JP2014001915A - 廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法および廃棄物ガス化溶融炉 - Google Patents

廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法および廃棄物ガス化溶融炉 Download PDF

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佳之 ▲桑▼野
Yoshiyuki Kuwano
Koichi Kawabe
幸一 川部
Junichi Takada
純一 高田
Masaharu Hirakura
将治 平倉
Yasuyoshi Fujinaga
泰佳 藤永
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Abstract

【課題】溶融炉部に供給される炭化物の炭化状態のバラつきを抑制し、コークスの使用量を抑える廃棄物ガス化溶融炉の制御方法を提供する。
【解決手段】シャフト部2と、炭化火格子部4と、溶融炉部6と、処理対象物を炭化火格子部から溶融炉部に供給する供給装置と、送風部45a、45bと、を備え、溶融炉部における処理対象物の充填レベルが設定された設定レベルに維持されるように、供給装置の供給動作を制御し、シャフト部内の処理対象物の充填レベルを検出し、シャフト部における処理対象物の充填レベルの単位時間あたりの変化量である第1の変化速度を算出し、少なくとも第1の変化速度に基づいて設定される送風量で、送風部に空気を送風させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、炉上部から装入した廃棄物を乾燥及び熱分解させ、更に熱分解残渣を溶融させて炉底部から溶融物を回収する廃棄物ガス化溶融炉の制御方法に関する。
一般廃棄物や産業廃棄物などの廃棄物を廃棄物ガス化溶融炉内に、コークスなどの塊状炭素系可燃物質や石灰石とともに装入し、炉体に設けられている羽口から空気又は酸素富化空気を吹き込み、廃棄物を乾燥、熱分解、燃焼、溶融することにより廃棄物を処理することが行われている。
廃棄物を溶融処理するための炉として、廃棄物が装入され、装入された廃棄物を乾燥するシャフト部と、シャフト部の下方において廃棄物を熱分解する炭化火格子部と、コークス等を燃料として、廃棄物が熱分解されて生成される残渣を溶融させる溶融炉部とを備える廃棄物ガス化溶融炉がある(例えば、特許文献1参照)。炭化火格子部は、階段状の多数の炭化火格子で構成されており、溶融炉部の方向に往復運動する可動炭化火格子によって、廃棄物は熱分解されながら溶融炉部の方向に徐々に搬送される。そして、熱分解によって生成した残渣は、最終的に、炭化火格子部に続く溶融炉部内に供給され、溶融炉部において溶融される。
この廃棄物ガス化溶融炉では、熱分解残渣の溶融炉部への供給速度や炉内への空気の送風量を制御して、溶融炉部に充填される熱分解残渣の高さを所定レベルに保つことが行われている(例えば、特許文献2参照)。これにより溶融炉部での安定した溶融処理が可能となる。
特開2010−43840号公報 特開2010−255890号公報
廃棄物ガス化溶融炉の溶融炉部において、熱分解残渣の高さを所定のレベルに保つことで、溶融炉部での安定した溶融処理が可能となる。しかし、溶融炉部でのレベルを一定に保つように熱分解残渣の供給速度を制御すると、炭化火格子部において炭化処理される時間も変わるため、廃棄物が十分に炭化されないまま溶融炉部に供給されたり、逆に過剰に炭化されて溶融炉部に供給されたりする。このように炭化が不十分であったり、炭化が過剰であると、最適な炭化状態の炭化物が溶融炉部に供給される場合に比べて、溶融炉部において燃料として用いられるコークスをより多く必要としてしまうという問題がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、シャフト部と炭化火格子部と溶融炉部とを備える廃棄物ガス化溶融炉において、溶融炉部に供給される炭化物の炭化状態のバラつきを抑制し、コークスの使用量を抑える廃棄物ガス化溶融炉の制御方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)上方に処理対象物の廃棄物が装入される装入口を有するシャフト部と、前記シャフト部の下方に接続され、前記シャフト部に装入された処理対象物を熱分解する複数の炭化火格子が底部に配列された炭化火格子部と、炉底の上方において前記炭化火格子部と接続され、前記炭化火格子部から供給される処理対象物を溶融させる溶融炉部と、処理対象物を前記炭化火格子部から前記溶融炉部に供給する供給装置と、前記炭化火格子部を介して処理対象物に空気を送風する送風部と、を備える廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法であって、前記溶融炉部における処理対象物の充填レベルが設定された設定レベルに維持されるように、前記供給装置の供給動作を制御し、前記シャフト部内の処理対象物の充填レベルを検出し、前記シャフト部における処理対象物の充填レベルの単位時間あたりの変化量である第1の変化速度を算出し、少なくとも前記第1の変化速度に基づいて設定される送風量で、前記送風部に空気を送風させることを特徴とする廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法。
(2)上記(1)の構成において、設定される前記送風量は、下記式(1)によって求められるものとすることができる。
送風量q0[mN/h]=ΔL1×S1×B1×F×AR:式(1)
ただし、
ΔL1:前記第1の変化速度[m/h]
S1:前記シャフト部の水平断面での断面積[m
B1:前記シャフト部内の処理対象物の嵩比重[kg/m
F:理論空気量[mN/kg]
AR:空気比(炭化火格子部を介して処理対象物に送風される空気量と理論空気量との比)
である。(2)の構成によれば、シャフト部の充填レベルに基づいた適切な送風量が設定される。
(3)上記(1)の構成において、前記廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法において、前記溶融炉部内の処理対象物の充填レベルを検出し、前記溶融炉部内の処理対象物の充填レベルが上昇している場合に、前記溶融炉部における処理対象物の充填レベルの単位時間あたりの変化量である第2の変化速度を算出し、前記第1の変化速度と前記第2の変化速度に基づいて設定される送風量で、前記送風部に空気を送風させることができる。(3)の構成によれば、溶融炉部の充填レベルにも基づいて送風量が決定されるため、より確実に溶融炉部に供給される炭化物の性状のバラつきを抑制することができる。
(4)上記(3)の構成において、設定される前記送風量は、下記式(2)によって求められるものとすることができる。
送風量q0’[mN/h]=ΔL1×S1×B1×F×AR+ΔL2×S2×B2×F×AR×a:式(2)
ただし、
ΔL1:前記第1の変化速度[m/h]
S1:前記シャフト部の水平断面での断面積[m
B1:前記シャフト部内の処理対象物の嵩比重[kg/m
F:理論空気量[mN/kg]
AR:空気比(炭化火格子部を介して処理対象物に送風される空気量と理論空気量との比)
ΔL2:前記第2の変化速度[m/h]
S2:前記溶融炉部の水平断面での断面積[m
B2:前記溶融炉部内の処理対象物の嵩比重[kg/m
a:補正係数
である。(4)の構成によれば、シャフト部と溶融炉部の充填レベルに基づいた適切な送風量が設定される。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの構成において、前記炭化火格子部は、前記シャフト部の下方の第1の炭化火格子部と、前記第1の炭化火格子部より前記溶融炉部側に配置される第2の炭化火格子部とを有し、設定される前記送風量を、前記第1の炭化火格子部から供給させるの空気の送風量と前記第2の炭化火格子部から供給させる空気の送風量に所定の比率で分配し、分配された送風量で前記第1の炭化火格子部および前記第2の炭化火格子部からそれぞれ空気を供給させることができる。(5)の構成によれば、炭化火格子部が2つの部分から構成される場合において、それぞれの炭化火格子部から適切な送風量で送風を行うことができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの構成において、前記供給装置が、往復運動する可動炭化火格子であってもよい。
(7)上方に処理対象物の廃棄物が装入される装入口を有するシャフト部と、前記シャフト部の下方に接続され、前記シャフト部に装入された処理対象物を熱分解する複数の炭化火格子が底部に配列された炭化火格子部と、炉底の上方において前記炭化火格子部と接続され、前記炭化火格子部から供給される処理対象物を溶融させる溶融炉部と、処理対象物を前記炭化火格子部から前記溶融炉部に供給する供給装置と、前記炭化火格子部を介して処理対象物に空気を送風する送風部と、前記溶融炉部における処理対象物の充填レベルが設定された設定レベルに維持されるように、前記供給装置の供給動作を制御する供給装置制御部と、前記シャフト部内の処理対象物の充填レベルを検出し、前記シャフト部における処理対象物の充填レベルの単位時間あたりの変化量である第1の変化速度を算出し、少なくとも前記第1の変化速度に基づいて設定される送風量で、前記送風部に空気を送風させる送風制御部と、を備えることを特徴とする廃棄物ガス化溶融炉。(7)の構成によれば、シャフト部と炭化火格子部と溶融炉部とを備える廃棄物ガス化溶融炉であって、溶融炉部に供給される炭化物の炭化状態のバラつきを抑制し、コークスの使用量を抑える廃棄物ガス化溶融炉を提供することができる。
シャフト部と炭化火格子部と溶融炉部とを備える廃棄物ガス化溶融炉において、溶融炉部に供給される炭化物の炭化状態のバラつきを抑制し、コークスの使用量を抑える廃棄物ガス化溶融炉の制御方法を提供することができる。
廃棄物ガス化溶融炉の構成を示す断面図である。 図1に示す廃棄物ガス化溶融炉のA−A’位置における断面図である。 炭化火格子部の斜視図である。 溶融炉部の充填レベルが一定に制御された場合のレベル変化を示すグラフである。 送風制御部によって実現される、廃棄物ガス化溶融炉における送風制御に関する機能ブロック図である。 シャフト部レベル計によって測定されるレベルの変化の例を表すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる廃棄物ガス化溶融炉1の構成を示す断面図である。図2は、本実施形態の廃棄物ガス化溶融炉1の、図1におけるA−A’位置での断面図である。
本実施形態の廃棄物ガス化溶融炉1は、シャフト部2と、炭化火格子部4と、溶融炉部6と、供給装置制御部である炭化火格子制御部30と、送風制御部50を備える。本実施形態の廃棄物ガス化溶融炉1は、廃棄物が装入されるシャフト部2と最終的に溶融処理を行う溶融炉部6の位置をずらし、シャフト部2に装入された廃棄物は炭化火格子部4を経て溶融炉部6に導入される構造となっている。
まずシャフト部2は、シャフト部2内に装入された廃棄物を還元雰囲気下で乾燥する。シャフト部2は、上下方向(Z軸方向)に延びる竪型筒状の形状であり、上端に廃棄物を装入する廃棄物装入口21が形成される。また、シャフト部2の上部には、廃棄物が熱分解して発生するガスや廃棄物ガス化溶融炉1内に吹き込まれたガスを排出する排気口22が形成される。シャフト部2の下方は、下面の炭化火格子部4に接続されている。シャフト部2の内径や高さは廃棄物ガス化溶融炉1において必要とされる処理能力などに応じて適宜設定できる。また、シャフト部2の横断面形状(水平面での断面)は、円形状でも矩形状でもよい。
シャフト部2の上部には、シャフト部2内の廃棄物の充填レベルであるレベルL1を測定するシャフト部レベル計LT1が配置される。シャフト部レベル計LT1としては、廃棄物のレベルを連続的に測定することができればどのようなレベル計が用いられてもよいが、超音波式のレベル計や、マイクロ波などの電波を利用した電波式のレベル計などを用いることができる。
次に、炭化火格子部4は、シャフト部2において乾燥された(あるいはさらに熱分解された)廃棄物を熱分解して、熱分解残渣を生成しながら、溶融炉部6に搬送する。炭化火格子部4においては、各炭化火格子の隙間から空気が供給される。そして、炉内が還元雰囲気となるように空気の供給量(送風量)が調節されることで、炭化火格子部4において、燃焼の進行によって起こる灰分の生成が抑制された状態で廃棄物が熱分解される。さらに、本実施形態では炭化火格子部4から供給され溶融炉部6に充填される炭化物の性状にバラつきが生じないように、空気の供給量が調節される。なお、空気の供給は、空気比が0.2〜0.3の範囲となるように供給されることが好ましい。
炭化火格子部4は、第1の炭化火格子部である供給炭化火格子部4aと、第2の炭化火格子部である乾留炭化火格子部4bと、駆動装置43a、43bと、回収室44a、44bと、送風管45a、45b、などを備える。
まず、炭化火格子部4を構成する各炭化火格子の構造を説明する。なお、炭化火格子の構造は、上流側の供給炭化火格子部4aと下流側の乾留炭化火格子部4bとで共通でよい。図3は、炭化火格子部4の斜視図を示す。図3に示すように、炭化火格子部4は複数の炭化火格子が階段状に配置されたものであり、可動炭化火格子41と固定炭化火格子42とが交互に配置されている。また、通常は図3に示すように、1段に複数列(図3では一例として4列)の炭化火格子が配列される。
可動炭化火格子41は、水平方向(X軸方向)に往復運動する。具体的には、可動炭化火格子41は、図1に示すように、駆動装置43a、43bによって前後方向に一定のピッチで往復運動するように駆動される。駆動装置43a、43bは、例えば、流体圧シリンダを用いればよい。可動炭化火格子41が前後に往復運動することにより、可動炭化火格子41上の廃棄物(あるいは熱分解残渣)を1段下の固定炭化火格子42に落下させ、落下した廃棄物は可動炭化火格子41の側面によって押し出されて、さらに1段下の可動炭化火格子41上に落下する。このような可動炭化火格子41の往復運動により、廃棄物が攪拌されながら、徐々にシャフト部2側から溶融炉部6側に搬送される。
可動炭化火格子41および固定炭化火格子42の各炭化火格子間の隙間からは、廃棄物を乾燥させ、熱分解させるための空気が炉内に吹き込まれる。空気の吹込は炭化火格子間の隙間に限られず、可動炭化火格子41および/または固定炭化火格子42に空気を吹き込むための送風孔を設けて、当該送風孔から空気を炉内に吹き込む構造でもよい。空気は、後述する空気の送風管45a、45bから、回収室44a、44bを介して供給される。また、可動炭化火格子41は、往復運動するプッシャーなどを用いてもよい。
そして、このような可動炭化火格子41と固定炭化火格子42で構成される炭化火格子部4は、廃棄物・熱分解残渣の移動方向上流側に供給炭化火格子部4aを備え、その下流側に乾留炭化火格子部4bを備える。
供給炭化火格子部4aは、シャフト部2の下方に位置し、シャフト部2に装入された廃棄物の荷重を受ける。そして供給炭化火格子部4aは、シャフト部2で乾燥・熱分解された廃棄物をさらに熱分解させながら乾留炭化火格子部4b側に押し出して移動させる。供給炭化火格子部4aの幅(図1においてY軸方向における幅)は、シャフト部2の内径と同じであることが好ましい。シャフト部2から炭化火格子部4に切り替わる箇所において供給炭化火格子部4aの幅とシャフト部2の内径が同じであることで、廃棄物の荷下がり(廃棄物の降下)を安定化させることができる。その結果、シャフト部2から炭化火格子部4に切り替わる箇所やシャフト部2内において、廃棄物が棚吊り状態(廃棄物の降下が止まってしまう現象)になるなど荷下がり障害が発生することを抑制することができる。
乾留炭化火格子部4bは、供給炭化火格子部4aによって供給される熱分解された廃棄物を更に熱分解(乾留)させて、最終的に、炭化物と不燃性成分(スラグやメタル)からなる熱分解残渣を生成する。そして、乾留炭化火格子部4bは、熱分解残渣を溶融炉部6に向けて押し出して溶融炉部6内に充填する。乾留炭化火格子部4bの幅(図1のY軸方向)は、溶融炉部6との接続部において溶融炉部6の幅と同じになるように、供給炭化火格子部4a側から溶融炉部6側に進むにつれて狭くなるように形成されていてもよい。これは、廃棄物が乾燥し熱分解が進むと容積が小さくなることによる。廃棄物の容積の減少に合わせて溶融炉部6も設計されるため、通常、溶融炉部6の幅はシャフト部2の内径などに比べて小さく形成される。そのため、乾留炭化火格子部4bを供給炭化火格子部4a側から徐々に幅を狭くして溶融炉部6に接続することで、廃棄物を円滑に溶融炉部6側に供給することもできるし、溶融炉部6を下にいくにしたがって、溶融炉部6の断面積が小さくなるように形成することもできる。
なお、炭化火格子部4は、供給炭化火格子部4aと乾留炭化火格子部4bに分かれているが、供給炭化火格子部4aと乾留炭化火格子部4bとで明確に機能が区別されていたり、処理対象物の状態が急激に変化したりしているわけではなく、廃棄物は供給炭化火格子部4aと乾留炭化火格子部4b上を通過していく過程で徐々に熱分解され炭化されていく。
また、図1では、供給炭化火格子部4aと乾留炭化火格子部4bを、水平方向に各炭化火格子が延びる水平炭化火格子を示しているが、これに限定されることはない。供給炭化火格子部4aと乾留炭化火格子部4bのいずれか一方または両方を、炭化火格子の先端側が上方向に向かって傾斜する傾斜炭化火格子としてもよい。
また、図1においては、供給炭化火格子部4aと乾留炭化火格子部4bの炭化火格子をそれぞれ6段ずつ示しているが、便宜上6段ずつ示しているだけであり、廃棄物ガス化溶融炉1の大きさなどに応じて最適な段数の炭化火格子がそれぞれ配置されればよい。
駆動装置43a、43bは、上述の通り、可動炭化火格子41を往復運動させる。駆動装置43aは、供給炭化火格子部4aの可動炭化火格子41を駆動し、駆動装置43bは、乾留炭化火格子部4bの可動炭化火格子41を駆動する。駆動装置43aと駆動装置43bとは、それぞれ独立して可動炭化火格子41を駆動及び停止させたり、駆動速度(すなわち、廃棄物の供給速度)を制御することができる。この場合、供給炭化火格子部4aと乾留炭化火格子部4bの駆動速度(供給速度)は、相対的に異なるように設定してもよいし、同じ速度に設定してもよい。駆動装置43a、43bは、後述の炭化火格子制御部30に制御される。
回収室44a、44bは、炭化火格子の隙間から落下した微細な廃棄物を回収する。回収室44aは、供給炭化火格子部4aにおいて炭化火格子の隙間から落下した廃棄物を回収する。回収室44bは、乾留炭化火格子部4bにおいて炭化火格子の隙間から落下した廃棄物を回収する。
回収室44a、44bには、それぞれ、送風管45a、45bが接続されている。送風管45a、45bは、不図示の送風機が接続されており、送風機から空気が供給される。また、送風管45a、45bには、流量調節弁46a、46bと、流量計47a、47bが設けられている。送風機から送風管45aに供給された空気は、回収室44aを通って供給炭化火格子部4aの炭化火格子間の隙間から吹き出す。また、送風管45bに供給された空気は、回収室44bを通って乾留炭化火格子部4bの炭化火格子間の隙間から吹き出す。この際、炉内状況などに応じて、流量調節弁46a、46bを調節して、供給炭化火格子部4aへの空気の送風量と、乾留炭化火格子部4bへの空気の送風量と、を調節する。本実施形態では、さらに、炭化火格子部4から供給され溶融炉部6に充填される炭化物の炭化状態などの性状にバラつきが生じないように、空気の送風量が調節される。流量の調節は、第1流量制御部FC1と、第2流量制御部FC2がそれぞれ、流量調節弁46a、46bを調節することにより行う。具体的には、後述の送風制御部50から指示される供給炭化火格子部4aから送風させる送風量と還流炭化火格子部4bから送風させる送風量でそれぞれ送風が行われるように、第1流量制御部FC1と第2流量制御部FC2が、流量調節弁46a、46bの弁開度をそれぞれ調節する。送風量の調節は、それぞれの流量計47a、47bで測定される送風量が設定された送風量となるように、第1流量制御部FC1と第2流量制御部FC2がそれぞれ流量調節弁46a、46bを調節することにより行う。なお、送風量の調節は、流量調節弁に限られず、例えば送風機の制御によって送風量が調節されてもよい。
次に、溶融炉部6は、炭化火格子部4において廃棄物が熱分解(炭化)されて生成された熱分解残渣をさらに燃焼・溶融する。溶融炉部6は、上下方向(Z軸方向)に延びる竪型で筒状の形状であり、側面の上方に炭化火格子部4が接続されている。また、本実施形態の溶融炉部6は、平面視において、矩形形状である。
図2に示すように、溶融炉部6は、炭化火格子部4との接続位置から炉底側に進むにつれて、幅(図2においてY軸方向の幅)が狭くなる絞り部60が形成されている。これは、処理対象物である熱分解残渣は溶融炉部6における溶融処理が進むと、徐々に容積が小さくなるためである。図2に示す、絞り部60の水平方向に対する傾斜角度θは75度より大きく設定されることが好ましい。傾斜角度θが75度より大きければ、溶融炉部6内の熱分解残渣はスムーズに降下し、棚吊り現象の発生が抑制される。一方、傾斜角度θが75度以下、特に70度以下の場合には、熱分解残渣と絞り部60の内面との摩擦によって熱分解残渣の荷下がりが停滞し、棚吊り現象が発生する場合がある。熱分解残渣の降下が停滞すると熱溶融処理が円滑に進まない。
なお、本実施形態では、溶融炉部6を水平面における断面形状が矩形形状であるとして説明したが、これに限られず、シャフト部2と同様に円筒形状でもよい。また、溶融炉部6が円筒形状である場合には、上述の絞り部は、下方にいくにしたがって溶融炉部6の内径が小さくなる、逆円錐形状(いわゆる、朝顔(bosh)状)に形成されればよい。
溶融炉部6の天井部には、溶融炉部6における燃料などの副資材を溶融炉部6内に装入するための副資材装入口66が形成されている。副資材は、例えば、コークスやバイオマスの炭化物などの炭素系固形燃料であるが、これ以外の炭素系可燃性物質でもよい。また、副資材としては、燃料の他に、塩基度調整剤としての石灰石等も含んでよい。
なお、これらの副資材は、廃棄物とともに廃棄物装入口21からシャフト部2に装入してもよい。さらに、副資材装入口66は、溶融炉部6の天井部に配置するだけに限られず、ガイド部10の位置よりも上流側の乾留炭化火格子部4bの上方に配置してもよい。乾留炭化火格子部4b上に副資材を投入した場合、可動炭化火格子41によって副資材と熱分解残渣とが攪拌されて両者が適度に混合されるため、溶融炉部6において安定して溶融処理できる。
また、溶融炉部6の天井部には、溶融炉部6の充填レベルであるレベルL2を測定する溶融炉部レベル計LT2が配置されている。溶融炉部レベル計LT2としては、シャフト部レベル計LT1と同様に、溶融炉部6のレベルを連続的に測定することができればどのようなレベル計でもよく、超音波式のレベル計や、マイクロ波などの電波を利用した電波式のレベル計などが用いられる。
溶融炉部6の炉下部には、羽口63が周方向に複数配置される。羽口63は、炭化火格子部4から供給された熱分解残渣や、副資材装入口66から装入された燃料などを燃焼・溶融させるための酸素富化空気を溶融炉部6内に吹き込む。羽口63から炉内に吹き込まれる酸素富化空気は、例えば酸素発生器64からの酸素を混合することで酸素濃度を高めた空気である。
溶融炉部6の炉底には、熱分解残渣が溶融して生成される溶融物(すなわち、スラグ及びメタル)を排出する出湯口65が形成されている。出湯口65は、不図示の開閉機構が設けられており、間欠的に溶融物を排出する。出湯口65から排出された溶融物は、冷却・凝固させ、さらにスラグとメタルに分別される。
炭化火格子制御部30は、溶融炉部6での充填レベルL2が予め設定される設定レベルに維持されるように、可動炭化火格子41の動作を制御することにより炭化火格子部4から溶融炉部6への炭化物の供給速度を調節する。具体的には、炭化火格子制御部30は、溶融炉部レベル計LT2から、溶融炉部6における充填レベルL2を取得する。そして、炭化火格子制御部30は、駆動装置43a、43bを制御して可動炭化火格子41の往復運動の速度をコントロールすることにより、レベルL2が設定レベルで維持されるように、炭化火格子部4から溶融炉部6への炭化物の供給量を調節する。例えば、レベルL2が設定レベルより低ければ、炭化火格子制御部30は、駆動装置43a、43bを制御して可動炭化火格子41の運動の速度を上昇させ、炭化物の供給量を増やす。レベルL2が設定レベルより大きければ、可動炭化火格子41の速度を低下させ、炭化物の供給量を減らす。なお、溶融炉部6における設定レベルは、羽口63より0.5m以上上方であって、乾留炭化火格子部4bの最下段(最も溶融炉部6側の炭化火格子)よりも下方の範囲から選択したレベルに設定されることが好ましい。図4は、炭化火格子制御部30によって溶融炉部6のレベルL2を設定レベルに維持する制御が行われた場合における、レベルL2の変化の一例を示すグラフである。なお、炭化火格子制御部30は、CPU等のプロセッサ等を備えるコンピュータで構成されればよい。
送風制御部50は、シャフト部2におけるレベルL1と溶融炉部6におけるレベルL2とに基づき、流量調節弁46aおよび46bを制御して、炭化火格子部4の炭化火格子間から炉内に供給される空気の供給量をコントロールする。送風制御部50は、CPU等のプロセッサ等を備えるコンピュータで構成されればよく、送風制御プログラムの実行により送風処理が制御されてもよいし、専用の回路で送風処理が制御されてもよい。送風制御方法については後述する。
なお、炭化火格子制御部30と送風制御部50は、本実施形態のように別々の制御装置であってもよいし、1つの制御装置が炭化火格子部の制御と、送風制御を行う構成でもよい。
以上の構成を有する廃棄物ガス化溶融炉1における廃棄物処理の流れを説明する。廃棄物装入口21から装入された廃棄物は、シャフト部2内で廃棄物充填層100を形成する。そして、炭化火格子部4の炭化火格子間から吹き込まれた空気や溶融炉部6の羽口63から吹き込まれた空気や、廃棄物ガス化溶融炉1内で発生したガスが、廃棄物充填層100を通過する際の熱交換によって、廃棄物の乾燥および熱分解が進行する。乾燥および熱分解には、廃棄物自身の発熱による熱も利用される。乾留炭化火格子部4bの可動炭化火格子41の動作によって炭化火格子上にある廃棄物が溶融炉部6側に押し出されていくことで、廃棄物充填層100における廃棄物は乾燥・熱分解されながらシャフト部2内を徐々に降下し、シャフト部2下方の供給炭化火格子部4a上に到達する。廃棄物は供給炭化火格子部4aで更に熱分解されながら、可動炭化火格子41の動作によって攪拌されながら乾留炭化火格子部4b側に移動する。乾留炭化火格子部4bにおいて、廃棄物はさらに熱分解され、熱分解残渣となって、溶融炉部6に供給される。なお、熱分解残渣は、溶融炉部6において安定して溶融処理が行われるようにするために、水分が質量比で10%以下、固定炭素が質量比で3%以上であることが好ましい。溶融炉部6内に落下した熱分解残渣は充填層101を形成する。
溶融炉部6内には、副資材装入口66からコークスなどが装入され、炉底において羽口63から吹き込まれた酸素富化空気によって、コークスおよび廃棄物の炭素を燃焼させる。これにより炉底に高温のコークスベット102が形成され、その熱で熱分解残渣に含まれる灰分や不燃成分を溶融し、溶融物として炉外に排出される。
炭化火格子部4の炭化火格子間から供給された空気や羽口63から供給された空気などを含む高温ガスは廃棄物充填層100を通過してシャフト部2の上部に到達し、廃棄口22から排出される。廃棄口22から排出された高温ガスは、例えば、ボイラー等の装置で廃熱を回収した後、無害化処理をして放出される。
次に、本実施形態の廃棄物ガス化溶融炉1における、送風制御方法を説明する。図5は、廃棄物ガス化溶融炉1における送風制御に関する機能ブロック図である。送風制御部50は機能として、ΔL1演算部52と、送風量演算部54と、ΔL2演算部56と、を備える。これらの機能は、送風制御部50によって実現される。
まず、ΔL1演算部52は、シャフト部レベル計LT1からシャフト部2のレベルL1の情報を取得する。ここで、図6には、シャフト部レベル計LT1によって測定されるレベルL1の変化を表すグラフを例示する(図6(a))。図6(b)は、(a)のグラフの一部分を拡大した図であり、レベルL1の変化に応じて本実施形態の送風制御方法で算出される送風量q0も併せて示している。図6に示すように、シャフト部2内の廃棄物は乾燥、熱分解されて容積が小さくなるとともに、炭化火格子部4上の廃棄物が可動炭化火格子41によって徐々に溶融炉部6に搬送されるため、レベルL1は、廃棄物が装入されるタイミングを除き、通常は時間経過と共に低下していく。廃棄物が装入されたタイミングではレベルL1は上昇し、その後同様に時間経過で低下する。レベルL1が低下する速度は、装入される廃棄物の性状等によって変化する。
ΔL1演算部52は、シャフト部への廃棄物装入と次回の廃棄物装入との間における、連続的に取得されるレベルL1に基づいて求められるレベルL1の単位時間あたりの変化量である変化速度ΔL1(第1の変化速度)を算出する。上述のように、通常はレベルL1は減少するので、変化速度ΔL1は、レベルL1の減少速度を表すことになる。
そして、送風量演算部54は、炭化火格子部4を介して供給させる空気の送風量を下記式(1)により算出する。
(1) q0[mN/h]=A1[kg/h]×理論空気量F[mN/kg]×空気比AR
ここで、式(1)のA1[kg/h]は、下記式(2)より求められる値である。
(2) A1[kg/h]=ΔL1[m/h]×シャフト部2の水平断面での断面積S1[m]×廃棄物の嵩比重B1[kg/m
式(2)において、嵩比重B1は、所定の記憶領域に予め記憶されていればよい。
また、式(1)の理論空気量Fは、廃棄物を完全燃焼させるために必要な最低の空気量である。空気比ARは炭化火格子部4を介して処理対象物に送風される空気量と理論空気量との比である。理論空気量Fおよび空気比ARは廃棄物ガス化溶融炉1の操業において一律に決定される値である。
上記式(2)によって求められるA1は、シャフト部2から炭化火格子部4に単位時間あたりに供給される廃棄物の量を示している。そして、溶融炉部6での充填レベルL2が予め設定される設定レベルに維持されるように、可動炭化火格子41の動作が制御され、単位時間あたりシャフト部2から炭化火格子部4にある分量の廃棄物が供給されるということは、当該分量の廃棄物が炭化火格子部4において処理されるということである。従って、A1は、炭化火格子部4において単位時間あたりに処理される廃棄物の処理量に相当する量である。
本実施形態では、上記式(1)に示すとおり、A1、つまり、炭化火格子部4における廃棄物の処理量の変化に応じて炭化火格子部4からの送風量q0が決定される。例えば、ΔL1が増加してA1が増加した場合、炭化火格子部4での単位時間あたりの廃棄物の処理量が増えることになるので、処理量の増加分に応じて送風量q0も増やされる。図6(b)に示すL1の変化の例では、矢印Bで示すタイミングにおいてΔL1が増加しており、それに応じて送風量q0が増加するように制御されている。
一方、ΔL1が減少してA1が減少した場合、炭化火格子部4での単位時間あたりの廃棄物の処理量が減少することになるので、処理量の減少分に応じて送風量q0も減らされる。図6(b)に示した例では、矢印Aで示すタイミングにおいてΔL1が減少しており、それに応じて送風量q0が減少するように制御されている。
従って、炭化火格子部4における廃棄物の処理量に応じて最適な送風量q0が設定され、空気が送風されるので、廃棄物から生成される炭化物の炭化状態のバラつきを抑えることができる。
一方、送風量が一定で、炭化火格子部4での処理量が増える場合(つまりΔL1が増加する場合)、炭化火格子部4を介して廃棄物に供給される空気が不足する。空気が不足すると、乾燥が不十分となり廃棄物から生成される炭化物中に含まれる水分の量が過剰となる。水分が過剰な炭化物が溶融炉部6に供給されると、その水分を蒸発させるためにコークスが余分に必要となる。また、送風量が一定で、炭化火格子部4での処理量が減る場合(つまりΔL1が減少する場合)、供給される空気が過剰となる。空気が過剰であると還元雰囲気ではなくなるので溶融炉部6に供給される炭化物(熱分解残渣)に含まれる炭素成分が過少となる。炭素成分が過少であると、それを補うためにコークスを余分に供給する必要が生じる。以上のような理由から、送風量が一定であると、炭化物の性状のバラつきが生じる場合があり、結果としてコークスの使用量が増えてしまう。
送風量演算部54は、上記式(1)によって送風量q0を求めたら、所定の分配比率で送風量q0を供給炭化火格子側送風量q1[mN/h]と乾留炭化火格子側送風量q2[mN/h]に分配する。供給炭化火格子側送風量q1は供給炭化火格子部4aから送風させる送風量であり、乾留炭化火格子側送風量q2は乾留炭化火格子部4bから送風させる送風量である。また、q0=q1+q2である。そして、第1流量制御部FC1は、供給炭化火格子側送風量q1で送風されるように流量調節弁46aを調節する。第2流量制御部FC2は、乾留炭化火格子側送風量q2で送風されるように流量調節弁46bを調節する。第1流量制御部FC1と第2流量制御部FC2による流量調節方法は上述の通りである。
なお、送風量q0をq1とq2に分配する際の分配比率は特に限定されず、従来の廃棄物ガス化溶融炉における送風制御での比率が用いられればよい。また、q1/q0=α(0<α<1)とした場合、q1=αq0であり、q1+q2=q0であるので、q2=(1−α)q0となる。
以上の送風制御方法により炭化火格子部4からの送風量が制御されることで、溶融炉部6に供給される炭化物の炭化の程度のバラつきが抑制され、最適な炭化状態の炭化物が溶融炉部6に供給される。従って、コークスの使用量を必要最小限に抑えることができる。
なお、送風制御部50は、溶融炉部6のレベルL2が上昇傾向にある場合に、炭化火格子部4からの送風量を下記式(3)によって求められる補正量βによって補正された補正送風量q0’(q0’=q0+β)に変更して、補正送風量q0’で送風をおこなってもよい。
(3) β[mN/h]=A2[kg/h]×理論空気量F[mN/kg]×空気比AR×補正係数
ここで、式(3)において、A2[kg/h]は、下記式(4)より求められる値である。
(4) A2[kg/h]=ΔL2[m/h]×溶融炉部6の断面積S2[m]×溶融炉部6内の処理対象物の嵩比重B2[kg/m
式(4)において、ΔL2は、ΔL2演算部56が溶融炉部における溶融物の排出と次回の溶融物の排出との間における、溶融炉部レベル計LT2から取得するレベルL2に基づき求めるレベルL2の単位時間あたりの変化量(第2の変化速度)である。上述のように補正量βは溶融炉部6のレベルL2が上昇傾向にある場合に用いられるので、変化量ΔL2は、溶融炉部6のレベルL2の増加速度を表すことになる。なお、溶融炉部6でのレベルL2は、通常は、目標とする目標レベル付近をわずかに上昇したり下降したりしながら、目標レベル付近のレベルに保たれる。このレベルL2が上昇傾向にあるか否かは、送風制御部50がレベルL2を連続的に取得し、例えば予め設定される所定期間以上L2が上昇している場合に、レベルL2が上昇傾向であると判定すればよい。
溶融炉部6の断面積S2は、溶融炉部6内に充填されている処理対象物の表面(充填物面)の位置における溶融炉部6の内面における水平断面の断面積である。嵩比重B2は、所定の記憶領域に予め記憶されていればよい。
また、理論空気量と空気比は、式(1)と同じ値が用いられる。補正係数の初期値は1.0とする。補正係数はΔL2の影響を増減するために用いることができる。
上記式(4)によって求められるA2は、ΔL2が増加すれば増加し、ΔL2が減少すれば減少する。従って、ΔL2が増加した場合には、補正量βも増加し、ΔL2が減少した場合には、補正量βも減少する。
送風量演算部54は、ΔL1演算部52が算出したΔL1に基づいて式(1)、式(2)により送風量q0を算出し、ΔL2演算部58が算出したΔL2に基づいて式(3)、式(4)により補正量βを算出し、送風量q0に補正量βを加算して補正送風量q0’を得る。
そして、送風量演算部54は、補正が無い場合と同様に、補正送風量q0’を所定の比率でq1とq2に分配し、第1流量制御部FC1と第2流量制御部FC2が、分配されたq1とq2で送風されるように、流量調節弁46a、46bを制御する。
このように、溶融炉部6のレベルL2が増加傾向にある場合には、その増加速度に応じて炭化火格子部4からの送風量を設定してもよい。溶融炉部6のレベルL2が、上述のように設定レベルで維持されるように制御されている場合においても、上昇傾向にある場合には、炭化火格子部4での廃棄物の処理量が増加したととらえることができるためである。
ΔL2の増加に応じて補正量βが増え、送風量q0’が大きくなれば、炭化火格子部4を通過する炭化物の量が増加してもそれに応じて送風量も増加することになるため、送風量が不足して炭化物の水分量が増えることが抑制される。従って、レベルL2が増加傾向にある場合に送風量q0を上記補正量βで補正することにより、溶融炉部6に投入される炭化物の性状のバラつきをより確実に抑えることができ、必要以上にコークスを使用することを抑制できる。
なお、レベルL2が減少傾向にある場合に、補正量β(β<0)を求めて、q0をβで補正し、送風量を補正送風量q0’としてもよい。レベルL2が減少傾向にあるということは、炭化火格子部4での廃棄物の処理量が減少していると捉えることができるためである。レベルL2が減少傾向にある場合にも補正することで、廃棄物に対して供給される空気が過剰になって熱分解残渣中の炭素成分が過少となることが抑制される。よって、同様に溶融炉部6に供給される炭化物の性状のバラつきをより抑制することができ、コークスの使用量を抑えることができる。
以上、本発明を詳細に説明したが、形式や細部についての種々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかである。従って、本発明の範囲は、前述の実施形態および図面に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
1 廃棄物ガス化溶融炉
2 シャフト部
21 廃棄物装入口
4 炭化火格子部
41 可動炭化火格子
42 固定炭化火格子
4a 供給炭化火格子部
4b 乾留炭化火格子部
6 溶融炉部
63 羽口
65 出湯口
50 送風制御部

Claims (7)

  1. 上方に処理対象物の廃棄物が装入される装入口を有するシャフト部と、前記シャフト部の下方に接続され、前記シャフト部に装入された処理対象物を熱分解する複数の炭化火格子が底部に配列された炭化火格子部と、炉底の上方において前記炭化火格子部と接続され、前記炭化火格子部から供給される処理対象物を溶融させる溶融炉部と、処理対象物を前記炭化火格子部から前記溶融炉部に供給する供給装置と、前記炭化火格子部を介して処理対象物に空気を送風する送風部と、を備える廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法であって、
    前記溶融炉部における処理対象物の充填レベルが設定された設定レベルに維持されるように、前記供給装置の供給動作を制御し、
    前記シャフト部内の処理対象物の充填レベルを検出し、
    前記シャフト部における処理対象物の充填レベルの単位時間あたりの変化量である第1の変化速度を算出し、
    少なくとも前記第1の変化速度に基づいて設定される送風量で、前記送風部に空気を送風させることを特徴とする廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法。
  2. 設定される前記送風量は、下記式(1)によって求められることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法。

    送風量q0[mN/h]=ΔL1×S1×B1×F×AR:式(1)

    ただし、
    ΔL1:前記第1の変化速度[m/h]
    S1:前記シャフト部の水平断面での断面積[m
    B1:前記シャフト部内の処理対象物の嵩比重[kg/m
    F:処理対象物を完全燃焼させるために最低限必要な理論空気量[mN/kg]
    AR:空気比
    である。
  3. 前記廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法において、
    前記溶融炉部内の処理対象物の充填レベルを検出し、
    前記溶融炉部内の処理対象物の充填レベルが上昇している場合に、前記溶融炉部における処理対象物の充填レベルの単位時間あたりの変化量である第2の変化速度を算出し、
    前記第1の変化速度と前記第2の変化速度に基づいて設定される送風量で、前記送風部に空気を送風させることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法。
  4. 設定される前記送風量は、下記式(2)によって求められることを特徴とする請求項3に記載の廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法。

    送風量q0’[mN/h]=ΔL1×S1×B1×F×AR+ΔL2×S2×B2×F×AR×a:式(2)

    ただし、
    ΔL1:前記第1の変化速度[m/h]
    S1:前記シャフト部の水平断面での断面積[m
    B1:前記シャフト部内の処理対象物の嵩比重[kg/m
    F:処理対象物を完全燃焼させるために最低限必要な理論空気量[mN/kg]
    AR:空気比
    ΔL2:前記第2の変化速度[m/h]
    S2:前記溶融炉部の水平断面での断面積[m
    B2:前記溶融炉部内の処理対象物の嵩比重[kg/m
    a:補正係数
    である。
  5. 前記炭化火格子部は、前記シャフト部の下方の第1の炭化火格子部と、前記第1の炭化火格子部より前記溶融炉部側に配置される第2の炭化火格子部とを有し、
    設定される前記送風量を、前記第1の炭化火格子部から供給させるの空気の送風量と前記第2の炭化火格子部から供給させる空気の送風量に所定の比率で分配し、分配された送風量で前記第1の炭化火格子部および前記第2の炭化火格子部からそれぞれ空気を供給させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法。
  6. 前記供給装置は、往復運動する可動炭化火格子であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の廃棄物ガス化溶融炉における送風制御方法。
  7. 上方に処理対象物の廃棄物が装入される装入口を有するシャフト部と、
    前記シャフト部の下方に接続され、前記シャフト部に装入された処理対象物を熱分解する複数の炭化火格子が底部に配列された炭化火格子部と、
    炉底の上方において前記炭化火格子部と接続され、前記炭化火格子部から供給される処理対象物を溶融させる溶融炉部と、
    処理対象物を前記炭化火格子部から前記溶融炉部に供給する供給装置と、
    前記炭化火格子部を介して処理対象物に空気を送風する送風部と、
    前記溶融炉部における処理対象物の充填レベルが設定された設定レベルに維持されるように、前記供給装置の供給動作を制御する供給装置制御部と、
    前記シャフト部内の処理対象物の充填レベルを検出し、前記シャフト部における処理対象物の充填レベルの単位時間あたりの変化量である第1の変化速度を算出し、少なくとも前記第1の変化速度に基づいて設定される送風量で、前記送風部に空気を送風させる送風制御部と、
    を備えることを特徴とする廃棄物ガス化溶融炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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