JP2015081685A - 溶解炉の配電構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】配電構造を長寿命化することができ、溶解炉を安定して稼動させることができる溶解炉の配電構造を提供する。
【解決手段】熔解炉の電熱ヒーターに給電するための配電構造であって、外部から電源を供給する供給用電線2と電熱ヒーターに接続されたヒーター用電線3と、を接続する接続部10を備えており、接続部10は、導電性材料から形成された棒状または板状の導体部材11〜16によって導電路が形成されている。導電路の補修作業の頻度を少なくすることができるので、導電路の補修作業による溶解炉の操業停止を少なくでき、溶解炉を安定して操業することができる。しかも、導体部材11〜16には絶縁被覆を設けていないので、これらの部材は溶解炉の他の部品などと接しないように配設される。したがって、導体部材からの漏電なども防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶解炉の配電構造に関する。
銀地金や金地金などは、原料となる銀や金などの原料となる金属を熔解したのち、熔解された金属を鋳型に流し混んで製造される。かかる金属の溶解には、金属を熔解する炉本体を備えた溶解炉が使用される(例えば、特許文献1、2等)。
かかる溶解炉の一例として、図6に示すような構造を有するものがある。
図6において、符号Fは、原料となる金属が投入されこの金属を熔解する炉本体を示している。この炉本体Fの周囲には電熱ヒーターが設けられており、この電熱ヒーターに通電することによって炉本体Fを加熱し、炉本体F内の金属を熔解している。
ここで、炉本体Fの電熱ヒーターへの給電は、一般的には、以下のように電線を配設することによって行われている。
図6において、符号101は、溶解炉の外部に設けられた電源と接続された給電電線を示している。この給電電線101は、給電碍子Gにおいて渡り電線102と接続されており、この渡り電線102は、編組線103を介して電熱ヒーターに接続されている。このため、外部電源から供給される電流は、給電電線101によって溶解炉に供給された後、渡り電線102と編組線103とを経て、電熱ヒーターに供給されるのである。
ところで、溶解炉の内部は、炉本体Fや電熱ヒーターの熱によって非常に高温になっており、上述した各電線101〜103も高温になっている。具体的には、炉本体Fからの輻射熱や炉上部との接触による伝熱などによって各電線101〜103は加熱される。このため、各電線101〜103には、かかる熱に対する耐久性を有する耐熱絶縁電線が採用されている。
特開2005−214555 実公昭64−7019
しかし、溶解炉の内部では、炉本体Fからの輻射熱や炉上部との接触による伝熱などによって、各電線101〜103は180℃以上まで加熱される。このため、各電線101〜103として耐熱絶縁電線を使用しても、耐熱絶縁電線の絶縁被覆は時間とともに損傷する。そして、絶縁被覆の損傷した状態で通電を続けた場合、絶縁被覆が損傷した部分が溶解炉の構成機器等に接触すれば、漏電により絶縁被覆の損傷は拡大し、電熱ヒーターへの給電が継続できなくなるだけでなく、電源装置の故障を引き起こすなどの問題が生じる。このため、各電線101〜103は定期的に補修しなければならない。すると、各電線101〜103の補修のために溶解炉の操業を停止しなければならないので、溶解炉の操業効率が低下するという問題が生じている。
一方、炉本体Fも定期的に補修を行うため、この炉本体Fの定期補修と同時に各電線101〜103の補修作業を行うようにすれば、各電線101〜103の補修のためだけに操業を停止する場合に比べて、操業効率の低下を抑えることができる。
しかし、各電線101〜103は、溶解炉の内部において上記のごとき環境に晒されているので、炉本体Fの定期補修よりも短い間隔で補修を行う必要があり、各電線101〜103の補修作業に起因する操業効率の低下の問題は解消できていない。
本発明は上記事情に鑑み、配電構造を長寿命化することができ、溶解炉を安定して稼動させることができる溶解炉の配電構造を提供する事を目的とする。
第1発明の溶解炉の配電構造は、熔解炉の電熱ヒーターに給電するための配電構造であって、外部から電源を供給する供給用電線と電熱ヒーターに接続されたヒーター用電線と、を接続する接続部を備えており、該接続部には、導電性材料から形成された棒状または板状の導体部材によって形成されていることを特徴とする。
第2発明の溶解炉の配電構造は、第1発明において、前記導電路は、複数本の前記導体部材を組み合わせて形成されていることを特徴とする。
第3発明の溶解炉の配電構造は、第2発明において、複数の前記導体部材は、該導体部材に形成された貫通孔に軸状部材を挿通させることによって互いに連結されており、前記導体部材の貫通孔は、該導体部材の軸方向に長い長孔であることを特徴とする。
第4発明の溶解炉の配電構造は、第1、第2または第3発明において、前記導体部材が銅ブスバーであることを特徴とする。
第1発明によれは、電源からヒーターまでの導電路のうち、供給用電線とヒーター用電線とを接続する接続部を、導電性材料から形成された棒状または板状の導体部材で形成している。すると、接続部に電線を使用する場合に比べて、熱による接続部の損傷を抑えることができるので、導電路の損傷を抑制することができる。したがって、導電路の補修作業の頻度を少なくすることができるので、導電路の補修作業による溶解炉の操業停止を少なくでき、溶解炉を安定して操業することができる。しかも、導体部材には絶縁被覆を設けていないので、これらの部材は溶解炉の他の部品などと接しないように配設される。したがって、導体部材からの漏電なども防止することができる。
第2発明によれば、接続部は、複数本の導体部材を組み合わせて形成されているので、接続部の交換や設置作業が容易になる。
第3発明によれば、導体部材に形成された貫通孔に導電性の軸状部材を挿通させるだけで導体部材同士をある程度位置決めできるので、導電路の交換や設置作業が容易になる。しかも、貫通孔が導体部材の軸方向に長い長孔であるので、設計や製造時の誤差などがあっても、導体部材同士を適切に位置決めして設置することができる。
第4発明によれば、導体部材が銅ブスバーであるので、導電効率が高くなる。
本実施形態の溶解炉の配電構造を採用した溶解炉の概略説明図である。 接続部10の連結構造を説明する概略平面図である。 (A)は図2のIIIA−IIIA線矢視図であり、(B)は図2のIIIB−IIIB線矢視図であり、(C)は図2のIIIC−IIIC線矢視図であり、(D)は図2のIIID−IIID線矢視図である。 導電部材11〜14の概略単体説明図である。 導電部材15、16の概略単体説明図である。 従来の溶解炉の配電構造の概略説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の溶解炉の配電構造は、電熱ヒーターによって炉本体を加熱する溶解炉において、外部電源から電熱ヒーターに対して給電するための配電構造であって、高熱の環境下でも長期間使用できかつ交換などを容易にできるようにしたことに特徴を有している。
なお、本発明の溶解炉の配電構造が設けられる溶解炉の用途はとくに限定されない。例えば、原料となる銀を熔解して銀地金を製造する溶解炉や金属の熱処理を行う熱処理炉などを挙げることができる。
(溶解炉の説明)
本発明の溶解炉の配電構造を説明する前に、配電構造が設けられる溶鉱炉を簡単に説明する。
図1において、符号Fは溶鉱炉の炉本体を示している。この炉本体Fは、内部に原料となる銀が収容熔解され、熔解した銀が貯留されるものである。この炉本体Fは、電熱ヒーターから供給される熱を内部に効率よく伝達できる素材で形成されたものである。例えば黒鉛などから形成されたものであるが、とくに限定されない。
溶鉱炉の炉本体Fの周囲には、炉本体Fを囲むようにヒーターが設けられている。この電熱ヒーターは、輻射熱によって炉本体Fを加熱するものである。
また、図1に示すように、溶鉱炉は、炉本体Fの周囲を囲むように設けられた壁Wを備えており、この壁Wによって炉本体Fや電熱ヒーターなどからの輻射熱の影響が周囲に及ぶことを防いでいる。
そして、溶鉱炉には、電熱ヒーターと外部の電源とを連結する配電構造1を有している。
この配電構造1は、電源Bに接続され壁Wに形成された開口等を通して溶鉱炉内に導入された給電用電線2を有している。この給電用電線2は、溶鉱炉内の熱(例えば、炉本体Fからの輻射熱等)に晒されてもある程度の期間は絶縁被膜が損傷しない(言い換えれば、絶縁性を維持できる)ものである。例えば、周囲環境が140〜150℃程度までは絶縁性を維持できる、一般的な耐熱絶縁電線を給電用電線2として使用できる。
この給電用電線2は接続部10に接続されている。この接続部10は、溶鉱炉の壁Wの内部において、壁Wと炉本体Fとの間に設けられており、棒状または板状の導体部材によって導電路を形成している。
この接続部10には、電熱ヒーターに接続されたヒーター用電線3が接続されている。つまり、外部電源から供給される電流は、給電用電線2を通して接続部10に供給され、この接続部10からヒーター用電線3を通して電熱ヒーターに供給されるのである。
なお、ヒーター用電線3も、溶鉱炉内の熱に晒されてもある程度の期間は絶縁被膜が損傷しないものであり、給電用電線2と同様に、一般的な耐熱絶縁電線を使用することができる。
つぎに、接続部10を説明する。
図2に示すように、接続部10は、溶鉱炉の壁Wの内部に設けられており、複数の給電碍子10aと複数の中継碍子10b、そして、複数の導体部材11〜16を備えている。
まず、給電碍子10aおよび中継碍子10bは、磁器やガラスなどの絶縁素材によって形成された部材である。この給電碍子10aおよび中継碍子10bは、給電用電線2やヒーター用電線3、導体部材11〜15を支持する部材であり、溶鉱炉の床面に設けられている。そして、この給電碍子10aおよび中継碍子10bによって、給電用電線2やヒーター用電線3、導体部材11〜15は、溶鉱炉内において、溶鉱炉の他の構造物から絶縁した状態に維持されている。
図1に示すように、複数の給電碍子10aは、炉本体Fを囲むようにほぼ等角度間隔で配設されている。また、複数の中継碍子10bは、給電碍子10aよりも炉本体F側に配置され、かつ、炉本体Fを囲むようにほぼ等角度間隔で配設されている。そして、一つの給電碍子10aと複数の中継碍子10bは、導体部材11〜16によって連結されている。
例えば、図1および図2に示すように、一つの給電碍子10aに対して3つの中継碍子10bが設けられる場合には、一つの中継碍子10b(中央中継碍子10b)は、炉本体Fの半径方向において、炉本体Fと給電碍子10aとの間に配設される。そして、他の2つの中継碍子10bは、炉本体Fを中心として、中央中継碍子10bとほぼ同一円周上に位置するように配設される。つまり、全ての中継碍子10bと炉本体Fからの距離がほぼ同じ距離となるように、全ての中継碍子10bが配設される。
以下の説明では、図1および図2のように給電碍子10aおよび中継碍子10bが配設された場合について説明する。
なお、図1示すように、一般的な溶鉱炉では、上述したように、給電碍子10aは、通常、3箇所設けられ、一つの給電碍子10aに対して3つ程度の中継碍子10bが設けられる。しかし、給電碍子10aを設ける数および一つの給電碍子10aに連結する中継碍子10bの数はとくに限定されない。例えば、給電碍子10aを一箇所だけ設けて、この給電碍子10aと全ての中継碍子10bが導体部材11〜16によって連結されるようにしてもよい。
また、図2に示すように、給電碍子10aおよび中継碍子10bには、一対の軸状部材10c,10cが立設されている。この一対の軸状部材10c,10cは、いずれも導電性を有する素材、例えば、鉄や真鍮などによって形成されている。そして、各軸状部材10cの側面には雄ネジが形成されているが、その理由は後述する。
図2および図3に示すように、給電碍子10aと中継碍子10bの間には、導体部材11〜16が橋架けしたような状態で設置されている。つまり、導体部材11〜16は、給電碍子10a、中継碍子10b、軸状部材10cにしか接しないように設置されている。
(導体部材11、12の説明)
まず、給電碍子10aと、給電碍子10aに最も近い位置に配置された中継碍子10b、つまり、上述した中央中継碍子10bとの間には、導体部材11、12が配置されている。
図2に示すように、導体部材11は、給電碍子10aの右側の軸状部材10cと中央中継碍子10bの右側の軸状部材10cとの間に設けられている。この導体部材11の両端部には、導体部材11の上下を貫通する貫通孔11hが形成されている(図4参照)。そして、導体部材11は、その両端部の貫通孔11hに給電碍子10aの右側の軸状部材10cおよび中央中継碍子10bの右側の軸状部材10cをそれぞれ挿通することによって、その両端部を各軸状部材10cに連結している(図3参照)。
図3および図4に示すように、この導体部材11は、棒状または板状の部材を軸方向の両端間で屈曲して形成されている。具体的には、導体部材11は、その両端部の貫通孔11hに各軸状部材10cをそれぞれ挿通したときに、その両端部の上面間で段差ができ、しかも、その両端部の上面(および/または下面)が互いに平行となるように形成されている。
図2に示すように、導体部材12は、給電碍子10aの左側の軸状部材10cと中央中継碍子10bの左側の軸状部材10cとの間に設けられている。この導体部材12にも、導体部材11同様に、その両端部に上下を貫通する貫通孔12hが形成されている(図4参照)。そして、導体部材12は、その両端部の貫通孔12hに給電碍子10aの左側の軸状部材10cおよび中央中継碍子10bの左側の軸状部材10cをそれぞれ挿通することによって、その両端部を各軸状部材10cに連結している(図3参照)。
図3および図4に示すように、この導体部材12も、導体部材11と同様に、棒状または板状の部材を軸方向の両端間で屈曲して形成されている。具体的には、導体部材12も、その両端部の貫通孔12hに各軸状部材10cをそれぞれ挿通したときに、その両端部の上面間で段差ができ、しかも、その両端部の上面(および/または下面)が互いに平行となるように形成されている。そして、導体部材12は、両端部の上面間の段差D2(言い換えれば屈曲角度θ2)が導体部材11の段差D1(言い換えれば屈曲角度θ1)よりも大きくなるように形成されているが、その理由は後述する。
そして、図2に示すように、導体部材11、12には、給電用電線2およびヒーター用電線3が電気的に接続されている。
具体的には、給電碍子10aおよびヒーター用電線3はいずれも一対の導線を備えている。そして、給電用電線2の一方の導線が、導体部材11における給電碍子10a側の端部に接続されており、給電用電線2の他方の導線が、導体部材12における給電碍子10a側の端部に接続されている。一方、ヒーター用電線3の一方の導線が導体部材11における中継碍子10b側の端部に接続されており、ヒーター用電線3の他方の導線が導体部材12における中継碍子10b側の端部に接続されている。
以上のような構成を有しているので、外部電源→給電用電線2→導体部材11(または導体部材12)→ヒーター用電線3→電熱ヒーター→ヒーター用電線3→導体部材12(または導体部材11)→給電用電線2→外部電源、と流れる導電路を形成することができるのである。
なお、導体部材11,12には、給電碍子10b側に配置される端部に、貫通孔11h,12hとは別に連結孔11c,12cが設けられているが、その理由は後述する。
(導体部材13〜16の説明)
導体部材13、14は、軸方向の長さが若干短いことを除けば、導体部材11、12をほぼ同じ形状を有している。つまり、導体部材13、14は、いずれも軸方向の両端間で屈曲されており、その両端部に上下方向を貫通する貫通孔13h,14hが形成されている。
導体部材13は、その貫通孔13hに中央中継碍子10bの両側に位置する中継碍子10bの右側の軸状部材10cが挿通された状態となるように配設されている。この導体部材13は、貫通孔13hに軸状部材10cが挿通された状態において、両端部の上面間の段差D3(言い換えれば屈曲角度θ3)が、導体部材11の段差D1(言い換えれば屈曲角度θ1)と同じ角度となるように形成されている。
また、導体部材13における貫通孔13h,13間の距離は、導体部材11において、中央中継碍子10bの軸状部材10cに挿通される貫通孔11hから連結孔11cまでの距離とほぼ同じ長さになるように設けられている。
そして、導体部材13は、一方の端部を中継碍子10bの軸状部材10cに取り付ける際に、他方の端部の高さが、導体部材11における中央中継碍子10bの軸状部材10cに取り付けられる端部の高さとほぼ同じ高さになるように設置する。この理由は後述する。
一方、導体部材14は、その貫通孔14hに中央中継碍子10bの両側に位置する中継碍子10bの左側の軸状部材10cが挿通された状態となるように配設されている。この導体部材14は、貫通孔14hに軸状部材10cが挿通された状態において、両端部の上面間の段差D4(言い換えれば屈曲角度θ4)が、導体部材12の段差D2(言い換えれば屈曲角度θ2)と同じ角度となるように形成されている。
また、導体部材14における貫通孔14h,14間の距離は、導体部材12において、中央中継碍子10bの軸状部材10cに挿通される貫通孔12hから連結孔12cまでの距離とほぼ同じ長さになるように設けられている。
そして、導体部材14は、一方の端部を中継碍子10bの軸状部材10cに取り付ける際に、他方の端部の高さが、導体部材12における中央中継碍子10bの軸状部材10cに取り付けられる端部の高さとほぼ同じ高さになるように設置する。この理由は後述する。
また、図1および図5(A)に示すように、導体部材15は、棒状または板状の部材の両端部を屈曲して、平面視で略弧状になるように形成された部材である。この導体部材15は、導体部材11と、2つの導体部材13とを電気的に連結する部材である。上述したように、導体部材11,13を中央中継碍子10bの軸状部材10cに取り付けると、導体部材11,13は、中継碍子10b側の端部がほぼ同じ高さとなる。したがって、導体部材11の中継碍子10b側の端部の上面または下面(図3では上面)に接するように導体部材15を配置すれば、導体部材15は、2つの導体部材13,13の中継碍子10b側の端部の上面または下面(図3では上面)に接するように配置される。つまり、導体部材11と、その両側に位置する2つの導体部材13,13が、全て導体部材15によってつながった状態とすることができるのである。
また、この導体部材15には、適所にその上下を貫通する貫通孔15hが3つ形成されている。この貫通孔15hは、導体部材15と、導体部材11および2つの導体部材13,13とを連結するために設けられている。
具体的には、導体部材11の連結孔11cと導体部材15の中央の貫通孔15hが重なるように、導体部材15を配置すると、2つの導体部材13の他方の端部の貫通孔13hと、導体部材15の残り2つの貫通孔15hとがそれぞれ重なりあうように、導体部材15には3つの貫通孔15hが形成されている。
すると、連結孔11cと貫通孔15h、貫通孔13hと貫通孔15hにボルトなどを挿通すれば、導体部材15を、導体部材11と2つの導体部材13,13に連結することができるのである。
図1および図5(B)に示すように、導体部材16は、導体部材15と同様に、棒状または板状の部材の両端部を屈曲して、平面視で略弧状になるように形成された部材である。この導体部材16は、導体部材12と、2つの導体部材14とを電気的に連結する部材である。上述したように、導体部材12,14を中央中継碍子10bの軸状部材10cに取り付けると、導体部材12,14は、中継碍子10b側の端部がほぼ同じ高さとなる。したがって、導体部材12の中継碍子10b側の端部の上面または下面(図3では下面)に接するように導体部材16を配置すれば、導体部材16は、2つの導体部材14,14の中継碍子10b側の端部の上面または下面(図3では下面)に接するように配置される。つまり、導体部材12と、その両側に位置する2つの導体部材14,14が、全て導体部材16によってつながった状態とすることができるのである。
また、この導体部材16にも、適所にその上下を貫通する貫通孔16hが3つ形成されている。この貫通孔16hは、導体部材16と、導体部材12および2つの導体部材14,14とを連結するために設けられている。
具体的には、導体部材12の連結孔12cと導体部材16の中央の貫通孔16hが重なるように、導体部材16を配置すると、2つの導体部材14の他方の端部の貫通孔14hと、導体部材16の残り2つの貫通孔16hとがそれぞれ重なりあうように、導体部材16には3つの貫通孔16hが形成されている。
すると、連結孔12cと貫通孔16h、貫通孔14hと貫通孔16hにボルトなどを挿通すれば、導体部材16を、導体部材12と2つの導体部材14,14に連結することができるのである。
以上のごとく、導体部材15によって、導体部材11と2つの導体部材13とを連結すれば、導体部材15を通して、導体部材11と2つの導体部材13とを電気的に連結することができる。
同様に、導体部材16によって、導体部材12と2つの導体部材14とを連結すれば、導体部材16を通して、導体部材12と2つの導体部材14とを電気的に連結することができる。
そして、導体部材13および導体部材14における中継碍子10b側の端部にそれぞれヒーター用電線3接続すれば、外部電源→給電用電線2→導体部材11(または導体部材12)→導体部材15(または導体部材16)→導体部材13(または導体部材14)→ヒーター用電線3→電熱ヒーター→導体部材14(または導体部材13)→導体部材16(または導体部材15)→導体部材12(または導体部材11)→給電用電線2→外部電源、と流れる導電路を形成することができるのである。
なお、導体部材15および導体部材16を設置した場合、両者が干渉する可能性がある。しかし、導体部材11(導体部材13)における両端部の上面間の段差D1(D3)と、導体部材12(導体部材14)における両端部の上面間の段差D2(D4)と、が異なるので、導体部材11〜14を適切に配置すれば、導体部材15と導体部材16の干渉を防止することができる。例えば、図3に示すように配置すれば、導体部材15と導体部材16の干渉を防止することができる。
以上のごとく、本実施形態の溶解炉の配電構造は、外部電源からヒーターまでの導電路のうち、供給用電線2とヒーター用電線3以外の導電路、つまり、接続部10が、上述したような棒状または板状の導体部材11〜16によって形成されている。このため、絶縁被覆を有する導線によって全ての導電路を形成する場合(言い換えれば接続部10を電線に寄って形成する場合)に比べて、熱による導電路の損傷を抑制することができる。
したがって、導電路の補修作業の頻度を少なくすることができるので、導電路の補修作業による溶解炉の操業停止を少なくでき、溶解炉を安定して操業することができる。
しかも、導体部材11〜16は絶縁被覆を設けられていないので、導体部材11〜16は、溶解炉の他の部品などと接しないように配設される。したがって、導体部材11〜16に損傷が生じたとしても、導体部材11〜16は溶解炉の他の部品などと接しないので、導体部材11〜16からの漏電なども防止することができる。
また、上記例では、導体部材11〜14に形成された貫通孔に、軸状部材10cを挿通して、導体部材11〜14を給電碍子10aや中継碍子10bに固定している。また、導体部材11〜14に形成された貫通孔と導体部材15,16に形成された貫通孔にボルトなどを挿通して、導体部材11〜14と導体部材15,16とを連結している。つまり、導体部材11〜16の貫通孔に軸状の部材を挿通させるだけで、導体部材11〜16の連結および設置と導体部材11〜16同士の位置決めを行うことができるので、接続部10の交換や設置作業が容易になる。
とくに、導体部材11〜16の貫通孔の一部または全てを、導体部材11〜16の軸方向に長い長孔とすることが好ましい。この場合、導体部材11〜16の設計誤差等があっても、導体部材11〜16の貫通孔に軸状の部材を挿通させることができるので、導体部材11〜16同士の位置決めが容易になるという利点が得られる。
なお、導体部材11〜16の貫通孔の一部は、貫通孔に挿通される軸状の部材の軸径とほぼ同程度の丸穴とすることが好ましい。この場合、この丸穴の位置を基準として位置決めをできるので、使用する導体部材11〜16の組み合わせに係わらず、ある程度精度よく導体部材11〜16を組み立てることができる。この場合、どの貫通孔を基準となる孔とするかは、とくに限定されない。例えば、上述した導電部材11および導電部材12の連結孔11c,12cを基準孔とし、導電部材15および導電部材16の貫通孔15h,16hを丸孔とすれば、導体部材11〜16をある程度位置決めした状態で連結することができる。
また、上記例では、導体部材11〜16を組み合わせて導電路を形成しているが、導体部材11〜16で形成される導電路を一体で形成してもよい。しかし、導体部材11〜16を組み合わせて導電路を形成すれば、導体部材11〜16単体の重量を軽減でき小型化できるので、導電路(つまり導体部材11〜16)の交換や設置作業が容易になる。しかも、導電路の一部(つまり導体部材11〜16の一部)に損傷が生じた場合でも、その部材だけを交換すれば良くなるので、メンテナンス作業を短時間かつ容易に行うことができるし、メンテナンス費用を低減することもできる。
なお、上記例では、導体部材11,13を連結する導体部材および導体部材12,14を連結する導体部材として、それぞれ別々な部材を使用する場合を説明した。しかし、導体部材15,16を以下のようにすれば、1つの導体部材を、導体部材11,13の連結と導体部材12,14の連結の両方に使用することができる。
例えば、導体部材16と導体部材15を、互いに裏返せば実質的に同じ形状となるように形成すれば、導体部材15を、導体部材16としても使用することができる。すると、導体部材16が不要となるので、部品点数を少なくすることができる。
また、接続部10が左右対称の場合には、導体部材15を左右対称に形成して、図5(A)に示す貫通孔15hに加えて、図5(B)に示す導体部材16の貫通孔16hの位置に貫通孔15hを形成してもよい。この場合には、導体部材15を、導体部材16としても使用できる。つまり、この場合も、導体部材16が不要となるので、部品点数を少なくすることができる。
また、導体部材11〜14は、貫通孔11h〜14hに軸状部材10cを挿通して給電碍子10aや中継碍子10bに固定している。しかし、単に貫通孔11h〜14hに軸状部材10cを挿通しただけでは導体部材11〜14をしっかりと給電碍子10aや中継碍子10bに固定できないので、導体部材11〜14が不安定な状態となる。しかし、軸状部材10cに螺合したナット10nによって導体部材11〜14の端部を上下から挟めば、導体部材11〜14の端部を軸状部材10cにしっかりと固定できる。
しかも、ナット10nによる締め付け位置を変更すれば、軸状部材10cの軸方向における導体部材11〜14の端部の位置(つまり高さ)を変更できる。すると、導体部材11、12を所定の姿勢や高さとなるように固定することができる。そして、ナット10nを締め付けたり緩めたりするだけで、導体部材11〜14の端部の位置を調整できるので、導体部材11〜14の取り付け取り外し、また、位置調整を簡単に行うことができる。
なお、導体部材11〜16は、導体を棒状または板状にしたものであればとくに限定されない。例えば、銅ブスバーやアルミブスバーなどを使用することができる。
本発明の溶解炉の配電構造は、銀地金や金地金などの金属を熔解する炉を備えた溶解炉の配電構造として適している。
1 配電構造
2 供給用電線
3 ヒーター用電線
10 接続部
10a 給電碍子
10b 中継碍子
11 導体部材
12 導体部材
13 導体部材
14 導体部材
15 導体部材
16 導体部材
F 炉本体

Claims (4)

  1. 熔解炉の電熱ヒーターに給電するための配電構造であって、
    外部から電源を供給する供給用電線と電熱ヒーターに接続されたヒーター用電線と、を接続する接続部を備えており、
    該接続部は、
    導電性材料から形成された棒状または板状の導体部材によって形成されている
    ことを特徴とする溶解炉の配電構造。
  2. 前記導電路は、
    複数本の前記導体部材を組み合わせて形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の溶解炉の配電構造。
  3. 複数の前記導体部材は、
    該導体部材に形成された貫通孔に軸状部材を挿通させることによって互いに連結されており、
    前記導体部材の貫通孔は、
    該導体部材の軸方向に長い長孔である
    ことを特徴とする請求項2記載の溶解炉の配電構造。
  4. 前記導体部材の部材が銅ブスバーである
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の溶解炉の配電構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI740577B (zh) * 2020-06-09 2021-09-21 南韓商光洋熱系統韓國股份有限公司 熱處理爐的加熱器供電裝置
CN116294613A (zh) * 2023-05-25 2023-06-23 无锡松煜科技有限公司 一种用于光伏电池制造的电加热炉

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