JP2015075247A - 廃棄物ガス化溶融炉及びその運転方法 - Google Patents

廃棄物ガス化溶融炉及びその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定して廃棄物の処理を行うことが可能な廃棄物ガス化溶融炉を提供すること。【解決手段】廃棄物ガス化溶融炉10は、シャフト部2と溶融炉部4と連通部5を備える。連通部5は、炭化火格子部3と、空気供給部33,34を有する送風装置36と、廃棄物を上部側開口部46に供給する供給装置31を備える。炭化火格子部3は、供給炭化火格子3Aと乾留炭化火格子3Bを有する。廃棄物ガス化溶融炉10は、温度T1、温度T2及び羽口42からの酸素量M2と炭素系固形燃料の固定炭素の理論燃焼酸素量M1の比(M1/M2)を制御する制御部と、温度T1に基づいて、空気供給部33からの空気供給量を調節する調節手段33bと、温度T2に基づいて、空気供給部34からの空気供給量を調節する調節手段34bと、比(M1/M2)に基づいて、酸素又は炭素系固形燃料の供給量を調節する調節手段47を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、炉上部から廃棄物が装入されるシャフト部と、熱分解された廃棄物を燃焼させるとともに熱分解残渣を溶かす溶融炉部と、シャフト部と溶融炉部とをつなぐ連結部とを備える廃棄物ガス化溶融炉及びその運転方法に関する。
一般廃棄物や産業廃棄物などを処理する方法として、炭素系固形燃料(例えばコークス)を熱源に使用し、工業炉で廃棄物を溶融する方法が知られている。廃棄物の溶融処理は、廃棄物の減容化だけでなく、これまで埋め立てによって最終処分されていた焼却灰及び不燃性ゴミをスラグやメタルなどの資源として回収できる利点がある。
廃棄物の資源化のニーズの高まりを背景に、日本において1970年代から廃棄物ガス化溶融炉の研究がなされ、これまでに種々のタイプの溶融炉が開発されている。特許文献1に記載の廃棄物溶融処理装置はその一例である。当該文献に記載の装置は、装入される廃棄物を乾燥させるためのシャフト部と、熱分解後の廃棄物を燃焼させるとともに熱分解残渣を溶かすための溶融炉部とを備え、シャフト部と溶融炉部の炉心をずらして配置され、これらの間に廃棄物を更に熱分解するための炭化火格子部が設けられている。
特開2010−043840号公報
ところで、廃棄物ガス化溶融炉は、性状の異なる廃棄物を安定的に処理することが求められる。しかしながら、廃棄物の性状や処理量が変動した場合に、シャフト部におけるガスの流れに偏流が発生したり、乾燥度合いが変動して下流側の連通部や溶融炉部での変動を誘発したりすることが懸念される。
連通部や溶融炉部に、乾燥度合いの異なる廃棄物が導入されると、温度が変動して乾留効率が低下したり、局部的な温度上昇が発生して設備が損傷したりすることが懸念される。このため、廃棄物ガス化溶融炉の運転を安定的に継続することが可能な技術を確立することが求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、安定して廃棄物の処理を行うことが可能な廃棄物ガス化溶融炉及びその運転方法を提供することを目的とする。
本発明は、上部側に廃棄物装入口及び炉内ガス排出口、底部側に廃棄物が排出される開口部を有し、内部に充填された廃棄物を乾燥及び熱分解させるシャフト部と、シャフト部と炉芯をずらして配置され、上部側に熱分解された廃棄物と炭素系固形燃料が供給される開口部、炉底側に燃焼用の酸素富化空気を吹き込む羽口を有する溶融炉部と、シャフト部の底部側開口部と溶融炉部の上部側開口部とを連結する連通部と、を備える廃棄物ガス化溶融炉を提供する。本発明の廃棄物ガス化溶融炉における連通部は、シャフト部に充填された廃棄物の荷重を受ける位置に配置された炭化火格子部と、廃棄物の乾燥及び熱分解用の空気を炭化火格子部からシャフト部内及び連通部内に送風する送風装置と、炭化火格子部上にある熱分解された廃棄物を溶融炉部の上部側開口部に供給する供給装置と、を備える。また、炭化火格子部は、上段側に配置される供給炭化火格子と、下段側に配置される乾留炭化火格子と、を有し、送風装置は、供給炭化火格子の上の廃棄物に向けて空気を供給する第1空気供給部と、乾留炭化火格子の上の廃棄物に向けて空気を供給する第2空気供給部と、を有する。
本発明の廃棄物ガス化溶融炉は、シャフト部の上部における炉頂ガスの温度T1、連通部における燃焼ガスの温度T2、及び羽口からの酸素量M2に対する、炭素系固形燃料に含まれる固定炭素の理論燃焼酸素量M1の比(M1/M2)を、所定の範囲に制御する制御部と、温度T1に基づいて、第1空気供給部からの空気供給量を調節する第1の供給量調節手段と、温度T2に基づいて、第2空気供給部からの空気供給量を調節する第2の供給量調節手段と、比(M1/M2)に基づいて、酸素量M2及び/又は炭素系固形燃料の供給量を調節する第3の供給量調節手段と、を有する。
本発明の廃棄物ガス化溶融炉は、シャフト部、連通部及び溶融炉部を安定的に機能させるための指標として、炉頂ガスの温度T1、燃焼ガスの温度T2、及び、酸素量M2に対する固定炭素の理論燃焼酸素量M1の比(M1/M2)を採用している。そして、各指標を所定の範囲に制御するために、最適な調節手段を採用している。このため、本発明の廃棄物ガス化溶融炉は、廃棄物の処理量や性状が変動しても、安定運転を継続することが可能な構成となっている。
上記制御部は、温度T1を350〜500℃、温度T2を650〜800℃、及び上記比(M1/M2)を0.3〜1.2に制御することが好ましい。
本発明ではまた、上部側に廃棄物装入口及び炉内ガス排出口、底部側に廃棄物が排出される開口部を有し、内部に充填された廃棄物を乾燥及び熱分解させるシャフト部と、シャフト部と炉芯をずらして配置され、上部側に熱分解された廃棄物と炭素系固形燃料が供給される開口部、炉底側に燃焼用の酸素富化空気を吹き込む羽口を有する溶融炉部と、シャフト部の底部側開口部と溶融炉部の上部側開口部とを連結する連通部と、を備える廃棄物ガス化溶融炉の運転方法を提供する。
連通部は、シャフト部に充填された廃棄物の荷重を受ける位置に配置された炭化火格子部と、廃棄物の乾燥及び熱分解用の空気を炭化火格子部からシャフト部及び連通部内に送風する送風装置と、炭化火格子部上にある熱分解された廃棄物を溶融炉部の上部側開口部に供給する供給装置と、を備え、炭化火格子部は、上段側に配置される供給炭化火格子と、下段側に配置される乾留炭化火格子と、を有し、送風装置は、供給炭化火格子の上の廃棄物に向けて空気を供給する第1空気供給部と、乾留炭化火格子の上の廃棄物に向けて空気を供給する第2空気供給部と、を有している。
本発明の廃棄物ガス化溶融炉の運転方法は、シャフト部の上部における炉頂ガスの温度T1に基づいて、第1空気供給部からの空気供給量を調節し、温度T1を所定の範囲に制御する第1工程と、連通部における燃焼ガスの温度T2に基づいて、第2空気供給部からの空気供給量を調節し、温度T2を所定の範囲に制御する第2工程と、羽口からの酸素量M2に対する、炭素系固形燃料に含まれる固定炭素の理論燃焼酸素量M1の比(M1/M2)に基づいて、酸素量及び/又は炭素系固形燃料の供給量を調節し、比(M1/M2)を所定の範囲に制御する第3工程と、を有する。
本発明の廃棄物ガス化溶融炉の運転方法では、シャフト部、連通部及び溶融炉部を安定的に運転するための指標として、炉頂ガスの温度T1、燃焼ガスの温度T2、及び、酸素量M2に対する固定炭素の理論燃焼酸素量M1の比(M1/M2)を採用している。そして、これらの指標を所定の範囲に制御するのに適した運転条件を選択し、運転調整を行っている。このため、本発明の廃棄物ガス化溶融炉の運転方法によれば、廃棄物の処理量や性状が変動しても、安定運転を継続することができる。
本発明の廃棄物ガス化溶融炉の運転方法における第1工程では、温度T1を350〜500℃に制御し、第2工程では、温度T2を650〜800℃に制御し、第3工程では、上記比(M1/M2)を0.3〜1.2に制御することが好ましい。
本発明によれば、安定して廃棄物の処理を行うことが可能な廃棄物ガス化溶融炉及びその運転方法を提供することができる。
本発明の廃棄物ガス化溶融炉の一実施形態を模式的に示す縦断面図である。 本発明の廃棄物ガス化溶融炉の機能的な構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
<廃棄物ガス化溶融炉>
図1に示す廃棄物ガス化溶融炉10は、主な構成として、シャフト部2と、炭化火格子部3と、溶融炉部4とを備える。シャフト部2は還元雰囲気下で廃棄物を乾燥させるとともに熱分解する。炭化火格子部3はシャフト部2からの廃棄物を更に熱分解して、廃棄物を炭化させる。溶融炉部4は炭化された廃棄物を燃焼させるとともに融解する。シャフト部2と溶融炉部4は、相対的に横方向に炉芯をずらすように配置されており、シャフト部2の底部側開口部23と溶融炉部4の上部側開口部46とが連通部5によって連結されている。炭化火格子部3は、連通部5の底面をなしており階段状に配置されている。以下、各構成について説明する。
シャフト部2の形状は、例えば円筒形であってもよく矩形であってもよい。シャフト部2の上部には、廃棄物を炉内に装入するための廃棄物装入口21が形成されている。シャフト部2の上部側には、廃棄物が熱分解して発生するガスや炉内に吹き込んだガスを排出する炉内ガス排出口22が形成されている。シャフト部2の下端には開口部23が形成されており、自重でシャフト部2内を降下した廃棄物が開口部23から連通部5へと排出される。シャフト部2の内径及び高さは、炉の処理能力等に応じて適宜決定することができるが、例えば、シャフト部2内の廃棄物の充填高さを少なくとも下端面から1m以上で管理することのできる高さにすることが好ましい。充填高さを1m以上に確保することによって、シャフト部2内において炉内ガスの吹き抜け現象を抑制できる。
シャフト部2の上部には、第1の温度検知部となる第1の温度センサ25が設置されている。第1の温度センサ25は、シャフト部2の上部における炉頂ガスの温度を測定する。第1の温度センサ25は、シャフト部2における廃棄物の充填高さLよりも上に設けられる。第1の温度センサ25の温度を監視することによって、シャフト部2における廃棄物の乾燥状況を判断することができる。例えば、シャフト部2でガス偏流が生じた場合には、第1の温度センサ25の値が大きくなって、異常を早期に発見することができる。第1の温度センサ25は、一つであってもよく、シャフト部2の周方向に並ぶように複数設けてもよい。このように複数設けることによって、乾燥状態の変化を高い精度で検出することができる。
溶融炉部4の形状は、例えば円筒形である。溶融炉部4の上方には、炭素系固形燃料を溶融炉部4内に装入するための副資材装入口41が設けられている。炭素系固形燃料として、コークス、及び、バイオマスの炭化物などを使用でき、これら以外の炭素系可燃性物質を使用してもよい。また、炭素系固形燃料の他に、塩基度調整剤としての石灰石等を副資材装入口41から装入してもよい。なお、炭素系固形燃料は、廃棄物と共に廃棄物装入口21から装入してもよい。
副資材装入口41の上流側には、コークスなどの炭素系固形燃料の供給量を測定する供給量測定部55(図1には図示しない。図2参照)が設置されている。炭素系固定燃料に含まれる固定酸素の含有率を予め調べておけば、(供給量)×(固定炭素の含有率)を計算することによって、固定炭素の供給量を求めることができる。供給量測定部55としては、重量を測定する秤(ロードセル)を用いることができる。固定炭素の含有率は、元素分析法によって測定することができる。
溶融炉部4の炉底には、複数の羽口42が周方向に並んで配置されており、これらの羽口42から溶融炉部4内に酸素富化空気が吹き込まれる。これにより、炭素系固形燃料及び熱分解残渣が燃焼する。なお、酸素富化空気とは、通常の空気よりも酸素濃度が高められた空気を意味する。
羽口42からは、空気と酸素発生器43からの酸素との混合ガスである酸素富化空気を供給することが可能な構成となっている。羽口42からの酸素富化空気の供給量は、第3の供給量調節手段を構成する第3の流量調節弁47aによって調節される。酸素富化空気における酸素濃度の調整は、酸素の流量を調節する第4の流量調節弁47bによって行ってもよい。
溶融炉部4の炉底には、溶融物(すなわち、スラグ及びメタル)を排出する出湯口44が設けられている。出湯口44は、溶融物を還元雰囲気下で貯留及び排出できるように開閉機構(不図示)を有し、間欠的に溶融物を排出する。炉外に排出された溶融物は、冷却凝固し、スラグとメタルを得ることができる。
溶融炉部4は、連通部5との連結位置(炭化火格子部3の最下端)から羽口42までの間に絞り部をなす逆円錐台部(いわゆる朝顔部)45を有するのが好ましい。逆円錐台部45の傾斜角θは75°より大きいことが好ましい。傾斜角θが75°以下、特に70°以下であると、特に逆円錐台部45の壁面との摩擦によって荷下がりが停滞し、廃棄物の降下が不安定となる場合がある。逆円錐台部45の傾斜角θを75°より大きく設定することで、溶融炉部4内の充填物の荷下がりを促進させ、廃棄物の降下が不安定となることを防止することができる。
連通部5は、縦断面形状が矩形であり、その底面に沿って炭化火格子部3が配置されている。炭化火格子部3は、シャフト部2で乾燥及び熱分解された廃棄物を更に熱分解する。連通部5内において廃棄物の燃焼が進行して灰分が生成しないように、つまり還元雰囲気を維持できるように、送風量を調節しながら廃棄物を熱分解(乾留)して炭化させることが望ましい。
炭化火格子部3は、上記のとおり、廃棄物を熱分解(乾留)するための機能のみならず、炭化した廃棄物を溶融炉部4に供給する供給装置としての機能をも有する。炭化火格子部3は、可動炭化火格子と固定炭化火格子とを交互に階段状又は傾斜状に組み合せることによって形成されている。各可動炭化火格子は、流体圧シリンダ等の駆動装置31(31a,31b)によって横方向に一定のピッチで往復動するように構成されている(図1の両矢印参照)。かかる可動炭化火格子と固定炭化火格子との組み合わせによって炭化火格子部3の上の廃棄物を撹拌しながら上流側から下流側へ向けて押し出すことができる。なお、炭化火格子部3を固定炭化火格子のみで構成し、供給装置を別に設けてもよい。供給装置の一例として、プッシャーが挙げられる。
連通部5の底面は、複数の炭化火格子で構成されており、全体が平坦面であるわけではないが、全体としてはシャフト部2側から溶融炉部4側に向けて低くなるように傾斜している。
炭化火格子部3は、上段側の供給炭化火格子3Aと、下段側の乾留炭化火格子3Bによる2段構造になっている。供給炭化火格子3Aは、シャフト部2内に充填された廃棄物の荷重を直接的に受けるように、シャフト部2の真下に位置する。供給炭化火格子3Aは、シャフト部2で乾燥及び熱分解された廃棄物の炭化が進むように当該廃棄物を更に熱分解するとともに乾留炭化火格子3Bへと押し出して供給する。炭化火格子部3の幅、特に供給炭化火格子3Aの幅は、シャフト部2の内径と同程度であることが好ましい。シャフト部2から炭化火格子部3に切り替わる箇所において炭化火格子部3の幅とシャフト部2の内径を同程度とすることによって、廃棄物の荷下がりを安定化できる。その結果、シャフト部2から炭化火格子部3に切り替わる箇所やシャフト部2内において、廃棄物の移送及び降下が不安定となることを抑制できる。
供給炭化火格子3Aの最上段の炭化火格子は、シャフト部2の下端よりも低い位置(図1中の高さh1>0)に設けられていることが好ましい。かかる構成を採用することで、供給炭化火格子3Aにおける可動炭化火格子の往復動によってシャフト部2の下端周辺の廃棄物が圧縮されて廃棄物の移送が不安定になることを抑制できる。また、供給炭化火格子3Aの最下端部からシャフト部2の下端までの距離(図1中の高さh2)は、以下の条件を満たすように設定することが好ましい。すなわち、当該箇所における連通部5の縦断面の面積(=高さh2×連通部5の幅)がシャフト部2の開口部23の開口面積(楕円面積)よりも小さくなるように高さh2を設定することが好ましい。かかる構成を採用することで、連通部5からシャフト部2にガスが流れ込む際、ガスの流速が上がるためシャフト部2内に十分均一にガスを行き届かせることが可能となる。
乾留炭化火格子3Bは、供給炭化火格子3Aに隣接して設けられており、供給炭化火格子3Aからの廃棄物を更に熱分解して炭化物を生成し、炭化された廃棄物を溶融炉部4へと押し出して供給する。乾留炭化火格子3Bは、供給炭化火格子3Aと同じ幅であってもよく、異なる幅であってもよい。乾燥及び熱分解の進行に伴って廃棄物は減容化するので、シャフト部2の内径や連通部5の幅に比べて溶融炉部4の炉底内径は小さくてもよい。乾留炭化火格子3Bの幅は、上流側から下流側に向かうにつれて徐々に小さくなるように設定されていてもよく、例えば乾留炭化火格子3Bの下流側の幅と、溶融炉部4の上部側開口部46の内径(幅)とがなるべく一致するように、乾留炭化火格子3Bの幅を調整してもよい。このように乾留炭化火格子3Bの幅を調整することで、逆円錐台部45の絞り率を緩和することができ、その結果、逆円錐台部45の傾斜角θが75度を下回る形状となるのを回避できる。
図1に図示した供給炭化火格子3A及び乾留炭化火格子3Bはいずれも、水平方向に炭化火格子が延びる水平炭化火格子である。かかる構成は、廃棄物の処理量が比較的多い大規模な溶融炉に適している。なお、供給炭化火格子3A及び乾留炭化火格子3Bは当該構成に限定されず、これらの一方又は両方が傾斜炭化火格子、すなわち、先端側が上方向又は下方向に向かって傾斜する配置されていてもよい。
供給炭化火格子3Aの可動炭化火格子は第1駆動装置31aによって駆動され、乾留炭化火格子3Bの可動炭化火格子は第2駆動装置31bによって駆動される。このように第1及び第2駆動装置31a、31bを互いに独立して設けることで、炭化火格子3A,3Bの駆動、停止及び駆動速度を独立して制御でき、その結果、炭化火格子3A,3Bによる廃棄物の供給速度も独立して制御できる。
炭化火格子部3は、炭化火格子間の隙間及び/又は炭化火格子に形成した送風孔(不図示)を通じて、空気を炭化火格子部3上にある廃棄物に向けて供給することができる構成となっている。すなわち、炭化火格子部3は、廃棄物の乾燥及び熱分解用の空気を炉内に吹き込む送風装置も兼ねている。供給炭化火格子3A及び乾留炭化火格子3Bの裏面側には、炭化した廃棄物のうちの微細なものが炭化火格子間の隙間から落下した場合にそれを回収するための第1回収室32aと第2回収室32bとがそれぞれ配置されている。
第1回収室32aには、送風管33aが連結されている。送風管33aには空気の流量を調節する第1の流量調節弁33bが設けられており、第1の流量調節弁33bの上流側には空気を供給するための送風装置36が接続されている。送風装置36からの空気は、第1の流量調節弁33bによって流量が調節された後、送風管33aを通って第1回収室32aに供給される。第1回収室32aに供給された空気は、供給炭化火格子3Aの隙間及び/又は炭化火格子に形成された送風孔から炉内に導入される。送風管33aは第1空気供給部を構成し、第1の流量調節弁33bは第1の供給量調節手段を構成する。
第2回収室32bには、送風管34aが連結されている。送風管34aには空気の流量を調節する第2の流量調節弁34bが設けられており、第2の流量調節弁34bの上流側には空気を供給するための送風装置36が接続されている。送風装置36からの空気は、第2の流量調節弁34bによって流量が調節された後、送風管34aを通って第2回収室32bに供給される。第2回収室32bに供給された空気は、乾留炭化火格子3Bの隙間及び/又は炭化火格子に形成された送風孔から炉内に導入される。送風管34aは第2空気供給部を構成し、第2の流量調節弁34bは第2の供給量調節手段を構成する。
炭化火格子間の隙間及び/又は炭化火格子に形成した送風孔は、例えば400mmピッチ以下であることが好ましい。供給炭化火格子3A及び乾留炭化火格子3Bから供給する空気は、常温であってもよく、例えば200℃まで予熱されていてもよい。空気の予熱は、例えば炉内ガス排出口22から排出される高温ガスとの熱交換によって行うことができる。
連通部5の上部の空間には、第2の温度検知部となる第2の温度センサ35が設置されている。第2の温度センサ35は、連通部5の上部における燃焼ガスの温度T2を測定する。第2の温度センサ35で測定される温度T2を監視することによって、連通部5における廃棄物の乾留及び炭化の進捗状況を監視することができる。第2の温度センサ35は、一つであってもよく、通常運転において廃棄物が滞留しない上部空間に複数設けてもよい。このように複数設けることによって、連通部5で乾留状態の変化を、精度よく把握することができる。
図2は、本実施形態の廃棄物ガス化溶融炉の機能的な構成を示すブロック図である。第1の温度検知部である第1の温度センサ25は、シャフト部2の上部に設けられ、炉頂ガスの温度T1を測定する。第1の温度センサ25で検知された温度データは、制御部60に入力される。制御部60は、温度T1の目標範囲となる温度データが記憶されている。制御部60は、第1の温度センサ25で検知された温度T1と、記憶されている温度T1の目標範囲とを照合し、温度T1が目標範囲内にあるか否かを判断する。
温度T1の目標範囲は、例えば350〜500℃である。温度T1が350℃を下回ると、供給炭化火格子3Aの炭化火格子間の隙間及び/又は炭化火格子に形成した送風孔からの空気の供給量が過少となってシャフト部2における廃棄物の乾燥効率が低下し、廃棄物の乾燥が不十分となる傾向にある。一方、温度T1が500℃を超えると、ガス偏流を誘発する可能性がある。なお、温度T1の目標範囲は、廃棄物の種類や廃棄物ガス化溶融炉10の運転状況に応じて変更してもよい。
制御部60において、第1の温度検知部で測定された温度T1が目標範囲から外れていると判断すると、制御部60は、第1の供給量調節手段である第1の流量調節弁33bに制御信号を送信する。制御信号を受信した第1の流量調節弁33bは、制御信号に基づいて弁の開度を調節し、供給炭化火格子3Aの炭化火格子間の隙間及び/又は炭化火格子に形成した送風孔からの空気の供給量を変更する。このようにして、シャフト部2の上部における炉頂ガスの温度T1を目標範囲内に制御することができる。炉頂ガスの温度T1を目標範囲内に制御することによって、廃棄物の処理量や性状が変動しても、廃棄物の乾燥を安定して行うことができる。
第2の温度検知部である第2の温度センサ35は、連通部5の上部に設けられ、燃焼ガスの温度T2を測定する。第2の温度センサ35で検知された温度データは、制御部60に入力される。制御部60には、温度T2の目標範囲となる温度データが記憶されている。制御部60は、第2の温度センサ35で検知された温度T2と、制御部60に記憶されている温度T2の目標範囲とを照合し、温度T2が目標範囲内にあるか否かを判断する。
温度T2の目標範囲は、例えば650〜800℃である。温度T2が650℃を下回ると、乾留効率が低下する傾向にある。一方、温度T2が800℃を超えると、乾留炭化火格子3B上での炭化物の灰化が進行して固定炭素が減少する傾向にあり、また、温度上昇による設備損傷が生じることが懸念される。なお、温度T2の目標範囲は、廃棄物の種類や廃棄物ガス化溶融炉10の運転状況に応じて変更してもよい。
制御部60において、第2の温度検知部で測定された温度T2が目標範囲から外れていると判断すると、制御部60は、第2の供給量調節手段である第2の流量調節弁34bに制御信号を送信する。制御信号を受信した第2の流量調節弁34bは、制御信号に基づいて弁の開度を調節し、乾留炭化火格子3Bの炭化火格子間の隙間及び/又は炭化火格子に形成した送風孔からの空気の供給量を変更する。このようにして、連通部5の上部における燃焼ガスの温度T2を目標範囲内に制御することができる。燃焼ガスの温度T2を目標範囲内に制御することによって、廃棄物の処理量や性状が変動しても、廃棄物の乾留を安定して行うことができる。
供給量測定部55は、溶融炉部4の上方に設けられた副資材装入口41からの炭素系固形燃料の供給量を測定する。供給量測定部55で測定された供給量データは、制御部60に入力される。制御部60には、炭素系固形燃料に含まれる固定炭素の含有率に関するデータが記憶されている。制御部60は、この固定炭素の含有率に関するデータと炭素系固形燃料の供給量とから、固定炭素を燃焼させるために必要な酸素の理論量(理論燃焼酸素量M1)を算出する。
酸素濃度測定部である酸素濃度分析計48は、羽口42から溶融炉部4に供給される空気と酸素発生器43からの酸素との混合ガス(酸素富化空気)の酸素濃度を測定する。流量測定部である流量計49は、酸素富化空気の流量を測定する。酸素濃度分析計48で測定された酸素濃度データ及び流量計49で測定された酸素富化空気の流量データは、制御部60に入力される。制御部60は、酸素濃度データと流量データから、羽口42から供給される酸素富化空気の総酸素量M2を算出する。なお、酸素濃度分析計48を設けることは必須ではなく、制御部60において、空気と酸素の混合比率から、酸素富化空気における酸素濃度を計算によって求めてもよい。
制御部60には、溶融炉燃料比(M1/M2)の目標範囲となるデータが記憶されている。制御部60は、溶融炉燃料比の値が目標範囲内にあるか否かを判断する。溶融炉燃料比の目標範囲は、0.3〜1.2である。M1/M2が0.3を下回ると、炭素系固形燃料に含まれる固定炭素の理論燃焼酸素量に対して、羽口42からの総酸素量が過剰となり、溶融炉部4から連通部5に酸素がリークし、リークした酸素と連通部5内に存在する一酸化炭素とが反応して異常燃焼が発生する場合がある。更に、炉の内壁に酸化溶融クリンカが形成される場合がある。溶融炉燃料比が1.2を超えると、M1に対してM2が過少となり、溶融炉部4において炭素系固形燃料を十分に燃焼することが困難になる傾向にある。また、炉底において炭素系固形燃料を十分に燃焼できない場合がある。
制御部60において、溶融炉燃料比が目標範囲から外れていると判断すると、制御部60は、第3の供給量調節手段47を構成する第3の流量調節弁47aに制御信号を送信する。制御信号を受信した第3の流量調節弁47aは、制御信号に基づいて弁の開度を調節し、羽口42からの酸素富化空気の供給量を変更する。このようにして、溶融炉燃料比の比率を目標範囲内に制御し、廃棄物の処理量や性状が変動しても溶融炉部4において安定溶融を行うことができる。なお、羽口42からの総酸素量の調整は、第3の流量調節弁47aの開度を変更することにかえて、酸素富化空気の酸素濃度を変えることによって行ってもよい。例えば、第3の供給量調節手段47を構成する第4の流量調節弁47bの開度を変えて、空気に対する酸素の混合比を変更すれば、酸素富化空気の供給量を変えずに、総酸素量M2を調節することができる。
炭素系固形燃料は、副資材装入口41の上流側に設けられるホッパー(図示しない)に貯留される。ホッパーから一定量で切り出された炭素系固形燃料は、コンベアで搬送され、二重シール構造を有する副資材装入口41から溶融炉部4に供給される。炭素系固形燃料の供給量は、例えばホッパーに設けられたロードセルで測定された重量から算出される重量減少量から求めることができる。溶融炉燃料比の調整は、炭素系固形燃料の供給量を変えることによって行ってもよい。この場合、制御部60は、第3の供給量調節手段47に制御信号を送信する。制御信号を受信した第3の供給量調節手段47は、例えば、振動フィーダ(図示しない)で構成されており、これによって、炭素系固形燃料の供給量を変更することができる。このようにして、M1/M2の比率を目標範囲内に制御し、廃棄物の処理量や性状が変動しても溶融炉部4において安定溶融を行うことができる。
このように、第1の供給量調節手段、第2の供給量調節手段及び第3の供給量調節手段による制御を併せて行うことによって、シャフト部2における乾燥、溶融炉部4における溶融及び連通部5における炭化を安定して行うことが可能となる。このため、廃棄物の処理量や性状が変動しても、安定運転を継続することができる。制御部60は、第1の供給量調節手段33b、第2の供給量調節手段34b及び第3の供給量調節手段47による制御をそれぞれ独立して行っていることから、それぞれの調節手段に対応する制御部を個別に設けてもよい。制御部60は、廃棄物ガス化溶融炉10全体の制御処理を行うものであってもよく、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び入出力インターフェイスなどを備えていてもよい。
廃棄物装入口21から装入される廃棄物の量や性状が変化すると、従来は運転員による煩雑な運転調整が必要であったが、本実施形態の廃棄物ガス化溶融炉10によれば、制御部60で第1の供給量調節手段33b、第2の供給量調節手段34b及び第3の供給量調節手段47を用いた調節を行うことによって、温度T1、温度T2及び溶融炉燃料比(M1/M2)を目標範囲に維持することができる。これによって、廃棄物ガス化溶融炉10の自動運転を行うことも可能となる。
<廃棄物ガス化溶融炉の運転方法>
次に、上記廃棄物ガス化溶融炉10の運転方法を説明する。処理すべき廃棄物を廃棄物装入口21からシャフト部2に装入する。廃棄物の種類は、特に限定されることはなく、一般廃棄物及び産業廃棄物のいずれであってもよい。シュレッダーダスト(ASR)、掘り起こしごみ、焼却灰などの単体又は混合物、あるいはこれらと可燃性ごみの混合物なども処理することが可能である。廃棄物によってシャフト部2内に廃棄物充填層100が形成される。廃棄物装入口21から乾留された廃棄物やチャーを廃棄物と共に投入してもよい。
シャフト部2内においては、炭化火格子部3及び溶融炉部4から吹き込まれた空気や炉内で発生したガスが廃棄物充填層100を通過するときの熱交換によって、廃棄物の乾燥及び熱分解が進行する。廃棄物の乾燥及び熱分解には廃棄物自身が発する熱も利用される。廃棄物は、シャフト部2内を徐々に降下し、供給炭化火格子3A上に到達し、供給炭化火格子3Aで更に熱分解され、その後、乾留炭化火格子3Bへと送られる。廃棄物は、乾留炭化火格子3Bで更に熱分解されて炭化が進行し、上部側開口部46から落下して溶融炉部4に供給される。
炭化された廃棄物によって溶融炉部4内に充填層101が形成される。溶融炉部4内には副資材装入口41からコークス(炭素系固形燃料)を装入する。また、羽口42から酸素富化空気を吹き込むことによってコークス及び廃棄物の固定炭素を燃焼させる。これにより炉底に高温のコークスベット102が形成され、その熱で廃棄物に含まれる灰分や不燃成分を溶融する。一方、炉内ガス排出口22から排出された高温ガスは、ボイラー等の装置で廃熱を回収した後、無害化処理をして放出する。
送風装置36から、炭化火格子部3を通じて炉内に吹き込む空気の送風量は、操業時に炉内に吹き込まれる全酸素量の60%以上の酸素割合となるように調節することが好ましい(酸素供給条件1)。一方、溶融炉部4に供給される酸素割合は、全酸素量の40%未満となるように羽口42の送風量及び/又は酸素富化空気の酸素濃度を調節することが好ましい。
上記酸素供給条件1を満たすように廃棄物ガス化溶融炉10を運転することで、シャフト部2及び炭化火格子部3において廃棄物自身の燃焼熱を利用して廃棄物の乾燥及び熱分解を促進できる。より好ましくは、シャフト部2内における乾燥及び熱分解を経てた後、炭化火格子部3で更に炭化された後の廃棄物に含まれる水分が10%以下であり且つ残存する固定炭素が3%以上となるように、炭化火格子部3から炉内に吹き込む空気量を調節することが好ましい(酸素供給条件2)。例えば水分が45%以上であり且つ固定炭素が10%以上である一般廃棄物を、水分が10%以下であり且つ残存する固定炭素が3%以上となるように廃棄物を乾燥、熱分解及び炭化するのに好適な空気量は、理論空気量に対する空気比が0.2〜0.3である。ただし、廃棄物の種類によって水分や灰分の含有量が異なる場合があるので、空気比としては0.1〜0.4の範囲内で調節すればよい。
羽口42から酸素富化空気の送風量を調節したり、酸素富化空気の酸素濃度を調整したりすることによって、炭化火格子部3の酸素供給条件1,2を満足することが好ましい。溶融炉部4に供給される廃棄物は十分に乾燥していることが望ましい反面、乾燥及び熱分解が進行し過ぎると固定炭素がガス化してしまい、溶融に利用する廃棄物自身の燃焼熱が減ってしまう。水分量及び残存固定炭素量を良好にバランスさせ、両方の値が良好な範囲となる運転条件を試験的に見出すことで、炉内を適正な状態に保ち、これにより炉底での燃焼負荷を低減することで、炭素系固形燃料の使用量及びこれに要するコストを削減できる。
適度に炭化が進行した廃棄物を溶融炉部4に供給するには、供給炭化火格子3A及び乾留炭化火格子3Bの炭化火格子燃焼率が300kg/(m・h)〜500kg/(m・h)の範囲内であることが好ましい。ここでいう炭化火格子燃焼率は、単位時間及び単位面積あたりの廃棄物の処理量を意味する。上記事項を換言すれば、炭化火格子燃焼率が上記範囲内となるように、供給炭化火格子3A及び乾留炭化火格子3Bの面積を設定することが好ましい。廃棄物の乾燥及び熱分解状態に応じて可動炭化火格子の駆動速度、各炭化火格子3A,3Bからの送風量及び送風温度等を制御し、炉の操業時における炭化火格子燃焼率を調整してもよい。
炭化火格子燃焼率が500kg/(m・h)を超えると、炭化後の廃棄物の水分が10%を超えてしまい、溶融炉部4において水分を蒸発させるために余分な燃焼負荷が発生しやすい。一方、炭化火格子燃焼率が300kg/(m・h)を下回ると、水分を殆ど蒸発させることができる反面、燃焼が進行することによって廃棄物の固定炭素がガス化し、溶融炉部4の炉底において燃焼熱の発生が不十分となりやすい。炭化火格子燃焼率を300kg/(m・h)〜500kg/(m・h)の範囲内にすることで溶融炉部4の燃焼負荷を低減できる。
本実施形態の廃棄物ガス化溶融炉の運転方法は、シャフト部2の上部に設けられた第1の温度センサ25で測定される炉頂ガスの温度T1に基づいて、第1空気供給部33からの空気供給量を調節する第1工程と、連通部5の上部に設けられた第2の温度センサ35で測定される燃焼ガスの温度T2に基づいて、第2空気供給部34からの空気供給量を調節する第2工程と、溶融炉燃料比(M1/M2)に基づいて、酸素量及び炭素系固形燃料の供給量の少なくとも一方を調節する第3工程を有する。
第1工程では、炉頂ガスの温度T1は、制御部60により第1空気供給部33からの空気供給量を第1の流量調節弁33bで調節し、350〜500℃に制御することが好ましい。第2工程では、燃焼ガスの温度T2は、制御部60により第2空気供給部34からの空気供給量を第2の流量調節弁34bで調節し、650〜800℃に制御することが好ましい。第3工程では、制御部60により羽口42からの酸素量、及び炭素系固形燃料の供給量の少なくとも一方を調節し、溶融炉燃料比(M1/M2)を0.3〜1.2に制御することが好ましい。酸素の供給量は、第3の流量調節弁47a及び/又は第4の流量調節弁47bで調節することができる。炭素系固形燃料の供給量は、副資材装入口41の上流側に設けられる振動フィーダによって調節することができる。
操業時における溶融炉部4内の廃棄物の充填高さは、羽口42より上方向+0.5m〜炭化火格子部3の最下端部までの範囲内に維持することが好ましい。この範囲内に維持することによって、充填層101の層厚が薄くなることに起因する炉底からの酸素リークを抑制することができる。更に、充填し過ぎに起因する炭化火格子部3の熱分解効率低下や溶融炉部4内で廃棄物の降下が不安定になることを抑制できる。
溶融炉部4内の廃棄物の充填高さの制御は、炭化火格子部3が溶融炉部4に廃棄物を供給する速度を調節することによって行うことができる。例えば、溶融炉部4に充填層101の高さを検知するためのセンサー(不図示)を配置し、センサが検知する充填層101の高さに基づいて炭化火格子部3の供給速度を制御してもよい。あるいは、例えばオペレーターが充填高さを監視し、監視結果に基づいて供給速度を制御してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、形式や細部についての種々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。従って、本発明の範囲は、前述の実施形態及び添付図面に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
2…シャフト部、3…炭化火格子部、3A…供給炭化火格子、3B…乾留炭化火格子、4…溶融炉部、5…連通部、10…廃棄物ガス化溶融炉、21…廃棄物装入口、22…炉内ガス排出口、23…底部側開口部、25…第1の温度センサ、35…第2の温度センサ、31…駆動装置(供給装置)、32a,32b…回収室、33…第1空気供給部、34…第2空気供給部、33a,34a…送風管、33b…第1の流量調節弁(第1の供給量調節手段)、34…第2空気供給部、34b…第2の流量調節弁(第2の供給量調節手段)、36…送風装置、41…副資材装入口、42…羽口、43…酸素発生器、44…出湯口、45…逆円錐台部、46…上部側開口部、47…供給量調節手段、47a…第3の流量調節弁、47b…第4の流量調節弁、48…酸素濃度分析計、49…流量計、55…供給量測定部、60…制御部、100…廃棄物充填層、101…充填層、102…コークスベット。

Claims (4)

  1. 上部側に廃棄物装入口及び炉内ガス排出口、底部側に廃棄物が排出される開口部を有し、内部に充填された廃棄物を乾燥及び熱分解させるシャフト部と、
    前記シャフト部と炉芯をずらして配置され、上部側に熱分解された廃棄物及び炭素系固形燃料が供給される開口部と炉底側に燃焼用の酸素富化空気を吹き込む羽口とを有する溶融炉部と、
    前記シャフト部の底部側開口部と前記溶融炉部の上部側開口部とを連結する連通部と、を備える廃棄物ガス化溶融炉であって、
    前記連通部は、前記シャフト部に充填された廃棄物の荷重を受ける位置に配置された炭化火格子部と、廃棄物の乾燥及び熱分解用の空気を前記炭化火格子部から前記シャフト部内及び前記連通部内に送風する送風装置と、前記炭化火格子部上にある熱分解された廃棄物を前記溶融炉部の上部側開口部に供給する供給装置と、を備え、
    前記炭化火格子部は、上段側に配置される供給炭化火格子と、下段側に配置される乾留炭化火格子と、を有し、
    前記送風装置は、前記供給炭化火格子の上の廃棄物に向けて前記空気を供給する第1空気供給部と、前記乾留炭化火格子の上の廃棄物に向けて前記空気を供給する第2空気供給部と、を有しており、
    前記シャフト部の上部における炉頂ガスの温度T1、前記連通部における燃焼ガスの温度T2、及び前記羽口からの酸素量M2に対する、前記炭素系固形燃料に含まれる固定炭素の理論燃焼酸素量M1の比(M1/M2)を、所定の範囲に制御する制御部と、
    前記温度T1に基づいて、前記第1空気供給部からの空気供給量を調節する第1の供給量調節手段と、
    前記温度T2に基づいて、前記第2空気供給部からの空気供給量を調節する第2の供給量調節手段と、
    前記比(M1/M2)に基づいて、前記酸素量M2及び/又は前記炭素系固形燃料の供給量を調節する第3の供給量調節手段と、を有する、廃棄物ガス化溶融炉。
  2. 前記制御部は、前記温度T1を350〜500℃、前記温度T2を650〜800℃、及び前記比(M1/M2)を0.3〜1.2に制御する、請求項1に記載の廃棄物ガス化溶融炉。
  3. 上部側に廃棄物装入口及び炉内ガス排出口、底部側に廃棄物が排出される開口部を有し、内部に充填された廃棄物を乾燥及び熱分解させるシャフト部と、
    前記シャフト部と炉芯をずらして配置され、上部側に熱分解された廃棄物及び炭素系固形燃料が供給される開口部と炉底側に燃焼用の酸素富化空気を吹き込む羽口とを有する溶融炉部と、
    前記シャフト部の底部側開口部と前記溶融炉部の上部側開口部とを連結する連通部と、を備える廃棄物ガス化溶融炉の運転方法であって、
    前記連通部は、前記シャフト部に充填された廃棄物の荷重を受ける位置に配置された炭化火格子部と、廃棄物の乾燥及び熱分解用の空気を前記炭化火格子部から前記シャフト部及び前記連通部内に送風する送風装置と、前記炭化火格子部上にある熱分解された廃棄物を前記溶融炉部の上部側開口部に供給する供給装置と、を備え、
    前記炭化火格子部は、上段側に配置される供給炭化火格子と、下段側に配置される乾留炭化火格子と、を有し、
    前記送風装置は、前記供給炭化火格子の上の廃棄物に向けて前記空気を供給する第1空気供給部と、前記乾留炭化火格子の上の廃棄物に向けて前記空気を供給する第2空気供給部と、を有しており、
    前記シャフト部の上部における炉頂ガスの温度T1に基づいて、前記第1空気供給部からの空気供給量を調節し、前記温度T1を所定の範囲に制御する第1工程と、
    前記連通部における燃焼ガスの温度T2に基づいて、前記第2空気供給部からの空気供給量を調節し、前記温度T2を所定の範囲に制御する第2工程と、
    前記羽口からの酸素量M2に対する、前記炭素系固形燃料に含まれる固定炭素の理論燃焼酸素量M1の比(M1/M2)に基づいて、前記酸素量及び/又は前記炭素系固形燃料の供給量を調節し、前記比(M1/M2)を所定の範囲に制御する第3工程と、を有する、廃棄物ガス化溶融炉の運転方法。
  4. 前記第1工程では、前記温度T1を350〜500℃に制御し、
    前記第2工程では、前記温度T2を650〜800℃に制御し、
    前記第3工程では、前記比(M1/M2)を0.3〜1.2に制御する、請求項3に記載の廃棄物ガス化溶融炉の運転方法。
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