JP2015075892A - タッチ入力装置およびセンサー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】操作性の高いタッチ入力装置を提供する。【解決手段】タッチ入力装置1は、圧電体を有するタッチパネル2と、前記圧電体が圧電効果によって発生する電圧に基づいて、物体の前記タッチパネルへの接触有無を検出する接触検出部5を有する信号処理部3と、を備える。前記圧電体は、焦電性を有しており、信号処理部3は、前記圧電体が焦電効果によって発生する電圧に基づいて、放熱物体の接近有無を検出する接近検出部6をさらに有する。【選択図】図1
Description
本発明は、圧電体を有するタッチパネルに関する。
近年、スマートフォン、タブレットPC、及びカーナビゲーションシステムのように、液晶ディスプレイ等の表示装置の前面に、タッチパネルを有する入力装置を配置した電子機器が普及している。スマートフォン及びタブレットPCでは、タップ、フリップ、ピンチ及びドラッグ等の操作を軽快に行える(すなわち、操作の快適性の高い)静電容量方式のタッチパネルが多く採用されている。一方、カーナビゲーションシステムでは、誤操作が起こりにくい(すなわち、操作の確実性の高い)抵抗膜方式のタッチパネルが多く採用されている。
ここで、もし、ユーザーがタッチした“位置”(本明細書中、タッチ位置と称する場合がある)及びその“強さ”(言い換えれば、押圧の有無、強さ、速度又はこれらの組み合わせ)(本明細書中、タッチ圧と称する場合がある)の両方を検出できるタッチパネルが実用化されれば、前述の操作の快適性と確実性との両立等、多くの利点が考えられる。
そこで、圧電体を有するタッチパネルが提案されている(例えば、特許文献1)。圧電体を押圧すると、圧電体は、押圧時のひずみの時間的変位に応じた電圧を発生する。この性質を利用して、特許文献1に係る技術では、圧電体を用いることにより、タッチ位置(XY軸)だけでなく、タッチ圧(Z軸)も検出可能としている。
一般に、タッチパネルは反応速度が遅い(応答時間が長い)ため、キーボードに比べ操作性が悪いという問題がある。従って、本発明は、操作性の高いタッチ入力装置の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、
圧電体を有するタッチパネルと、
前記圧電体が圧電効果によって発生する電圧に基づいて、物体の前記タッチパネルへの接触有無を検出する接触検出部を有する信号処理部と、
を備えたタッチ入力装置であって、
前記圧電体は、焦電性を有しており、
前記信号処理部は、前記圧電体が焦電効果によって発生する電圧に基づいて、放熱物体の接近有無を検出する接近検出部をさらに有する、タッチ入力装置
によって、前記課題が解決出来ることを見出した。
圧電体を有するタッチパネルと、
前記圧電体が圧電効果によって発生する電圧に基づいて、物体の前記タッチパネルへの接触有無を検出する接触検出部を有する信号処理部と、
を備えたタッチ入力装置であって、
前記圧電体は、焦電性を有しており、
前記信号処理部は、前記圧電体が焦電効果によって発生する電圧に基づいて、放熱物体の接近有無を検出する接近検出部をさらに有する、タッチ入力装置
によって、前記課題が解決出来ることを見出した。
本発明は、次の態様を含む。
[項1]
圧電体を有するタッチパネルと、
前記圧電体が圧電効果によって発生する電圧に基づいて、物体の前記タッチパネルへの接触有無を検出する接触検出部を有する信号処理部と、
を備えたタッチ入力装置であって、
前記圧電体は、焦電性を有しており、
前記信号処理部は、前記圧電体が焦電効果によって発生する電圧に基づいて、放熱物体の接近有無を検出する接近検出部をさらに有する、タッチ入力装置。
[項2]
前記圧電体は有機圧電フィルムである、前記項1に記載のタッチ入力装置。
[項3]
前記有機圧電フィルムはフッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムである、前記項2に記載のタッチ入力装置。
[項4]
前記フッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである、前記項3に記載のタッチ入力装置。
[項5]
圧電体と、
前記圧電体が圧電効果によって発生する電圧に基づいて、物体の接触有無を検出する接触検出部を有する信号処理部と、
を備えたセンサー装置であって、
前記圧電体は、焦電性を有しており、
前記信号処理部は、前記圧電体が焦電効果によって発生する電圧に基づいて、放熱物体の接近有無を検出する接近検出部をさらに有する、センサー装置。
[項6]
前記圧電体は有機圧電フィルムである、前記項5に記載のセンサー装置。
[項7]
前記有機圧電フィルムはフッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムである、前記項6に記載のセンサー装置。
[項8]
前記フッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである、前記項7に記載のセンサー装置。
[項1]
圧電体を有するタッチパネルと、
前記圧電体が圧電効果によって発生する電圧に基づいて、物体の前記タッチパネルへの接触有無を検出する接触検出部を有する信号処理部と、
を備えたタッチ入力装置であって、
前記圧電体は、焦電性を有しており、
前記信号処理部は、前記圧電体が焦電効果によって発生する電圧に基づいて、放熱物体の接近有無を検出する接近検出部をさらに有する、タッチ入力装置。
[項2]
前記圧電体は有機圧電フィルムである、前記項1に記載のタッチ入力装置。
[項3]
前記有機圧電フィルムはフッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムである、前記項2に記載のタッチ入力装置。
[項4]
前記フッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである、前記項3に記載のタッチ入力装置。
[項5]
圧電体と、
前記圧電体が圧電効果によって発生する電圧に基づいて、物体の接触有無を検出する接触検出部を有する信号処理部と、
を備えたセンサー装置であって、
前記圧電体は、焦電性を有しており、
前記信号処理部は、前記圧電体が焦電効果によって発生する電圧に基づいて、放熱物体の接近有無を検出する接近検出部をさらに有する、センサー装置。
[項6]
前記圧電体は有機圧電フィルムである、前記項5に記載のセンサー装置。
[項7]
前記有機圧電フィルムはフッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムである、前記項6に記載のセンサー装置。
[項8]
前記フッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである、前記項7に記載のセンサー装置。
本発明によれば、操作性の高いタッチ入力装置を提供することができる。
本明細書中、用語「タッチ」は、触れること、触れられること、押すこと、押されること、及び接触すること、を包含する。
また、本明細書中、「接触」は、ヒトを包含する「物体」について、用語「タッチ」と同様に、触れること、触れられること、押すこと、押されること、及び接触すること、を包含する。なお、本明細書中、用語「物体」は、独立していない、ヒトの指等を包含する。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るタッチ入力装置1の構成を示すブロック図である。タッチ入力装置1は、タッチパネル2と、タッチパネル2の出力信号を処理する信号処理部3とを有しており、携帯電話(例、スマートフォン)、携帯情報端末(PDA)、タブレットPC、デジタイザ、タッチパッド、ATM、自動券売機、及びカーナビゲーションシステムなどの電子機器に組み込まれている。
タッチパネル2は、タッチ位置およびタッチ操作時のタッチ圧を検出可能に構成されており、X方向に配列されるm本の透明電極ES1〜ESmと、Y方向に配列されるn本の透明電極EC1〜ECnとを有している。各透明電極ES1〜ESm、EC1〜ECnの一端は、信号処理部3に接続されている。信号処理部3は、タッチパネル2におけるタッチ位置を検出する位置検出部4と、指などのタッチパネル2への接触有無を検出する接触検出部5と、指のタッチパネル2への接近(非接触の近接)を検出する接近検出部6とを備える。
図2は、タッチパネル2の透明電極EC1に沿った断面図である。図2に示すように、タッチパネル2は、フィルム状の焦電体21を備えている。焦電体21の一方面に透明電極ES1〜ESmが設けられ、焦電体21の他方面に透明電極EC1〜ECnが設けられている。また、透明電極ES1〜ESmは保護膜22によって覆われ、透明電極EC1〜ECnは保護膜23によって覆われている。
焦電体21は、透明又は不透明の圧電体であることができ、好ましくは、透明圧電体である。
焦電体21は、無機圧電膜又は有機圧電フィルムであることができる。無機圧電膜の例としては、LiNbO3圧電膜、LiTaO3圧電膜、KNbO3圧電膜、ZnO圧電膜、AlN圧電膜、PZT(PbZrO3−PbTiO3系固溶体系材料)圧電膜等が挙げられる。有機圧電フィルムの例としては、例えば、奇数鎖ナイロン圧電フィルム、フッ化ビニリデン系重合体圧電フィルム(例、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、フッ化ビニリデン/トリフロオロエチレン共重合体フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム)等が挙げられる。
前記「有機圧電フィルム」は、有機物である重合体から形成されるフィルム(重合体フィルム)である。当該「有機圧電フィルム」は、当該重合体以外の成分を含有してもよい。当該「有機圧電フィルム」は、当該重合体からなるフィルム、及び当該重合体中に無機物が分散されているフィルムを包含する。
本発明の圧電フィルムにおける当該重合体の含有量は、好ましくは、80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%である。当該含有量の上限は特に制限されず、例えば、100質量%であってもよいし、99質量%であってもよい。
当該重合体は、好ましくは、フッ化ビニリデン系重合体である。
本発明の圧電フィルムは、好ましくは分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムからなる。
本明細書中、「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」の例としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、フッ化ビニリデン/トリフロオロエチレン共重合体フィルム、及びポリフッ化ビニリデンフィルムが挙げられる。
前記フッ化ビニリデン系重合体フィルムは、好ましくはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである。
当該「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」は、樹脂フィルムに通常用いられる添加剤を含有してもよい。
当該「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」は、フッ化ビニリデン系重合体から構成されるフィルムであり、フッ化ビニリデン系重合体を含有する。
当該「フッ化ビニリデン系重合体」の例としては、
(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体;及び
(2)ポリフッ化ビニリデン
が挙げられる
当該「(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体」における「これと共重合可能なモノマー」の例としては、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、及びフッ化ビニルが挙げられる。
(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体;及び
(2)ポリフッ化ビニリデン
が挙げられる
当該「(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体」における「これと共重合可能なモノマー」の例としては、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、及びフッ化ビニルが挙げられる。
当該「これと共重合可能な1種以上のモノマー」又はそのうちの1種は、好ましくはテトラフルオロエチレンである。
当該「フッ化ビニリデン系重合体」の好ましい例としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体が挙げられる。
当該「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」は、本発明に関する性質が著しく損なわれない限りにおいて、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレン以外のモノマーに由来する繰り返し単位を含有してもよい。
前記「(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体」は、フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位を50モル%以上(好ましくは60モル%以上)含有する。
前記「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」における(テトラフルオロエチレンに由来する繰り返し単位)/(フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位)のモル比は、好ましくは5/95〜36/64の範囲内、より好ましくは15/85〜25/75の範囲内、更に好ましくは18/82〜22/78の範囲内である。
前記「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」は、本発明に関する性質が著しく損なわれない限りにおいて、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレン以外のモノマーに由来する繰り返し単位を含有してもよい。通常、このような繰り返し単位の含有率は、10モル%以下である。このようなモノマーは、フッ化ビニリデンモノマー、テトラフルオロエチレンモノマーと共重合可能なものである限り限定されないが、その例としては、
(1)フルオロモノマー(例、ビニルフルオリド(VF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、1−クロロ−1−フルオロ−エチレン(1,1−CFE)、1−クロロ−2−フルオロ−エチレン(1,2−CFE)、1−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン(CDFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロビニルモノマー、1,1,2−トリフルオロブテン−4−ブロモ−1−ブテン、1,1,2−トリフルオロブテン−4−シラン−1−ブテン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)、ペルフルオロアクリラート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリラート、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアクリラート);並びに
(2)炭化水素系モノマー(例、エチレン、プロピレン、無水マレイン酸、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸系モノマー、メタクリル酸系モノマー、酢酸ビニルが挙げられる。
(1)フルオロモノマー(例、ビニルフルオリド(VF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、1−クロロ−1−フルオロ−エチレン(1,1−CFE)、1−クロロ−2−フルオロ−エチレン(1,2−CFE)、1−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン(CDFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロビニルモノマー、1,1,2−トリフルオロブテン−4−ブロモ−1−ブテン、1,1,2−トリフルオロブテン−4−シラン−1−ブテン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)、ペルフルオロアクリラート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリラート、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアクリラート);並びに
(2)炭化水素系モノマー(例、エチレン、プロピレン、無水マレイン酸、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸系モノマー、メタクリル酸系モノマー、酢酸ビニルが挙げられる。
本発明の有機圧電フィルムは、全光線透過率が90%以上であることが好ましい。
本発明の有機圧電フィルムの全光線透過率は、より好ましくは92%以上、更に好ましくは95%以上である。当該全光線透過率の上限は限定されないが、本発明の有機圧電フィルムの全光線透過率は、通常99%以下である。
本明細書中、「全光線透過率」は、ASTM D1003に基づき、ヘイズガードII(製品名)(東洋精機製作所)又はその同等品を使用した光透過性試験によって得られる。
本発明の有機圧電フィルムの全ヘイズ値は、3.0%以下であることが好ましい。
本発明の有機圧電フィルムの全ヘイズ値は、より好ましくは2.0%以下、更に好ましくは1.5%以下、特に好ましくは1.0%以下である。当該全ヘイズ値は低いほど好ましく、その下限は限定されないが、本発明の有機圧電フィルムの全ヘイズ値は、通常0.2%以上である。
本明細書中、「全ヘイズ値」(total haze)は、ASTM D1003に準拠し、ヘイズガードII(製品名)(東洋精機製作所)又はその同等品を使用したヘイズ(HAZE、濁度)試験によって得られる。
本発明の有機圧電フィルムの内部ヘイズ値は、1.2%以下であることが好ましい。
本発明の有機圧電フィルムの内部ヘイズ値は、より好ましくは1.0%以下、更に好ましくは0.9%以下、特に好ましくは0.8%以下である。当該内部ヘイズ値は低いほど好ましく、その下限は限定されないが、本発明の有機圧電フィルムの内部ヘイズ値は、通常0.1%以上である。
本明細書中、「内部ヘイズ値」(inner haze)は、前記全ヘイズ値の測定方法において、ガラス製セルの中に水を入れて、その中にフィルムを挿入し、ヘイズ値を測定することにより、得られる。
本発明の有機圧電フィルムの外部ヘイズ値は、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.2%以下、更に好ましくは1.0%以下である。当該外部ヘイズ値は低いほど好ましく、その下限は限定されないが、本発明の有機圧電フィルムの外部ヘイズ値は、通常0.1%以上である。
本明細書中、「外部ヘイズ値」(outer haze)は、フィルムの全ヘイズ値から内部へイズ値を差し引くことで算出される。
本発明の有機圧電フィルムの厚さは、通常3〜100μmの範囲内、好ましくは6〜50μmの範囲内、より好ましくは9〜40μmの範囲内、更に好ましくは10〜30μmの範囲内である。
焦電体21の厚さは、通常1〜200μmであり、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜50μmである。透明性の観点では、当該厚さは、より薄いことが好ましく、圧電性が重視される場合は、より厚いほうが好ましい。これらのことに基づき、焦電体21の厚さは、その用途等に応じて適宜設定できる。
透明電極ES1〜ESmおよび透明電極EC1〜ECnは、例えば、ITO(酸化インジウム・スズ)電極又は酸化スズ電極、その他金属酸化物系ナノ粒子電極、又は銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、グラフェン、或いはPEDOT/PSSなどの有機導電膜であることができる。
図3に示すように、タッチパネル2に指などの放熱物体が接近したとき、焦電体21の指に対向する位置(図3では、透明電極ES2・EC1の交点付近)の温度が上昇し、或いは指先からの赤外線を感知し、焦電効果による微弱な電圧が発生する。当該電圧は、透明電極ES2・EC1を介して信号処理部3に入力される。
続いて、図4に示すように、タッチパネル2に指が接触すると、焦電体21にタッチ圧が加わり、圧電効果による電圧が発生する。当該電圧も、透明電極ES2・EC1を介して信号処理部3に入力される。
図1に示す位置検出部4は、電圧信号を入力した電極に基づいて、タッチパネル2における指の接近位置およびタッチ位置を検出することができる。また、圧電効果による電圧は、焦電体21のひずみの時間的変位に対応する。これにより、図1に示す接触検出部5は、タッチパネル2への指の接触有無を検出するとともに、焦電体21の変位量に基づき、タッチ圧を検出することができる。
また、焦電効果による電圧は、圧電効果による電圧よりも微弱である。図1に示す接近検出部6は、電圧の変化に基づいて、タッチパネル2への指の接近(非接触の近接)の有無を検出している。指の接近有無および接触有無の検出方法について、図5および図6に基づいて説明する。
図5は、タッチ操作時の信号処理部3への入力電圧(V)の時間変化を示すグラフであり、図6は、指の接近有無および接触有無の検出手順を示すフローチャートの一例である。なお、本発明は、このフローに限定されるものではない。
タッチパネル2の起動後(ステップS1)、指がタッチパネル2に接近し、焦電体21の温度が上昇し始めると(時刻t1)、焦電効果により入力電圧も上昇し始める。さらに、時刻t2において、入力電圧が閾値Vth1以上になると(ステップS2においてYES)、接近検出部6は、指が接近したと判定する(ステップS3)。なお、閾値Vth1は、焦電効果による最大電圧よりも低く設定される。
その後、時刻t3において指がタッチパネル2に接触すると、圧電効果により入力電圧が急激に上昇する。時刻t4において、入力電圧が閾値Vth2以上になると(ステップS4においてYES)、接触検出部5は、指が接触したと判定する(ステップS5)。なお、閾値Vth2は、焦電効果による最大電圧よりも高く設定される。
続いて、時刻t5において、指がタッチパネル2から離れると、入力電圧が0となる(ステップS6においてYES)。これにより、接触検出部5は、指が離れたと判定する(ステップS7)。その後、焦電体21の温度が低下するため、焦電体21は、温度上昇時とは逆の極性の電圧(負電圧)を発生する。
以上のように、本実施形態では、焦電体21が発生する電圧の変化に基づいて、タッチパネル2への接触だけでなく、タッチパネル2への接近も検出することができる。よって、例えば、ダブルクリック操作によってアイコンの起動を行う場合に、「指の接近の検出」=「アイコンの選択」、「指の接触の検出」=「アイコンの起動」のように、接触検出部5および接近検出部6の検出結果と操作内容とを対応付けることにより、ダブルクリック操作を1回の押圧によって行うことができる。よって、タッチ入力装置1の操作性を高めることができる。
なお、上述のフローのように焦電体21が発生する電圧と閾値とを比較する代わりに、焦電体21が発生する電圧の変化率(微分値の変化:すなわち図5のグラフの傾きの変化)に基づいて、タッチパネルへの接近および接触の有無を検出してもよい。
また、本発明におけるタッチパネルは、焦電体を有するものであれば、抵抗膜方式、静電容量方式等、あらゆる方式のタッチパネルを用いることができる。
また、上記の実施形態では、焦電体を用いたタッチパネルについて説明したが、本発明は、感圧センサー等のセンサー装置に適用することもできる。この場合、センサー本体に焦電体を設けることにより、感圧センサーへの押圧の有無や加圧量だけでなく、感圧センサーへの放熱物体の接近の有無も検出できる。すなわち、押圧を検出する感圧センサーの機能と、非接触の物体を検出する近接センサーの機能との両方を兼ね備えたセンサー装置を実現できる。
さらに、焦電体として、P(VDF/TFE)系の高透明性強誘電体フィルムを用いることで、非接触での指の近接センサーと高視認性の感圧センサーとの両立を実現することができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
厚さ30μmのフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム(TFE/VDF=2/8)を調製し、その両面に1枚ずつ、ITO付きPETフィルム(ITO/PET)を、そのマトリックス透明電極を圧電フィルム側に向けて、粘着剤で貼り付けて、タッチパネルを作成した。その上面から指を近づけ、更に押すことで焦電信号と圧電信号を得ることができた。
本発明は、タッチパネルを有するタッチ入力装置の他、感圧センサーなどのセンサー装置にも適用可能である。
1 タッチ入力装置
2 タッチパネル
3 信号処理部
4 位置検出部
5 接触検出部
6 接近検出部
21 焦電体
22 保護膜
23 保護膜
2 タッチパネル
3 信号処理部
4 位置検出部
5 接触検出部
6 接近検出部
21 焦電体
22 保護膜
23 保護膜
Claims (8)
- 圧電体を有するタッチパネルと、
前記圧電体が圧電効果によって発生する電圧に基づいて、物体の前記タッチパネルへの接触有無を検出する接触検出部を有する信号処理部と、
を備えたタッチ入力装置であって、
前記圧電体は、焦電性を有しており、
前記信号処理部は、前記圧電体が焦電効果によって発生する電圧に基づいて、放熱物体の接近有無を検出する接近検出部をさらに有する、タッチ入力装置。 - 前記圧電体は有機圧電フィルムである、請求項1に記載のタッチ入力装置。
- 前記有機圧電フィルムはフッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムである、請求項2に記載のタッチ入力装置。
- 前記フッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである、請求項3に記載のタッチ入力装置。
- 圧電体と、
前記圧電体が圧電効果によって発生する電圧に基づいて、物体の接触有無を検出する接触検出部を有する信号処理部と、
を備えたセンサー装置であって、
前記圧電体は、焦電性を有しており、
前記信号処理部は、前記圧電体が焦電効果によって発生する電圧に基づいて、放熱物体の接近有無を検出する接近検出部をさらに有する、センサー装置。 - 前記圧電体は有機圧電フィルムである、請求項5に記載のセンサー装置。
- 前記有機圧電フィルムはフッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムである、請求項6に記載のセンサー装置。
- 前記フッ化ビニリデン系重合体圧電フィルムはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである、請求項7に記載のセンサー装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013211259A JP2015075892A (ja) | 2013-10-08 | 2013-10-08 | タッチ入力装置およびセンサー装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013211259A JP2015075892A (ja) | 2013-10-08 | 2013-10-08 | タッチ入力装置およびセンサー装置 |
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---|---|
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013211259A Pending JP2015075892A (ja) | 2013-10-08 | 2013-10-08 | タッチ入力装置およびセンサー装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2013
- 2013-10-08 JP JP2013211259A patent/JP2015075892A/ja active Pending
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