JP2015074395A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、予定走行経路上の所定地点での車速等は予測できるものの、ある地点における車速に対して、将来地点における所定の車速の生じやすさ等は加味されていなかった。つまり、所定地点での予測車速等の情報は地点ごとに決まる固定値であり、他の地点での予測車速との関係は考慮されていなかった。
そして、このような統計データを利用してハイブリッド車両のパワートレイン制御(例えば、走行モードのスケジューリングや、エンジン・モータの動力配分制御等)を行うと、自車両の固有の走行状況を反映させることができず、適切なパワートレイン制御を行うことが難しかった。すなわち、予定走行区間における自車両の走行状態を高精度で予測できないため、適切なパワートレイン制御を行うことが難しいという問題があった。
前記データ保存手段は、複数の走行区間に区分された所定の走行経路を走行したときの各走行区間における自車両の走行データを保存する。
前記確率分布演算手段は、前記データ保存手段に保存された走行データから、前記複数の走行区間のうちの第1の走行区間での第1走行データに対する、前記複数の走行区間のうちの前記第1の走行区間より先にある第2の走行区間での第2走行データの関連を確率分布で求める。
前記データ予測手段は、前記所定の走行経路を走行する際、前記確率分布演算手段により求めた前記確率分布を用いて、前記自車両が将来走行する予定走行区間での予測走行データを演算する。
前記パワートレイン制御手段は、前記データ予測手段により予測された予測走行データに基づき、前記自車両のパワートレイン制御を行う。
これにより、第1走行データに対する第2走行データの起こりやすさに基づいて予測走行データを求めることができる。そのため、例えば所定地点での単なる統計データに基づいて予定走行データを求める場合に比べ、予測走行データの演算時に、第1の走行区間と第2の走行区間の走行データの関係が考慮され、予測精度の向上を図ることができる。
この結果、予定走行区間における自車両の走行状態を精度良く予測し、適切なパワートレイン制御を行うことができる。
まず、実施例1のハイブリッド車両の制御装置の構成を、「ハイブリッド車両の全体システム構成」、「車両制御システムの構成」、「車両制御処理の構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1のハイブリッド車両の制御装置が適用されたハイブリッド車両を示す全体システム図である。以下、図1に基づき、実施例1のハイブリッド車両の全体システム構成を説明する。
なお、実施例1では、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、トルク伝達経路に配置されると共に所定の条件に適合する最適な摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)を選択し、第2クラッチCL2としている。すなわち、前記第2クラッチCL2は、自動変速機ATとは独立の専用クラッチとして新たに追加したものではない。
実施例1におけるFRハイブリッド車両(自車両)Sの車両制御システムは、図1に示すように、車両制御部1と、インバータ2と、バッテリ3と、ナビゲーションシステム4と、通信ユニット5と、を有して構成されている。
すなわち、この記憶部11には、自車両が過去に走行した走行区間における車速を、各走行区間と関連付けて記憶する。
ここで、「第1の走行区間」とは、複数の走行区間のうちの任意の区間であり、ここでは全区間を対象とする。また、「第2の走行区間」とは、第1の走行区間よりも先にある走行区間であり、ここでは第1の走行区間に設定した区間の次の区間とする。
また、前記第2車速データには、第1車速データと同一の複数の車速域が設定されている。具体的には、ゼロkm/h〜40km/h未満の車速域と、40km/h〜60km/h未満の車速域と、60km/h〜80km/h未満の車速域と、80km/h以上の車速域である。
そして、この確率分布演算部12では、「第1の走行区間」における各車速域のそれぞれから、次区間である「第2の走行区間」における各車速域に対する確率分布を演算する。なお、「第1の走行区間」は全区間を対象としているので、各区間、各車速域において次区間の車速域への確率分布が演算される。演算された確率分布は、図2に示す確率分布マップで示される。
すなわち、この予測部13では、図2に示す確率分布マップを用いて、将来走行する予定の走行区間における車速データを求める。このとき、まず、図3に示すように、現在FRハイブリッド車両Sが走行中の走行区間(以下、「現走行区間n」という)では、車速センサ6からの車速情報に基づいて、現走行区間nでの走行車速域(ここでは、ゼロkm/h〜40km/h未満の車速域Pn)を設定する。
そして、現走行区間nの次の区間(以下、「次区間n+1」という)では、現走行区間nにおいて設定した走行車速域Pnから、次区間n+1の各車速域への確率分布のうち、最も高確率となる車速域(ここでは、60km/h〜80km/h未満の車速域Pn+1)を、次区間n+1での予測車速域とする。
次に、この次区間n+1の次の区間(以下、「次次区間n+2」という)では、次区間n+1において設定した予測車速域Pn+1から、次次区間n+2の各車速域への確率分布のうち、最も高確率となる車速域(ここでは、60km/h〜80km/h未満の車速域Pn+2)を、次次区間n+2での予測車速域とする。
さらに、この次次区間n+2の次の区間(以下、「第3区間n+3」という)では、次次区間n+2において設定した予測車速域Pn+2から、第3区間n+3の各車速域への確率分布のうち、最も高確率となる車速域(ここでは、40km/h〜60km/h未満の車速域Pn+3)を、第3区間n+3での予測車速域とする。
以下、これを繰り返し、予定走行区間n+αでの予測車速データ(ここでは、予測車速域)を求める。
つまり、予定走行区間n+αでの予測車速域を確率分布マップのみから求める場合では、上述のように、次次区間n+2において、予測車速域を60km/h〜80km/h未満の車速域Pn+2に設定している。しかしながら、FRハイブリッド車両Sが次次区間n+2を実際に走行したとき、100km/hで走行したとする。そのため、予定走行区間n+αでの予測車速域(予測車速データ)を求める際に、図4に示すように、次次区間n+2での走行車速域を80km/h以上の車速域Pn+2´に変更する。なお、この実車速は、車速センサ6によって検出する。
そして、この次次区間n+2の次の区間(以下、「第3区間n+3」という)では、次次区間n+2において設定した車速域Pn+2´から、第3区間n+3の各車速域への確率分布のうち、最も高確率となる車速域(ここでは、80km/h未満の車速域Pn+3´)を、第3区間n+3での予測車速域とする。
以下、上述の通り確率分布を用いて、予定走行区間n+αでの予測車速データ(予測車速域)を求める。
前記記憶部4aは、道路曲率半径、勾配、交差点、信号、踏み切り、横断歩道、制限速度、料金所等の道路環境情報を含む地図情報を記憶している。
前記演算部4bは、衛星からの信号を受信し、このFRハイブリッド車両Sの地球上の絶対位置を検出する。そして、記憶部4aに記憶されている地図を参照し、現在FRハイブリッド車両Sが存在している位置(現在地)を特定すると共に、この現在地から目的地までの予定走行経路と、その予定走行経路における走行区間を設定する。この予定走行経路及びその経路上の走行区間は、車両制御部1に入力される。また、不図示のディスプレイは、車室内に設けられ、ドライバーから目視可能となっている。
なお、前記通信ユニット5としては、携帯電話機、DSRC、無線LANなど様々なものを採用することができる。
図5は、実施例1の車両制御部にて実行される車両制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、車両制御処理内容を示す図5のフローチャートの各ステップについて説明する。
ここで、この予定走行経路の設定は、まず、ドライバーが手動操作によってナビゲーションシステム4に目的地を入力する。そして、ナビゲーションシステム4では、入力された目的地情報と、衛星からの信号に基づいて検出した現在地情報と、記憶部4aに記憶された地図情報に基づいて複数の走行経路を検索し、車室内に設けられたディスプレイに表示する。そして、ドライバーは検索された走行経路から予定走行経路を選択して設定する。なお、設定された予定走行経路は、車両制御部1及び通信ユニット5を介してデータセンタ8へと送信される。
ここで、「統計交通データ」とは、データセンタ8において設定されたノードと呼ばれる道路上の基準位置間隔ごとに決められた車速データである。また、取得する統計交通データは、予め設定した自車両と同一又は類似の車種のデータに限定される。
つまり、このステップS3では、予定走行経路を複数の走行区間に区分すると共に、図2に示すような確率分布マップを求める。
なお、この走行区間の区分は、FRハイブリッド車両Sが取得可能な経路区分に必要な様々なLINK情報に基づいて設定される区分基準位置によって走行経路を分けることで行う。
ここで、予測車速域の推定とは、予測部13によって実行される。このとき、ステップS3にて求めた確率分布のうち、最も高確率になる車速域が当該走行区間での予測車速域とすることを用いて、予定走行区間n+αでの予測車速域を推定する。しかしながら、当該走行区間を走行したときの実際の車速データが確率分布から求めた予測車速域と異なる場合(後述するステップS7においてNOと判断された場合)には、実際の車速データが該当する車速域を当該走行区間での車速域に修正し、予定走行区間n+αでの予測車速域を演算する。
なお、「パワートレイン制御計画」とは、ここでは、FRハイブリッド車両Sの走行モードのスケジューリングであり、予定走行区間n+αにおける走行モードを設定する。
ここで、目的地に到着したか否かの判断は、ナビゲーションシステム4によって、衛星からの信号に基づいて検出した現在地情報から判断する。
まず、比較例のハイブリッド車両の制御装置の車速推定構成とその課題を説明し、続いて、実施例1のハイブリッド車両の制御装置における車両制御作用を説明する。
図6は、比較例の制御装置での各走行区間での予測車速域を示す予測車速マップである。以下、図6に基づき、比較例のハイブリッド車両の制御装置における車速推定構成とその課題について説明する。
つまり、ある走行区間での走行データと、それよりも先にある他の走行区間での走行データとの関係は考慮されず、予定走行区間の走行データの予測精度が低くなってしまうという問題が生じていた。
実施例1のFRハイブリッド車両Sでは、自車両がすでに走行した経路(走行済み経路)における車速データ(走行データ)は、車両制御部1の記憶部11に記憶される。また、他車両がすでに走行した経路(走行済み経路)における車速データは、データセンタ8に記憶される。
そして、ある経路(予定走行経路)を走行することが設定されると、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進み、予定走行経路を区分して設定された複数の走行区間のそれぞれにおける車速データの関係を確率分布で求める(図2に示す確率分布マップを設定する)。
そのため、サンプル数の増加に伴って、確率分布の精度を向上することができる。
このとき、予定走行区間n+αにおける予測車速域の予測精度が高いので、パワートレイン制御計画も自車両に適したものとすることができ、燃料消費量の低減、電気消費量の低減、運転性の改善、排気量の低減等を図ることができる。
つまり、図4に示すように、所定の走行区間(ここでは、次次区間n+2)における予測車速域が、確率分布から求めたときにはPn+2であったが、実際に当該走行区間(次次区間n+2)を走行した際の車速に基づいて、当該走行区間(次次区間n+2)での車速域をPn+2´に変更する。そして、この変更した車速域Pn+2´を基準にして、さらに次の区間(第3区間n+3)における予測車速域を求め、最終的に予定走行区間n+αでの予測車速域を求める。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
複数の走行区間(n〜n+α)に区分された所定の走行経路を走行したときの各走行区間における自車両の走行データ(車速データ)を保存するデータ保存手段(記憶部)11と、
前記データ保存手段(記憶部)11に保存された走行データ(車速データ)から、前記複数の走行区間(n〜n+α)のうちの第1の走行区間(現走行区間n)での第1走行データに対する、前記複数の走行区間(n〜n+α)のうちの前記第1の走行区間(現走行区間n)より先にある第2の走行区間(次区間n+1)での第2走行データの関連を確率分布(確率分布マップ図2)で求める確率分布演算手段(確率分布演算部)12と、
前記所定の走行経路を走行する際、前記確率分布演算手段(確率分布演算部)12により求めた前記確率分布(確率分布マップ図2)を用いて、前記自車両(FRハイブリッド車両)Sが将来走行する予定走行区間n+αでの予測走行データを演算するデータ予測手段(予測部)13と、
前記データ予測手段(予測部)13により予測された予測走行データに基づき、前記自車両(FRハイブリッド車)Sのパワートレイン制御を行うパワートレイン制御手段(制御部)14と、
を備える構成とした。
これにより、予定走行区間における自車両の走行状態を精度良く予測し、適切なパワートレイン制御を行うことができる。
前記データ予測手段(予測部)13は、前記確率分布のうち、最も高確率になる走行データを用いて、前記予測走行データを演算する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、予定走行区間における自車両の走行状態を容易に予測することができる。
これにより、(2)の効果に加え、実際の走行データに応じて、予定走行区間における自車両の走行状態の予測結果を修正することができる。
前記データ予測手段(予測部)13は、前記データ保存手段(記憶部)11に保存された走行データ(車速データ)に加え、前記通信手段(通信ユニット)5を介して取得した前記自車両(FRハイブリッド車両)S以外の他の車両の走行データ(車速データ)から、前記第1走行データに対する、前記第2走行データの関連を確率分布(確率分布マップ図2)で求める構成とした。
これにより、(1)から(3)のいずれかの効果に加え、確率分布を求める際に用いる走行データ数が増加し、確率分布の精度を向上することができる。
これにより、(1)から(4)のいずれかの効果に加え、データの取得や予測を精度よく容易に行うことができ、パワートレイン制御を自車両にさらに適したものとすることができる。
この場合では、外部からの通信情報で統計交通データを取得する必要がなくなるため、通信ユニット5が不要となり、安価な構成とすることができる。
さらに、区間nに対して区間n+1と区間n+3の走行データの関係を求めるようにしてもよい。
また、走行データだけでなく、確率分布の結果も他車両と共有することで、従来の統計データのみを利用して予定走行経路での予測走行データを演算する場合よりも、予測走行データの予測精度をさらに向上することができる。
11 記憶部(走行データ記憶手段)
12 確率分布演算部(確率分布演算手段)
13 予測部(データ予測手段)
14 制御部(パワートレイン制御手段)
2 インバータ
3 バッテリ
4 ナビゲーションシステム
4a 記憶部
4b 演算部
5 通信ユニット
6 車速センサ
7 SOC監視部
8 データセンタ
Eng エンジン
MG モータ/ジェネレータ
CL1 第1クラッチ
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
RL,RR 左右後輪(駆動輪)
FL,FR 左右前輪
Claims (5)
- 走行駆動源としてエンジン及びモータを備えたハイブリッド車両に搭載され、
複数の走行区間に区分された所定の走行経路を走行したときの各走行区間における自車両の走行データを保存するデータ保存手段と、
前記データ保存手段に保存された走行データから、前記複数の走行区間のうちの第1の走行区間での第1走行データに対する、前記複数の走行区間のうちの前記第1の走行区間より先にある第2の走行区間での第2走行データの関連を確率分布で求める確率分布演算手段と、
前記所定の走行経路を走行する際、前記確率分布演算手段により求めた前記確率分布を用いて、予定走行区間での予測走行データを演算するデータ予測手段と、
前記データ予測手段により予測された予測走行データに基づき、前記自車両のパワートレイン制御を行うパワートレイン制御手段と、
を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載された車両の制御装置において、
前記確率分布演算手段は、前記複数の走行区間の各区間に設定された複数の走行データのそれぞれにおいて、次区間に設定された複数の走行データに対する確率分布を求め、
前記データ予測手段は、前記確率分布のうち、最も高確率になる走行データを用いて、前記予測走行データを演算する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記データ予測手段は、前記自車両の現在の走行データが前記確率分布のうち最も高確率になる走行データと異なるときには、前記自車両の現在の走行データを用いて、前記予測走行データを演算する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記複数の走行区間に区分された所定の走行経路を走行したときの各走行区間における自車両以外の車両の走行データを保存するデータセンタから、前記走行データを取得する通信手段を備え、
前記データ予測手段は、前記データ保存手段に保存された走行データに加え、前記通信手段を介して取得した前記自車両以外の他の車両の走行データから、前記第1走行データに対する、前記第2走行データの関連を確率分布で求める
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記走行データを、車速データとする
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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