JP2015075299A - 廃棄物処理設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の処理系統を備えた廃棄物処理設備において、停止中の処理系統における集塵装置の保温を効率良く行う。
【解決手段】廃棄物処理設備は、第1燃焼炉12A、第1ボイラ14A、及び第1集塵装置16Aを含む第1処理系統10Aと、第2燃焼炉12B、第2ボイラ14B、及び第2集塵装置16Bを含む第2処理系統10Bと、ボイラ14Aまたは14Bで生成された蒸気を受け入れる蒸気受入れ部30と、この蒸気受入れ部30が受け入れた蒸気を凝縮させ、その凝縮熱により、停止中の処理系統における集塵装置16Aまたは16Bの保温を行う保温部40,50と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ごみ等の廃棄物を燃焼させ、その燃焼により生成した排ガスを集塵処理してから排出するための廃棄物処理設備、及び、その集塵のための集塵装置を保温する方法に関するものである。
一般に、ごみ等の廃棄物を燃焼させることにより処理する廃棄物処理設備は、当該廃棄物を燃焼させるための燃焼炉と、その燃焼により生成された排ガスからダストを除去するための集塵装置と、を備え、その集塵後のガスが外部に排出される。この設備では、運転停止中での集塵装置の保温が重要な課題となる。具体的に、前記燃焼炉の運転が停止されると、その下流側での集塵装置の内部の温度が低下し、これにより低温腐食や使用薬剤(例えば消石灰)の潮解が発生し易くなるため、運転停止中でも集塵装置の内部は比較的高い温度(例えば110°〜120°C)に保たれることが、望ましい。
従来、このような運転停止中での集塵装置の保温を行う装置として、特許文献1に記載されるように、当該集塵装置に空気を通しながら当該空気を循環させる手段と、その循環する空気を加熱するヒータと、を備えたものが知られている。しかし、この装置では集塵装置の保温のために大きな電力が消費されるという問題がある。
そこで、特許文献2には、前記燃焼炉及び前記集塵装置をそれぞれ含む複数の廃棄物処理系統を備えた設備において、停止中の系統に含まれる集塵装置に稼動中の系統を流れる排ガスの熱エネルギーを供給することにより、その停止中の系統に含まれる集塵装置を保温する技術が開示されている。具体的には、稼動中の系統を流れる排ガスの一部が停止中の系統に含まれる集塵装置に直接供給され、あるいは、停止中の系統に含まれる集塵装置を通してガスを循環させてこの循環ガスと稼動中の系統を流れる排ガスとの間で熱交換が行われる。
特許第3209913号公報 特開2012−42155号公報
前記特許文献2に記載される技術では、稼動中の処理系統を流れる排ガスと停止中の処理系統における集塵装置(またはこの集塵装置を流れる熱媒体)との間で熱交換を行わせるために、大型の熱交換器及び大型の排ガス流通用配管が必要であり、これらによる設備全体の大型化は避けられない。しかも、前記熱交換器における熱交換で排ガスの温度が下がると当該排ガスの腐食性が高くなることから、これに起因する配管の腐食(前記熱交換器の下流側の配管の腐食)を回避するためには前記熱交換器の排ガスの出口温度をある程度高く維持しなければならない。つまり当該出口温度の降下に著しい制約がある。このような出口温度の著しい制約の下で、前記集塵装置の保温に十分な熱交換を行うためには、前記熱交換器における排ガスの流量をさらに大きくしなければならず、このことは熱交換器及び排ガス用配管のさらなる大型化につながる。
本発明は、このような事情に鑑み、複数の処理系統を備えた廃棄物処理設備であって、設備の大型化を抑えながら、停止中の処理系統における集塵装置の保温を効率良く行うことが可能なもの、及び、当該集塵装置を保温するための方法、を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明者らは、燃焼炉の後段に設けられるボイラに着目した。このボイラは、燃焼炉から排出される排ガスの熱によって水を沸騰させることにより、その気化潜熱を利用して当該排ガスの温度を効果的に下げてその後段の集塵装置を有効に保護することが可能なものであるが、さらに、当該ボイラで生成される蒸気の凝縮熱を利用することにより、停止中の処理系統における集塵装置の保温を比較的小規模な設備で効率よく行うことが可能になる。
本発明は、かかる観点に基いてなされたものであり、前記課題を解決することが可能な廃棄物処理設備を提供する。この設備は、廃棄物を燃焼させる第1燃焼炉、この第1燃焼炉での燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第1ボイラ、及びこの第1ボイラにより冷却された排ガス中のダストを除去する第1集塵装置を含む第1処理系統と、廃棄物を燃焼させる第2燃焼炉、この第2燃焼炉での燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第2ボイラ、及びこの第2ボイラにより冷却された排ガス中のダストを除去する第2集塵装置を含む第2処理系統と、前記第1ボイラ及び前記第2ボイラでそれぞれ生成された蒸気を受け入れる蒸気受入れ部と、この蒸気受入れ部が受け入れた蒸気を凝縮させ、その凝縮熱により、前記第1及び第2処理系統のうち停止中の処理系統における集塵装置の保温を行う保温部と、を備える。
なお、前記保温部について「その凝縮熱により、…保温を行う」とは、凝縮熱のみを用いて保温を行うものに限定する趣旨ではなく、少なくとも凝縮熱を利用して保温を行うものを広く含む趣旨である。従って、前記保温部は蒸気の凝縮熱(すなわち潜熱)と顕熱の双方を利用するものであってもよい。
この設備によれば、前記第1ボイラ及び第2ボイラのうち稼動中の処理系統に属するボイラが生成する蒸気の凝縮熱すなわち潜熱を利用することにより、停止中の処理系統に属する集塵装置の加温を効率よく行うことができる。つまり、少ない蒸気流量で停止中の処理系統における集塵装置の加温に十分な熱交換を行うことが可能となる。従って、従来のように運転中の処理系統を流れる排ガスと集塵装置との間で熱交換を行う場合に比べ、小型の設備、例えば小流量仕様の熱交換器及び小径の配管、を用いて保温部を構成することができる。また、前記蒸気の温度が前記熱交換によって降下してもこれにより発生するのは水または湿り蒸気であり、低温化した排ガスに比べて腐食性はきわめて低い。
前記蒸気受入れ部は、前記第1又は第2ボイラによって生成された蒸気をそのまま受け入れるものでもよいが、本発明に係る廃棄物処理設備は、前記第1または第2ボイラで生成された蒸気の圧力を降下させながら当該蒸気のエネルギーを動力に変換するタービンをさらに備え、前記蒸気受け入れ部は前記タービンによって圧力が降下した蒸気であって大気圧よりも高い圧力をもつ蒸気を受け入れることが、より好ましい。この場合、当該蒸気は前記タービンの入口と出口との間の中段から抽出されるのが、よい。その抽出される蒸気の圧力の範囲としては、100°C以上の凝縮点を確保できる範囲が好ましく、例えばゲージ圧にして0.1MPa〜4MPa(より好ましくは0.2MPa〜1.2MPa)の範囲が好適である。
このように、高圧の蒸気のもつエネルギーをまずタービンで動力に変換し、これにより圧力が降下した、つまり飽和蒸気圧に近づいた蒸気を凝縮させることで、当該蒸気から、動力(運動エネルギー)と、集塵装置の保温のための熱エネルギーと、の双方を効率よく回収することができる。
前記保温部としては、前記第1集塵装置の内部を通るように空気を循環させる第1空気循環装置と、前記第2集塵装置の内部を通るように空気を循環させる第2空気循環装置と、第1または第2空気循環装置が循環させる循環空気と前記蒸気受け入れ部が受け入れた蒸気との間で熱交換を行わせることにより当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記循環空気を加温する熱交換部と、を含むものが、好適である。
この保温部によれば、第1及び第2空気循環装置のうち運転が停止している処理系統の集塵装置に対応する空気循環装置を作動させて当該集塵装置を通るように空気を循環させながら、当該空気を第1及び第2ボイラのうち稼動している処理系統に属するボイラによって生成された蒸気の凝縮熱で循環空気を加温することにより、停止している処理系統に属する集塵装置の保温をその内部から適切に行うことができる。
前記熱交換部は、前記第1及び第2空気循環装置に共通して使用されるものでもよいし、前記第1及び第2空気循環装置に個別に与えられるものでもよい。後者の場合、熱交換部としては、前記蒸気受入れ部に受け入れられた蒸気と前記第1空気循環装置が循環させる第1循環空気との熱交換により当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記第1循環空気を加温するための第1熱交換器と、前記蒸気受入れ部に受け入れられた蒸気と前記第2空気循環装置が循環させる第2循環空気との熱交換により当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記第2循環空気を加温するための第2熱交換器と、前記蒸気受入れ部に受け入れられた蒸気の供給先を前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間で切換える供給切換部とを含むものが、好適である。
前記第1及び第2空気循環装置並びに前記熱交換部を備えた設備では、当該熱交換器を流れる蒸気の流量を調節することにより、保温対象である集塵装置の温度を適正に制御することが可能である。具体的には、前記熱交換器を流れる蒸気の流量を変化させる流量操作部と、前記第1及び第2集塵装置の内部の温度をそれぞれ検出してその検出された温度を予め決められた目標温度に近づけるように前記流量操作部を作動させる温度制御部と、をさらに備えるのが、よい。
また本発明は、廃棄物を燃焼させる第1燃焼炉、この第1燃焼炉での燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第1ボイラ、及びこの第1ボイラにより冷却された排ガス中のダストを除去する第1集塵装置を含む第1処理系統と、廃棄物を燃焼させる第2燃焼炉、この第2燃焼炉での燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第2ボイラ、及びこの第2ボイラにより冷却された排ガス中のダストを除去する第2集塵装置を含む第2処理系統と、を備えた廃棄物処理設備における前記第1及び第2処理系統のうち運転が停止されている処理系統に属する集塵装置を保温対象としてこれを保温するための方法を提供する。この方法は、前記第1ボイラ及び前記第2ボイラのうち稼動している処理系統に属するボイラで生成された蒸気を凝縮させ、その凝縮熱により、前記第1及び第2処理系統のうち停止中の処理系統における集塵装置の保温を行うことを、含む。
この方法では、前記第1又は第2ボイラによって生成された蒸気をそのまま凝縮させてもよいが、その生成された蒸気をタービンに導入することにより当該蒸気の圧力を降下させながら当該蒸気のエネルギーを動力に変換することをさらに含み、当該タービンによって圧力が降下した蒸気であって大気圧よりも高い圧力をもつ蒸気を当該タービンの入口と出口との間の中段から抽出してその抽出した蒸気を凝縮させることが、より好ましい。
このように、高圧の蒸気のもつエネルギーをまずタービンで動力に変換し、これにより圧力が降下した、つまり飽和蒸気圧に近づいた蒸気を凝縮させることで、当該蒸気から、動力(運動エネルギー)と、集塵装置の保温のための熱エネルギーと、の双方を効率よく回収することができる。
前記凝縮熱を利用して保温対象集塵装置を保温するための具体的な手段としては、その保温対象集塵装置の内部を通るように空気を循環させることと、その循環する循環空気と前記蒸気との間で熱交換を行わせることにより当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記循環空気を加温することと、を含むものが、好適である。
さらに、このように保温対象集塵装置の内部を通るように空気を循環させる場合、当該保温対象集塵装置の内部の温度を検出することと、その検出された温度を予め決められた目標温度に近づけるように前記循環空気の流量を調節することと、を行えば、保温対象集塵装置の温度を適正に制御することが可能である。
以上のように、本発明によれば、複数の処理系統を備えた廃棄物処理設備であって、設備の大型化を抑えながら、停止中の処理系統における集塵装置の保温を効率良く行うことが可能なもの、及び、当該集塵装置を保温するための方法、を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る廃棄物処理設備の全体構成を示すフローシートである。 前記廃棄物処理設備における第1及び第2空気循環装置並びに第1及び第2熱交換器の構成を示すフローシートである。 本発明の第2の実施の形態に係る廃棄物処理設備の全体構成を示すフローシートである。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る廃棄物処理設備の全体構成を示す。この設備は、第1処理系統10Aと、第2処理系統10Bと、水循環系統20と、蒸気受入れ部である低圧蒸気だめ30と、第1空気循環装置40Aと、第2空気循環装置40Bと、熱交換部50と、を備える。
前記第1及び第2処理系統10A,10Bは、それぞれ、ごみ等の廃棄物を燃焼処理するとともに、当該燃焼により生じた排ガスを処理して排出するものである。第1処理系統10Aは、前記廃棄物を燃焼させる第1燃焼炉12Aと、この第1燃焼炉12Aでの燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第1ボイラ14Aと、この第1ボイラ14Aにより冷却された排ガス中のダストを除去する第1集塵装置である第1バグフィルタ16Aと、第1バグフィルタ16Aを通過した後の排ガスを系外に排出する第1煙突18Aと、を含む。同様に、第2処理系統10Bは、前記廃棄物を燃焼させる第2燃焼炉12Bと、この第2燃焼炉12Bでの燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第2ボイラ14Bと、この第2ボイラ14Bにより冷却された排ガス中のダストを除去する第2集塵装置である第2バグフィルタ16Bと、第2バグフィルタ16Bを通過した後の排ガスを系外に排出する第2煙突18Bと、を含む。
前記第1及び第2処理系統10A,10Bは、同時に稼動される場合と、一方のみが稼動されて他方が休止(運転停止)される場合と、がある。後者の場合、その運転が停止している処理系統に属するバグフィルタ16Aまたは16Bについては、これを適当な温度範囲(例えば110°C〜120°C)に保つ必要がある。このバグフィルタが、本発明に係る保温対象集塵装置に相当する。
前記水循環系統20は、前記第1及び第2ボイラ14A,14Bで生成された蒸気のエネルギーにより動力を生成する、すなわち運動エネルギーとして回収する、とともに、当該蒸気を水として前記第1及び第2ボイラ14A,14Bに還元するものである。具体的に、この水循環系統20は、高圧蒸気溜め22と、タービン24と、復水器26と、脱気器付復水タンク27と、第1及び第2給水ポンプ28A,28Bと、を含む。前記高圧蒸気溜め22は、前記第1及び第2ボイラ14A,14Bで生成された高圧蒸気を受け入れて一時的に貯留する。前記タービン24は、当該高圧蒸気によって駆動されることにより動力を生成するとともに、当該高圧蒸気の圧力を低下させる。復水器26は、前記タービン24の出口から取り出される低圧の湿り蒸気を等圧冷却して凝縮させることにより低圧の飽和水に戻す。この飽和水は、脱気器付復水タンク27にて脱気処理されて貯留され、第1及び第2給水ポンプ28A,28Bにより第1及び第2ボイラ14A,14Bに還元される。
前記低圧蒸気溜め30は、本発明に係る蒸気受入れ部に相当するもので、前記タービン24から抽出される低圧蒸気を受け入れて一時的に貯留するものである。この低圧蒸気は、前記タービン24の入口と出口との間の部位である中段位置から抽出された蒸気であって、タービン24の入口に導入される高圧蒸気よりも低圧でかつタービン24の出口から取り出される湿り蒸気よりは高圧の(好ましくは大気圧以上の)蒸気、つまり前記高圧蒸気よりも凝縮しやすい蒸気である。この低圧蒸気の圧力の範囲としては、100°C以上の凝縮点を確保できる範囲が好ましく、一般にはゲージ圧にして0.1MPa〜4MPa(より好ましくは0.2MPa〜1.2MPa)の範囲で適宜決定することができる。
前記第1空気循環装置40Aは、前記第1バグフィルタ16Aの内部を通るように空気を循環させるものであり、同様に、第2空気循環装置40Bは、前記第2バグフィルタ16Bの内部を通るように空気を循環させるものである。具体的に、前記各空気循環装置40A,40Bは、図2に示されるような循環用配管42と、ファン44と、排ガス用弁45,47と、循環用弁46,48と、を含む。
前記循環用配管42は、前記排ガス用配管のうちバグフィルタ16A(16B)の入口側の配管15と出口側の配管17とを当該バグフィルタ16A(16B)をバイパスしながら接続する。ファン44は、前記循環用配管42の途中に設けられ、前記バグフィルタ16A(16B)の出口側から入口側に向かう空気の流れを形成する。
前記排ガス用弁45は、前記バグフィルタ16A(16B)の入口側の配管15のうち当該入口側配管15と前記循環用配管42との接続部位よりも上流側の位置に設けられ、排ガス用弁47は、前記バグフィルタ16A(16B)の出口側の配管17のうち当該出口側配管17と前記循環用配管42との接続部位よりも下流側の位置に設けられる。前記循環用弁46は、前記循環用配管42において当該循環用配管42とバグフィルタ16A(16B)の入口側配管との接続部位の近傍の部位に設けられ、前記循環用弁48は、前記循環用配管42において当該循環用配管42とバグフィルタ16A(16B)の出口側配管との接続部位の近傍の部位に設けられる。
前記各空気循環装置40A,40Bは、前記各弁45〜48の開閉により、バグフィルタ使用状態と空気循環状態とに切換えられることが可能である。具体的に、前記排ガス用弁45,47が開かれて前記循環用弁46,48が閉じられることにより、排ガスがバグフィルタ16A(16B)を通過することが可能なバグフィルタ使用状態が形成される。逆に前記排ガス用弁45,47が閉じられて前記循環用弁46,48が開かれることにより、前記ファン44の作動で前記バグフィルタ16A(16B)の内部を通るように空気が循環する空気循環状態が形成される。
前記熱交換部50は、前記第1空気循環装置40Aが循環させる第1循環空気または第2空気循環装置40Bが循環させる第2循環空気と前記低圧蒸気溜め30に溜められた蒸気との間で熱交換を行わせることにより、当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記循環空気を加温するものである。具体的に、この実施の形態に係る熱交換部50は、第1蒸気供給配管51Aと、第2蒸気供給配管51Bと、第1蒸気熱交換器52Aと、第2蒸気熱交換器52Bと、第1供給切換弁54Aと、第2供給切換弁54Bと、を含む。
前記第1及び第2蒸気供給配管51A,51Bは、前記低圧蒸気溜め30に貯留された低圧蒸気を前記第1蒸気熱交換器52A,52Bの蒸気入口にそれぞれ供給するように配置される。前記第1及び第2供給切換弁54A,54Bは、前記第1及び第2蒸気供給配管51A,51Bの途中にそれぞれ設けられ、当該第1及び第2供給切換弁54A,54Bの開閉によって低圧蒸気の供給先の切換が行われる。具体的に、第1供給切換弁54Aが開かれて第2供給切換弁54Bが閉じられることにより、前記低圧蒸気溜め30内の蒸気が第1蒸気熱交換器52Aに供給される状態が形成され、逆に、第2供給切換弁54Bが開かれて第1供給切換弁54Aが閉じられることにより、前記低圧蒸気溜め30内の蒸気が第2蒸気熱交換器52Bに供給される状態が形成される。さらに、この実施の形態に係る供給切換弁54A,54Bは、単なる開閉だけでなく、その開度の変化により、前記蒸気熱交換器52A,52Bを流れる蒸気の流量を変化させることが可能な流量調節弁つまり流量操作部としても機能する。
前記第1蒸気熱交換器52Aは、前記第1空気循環装置40Aが形成する第1循環空気と、前記第1蒸気供給配管51Aを通じて供給される低圧蒸気との間で熱交換を行わせるように配置され、同様に、前記第2蒸気熱交換器52Bは、前記第1空気循環装置40Aが形成する第2循環空気と、前記第1蒸気供給配管51Aを通じて供給される低圧蒸気との間で熱交換を行わせるように配置される。これらの蒸気熱交換器52A,52Bは、いずれも、前記熱交換によって前記蒸気の少なくとも一部を凝縮させ、その凝縮熱により前記第1または第2循環空気を加熱する。また、凝縮により生成された飽和水は、前記復水器26で生成された飽和水と同様に脱気器付復水タンク27に送られる。
前記蒸気熱交換器52A,52Bの具体的な構成は、循環空気との熱交換により蒸気を凝縮させることが可能なものであれば、特に限定されない。具体的には、フィンチューブ式熱交換器やボアチューブ式熱交換器が好適である。
本発明では、第1及び第2処理系統10A,10Bの配置によっては、前記第1及び第2蒸気熱交換器52A,52Bに代え、単一の蒸気熱交換器が両空気循環装置40A,40Bについて共用されることも可能である。この場合、前記供給切換弁54A,54Bの併用は不要となる。逆に、第1及び第2処理系統10A,10Bの配置によっては、前記高圧蒸気溜め22やタービン24が当該処理系統ごとに設けられてもよい。
この実施の形態に係る廃棄物処理設備は、さらに、第1及び第2バグフィルタ16A,16Bの内部の温度を制御するための手段として、第1及び第2内部温度計60A,60Bと、第1及び第2蒸気出口温度計62A,62Bと、を備える。
第1及び第2内部温度計60A,60Bは、それぞれ、第1及び第2バグフィルタ16A,16Bの内部の温度を検出するとともに、当該内部温度計60A,60Bに対応する空気循環装置40A(40B)が空気循環状態にある場合に、その検出した温度(バグフィルタ内部温度)が予め設定された目標温度(例えば120°C)に近づくように、前記供給切換弁54A(54B)に指令信号を入力して蒸気流量の調節を行う。
なお、前記内部温度計60A,60Bの温度感知部は、必ずしも各バグフィルタ16A,16Bの内部に配置されていなくてもよく、実質的に当該バグフィルタ16A,16Bの内部の温度についての情報を取得できる位置に設けられればよい。例えば、当該温度感知部は前記バグフィルタ16A,16Bの入口ダクトまたは出口ダクトに設けられて当該ダクト内を流れる空気の温度を感知するものであってもよい。
前記第1及び第2蒸気出口温度計62A,62Bは、前記第1及び第2蒸気熱交換器52A,52Bの出口側の蒸気の温度をそれぞれ検出する。前記内部温度計60A,60Bは、前記の検出内部温度に基づく制御に加え、対応する蒸気出口温度計62A(62B)の検出する温度が予め設定された温度範囲(前記バグフィルタ内部の目標温度よりもやや高い温度範囲:例えば130〜150°C)に収まるように、前記供給切換弁54A,54Bによる蒸気流量の調節を行う。この制御は、当該供給切換弁54A,54Bの極端な開閉動作を防ぐためのものであり、適宜省略が可能である。
次に、この廃棄物処理設備において行われるバグフィルタ(集塵装置)の保温について、説明する。ここでは、例として、第1及び第2処理系統10A,10Bのうちの第1処理系統10Aの運転が停止されていて第2処理系統10Bのみが稼動している場合、つまり、第1バグフィルタ16Aが保温対象集塵装置である場合、について説明する。
この場合、前記第2処理系統10Bにおいては、第2循環装置40Bのファン44が停止されるとともに、排ガス用弁45,47が開かれて循環用弁46,48が閉じられる。従って、第2燃焼炉12Bでの廃棄物の燃焼により生成された排ガスは、第2ボイラ14Bで水と熱交換することにより当該水を気化させて自らは冷却された後、第2バグフィルタ16Bを通り、ここで集塵された後に第2煙突18Bが排出される。
前記第2ボイラ14Bで生成された高圧蒸気は、高圧蒸気溜め22に溜められた後、タービン24に供給されてこれを駆動することにより動力を生成するとともに降圧する。そして、当該蒸気の一部が前記タービン24の中段から抽出されて低圧蒸気として低圧蒸気溜め30に受け入れられる一方、残りの蒸気は湿り蒸気としてタービン24の出口から排出され、復水器26で凝縮した後、脱気器付復水タンク27及び第2給水ポンプ28Bを経由して前記第2ボイラ14Bに還元される。
一方、保温対象集塵装置、すなわち運転停止中の第1処理系統10Aに属する第1集塵装置である第1バグフィルタ16Aについては、第1空気循環装置40Aのファン44が駆動されるとともに、排ガス用弁45,47が閉じられて循環用弁46,48が開かれることにより、当該第1バグフィルタ16Aの内部を通る空気の循環が形成される。熱交換部50では、第2供給切換弁54Bが閉じられて第1供給切換弁54Aが開かれることにより、低圧蒸気溜め30に溜められた低圧蒸気(すなわちタービン24の中段から抽出された蒸気)が第1蒸気熱交換器52Aに供給され、この第1蒸気熱交換器52Aにおいて当該低圧蒸気と前記第1空気循環装置40Aによる第1循環空気との間で熱交換が行われることにより、当該低圧蒸気が凝縮して少なくともその凝縮熱により前記第1循環空気が加熱される。このように、加熱した循環空気が第1バグフィルタ16Aの内部を流れることにより、当該第1バグフィルタ16Aの保温を効率よく行うことができる。また、保温に用いられる蒸気は、その少なくとも凝縮熱すなわち潜熱が利用されるものであることから、排ガスよりも単位体積当たりの保有熱量が大きく、よって、当該蒸気のための配管には排ガス用の配管よりも小径のものを用いることができる。また、各蒸気熱交換器52A,52Bについても、従来のように排ガスと保温対象の集塵装置(または循環熱媒体)との間で熱交換を行わせるための熱交換器に比べて小型のものを使用することができる。さらに、排ガスと集塵装置との熱交換により当該排ガスの温度が下がると当該排ガスの腐食性が高くなるおそれがあるが、前記各蒸気熱交換器52A,52Bから排出されるのは水または湿り蒸気であり、その腐食性は低温排ガスに比べてきわめて低い。
さらに、この実施の形態では、第1バグフィルタ内部温度計60Aが第1バグフィルタ16Aの内部の温度を検出し、この検出した温度が予め設定された目標温度に近づくように前記第1供給切換弁54Aの開度を変化させて前記第1蒸気熱交換器52Aに供給される低圧蒸気の流量を調節することにより、当該第1バグフィルタ16Aの内部の温度が適正な範囲に制御される。
前記とは逆に、第1処理系統10Aが稼動して第2処理系統10Bの運転が停止されている場合でも、この場合の保温対象集塵装置である第2バグフィルタ16Bの保温を前記と全く同じ要領で行うことが、可能である。
前記第1の実施の形態では、ボイラ14Aまたは14Bで生成された蒸気すなわち高い圧力を有する蒸気のもつエネルギーをまずタービン24で動力に変換し、これにより圧力が降下した、つまり飽和蒸気圧に近づいた蒸気を凝縮させることで、当該蒸気から、動力(運動エネルギー)と、集塵装置の保温のための熱エネルギーと、の双方を効率よく回収することが可能である。例えば、前記タービン24の入口に導入される高圧蒸気の圧力がゲージ圧にして2〜4MPaであり、出口から吐出される蒸気(湿り蒸気)の圧力が大気圧近傍の圧力である場合、当該タービン24の中段から例えば0.2MPa程度の圧力の蒸気を低圧蒸気として抽出すれば、前記高圧蒸気をそのまま凝縮させる場合に比べ、エネルギーの回収効率を大幅に高めることが可能である。
ただし、本発明では、前記ボイラ14Aまたは14Bで生成された高圧蒸気をそのまま(タービン24で降圧させることなく)凝縮させることによってもバグフィルタ16A,16Bの保温を行うことが可能である。その例を第2の実施の形態として図3に示す。
この図3に示す装置では、図1に示される前記低圧蒸気溜め30に代え、水循環系統20が、前記タービン24をバイパスしてその上流側の高圧蒸気溜め22と下流側の復水器26とを直接連通する第1及び第2バイパス配管23A,23Bと、その途中に設けられた第1及び第2バイパス流量調節弁25A,25Bと、を有する。
前記第1及び第2バイパス配管23A,23Bは、それぞれ、復水器26に接続されるように配管される。第1及び第2バイパス流量調節弁25A,25Bは、前記各バイパス配管23A,23Bでの高圧蒸気の流量を調節するように操作される。具体的に、各バイパス流量調節弁25A,25Bの開度は、タービン24がその故障などにより非常停止したときにボイラ14Aまたは14Bから高圧蒸気溜め22に供給される蒸気の全量を(タービン24をバイパスして)復水器26に逃がすために全開とされる一方、タービン24が正常に稼動している通常運転時には、前記非常時における急激な蒸気の導入による復水器26の破損やスチームハンマーの発生を避けるために、少量の高圧蒸気を復水器26に定常的に流すように操作される。
この第2の実施の形態では、当該熱交換部50の第1及び第2蒸気供給配管51A,51Bが、図1に示される低圧蒸気溜め30に代えて前記第1及び第2バイパス配管23A,23Bに接続されている。つまり、各第1及び第2バイパス配管23A,23Bを流れる高圧蒸気の一部が前記第1及び第2蒸気供給配管51A,51Bに分流するように配管されている。また、各蒸気熱交換器51A,51Bの出口は前記第1の実施の形態と同様に復水器26に接続されている。
この装置によれば、高圧蒸気溜め22に溜められる高圧蒸気は、タービン24を経由することなく、バイパス流量調節弁25A(または25B)及び蒸気供給配管51A(または51B)を経由して蒸気熱交換器52A(または52B)に供給され、当該蒸気熱交換器で凝縮した後に復水器26に供給される。従って、この第2の実施の形態においては、前記高圧蒸気溜め22が本発明に係る蒸気受入れ部を構成し、当該高圧蒸気溜め22に受け入れられている高圧蒸気がそのまま熱交換の対象となる。また、この第2の実施の形態では、本来は復水器26に逃がされていた余剰の高圧蒸気を利用して保温対象集塵装置に相当するバグフィルタを保温することができる利点がある。
本発明において、第1及び第2空気循環装置と熱交換部とを備える場合、当該熱交換部は、当該第1及び第2空気循環装置により形成される循環空気と蒸気との間で熱交換させるものに限られない。例えば、当該熱交換部は、当該循環空気とこれとは別の熱媒体流体との間で熱交換を行わせる循環空気用熱交換器と、当該熱媒体流体と前記蒸気との間で熱交換を行わせる蒸気熱交換器と、を併有するもの、つまり、複数段のもの、であってもよい。また、本発明の実施の形態とは異なる形態であるが、稼動中の処理系統における排ガス配管の周囲に熱媒体(例えば空気)の通路を形成し、当該排ガス配管を流れる排ガスと当該熱媒体との間の熱交換により当該熱媒体を加温してこの熱媒体の保有する熱で運転停止中の処理系統における集塵装置を保温することも、可能である。
本発明は、第1及び第2集塵装置の内部を通る循環空気と蒸気との熱交換により当該蒸気を凝縮させるものに限られない。例えば、第1及び第2集塵装置が前記蒸気を凝縮させる凝縮器を内蔵しており、この凝縮器での前記蒸気の凝縮により発生した凝縮熱で当該凝縮器を内蔵する集塵装置が直接加温されてもよい。この場合も、例えば稼動中の処理系統を流れる排ガスの一部を運転停止中の処理系統における保温対象集塵装置の内部に形成された加温用通路に流す場合に比べて設備の大型化(熱交換部を内蔵する集塵装置の大型化も含む。)が効果的に抑制される。
また、本発明に係る廃棄物処理設備は、3以上の処理系統を有するもの、つまり、第1及び第2処理系統に加えて第3、第4…の処理系統を備えるものを除外しない。この場合も、運転停止中の処理系統に属する集塵装置の保温を、稼動中の処理系統に属するボイラにて生成された蒸気の凝縮熱を利用して効果的に行うことが、可能である。
10A 第1処理系統
10B 第2処理系統
12A 第1燃焼炉
12B 第2燃焼炉
14A 第1ボイラ
14B 第2ボイラ
16A 第1バグフィルタ(第1集塵装置)
16B 第2バグフィルタ(第2集塵装置)
20 水循環系統
22 高圧蒸気溜め(蒸気受入れ部)
24 タービン
30 低圧蒸気溜め(蒸気受入れ部)
40A 第1空気循環装置
40B 第2空気循環装置
50 熱交換部
52A 第1蒸気熱交換器
52B 第2蒸気熱交換器
54A 第1供給切換弁
54B 第2供給切換弁
60A 第1バグフィルタ内部温度計(温度制御部)
60B 第2バグフィルタ内部温度計(温度制御部)
本発明は、ごみ等の廃棄物を燃焼させ、その燃焼により生成した排ガスを集塵処理してから排出するための廃棄物処理設備に関するものである。
一般に、ごみ等の廃棄物を燃焼させることにより処理する廃棄物処理設備は、当該廃棄物を燃焼させるための燃焼炉と、その燃焼により生成された排ガスからダストを除去するための集塵装置と、を備え、その集塵後のガスが外部に排出される。この設備では、運転停止中での集塵装置の保温が重要な課題となる。具体的に、前記燃焼炉の運転が停止されると、その下流側での集塵装置の内部の温度が低下し、これにより低温腐食や使用薬剤(例えば消石灰)の潮解が発生し易くなるため、運転停止中でも集塵装置の内部は比較的高い温度(例えば110°〜120°C)に保たれることが、望ましい。
従来、このような運転停止中での集塵装置の保温を行う装置として、特許文献1に記載されるように、当該集塵装置に空気を通しながら当該空気を循環させる手段と、その循環する空気を加熱するヒータと、を備えたものが知られている。しかし、この装置では集塵装置の保温のために大きな電力が消費されるという問題がある。
そこで、特許文献2には、前記燃焼炉及び前記集塵装置をそれぞれ含む複数の廃棄物処理系統を備えた設備において、停止中の系統に含まれる集塵装置に稼動中の系統を流れる排ガスの熱エネルギーを供給することにより、その停止中の系統に含まれる集塵装置を保温する技術が開示されている。具体的には、稼動中の系統を流れる排ガスの一部が停止中の系統に含まれる集塵装置に直接供給され、あるいは、停止中の系統に含まれる集塵装置を通してガスを循環させてこの循環ガスと稼動中の系統を流れる排ガスとの間で熱交換が行われる。
特許第3209913号公報 特開2012−42155号公報
前記特許文献2に記載される技術では、稼動中の処理系統を流れる排ガスと停止中の処理系統における集塵装置(またはこの集塵装置を流れる熱媒体)との間で熱交換を行わせるために、大型の熱交換器及び大型の排ガス流通用配管が必要であり、これらによる設備全体の大型化は避けられない。しかも、前記熱交換器における熱交換で排ガスの温度が下がると当該排ガスの腐食性が高くなることから、これに起因する配管の腐食(前記熱交換器の下流側の配管の腐食)を回避するためには前記熱交換器の排ガスの出口温度をある程度高く維持しなければならない。つまり当該出口温度の降下に著しい制約がある。このような出口温度の著しい制約の下で、前記集塵装置の保温に十分な熱交換を行うためには、前記熱交換器における排ガスの流量をさらに大きくしなければならず、このことは熱交換器及び排ガス用配管のさらなる大型化につながる。
本発明は、このような事情に鑑み、複数の処理系統を備えた廃棄物処理設備であって、設備の大型化を抑えながら、停止中の処理系統における集塵装置の保温を効率良く行うことが可能なものを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明者らは、燃焼炉の後段に設けられるボイラに着目した。このボイラは、燃焼炉から排出される排ガスの熱によって水を沸騰させることにより、その気化潜熱を利用して当該排ガスの温度を効果的に下げてその後段の集塵装置を有効に保護することが可能なものであるが、さらに、当該ボイラで生成される蒸気の凝縮熱を利用することにより、停止中の処理系統における集塵装置の保温を比較的小規模な設備で効率よく行うことが可能になる。
本発明は、かかる観点に基いてなされたものであり、前記課題を解決することが可能な廃棄物処理設備を提供する。この設備は、廃棄物を燃焼させる第1燃焼炉、この第1燃焼炉での燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第1ボイラ、及びこの第1ボイラにより冷却された排ガス中のダストを除去する第1集塵装置を含む第1処理系統と、廃棄物を燃焼させる第2燃焼炉、この第2燃焼炉での燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第2ボイラ、及びこの第2ボイラにより冷却された排ガス中のダストを除去する第2集塵装置を含む第2処理系統と、前記第1ボイラ及び前記第2ボイラでそれぞれ生成された蒸気を受け入れる蒸気受入れ部と、この蒸気受入れ部が受け入れた蒸気を凝縮させ、その凝縮熱により、前記第1及び第2処理系統のうち停止中の処理系統における集塵装置の保温を行う保温部と、を備える。
なお、前記保温部について「その凝縮熱により、…保温を行う」とは、凝縮熱のみを用いて保温を行うものに限定する趣旨ではなく、少なくとも凝縮熱を利用して保温を行うものを広く含む趣旨である。従って、前記保温部は蒸気の凝縮熱(すなわち潜熱)と顕熱の双方を利用するものであってもよい。
この設備によれば、前記第1ボイラ及び第2ボイラのうち稼動中の処理系統に属するボイラが生成する蒸気の凝縮熱すなわち潜熱を利用することにより、停止中の処理系統に属する集塵装置の加温を効率よく行うことができる。つまり、少ない蒸気流量で停止中の処理系統における集塵装置の加温に十分な熱交換を行うことが可能となる。従って、従来のように運転中の処理系統を流れる排ガスと集塵装置との間で熱交換を行う場合に比べ、小型の設備、例えば小流量仕様の熱交換器及び小径の配管、を用いて保温部を構成することができる。また、前記蒸気の温度が前記熱交換によって降下してもこれにより発生するのは水または湿り蒸気であり、低温化した排ガスに比べて腐食性はきわめて低い。
前記蒸気受入れ部は、前記第1又は第2ボイラによって生成された蒸気をそのまま受け入れるものでもよいが、前記第1または第2ボイラで生成された蒸気の圧力を降下させながら当該蒸気のエネルギーを動力に変換するタービンをさらに備え、前記蒸気受け入れ部は前記タービンによって圧力が降下した蒸気であって大気圧よりも高い圧力をもつ蒸気を受け入れることが、より好ましい。この場合、当該蒸気は前記タービンの入口と出口との間の中段から抽出されるのが、よい。その抽出される蒸気の圧力の範囲としては、100°C以上の凝縮点を確保できる範囲が好ましく、例えばゲージ圧にして0.1MPa〜4MPa(より好ましくは0.2MPa〜1.2MPa)の範囲が好適である。
このように、高圧の蒸気のもつエネルギーをまずタービンで動力に変換し、これにより圧力が降下した、つまり飽和蒸気圧に近づいた蒸気を凝縮させることで、当該蒸気から、動力(運動エネルギー)と、集塵装置の保温のための熱エネルギーと、の双方を効率よく回収することができる。
本発明では、前記保温部として前記第1集塵装置の内部を通るように空気を循環させる第1空気循環装置と、前記第2集塵装置の内部を通るように空気を循環させる第2空気循環装置と、第1または第2空気循環装置が循環させる循環空気と前記蒸気受け入れ部が受け入れた蒸気との間で熱交換を行わせることにより当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記循環空気を加温する熱交換部と、を含む。
この保温部によれば、第1及び第2空気循環装置のうち運転が停止している処理系統の集塵装置に対応する空気循環装置を作動させて当該集塵装置を通るように空気を循環させながら、当該空気を第1及び第2ボイラのうち稼動している処理系統に属するボイラによって生成された蒸気の凝縮熱で循環空気を加温することにより、停止している処理系統に属する集塵装置の保温をその内部から適切に行うことができる。
さらに、この出願の第1の発明では、前記熱交換部は、前記蒸気受入れ部に受け入れられた蒸気と前記第1空気循環装置が循環させる第1循環空気との熱交換により当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記第1循環空気を加温するための第1熱交換器と、前記蒸気受入れ部に受け入れられた蒸気と前記第2空気循環装置が循環させる第2循環空気との熱交換により当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記第2循環空気を加温するための第2熱交換器と、前記蒸気受入れ部に受け入れられた蒸気の供給先を前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間で切換える供給切換部とを含む
前記第1及び第2空気循環装置並びに前記熱交換部を備えた設備では、当該熱交換器を流れる蒸気の流量を調節することにより、保温対象である集塵装置の温度を適正に制御することが可能である。具体的に、この出願の第2の発明では、前記熱交換器を流れる蒸気の流量を変化させる流量操作部と、前記第1及び第2集塵装置の内部の温度をそれぞれ検出してその検出された温度を予め決められた目標温度に近づけるように前記流量操作部を作動させる温度制御部と、をさらに備える。
以上のように、本発明によれば、複数の処理系統を備えた廃棄物処理設備であって、設備の大型化を抑えながら、停止中の処理系統における集塵装置の保温を効率良く行うことが可能なものを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る廃棄物処理設備の全体構成を示すフローシートである。 前記廃棄物処理設備における第1及び第2空気循環装置並びに第1及び第2熱交換器の構成を示すフローシートである。 本発明の第2の実施の形態に係る廃棄物処理設備の全体構成を示すフローシートである。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る廃棄物処理設備の全体構成を示す。この設備は、第1処理系統10Aと、第2処理系統10Bと、水循環系統20と、蒸気受入れ部である低圧蒸気だめ30と、第1空気循環装置40Aと、第2空気循環装置40Bと、熱交換部50と、を備える。
前記第1及び第2処理系統10A,10Bは、それぞれ、ごみ等の廃棄物を燃焼処理するとともに、当該燃焼により生じた排ガスを処理して排出するものである。第1処理系統10Aは、前記廃棄物を燃焼させる第1燃焼炉12Aと、この第1燃焼炉12Aでの燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第1ボイラ14Aと、この第1ボイラ14Aにより冷却された排ガス中のダストを除去する第1集塵装置である第1バグフィルタ16Aと、第1バグフィルタ16Aを通過した後の排ガスを系外に排出する第1煙突18Aと、を含む。同様に、第2処理系統10Bは、前記廃棄物を燃焼させる第2燃焼炉12Bと、この第2燃焼炉12Bでの燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第2ボイラ14Bと、この第2ボイラ14Bにより冷却された排ガス中のダストを除去する第2集塵装置である第2バグフィルタ16Bと、第2バグフィルタ16Bを通過した後の排ガスを系外に排出する第2煙突18Bと、を含む。
前記第1及び第2処理系統10A,10Bは、同時に稼動される場合と、一方のみが稼動されて他方が休止(運転停止)される場合と、がある。後者の場合、その運転が停止している処理系統に属するバグフィルタ16Aまたは16Bについては、これを適当な温度
範囲(例えば110°C〜120°C)に保つ必要がある。このバグフィルタが、本発明に係る保温対象集塵装置に相当する。
前記水循環系統20は、前記第1及び第2ボイラ14A,14Bで生成された蒸気のエネルギーにより動力を生成する、すなわち運動エネルギーとして回収する、とともに、当該蒸気を水として前記第1及び第2ボイラ14A,14Bに還元するものである。具体的に、この水循環系統20は、高圧蒸気溜め22と、タービン24と、復水器26と、脱気器付復水タンク27と、第1及び第2給水ポンプ28A,28Bと、を含む。前記高圧蒸気溜め22は、前記第1及び第2ボイラ14A,14Bで生成された高圧蒸気を受け入れて一時的に貯留する。前記タービン24は、当該高圧蒸気によって駆動されることにより動力を生成するとともに、当該高圧蒸気の圧力を低下させる。復水器26は、前記タービン24の出口から取り出される低圧の湿り蒸気を等圧冷却して凝縮させることにより低圧の飽和水に戻す。この飽和水は、脱気器付復水タンク27にて脱気処理されて貯留され、第1及び第2給水ポンプ28A,28Bにより第1及び第2ボイラ14A,14Bに還元される。
前記低圧蒸気溜め30は、本発明に係る蒸気受入れ部に相当するもので、前記タービン24から抽出される低圧蒸気を受け入れて一時的に貯留するものである。この低圧蒸気は、前記タービン24の入口と出口との間の部位である中段位置から抽出された蒸気であって、タービン24の入口に導入される高圧蒸気よりも低圧でかつタービン24の出口から取り出される湿り蒸気よりは高圧の(好ましくは大気圧以上の)蒸気、つまり前記高圧蒸気よりも凝縮しやすい蒸気である。この低圧蒸気の圧力の範囲としては、100°C以上の凝縮点を確保できる範囲が好ましく、一般にはゲージ圧にして0.1MPa〜4MPa(より好ましくは0.2MPa〜1.2MPa)の範囲で適宜決定することができる。
前記第1空気循環装置40Aは、前記第1バグフィルタ16Aの内部を通るように空気を循環させるものであり、同様に、第2空気循環装置40Bは、前記第2バグフィルタ16Bの内部を通るように空気を循環させるものである。具体的に、前記各空気循環装置40A,40Bは、図2に示されるような循環用配管42と、ファン44と、排ガス用弁45,47と、循環用弁46,48と、を含む。
前記循環用配管42は、前記排ガス用配管のうちバグフィルタ16A(16B)の入口側の配管15と出口側の配管17とを当該バグフィルタ16A(16B)をバイパスしながら接続する。ファン44は、前記循環用配管42の途中に設けられ、前記バグフィルタ16A(16B)の出口側から入口側に向かう空気の流れを形成する。
前記排ガス用弁45は、前記バグフィルタ16A(16B)の入口側の配管15のうち当該入口側配管15と前記循環用配管42との接続部位よりも上流側の位置に設けられ、排ガス用弁47は、前記バグフィルタ16A(16B)の出口側の配管17のうち当該出口側配管17と前記循環用配管42との接続部位よりも下流側の位置に設けられる。前記循環用弁46は、前記循環用配管42において当該循環用配管42とバグフィルタ16A(16B)の入口側配管との接続部位の近傍の部位に設けられ、前記循環用弁48は、前記循環用配管42において当該循環用配管42とバグフィルタ16A(16B)の出口側配管との接続部位の近傍の部位に設けられる。
前記各空気循環装置40A,40Bは、前記各弁45〜48の開閉により、バグフィルタ使用状態と空気循環状態とに切換えられることが可能である。具体的に、前記排ガス用弁45,47が開かれて前記循環用弁46,48が閉じられることにより、排ガスがバグフィルタ16A(16B)を通過することが可能なバグフィルタ使用状態が形成される。逆に前記排ガス用弁45,47が閉じられて前記循環用弁46,48が開かれることによ
り、前記ファン44の作動で前記バグフィルタ16A(16B)の内部を通るように空気が循環する空気循環状態が形成される。
前記熱交換部50は、前記第1空気循環装置40Aが循環させる第1循環空気または第2空気循環装置40Bが循環させる第2循環空気と前記低圧蒸気溜め30に溜められた蒸気との間で熱交換を行わせることにより、当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記循環空気を加温するものである。具体的に、この実施の形態に係る熱交換部50は、第1蒸気供給配管51Aと、第2蒸気供給配管51Bと、第1蒸気熱交換器52Aと、第2蒸気熱交換器52Bと、第1供給切換弁54Aと、第2供給切換弁54Bと、を含む。
前記第1及び第2蒸気供給配管51A,51Bは、前記低圧蒸気溜め30に貯留された低圧蒸気を前記第1蒸気熱交換器52A,52Bの蒸気入口にそれぞれ供給するように配置される。前記第1及び第2供給切換弁54A,54Bは、前記第1及び第2蒸気供給配管51A,51Bの途中にそれぞれ設けられ、当該第1及び第2供給切換弁54A,54Bの開閉によって低圧蒸気の供給先の切換が行われる。具体的に、第1供給切換弁54Aが開かれて第2供給切換弁54Bが閉じられることにより、前記低圧蒸気溜め30内の蒸気が第1蒸気熱交換器52Aに供給される状態が形成され、逆に、第2供給切換弁54Bが開かれて第1供給切換弁54Aが閉じられることにより、前記低圧蒸気溜め30内の蒸気が第2蒸気熱交換器52Bに供給される状態が形成される。さらに、この実施の形態に係る供給切換弁54A,54Bは、単なる開閉だけでなく、その開度の変化により、前記蒸気熱交換器52A,52Bを流れる蒸気の流量を変化させることが可能な流量調節弁つまり流量操作部としても機能する。
前記第1蒸気熱交換器52Aは、前記第1空気循環装置40Aが形成する第1循環空気と、前記第1蒸気供給配管51Aを通じて供給される低圧蒸気との間で熱交換を行わせるように配置され、同様に、前記第2蒸気熱交換器52Bは、前記第1空気循環装置40Aが形成する第2循環空気と、前記第1蒸気供給配管51Aを通じて供給される低圧蒸気との間で熱交換を行わせるように配置される。これらの蒸気熱交換器52A,52Bは、いずれも、前記熱交換によって前記蒸気の少なくとも一部を凝縮させ、その凝縮熱により前記第1または第2循環空気を加熱する。また、凝縮により生成された飽和水は、前記復水器26で生成された飽和水と同様に脱気器付復水タンク27に送られる。
前記蒸気熱交換器52A,52Bの具体的な構成は、循環空気との熱交換により蒸気を凝縮させることが可能なものであれば、特に限定されない。具体的には、フィンチューブ式熱交換器やボアチューブ式熱交換器が好適である。
本発明では、第1及び第2処理系統10A,10Bの配置によっては、前記第1及び第2蒸気熱交換器52A,52Bに代え、単一の蒸気熱交換器が両空気循環装置40A,40Bについて共用されることも可能である。この場合、前記供給切換弁54A,54Bの併用は不要となる。逆に、第1及び第2処理系統10A,10Bの配置によっては、前記高圧蒸気溜め22やタービン24が当該処理系統ごとに設けられてもよい。
この実施の形態に係る廃棄物処理設備は、さらに、第1及び第2バグフィルタ16A,16Bの内部の温度を制御するための手段として、第1及び第2内部温度計60A,60Bと、第1及び第2蒸気出口温度計62A,62Bと、を備える。
第1及び第2内部温度計60A,60Bは、それぞれ、第1及び第2バグフィルタ16A,16Bの内部の温度を検出するとともに、当該内部温度計60A,60Bに対応する空気循環装置40A(40B)が空気循環状態にある場合に、その検出した温度(バグフィルタ内部温度)が予め設定された目標温度(例えば120°C)に近づくように、前記
供給切換弁54A(54B)に指令信号を入力して蒸気流量の調節を行う。
なお、前記内部温度計60A,60Bの温度感知部は、必ずしも各バグフィルタ16A,16Bの内部に配置されていなくてもよく、実質的に当該バグフィルタ16A,16Bの内部の温度についての情報を取得できる位置に設けられればよい。例えば、当該温度感知部は前記バグフィルタ16A,16Bの入口ダクトまたは出口ダクトに設けられて当該ダクト内を流れる空気の温度を感知するものであってもよい。
前記第1及び第2蒸気出口温度計62A,62Bは、前記第1及び第2蒸気熱交換器52A,52Bの出口側の蒸気の温度をそれぞれ検出する。前記内部温度計60A,60Bは、前記の検出内部温度に基づく制御に加え、対応する蒸気出口温度計62A(62B)の検出する温度が予め設定された温度範囲(前記バグフィルタ内部の目標温度よりもやや高い温度範囲:例えば130〜150°C)に収まるように、前記供給切換弁54A,54Bによる蒸気流量の調節を行う。この制御は、当該供給切換弁54A,54Bの極端な開閉動作を防ぐためのものであり、適宜省略が可能である。
次に、この廃棄物処理設備において行われるバグフィルタ(集塵装置)の保温について、説明する。ここでは、例として、第1及び第2処理系統10A,10Bのうちの第1処理系統10Aの運転が停止されていて第2処理系統10Bのみが稼動している場合、つまり、第1バグフィルタ16Aが保温対象集塵装置である場合、について説明する。
この場合、前記第2処理系統10Bにおいては、第2循環装置40Bのファン44が停止されるとともに、排ガス用弁45,47が開かれて循環用弁46,48が閉じられる。従って、第2燃焼炉12Bでの廃棄物の燃焼により生成された排ガスは、第2ボイラ14Bで水と熱交換することにより当該水を気化させて自らは冷却された後、第2バグフィルタ16Bを通り、ここで集塵された後に第2煙突18Bが排出される。
前記第2ボイラ14Bで生成された高圧蒸気は、高圧蒸気溜め22に溜められた後、タービン24に供給されてこれを駆動することにより動力を生成するとともに降圧する。そして、当該蒸気の一部が前記タービン24の中段から抽出されて低圧蒸気として低圧蒸気溜め30に受け入れられる一方、残りの蒸気は湿り蒸気としてタービン24の出口から排出され、復水器26で凝縮した後、脱気器付復水タンク27及び第2給水ポンプ28Bを経由して前記第2ボイラ14Bに還元される。
一方、保温対象集塵装置、すなわち運転停止中の第1処理系統10Aに属する第1集塵装置である第1バグフィルタ16Aについては、第1空気循環装置40Aのファン44が駆動されるとともに、排ガス用弁45,47が閉じられて循環用弁46,48が開かれることにより、当該第1バグフィルタ16Aの内部を通る空気の循環が形成される。熱交換部50では、第2供給切換弁54Bが閉じられて第1供給切換弁54Aが開かれることにより、低圧蒸気溜め30に溜められた低圧蒸気(すなわちタービン24の中段から抽出された蒸気)が第1蒸気熱交換器52Aに供給され、この第1蒸気熱交換器52Aにおいて当該低圧蒸気と前記第1空気循環装置40Aによる第1循環空気との間で熱交換が行われることにより、当該低圧蒸気が凝縮して少なくともその凝縮熱により前記第1循環空気が加熱される。このように、加熱した循環空気が第1バグフィルタ16Aの内部を流れることにより、当該第1バグフィルタ16Aの保温を効率よく行うことができる。また、保温に用いられる蒸気は、その少なくとも凝縮熱すなわち潜熱が利用されるものであることから、排ガスよりも単位体積当たりの保有熱量が大きく、よって、当該蒸気のための配管には排ガス用の配管よりも小径のものを用いることができる。また、各蒸気熱交換器52A,52Bについても、従来のように排ガスと保温対象の集塵装置(または循環熱媒体)との間で熱交換を行わせるための熱交換器に比べて小型のものを使用することができる。さ
らに、排ガスと集塵装置との熱交換により当該排ガスの温度が下がると当該排ガスの腐食性が高くなるおそれがあるが、前記各蒸気熱交換器52A,52Bから排出されるのは水または湿り蒸気であり、その腐食性は低温排ガスに比べてきわめて低い。
さらに、この実施の形態では、第1バグフィルタ内部温度計60Aが第1バグフィルタ16Aの内部の温度を検出し、この検出した温度が予め設定された目標温度に近づくように前記第1供給切換弁54Aの開度を変化させて前記第1蒸気熱交換器52Aに供給される低圧蒸気の流量を調節することにより、当該第1バグフィルタ16Aの内部の温度が適正な範囲に制御される。
前記とは逆に、第1処理系統10Aが稼動して第2処理系統10Bの運転が停止されている場合でも、この場合の保温対象集塵装置である第2バグフィルタ16Bの保温を前記と全く同じ要領で行うことが、可能である。
前記第1の実施の形態では、ボイラ14Aまたは14Bで生成された蒸気すなわち高い圧力を有する蒸気のもつエネルギーをまずタービン24で動力に変換し、これにより圧力が降下した、つまり飽和蒸気圧に近づいた蒸気を凝縮させることで、当該蒸気から、動力(運動エネルギー)と、集塵装置の保温のための熱エネルギーと、の双方を効率よく回収することが可能である。例えば、前記タービン24の入口に導入される高圧蒸気の圧力がゲージ圧にして2〜4MPaであり、出口から吐出される蒸気(湿り蒸気)の圧力が大気圧近傍の圧力である場合、当該タービン24の中段から例えば0.2MPa程度の圧力の蒸気を低圧蒸気として抽出すれば、前記高圧蒸気をそのまま凝縮させる場合に比べ、エネルギーの回収効率を大幅に高めることが可能である。
ただし、本発明では、前記ボイラ14Aまたは14Bで生成された高圧蒸気をそのまま(タービン24で降圧させることなく)凝縮させることによってもバグフィルタ16A,16Bの保温を行うことが可能である。その例を第2の実施の形態として図3に示す。
この図3に示す装置では、図1に示される前記低圧蒸気溜め30に代え、水循環系統20が、前記タービン24をバイパスしてその上流側の高圧蒸気溜め22と下流側の復水器26とを直接連通する第1及び第2バイパス配管23A,23Bと、その途中に設けられた第1及び第2バイパス流量調節弁25A,25Bと、を有する。
前記第1及び第2バイパス配管23A,23Bは、それぞれ、復水器26に接続されるように配管される。第1及び第2バイパス流量調節弁25A,25Bは、前記各バイパス配管23A,23Bでの高圧蒸気の流量を調節するように操作される。具体的に、各バイパス流量調節弁25A,25Bの開度は、タービン24がその故障などにより非常停止したときにボイラ14Aまたは14Bから高圧蒸気溜め22に供給される蒸気の全量を(タービン24をバイパスして)復水器26に逃がすために全開とされる一方、タービン24が正常に稼動している通常運転時には、前記非常時における急激な蒸気の導入による復水器26の破損やスチームハンマーの発生を避けるために、少量の高圧蒸気を復水器26に定常的に流すように操作される。
この第2の実施の形態では、当該熱交換部50の第1及び第2蒸気供給配管51A,51Bが、図1に示される低圧蒸気溜め30に代えて前記第1及び第2バイパス配管23A,23Bに接続されている。つまり、各第1及び第2バイパス配管23A,23Bを流れる高圧蒸気の一部が前記第1及び第2蒸気供給配管51A,51Bに分流するように配管されている。また、各蒸気熱交換器51A,51Bの出口は前記第1の実施の形態と同様に復水器26に接続されている。
この装置によれば、高圧蒸気溜め22に溜められる高圧蒸気は、タービン24を経由することなく、バイパス流量調節弁25A(または25B)及び蒸気供給配管51A(または51B)を経由して蒸気熱交換器52A(または52B)に供給され、当該蒸気熱交換器で凝縮した後に復水器26に供給される。従って、この第2の実施の形態においては、前記高圧蒸気溜め22が本発明に係る蒸気受入れ部を構成し、当該高圧蒸気溜め22に受け入れられている高圧蒸気がそのまま熱交換の対象となる。また、この第2の実施の形態では、本来は復水器26に逃がされていた余剰の高圧蒸気を利用して保温対象集塵装置に相当するバグフィルタを保温することができる利点がある。
1及び第2空気循環装置と熱交換部とを備える場合、当該熱交換部は、当該第1及び第2空気循環装置により形成される循環空気と蒸気との間で熱交換させるものに限られない。例えば、当該熱交換部は、当該循環空気とこれとは別の熱媒体流体との間で熱交換を行わせる循環空気用熱交換器と、当該熱媒体流体と前記蒸気との間で熱交換を行わせる蒸気熱交換器と、を併有するもの、つまり、複数段のもの、であってもよい。また、本発明の実施の形態とは異なる形態であるが、稼動中の処理系統における排ガス配管の周囲に熱媒体(例えば空気)の通路を形成し、当該排ガス配管を流れる排ガスと当該熱媒体との間の熱交換により当該熱媒体を加温してこの熱媒体の保有する熱で運転停止中の処理系統における集塵装置を保温することも、可能である。
本発明は、第1及び第2集塵装置の内部を通る循環空気と蒸気との熱交換により当該蒸気を凝縮させるものに限られない。例えば、第1及び第2集塵装置が前記蒸気を凝縮させる凝縮器を内蔵しており、この凝縮器での前記蒸気の凝縮により発生した凝縮熱で当該凝縮器を内蔵する集塵装置が直接加温されてもよい。この場合も、例えば稼動中の処理系統を流れる排ガスの一部を運転停止中の処理系統における保温対象集塵装置の内部に形成された加温用通路に流す場合に比べて設備の大型化(熱交換部を内蔵する集塵装置の大型化も含む。)が効果的に抑制される。
また、本発明に係る廃棄物処理設備は、3以上の処理系統を有するもの、つまり、第1及び第2処理系統に加えて第3、第4…の処理系統を備えるものを除外しない。この場合も、運転停止中の処理系統に属する集塵装置の保温を、稼動中の処理系統に属するボイラにて生成された蒸気の凝縮熱を利用して効果的に行うことが、可能である。
10A 第1処理系統
10B 第2処理系統
12A 第1燃焼炉
12B 第2燃焼炉
14A 第1ボイラ
14B 第2ボイラ
16A 第1バグフィルタ(第1集塵装置)
16B 第2バグフィルタ(第2集塵装置)
20 水循環系統
22 高圧蒸気溜め(蒸気受入れ部)
24 タービン
30 低圧蒸気溜め(蒸気受入れ部)
40A 第1空気循環装置
40B 第2空気循環装置
50 熱交換部
52A 第1蒸気熱交換器
52B 第2蒸気熱交換器
54A 第1供給切換弁
54B 第2供給切換弁
60A 第1バグフィルタ内部温度計(温度制御部)
60B 第2バグフィルタ内部温度計(温度制御部)

Claims (9)

  1. 廃棄物処理設備であって、
    廃棄物を燃焼させる第1燃焼炉、この第1燃焼炉での燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第1ボイラ、及びこの第1ボイラにより冷却された排ガス中のダストを除去する第1集塵装置を含む第1処理系統と、
    廃棄物を燃焼させる第2燃焼炉、この第2燃焼炉での燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第2ボイラ、及びこの第2ボイラにより冷却された排ガス中のダストを除去する第2集塵装置を含む第2処理系統と、
    前記第1ボイラ及び前記第2ボイラでそれぞれ生成された蒸気を受け入れる蒸気受入れ部と、
    この蒸気受入れ部が受け入れた蒸気を凝縮させ、その凝縮熱により、前記第1及び第2処理系統のうち停止中の処理系統における集塵装置の保温を行う保温部と、を備える、廃棄物処理設備。
  2. 請求項1記載の廃棄物処理設備であって、前記第1または第2ボイラで生成された蒸気の圧力を降下させながら当該蒸気のエネルギーを動力に変換するタービンをさらに備え、前記蒸気受け入れ部は前記タービンによって圧力が降下した蒸気であって大気圧よりも高い圧力をもつ蒸気を受け入れる、廃棄物処理設備。
  3. 請求項1または2記載の廃棄物処理設備であって、前記保温部は、前記第1集塵装置の内部を通るように空気を循環させる第1空気循環装置と、前記第2集塵装置の内部を通るように空気を循環させる第2空気循環装置と、第1または第2空気循環装置が循環させる循環空気と前記蒸気受け入れ部が受け入れた蒸気との間で熱交換を行わせることにより当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記循環空気を加温する熱交換部と、を含む、廃棄物処理設備。
  4. 請求項3記載の廃棄物処理設備であって、前記熱交換部は、前記蒸気受入れ部に受け入れられた蒸気と前記第1空気循環装置が循環させる第1循環空気との熱交換により当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記第1循環空気を加温するための第1熱交換器と、前記蒸気受入れ部に受け入れられた蒸気と前記第2空気循環装置が循環させる第2循環空気との熱交換により当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記第2循環空気を加温するための第2熱交換器と、前記蒸気受入れ部に受け入れられた蒸気の供給先を前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間で切換える供給切換部と、を含む、廃棄物処理設備。
  5. 請求項3または4記載の廃棄物処理設備であって、前記熱交換器を流れる蒸気の流量を変化させる流量操作部と、前記第1及び第2集塵装置の内部の温度をそれぞれ検出してその検出された温度を予め決められた目標温度に近づけるように前記流量操作部を作動させる温度制御部と、をさらに備える、廃棄物処理設備。
  6. 廃棄物を燃焼させる第1燃焼炉、この第1燃焼炉での燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第1ボイラ、及びこの第1ボイラにより冷却された排ガス中のダストを除去する第1集塵装置を含む第1処理系統と、廃棄物を燃焼させる第2燃焼炉、この第2燃焼炉での燃焼により生成される排ガスの熱により水を沸騰させて蒸気を発生させる第2ボイラ、及びこの第2ボイラにより冷却された排ガス中のダストを除去する第2集塵装置を含む第2処理系統と、を備えた廃棄物処理設備における前記第1及び第2処理系統のうち運転が停止されている処理系統に属する集塵装置を保温対象としてこれを保温するための方法であって、
    前記第1ボイラ及び前記第2ボイラのうち稼動している処理系統に属するボイラで生成された蒸気を凝縮させ、その凝縮熱により、前記第1及び第2処理系統のうち停止中の処理系統における集塵装置の保温を行うこと、を含む廃棄物処理設備の集塵装置の保温方法。
  7. 請求項6記載の廃棄物処理設備の集塵装置の保温方法であって、前記第1又は第2ボイラによって生成された蒸気をタービンに導入することにより当該蒸気の圧力を降下させながら当該蒸気のエネルギーを動力に変換することをさらに含み、当該タービンによって圧力が降下した蒸気であって大気圧よりも高い圧力をもつ蒸気を当該タービンの入口と出口との間の中段から抽出してその抽出した蒸気を凝縮させる、廃棄物処理設備の集塵装置の保温方法。
  8. 請求項6または7記載の廃棄物処理設備の集塵装置の保温方法であって、前記保温対象集塵装置の内部を通るように空気を循環させることと、その循環する循環空気と前記蒸気との間で熱交換を行わせることにより当該蒸気を凝縮させるとともにその凝縮熱で前記循環空気を加温することと、を含む、廃棄物処理設備の集塵装置の保温方法。
  9. 請求項8記載の廃棄物処理設備の集塵装置の保温方法であって、前記保温対象集塵装置の内部の温度を検出することと、その検出された温度を予め決められた目標温度に近づけるように前記循環空気の流量を調節することと、を含む、廃棄物処理設備の集塵装置の保温方法。
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