JP2015076075A - 空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空調システム1は、コールドアイル4から各ラック10の内部を介してホットアイル5への冷却空気の流れを形成して情報処理機器の冷却を行う空調システム1であって、配列方向における複数のラック10のいずれか一方の端部に連続的に配置された空調機20であって、ホットアイル5から空気を吸い込む吸込口21と、吸込口21より吸い込んだ空気を冷却して冷却空気を生成する冷却器22と、冷却器22にて生成された冷却空気をコールドアイル4に対して吹き出す吹出口23と、吸込口21から吹出口23に至る空気の流れを形成する送風機24と、を有する空調機20と、空調機20の吹出口23からの冷却空気の吹き出し方向を所定の方向に変更する風向板30と、を備える。
【選択図】図1
Description
まず、各実施の形態の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る空調システムは、情報処理機器の冷却を行う空調システムである。ここで、情報処理機器の用途は任意であるが、各実施の形態では、データセンター等の大規模な情報処理施設にて各種のデータを処理するための機器として用いられるものとして説明する。また、情報処理施設における情報処理機器の設置台数についても任意であり、少なくとも一つの情報処理機器を備えることにより当該空調システムを構成することが可能であるが、各実施の形態では複数の情報処理機器が設置されているものとして説明する。また、各実施の形態では、情報処理施設における、複数の情報処理機器が設置された一つの部屋について注目して説明し、当該部屋の内部のことを以下では必要に応じて「室内」と称して説明する。
次に、各発明に係る実施の形態の具体的内容について説明する。
最初に、実施の形態1について説明する。
まずは、本実施の形態1に係る空調システム1の構成について説明する。図1は、本実施の形態1に係る空調システム1を概略的に示す図であって、図1(a)は平面図、図1(b)は前面図、図1(c)は左側面図、図1(d)は右側面図である。以下では、必要に応じて、図1におけるX−X’方向を「幅方向」と称し、特にX方向を「右方向」、X’方向を「左方向」と称する。また、Y−Y’方向を「奥行き方向」と称し、特にY方向を「後方向」、Y’方向を「前方向」と称する。また、Z−Z’方向を「高さ方向」と称し、特にZ方向を「上方向」、Z’方向を「下方向」と称する。この図1に示すように、本実施の形態1に係る空調システム1は、概略的に、ラック10、空調機20、風向板30、免震装置40、コールドアイルのキャッピング50、ホットアイルのキャッピング60、及びPDU70(Power Distribution Unit)を備えて構成される。
ラック10は、情報処理機器(図示省略)を収容するための収容手段である。このラック10の具体的な形状については任意であるが、本実施の形態1については図1に示すように中空の直方体形状として形成された筐体を有し、その筐体の内部には複数の情報処理機器が収容されたラック10であるものとして説明する。なお、このラック10における筐体の内部の空間(情報処理機器が配置された空間)を以下では必要に応じて「冷却対象空間」と称して説明する。
空調機20は、冷却空気を生成して、生成した冷却空気をコールドアイル4へと供給する空調手段であって、配列方向における複数のラック10のいずれか一方の端部(本実施の形態1においては、複数のラック10の右側の端部)に連続的に配置された空調手段である。ここで、「連続的に配置」とは、複数のラック10の一方の端部と、当該空調手段との相互間に他の物が介在しないことを示す。図2は空調機20を示す図であって、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図、図2(c)は前面図である。この図2に示すように、空調機20は、吸込口21、冷却器22、吹出口23、及び送風機24を備えて構成されている。なお、図2(c)において、実際には、風向板30は空調機20の送風機24等よりも前方に配置されているが、図示の便宜上において、点線にて風向板30を示している。
さらに、空調機20における複数のラック10が配置された側方と反対側の側方(すなわち、空調機20の右方)から、ホットアイルのキャッピング60の空調機側遮蔽部61に設けられた出入り口61a(後述する)、及び空調機20におけるホットアイル5側の側方(すなわち、空調機20の後方)を介して、複数のラック10におけるホットアイル5側の側方(すなわち、ラック10の後方)へとユーザが連続的に移動可能となっている。
このように、ユーザは、空調機20の前方を通ってラック10の前方へと移動可能であり、かつ、空調機20の後方を通ってラック10の後方へと移動可能であるため、コールドアイル4やホットアイル5における空調機20が配置されていない側の側方(本実施の形態1における左側方)に回り込む必要なくラック10の前方又は後方へと移動できる。このように、当該空調システム1における空調機20の配置によれば、ユーザによる設備点検等の自由度の向上を図ることが可能となる。
風向板30は、空調機20の吹出口23からの冷却空気の吹き出し方向を所定の方向に変更する風向変更手段である。この風向板30は、空調機20と略同一の高さを有する長板形状の部材として形成されており、空調機20の吹出口23に対して幅方向に沿って複数枚(本実施の形態1においては6枚)並設されている。ここで、各風向板30は、吹出口23との設置部分を中心として回動可能となっている。そして、風向板30同士は、公知のリンク機構(図示省略)によって接続されており、相互に連動して回動する。例えばユーザが、一つの風向板30の角度を手動で調節した場合、他の風向板30も同様に回動して同一の角度に調節される。すなわち、各風向板30の角度は常に同一となるように形成されている。なお、本実施の形態1においては、各風向板30は、平面視において吹出口23と直交する方向から左方向に所定の角度(例えば30°)を有する向きとなるように角度が調節されているものとして説明する。
免震装置40は、地震発生時におけるラック10の揺れを抑制する免震手段であって、具体的な構成については任意であり、例えば公知の積層ゴムやすべり支承を用いた免震装置40として構成することができる。なお、本実施の形態1においては、各ラック10の下面、空調機20の下面、コールドアイルのキャッピング50の下面、ホットアイルのキャッピング60の下面、PDU70の下面、PDU70の前方領域の下面、及びPDU70の後方領域の下面に架けて配置された、平面視略長方形状の所定高さ(例えば10cm)の薄型免震装置として形成されている。
ここで、PDU70の前方領域、及びPDU70の後方領域については、いかなる機器も配置されておらず、実際にはこれら領域を免震する必要は無い。したがって、免震装置40の設置面積を低減して設置コストの低減を図るためには、これらの領域の部分を省略した形状(すなわち、平面視上において右方がPDUの下面に対応する形状に突設した長方形状)にて免震装置40を構成することが望ましい。ただし、本実施の形態1においては、このような複雑な形状の免震装置40を形成する手間等を考慮して、上述したようにPDU70の前方領域の下面、及びPDU70の後方領域の下面に架けても配置された平面視略長方形状の免震装置40として構成している。
コールドアイルのキャッピング50は、コールドアイル4の内部に供給された冷却空気がコールドアイル4の外部へと漏出してしまうことを防止する冷却空気漏出防止手段である。具体的には、コールドアイルのキャッピング50は、概略的に、空調機側遮蔽部51、ラック側遮蔽部52、側方遮蔽部53、及び上方遮蔽部54を備えて構成されている。
側方遮蔽部53は、ラック10の吸込面11から、配列方向と直交する方向に所定距離離れた位置に、ラック10の吸込面11と平行に配置されたポリカーボネート製の板状体である。
上方遮蔽部54は、コールドアイル4の上方において、水平に配置されたポリカーボネート製の板状体である。
ホットアイルのキャッピング60は、ホットアイル5の内部の空気がホットアイル5の外部へと漏出してしまうことを防止する排気漏出防止手段である。具体的には、ホットアイルのキャッピング60は、概略的に、空調機側遮蔽部61、ラック側遮蔽部62、側方遮蔽部63、及び上方遮蔽部64を備えて構成されている。
側方遮蔽部63は、ラック10の吹出面12から、配列方向と直交する方向に所定距離離れた位置に、ラック10の吹出面12と平行に配置されたポリカーボネート製の板状体である。
上方遮蔽部64は、ホットアイル5の上方において、水平に配置されたポリカーボネート製の板状体である。
PDU70は、データセンターで供給される電源を、ラック10の内部の情報処理機器に配電するための電源分配手段であって、ベーシックPDU、スイッチ付きPDU、あるいはインテリジェントPDU等といった公知のPDU70によって構成されている。ここで、PDU70の具体的な位置は任意であるが、本実施の形態1においては、空調機20の側方のうちラック10が配置された側方と反対側の側方に配置されている。このように空調機20を管理する者や情報処理機器を管理する者の動線と重複しない位置にPDU70を配置することが望ましい。また、各情報処理機器の配線は、上述したように、ラック10の上部を介して当該PDU70と接続されている。また、室内の電源からPDU70に対して送電するための配線は、上述した冷水配管25同様に地震時において破断等しないように、地震時における変位を考慮した長さにて形成されている。
このように構成された空調システム1によって実行される空調処理について説明する。まず、空調機20の吸込口21を介して空調機20に吸い込まれた空気は、空調機20の冷却器22によって冷却されて冷却空気となり、空調機20の吹出口23を介して吹き出される。そして、このように空調機20から吹出された冷却空気は風向板30によって風向きが変えられて、所定の角度を持って吹き出される。この際における冷却空気の流れを図1の矢印にて示す。このように、空調機20の吹出口23からラック列の方向に向けて送風されることにより、コールドアイルにおける各ラック10の吸込面11の前方に対して冷却空気が送風される。
本実施の形態1に記載の空調システム1によれば、空調機20を複数のラック10の端部に連続的に配置するので、空調機20を管理する者とラックの内部に収容された情報処理機器を管理する者の動線を区別して確保する事が可能となる。また、吹出口23からの冷却空気の吹き出し方向を所定の方向に変更する風向板30を備えるので、空調機20が複数のラック10の端部に配置されている場合であっても各ラック10に対して均等にあるいは局所的に冷却空気の送風を図ることができ、情報処理機器の冷却効率の向上を図ることが可能となる。
続いて、実施の形態2について説明する。
まず、実施の形態2に係る空調システムの構成について説明する。この空調システムは、概略的に、ラック10、空調機20、風向板30、免震装置40、コールドアイルのキャッピング50、ホットアイルのキャッピング60、PDU70、温度計、及び制御部を備えて構成される。なお、温度計及び制御部以外の各構成要素については実施の形態1と同様に構成することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
温度計は、ラック10の内部の温度を計測するための計測手段であって、各ラック10の内部に設置された公知の温度計として構成されている。なお、当該温度計は、制御部に対して配線により接続されており、計測された温度を制御部に対して所定の時刻間隔(例えば10秒置き)で送信する。
制御部は、温度計にて計測された温度に基づいて風向板30を制御して吹出口23からの冷却空気の吹き出し方向を調節する制御手段である。この制御部は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されている。
続いて、実施の形態2の空調システムによって実行される処理について説明する。
本実施の形態2に記載の空調システムによれば、ラック10の内部の温度に応じて冷却空気の吹き出し方向を調節する制御部を備えるので、各ラック10の冷却状況に一層適した空調を行うことが可能となり、情報処理機器の冷却効率のさらなる向上を図ることが可能となる。
続いて、実施の形態3について説明する。この実施の形態3に係る空調システム3は、複数の空調ユニット80を組み合わせることによって構成された空調システム3である。ここで、「空調ユニット80」とは、所定の配列方向に沿って連続的に配列された複数のラック10と、当該複数のラック10の端部に連続的に配置された空調機20と、を少なくとも備えて構成された一単位のシステムであって、本実施の形態3においては、これら複数のラック10及び空調機20に加えて、風向板30、免震装置40、及びPDU70を備えるユニットであるものとして説明する。図3は、実施の形態3に係る空調ユニット80を2つ接続した空調システム3を概略的に示す平面図である。図4は、空調システム3を概略的に示す側面図である。なお、この図3に示すように、以下では2つの空調ユニット80を、コールドアイル4を介して平行かつ同一向きに並設して接続した接続パターンの空調システム3の構成について説明する。なお、「同一向き」とは、ラック列の両端部における同一側の端部に空調機20を配置することを示し、例えば、図3に示すように、2つの空調ユニット80はそれぞれラック列の右側の端部に空調機20を配置して構成されているため、これらの空調ユニット80は「同一向き」に該当する。なお、以下では、図3における後側に配置された空調ユニット80を「第一空調ユニット81」、前側に配置された空調ユニット80を「第二空調ユニット82」と必要に応じて称して説明する。なお、第一空調ユニット81は実施の形態1と同様に空調機20の前側に空調機20の吹出口23が位置するように配置されており、第二空調ユニット82は第一空調ユニット81とは対称的に空調機20の後側に空調機20の吹出口23が位置するように配置されている。
まずは本実施の形態3に係る空調システム3の構成について説明する。本実施の形態3に係る空調システム3は、概略的には、実施の形態1に係る空調システム1を、ラック10の吸込面11が向き合うような配置において設置し、コールドアイルのキャッピング50の側方遮蔽部53を削除してコールドアイル4を1つに結合することにより形成されたシステムである。具体的には、空調システム3は、概略的に、第一空調ユニット81、第二空調ユニット82、コールドアイルのキャッピング90、ホットアイルのキャッピング60、及び各空調ユニット80に対応するPDU70を備えて構成されている。ここで、各空調ユニット80を構成するラック10及び空調機20と、ホットアイルのキャッピング60と、各空調ユニット80に対応するPDU70と、については実施の形態1と同様に構成することが可能であるため、以下ではコールドアイルのキャッピング90の構成についてのみ説明する。
コールドアイルのキャッピング90は、各空調ユニット80の相互間に形成されたコールドアイル4の内部に供給された冷却空気がコールドアイル4の外部へと漏出してしまうことを防止する冷却空気漏出防止手段である。具体的には、空調機側遮蔽部91、ラック側遮蔽部92、及び上方遮蔽部93を備えて構成されている。
以上では、ラック10の配列方向と直交する方向(すなわち、図3における奥行き方向)に沿って2つの空調ユニット80を並設して接続した接続パターンについて説明したが、空調ユニット80の接続パターンはこれに限定されない。図5は、空調ユニット80の接続パターンを概略的に示す平面図である。すなわち、この図5に示すように、本実施の形態に係る空調ユニット80は、ラック10の配列方向に沿って(すなわち、図5における幅方向に沿って)一直線上に接続する接続パターンも可能であり、また、ラック10の配列方向と直交する方向(すなわち、図5における奥行き方向に沿って)に沿って3つ以上の空調ユニット80を並設する接続パターンも可能である。具体的には、前者の接続パターンにおいては、複数のラック10における空調機20が配置されていない側の端部同士が連続的に配置される向き(すなわち、平面視上において、空調機20からも最も遠いラック10の側面のうち空調機20から遠い側の側面を基準面として線対称の配置となる向き)に空調ユニット80を並設する。この場合には、各空調ユニット80のラック側遮蔽部52、62、92、及び、各ラック側遮蔽部52、62、92に設けられた出入り口52a、62a、92aを省略しても良い。また、後者の接続パターンにおいては、複数の空調ユニット80のラック列の、吹出面12及び吸込面11がそれぞれ向かい合うように空調ユニット80を配置する。ここで、複数の空調ユニット80のラック列の、吹出面12がそれぞれ向かい合うように配置する際には、当該吹出面12の相互間に位置するホットアイルのキャッピング60の側方遮蔽部63を削除して、ホットアイル5を1つに結合するようにホットアイルのキャッピング60を構成しても良い。このような構成の詳細については、上述したように、実施の形態1に係る空調システム1におけるコールドアイルのキャッピング50の側方遮蔽部53を削除してコールドアイル4を1つに結合するようにコールドアイルのキャッピング90を構成した事と同様に説明することが出来るため、説明を省略する。このように、室内の広さに応じて任意の数の空調ユニット80を幅方向又は奥行き方向に沿って接続することが可能である。
本実施の形態3に記載の空調システム3によれば、複数の空調ユニット80を組み合わせて空調システム3を構成するので、ラック10を設置する部屋の広さや、設置するラック10の数等に応じて複数の空調ユニット80を組み合わせることができ、空調システムの構成の自由度の向上を図ることが可能となる。
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、情報処理機器の冷却効率を向上させることができない場合であっても、従来と異なるシステムにより空調を達成できている場合には、本発明の課題は解決されている。
発明の詳細な説明や図面で説明した空調システム1、3、100の各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。
各実施の形態では、ラック10の筺体における一側面、及び当該一側面と対向する位置に設けられた他の側面には開閉可能な扉が設けられているものとして説明したが、これに限らず、いずれか一方の面にのみ扉が設けられているものとしても良い。
各実施の形態では、情報処理機器自体に設けられた冷却ファンによってコールドアイル4の空気をラック10の内部を介してホットアイル5に排気したが、このような冷却ファンは必ずしも情報処理機器自体に設ける必要はない。例えば、情報処理機器自体には冷却ファンを設けず、各ラック10の内部におけるいずれかの位置に冷却ファンを配置して情報処理機器に対して冷却空気を送風しても良い。
情報処理機器が収容されていないラック10に対して取り付けられる冷却対象空間遮蔽手段であって、当該ラック10の内部に対する冷却空気の流通を防止するための冷却対象空間遮蔽手段を設けても良い。すなわち、必ずしもラック列を構成する各ラック10の全てに情報処理機器を収容する必要はなく、一部のラック10にのみ情報処理機器を収容し、他のラック10には情報処理機器を収容しない場合も存在する。このような場合においては、情報処理機器が収容されていないラック10の内部は、情報処理機器が収容されているラック10の内部に比べて通気抵抗が格段に小さい。したがって、コールドアイル4の冷却空気の多くが、当該情報処理機器が収容されていないラック10の内部を介してホットアイル5へと流通してしまい、情報処理機器を充分に冷却することが出来ない可能性があった。このような問題を解決するために、ラック10の吸込面11又は吹出面12と略同一形状の長板面を有するパネルの如き冷却対象空間遮蔽手段を、情報処理機器が収容されていないラック10における吸込面11又は吹出面12に対して当該吸込面11又は吹出面12のいずれかを覆うように取り付けても良い。このことによって、情報処理機器が収容されていないラック10の内部への冷却空気の流通を防止し、情報処理機器が収容されたラック10に対して重点的に冷却空気を流通させることが可能となり、情報処理機器の冷却効率を向上させることが可能となる。なお、当該パネルは一枚のパネルによって構成されている事を要さず、例えば複数のパネルを組み合わせて構成されたものであっても良い。
各実施の形態では、ホットアイルのキャッピング60を設置するものとして説明したが、ホットアイルのキャッピング60を設置しない構成としても良い。このようにホットアイルのキャッピング60を設置しない構成によれば、ホットアイルのキャッピング60を設置することに要するコストや、ホットアイルのキャッピング60の清掃コストの低減を図ることが可能となる。さらに、意匠的圧迫感を有することのあるホットアイルのキャッピング60を設置しないことにより、ユーザのストレスの低減を図ることが可能となる。
各実施の形態では、コールドアイルのキャッピング50、90及びホットアイルのキャッピング60を構成する各部の素材や形状に関して、空調機側遮蔽部51、61、91及びラック側遮蔽部52、62、92をビニール製のシート、側方遮蔽部53、63及び上方遮蔽部54、64、93をポリカーボネート製の板状体として構成するものとして説明したが、空気の漏出を防止可能な強度を有する限りにおいて、これらに限定されない。例えば、側方遮蔽部53、63及び上方遮蔽部54、64、93についてもビニール製のシートとして構成しても良い。逆に、空調機側遮蔽部51、61、91及びラック側遮蔽部52、62、92をポリカーボネート製の板状体として構成しても良く、この際に設けられる出入り口51a、52a、61a、62a、91a、92aの構成としては、例えばスライド式のドア等としても良い。
各実施の形態では、各風向板30の角度は均一であるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、各風向板30をそれぞれ異なる角度としてもよい。
各実施の形態では、風向変更手段は、長板形状の風向板30であるものとして説明したが、これに限定されない。特に風向板30の形状は吹出口23からの風向きを変更可能な限りにおいて任意であり、例えば円筒形状のパイプや、短板を高さ方向に沿って複数組み合わせて風向板30を形成しても良い。
各実施の形態では、免震装置40は、各ラック10の下面、空調機20の下面、コールドアイルのキャッピング50の下面、ホットアイルのキャッピング60の下面、PDU70の下面、PDU70の前方領域の下面、及びPDU70の後方領域の下面に架けて配置されているものとして説明したが、これに限定されない。すなわち、免震の対象として必要なのは情報処理機器が収容されたラック10、空調機20、及びPDU70のみであるため、少なくともラック10の下面、空調機20の下面、及びPDU70の下面にのみ免震装置40を設置すれば構わない。例えば、実施の形態3のように空調ユニット80を複数接続する場合には、1つの空調ユニット80の下面及びPDU70の下面から、コールドアイル4を介して、他の空調ユニット80の下面及びPDU70の下面に架けて免震装置40を設置し、ホットアイル5には免震装置40を設置しなくても良い。同様に、例えば奥行き方向に沿って3つ以上の空調ユニット80を接続する場合であっても、奥行き方向における最も外側に位置するコールドアイル4の下面又はホットアイル5の下面(例えば図5においては、最も前方に位置するホットアイル5の下面又は最も後方に位置するホットアイル5の下面)には免震装置40を設置しなくても良い。このように免震装置40の設置面積を削減することにより空調システム1、3、100のコストを低減することが出来る。
各実施の形態においては、空調機20の冷却器22を、送風機24の上流に配置されるものとして説明したが、これに限らず、空調機20の冷却器22を、送風機24の下流に配置しても良い。
本実施の形態3においては、1組の、ラック10、空調機20、風向板30、免震装置40、及びPDU70を備えるユニットを「空調ユニット80」として、この空調ユニット80を室内の広さに応じて接続するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、図3に示すような2組のラック10、空調機20、風向板30、免震装置40、及びPDU70を備えるユニットを「空調モジュール」として、この空調モジュールを室内の広さに応じて接続しても良い。
付記1に記載の空調システムは、情報処理機器を収容する複数のラックであって、所定の配列方向に沿って連続的に配列された複数のラックを前記配列方向と直交する方向において挟んで位置する2つの空間である第一空間及び第二空間において、前記第一空間から各ラックの内部を介して前記第二空間への冷却空気の流れを形成することにより前記情報処理機器の冷却を行う空調システムであって、前記配列方向における前記複数のラックのいずれか一方の端部に連続的に配置された空調手段であって、前記第二空間から空気を吸い込む吸込口と、前記吸込口より吸い込んだ空気を冷却して冷却空気を生成する冷却手段と、前記冷却手段にて生成された冷却空気を前記第一空間に対して吹き出す吹出口と、前記吸込口から前記吹出口に至る空気の流れを形成する送風手段と、を有する空調手段と、前記空調手段の吹出口からの冷却空気の吹き出し方向を所定の方向に変更する風向変更手段と、を備える。
付記1に記載の空調システムによれば、空調手段を複数のラックの端部に連続的に配置するので、空調手段を管理する者とラックの内部に収容された情報処理機器を管理する者の動線を区別して確保する事が可能となる。また、吹出口からの冷却空気の吹き出し方向を所定の方向に変更する風向変更手段を備えるので、空調手段が複数のラックの端部に配置されている場合であっても各ラックに対して均等にあるいは局所的に冷却空気の送風を図ることができ、情報処理機器の冷却効率の向上を図ることが可能となる。
4 コールドアイル
5 ホットアイル
10 ラック
11 吸込面
12 吹出面
20 空調機
21 吸込口
22 冷却器
23 吹出口
24 送風機
25 冷水配管
30 風向板
40 免震装置
50、90 コールドアイルのキャッピング
51、61、91 空調機側遮蔽部
51a、52a、61a、62a、91a、92a 出入り口
52、62、92 ラック側遮蔽部
53、63 側方遮蔽部
54、64、93 上方遮蔽部
60 ホットアイルのキャッピング
70 PDU
80 空調ユニット
81 第一空調ユニット
82 第二空調ユニット
Claims (6)
- 情報処理機器を収容する複数のラックであって、所定の配列方向に沿って連続的に配列された複数のラックを前記配列方向と直交する方向において挟んで位置する2つの空間である第一空間及び第二空間において、前記第一空間から各ラックの内部を介して前記第二空間への冷却空気の流れを形成することにより前記情報処理機器の冷却を行う空調システムであって、
前記配列方向における前記複数のラックのいずれか一方の端部に連続的に配置された空調手段であって、前記第二空間から空気を吸い込む吸込口と、前記吸込口より吸い込んだ空気を冷却して冷却空気を生成する冷却手段と、前記冷却手段にて生成された冷却空気を前記第一空間に対して吹き出す吹出口と、前記吸込口から前記吹出口に至る空気の流れを形成する送風手段と、を有する空調手段と、
前記空調手段の吹出口からの冷却空気の吹き出し方向を所定の方向に変更する風向変更手段と、を備える、
空調システム。 - 前記空調手段における前記複数のラックが配置された側方と反対側の側方から、前記空調手段における前記第一空間側の側方を介して、前記複数のラックにおける前記第一空間側の側方へとユーザが連続的に移動可能となり、かつ、前記反対側の側方から、前記空調手段における前記第二空間側の側方を介して、前記複数のラックにおける前記第二空間側の側方へとユーザが連続的に移動可能となるように、前記空調手段を配置した、
請求項1に記載の空調システム。 - 前記風向変更手段は、それぞれが長板形状を有する風向板であって、前記吹出口に対して前記配列方向に沿って並設された複数の風向板である、
請求項1又は2に記載の空調システム。 - 前記風向変更手段は、前記吹出口からの冷却空気の吹き出し方向を少なくとも2以上の方向に調節可能である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の空調システム。 - 前記各ラックの内部の温度を計測する計測手段と、
前記計測手段にて計測された温度に基づいて前記風向変更手段を制御して前記吹出口からの冷却空気の吹き出し方向を調節する制御手段を備える、
請求項4に記載の空調システム。 - 前記所定の配列方向に沿って連続的に配列された複数のラックと、当該複数のラックの端部に連続的に配置された空調手段と、により空調ユニットを構成し、
複数の前記空調ユニットを、前記第一空間又は前記第二空間を介して平行かつ同一向きに並設し、又は、複数の前記空調ユニットを、前記複数のラックの配列方向に沿って一直線上に、かつ各空調ユニットを構成する複数のラックにおける前記空調手段が配置されていない側の端部同士が連続的に配置される向きに並設した、
請求項1から5のいずれか一項に記載の空調システム。
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