JP2015079671A - 導電線、導電線の製造方法およびコイル - Google Patents

導電線、導電線の製造方法およびコイル Download PDF

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Abstract

【課題】重量が軽く、耐久性のある低抵抗な導電線、そのような導電線の製造方法、並びに、そのような導電線を用いたコイルを提供する。【解決手段】本発明による実施形態に従った導電線は、絶縁体と、絶縁体の中空部分に導入されたカーボンナノチューブとを備えている。カーボンナノチューブは、液体状、ゼリー状またはゲル状の溶媒とともに絶縁体の中空部分に導入されていてもよい。溶媒は、揮発性の溶媒でもよい。カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブでもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、導電線、導電線の製造方法およびコイルに関する。
従来、モータまたは発電機は、金属線を巻いた巻線コイルを用いて形成されている。巻線コイルの金属線として銅線等のような抵抗の低い金属が頻繁に用いられている。しかし、銅線のような金属線は比較的重いため、コイル全体の重量を増大させていた。
一方、電動デバイス用のコイルとして、薄膜金属を用いたシート状コイルが開発されている(特許文献1〜3)。このようなシート状コイルは、金属線を巻いた巻線コイルに比べて軽く、より強い磁力を効率的に発生することができる。
米国特許第6958564号明細書 米国特許第6837085号明細書 米国特許第6111329号明細書(特表2002−542749号公報) 特許第4524110号明細書 特開2013−106392号公報
Aya Uehara et. al. 「高温超電導電機子巻線を適用した永久磁石発電機のコギングトルク低減と発電特性改善に関する基礎検討"Fundamental study on cogging torque reduction and generation characteristics improvement of permanent magnet generator having HTS armature windings"」 2A−a04、 第84回 2011年度春季低温工学・超電導学会
しかし、薄膜金属は、通常の金属線と比べて過電力または熱に対する耐性において弱い。即ち、過電力を供給したときに、薄膜金属は金属線と比べて溶融し易くかつ焦げ易い。例えば、シート状コイルの絶縁シート内に気泡がある場合、薄膜金属は過電力により燃えることもある。この場合、薄膜金属は断線し、故障の原因となる。
上記の課題を解決するために、本実施形態による導電線は、絶縁体と、絶縁体の中空部分に導入されたカーボンナノチューブとを備えている。
カーボンナノチューブは、液体状、ゼリー状またはゲル状の溶媒とともに絶縁体の中空部分に導入されていてもよい。
溶媒は、揮発性の溶媒でもよい。
カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブでもよい。
絶縁体の中空部分に挿入された金属管をさらに備え、カーボンナノチューブは、金属管内に導入されていてもよい。
カーボンナノチューブは、金属管内に充填されており、絶縁体は、金属管を被覆していてもよい。
絶縁体は、表面上にカーボンナノチューブを塗布し、滴下しまたは吹き付けた第1の絶縁体と、カーボンナノチューブ上を被覆する第2の絶縁体とを含んでいてもよい。
絶縁体の中空部分に導入された金属配線をさらに備え、カーボンナノチューブは金属配線上に設けられており、絶縁体は、表面上に金属配線およびカーボンナノチューブを有する第1の絶縁体と、金属配線およびカーボンナノチューブ上を被覆する第2の絶縁体とを含んでいてもよい。
絶縁体の中空部分は、該絶縁体の内部に形成された中空管であり、カーボンナノチューブは、中空管内に導入されていてもよい。
本実施形態によるモータ用または発電機用のコイルは、請求項1から請求項9のいずれかに記載の導電線を用いている。
本実施形態による導電線の製造方法は、中空部分を有する絶縁体内にカーボンナノチューブを導入することを具備している。
カーボンナノチューブは、液体状、ゼリー状またはゲル状の溶媒とともに絶縁体の中空部分に導入されてもよい。
溶媒は、揮発性の溶媒でもよい。
カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブでもよい。
絶縁体は金属管の外周を被覆し、金属管内にカーボンナノチューブを導入してもよい。
当該方法は、カーボンナノチューブを金属管内に導入後、絶縁体および金属管を引き伸ばすことをさらに具備してもよい。
当該方法は、積層造形機を用いて絶縁体を形成することをさらに具備し、絶縁体内の中空部分にカーボンナノチューブを導入してもよい。
本実施形態による他の導電線の製造方法は、第1の絶縁体の表面上にカーボンナノチューブを塗布し、滴下しまたは吹き付け、カーボンナノチューブを被覆するように第2の絶縁体をカーボンナノチューブまたは第1の絶縁体上に塗布し、滴下しまたは吹き付けることを具備している。
カーボンナノチューブは、液体状、ゼリー状またはゲル状の揮発性溶媒中に含まれており、カーボンナノチューブは、揮発性溶媒とともに塗布、滴下または吹き付けられ、第2の絶縁体は、揮発性溶媒の揮発後に塗布、滴下または吹き付けられてもよい。
カーボンナノチューブの塗布、滴下または吹き付け、並びに、第2の絶縁体を塗布、滴下または吹き付けは、印刷技術により実行されてもよい。
本発明は、重量が軽く、耐久性のある低抵抗な導電線、そのような導電線の製造方法、並びに、そのような導電線を用いたコイルを提供する。
第1の実施形態に従った導電線1を示す断面図。 第1の実施形態による導電線1の製造方法を示す図。 ローラ80によって圧縮されるときの導電線1の様子を示す断面図。 第2の実施形態による導電線2の構成を示す斜視断面図。 第2の実施形態による導電線2の製造方法を示す図。 第1の絶縁体11が円筒形である場合における導電線2の製造方法を示す図。 第2の実施形態の変形例による導電線3の構成を示す斜視断面図。 第3の実施形態による導電線4、5の構成を示す図。 モータまたは発電機の巻線コイルの一例、並びに、リニアモータのリニアコアの一例を示す図。 シート状コイルの一例、および、円筒形コイルの一例を示す図。 図9(A)に示す巻線コイルを用いて形成されたモータMOTおよび発電機GENの構成の一例を示す図。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1(A)および図1(B)は、第1の実施形態に従った導電線1を示す断面図である。図1(A)は、導電線1を延伸方向の切断面を示し、図1(B)は、導電線1を延伸方向に対して垂直方向の切断面を示す。導電線1は、電気を伝搬する細長の導線であり、絶縁体10に被覆されていることによって他の導電体と接触しても短絡しないように構成されている。従って、導電線1は、後述するようにモータのコイル、発電機のコイル、リニアモータのコイル(リニアコア)、ソレノイドコイル、リレーコイル、トランス、コアレスコイル等の様々な巻線コイルに用いることができる。
導電線1は、絶縁体10と、金属管20と、カーボンナノチューブ(以下、CNTともいう)30と、溶媒40とを備えている。絶縁体10は、図1(A)に示すように、細長く形成されており、金属管20の外側面に沿って金属管20を被覆するように形成されている。また、絶縁体10は、図1(B)に示すように、中空部分を有するように円形状に形成されている。絶縁体10は、電気的に絶縁性の材料を用いて形成されている。絶縁体10は、例えば、樹脂(プラスチック)、ゴム、ビニール、エナメル、ワニス、ロウ、紙(ワニスやロウを塗布した紙)、セラミック、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、金属酸化膜(例えば、アルミナ)等を用いて形成されている。
金属管20は、絶縁体10と同様に、細長く形成されており、中空部分を有するように円形状に形成されている。金属管20は、中空部分内にCNT30および溶媒40を有している。即ち、絶縁体10の中空部分に金属管20が挿入されており、さらに金属管20の中空部分にCNT30が導入されている。換言すると、CNT30の外周に金属管20が設けられており、さらに、金属管20の外周に絶縁体10が設けられていると言ってもよい。金属管20は、例えば、銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて形成されている。
CNT30は、溶媒40とともに金属管20の中空部分に導入されている。金属管20および絶縁体10は、CNT30が中空分布から外部へ漏れないように構成されている。CNT30は、例えば、単層CNTであり、低抵抗性および高い導電性を有し、粉末状の材料である。多数のCNT30は、金属管20の中空部分内に密接するように導入されており、中空部分内部において互いに電気的に接続されている。従って、CNT30は、絶縁体10および金属管20の中空部分内において、絶縁体10および金属管20の延伸方向へ電気を伝達することができる。これにより、導電線1は、その一端から他端へ電気を流すことができる。CNT30は、例えば、単層CNTであることが好ましい。単層CNTは、多層CNTより低抵抗であるからである。 溶媒40は、CNT30に対して親和性を有する液体状、ゼリー状またはゲル状の溶媒である。溶媒40は、好ましくは、揮発性を有する。CNT30は、溶媒40をバインダとしてインク状に混合されている(溶け込んでいる)。溶媒40は、CNT30と同様に導電性であることが好ましい。
一般に、カーボンナノチューブは、銅と組合させることによって、銅単体と比較しての約100倍の電流を流せることが知られている。例えば、1cm当たり6億アンペアの電流を流せる。尚且つ、カーボンナノチューブの密度は、1cm当たり約5.2グラムであり、銅(約8.5〜8.9g/cm)よりも約40%軽い。
一般的には、上記コイル等に用いられる導電線としては銅線(例えば、エナメル線)が用いられる。例えば、エナメル線は、細長い銅線の外周をエナメル等の絶縁材料で被覆することによって形成されている。
これに対し、本実施形態による導電線1は、絶縁体10および金属管20の中空部分(中心部)に低抵抗かつ軽量なCNT30を導入することによって形成されている。これにより、本実施形態による導電線1は、一般的な銅線(例えば、エナメル線)に比べて、低抵抗かつ軽量になる。また、導電線1は、大きな電流を流すことができる。即ち、導電線1は、電流密度を向上させることができる。
さらに、導電線1は、絶縁体10および金属管20の中空部分内にCNT30および溶媒40を有している。即ち、絶縁体10および金属管20がCNT30および溶媒40を取り囲むように液密または気密に被覆している。従って、微細なCNT30や液状の溶媒40が絶縁体10および金属管20の外部へ漏れ出ない(染み出ない)。
尚、実際の使用時において、導電線1を切断する場合がある。このような場合、CNT30および媒体40が切断部から漏れ出ることが懸念される。しかし、導電線1は細長く、かつ、CNT30および媒体40は絶縁体10および金属管20の中空部分内に液密状態または気密状態で敷き詰められている(封入されている)。このため、CNT30および媒体40は表面張力、毛細管現象あるいはCNT30と金属管20との間の摩擦力によって絶縁体10および金属管20の中空部分内に留まる。また、媒体40をゼリー状またはゲル状にすることによって、CNT30および媒体40は絶縁体10および金属管20の中空部分内にさらに留まることができる。尚、媒体40は金属管20内から揮発してもよい。この場合、絶縁体10および金属管20の中空部分内には、CNT30のみが留まることになる。
さらに、本実施形態による導電線1では、CNT30および溶媒40が絶縁体10および金属管20の中空部分内に高密度で充填されている。従って、導電線1は、抵抗をより低くすることができ、かつ、より大電流を流すことができる。
図2(A)および図2(B)は、第1の実施形態による導電線1の製造方法を示す図である。絶縁体10および金属管20は、予め加熱されており、溶融状態または柔軟な状態にされている。絶縁体10および金属管20は、図2(A)の矢印の方向に引き出され(あるいは押し出され)ガイド60、70によって細い管状に成形される。
CNTノズル50は、金属管20の開口部に挿入されており、絶縁体10および金属管20の成形の前後において、CNT30を金属管20内に導入する。このとき、CNT30は、溶媒40に混合されており、インク状で金属管20内に注入される。絶縁体10および金属管20の成形とCNT30の導入とは、時間的に或る程度前後してもよく、あるいは、同時であってもよい。
金属管20の開口径は、CNTノズル50を挿入可能なように、当初、大きく開いており、その後、ガイド60、70によって細い管状に成形される。
絶縁体10は、溶融状態または柔軟な状態でガイド60と70との間を通過して、金属管20の外周を被覆するように供給される。絶縁体10は、金属管20の外周に供給された後、外気によって冷却され金属管20の外周に密着する。
次に、図2(B)に示すように、導電線1は、ローラ80および/またはリール90によって引き伸ばされる。ローラ80は、導電線1を2方向以上から圧縮する。ローラ80は、複数個所に設けられ、様々な方向から導電線1を圧縮してよい。これにより、導電線1は、断面においてほぼ円形を維持しながら細線化され得る。図3(A)および図3(B)は、ローラ80によって圧縮されるときの導電線1の様子を示す断面図である。ローラ80が導電線1を圧縮すると、溶媒40が圧縮力よってCNT30間から追い出され、CNT30がより緻密化される。即ち、金属管20内においてCNT30間の間隔が狭くなり、CNT30の密度が増す。これにより、導電線1の抵抗がさらに低くなり、かつ、導電線1はさらに大きな電流を流すことができる。
リール90は、導電線1を引っ張りながら、これを巻き取る。ただし、導電線1が引張力によって切断されないように、リール90の回転力を調節する。これにより、導電線1は、より長くかつ細くなる。リール90に巻き取られた導電線1は、そのまま完成品として出荷されてもよく、あるいは、さらに、加工または利用されてもよい。
本実施形態による導電線1は、従来の導電線に比べ、低抵抗であり、大きな電流を流すことができる。また、導電線1は、従来の導電線に比べて軽量である。このような導電線1を送電線に利用した場合、効率良く電気を伝搬することができる。また、モータまたは発電機等のコイルは、大量のコイルを巻くことによって形成される。従って、このような導電線1をコイルに用いた場合、コイルは、非常に軽く、かつ、強い磁場を効率良く発生させることができる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態による導電線2の構成を示す斜視断面図である。導電線2は、シート状の第1の絶縁体11上に直接形成された導電線である。導電線2は、第1の絶縁体11と、第2の絶縁体12と、CNT30とを備えている。第1の絶縁体11は、シート状の絶縁体であり、その材料は、第1の実施形態の絶縁体10の材料と同様でよい。第2の絶縁体12の材料も、第1の実施形態の絶縁体10の材料と同様でよい。
CNT30は、溶媒40とともに、第1の絶縁体11の表面上に塗布され、滴下され、または、吹き付けられている。溶媒40は、揮発性であり、CNT30とともに第1の絶縁体11の表面上に供給された後に揮発する。従って、CNT30が第1の絶縁体11上に残る。溶媒40を揮発させるために、第1の絶縁体11を加熱してもよい。勿論、CNT30中に溶媒40が残存していても構わない。尚、CNT30および溶媒40は、それぞれ第1の実施形態のそれらと同じ材料でよい。
第2の絶縁体12は、CNT30上を被覆するように第1の絶縁体11上に設けられている。第1の絶縁体11と第2の絶縁体12との間に中空部分が形成されており、CNT30は、この中空部分に導入されている。第1の絶縁体11および第2の絶縁体12は、CNT30が中空部分から外部へ漏れないように互いに液密または気密に密着している。多数のCNT30は、中空部分内において密接するように導入されており、中空部分内部において互いに電気的に接続されている。従って、CNT30は、中空部分内において、CNT30の延伸方向へ電気を伝達することができる。これにより、導電線2は、その一端から他端へ電気を流すことができる。
第2の実施形態による導電線2は、絶縁体11、12の中空部分に低抵抗かつ軽量なCNT30を導入することによって形成されている。これにより、第2の実施形態も第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第2の実施形態において、金属管20は設けられていない。従って、導電線2は、第1の実施形態より柔軟性に富み、軽量である。
さらに、第2の実施形態による導電線2は、CNT30および第2の絶縁体12を塗布、滴下または吹き付けることによって形成され得る。この場合、CNT30および第2の絶縁体12は、後述するように印刷技術を用いて容易に形成され得る。
図5は、第2の実施形態による導電線2の製造方法を示す図である。まず、第1の絶縁体11を準備する。次に、印刷技術を用いて、溶媒40に混合された(溶かされた)CNT30を第1の絶縁体11上に塗布、滴下または吹き付ける。印刷技術は、例えば、レーザ法あるいはインクジェット法等の既知の印刷技術でよい。このとき、CNT30は、インク状になっているので、ノズル52から第1の絶縁体11に向かって吐出される。これにより、CNT30は、第1の絶縁体11上において様々な形状に描画することができる。
次に、印刷技術を用いて、液体状または溶融状態の第2の絶縁体12をCNT30上に塗布、滴下または吹き付ける。印刷技術は、例えば、レーザ法あるいはインクジェット法等の既知の印刷技術でよい。このとき、第2の絶縁体12は、ノズル54から吐出されCNT30に沿って印刷される。これにより、CNT30は、第1の絶縁体11と第2の絶縁体12との間に密閉される。第2の絶縁体12が、CNT30上を被覆しているので、隣接するCNT30の複数のラインは短絡しない。第2の絶縁体12は、溶媒40が揮発した後にCNT30上に印刷されてもよい。
尚、CNT30および第2の絶縁体12を印刷する際、第1の絶縁体11は、平面状態であってもよく、曲面状態であってもよい。例えば、第1の絶縁体11は、図6に示すように円筒形に形成されており、円筒形の第1の絶縁体11上に印刷することも考えられる。
図6は、第1の絶縁体11が円筒形である場合における導電線2の製造方法を示す図である。第1の絶縁体11が円筒形である場合、回転体92とコレット94との間に第1の絶縁体11を固定する。そして、回転体92とともに第1の絶縁体11を回転可能にする。
CNT30および第2の絶縁体12を印刷する際、ノズル52、54は、回転体92の回転方向に対して垂直方向に走査し、それとともに、回転体92は、第1の絶縁体11を図6の矢印方向に回転させる。これにより、CNT30および第2の絶縁体12は、第1の絶縁体11上において印刷可能な限り、様々な形状に描画することができる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態による導電線2は、既知の印刷技術を用いてCNT30を絶縁体11と12との間の中空部分に導入して導電性2を形成することができる。従って、導電線2の形成が容易であり、コストを低減させることができる。さらに、第2の実施形態は既知の印刷技術を用いているので、第1の絶縁体11の平面または曲面上に様々な形状を有する導電線2を形成することができる。即ち、導電線2の配線の自由度が高い。さらに、印刷技術は設計データに基づいて実行されるため、導電線2の形成は、設計データに基づく配線の形成と等価である。従って、例えば、プリント基板を短時間にかつ低コストで形成することができる。
尚、導電線2は、直線状であってもよいが、途中で屈曲させてもよい。導電線2を屈曲させることによって、後述するように、複数の第1の絶縁体11を積層させたときに、複数の第1の絶縁体11間の導電線2を接続してコイルを構成してもよい。
(第2の実施形態の変形例)
図7は、第2の実施形態の変形例による導電線3の構成を示す斜視断面図である。導電線3は、第1の絶縁体11と、第2の絶縁体12と、金属配線22と、CNT30とを備えている。本変形例では、第1の絶縁体11と第2の絶縁膜12との間の中空部分にCNT30だけでなく金属配線22も導入されている。金属配線22は、シート状の第1の絶縁体11上に設けられている。CNT30は、金属配線22上に設けられている。第2の絶縁体12は、金属配線22およびCNT30上を被覆するように設けられている。金属配線22は、金属管20と同じ材料を用いて形成されていてよい。本変形例のその他の構成は、第2の実施形態の対応する構成と同様でよい。
本変形例のように、金属配線22およびCNT30を絶縁体11、12の中空部分に導入しても、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本変形例による導電線3は、第2の実施形態による導電線2の製造方法を適用すれば、容易に製造することができる。例えば、まず、第1の絶縁体11上に金属配線22を形成する。このとき、金属配線22は、接着剤によって第1の絶縁体11上に固定してもよく、スパッタリングまたはめっき法を用いて第1の絶縁体11上に付着させてもよい。次に、第2の実施形態に従った印刷技術を用いて、溶媒40に混合された(溶かされた)CNT30を金属配線22上に塗布、滴下または吹き付ける。溶媒40の揮発後、印刷技術を用いて、液体状の第2の絶縁体12をCNT30および金属配線22上に塗布、滴下または吹き付ける。このようにして、本変形例による導電線3は形成され得る。
(第3の実施形態)
図8(A)は、第3の実施形態による導電線4の構成を示す図である。図8(B)は、第3の実施形態による導電線5の構成を示す図である。第3の実施形態において、絶縁体10の内部に中空管14が形成されている。CNT30は、中空管14内に導入されている。尚、図8(B)の100は、電池である。
図8(A)では、中空管14が絶縁体10内に螺旋状に形成されている。これにより、導電線4はコイルとなり得る。図8(B)では、導電線5は電池100の端子を所定の位置に電気的に導く配線として機能する。
第3の実施形態による導電線4、5は、積層造形機を用いて形成され得る。積層造形機は、例えば、いわゆる3Dプリンタでよい。例えば、まず、積層造形法を用いて内部に中空管14を有する絶縁体10中を形成する。次に、溶媒40に混合された(溶かされた)CNT30を中空管14内に導入する。これにより、導電線4、5が形成され得る。溶媒40およびCNT30が中空管14から漏れ出ないように、中空管14の両端に導電性の端子で栓をしてもよい。
(コイル)
上述の導電線1〜5は、モータのコイル、発電機のコイル、リニアモータのコイル(リニアコア)、ソレノイドコイル、リレーコイル、トランス、コアレスコイル等の様々なコイルに用いることができる。
例えば、導電線1は、図9(A)および図9(B)に示すようなコイルに適用することができる。図9(A)は、モータまたは発電機の巻線コイルの一例を示す図である。図9(B)は、リニアモータのリニアコアの一例を示す図である。
例えば、導電線2または3は、図10(A)に示すように、シート状コイルに適用することができる。図10(A)は、シート状コイル13a、13bの一例を示す図である。図10(A)に示すように、2枚のシート状コイル13a、13bを第1の絶縁体11の裏面同志で張り合わせる。第1の絶縁体11の裏面は、導電線2または3が形成されている表面の反対側の面である。2枚のシート状コイル13a、13bは、同じ形状の導電線2または3を備えている。さらに、シート状コイルのペアが1つのコイルを形成するために、一方のシート状コイルの或る段の配線は、他方のシート状コイルの次の段の配線の他端に電気的に接続されている。例えば、シート状コイル13aの1段目の配線は、シート状コイル13bの2段目の配線の一端に接続され、この2段目の配線の他端は、シート状コイル13aの2段目の配線の一端に接続されている。シート状コイル13aの2段目の配線の他端は、シート状コイル13bの3段目の配線の一端に接続され、この3段目の配線の他端は、シート状コイル13aの3段目の配線の一端に接続されている。このように、シート状コイル13aのk段目(kは整数)の配線は、シート状コイル13bのk+1段目の配線の一端に接続され、シート状コイル13bのk+1段目の配線の他端は、シート状コイル13aのk+1段目の配線の一端に接続されている。これを繰り返すことによって、シート状コイル13a、13bの配線は、2枚の第1の絶縁体11の周囲に巻かれたコイルと等価となる。
尚、シート状コイル13a、13bの上記コイルの配線は、第1の絶縁体11の側面においてはんだ等を用いて導電線2または3を接続してもよい。あるいは、第1の絶縁体11の両端または中心部における導電線2または3の傾斜を互いに相違させることによって、シート状コイル13a、13bを張り合わせたときに、一方のシート状コイルの或る段の配線の端が、他方のシート状コイルの次の段の配線の他端に重複するようにしてもよい。例えば、シート状コイル13a、13bを張り合わせたときに、シート状コイル13aのk段目の配線の一端が、シート状コイル13bのk+1段目の配線の一端に重なり、シート状コイル13bのk+1段目の配線の他端が、シート状コイル13aのk+1段目の配線の一端に重なるように導電線2または3の傾斜を調整してもよい。これにより、シート状コイル13a、13bを張り合わせた後、第1の絶縁体11の側面において導電線2または3の重複する位置ではんだ付けをすれば足りる。従って、はんだ付けが容易となる。
その後、シート状コイル13a、13bを円筒形に丸めることによって、図10(B)に示すように、円筒形のコイルにすることができる。図10(B)は、円筒形コイルの一例を示す図である。図10(B)には、2つのシート状コイル13a、13bを張り合わせた円筒形コイルが示されているが、シート状コイルは薄いため、さらに複数の円筒形コイル(複数のシート状コイルのペア)を積層させることができる。即ち、複数のシート状コイルのペアを積層して円筒形に丸めることによってコイルを形成してもよい。この場合、シート状コイルの導電線2または3は、絶縁体11または12によって絶縁される。従って、複数の円筒形コイルは積層させても互いにショートしない。複数の円筒形コイルを積層させることによって、絶縁体に対する導電体の比率の高いコイルが形成され得る。このような導電体比率の高いコイルは、巻線コイルに比べて軽く、より強い磁力を効率的に発生することができる。
さらに、導電線2または3はCNT30を導入しているため、上記円筒形コイルは、非常に軽量であり、低抵抗であり、かつ、大きな電流を流すことができる。
図11は、図9(A)に示す巻線コイルを用いて形成されたモータMOTおよび発電機GENの構成の一例を示す図である。第1の発電機GEN1、第2の発電機GEN2およびモータMOTの各回転軸ROTは共通(同軸)である。従って、モータMOTが回転軸ROTを回転させることによって第1の発電機GEN1および第2の発電機GEN2は効率良く発電することができる。尚、本実施形態による発電機GEN1、GEN2は、上記特許文献4、あるいは、非特許文献1に記載された構造を組み込んでもよい。これにより、発電機GEN1、GEN2は、コギングトルクを低減させることができ、より効率的に発電することができる。また、本実施形態によるモータMOTが上記特許文献4、5あるいは非特許文献1に記載された構造を組み込んでもよい。これにより、モータMOTは、より大きなトルクを出力することができ、より効率的に発電機GEN1、GEN2を駆動させることができる。
さらに、第1の発電機GEN1および第2の発電機GEN2は回転軸ROTによって連結されており、互いに同一の構成を有している。従って、モータMOTが回転軸ROTを回転させることによって、第1の発電機GEN1および第2の発電機GEN2はそれぞれ同一の電力を効率良く出力することができる。尚、回転軸ROTは、一体形成された軸であってもよい。しかし、第1の発電機GEN1、第2の発電機GEN2およびモータMOTのそれぞれの回転軸は、カップリングCで結合されることによって共通の回転軸ROTとして機能してもよい。
モータMOTおよび発電機GENは、巻線コイルに代えて、図10(B)に示す円筒形コイルまたはこのようなコイルを積層した円筒形コイルを用いて形成されてもよい。これにより、モータMOTおよび発電機GENは、より軽くなり、かつ、より強い磁力を効率的に発生することができる。
1〜5…導電線、10…絶縁体、11…第1の絶縁体、12…第2の絶縁体、20…金属管、30…カーボンナノチューブ、40…溶媒、22…金属配線、14…中空管、MOT…モータ、GEN…発電機
本発明は、導電線、導電線の製造方法およびコイルに関する。
従来、モータまたは発電機は、金属線を巻いた巻線コイルを用いて形成されている。巻線コイルの金属線として銅線等のような抵抗の低い金属が頻繁に用いられている。しかし、銅線のような金属線は比較的重いため、コイル全体の重量を増大させていた。
一方、電動デバイス用のコイルとして、薄膜金属を用いたシート状コイルが開発されている(特許文献1〜3)。このようなシート状コイルは、金属線を巻いた巻線コイルに比べて軽く、より強い磁力を効率的に発生することができる。
米国特許第6958564号明細書 米国特許第6837085号明細書 米国特許第6111329号明細書(特表2002−542749号公報) 特許第4524110号明細書 特開2013−106392号公報
Aya Uehara et. al. 「高温超電導電機子巻線を適用した永久磁石発電機のコギングトルク低減と発電特性改善に関する基礎検討"Fundamental study on cogging torque reduction and generation characteristics improvement of permanent magnet generator having HTS armature windings"」 2A−a04、 第84回 2011年度春季低温工学・超電導学会
しかし、薄膜金属は、通常の金属線と比べて過電力または熱に対する耐性において弱い。即ち、過電力を供給したときに、薄膜金属は金属線と比べて溶融し易くかつ焦げ易い。
例えば、シート状コイルの絶縁シート内に気泡がある場合、薄膜金属は過電力により燃えることもある。この場合、薄膜金属は断線し、故障の原因となる。
上記の課題を解決するために、本実施形態による導電線は、絶縁体と、絶縁体の中空部分に導入された金属配線と、絶縁体の中空部分に導入され、金属配線上に設けられたカーボンナノチューブとを備え、絶縁体は、表面上に金属配線およびカーボンナノチューブを有する第1の絶縁体と、金属配線およびカーボンナノチューブ上を被覆する第2の絶縁体とを含む
カーボンナノチューブは、液体状、ゼリー状またはゲル状の溶媒とともに絶縁体の中空部分に導入されていてもよい。
溶媒は、揮発性の溶媒でもよい。
カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブでもよい。
本実施形態によるモータ用または発電機用のコイルは、上記いずれかの導電線を用いている。
本実施形態による導電線の製造方法は、第1の絶縁体と第2の絶縁膜との間の中空部分に導入された金属配線と、絶縁体の中空部分に導入され金属配線上に設けられたカーボンナノチューブとを備えた導電線の製造方法であって、
第1の絶縁体上に金属配線を形成し、
金属配線上にカーボンナノチューブを形成し、
金属配線およびカーボンナノチューブ上を被覆するように第2の絶縁体を形成することを具備している。
カーボンナノチューブは、液体状、ゼリー状またはゲル状の溶媒とともに金属配線上に塗布、滴下または吹き付けられてもよい。
溶媒は、揮発性の溶媒でもよい。
カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブでもよい。
第2の絶縁体は、金属配線およびカーボンナノチューブ上に塗布、滴下または吹き付けられてもよい。
カーボンナノチューブは、液体状、ゼリー状またはゲル状の揮発性溶媒中に含まれており、カーボンナノチューブは、揮発性溶媒とともに塗布、滴下または吹き付けられ、第2の絶縁体は、揮発性溶媒の揮発後に塗布、滴下または吹き付けられてもよい。
カーボンナノチューブの塗布、滴下または吹き付け、並びに、第2の絶縁体を塗布、滴下または吹き付けは、印刷技術により実行されてもよい。
本発明は、重量が軽く、耐久性のある低抵抗な導電線、そのような導電線の製造方法、並びに、そのような導電線を用いたコイルを提供する。
参考例に従った導電線1を示す断面図。 参考例による導電線1の製造方法を示す図。 ローラ80によって圧縮されるときの導電線1の様子を示す断面図。 第2の実施形態による導電線2の構成を示す斜視断面図。 第2の実施形態による導電線2の製造方法を示す図。 第1の絶縁体11が円筒形である場合における導電線2の製造方法を示す図。 第2の実施形態の変形例による導電線3の構成を示す斜視断面図。 他の参考例による導電線4、5の構成を示す図。 モータまたは発電機の巻線コイルの一例、並びに、リニアモータのリニアコアの一例を示す図。 シート状コイルの一例、および、円筒形コイルの一例を示す図。 図9(A)に示す巻線コイルを用いて形成されたモータMOTおよび発電機GENの構成の一例を示す図。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
参考例
図1(A)および図1(B)は、参考例に従った導電線1を示す断面図である。図1(A)は、導電線1を延伸方向の切断面を示し、図1(B)は、導電線1を延伸方向に対して垂直方向の切断面を示す。導電線1は、電気を伝搬する細長の導線であり、絶縁体10に被覆されていることによって他の導電体と接触しても短絡しないように構成されている。従って、導電線1は、後述するようにモータのコイル、発電機のコイル、リニアモータのコイル(リニアコア)、ソレノイドコイル、リレーコイル、トランス、コアレスコイル等の様々な巻線コイルに用いることができる。
導電線1は、絶縁体10と、金属管20と、カーボンナノチューブ(以下、CNTともいう)30と、溶媒40とを備えている。絶縁体10は、図1(A)に示すように、細長く形成されており、金属管20の外側面に沿って金属管20を被覆するように形成されている。また、絶縁体10は、図1(B)に示すように、中空部分を有するように円形状に形成されている。絶縁体10は、電気的に絶縁性の材料を用いて形成されている。絶縁体10は、例えば、樹脂(プラスチック)、ゴム、ビニール、エナメル、ワニス、ロウ、紙(ワニスやロウを塗布した紙)、セラミック、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、金属酸化膜(例えば、アルミナ)等を用いて形成されている。
金属管20は、絶縁体10と同様に、細長く形成されており、中空部分を有するように円形状に形成されている。金属管20は、中空部分内にCNT30および溶媒40を有している。即ち、絶縁体10の中空部分に金属管20が挿入されており、さらに金属管20の中空部分にCNT30が導入されている。換言すると、CNT30の外周に金属管20が設けられており、さらに、金属管20の外周に絶縁体10が設けられていると言ってもよい。金属管20は、例えば、銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて形成されている。
CNT30は、溶媒40とともに金属管20の中空部分に導入されている。金属管20および絶縁体10は、CNT30が中空分布から外部へ漏れないように構成されている。CNT30は、例えば、単層CNTであり、低抵抗性および高い導電性を有し、粉末状の材料である。多数のCNT30は、金属管20の中空部分内に密接するように導入されており、中空部分内部において互いに電気的に接続されている。従って、CNT30は、絶縁体10および金属管20の中空部分内において、絶縁体10および金属管20の延伸方向へ電気を伝達することができる。これにより、導電線1は、その一端から他端へ電気を流すことができる。CNT30は、例えば、単層CNTであることが好ましい。単層CNTは、多層CNTより低抵抗であるからである。 溶媒40は、CNT30に対して親和性を有する液体状、ゼリー状またはゲル状の溶媒である。溶媒40は、好ましくは、揮発性を有する。CNT30は、溶媒40をバインダとしてインク状に混合されている(溶け込んでいる)。溶媒40は、CNT30と同様に導電性であることが好ましい。
一般に、カーボンナノチューブは、銅と組合させることによって、銅単体と比較しての約100倍の電流を流せることが知られている。例えば、1cm当たり6億アンペアの電流を流せる。尚且つ、カーボンナノチューブの密度は、1cm当たり約5.2グラムであり、銅(約8.5〜8.9g/cm)よりも約40%軽い。
一般的には、上記コイル等に用いられる導電線としては銅線(例えば、エナメル線)が用いられる。例えば、エナメル線は、細長い銅線の外周をエナメル等の絶縁材料で被覆することによって形成されている。
これに対し、本実施形態による導電線1は、絶縁体10および金属管20の中空部分(中心部)に低抵抗かつ軽量なCNT30を導入することによって形成されている。これにより、本実施形態による導電線1は、一般的な銅線(例えば、エナメル線)に比べて、低抵抗かつ軽量になる。また、導電線1は、大きな電流を流すことができる。即ち、導電線1は、電流密度を向上させることができる。
さらに、導電線1は、絶縁体10および金属管20の中空部分内にCNT30および溶媒40を有している。即ち、絶縁体10および金属管20がCNT30および溶媒40を取り囲むように液密または気密に被覆している。従って、微細なCNT30や液状の溶媒40が絶縁体10および金属管20の外部へ漏れ出ない(染み出ない)。
尚、実際の使用時において、導電線1を切断する場合がある。このような場合、CNT30および媒体40が切断部から漏れ出ることが懸念される。しかし、導電線1は細長く、かつ、CNT30および媒体40は絶縁体10および金属管20の中空部分内に液密状態または気密状態で敷き詰められている(封入されている)。このため、CNT30および媒体40は表面張力、毛細管現象あるいはCNT30と金属管20との間の摩擦力によって絶縁体10および金属管20の中空部分内に留まる。また、媒体40をゼリー状またはゲル状にすることによって、CNT30および媒体40は絶縁体10および金属管20の中空部分内にさらに留まることができる。尚、媒体40は金属管20内から揮発してもよい。この場合、絶縁体10および金属管20の中空部分内には、CNT30のみが留まることになる。
さらに、本実施形態による導電線1では、CNT30および溶媒40が絶縁体10および金属管20の中空部分内に高密度で充填されている。従って、導電線1は、抵抗をより低くすることができ、かつ、より大電流を流すことができる。
図2(A)および図2(B)は、参考例による導電線1の製造方法を示す図である。絶縁体10および金属管20は、予め加熱されており、溶融状態または柔軟な状態にされている。絶縁体10および金属管20は、図2(A)の矢印の方向に引き出され(あるいは押し出され)ガイド60、70によって細い管状に成形される。
CNTノズル50は、金属管20の開口部に挿入されており、絶縁体10および金属管20の成形の前後において、CNT30を金属管20内に導入する。このとき、CNT30は、溶媒40に混合されており、インク状で金属管20内に注入される。絶縁体10および金属管20の成形とCNT30の導入とは、時間的に或る程度前後してもよく、あるいは、同時であってもよい。
金属管20の開口径は、CNTノズル50を挿入可能なように、当初、大きく開いており、その後、ガイド60、70によって細い管状に成形される。
絶縁体10は、溶融状態または柔軟な状態でガイド60と70との間を通過して、金属管20の外周を被覆するように供給される。絶縁体10は、金属管20の外周に供給された後、外気によって冷却され金属管20の外周に密着する。
次に、図2(B)に示すように、導電線1は、ローラ80および/またはリール90によって引き伸ばされる。ローラ80は、導電線1を2方向以上から圧縮する。ローラ80は、複数個所に設けられ、様々な方向から導電線1を圧縮してよい。これにより、導電線1は、断面においてほぼ円形を維持しながら細線化され得る。図3(A)および図3(B)は、ローラ80によって圧縮されるときの導電線1の様子を示す断面図である。ローラ80が導電線1を圧縮すると、溶媒40が圧縮力よってCNT30間から追い出され、CNT30がより緻密化される。即ち、金属管20内においてCNT30間の間隔が狭くなり、CNT30の密度が増す。これにより、導電線1の抵抗がさらに低くなり、かつ、導電線1はさらに大きな電流を流すことができる。
リール90は、導電線1を引っ張りながら、これを巻き取る。ただし、導電線1が引張力によって切断されないように、リール90の回転力を調節する。これにより、導電線1は、より長くかつ細くなる。リール90に巻き取られた導電線1は、そのまま完成品として出荷されてもよく、あるいは、さらに、加工または利用されてもよい。
本実施形態による導電線1は、従来の導電線に比べ、低抵抗であり、大きな電流を流すことができる。また、導電線1は、従来の導電線に比べて軽量である。このような導電線1を送電線に利用した場合、効率良く電気を伝搬することができる。また、モータまたは発電機等のコイルは、大量のコイルを巻くことによって形成される。従って、このような導電線1をコイルに用いた場合、コイルは、非常に軽く、かつ、強い磁場を効率良く発生させることができる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態による導電線2の構成を示す斜視断面図である。導電線2は、シート状の第1の絶縁体11上に直接形成された導電線である。導電線2は、第1の絶縁体11と、第2の絶縁体12と、CNT30とを備えている。第1の絶縁体11は、シート状の絶縁体であり、その材料は、参考例の絶縁体10の材料と同様でよい。第2の絶縁体12の材料も、参考例の絶縁体10の材料と同様でよい。
CNT30は、溶媒40とともに、第1の絶縁体11の表面上に塗布され、滴下され、または、吹き付けられている。溶媒40は、揮発性であり、CNT30とともに第1の絶縁体11の表面上に供給された後に揮発する。従って、CNT30が第1の絶縁体11上に残る。溶媒40を揮発させるために、第1の絶縁体11を加熱してもよい。勿論、CNT30中に溶媒40が残存していても構わない。尚、CNT30および溶媒40は、それぞれ参考例のそれらと同じ材料でよい。
第2の絶縁体12は、CNT30上を被覆するように第1の絶縁体11上に設けられている。第1の絶縁体11と第2の絶縁体12との間に中空部分が形成されており、CNT30は、この中空部分に導入されている。第1の絶縁体11および第2の絶縁体12は、CNT30が中空部分から外部へ漏れないように互いに液密または気密に密着している。
多数のCNT30は、中空部分内において密接するように導入されており、中空部分内部において互いに電気的に接続されている。従って、CNT30は、中空部分内において、CNT30の延伸方向へ電気を伝達することができる。これにより、導電線2は、その一端から他端へ電気を流すことができる。
第2の実施形態による導電線2は、絶縁体11、12の中空部分に低抵抗かつ軽量なCNT30を導入することによって形成されている。これにより、第2の実施形態も参考例と同様の効果を得ることができる。
また、第2の実施形態において、金属管20は設けられていない。従って、導電線2は、参考例より柔軟性に富み、軽量である。
さらに、第2の実施形態による導電線2は、CNT30および第2の絶縁体12を塗布、滴下または吹き付けることによって形成され得る。この場合、CNT30および第2の絶縁体12は、後述するように印刷技術を用いて容易に形成され得る。
図5は、第2の実施形態による導電線2の製造方法を示す図である。まず、第1の絶縁体11を準備する。次に、印刷技術を用いて、溶媒40に混合された(溶かされた)CNT30を第1の絶縁体11上に塗布、滴下または吹き付ける。印刷技術は、例えば、レーザ法あるいはインクジェット法等の既知の印刷技術でよい。このとき、CNT30は、インク状になっているので、ノズル52から第1の絶縁体11に向かって吐出される。これにより、CNT30は、第1の絶縁体11上において様々な形状に描画することができる。
次に、印刷技術を用いて、液体状または溶融状態の第2の絶縁体12をCNT30上に塗布、滴下または吹き付ける。印刷技術は、例えば、レーザ法あるいはインクジェット法等の既知の印刷技術でよい。このとき、第2の絶縁体12は、ノズル54から吐出されCNT30に沿って印刷される。これにより、CNT30は、第1の絶縁体11と第2の絶縁体12との間に密閉される。第2の絶縁体12が、CNT30上を被覆しているので、隣接するCNT30の複数のラインは短絡しない。第2の絶縁体12は、溶媒40が揮発した後にCNT30上に印刷されてもよい。
尚、CNT30および第2の絶縁体12を印刷する際、第1の絶縁体11は、平面状態であってもよく、曲面状態であってもよい。例えば、第1の絶縁体11は、図6に示すように円筒形に形成されており、円筒形の第1の絶縁体11上に印刷することも考えられる。
図6は、第1の絶縁体11が円筒形である場合における導電線2の製造方法を示す図である。第1の絶縁体11が円筒形である場合、回転体92とコレット94との間に第1の絶縁体11を固定する。そして、回転体92とともに第1の絶縁体11を回転可能にする。
CNT30および第2の絶縁体12を印刷する際、ノズル52、54は、回転体92の回転方向に対して垂直方向に走査し、それとともに、回転体92は、第1の絶縁体11を図6の矢印方向に回転させる。これにより、CNT30および第2の絶縁体12は、第1の絶縁体11上において印刷可能な限り、様々な形状に描画することができる。
第2の実施形態によれば、参考例と同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態による導電線2は、既知の印刷技術を用いてCNT30を絶縁体11と12との間の中空部分に導入して導電性2を形成することができる。従って、導電線2の形成が容易であり、コストを低減させることができる。さらに、第2の実施形態は既知の印刷技術を用いているので、第1の絶縁体11の平面または曲面上に様々な形状を有する導電線2を形成することができる。即ち、導電線2の配線の自由度が高い。さらに、印刷技術は設計データに基づいて実行されるため、導電線2の形成は、設計データに基づく配線の形成と等価である。従って、例えば、プリント基板を短時間にかつ低コストで形成することができる。
尚、導電線2は、直線状であってもよいが、途中で屈曲させてもよい。導電線2を屈曲させることによって、後述するように、複数の第1の絶縁体11を積層させたときに、複数の第1の絶縁体11間の導電線2を接続してコイルを構成してもよい。
(第2の実施形態の変形例)
図7は、第2の実施形態の変形例による導電線3の構成を示す斜視断面図である。導電線3は、第1の絶縁体11と、第2の絶縁体12と、金属配線22と、CNT30とを備えている。本変形例では、第1の絶縁体11と第2の絶縁膜12との間の中空部分にCNT30だけでなく金属配線22も導入されている。金属配線22は、シート状の第1の絶縁体11上に設けられている。CNT30は、金属配線22上に設けられている。第2の絶縁体12は、金属配線22およびCNT30上を被覆するように設けられている。金属配線22は、金属管20と同じ材料を用いて形成されていてよい。本変形例のその他の構成は、第2の実施形態の対応する構成と同様でよい。
本変形例のように、金属配線22およびCNT30を絶縁体11、12の中空部分に導入しても、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本変形例による導電線3は、第2の実施形態による導電線2の製造方法を適用すれば、容易に製造することができる。例えば、まず、第1の絶縁体11上に金属配線22を形成する。このとき、金属配線22は、接着剤によって第1の絶縁体11上に固定してもよく、スパッタリングまたはめっき法を用いて第1の絶縁体11上に付着させてもよい。次に、第2の実施形態に従った印刷技術を用いて、溶媒40に混合された(溶かされた)CNT30を金属配線22上に塗布、滴下または吹き付ける。溶媒40の揮発後、印刷技術を用いて、液体状の第2の絶縁体12をCNT30および金属配線22上に塗布、滴下または吹き付ける。このようにして、本変形例による導電線3は形成され得る。
他の参考例
図8(A)は、他の参考例による導電線4の構成を示す図である。図8(B)は、他の参考例による導電線5の構成を示す図である。他の参考例において、絶縁体10の内部に中空管14が形成されている。CNT30は、中空管14内に導入されている。尚、図8(B)の100は、電池である。
図8(A)では、中空管14が絶縁体10内に螺旋状に形成されている。これにより、導電線4はコイルとなり得る。図8(B)では、導電線5は電池100の端子を所定の位置に電気的に導く配線として機能する。
他の参考例による導電線4、5は、積層造形機を用いて形成され得る。積層造形機は、例えば、いわゆる3Dプリンタでよい。例えば、まず、積層造形法を用いて内部に中空管14を有する絶縁体10中を形成する。次に、溶媒40に混合された(溶かされた)CNT30を中空管14内に導入する。これにより、導電線4、5が形成され得る。溶媒40およびCNT30が中空管14から漏れ出ないように、中空管14の両端に導電性の端子で栓をしてもよい。
(コイル)
上述の導電線1〜5は、モータのコイル、発電機のコイル、リニアモータのコイル(リニアコア)、ソレノイドコイル、リレーコイル、トランス、コアレスコイル等の様々なコイルに用いることができる。
例えば、導電線1は、図9(A)および図9(B)に示すようなコイルに適用することができる。図9(A)は、モータまたは発電機の巻線コイルの一例を示す図である。図9(B)は、リニアモータのリニアコアの一例を示す図である。
例えば、導電線2または3は、図10(A)に示すように、シート状コイルに適用することができる。図10(A)は、シート状コイル13a、13bの一例を示す図である。図10(A)に示すように、2枚のシート状コイル13a、13bを第1の絶縁体11の裏面同志で張り合わせる。第1の絶縁体11の裏面は、導電線2または3が形成されている表面の反対側の面である。2枚のシート状コイル13a、13bは、同じ形状の導電線2または3を備えている。さらに、シート状コイルのペアが1つのコイルを形成するために、一方のシート状コイルの或る段の配線は、他方のシート状コイルの次の段の配線の他端に電気的に接続されている。例えば、シート状コイル13aの1段目の配線は、シート状コイル13bの2段目の配線の一端に接続され、この2段目の配線の他端は、シート状コイル13aの2段目の配線の一端に接続されている。シート状コイル13aの2段目の配線の他端は、シート状コイル13bの3段目の配線の一端に接続され、この3段目の配線の他端は、シート状コイル13aの3段目の配線の一端に接続されている。このように、シート状コイル13aのk段目(kは整数)の配線は、シート状コイル13bのk+1段目の配線の一端に接続され、シート状コイル13bのk+1段目の配線の他端は、シート状コイル13aのk+1段目の配線の一端に接続されている。これを繰り返すことによって、シート状コイル13a、13bの配線は、2枚の第1の絶縁体11の周囲に巻かれたコイルと等価となる。
尚、シート状コイル13a、13bの上記コイルの配線は、第1の絶縁体11の側面においてはんだ等を用いて導電線2または3を接続してもよい。あるいは、第1の絶縁体11の両端または中心部における導電線2または3の傾斜を互いに相違させることによって、シート状コイル13a、13bを張り合わせたときに、一方のシート状コイルの或る段の配線の端が、他方のシート状コイルの次の段の配線の他端に重複するようにしてもよい。例えば、シート状コイル13a、13bを張り合わせたときに、シート状コイル13aのk段目の配線の一端が、シート状コイル13bのk+1段目の配線の一端に重なり、シート状コイル13bのk+1段目の配線の他端が、シート状コイル13aのk+1段目の配線の一端に重なるように導電線2または3の傾斜を調整してもよい。これにより、シート状コイル13a、13bを張り合わせた後、第1の絶縁体11の側面において導電線2または3の重複する位置ではんだ付けをすれば足りる。従って、はんだ付けが容易となる。
その後、シート状コイル13a、13bを円筒形に丸めることによって、図10(B)に示すように、円筒形のコイルにすることができる。図10(B)は、円筒形コイルの一例を示す図である。図10(B)には、2つのシート状コイル13a、13bを張り合わせた円筒形コイルが示されているが、シート状コイルは薄いため、さらに複数の円筒形コイル(複数のシート状コイルのペア)を積層させることができる。即ち、複数のシート状コイルのペアを積層して円筒形に丸めることによってコイルを形成してもよい。この場合、シート状コイルの導電線2または3は、絶縁体11または12によって絶縁される。従って、複数の円筒形コイルは積層させても互いにショートしない。複数の円筒形コイルを積層させることによって、絶縁体に対する導電体の比率の高いコイルが形成され得る。このような導電体比率の高いコイルは、巻線コイルに比べて軽く、より強い磁力を効率的に発生することができる。
さらに、導電線2または3はCNT30を導入しているため、上記円筒形コイルは、非常に軽量であり、低抵抗であり、かつ、大きな電流を流すことができる。
図11は、図9(A)に示す巻線コイルを用いて形成されたモータMOTおよび発電機GENの構成の一例を示す図である。第1の発電機GEN1、第2の発電機GEN2およびモータMOTの各回転軸ROTは共通(同軸)である。従って、モータMOTが回転軸ROTを回転させることによって第1の発電機GEN1および第2の発電機GEN2は効率良く発電することができる。尚、本実施形態による発電機GEN1、GEN2は、上記特許文献4、あるいは、非特許文献1に記載された構造を組み込んでもよい。これにより、発電機GEN1、GEN2は、コギングトルクを低減させることができ、より効率的に発電することができる。また、本実施形態によるモータMOTが上記特許文献4、5あるいは非特許文献1に記載された構造を組み込んでもよい。これにより、モータMOTは、より大きなトルクを出力することができ、より効率的に発電機GEN1、GEN2を駆動させることができる。
さらに、第1の発電機GEN1および第2の発電機GEN2は回転軸ROTによって連結されており、互いに同一の構成を有している。従って、モータMOTが回転軸ROTを回転させることによって、第1の発電機GEN1および第2の発電機GEN2はそれぞれ同一の電力を効率良く出力することができる。尚、回転軸ROTは、一体形成された軸であってもよい。しかし、第1の発電機GEN1、第2の発電機GEN2およびモータMOTのそれぞれの回転軸は、カップリングCで結合されることによって共通の回転軸ROTとして機能してもよい。
モータMOTおよび発電機GENは、巻線コイルに代えて、図10(B)に示す円筒形コイルまたはこのようなコイルを積層した円筒形コイルを用いて形成されてもよい。これにより、モータMOTおよび発電機GENは、より軽くなり、かつ、より強い磁力を効率的に発生することができる。
1〜5…導電線、10…絶縁体、11…第1の絶縁体、12…第2の絶縁体、20…金属管、30…カーボンナノチューブ、40…溶媒、22…金属配線、14…中空管、MOT…モータ、GEN…発電機

Claims (20)

  1. 絶縁体と、
    前記絶縁体の中空部分に導入されたカーボンナノチューブとを備えた導電線。
  2. 前記カーボンナノチューブは、液体状、ゼリー状またはゲル状の溶媒とともに前記絶縁体の中空部分に導入されていることを特徴とする請求項1に記載の導電線。
  3. 前記溶媒は、揮発性の溶媒であることを特徴とする請求項2に記載の導電線。
  4. 前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の導電線。
  5. 前記絶縁体の中空部分に挿入された金属管をさらに備え、
    前記カーボンナノチューブは、前記金属管内に導入されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導電線。
  6. 前記カーボンナノチューブは、前記金属管内に充填されており、
    前記絶縁体は、前記金属管を被覆していることを特徴とする請求項5に記載の導電線。
  7. 前記絶縁体は、表面上に前記カーボンナノチューブを塗布し、滴下しまたは吹き付けた第1の絶縁体と、前記カーボンナノチューブ上を被覆する第2の絶縁体とを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導電線。
  8. 前記絶縁体の中空部分に導入された金属配線をさらに備え、
    前記カーボンナノチューブは前記金属配線上に設けられており、
    前記絶縁体は、表面上に前記金属配線および前記カーボンナノチューブを有する第1の絶縁体と、前記金属配線および前記カーボンナノチューブ上を被覆する第2の絶縁体とを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導電線。
  9. 前記絶縁体の中空部分は、該絶縁体の内部に形成された中空管であり、
    前記カーボンナノチューブは、前記中空管内に導入されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導電線。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の導電線を用いたモータ用または発電機用のコイル。
  11. 中空部分を有する絶縁体内にカーボンナノチューブを導入することを具備した導電線の製造方法。
  12. 前記カーボンナノチューブは、液体状、ゼリー状またはゲル状の溶媒とともに前記絶縁体の中空部分に導入されることを特徴とする請求項11に記載の導電線の製造方法。
  13. 前記溶媒は、揮発性の溶媒であることを特徴とする請求項12に記載の導電線の製造方法。
  14. 前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の導電線の製造方法。
  15. 前記絶縁体は金属管の外周を被覆し、
    前記金属管内にカーボンナノチューブを導入することを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の導電線の製造方法。
  16. 前記カーボンナノチューブを前記金属管内に導入後、
    前記絶縁体および前記金属管を引き伸ばすことをさらに具備したことを特徴とする請求項15に記載の導電線の製造方法。
  17. 積層造形機を用いて前記絶縁体を形成することをさらに具備し、
    前記絶縁体内の中空部分に前記カーボンナノチューブを導入することを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の導電線の製造方法。
  18. 第1の絶縁体の表面上にカーボンナノチューブを塗布し、滴下しまたは吹き付け、
    前記カーボンナノチューブを被覆するように第2の絶縁体を前記カーボンナノチューブまたは前記第1の絶縁体上に塗布し、滴下しまたは吹き付けることを具備した導電線の製造方法。
  19. 前記カーボンナノチューブは、液体状、ゼリー状またはゲル状の揮発性溶媒中に含まれており、
    前記カーボンナノチューブは、前記揮発性溶媒とともに塗布、滴下または吹き付けられ、
    前記第2の絶縁体は、前記揮発性溶媒の揮発後に塗布、滴下または吹き付けられることを特徴とする請求項18に記載の導電線の製造方法。
  20. 前記カーボンナノチューブの塗布、滴下または吹き付け、並びに、前記第2の絶縁体を塗布、滴下または吹き付けは、印刷技術により実行されることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の導電線の製造方法。
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