以下、図面を参照しながら、本発明に係るフローズン飲料ディスペンサの好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、従来と同一構成に関しては同一符号を用いる。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る、飲料を冷却シリンダで凍らせながら攪拌してフローズン飲料を製造、販売するフローズン飲料ディスペンサの実施の形態1の外観斜視図である。
図に示すように、フローズン飲料ディスペンサ1は、ディスペンサ本体2とドリップトレイ3と販売バルブ10を備えている。
ディスペンサ本体2は箱体であり、その底部には、高さ調整をするための調整脚2aが設けてある。また、ディスペンサ本体2の内部には、濃縮原料と希釈水と炭酸ガスを原料としてその混合飲料を凍らせながら攪拌して空気を混入させたシャーベット状のフローズン飲料を製造する冷却シリンダ50や、冷却シリンダ50を冷却する冷凍装置54(図12参照)、希釈水供給回路21、濃縮原料SY1供給回路29、濃縮原料SY2供給回路37、炭酸ガス供給回路43bb(以上、詳細は図2参照)などを備えている。
販売バルブ10はケーシングカバー9に一体に取り付けられ、ケーシングカバー9はディスペンサ本体2の冷却シリンダ50に4箇所の取付ボルト9aで取り付けられている。そして、販売レバー11が手前側(図中、右側方向)に引かれると、冷却シリンダ50でシャーベット状に製造されているフローズン飲料を販売ノズル20から吐出して販売される。
また、ディスペンサ本体2の前面下端部には、ドリップトレイ3を備えている。ドリップトレイ3は、販売ノズル20から垂れる飲料を受け止めるためのもので、カバー4を通過してドリップトレイ3に受け止められる。
図2は、本発明に係るフローズン飲料ディスペンサの実施の形態1の概略回路構成図である。図に示すように、フローズン飲料ディスペンサ1は、水道蛇口22に接続されて冷却シリンダ50に希釈水を供給する希釈水供給回路21には、水フィルタ23、水圧を0.2Mpaに減圧する減圧弁24、水入口弁25、炭酸ガスボンベ30から炭酸ガスレギュレータ31aで0.54Mpaに調整されて炭酸ガス供給回路31aaから供給される炭酸ガスで希釈水(水道水)を送出するガスポンプ26、流量センサ27aと電磁弁27bを有し、制御部90(図12参照)による制御で電磁弁27bを開放して流量センサ27aが出力するパルス数が所定のパルス数に達すると電磁弁27bを閉塞し、予め定めている量の希釈水を供給する希釈水自動バルブ27、希釈水逆止弁28(ブレンダー36に内蔵される)が設けられ、希釈水供給回路21から供給された希釈水は濃縮原料SY1供給回路29から供給された濃縮原料SY1とブレンダー36で混合され、この混合された混合飲料(希釈飲料)は混合飲料回路48を通流して冷却シリンダ50に供給される。
また、冷却シリンダ50に濃縮原料SY1を供給する濃縮原料SY1供給回路29には、炭酸ガスボンベ30から炭酸ガスレギュレータ31bで0.36Mpaに調整されて炭酸ガス供給回路31bbから供給される炭酸ガスで濃縮原料SY1タンク32に収容されている濃縮原料SY1を送出するガスポンプ33、希釈水自動バルブ27と同じく、流量センサ34aと電磁弁34bを有し、制御部90による制御で電磁弁34bを開放して流量センサ34aが出力するパルス数が所定のパルス数に達すると電磁弁34bを閉塞し、予め定めている量の濃縮原料SY1を供給する濃縮原料SY1自動バルブ34、濃縮原料SY1逆止弁35(ブレンダー36に内蔵される)が設けられ、濃縮原料SY1供給回路29から供給された濃縮原料SY1は希釈水供給回路21から供給された希釈水とブレンダー36で混合され、この混合された混合飲料(希釈飲料)は混合飲料回路48を通流して冷却シリンダ50に供給される。
さらに、ブレンダー(混合装置)36で濃縮原料SY1と希釈水とが混合された混合飲料が冷却シリンダ50に供給される混合飲料回路48には濃縮原料SY2供給回路37が接続され、濃縮原料SY2供給回路37には、炭酸ガスボンベ30から炭酸ガスレギュレータ31bで0.36Mpaに調整されて炭酸ガス供給回路31bbから供給される炭酸ガスで濃縮原料SY2タンク38に収容されている濃縮原料SY2を送出するガスポンプ39、濃縮原料SY1自動バルブ34と同じく、流量センサ40aと電磁弁40bを有し、制御部90による制御で電磁弁40bを開放して流量センサ40aが出力するパルス数が所定のパルス数に達すると電磁弁40bを閉塞し、予め定めている量の濃縮原料SY2を供給する濃縮原料SY2自動バルブ40、濃縮原料SY2逆止弁41が設けられ、濃縮原料SY1供給回路29から供給された濃縮原料SY1と希釈水供給回路21から供給された希釈水の混合飲料(希釈飲料)に濃縮原料SY2を混合したミックス濃縮原料混合飲料(希釈飲料)が混合飲料回路48を通流して冷却シリンダ50に供給される。
このように、混合飲料回路48に濃縮原料SY2供給回路37を接続して濃縮原料SY1と希釈水の混合飲料に濃縮原料SY2を混合したミックス濃縮原料混合飲料を冷却シリンダ50に供給することにより、複数の味覚のシャーベット状のフローズン飲料を製造、販売することが可能なフローズン飲料ディスペンサ1を提供することができる。
また、炭酸ガスボンベ30から炭酸ガスレギュレータ31aで0.54Mpaに調整された炭酸ガスが供給される炭酸ガス供給回路31aaは分岐されて炭酸ガスレギュレータ43a、43bに接続され、炭酸ガス供給回路31aaの回路途中には炭酸ガス売切センサ42(検知圧力0.39MpaでOFF信号を出力し、0.46MpaでONを出力する)が設けられている。
炭酸ガスレギュレータ43bで0.26Mpaに調整された炭酸ガスが供給される炭酸ガス供給回路43bbには、炭酸ガス弁44、炭酸ガス逆止弁45が設けられ、混合飲料回路48に接続されている。この混合飲料が通流している混合飲料回路48に接続されている炭酸ガス供給回路43bbの炭酸ガス弁44が開放されると、炭酸ガスが炭酸ガス逆止弁45を介して混合飲料回路48に供給され、希釈水と濃縮原料の混合飲料に炭酸ガスが混合された炭酸ガス入り混合飲料となる。
さらに、混合飲料回路48の炭酸ガス供給回路43bbが接続された下流側には、ダイアフラム46h(図11参照)を内蔵したアキュームタンク46と冷却シリンダ圧力スイッチ47(検知圧力0.16MpaでOFF信号を出力し、0.2MpaでON信号を出力する)が設けられ、アキュームタンク46には炭酸ガスレギュレータ43aで0.21Mpaに調整された炭酸ガスが供給される炭酸ガス供給回路43aaが接続されている。
アキュームタンク46が接続された混合飲料回路48は冷却シリンダ50に接続され、冷却シリンダ50内部圧力は後述するように販売待機時は0.2Mpaに保たれている。冷却シリンダ50には販売バルブ10が設けられ、冷却シリンダ50でシャーベット状に製造されているフローズン飲料を販売ノズル20から吐出して販売する。
なお、濃縮原料タンクに収容されている濃縮原料をガスポンプで送出する実施の形態を用いて説明しているが、例えば、濃縮原料を炭酸ガス圧で濃縮原料タンクから押し出して送出するようにしてもよい。
そして、制御部90(図12参照)により、水入口弁25、希釈水自動バルブ27の電磁弁27bが開放されると、水道蛇口22から供給される希釈水(水道水)が水フィルタ23で濾過され、減圧弁24で0.2Mpaに減圧され、ガスポンプ26により送出されて希釈水自動バルブ27を介して希釈水逆止弁28を内蔵しているブレンダー36に希釈水供給回路21から供給される。同時に、濃縮原料SY1自動バルブ34の電磁弁34bが開放されると、濃縮原料SY1タンク32に収容されている濃縮原料SY1がガスポンプ33により送出されて濃縮原料SY1自動バルブ34を介して濃縮原料SY1逆止弁35を内蔵しているブレンダー36に濃縮原料SY1供給回路29から供給される。
ブレンダー36に供給された希釈水と濃縮原料SY1はブレンダー36で混合されて混合飲料となって混合飲料回路48を通流する。この混合飲料が通流している混合飲料回路48に接続されている炭酸ガス供給回路43bbの炭酸ガス弁44が開放されると、炭酸ガスレギュレータ43bで0.26Mpaに調整された炭酸ガスが炭酸ガス逆止弁45を介して混合飲料回路48に供給され、希釈水と濃縮原料の混合飲料に炭酸ガスが混合された炭酸ガス入り混合飲料となる。冷却シリンダ50洗浄時は希釈水供給回路21から希釈水のみがブレンダー36を介して冷却シリンダ50内に供給される。
炭酸ガス入り混合飲料は、ダイアフラム46hを内蔵したアキュームタンク46を介して混合飲料回路48から冷却シリンダ50に供給され、冷却シリンダ50でシャーベット状のフローズン飲料が製造されて販売バルブ10の販売ノズル20から吐出して販売される。このように、混合飲料回路48の途中にダイアフラム46hを内蔵したアキュームタンク46を設けることにより、冷却シリンダ50で混合飲料が凍る際の体積膨張が緩和され、冷却シリンダ50で製造するシャーベット状のフローズン飲料を攪拌する攪拌モータ53(図12参照)の負荷を軽減することができる。
図3は、冷却シリンダ50を示す断面斜視図である。図に示すように、冷却シリンダ50は、その周囲に攪拌羽根51a、51bが配設されている軸52の後端(図中、右側)が攪拌モータ53の出力軸に連結し、軸52の前端(図中、左側)が冷却シリンダ50の前面に配設してあるケーシングカバー9に設けた軸受9b(図6参照)に軸支されている。
図4、5、6は、販売バルブ10が一体に取り付けられているケーシングカバー9を示している。ケーシングカバー9は、光透過性を有する材料(例えば、透明樹脂材料など)で形成され、その四隅には、ディスペンサ本体2の冷却シリンダ50に取付ボルト9aでケーシングカバー9を取り付けるための4箇所の取付穴9cが設けられている。また、ケーシングカバー9には、冷却シリンダ50内上部の位置にエア吸込み口55aを設け、ケーシングカバー9内にエア排出口55bを設けたエア抜き弁55と、冷却シリンダ50内下部の位置に水吸込み口56aを設け、ケーシングカバー9内に水排出口56bを設けた排水弁56と、を備えている。
エア抜き弁55にはエア抜き操作をするときにエア抜き弁55を開放させるためのリング55cが取り付けられ、排水弁56には水抜き操作をするときに排水弁56を開放させるためのリング56cが取り付けられている。さらに、ケーシングカバー9には、ケーシングカバー9を冷却シリンダ50に取り付けたときに、ケーシングカバー9を冷却シリンダ50内側に接合させるための接合部9dが設けられ、接合部9dには図示しないOリングが取り付けられることにより、冷却シリンダ50内を密閉するようにしている。
図7、8は、販売バルブ10を示し、フローズン飲料を販売するときに手前側(図中、左側方向)に引く販売レバー11、フローズン飲料を販売するときにはシール部13を開放し、フローズン飲料の販売を停止するときにはシール部13を閉塞させるスライド弁12、スライド弁12をシール部13側に押圧してシール部13を閉塞するスプリング14、ソレノイド15の起動によりスライド弁12をシール部13閉塞位置に固定させるスライド弁固定リンク機構16、スライド弁12の上端に設けられたマグネット18の上昇を検知して制御部90に検知信号(フローズン飲料販売検知信号)を出力するマグネットセンサ17、バルブカバー19、販売ノズル20などから構成され、ケーシングカバー9を介してディスペンサ本体2の内部に備えられる冷却シリンダ50に接続されるようにして固定される。
図9は、炭酸ガスボンベ30から供給される炭酸ガスの圧力によって液体を送出するガスポンプ49(ガスポンプ26、33、39)の待機時状態を示す断面側面図である。図に示すように、ガスポンプ49は、液体側本体49a、液体が流入する配管接続部材49b、流入する液体の逆流を防止する逆止弁49c、液体が送出される配管接続部材49d、送出する液体の逆流を防止する逆止弁49e、ダイアフラム49mの動作により液体が配管接続部材49bから流入して配管接続部材49dから送出する液体ポンプ室49f、炭酸ガス側本体49g、炭酸ガスが流入する配管接続部材49h、炭酸ガスが流入する炭酸ガス流入口49i、炭酸ガス放出口49j、炭酸ガスが流出する配管接続部材49k、液体と炭酸ガスを隔てるダイアフラム49m、ダイアフラム49mで液体ポンプ室49fと隔てられ、炭酸ガスの圧力がかかる炭酸ガス室49o、スプリングホルダー49nを炭酸ガス室49o側へ押圧する作動スプリング49p、作動弁シャフト49sの往復摺動の向きを瞬時に切り替えるUスプリング49q、作動弁シャフト49sの外周を長手方向に摺動し、炭酸ガス流入口49iと炭酸ガス放出口49jを交互に開閉して炭酸ガスの流入、放出を制御する作動弁ガスパージ49r、スプリングホルダー49nを作動弁シャフト49sと同軸に保つ働きをし、スプリングホルダー49nにねじ構造で一体的に取り付けられ、作動弁シャフト49sの一方向の移動をスプリングホルダー49nの移動と連動させるシャフト49tと、で構成されている。
かかる構成により、制御部90から信号が出力され、例えば、濃縮原料SY1自動バルブ34の電磁弁34bが開放されると、炭酸ガスボンベ30から炭酸ガスレギュレータ31bで0.36Mpaに調整されて炭酸ガス供給回路31bbから供給されている炭酸ガス圧力によって液体ポンプ室49f側に押圧されているダイアフラム49mが、液体ポンプ室49f内の液体を逆止弁49eを介して配管接続部材49dから送出する。液体ポンプ室49f内の液体が送出され、ダイアフラム49mと一体に動作するスプリングホルダー49nが液体流入側(図中、上側)に移動すると、スプリングホルダー49nにネジ構造で一体的に取り付けられた連動シャフト49tがスプリングホルダー49nに連動して上側(図中)に移動する。
スプリングホルダー49nの上側(図中)移動に連動シャフト49tを介して連動して摺動する作動弁シャフト49sが上側(図中)に移動を開始すると、図10に示すように、Uスプリング49qが反転して作動弁シャフト49sとスプリングホルダー49nが瞬時に上側(図中)に摺動して液体ポンプ室49f内の液体を配管接続部材49dから送出する。作動弁シャフト49sとスプリングホルダー49nが瞬時に上側(図中)に摺動して液体が液体ポンプ室49f内から送出されると、作動弁ガスパージ49rが作動弁シャフト49sとともに摺動し、炭酸ガス放出口49jが開口して炭酸ガス室49o内の炭酸ガスが放出される。
炭酸ガス室49o内の炭酸ガスが放出されると、ダイアフラム49mを液体ポンプ室49f側に押圧している炭酸ガス圧力がなくなり、作動スプリング49pがスプリングホルダー49nとともにダイアフラム49mを炭酸ガス室49o側へ押し戻す。そして、作動弁シャフト49sがスプリングホルダー49nに押され、Uスプリング49qが反転して図9に示す位置にダイアフラム49m、スプリングホルダー49nが移動する。ダイアフラム49mが炭酸ガス室49o側に移動するのに伴い、配管接続部材49bから逆止弁49cを介して液体ポンプ室49f内に液体が流入する。
そして、炭酸ガスボンベ30に貯蔵されている炭酸ガスが、配管接続部材49hを介して炭酸ガス流入口49iから炭酸ガス室49oへ流入し、次に、作動弁ガスパージ49rが摺動し、炭酸ガス放出口49jから炭酸ガス室49o内の炭酸ガスが放出される動作を繰り返すことにより、液体ポンプ室49f内の液体を逆止弁49eを介して配管接続部材49dから送出し、次に、濃縮原料SY1タンク32に収容されている濃縮原料SY1を配管接続部材49bから逆止弁49cを介して液体ポンプ室49f内に流入させる動作が繰り返して行われて液体を送出する。
図11は、アキュームタンク46の断面側面図である。図に示すように、アキュームタンク46は、液体側本体46a、混合飲料回路48が接続されて混合飲料(液体)が流入する配管接続部材46b、混合飲料回路48が接続されて混合飲料が送出される配管接続部材46c、混合飲料が配管接続部材46bから流入して配管接続部材46cから送出される液体室46d、炭酸ガス側本体46e、炭酸ガスレギュレータ43aで0.21Mpaに調整された炭酸ガスが供給される炭酸ガス供給回路43aaが接続される配管接続部材46f、配管接続部材46fを介して炭酸ガス供給回路43aaが接続されている炭酸ガス室46g、液体室46d(混合飲料)と炭酸ガス室46g(炭酸ガス)を隔てるダイアフラム46hと、で構成されている。
図12は、本発明の実施の形態であるフローズン飲料ディスペンサ1の制御ブロック図を示し、フローズン飲料ディスペンサ1でのフローズン飲料の製造や販売などを制御する制御部(制御手段)90は、中央処理装置としてのCPU91、CPU91の制御プログラムを格納するROM(リード・オンリー・メモリ)92、CPU91の制御に必要な各種のプログラムやデータを随時記憶するRAM(ランダム・アクセス・メモリ:例えば、濃縮原料と希釈水との希釈比率(混合比率)などを記憶する)93、基準クロック発生部(図示せず)で発生するクロックをカウントして各種時刻を計時するタイマー94、フローズン飲料ディスペンサ1に備えられている各機器に通電する電力回路を有する通電部95から構成されている。
制御部90には、フローズン飲料ディスペンサ1の各種設定データ(例えば、濃縮原料と希釈水との希釈比率(混合比率)など)を入力するリモコン96が接続されている。このリモコン96には、飲料を凍らせながら攪拌してフローズン飲料を製造するフローズン飲料製造ボタン97と、水と炭酸ガスとを冷却しながら攪拌して生成した炭酸水で冷却シリンダ50内を洗浄する洗浄ボタン98とを備えている。
また、制御部90には、マグネット18の上昇を検知して制御部90にスライド弁12が上昇したことを検知した検知信号を出力するマグネットセンサ17、流量センサ27aと電磁弁27bを有し、電磁弁27bを開放して流量センサ27aが出力するパルス数が所定のパルス数に達すると電磁弁27bを閉塞し、予め定めている量の希釈水を供給する希釈水自動バルブ27、流量センサ34aと電磁弁34bを有し、電磁弁34bを開放して流量センサ34aが出力するパルス数が所定のパルス数に達すると電磁弁34bを閉塞し、予め定めている量の濃縮原料SY1を供給する濃縮原料SY1自動バルブ34、流量センサ40aと電磁弁40bを有し、電磁弁40bを開放して流量センサ40aが出力するパルス数が所定のパルス数に達すると電磁弁40bを閉塞し、予め定めている量の濃縮原料SY2を供給する濃縮原料SY2自動バルブ40、炭酸ガス売切センサ42、冷却シリンダ圧力スイッチ47などが接続されている。
さらに、制御部90は、スライド弁12をシール部13閉塞位置に固定させるスライド弁固定リンク機構16を時計方向に回転させるソレノイド15、水入口弁25、炭酸ガス弁44、冷却シリンダ50で製造するフローズン飲料を攪拌する攪拌モータ53、冷却シリンダ50を冷却する冷凍装置54などへの通電制御を行う。
次に、リモコン96のフローズン飲料製造ボタン97が押圧されている状態で、冷却シリンダ圧力スイッチ47が出力する信号に基づいて制御部90が冷却シリンダ50に濃縮原料と希釈水と炭酸ガスを供給することにより、冷却シリンダ50で製造しているフローズン飲料の減少に合わせて濃縮原料と希釈水と炭酸ガスを供給する制御を図13のフローズン飲料製造タイミングチャート図を用いて説明する。
先ず、販売バルブ10でフローズン飲料が販売されると、冷却シリンダ50内の圧力が低下し、このとき圧力が0.16Mpaまで低下すると、冷却シリンダ圧力スイッチ47がOFFになる。制御部90がこの冷却シリンダ圧力スイッチ47が出力するOFF信号を受けると、予め設定してある希釈比率になるように濃縮原料SY1自動バルブ34と希釈水自動バルブ27を動作させる。例えば、濃縮原料と希釈水との希釈比率が1:4の場合、濃縮原料SY1自動バルブ34の流量センサ34aが出力するパルスA:5パルスに対し、希釈水自動バルブ27の流量センサ27aが出力するパルスB:20パルスとなるように制御部90は濃縮原料SY1自動バルブ34の電磁弁34bと希釈水自動バルブ27の電磁弁27bとを制御する。以後、制御部90はこの制御を繰り返して行い、濃縮原料と希釈水との希釈比率を調整して混合飲料回路48から冷却シリンダ50に所定の希釈比率に希釈された混合飲料を供給する。
そして、混合飲料が冷却シリンダ50に供給され、冷却シリンダ50内の圧力が上昇して0.2Mpaになると、冷却シリンダ圧力スイッチ47がONになる。制御部90がこの冷却シリンダ圧力スイッチ47が出力するON信号を受けると、濃縮原料SY1自動バルブ34の電磁弁34bと希釈水自動バルブ27の電磁弁27bを閉塞して混合飲料の供給を停止して待機状態となり、冷却シリンダ50内部圧力は0.2Mpaに保たれる。このとき炭酸ガス弁44は冷却シリンダ圧力スイッチ47に同期して動作し、混合飲料回路48に炭酸ガスを供給する。また、ガスポンプ26は希釈水自動バルブ27の動作に併せて動作して希釈水を送出する。
次に、リモコン96の洗浄ボタン98が押圧され、制御部90が冷却シリンダ50を洗浄する制御を図14の洗浄タイミングチャート図を用いて説明する。濃縮原料の種類変更時、および、ビールやワインなどのアルコールが含有された単独の発泡性飲料使用時は、飲料品質および衛生上の観点から毎日の洗浄作業が必要になる。この洗浄作業は、冷却シリンダ50内の原料を排出して洗浄する必要がある。
先ず、リモコン96の洗浄ボタン98を押圧する。洗浄ボタン98が押圧されると制御部90により、冷却シリンダ50に濃縮原料と希釈水と炭酸ガスを供給して凍らせながら攪拌してフローズン飲料を製造するフローズン飲料製造タイミングチャートから水と炭酸ガスとを供給して冷却しながら攪拌して生成した炭酸水で冷却シリンダ内を洗浄する洗浄タイミングチャートに切り替わる。洗浄タイミングチャートは、予め定められた所定の洗浄時間T(例えば、20分間)を経過すると、自動でフローズン飲料製造タイミングチャートに戻るように制御される。
次に、販売バルブ10の販売レバー11を操作して冷却シリンダ50内部の飲料を販売ノズル20から排出する、冷却シリンダ50内部の飲料排出作業を開始すると、冷却シリンダ50内の圧力が低下し、冷却シリンダ50内の圧力が0.16Mpaまで低下すると、冷却シリンダ圧力SW47がOFFになる。制御部90がこの冷却シリンダ圧力スイッチ47が出力するOFF信号を受けると、ガスポンプ26、希釈水自動バルブ27、炭酸ガス弁44を同時に動作させて冷却シリンダ50内に炭酸ガス入りの希釈水を供給する。このとき、攪拌モ-タ53と冷凍装置54とを連続運転動作させて冷却シリンダ50内の炭酸ガス入りの希釈水を冷却しながら攪拌して炭酸水を生成し、攪拌羽根51a、51bの攪拌動作により冷却シリンダ50内を炭酸水で洗浄する洗浄動作を連続して行う。
このようにして、洗浄用炭酸ガス入りの希釈水が冷却シリンダ50に供給されて炭酸水が生成されて冷却シリンダ50内を洗浄し、冷却シリンダ50内の圧力が上昇して0.2Mpaになると、冷却シリンダ圧力スイッチ47がONになる。制御部90がこの冷却シリンダ圧力スイッチ47が出力するON信号を受けると、ガスポンプ26、希釈水自動バルブ27を停止させ、希釈水の供給を自動で停止させる。
洗浄作業の途中で1回または2回、販売バルブ10の販売レバー11を操作して販売ノズル20からの洗浄水排出操作を行い、ケーシングカバー9を通して冷却シリンダ50内が完全に炭酸水になっていることを確認し、洗浄時間Tの残り時間(例えば、10分間程度)攪拌モ-タ53と冷凍装置54とを連続運転動作させて冷却シリンダ50内を炭酸水(特に、炭酸ガス入りの希釈水を冷却しながら攪拌して生成した炭酸水の炭酸ガス気泡による洗浄作用)で攪拌洗浄を行う。そして、洗浄時間T経過後、販売バルブ10の販売レバー11を操作して販売ノズル20から洗浄に使用した炭酸水を排出する。最後に残水が液面Aレベル(図7、8参照)まで残った時点で、リング56cを引いて排水弁56を開放させ、炭酸ガス圧で冷却シリンダ50内の残水をブローして水吸込み口56aから吸い込ませて水排出口56bから完全に排出して洗浄作業を終了する。
(実施の形態2)
図15は、本発明に係るビールやワインなどのアルコールが含有された単独の発泡性飲料などを冷却シリンダで凍らせながら攪拌して空気または炭酸ガスを微細に混入氷結させたシャーベット状のフローズン飲料を製造、販売するフローズン飲料ディスペンサの実施の形態2の概略回路構成図である。
図に示すように、フローズン飲料ディスペンサ5は、水道蛇口22に接続されて冷却シリンダ50に水を供給する水供給回路21には、水フィルタ23、水圧を0.2Mpaに減圧する減圧弁24、水入口弁25、炭酸ガスボンベ30から炭酸ガスレギュレータ31aで0.54Mpaに調整されて炭酸ガス供給回路31aaから供給される炭酸ガスで水道水を送出するガスポンプ26、流量センサ27aと電磁弁27bを有し、制御部90(図16参照)による制御で電磁弁27bを開放して流量センサ27aが出力するパルス数が所定のパルス数に達すると電磁弁27bを閉塞し、予め定めている量の水を供給する水自動バルブ27、水逆止弁28が設けられている。
また、冷却シリンダ50に発泡性飲料を供給する発泡性飲料供給回路29には、炭酸ガスボンベ30から炭酸ガスレギュレータ31bで炭酸ガス圧が調整されて炭酸ガス供給回路31bbから供給される炭酸ガスで発泡性飲料タンク6に収容されている発泡性飲料が送出され、水自動バルブ27と同じく、流量センサ34aと電磁弁34bを有し、制御部90による制御で電磁弁34bを開放して流量センサ34aが出力するパルス数が所定のパルス数に達すると電磁弁34bを閉塞し、予め定めている量の発泡性飲料を供給する発泡性飲料自動バルブ34、発泡性飲料逆止弁35が設けられている。
また、炭酸ガスボンベ30から炭酸ガスレギュレータ31aで0.54Mpaに調整された炭酸ガスが供給される炭酸ガス供給回路31aaは分岐されて炭酸ガスレギュレータ43a、43bに接続され、炭酸ガス供給回路31aaの回路途中には炭酸ガス売切センサ42(検知圧力0.39MpaでOFF信号を出力し、0.46MpaでONを出力する)が設けられている。
炭酸ガスレギュレータ43bで0.26Mpaに調整された炭酸ガスが供給される炭酸ガス供給回路43bbには、炭酸ガス弁44、炭酸ガス逆止弁45が設けられ、飲料回路48に接続されている。この飲料回路48に接続されている炭酸ガス供給回路43bbの炭酸ガス弁44が開放されると、炭酸ガスが炭酸ガス逆止弁45を介して飲料回路48に供給され、水に炭酸ガスが混合された炭酸ガス入り水となる。
さらに、飲料回路48の炭酸ガス供給回路43bbが接続された下流側には、炭酸ガス供給回路43aaが接続されているアキュームタンク46、冷却シリンダ圧力スイッチ47が設けられ、飲料回路48は冷却シリンダ50に接続されている。冷却シリンダ50には販売バルブ10が設けられ、冷却シリンダ50でシャーベット状に製造されているフローズン飲料を販売ノズル20から吐出して販売する。
そして、制御部90(図16参照)により、発泡性飲料自動バルブ34の電磁弁34bが開放されると、発泡性飲料タンク6に収容されている発泡性飲料が送出されて発泡性飲料自動バルブ34を介して発泡性飲料逆止弁35から飲料回路48に供給される。
そして、実施の形態2の構成によっても、リモコン96のフローズン飲料製造ボタン97が押圧されている状態で、冷却シリンダ圧力スイッチ47が出力する信号に基づいて制御部90が冷却シリンダ50に発泡性飲料と炭酸ガスを供給することにより、冷却シリンダ50で製造しているフローズン飲料の減少に合わせて発泡性飲料と炭酸ガスを供給してフローズン飲料を製造する。また、リモコン96の洗浄ボタン98が押圧されると、制御部90が冷却シリンダ50に炭酸ガス入り水を供給して冷却シリンダ50内を洗浄する制御を行う。
以上説明したように本発明によれば、飲料を冷却シリンダ50で凍らせながら攪拌してフローズン飲料を製造、販売するフローズン飲料ディスペンサ1、5において、冷却シリンダ50に水と炭酸ガスとを供給し、該供給された水と炭酸ガスとを冷却しながら攪拌して炭酸水を生成し、該炭酸水で冷却シリンダ50内を洗浄することにより、冷却シリンダ50内部品の洗浄作業を容易にするとともに、手作業による分解洗浄工程をなくして衛生的にすぐれた洗浄作業をすることができるフローズン飲料ディスペンサ1、5を提供することが可能となる。
また、飲料を凍らせながら攪拌してフローズン飲料を製造するフローズン飲料製造ボタン97と、水と炭酸ガスとを冷却しながら攪拌して生成した炭酸水で冷却シリンダ50内を洗浄する洗浄ボタン98とを備え、フローズン飲料製造ボタン97が押圧されると、冷却シリンダ50に飲料を供給して凍らせながら攪拌してフローズン飲料を製造し、洗浄ボタン98が押圧されると、冷却シリンダ50に水と炭酸ガスとを供給して冷却しながら攪拌して生成した炭酸水で冷却シリンダ50内を洗浄する制御手段を備えたことにより、冷却シリンダ50の前面に配設しているケーシングカバー9を取り付けている4箇所の取付ボルト9aを外し、ケーシングカバー9を手前に取り外して残水を排出し、冷却シリンダ50内の内部部品を取出し、ぬるま湯で洗浄し、部品洗浄後、再度逆手順で組み立てる必要がなくなり、洗浄ボタン98を押圧することで自動で冷却シリンダ50内部品の洗浄作業を行うことできるようになり、手作業による分解洗浄工程をなくして衛生的にすぐれた洗浄作業をすることができるフローズン飲料ディスペンサ1、5を提供することが可能となる。
また、冷却シリンダ50に飲料または水と炭酸ガスとを供給する回路に冷却シリンダ圧力スイッチ47を設け、制御部90は冷却シリンダ圧力スイッチ47が出力する信号に基づいて冷却シリンダ50に飲料または水と炭酸ガスとを供給することにより、冷却シリンダ50に飲料または水を自動で供給することができるフローズン飲料ディスペンサ1、5を提供することが可能となる。
また、水と炭酸ガスとを供給して冷却しながら攪拌して生成した炭酸水の炭酸ガス気泡による洗浄作用により冷却シリンダ50内を洗浄することにより、衛生上、すぐれた洗浄効果を得ることができるフローズン飲料ディスペンサ1、5を提供することが可能となる。
また、冷却シリンダ50の前面に配設しているケーシングカバー9に、冷却シリンダ50内上部にエア吸込み口55aを設けたエア抜き弁55と、冷却シリンダ50内下部に水吸込み口56aを設けた排水弁56と、を備えたことにより、冷却シリンダ50の前面に配設しているケーシングカバー9を取り外さずに完全な排水が可能となり、大幅に洗浄作業時間の短縮ができるフローズン飲料ディスペンサ1、5を提供することが可能となる。