計算上はトナーと記録紙との界面温度が十分な定着性を確保できる温度まで上がる条件でも、使用するトナーの特性によっては、定着ニップ幅を狭くし過ぎると、十分な定着性を確保できない場合のあることが判明した。その理由としては、定着ニップ幅を狭くすると、トナー像が定着ニップ部を通過する時間(以後、ニップ通過時間と記す)も短くなるが、トナーが溶融するのに必要な時間(以後、トナー溶融時間と記す)がニップ通過時間よりも長いと、定着ニップ部でトナーが十分溶融しないためである。
一方、溶融時間の短いトナーを用いれば、上記課題は解決できるものの、一般的に溶融時間の短いシャープメルトなトナーは耐熱性(保存性)の点で問題があり、高温の環境下で放置されると、現像槽内でトナーが固化してしまうという別の問題が新たに発生する懸念が生じる。
本発明は上記に鑑みなされたもので、省エネ化を図るため、定着ニップ装置の定着ニップ幅を狭くしても、十分な定着性を確保でき、しかも、耐熱性や保存性の点でも問題の少ない画像形成装置及び画像形成装置の設計方法を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する装置であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、0.5t≦W/V
としたことを特徴としている。
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、0.5t≦W/V
としたことを特徴としている。
また、本発明においては上記課題を解決するため、回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する装置であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、W/V≦2t
としたことを特徴としている。
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、W/V≦2t
としたことを特徴としている。
また、本発明においては上記課題を解決するため、回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する装置であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、0.5t≦W/V≦2t
としたことを特徴としている。
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、0.5t≦W/V≦2t
としたことを特徴としている。
なお、トナーの溶融時間tは、t≦0.035であることが好ましい。
また、トナーを、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するコア粒子と、このコア粒子を被覆するシェル層とを有するカプセルトナーとすることができる。
また、トナーを、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するコア粒子と、このコア粒子を被覆するシェル層とを有するカプセルトナーとすることができる。
また、本発明においては上記課題を解決するため、回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置の設計方法であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vが、0.5t≦W/V
を満たすようトナー及び定着装置を設定することを特徴としている。
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vが、0.5t≦W/V
を満たすようトナー及び定着装置を設定することを特徴としている。
また、本発明においては上記課題を解決するため、回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置の設計方法であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vが、W/V≦2t
を満たすようトナー及び定着装置を設定することを特徴としている。
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vが、W/V≦2t
を満たすようトナー及び定着装置を設定することを特徴としている。
また、本発明においては上記課題を解決するため、回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置の設計方法であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、0.5t≦W/V≦2t
を満たすようトナー及び定着装置を設定することを特徴としている。
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、0.5t≦W/V≦2t
を満たすようトナー及び定着装置を設定することを特徴としている。
なお、トナーの溶融時間tを、t≦0.035に設定することができる。
請求項1〜3、及び6〜8記載の発明によれば、トナーの溶融時間に応じた最適な範囲にニップ通過時間を設定するので、トナーの特性に依らず、常に十分な定着性を確保することができるという効果がある。
また、請求項4、9記載の発明によれば、t≦0.035で溶融するトナーを用いるので、ニップ幅を従来よりも狭くすることができ、記録部材への熱損失を低減し、省エネ効果を十分に発揮させることができる。
また、請求項5記載の発明によれば、溶融時間t≦0.035という非常にシャープメルトなトナーでも、コア‐シェル構造によって耐熱性(保存性)も確保することができるので、画像形成装置の省エネ化を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態について図1に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システム1の構成を示す内部構成図である。
画像形成システム1は、画像形成装置2を核に、各々周辺機器であるスキャナ3、自動原稿搬送装置4、後処理装置5、記録材供給装置6、中継搬送ユニット8、及び両面搬送装置10が接続され、機能が拡張されている。このうち、画像形成装置2及び後処理装置5は、記録材供給装置6の上面に並んで載置され、これらの上方にスキャナ3が、その上部に配置された自動原稿搬送装置4と共に、システムラック7上に支持されることで配置されている。
画像形成システム1は、画像形成装置2を核に、各々周辺機器であるスキャナ3、自動原稿搬送装置4、後処理装置5、記録材供給装置6、中継搬送ユニット8、及び両面搬送装置10が接続され、機能が拡張されている。このうち、画像形成装置2及び後処理装置5は、記録材供給装置6の上面に並んで載置され、これらの上方にスキャナ3が、その上部に配置された自動原稿搬送装置4と共に、システムラック7上に支持されることで配置されている。
画像形成装置2は、スキャナ3により読み込まれた画像の記録出力はもとより、外部接続機器としてパーソナルコンピュータ等の画像処理装置が接続されると、外部接続機器からの画像データを記録出力するよう機能する。
画像形成装置2の略中央左側には、感光体(感光体ドラム)200を中心とした電子写真プロセス部(画像形成部)20が配置されている。感光体200の周囲には、感光体200の表面を均一に帯電させる帯電ローラ201、均一に帯電された感光体200上に光像を走査して静電潜像を書き込む光走査ユニット22、この光走査ユニット22により書き込まれた静電潜像を現像剤により再現する現像ユニット202、感光体200上に再現された画像を記録材である記録紙上に転写する転写ユニット203、転写後の感光体200上に残留した現像剤を除去して感光体200上に新たな画像を記録することを可能にするクリーニングユニット204、及び感光体200の表面の電荷を除去する除電ランプユニット(不図示)等が配置されている。
画像形成装置2の下部、すなわち記録材供給装置6側には、記録紙を収容可能な記録材供給部21が配置されている。この記録材供給部21は、記録紙を収容する記録材収容トレイ210と、この記録材収容トレイ210に収容された記録紙を1枚ずつ分離給紙する分離供給手段211とで構成されている。この分離供給手段211により1枚ずつ分離給紙された記録紙は、電子写真プロセス部20の感光体200と転写ユニット203との間に順次供給され、感光体200上に記録再現されたトナー画像が転写される。なお、記録材供給部21に対する記録紙の補給や記録紙の交換等の作業は、画像形成装置2本体の正面側に記録材収容トレイ210が引き出されることにより行われる。
画像形成装置2本体の下面には、オプション配置されている記録材供給装置6から送られてくる記録紙を受け入れ、電子写真プロセス部20の感光体200と転写ユニット203との間に向かって順次供給するための記録材受口27が設けられている。
電子写真プロセス部20の上方には、記録紙の未定着トナー画像を定着させる定着装置23が配置され、画像が転写された記録紙を順次受け入れて、記録紙上に転写された現像剤を加熱定着して定着装置23外へと記録紙を送り出すよう機能する。画像が記録された記録紙は、画像形成装置の排出ローラ28から画像形成装置2本体の上面の中継搬送ユニット8に受け渡される。このように画像形成装置2の用紙搬送パス(記録材搬送路)64は、下から上に向かって略縦型に構成されている。
電子写真プロセス部20の側方、つまり電子写真プロセス部20に対して用紙搬送パス64と略直行する方向に隣接する位置には、光走査ユニット22が配置されている。そして、この光走査ユニット22の上下空間部には、電子写真プロセスをコントローラするプロセスコントローラユニット(PCU)基板と、装置外部からの画像データを受け入れるインターフェイス基板とを収容する装置制御部24、インターフェイス基板から受け入れられた画像データに対して所定の画像処理を施し、光走査ユニット22により感光体200上に画像として走査記録させるためのイメージコントローラユニット(ICU)基板を備えた画像制御部25、さらに、これら各種基板、並びにユニットに対して電力を供給する電源ユニット26等が配置されている。
記録材供給装置6は、オプションにより付設された外付けの装置であり、3つの記録材供給部61・62・63を有している。この記録材供給部61・62・63では、記録材収容トレイ610・620・630に収容した記録紙を、各々に備えられた分離給送手段611・621・631によりそれぞれ1枚ずつ分離し、記録材供給装置6上面に設けられ、画像形成装置2の記録材受口27に連通している記録材排出口65に向かって供給する。稼働時には、所望とするサイズの記録紙を収容した記録材供給部61・62・63が選択的に動作する。記録材供給部61・62・63への記録紙の補給は、該ユニット本体の正面側に記録材収容トレイ610・620・630が引き出されることにより行われる。
記録材供給装置6は、上部に画像形成装置2と後処理装置5を載置するように構成されているが、この状態で移動してシステムラック7の間に固定して配置可能なように、下部に移動コロ69及び固定部68を備えている。これら移動コロ69及び固定部68は、移動時には、固定部68を回転させて上昇させておくことで固定部68を床面から離間させ、固定時には、固定部68を回転させて下降させることで固定部68を床面に接触させ、記録材供給装置6を固定する。
なお、図1では、記録材供給装置6が3つの記録材供給部61・62・63を有する場合を例示しているが、何らこれに限定されるものではない。記録材供給装置6は、少なくとも1つの記録材供給部を有していれば良い。
後処理装置5は、画像形成装置2、中継搬送ユニット8から排出される画像の記録された記録紙を上部に設けられた搬入ローラ50で導入し、記録紙に対して後処理を施すよう機能する。後処理としては、ステープル処理、パンチング処理、ソート処理等があげられるが、図1に例示している後処理装置5は、ステープル処理を行うものであり、後処理されたものは下段の排紙トレイ59に、後処理されないものは上段の排紙トレイ56に、切り換えゲート52により選択的に排出される。
スキャナ3は、自動原稿搬送装置4により自動的に供給されるシート状の原稿を1枚ずつ順次露光走査して原稿画像を読み取る自動読み取りモードと、ユーザのマニュアル操作によりセットされるブック状の原稿、又は自動原稿搬送装置4による自動供給が不可能なシート状の原稿の原稿画像を読み取る手動読み取りモードとを備えている。そして、透明な原稿載置台30上にセットされた原稿の原稿画像を、相互に所定の速度関係で原稿載置台30に沿って移動する第1走査ユニット31、及び第2走査ユニット32で露光走査し、ミラーや結像レンズ33等の光学部品で導いて光電変換素子34上に結像させることで、原稿画像を電気的信号に変換した上で出力する装置である。
自動原稿搬送装置4は、原稿セットトレイ40上に載置された原稿を原稿載置台30上に向かって搬送し、走査後の原稿を原稿排出トレイ42上に排出する原稿搬送手段41を備えている。また、自動供給が不可能なシート状の原稿を原稿載置台30上に載置して読み取り走査可能なよう、自動原稿搬送装置4が装置リア側を支点にして上方に回動し、装置の手前側が開放するように構成されている。
中継搬送ユニット8は、画像形成装置2の頂部に設けられた排紙トレイ29の上部に装着され、画像形成装置2の排紙ローラ28から排出される画像が記録された記録紙を画像形成装置2の下流側に位置する後処理装置5に向かって導入するための搬送ユニットである。この中継搬送ユニット8の記録材搬送経路84の途中で、記録紙を該ユニットの上面82と後処理装置5の上面54とで形成された排出トレイ9に導く別の記録材搬送経路83が分岐している。2つの排出先は、搬送路の分岐部に配置されたゲート81の切換により、変更可能となっている。
両面搬送装置10は、画像形成装置2の側面に装着され、記録紙の両面に画像を形成する際に記録紙を反転させるための搬送装置である。記録紙を反転させる際には、排紙ローラ28が記録紙を途中まで排出させた状態で停止し、逆転することにより記録紙を両面搬送装置10側へ導く。この際、定着装置23の後に設けられたゲート85の切換により、記録紙が定着装置23側へ戻らず、両面搬送装置10に進入することになる。両面搬送装置10を通過した記録紙は、電子写真プロセス部20の手前から再度用紙搬送パス64に入って電子写真プロセス部20等を通過することで裏面に画像が形成される。
このような画像形成システム1では、記録材供給装置6の上に画像形成装置2と後処理装置5とが並んで載置される構造であり、画像形成装置2本体の幅寸法をL1、後処理装置5本体の幅寸法をL2とすると、記録材供給装置6の幅寸法Lは、L1+L2にほぼ等しくなるよう設計されている。
この画像形成システム1のように各周辺機器を組み合わせてシステムを構成することにより、ユーザが所望する画像形成システムを容易に実現できるようになる。一方、このような画像形成システム1では、システム全体の温度や湿度等の調整を考慮する必要が生じる。これに対して、各周辺機器ごとにヒータやファン等を設けると、システム全体として部品点数が増加し、画像形成システム1のコストアップ等の問題を招来する。そこで、この画像形成システム1は、画像形成装置2と記録材供給装置6との間にヒータ(発熱体)300を設ける構成としている。
次に、定着装置23について、図2や図3を用いて詳細に説明する。図2は定着装置23の断面図、図3は定着装置23の定着ローラ101の軸方向から見た図である。
定着装置23は、定着ローラ101を備え、この定着ローラ101の軸方向両端部に軸受102がそれぞれ嵌着されており、定着ローラ101が回転可能に設置されている。この定着ローラ101の端部には、図示しないギアが接続され、このギアに別途設置のモーターからの駆動力が伝達されることにより、定着ローラ101が回転駆動する。
定着装置23は、定着ローラ101を備え、この定着ローラ101の軸方向両端部に軸受102がそれぞれ嵌着されており、定着ローラ101が回転可能に設置されている。この定着ローラ101の端部には、図示しないギアが接続され、このギアに別途設置のモーターからの駆動力が伝達されることにより、定着ローラ101が回転駆動する。
定着ローラ101は、その内部に複数のハロゲンランプ105a、105bが、表面には温度センサである複数のサーミスタ103a、103bが、表面近傍には異常温度検知手段である複数のサーモスタット104a、104bがそれぞれ配設されている。この定着ローラ101と対向する位置には、記録紙通紙用の定着ニップ部Nを圧接形成する加圧ローラ106が配置され、この加圧ローラ106の軸端部には回転可能とする図示しないベアリングが嵌着されており、このベアリングには、定着ローラ101の表面へ加圧させるための加圧保持部107が接続されるとともに、この加圧保持部107には、荷重を付与するための圧縮ばね108が接続されている。
先ず、定着ローラ101について具体的に説明する。定着ローラ101は、例えば外径30〜40mm、肉厚0.45〜0.8mm、全長346mmのアルミや鉄等の芯金上に、記録紙上のトナーがオフセットするのを防止する離型層(例えば、PTFE製等)が形成され、定着ニップ部Nの直前位置にサーミスタ103a、103bが接触している。
本実施例の離型層は、例えば厚さ7μmのプライマー層を介し、PFAとPTFEのブレンドしたものが厚さ15〜30μmに塗布焼成されることで形成されている。この離型層の材料としては、耐熱性や耐久性に優れ、トナーとの離型性が優れる材料であれば良く、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系材料を使用しても良い。
サーミスタ103a、103bは、定着ローラ101の表面に接触し、定着ローラ101の表面で検知した温度に基づいてハロゲンランプへの電力供給を制御し、定着ローラ101の表面を所定の温度に制御するよう機能する。
ハロゲンランプは、定着ローラ101の中央部を加熱するハロゲンランプ105aと、定着ローラ101の両端部を加熱する105bとを備え、ハロゲンランプ105aが接続したリード線109aでサーモスタット104aと接続されており、さらにサーモスタット104aを介して定着器の外側に設置した電源110と接続されている。
同様にハロゲンランプ105bは、接続したリード線109bでサーモスタット104bと接続され、さらにサーモスタット104bを介して定着器の外側に設置した電源110と接続されており、ハロゲンランプから電源までは接触不良等が起きないよう硬く接続されている。ハロゲンランプ105a、105bは、図示しないランプフォルダにより、定着ローラ101の内部で定着ローラ101の内面に接触しないよう固定されている。
加圧ローラ106は、例えば外径が23〜40mmで、金属製の芯金上に弾性層としてシリコーンスポンジゴムを備え、このシリコーンスポンジゴムの表面に離型層としてPFAチューブが形成されている。弾性層は、例えば厚さ5.5mmの耐熱性を有するシリコーンゴムが使用されている。離型層の材料としては、耐熱性や耐久性に優れ、トナーとの離型性が優れるものであれば、PFA、PTFE等のフッ素系材料でも良い。
なお、離型層に用いるPFAチューブとしては、カーボン等の導電化剤を含有した導電性のPFAチューブを用いる方がより好ましい。この理由としては、絶縁性のPFAチューブを用いた場合、記録紙や定着ローラ101との摩擦帯電により、加圧ローラ106はおおよそ−5kVに帯電し、その結果、定着ローラ101の定着ニップ部Nにおいて、同じマイナス極性のトナーを定着ローラ101側に反発させる電界が作用し、定着ローラ101に対する静電オフセット(静電気的にトナーが定着ローラ101に付着する現象のこと)の原因となるからである。
そこで、本実施例では、導電性PFAチューブを使用することで、加圧ローラ106の帯電を防止し、静電オフセットの発生を抑制している。この帯電防止効果を得るために、本実施例では、体積抵抗105ΩcmのPFAチューブを用いている。
<実験例>
次に、各種トナーと定着装置とを使用し、トナーの溶融時間tとニップ通過時間W/Vとが定着性や消費電力にどのように影響しているかについて、実験により調べた結果について図4や表1、2、3を用いて説明する。
次に、各種トナーと定着装置とを使用し、トナーの溶融時間tとニップ通過時間W/Vとが定着性や消費電力にどのように影響しているかについて、実験により調べた結果について図4や表1、2、3を用いて説明する。
[トナー]
先ず、本実験に使用したトナーについて説明する。本実験に使用したトナーは、結着樹脂、着色剤、離型材を含有するコア粒子と、このコア粒子を被覆するシェル層とを有するタイプであり、従来のシェル層を有しないタイプに比べ、溶融時間の短いことが特徴である。
先ず、本実験に使用したトナーについて説明する。本実験に使用したトナーは、結着樹脂、着色剤、離型材を含有するコア粒子と、このコア粒子を被覆するシェル層とを有するタイプであり、従来のシェル層を有しないタイプに比べ、溶融時間の短いことが特徴である。
本トナーはコア粒子の表面にシェル層が形成されて存在するので、例えばニップ通過時間に対応するよう、溶融時間を短くするため、コア粒子には、瞬時に溶融して伸び広がる特性の成分(シャープメルト特性)のものを含有する一方、シェル剤としては、現像容器内での撹拌によるストレスが付加されても、トナー粒子の凝集を防止することができる成分で構成される。このようなコア―シェル構造のカプセルトナーを用いることにより、シャープメルト特性を維持しながら長期使用によるトナーの性質の変化を防止することができる。
トナーの製造方法としては、例えばコア粒子にシェルとしての樹脂微粒子を付着させ、融着させることで製造される。コア粒子は従来のトナーと同じ粉砕法によって作製され、コア粒子に対する樹脂微粒子のコーティングは表面改質装置を用いて行われる。
なお、トナーの製造方法としては、上記方法に限定されるものではなく、例えば懸濁重合法、乳化凝集法(Emulsion-Aggregation法)、溶解懸濁法に代表されるように、湿式で材料から直接、あるいはサブミクロンサイズの構成成分微粒子を調整し、これらを用いて湿式でトナーを製造する方法(ケミカル法)を用いても良い。また、溶融時間が0.035秒以下のトナーであれば、コア−シェル構造のカプセルトナーに何ら限定されるものでもない。
表1に本実施例で用いたトナーの緒元を示す。
トナーAは、ガラス転移点温度45℃、軟化温度120℃の結着樹脂(本実施例ではスチレン-アクリル樹脂)を用いてコア粒子を作製し、このコア粒子の表面の全面にガラス転移点温度60℃、軟化温度130℃の樹脂微粒子(本実施例ではスチレン−アクリル樹脂)をコーティングしてシェル層を形成することで、カプセルトナーを得た。
同様の手法で、コアの結着樹脂であるスチレンアクリル樹脂のガラス転移点温度を50℃、軟化温度を130℃にした以外は、同じ手法でトナーを得た(トナーB)。
同様の手法で、コアの結着樹脂であるスチレンアクリル樹脂のガラス転移点温度を50℃、軟化温度を130℃にした以外は、同じ手法でトナーを得た(トナーB)。
一方、従来のシェル層を有しない構造のトナーについても作製した。作製方法は、上記実施例のコア粒子を作成する方法のみの工程となる。したがって、従来のトナーでは、上記作製方法でいうコア粒子の作成工程の中で、現像容器内での撹拌によるストレスが付加されても、トナー粒子の凝集を防止することができる成分で構成される必要があるため、スチレンアクリル樹脂のガラス転移点温度は、実施例のシェル層と同じ60℃、軟化点温度は130℃のトナーを用意し、その他の組成は同一のものを用いた(トナーC)。
次に、本実施例で用いたトナーの溶融時間の測定方法について、図4を用いて説明する。図4に示すように、トナーTの溶融時間は、加熱装置であるホットプレートH、高速度カメラV、トナーTが充填されたスポイドSを用いて測定する。
ホットプレートHは、任意の温度に加熱され、加熱面に対し、スポイドSを用いて微量のトナーTを落下させる。トナーTがホットプレートHの加熱面に落下した後の溶融状態を、高速度カメラVで観察することにより、トナーTの溶融時間が測定できる。また、高速度カメラVは1msec(0.001秒)ごとの撮影が可能であり、トナーTがホットプレートHの加熱面に落下した瞬間から、ホットプレートH上でトナーTが楕円形状になり、濡れ広がり始めるまでの時間をトナーTの溶融時間とした。今回は比較例として、コアーシェル構造ではない従来のトナーについても、溶融時間を測定した。
次に、トナーの溶融時間を測定した実験結果に関し、表1を用いて説明する。
先ず、ホットプレートの温度は230℃に設定した。その理由を以下に説明する。本実施例の定着装置の定着制御温度(定着ローラの表面温度)を180℃としたとき、加圧ローラの表面温度(≒記録紙の平均温度)は定着ローラからの熱を受けて約70℃で安定する。すわわち、定着ニップ部を通過するトナーは平均125℃(=(180+70)/2)の温度を上下方向から受けることになる。
先ず、ホットプレートの温度は230℃に設定した。その理由を以下に説明する。本実施例の定着装置の定着制御温度(定着ローラの表面温度)を180℃としたとき、加圧ローラの表面温度(≒記録紙の平均温度)は定着ローラからの熱を受けて約70℃で安定する。すわわち、定着ニップ部を通過するトナーは平均125℃(=(180+70)/2)の温度を上下方向から受けることになる。
一方、ホットプレート上に落下したトナーは下側からのみ加熱されるので、定着ニップ部と同じ平均温度とするため、雰囲気温度が20℃であることから、次式より
125×2−20=230
ホットプレートの温度を230℃に設定した。この条件でトナーの溶融時間を測定した結果、表1に示したように、比較例で使用したトナーでは0.055秒であることが判明した。一方、本実施例1で使用したトナーは0.015秒で溶融することができた。同様に本実施例2で使用したトナーは、0.035秒で溶融することができた。
125×2−20=230
ホットプレートの温度を230℃に設定した。この条件でトナーの溶融時間を測定した結果、表1に示したように、比較例で使用したトナーでは0.055秒であることが判明した。一方、本実施例1で使用したトナーは0.015秒で溶融することができた。同様に本実施例2で使用したトナーは、0.035秒で溶融することができた。
[定着装置]
次に、本実験に用いた定着装置について、表2を用いて説明する。
次に、本実験に用いた定着装置について、表2を用いて説明する。
本発明の定着装置Aは、外径30mm、肉厚0.8mmのアルミ製芯金上に、離型層として厚さ7μmのプライマー層を介し、PFAとPTFEのブレンドした材料を厚さ22.5μmに塗布焼成した定着ローラを用いた。また、加圧ローラとしては、外径23mmで、金属製芯金上にスポンジゴムを被覆し、さらにその上に導電性PFAチューブを被せた製品硬度(アスカーC)が60度のものを使用した。その結果、定着ニップ幅としては、3.0mmとなった。
定着装置Bは、定着装置Aの加圧ローラの製品硬度を50度とすることにより、定着ニップ幅を4.0mmに拡大した。
定着装置Cは、外径40mm、肉厚0.45mmの鉄製芯金上に、離型層として厚さ7μmのプライマー層を介し、PFAとPTFEのブレンドした材料を厚さ22.5μmに塗布焼成した定着ローラを用いた。また、加圧ローラとしては、外径40mmで、金属製芯金上にスポンジゴムを被覆し、さらにその上に導電性PFAチューブを被せた製品硬度(アスカーC)が60度のものを使用した。その結果、定着ニップ幅としては、5.0mmとなった。
定着装置Cは、外径40mm、肉厚0.45mmの鉄製芯金上に、離型層として厚さ7μmのプライマー層を介し、PFAとPTFEのブレンドした材料を厚さ22.5μmに塗布焼成した定着ローラを用いた。また、加圧ローラとしては、外径40mmで、金属製芯金上にスポンジゴムを被覆し、さらにその上に導電性PFAチューブを被せた製品硬度(アスカーC)が60度のものを使用した。その結果、定着ニップ幅としては、5.0mmとなった。
定着装置Dは、定着装置Cの加圧ローラの製品硬度を45度とすることで、定着ニップ幅を7.5mmに拡大した。
[実験方法及び実験結果]
次に、表2の定着装置を上記画像形成装置に組み込み、表1のトナーを使用して記録紙を毎分46枚の速度で50枚通紙したときの定着性と消費電力とを測定し、その結果を表3にまとめた。
次に、表2の定着装置を上記画像形成装置に組み込み、表1のトナーを使用して記録紙を毎分46枚の速度で50枚通紙したときの定着性と消費電力とを測定し、その結果を表3にまとめた。
表3において、実験例1-1〜1-4はトナーCを用いた結果、実験例2-1〜2-4はトナーBを用いた結果、実験例3-1〜3-4はトナーAを用いた結果である。表3に示したように、同じトナーを用いた実験では、トナーと記録紙との界面温度が同じ温度になるよう定着温度を設定した。トナーと記録紙との界面温度については、前記したように一次元の熱伝導シミュレーションを用いて計算した。
定着性の評価方法としては、黒ベタの定着画像を作成し、この黒ベタの定着画像上に1kgfの荷重を作用させて砂消しゴムを3往復させて擦り、擦る前後の画像濃度を測定し、擦る前の画像濃度に対する擦った後の画像濃度の比率(トナー残存率)が80%を越える場合を◎、80%を下回る場合を×とした。
消費電力の評価方法としては、記録紙を連続通紙中の定着装置の平均消費電力を電力計で測定して比較した。なお、表3の括弧内の数値は、同じトナーで定着装置Aの消費電力を1としたときの各定着装置での消費電力の比率を示したものである。
表3の結果から、トナーの種類に関係なく、ニップ通過時間W/Vをトナーの溶融時間tで割った値W/V÷tが0.5より小さくなると、トナーと記録紙との界面温度が同じであっても、十分な定着性を確保できないことが判明した。理由としては、トナーの溶融時間tに比べ、ニップ通過時間が短すぎると、定着ニップ部内でトナーが十分溶融しきれないまま、定着ニップ部を通過してしまうためと考えられる。
したがって、ニップ通過時間W/Vとしては、
0.5t≦W/V
となるよう設計すれば、トナーの物性に関係なく、十分な定着性を確保することができる。
0.5t≦W/V
となるよう設計すれば、トナーの物性に関係なく、十分な定着性を確保することができる。
逆に、トナーの溶融時間tに対し、ニップ通過時間W/Vを大きく取りすぎると、本来の定着ニップ幅を狭くすることで、記録紙への熱損失を低減して省エネ化を図るという効果が小さくなってしまう。表3の消費電力の結果から、実験例3-4では、実験例3-1の定着装置Aを用いた場合に比べ、38%も消費電力が増大することが分かる。その理由としては、ニップ通過時間W/Vをトナーの溶融時間tで割った値が2.22と非常に大きく、トナーの溶融に不必要に時間をかけているためである。
このことから、消費電力を極力削減するという観点から、ニップ通過時間W/Vとしては
W/V≦2t
となるよう計算すれば、定着ニップ幅を狭くすることによる省エネ効果を十分に引き出すことができる。
W/V≦2t
となるよう計算すれば、定着ニップ幅を狭くすることによる省エネ効果を十分に引き出すことができる。
また、表3の結果から、トナーCのように溶融時間が0.055秒と長いトナーでは、定着ニップ幅をあまり狭くできず、十分な省エネ効果を引き出すことができないことから、トナーの溶融時間としては、0.035秒以下(トナーBやトナーA)がより好ましいことが分かる。
なお、本実施例ではモノクロ用の定着装置23について説明したが、本発明はモノクロ用の定着装置23だけでなく、ベルト式の定着装置やカラー用の定着装置にも適用することができる。
1 画像形成システム
2 画像形成装置
3 スキャナ
4 自動原稿搬送装置
5 後処理装置
6 記録材供給装置
7 システムラック
8 中継搬送ユニット
10 両面搬送装置
23 定着装置
101 定着ローラ(定着部材)
102 軸受
103a サーミスタ
103b サーミスタ
104a サーモスタット
104b サーモスタット
105a ハロゲンランプ
105b ハロゲンランプ
106 加圧ローラ(加圧部材)
H ホットプレート(加熱装置)
N 定着ニップ部
T トナー
2 画像形成装置
3 スキャナ
4 自動原稿搬送装置
5 後処理装置
6 記録材供給装置
7 システムラック
8 中継搬送ユニット
10 両面搬送装置
23 定着装置
101 定着ローラ(定着部材)
102 軸受
103a サーミスタ
103b サーミスタ
104a サーモスタット
104b サーモスタット
105a ハロゲンランプ
105b ハロゲンランプ
106 加圧ローラ(加圧部材)
H ホットプレート(加熱装置)
N 定着ニップ部
T トナー
Claims (9)
- 回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、0.5t≦W/V
としたことを特徴とする画像形成装置。 - 回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、W/V≦2t
としたことを特徴とする画像形成装置。 - 回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、0.5t≦W/V≦2t
としたことを特徴とする画像形成装置。 - トナーの溶融時間tは、t≦0.035である請求項1、2、又は3記載の画像形成装置。
- トナーを、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するコア粒子と、このコア粒子を被覆するシェル層とを有するカプセルトナーとした請求項1ないし4いずれかに記載の画像形成装置。
- 回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置の設計方法であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vが、0.5t≦W/V
を満たすようトナー及び定着装置を設定することを特徴とする画像形成装置の設計方法。 - 回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置の設計方法であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vが、W/V≦2t
を満たすようトナー及び定着装置を設定することを特徴とする画像形成装置の設計方法。 - 回転可能な定着部材と、この定着部材の表面を押圧する加圧部材とを備え、これら定着部材と加圧部材との間に、記録部材を挟むニップ部を形成し、このニップ部内に記録部材を通過させることにより、記録部材に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置を有する画像形成装置の設計方法であって、
定着部材の回転速度をV(mm/s)、ニップ部のニップ幅をW(mm)、一定温度に加熱された加熱装置上に未定着トナー像のトナーを落下させたときに、トナーが濡れ広がるまでの溶融時間をt(s)とした場合、
記録部材がニップ部を通過するニップ通過時間W/Vを、0.5t≦W/V≦2t
を満たすようトナー及び定着装置を設定することを特徴とする画像形成装置の設計方法。 - トナーの溶融時間tを、t≦0.035に設定する請求項6、7、又は8記載の画像形成装置の設計方法。
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2013
- 2013-10-21 JP JP2013218268A patent/JP2015081937A/ja active Pending
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