JP2015081162A - 長尺状体の収納体 - Google Patents
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Abstract
Description
この種の長尺状体の収納体は、エネルギー消費型と、エネルギー自給型とに大別し得る。エネルギー消費型は、巻取り部として、電気エネルギーを消費して、電動モータを回転させて、この電動モータの回転によりリールを回転させて長尺状体を巻き取るものである。他方、エネルギー自給型は、巻取り部から長尺状体を引き出す際のエネルギーを蓄えておき、蓄えたエネルギーにより長尺状体を巻き取るようにしたものである。エネルギーを蓄える手段としては、特許文献1に示すようにゼンマイバネを利用して弾性エネルギーとして蓄えるものや、位置エネルギーとして蓄えるものが知られている。
長尺状体の巻取りを行うようにする必要がある。
特に、引き出された長尺状体を巻き取るに際しては、不用意に巻取りが行われると、長尺状体に足を取られて転倒するなどの事故の発生が予測される。このような安全性の観点から、当初、本発明者たちは、前述のストッパ機構によって長尺状体の巻取りを常時停止させた状態にしておき、巻取りが必要な際に、使用者が押しボタンを押してストッパ機構を解除して長尺状体の巻取りが行われるようにし、使用者が押しボタンから手を離すと巻取り停止するようにした長尺状体の収納体を開発せんとした。ところが、数メートルの長さに渡って引き出された長尺状体を瞬時に巻き取ることはできず、たとえ巻き取ることができたとしても安全性の観点からは望ましいことではない。そのため、数秒間をかけて長尺状体は巻き取られることになるが、その間、ずっと使用者が押しボタンを押し続けることは、利便性の観点から望ましいことではない。
そこで、本発明の第1の課題は、安全性と利便性とを両立させた長尺状体の巻取りが可能な長尺状体の収納体を提供することにある。
また本発明は、巻取り部と、前記巻取り部に巻回されたコード等の長尺状体と、前記長尺状体の先端に設けられた先端部と、前記先端部を着脱可能に係止する受け部とを備えた長尺状体の収納体において、前記受け部は、前記先端部を前記受け部に係止した際に動く操作部を備え、前記操作部の動きを少なくとも1つの開始条件として、前記巻取り部による前記長尺状体の巻取りが開始され、前記先端部が前記受け部に係止した状態を維持することを少なくとも1つの継続条件として、前記長尺状体の巻取が完了するまで、前記長尺状体の巻取りが継続されることを特徴とする長尺状体の収納体を提供する。
(基本構成)
本発明の実施の形態に係る収納体は、充電用コードの収納体として実施されたもので、この収納体は、駐車場などの床や地面の設置面gに設置されたケーシング1を備える。ケーシング1内には、電気供給線である長尺状体2を巻回する巻取り部3と、出口ローラ4と、中間ローラ5と、ガイド機構6と、ストッパ機構7とが設けられている。使用者は、長尺状体2を引き出して、その先端に設けられた充電プラグ21を、電気自動車のバッテリの接続端子に接続して充電する。充電が終わると、充電プラグ21をケーシング1の受け部22に戻すだけで、引き出した長尺状体2がケーシング1内に巻き取られるようにしたものである。以下、各構成について詳しく説明する。
長尺状体2は、導電部材を絶縁体にて被覆した充電用コードである。この例では、長尺状体2の先端には充電プラグ21が設けられている。充電プラグ21は、電気自動車のバッテリを充電する際、電気自動車へ接続される。
ケーシング1は、縦長の直方体の筺体であり、その正面に長尺状体2の引き出し穴10を備える。引き出し穴10の位置は適宜設定すればよいが、引き出し穴10の下端11が、巻取り部3から長尺状体2が巻きを解かれる長尺状体の解放始点k1よりも、下方に位置し、長尺状体2と接触しないことが望ましい(図2参照)。
巻取り部3は、この例では、図2及び図3へ示す通り、第1案内子31と第2案内子32の少なくとも2つの案内子にて構成されている。長尺状体2は、それぞれの案内子31,32を巻回軸としてこれらの案内子31,32間に1往復以上、複数周掛け渡されており、第1案内子31と第2案内子32とを接近離反させることによって、長尺状体2の巻取り繰り出しがなされる。この第1案内子31と第2案内子32とは少なくとも何れか一方を動かすことで接近離反されるが、この例では、第1案内子31を固定し、第2案内子32を動かす(昇降させる)ことで、接近離反がなされる。繰り出された長尺状体2は、巻取り部3から引き出し穴10を介して引き出し可能とされている。
第1案内子31の支持軸はケーシング1に支持されているが、第2案内子32は、ガイド機構6によって案内されながら昇降する。ガイド機構6はスライド部61とガイド部62とを備え、第2案内子32はその支持軸がスライド部61に支持され、このスライド部61が上下に伸びるガイド部62によって案内されながら昇降する。この例では、スライド部61の前後にガイド部62を配置することで、ケーシング1の全体の横幅(第1案内子31の軸方向の長さ)を小さくしている。
長尺状体2が繰り出し前の状態では、スライド部61及び第2案内子32は下端に位置している。そして、使用者がケーシング1の引き出し穴10から出ている長尺状体2の先端側を引っ張ることで、スライド部61が重力に抗して上昇する。この引っ張りを止めて長尺状体2が自由状態となることで、スライド部61の位置エネルギーによってスライド部61が下降して長尺状体2が巻き取られる。
なお、図示は省略するが、スライド部61の昇降の上限と下限には、コイルバネなどのショックアブソーバを設けておくことも望ましい。
図3(A)へ示す通り、ケーシング内には、出口案内部としての出口ローラ4と、中間案内部としての中間ローラ5とが配置されている。出口ローラ4は引き出し穴10の近くに配置され、中間ローラ5は出口ローラ4と第1案内子31との間に配置されている。
ストッパ機構7は、引き出した長尺状体2から手を離しても、不用意に長尺状体が巻き取られることがないようにするためのものである。具体的には、当接部71と、操作部72と、連結部材73とを備える。連結部材73は支点74によって回動可能に支持されており、連結部材73の一端には当接部71が接続され、他端には操作部72が接続されている。操作部72は、ケーシング1の外側に配置されている。この操作部72を、ケーシング1に近づくように押すことで、当接部71が長尺状体2から離れる方向に移動する。
(長尺状体2の引き出し)
長尺状体2の先端側を使用者が引っ張ると、長尺状体2は、当接部71による若干の抵抗を受けつつも、当接部71を押し上げながら、引っ張りだされる。その際、前述のように、第2案内子32及びスライド部61は重力に抗して上昇する。
長尺状体2から使用者が手を離すと、当接部71による抵抗で、長尺状体2の動きが停止し、第2案内子32及びスライド部61も停止するが、その重力は長尺状体2を巻き込む方向に引っ張る方向に作用している。従って、当接部71による抵抗は、この重力による引っ張り力よりも大きなものに設定されている。
操作部72を、ケーシング1に近づくように押すと、連結部材73が支点74を中心に回動して、当接部71を長尺状体2から離れる方向に移動させる。これによって、当接部71による抵抗が軽減もしくは解除されて、第2案内子32及びスライド部61の重力によっる長尺状体2に対する引っ張りの力が当接部71による抵抗よりも大きくなり、長尺状体2が巻取り部3に巻き取られる。
この実施の形態では、充電プラグ21をケーシング1の外部(この例では正面)に設けられた受け部22に装着することで、ストッパ機構7の操作部72を押圧するように構成されており、使用者は電気自動車への充電が終わったら、長尺状体2の先端の充電プラグ21を受け部22にセットすることで、自動的に長尺状体2が巻き上げられるようにしている。充電プラグ21は、電気自動車への充電プラグ21として標準化されているもので、その先端には筒状の差し込み部28と、差し込み部28の上方に突出するラッチ24とを備える。差し込み部28の内部には、一対の電源端子25と、その下方に配置された一対の信号端子27と、1つのアース端子26とを備える。
図5に示すように、前述のスライド部61を案内するガイド部62は、ケーシング1の前後(第2案内子32の支持軸を挟んで両側)に配置することによって、左右の幅を小さくして実施されている。但し、黒丸で示すように、ガイド部62を第2案内子32の支持軸の前後に配置して、ケーシング1の左右の幅を抑えるようにしてもよい。また、Xで示すように、ガイド部62をスライド部61の斜めに配置してもよい。
また、前述の例では、操作部72の動きの有無のみによって、長尺状体2の巻取りの開始と継続とが決定されていたが、他の条件を付加して、長尺状体2の巻取りの開始と継続とを決定するようにしてもよい。例えば、押しボタン等の第2操作手段をケーシング1に設けて、作業者による操作手段の操作を第2の開始条件と第2の継続条件に付加してもよい。より具体的には、前記充電プラグ21が装着される前か、後か、前後の何れかにおいて、第2操作手段が操作されることを条件に、巻取りが開始されるようにしてもよい。また、長尺状体2の巻取りは、前記充電プラグ21が係止されていても、第2操作手段が操作されることによって、中断されるようにしてもよい。第2操作手段は、前述のストッパ機構7とは別個のストッパ機構を設けたものであってもよく、前述のストッパ機構7に組み入れたものとして、第2操作手段が操作されていないと、当接部71が動かないように構成するなどしたものであってもよい。さらに、第2操作手段は、開始条件と継続条件との何れか一方のみをなすものであってもよく、第2操作手段に加えて第3操作手段を設けても良い。
巻取り部3は、第1案内子31と第2案内子32の2つの案内子にて構成したが、3つ以上の案内子を用いてもよい。その際、これら3個以上の案内子を多角形の頂点に配置したり、W字状の端部と屈曲点に配置したりしてもよく、複数の案内子を動かすようにしてもよく、種々変更して実施することができる。また、案内子は、回動させない場合には、長尺状体が接触する部分のみがあればよいため、半円形のもので構成することによって、互いの案内子を極めて近くまで接近させることができる。
2 長尺状体
3 巻取り部
4 出口ローラ
5 中間ローラ
6 ガイド機構
7 ストッパ機構
10 引き出し穴
11 引き出し穴の下端
12 給電部
21 充電プラグ
22 受け部
23 係止部
24 ラッチ
25 電源端子
26 アース端子
27 信号端子
28 差し込み部
31 第1案内子
32 第2案内子
61 スライド部
62 ガイド部
71 当接部
72 操作部
73 連結部材
74 支点
g 設置面
k1 解放始点
Claims (6)
- 巻取り部と、前記巻取り部に巻回されたコード等の長尺状体と、前記長尺状体の先端に設けられた先端部と、前記先端部を着脱可能に係止する受け部とを備えた長尺状体の収納体において、
前記受け部は、前記先端部を前記受け部に係止した際に動く操作部を備え、
前記操作部の動きによって前記巻取り部による前記長尺状体の巻取りが開始され、前記先端部が前記受け部に係止した状態を維持する間、前記長尺状体の巻取が完了するまで、前記長尺状体の巻取りが継続されることを特徴とする長尺状体の収納体。 - 前記巻取り部は、引き出された状態の前記長尺状体を巻き取るために、前記長尺状体を常時引っ張っており、
前記巻取り部による前記長尺状体の巻取りを止めるストッパ機構を備え、
前記ストッパ機構は、前記長尺状体に接触して抵抗を加えることによって、前記巻取りを止める当接部を備え、
前記長尺状体は、自由状態にあるとき、前記巻取り部によって常時引っ張られながら、前記当接部によって抵抗を受けることにより、巻取りが停止している状態を保つものであり、
前記操作部は、前記当接部に接続され、
前記操作部が動くと、前記当接部による前記抵抗が弱まることによって、前記巻取り部による前記長尺状体の巻取りがなされることをことを特徴とする請求項1記載の長尺状体の収納体。 - 前記巻取り部は、第1案内子と第2案内子の少なくとも2つの案内子にて構成され、
それぞれの前記案内子間に前記長尺状体が掛け渡され、
前記案内子の少なくとも一つは他の案内子に対して接近離反可能な案内子であり、
接近離反可能な案内子はスライド部に設けられ、前記スライド部はガイド部に沿ってスライドし、
前記離反により前記長尺状体を巻取り、前記接近により前記長尺状体を繰り出すようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の長尺状体の収納体。 - 前記巻取り部は、設置面に設置されたケーシング内に設けられ、
前記ケーシングに引き出し穴が開口され、
前記巻取り部に巻回された前記長尺状体は、前記巻取り部から前記引き出し穴を経て外部に引き出されるものであり、
前記引き出し穴の下端は、前記巻取り部から前記長尺状体が巻きを解かれる前記長尺状体の解放始点よりも、下方に位置しており、
前記ケーシング内に、中間案内部と、前記中間案内部よりも引き出し穴寄りに設けられた出口案内部とを備え、
前記出口案内部は、前記解放始点よりも下方に位置し、
前記中間案内部は、前記出口案内部と前記解放始点とを結ぶ線分よりも上方に位置することにより、前記解放始点から前記引き出し穴までの領域において、前記長尺状体が前記ケーシング内で湾曲した状態を保つことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の長尺状体の収納体。 - 前記長尺状体は、プラグインハイブリッド車又はEV車に対する充電用コードであり、前記先端部は、先端に接続端子を有する充電プラグであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の長尺状体の収納体。
- 巻取り部と、前記巻取り部に巻回されたコード等の長尺状体と、前記長尺状体の先端に設けられた先端部と、前記先端部を着脱可能に係止する受け部とを備えた長尺状体の収納体において、
前記受け部は、前記先端部を前記受け部に係止した際に動く操作部を備え、
前記操作部の動きを少なくとも1つの開始条件として前記巻取り部による前記長尺状体の巻取りが開始され、前記先端部が前記受け部に係止した状態を維持することを少なくとも1つの継続条件として、前記長尺状体の巻取が完了するまで、前記長尺状体の巻取りが継続されることを特徴とする長尺状体の収納体。
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