JP2015076981A - 回転電機のステータマウント構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステータとケースの間の音振動の遮断と熱伝導性の確保を両立させる。
【解決手段】回転電機1の有底の円筒形状のケース3の内周面に臨むように、インナフレーム7をケース3の底面に固定する。インナフレーム7の内側にステータ2を保持する、ケース3の内周面とインナフレーム7の外周面とを弾性材8を介して接触させることで、音振動を遮断できるとともに、放熱性も高められる。
【選択図】図3
【解決手段】回転電機1の有底の円筒形状のケース3の内周面に臨むように、インナフレーム7をケース3の底面に固定する。インナフレーム7の内側にステータ2を保持する、ケース3の内周面とインナフレーム7の外周面とを弾性材8を介して接触させることで、音振動を遮断できるとともに、放熱性も高められる。
【選択図】図3
Description
この発明は、電動モータやジェネレータなどの回転電機のステータのケースへのマウントに関する。
電動モータやジェネレータなどの回転電機においては、ステータをケース内に固定するために様々な方法が採られている。
特許文献1は、組み立てられた複数の分割部材からなるステータコアが、回転電機の運転に伴う磁気吸引力や反発力で歪みを生じ、音振動の原因となることに着目し、ケースの外周にリング部材を圧入または焼嵌めして、ケースの剛性を高めることを提案している。
引用文献1のステータの固定構造においては、ステータがケース内周面に直線接している。そのため、例えば電動モータの場合、モータの起振力が直接ケースに伝達され、音振動の原因となることは避けられない。
音振動対策として、ステータをケースに対してフローティング状態で支持することが考えられる。この場合にはステータからケースへの音振動伝達は遮断できるが、ステータの発熱の放熱に関する性能が低下することは避けられない。
この発明は、従来技術の上記の問題を解決すべくなされたもので、音振動の遮断と放熱性の確保を両立させることのできる回転電機のステータマウント構造を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、この発明は、有底の円筒形状のケースの内周面に臨み、ケースの底面に固定されたインナフレーム、の内側にステータ_を保持する回転電機のステータマウント構造を提供する。ステータマウント構造は、ケースの内周面とインナフレームの回収面とを弾性部材を介して接触させている。
ケースの内周面とインナフレームの回収面とを弾性部材を介して接触させることで、ステータからケースへの音振動の伝達が遮断される。一方、ケースとインナフレームとが弾性部材を介して接触することで、ケースとステータ間にフローティング構造のような隙間が生じない。そのため、ステータからケースへの熱伝導性も確保される。このステータマウント構造によれば、音振動の遮断と放熱性の確保とを簡易な構成で実現できる。
図1を参照すると、電動モータまたはジェネレータからなる回転電機1は、円筒状のケース3の内側に固定されたステータ2_と、ステータ2の内側に回転自由に収装されたロータ4と、を備える。ケース3の開口部にはカバー5が固定される。
図2を参照すると、ステータ2はインナフレーム7を介してケース3の内側に固定される。
インナフレーム7は円筒部7Aと底面部7Bからなる有底の筒状部材である。底面部7Bはケース3にボルト9で固定される。この発明の第1の実施形態によれば、円筒部7Aは弾性部材8を介してケース3の内周に嵌合する。この発明の第2の実施形態によれば、円筒部7Aは弾性部材8と外筒10とを介してケース3の内周に嵌合する。
図3を参照すると、この発明の第1の実施形態の回転電機のステータマウント構造によれば、円筒部7Aは弾性部材8を介してケース3の内周に嵌合する。円筒部7Aの内側にはステータ2があらかじめ圧入などの方法で固定される。
円筒部7Aの外径は、ケース3の内径より若干小さく設定される。インナフレーム7は内側にステータ2を圧入した状態でケース3内に挿入され、底面部7Bを貫通するボルト9によりケース3に固定される。
この状態で円筒部7Aとケース3の内周面との間には環状隙間が生じる。
この環状隙間にケース3の開口部から樹脂を注入する。注入する樹脂には、固化した後に弾性材8として機能すること、及び熱伝導性に優れていること、という2つの条件を満たす材質のものを選択する。
このようにしてインナフレーム7とケース3の間に弾性材8を充填することで、インナフレーム7がケース3に直接接する場合と比べて次のような好ましい効果が得られる。
すなわち、回転電機1の運転に伴う磁気吸引力や反発力でステータ2のステータコアに歪みを生じ、これが回転電機1の音振動の原因となる。この実施形態のマウント構造によれば、インナフレーム7とケース3との間に樹脂が充填される。その結果、樹脂の固化により形成される弾性材8がステータコアとインナフレーム7の音振動を吸収し、インナフレーム7からケース3への音振動の伝達を遮断する。そのため、ケース3にはステータ2の音振動が伝わらない。
一方、回転電機1の運転中はステータ2のスロットに巻かれたステータコイルが発熱する。この発熱はステータ2の外側のインナフレーム7と弾性材8を介してケース3に達し、ケース3から空気中に放熱される。
インナフレーム7とケース3とは熱伝導性の高い樹脂材料からなる弾性材8を介して接しているため、インナフレーム7の高熱はケース3に速やかに伝達される。したがって、インナフレーム7をケース3に対してフローティング状態とする場合と比べてステータ2の放熱性が著しく改善される。この実施形態では、樹脂を隙間に充填することで弾性材8を得るので、隙間の壁面に密着した弾性材8を得ることができる。これは放熱性の確保に関して好ましい効果をもたらす。
図4と図5を参照すると、この発明の第2の実施形態の回転電機のステータマウント構造は、インナフレーム7の外側に配置された外筒10を備える。外筒10の内径はインナフレーム7の外径より若干大きく設定される。その結果、外筒10とインナフレーム7との間に環状断面の隙間が生じる。インナフレーム7をケース3に固定するのに先立ち、この隙間に樹脂を充填して弾性材8を形成する。この段階ではインナフレーム7がケース3に挿入されていないので、樹脂の充填は図5の矢印に示すように、軸方向の両側から行なうことができる。したがって、樹脂の充填に要する時間を短縮できる。
インナフレーム7と外筒10の隙間に充填された樹脂が固化して弾性材8が形成された後に、外筒10を内側の弾性材8及びステータ2とともにケース3の内側に嵌合させ、インナフレーム7をボルト9でケース3に固定する。
この実施形態によっても、外筒10とインナフレーム7の間への樹脂の充填により形成された弾性材8が、第1の実施形態と同様に音振動の遮断性と放熱性の双方に関して、第1の実施形態と同様に優れたステータマウント構造を得ることができる。
この実施形態では、外筒10とインナフレーム7の環状隙間に樹脂を充填する構造のため、ケース3に固定する前の段階で、インナフレーム7を外筒10と弾性材8を含むアッセンブリとして組み立てておくことができる。したがって、隙間への樹脂の注入が容易に行える。言い換えれば、インナフレーム7をケース3に固定してから環状隙間への樹脂注入作業を行なう場合と比べて、弾性材8の形成のための作業効率を改善することができる。
以上のように、この発明をいくつかの特定の実施形態を通じて説明して来たが、この発明は上記の各実施形態に限定されるものではない。当業者にとっては、特許請求の範囲でこれらの実施形態にさまざまな修正あるいは変更を加えることが可能である。
1 回転電機
2 ステータ
3 ケース
4 ロータ
5 カバー
7 インナフレーム
7A 円筒部
7B 底面部
8 弾性材
9 ボルト
10 外筒
2 ステータ
3 ケース
4 ロータ
5 カバー
7 インナフレーム
7A 円筒部
7B 底面部
8 弾性材
9 ボルト
10 外筒
Claims (3)
- 有底の円筒形状のケースの内周面に臨んでケースの底面に固定されたインナフレームの内側にステータを保持する、回転電機のステータマウント構造において、前記ケースの内周面と前記インナフレームの外周面とを弾性材を介して接触状態に保持したことを特徴とする回転電機のステータマウント構造。
- 前記弾性材は樹脂で構成される、請求項1の回転電機のステータマウント構造。
- 前記インナフレームは前記弾性材の外周を覆う外筒を備え、前記ケースの内周面と前記インナフレームの外周面とを前記弾性材と前記外筒を介して前記ケースの内周面と接触状態に保持した、請求項1または2の回転電機のステータマウント構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013211764A JP2015076981A (ja) | 2013-10-09 | 2013-10-09 | 回転電機のステータマウント構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013211764A JP2015076981A (ja) | 2013-10-09 | 2013-10-09 | 回転電機のステータマウント構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015076981A true JP2015076981A (ja) | 2015-04-20 |
Family
ID=53001447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013211764A Pending JP2015076981A (ja) | 2013-10-09 | 2013-10-09 | 回転電機のステータマウント構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015076981A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016017370A1 (ja) * | 2014-07-31 | 2016-02-04 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 回転電機 |
EP3591812A1 (de) | 2018-07-02 | 2020-01-08 | Ovalo GmbH | Elektromotor und verfahren zum herstellen eines elektromotors |
-
2013
- 2013-10-09 JP JP2013211764A patent/JP2015076981A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016017370A1 (ja) * | 2014-07-31 | 2016-02-04 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 回転電機 |
EP3591812A1 (de) | 2018-07-02 | 2020-01-08 | Ovalo GmbH | Elektromotor und verfahren zum herstellen eines elektromotors |
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RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
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