JP2015074199A - フォトクロミック積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面硬度が硬く、キズ付きにくい積層構造を形成し、優れた密着性、さらにはフォトクロミック特性を有するフォトクロミック積層体を提供する。
【解決手段】光学基材、プライマーコート層、及びフォトクロミックコート層がこの順で積層されたフォトクロミック積層体において、前記プライマーコート層が、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体からなる層、及び水分散ポリウレタン樹脂からなる層からなる多層構造を有する層であるフォトクロミック積層体を提供する。特に、フォトクロミック積層体の密着安定性に優れる点、及びクラック等の外観不良の発生が少ない点から、光学基材、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体からなる層、水分散ポリウレタン樹脂からなる層がこの順で積層されていることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なフォトクロミック積層体に関する。詳しくは、表面硬度が硬く、キズ付きにくい積層構造を形成し、優れた密着性、及びフォトクロミック特性を有するフォトクロミック積層体に関するものである。
フォトクロミック眼鏡とは、太陽光のような紫外線を含む光が照射される屋外ではレンズが速やかに着色してサングラスとして機能し、そのような光の照射がない屋内においては退色して透明な通常の眼鏡として機能するものであり、近年その需要は増大している。
フォトクロミック眼鏡用レンズとしては、軽量性や安全性の観点から、特にプラスチックレンズにフォトクロミック性能を付与したものが広く使用されている。フォトクロミック性を有するプラスチックレンズの製造方法としては、フォトクロミック性を有しないレンズの表面にフォトクロミック化合物を含浸させる方法(以下、「含浸法」という)、あるいはプラスチックレンズの表面にフォトクロミック性を有する硬化性組成物(以下、「フォトクロミック硬化性組成物」ともいう)からなるコーティング剤を塗布した後にこれを硬化させてフォトクロミック性を有する樹脂層(以下、「フォトクロミックコート層」ともいう)を設ける方法(以下、「コーティング法」という)、あるいはモノマーにフォトクロミック化合物を溶解させそれを重合させることにより直接フォトクロミックレンズを得る方法(以下、「練り混み法」という)が知られている。これらの製造方法の中でもコーティング法は、プラスチックレンズの材質によらずフォトクロミック性能を付与できる点で優れた方法である。
コーティング法で製造されたフォトクロミックレンズを長時間使用するためには、フォトクロミックコート層を、種々のプラスチックレンズ基材表面に接着させることが必要である。また、フォトクロミックコート層のキズつきを防止することも必要であり、フォトクロミックコート層が十分な表面硬度を有することも重要である。
フォトクロミックコート層のプラスチックレンズへの密着性向上のために、これまでに様々な改良がなされている。例えば、フォトクロミック硬化性組成物に、シラノール基または加水分解によりシラノール基を生成する基を有するラジカル重合性単量体、アミン化合物等を添加し、プラスチックレンズ基材への密着性を向上させる方法が知られている(特許文献1)。あるいは、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体からなるポリウレタン樹脂をプライマーコート層に用い、その上にフォトクロミックコート層を積層する方法も知られている(特許文献2)。更には、ウレタン樹脂を含むエマルジョンからなるプライマー組成物をプライマーコート層に用い、その上にフォトクロミックコート層を積層する方法も知られている(特許文献3)。
国際公開第03/011967号パンフレット 特開2005−199683号公報 国際公開第2008/001875号パンフレット
しかしながら、これら従来の方法においては、以下の点で改善の余地があった。すなわち、フォトクロミック硬化性組成物にプラスチックレンズ表面との結合基を有する化合物を添加することでプラスチックレンズ基材への密着性を向上させる方法である特許文献1に記載の方法は、初期密着性はあるものの、高温高湿条件下で繰り返して使用すると、基材の種類によってはフォトクロミックコート層の密着性が低下して剥離が生じる場合があることが分かった。
また、プライマーコート層を形成する方法のうち、湿気硬化型ポリウレタン樹脂を用いる特許文献2に記載の方法は、高温高湿条件下での繰り返し使用に耐え、フォトクロミック硬化性組成物の表面硬度も十分であった。しかしながら、湿気硬化型ポリウレタン樹脂で構成されたプライマーコート層はフォトクロミック硬化性組成物の濡れ性が低い場合があり、スピンコート法等の方法でフォトクロミック硬化性組成物を塗布しようとすると、フォトクロミック硬化性組成物の塗り残しが生じ、外観不良が生じる場合があった。
一方、ウレタン樹脂を含むエマルジョンをプライマーに用いる特許文献3に記載の方法は、プライマーコート層とフォトクロミックコート層との塗れ性は良好で、フォトクロミックコート層とプラスチックレンズとの密着性、及びフォトクロミック特性は良好であった。しかしながら、フォトクロミックコート層の表面硬度が不足し、フォトクロミックコート層がキズつきやすいことが明らかとなった。
上記のとおり従来技術によるフォトクロミック積層体においては、高いフォトクロミック特性を維持しながら、高温高湿下でのフォトクロミックコート層とプラスチックレンズとの密着性も維持し、更にフォトクロミックコート層がキズつきにくい十分な表面硬度を有し、しかも外観不良の少ないフォトクロミック積層体は存在せず、これらの特性を満足するフォトクロミック積層体の開発が望まれていた。
したがって、本発明の目的は、高温高湿下の状況でも使用が可能で、フォトクロミック特性にも優れ、かつフォトクロミックコート層が傷つきにくく、外観不良の少ないフォトクロミック積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。まず最初にフォトクロミック積層体の傷つきを防止するために、フォトクロミックコート層の表面硬度を硬くしようとしたところ、フォトクロミックコート層に外観不良(クラック)が生じることが判明した。逆に、外観不良を抑制しようとすると、表面硬度の向上が困難となり、フォトクロミックコート層による、外観不良の抑制と、表面硬度の向上を両立させることが困難であることが判明した。
そこで、フォトクロミックコート層の下地となるプライマーコート層の表面硬度も、フォトクロミックコート層積層時の表面硬度、及びフォトクロミック積層体の傷つき防止に影響を及ぼしているのではないかと考え、プライマーコート層を形成するプライマー組成物について検討を行った。その結果、プライマーコート層として湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体からなる層(以下、「湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層」ともいう)と水分散ポリウレタン樹脂からなる層(以下、「水分散ポリウレタン樹脂層」ともいう)とを積層させたところ、表面硬度の高いプライマーコート層が得られることを見出した。また、この積層させたプライマーコート層の各層間の密着性も良好で、且つ高温高湿条件下での密着性も良好であり、プライマーコート層として使用可能であることを確認した。
上記の結果から、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層、及び水分散ポリウレタン樹脂層からなる多層型のプライマーコート層をフォトクロミック積層体に適用したところ、フォトクロミックコート層のキズつきを防止できるのみならず、驚くべきことに高温高湿条件下でのフォトクロミックコート層とプラスチックレンズとの密着性も飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、光学基材、プライマーコート層、及びフォトクロミックコート層がこの順で積層された積層体において、前記プライマーコート層が、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体からなる層、及び水分散ポリウレタン樹脂からなる層を含む多層構造を有する層であることを特徴とする積層体である。特にフォトクロミック積層体の密着安定性に優れる点、及びクラック等の外観不良の発生が少ない点から、プライマーコート層が光学基材に対し、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体からなる層、水分散ポリウレタン樹脂からなる層の順で積層されていることが好ましい。
本発明によれば、高いフォトクロミック特性を維持しながら、傷つきにくい表面硬度を有し、またフォトクロミックコート層にクラック等の外観不良の少ないフォトクロミック積層体を得ることが出来る。
また、本発明のフォトクロミック積層体は、高温高湿下においても高い密着性が維持されるため、該積層体の可使時間を大幅に向上させることが期待できる。
本発明は、光学基材、プライマーコート層、及びフォトクロミックコート層がこの順で積層されたフォトクロミック積層体におけるプライマーコート層が、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層、及び水分散ポリウレタン樹脂層を含む多層構造を有することが特徴である。このように、プライマーコート層を湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層と水分散ポリウレタン樹脂層とを含む多層構造とすることで、前記効果が得られる理由について詳細には判明していないが、本発明者らは以下のように推測している。
すなわち、本発明におけるプライマーコート層は、多層構造を形成しているものの、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体及び水分散ポリウレタン樹脂のいずれも基本構造がポリウレタンであり、両層が高い密着性で積層されているものと推測される。その結果、該プライマーコート層は、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層が有する高い表面硬度と、水分散ポリウレタン樹脂層が有するフォトクロミック硬化性組成物との高い濡れ性、の両方の特徴を有するプライマーコート層として作用するものと推測される。
なお、本発明において、プライマーコート層として、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層と水分散ポリウレタン樹脂層を光学基材上に積層する順番は特に制限されず、光学基材に湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層を最初に積層することも可能であるし、逆に光学基材に水分散ポリウレタン樹脂層を最初に積層することも可能である。
以下、本発明のフォトクロミック積層体の構成について詳細に説明する。
(湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層)
本発明において、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層は、湿気硬化型ポリウレタン樹脂が硬化して得られるポリウレタン樹脂層である。本発明に使用する上記湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン分子中にイソシアネート基が残存するように設計されており、分子中に複数存在するイソシアネート基の一部が例えば大気中の水分と反応してカルバミン酸を生じた後に脱炭酸してアミンを生成し、該アミンと残存イソシアネート基が反応して尿素結合を生じることにより架橋硬化する化合物である。上記湿気硬化型ポリウレタン樹脂として、好適には数平均分子量で300〜5000、特に500〜3000である湿気硬化型ポリウレタン樹脂で、さらに1分子中において末端に存在するイソシアネート基の平均含有量を0.1質量%〜50質量%、好ましくは0.5質量%〜30質量%、特に好ましくは1質量%〜10質量%に調整されたポリウレタンオリゴマー或いはポリウレタンプレポリマーを使用することができる。なお、湿気硬化型ポリウレタン樹脂中のイソシアネート基の含有量は、アミンによる逆滴定により定量することができる。すなわち、湿気硬化型ポリウレタン樹脂中のイソシアネート基と既知量のアミンとを反応させたのち、残存したアミン量を酸の滴定で定量し、そこから反応したアミン量を算出することにより定量することができる。
上記湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、イソシアネート化合物と活性水素を有する化合物とをイソシアネート基が残るような仕込み比で種々の方法で結合させることで得ることができる。
本発明における湿気硬化型ポリウレタン樹脂の原料として好適に使用できるイソシアネート化合物を例示すれば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニール)チオホスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート化合物;トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂肪族イソシアネート化合物;イオウ若しくはハロゲン基を1種または2種以上含むポリイソシアネート、及びその変性体等が挙げられる。変性体の例としてはビウレット、イソシアヌレート、アロファネート、カルボジイミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせてもよい。
上記のイソシアネート化合物の中でも、比較的低温で優れた密着性を発現できる観点から、脂肪族イソシアネート化合物が、また、硬化速度が速いという観点から、芳香族イソシアネート化合物が好適に使用できる。これらのイソシアネート化合物を用いた場合、水分とイソシアネートとの反応の結果、ウレア結合が生成するが、本発明におけるポリウレタン樹脂層にはこのようなウレア結合が含まれていてもよい。
また、本発明における湿気硬化型ポリウレタン樹脂の原料として好適に使用できる活性水素を有する化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類;ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール類;ポリ(ジエチレンアジペート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチレンアジペート)等のポリ(アルキレンアジペート)類;ポリ−ε−カプロラクトン、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール等のポリカプロラクトン類;ポリ(1,4−ブタジエン)グリコール、ポリ(1,2−ブタジエン)グリコール等のポリブタジエングリコール類;ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)等のポリ(アルキレンカーボネート)類;ポリエステルポリオール類;1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の3個以上のヒドロキシ基を含有するポリオール類;シリコーンポリオール等が挙げられるが、その他の公知の活性水素含有化合物の使用も可能である。これらの中でもポリアルキレングリコール類、3個以上のヒドロキシ基を含有するポリオール類、ポリアルキレンアジペート類、ポリアルキレンカーボネート類、ポリカプロラクトン類、ポリエステルポリオール類は、硬化させる際の加熱温度をより低くすることができ、基材の熱変形や変色をより確実に防止することができる点で好適に用いることができる。
なお、上記した活性水素を有する化合物は単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。特にトリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族イソシアネート化合物を用いる場合には、得られる湿気硬化型ポリウレタン樹脂の結晶性が高くなる場合もあり、2種類以上の活性水素を有する化合物を用いることが好ましい。
また、硬化速度が速いという観点から、本発明で使用する湿気硬化型ポリウレタン樹脂の分子量は、比較的高いほうが好ましい。分子量を高くする手法としては、前述のイソシアネート化合物と活性水素を有する化合物とをイソシアネート基が残るような仕込み比で種々の方法で結合させる際に、イソシアネート基の残る量を少なくするように調整する方法がある。あるいは、湿気硬化型ポリウレタン樹脂中に複数存在するイソシアネート基を鎖延長剤などにより結合する方法もある。ここで、鎖延長剤としては、先述したような活性水素を有する化合物やエチレンジアミン等のジアミン化合物が挙げられるが、これらの中でも、鎖延長反応の制御のし易さという観点から、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール類や、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類が好適に用いられる。
このような湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、工業的に或いは試薬として入手可能であり、具体的には、三井化学株式会社製「タケネートMシリーズ」、株式会社トクヤマ製「TR−SC−P」、竹林化学工業株式会社製「タケシールプライマー」、アルプス化学産業株式会社製「ウレタンプライマー06」等が挙げられる。
本発明において、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体は、上記湿気硬化型ポリウレタン樹脂と溶媒からなるコーティング液を光学基材に塗布し、溶媒を除去した後に湿気硬化型ポリウレタン樹脂を硬化させることで形成される。
上記コーティング液の溶媒としては、湿気硬化型ポリウレタン樹脂が希釈可能な溶媒であれば特に制限されず、市販の溶媒を適宜使用することが可能である。かかる溶媒として具体的に例示すれば、酢酸ブチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、キシレン、メチルエチルケトン、アセト酢酸メチル、トルエン、酢酸エチル等を挙げることができ、これらから選ばれる少なくとも1種の溶媒を使用するのが好適である。
これら溶媒中の湿気硬化型ポリウレタン樹脂の含有量としては、湿気硬化型ポリウレタン樹脂及び上記希釈溶媒の合計重量を基準として5〜80重量%が好ましく、密着性を確保しながら、炭酸ガスの痕跡を低減するには、10〜50重量%の範囲がさらに好ましい。
前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体は、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体のみから成っていてもよいが、表面硬度の向上を目的として微粒子状無機物を含んでいてもよい。微粒子状無機物の具体例としては、二酸化ケイ素等の酸化ケイ素化合物、三酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、二酸化チタン等の酸化チタン化合物、二酸化ジルコニウム等の酸化ジルコニウム化合物、二酸化スズ等の酸化スズ化合物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン化合物等が挙げられる。上記微粒子状無機物の平均粒子径は、約1〜300nmのものを用いることが好ましく、さらに約1〜200nmのものを用いることが好ましい。該微粒子状無機物の含有量は特に限定されないが、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の重量を基準として、30重量%以下、特に10重量%以下であるのが好適である。
さらに、上記湿気硬化型ポリウレタン樹脂に、塗膜の平滑性を向上させるという理由からレベリング剤を含有してもよい。レベリング剤としては、公知のものが何ら制限なく使用できるが、好適なものを例示すれば、シリコーン系、フッ素系、アクリル系、ビニル系等を挙げることができる。該レベリング剤の使用量は湿気硬化型ポリウレタン樹脂の重量を基準として、0.05〜15重量%、特に0.1〜10重量%であるのが好適である。
また、硬化に際して、硬化促進、低温硬化等を可能とする目的で各種の硬化剤が含まれていても何ら問題はない。好適に使用される硬化剤としては、各種エポキシ樹脂硬化剤、あるいは、各種有機ケイ素樹脂硬化剤等が知られている。これらの硬化剤の具体例としては、各種の有機酸及びそれらの酸無水物、三級アミン化合物等の窒素含有有機化合物、有機錫化合物、有機亜鉛化合物等の各種金属錯化合物あるいは金属アルコキシド、さらにアルカリ金属の有機カルボン酸塩、炭酸塩等の各種塩が挙げられる。これら硬化剤の添加量としては、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の重量を基準として0.1〜5重量%、特に0.5〜2重量%であるのが好適である。
(水分散ポリウレタン樹脂層)
本発明において、水分散ポリウレタン樹脂層は、水又は、水に対する親和性が高い有機溶媒と水との混合物からなる溶媒中に水分散ポリウレタン樹脂をエマルジョン、ディスパージョン、又はコロイダル分散液状に分散させた分散液を光学基材に塗布し、次いで溶媒を乾燥させて得られるポリウレタン樹脂層である。
上記分散液が水に対する親和性が高い有機溶媒と水との混合物からなる場合における該有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどのグリコール類;そのエーテル類;N−メチルピロリドン;ジメチルスルホキシド;及びメトキシプロピルアセテートなどが使用できる。これら有機溶媒の含有量は、有機溶媒と水分散ポリウレタン樹脂との合計質量を基準として、通常0.1〜50質量%であるが、密着性や外観を保つためには、1〜10質量%であるのが好ましい。
上記本発明における水分散ポリウレタン樹脂とは、ポリウレタン樹脂骨格に水分散性の機能付与のためにアニオン性基を有する化合物である。アニオン性基として具体的には、カルボキシル基、スルホニル基、リン酸基、スルホベタイン等のべタイン構造含有基等のアニオン性基等が挙げられる。
上記水分散ポリウレタン樹脂の分子量は、数平均分子量で5,000〜5,000,000であるのが好ましく、得られるプライマー層とフォトクロミックコート層との接合強度の観点から、10,000〜200,000であるのが特に好適である。また、形成されるプライマー層の接着性が優れ応力緩和機能も高いという理由から、ウレタン樹脂のガラス転移点(Tg)は、0〜100℃、特に20〜90℃であるのが好ましい。Tgは、例えば、水分散ポリウレタン樹脂のエマルジョンを塗布してから乾燥して得られる試料から容易に測定できる。
上記水分散ポリウレタン樹脂は、活性水素基含有成分とポリイソシアネート成分とをワンショット法やプレポリマー法等で反応させることにより得ることができる。活性水素基含有成分とは、ポリオール化合物、アニオン性基活性水素基併有化合物、活性水素基含有アクリレート化合物、及びアルコキシシリル基含有ポリアミン化合物から選ばれる少なくとも1種以上を含む成分である。
本発明における水分散ポリウレタン樹脂の原料として好適に使用されるポリオール化合物は、1分子中に2個以上のヒドロキシ基を含有する化合物である。かかるポリオール化合物として具体的には、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類;ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール類;ポリ(ジエチレンアジペート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチレンアジペート)等のポリ(アルキレンアジペート)類;ポリ−ε−カプロラクトン、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール等のポリカプロラクトンポリオール類;ポリ(1,4−ブタジエン)グリコール、ポリ(1,2−ブタジエン)グリコール等のポリブタジエングリコール類;ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)等のポリ(アルキレンカーボネート)類;ポリエステルポリオール類;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の1分子中に3個以上のヒドロキシ基を含有するポリオール類;シリコーンポリオール等が挙げられる。これらのポリオール化合物は単独で用いることも、或いは2種以上のポリオール化合物を組み合わせて用いることも可能である。
本発明における水分散ポリウレタン樹脂の原料として好適に使用されるアニオン性基活性水素基併有化合物として具体的には、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等のジヒドロキシルカルボン酸;リジン、アルギニン等のジアミノカルボン酸等が挙げられる。
水分散ウレタン樹脂の原料である活性水素基含有アクリレート化合物は、分子内に1個以上のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物であって、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2−ジヒドロキシメチルブチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシアルキルマレエート、ポリヒドロキシアルキルフマレート等が挙げられる。
本発明における水分散ポリウレタン樹脂の原料として好適に使用されるアルコキシシリル基含有ポリアミン化合物としては、第1級アミノ基及び第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物が挙げられ、具体的には、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジエトキシシラン、N,N’−ビス〔α−(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン等が挙げられる。
また、本発明における水分散ポリウレタン樹脂の原料として好適に使用されるポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物である。かかるポリイソシアネート化合物として具体的には、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、オクタメチレン−1,8−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、2,4−メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2,6−メチルシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物、ヘキサヒドロトルエン−2,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,3−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,4−ジイソシアネート、1,9−ジイソシアナト−5−メチルノナン、1,1−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2−イソシアナト−4−[(4−イソシアナトシクロヘキシル)メチル]−1−メチルシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)シクロヘキシルイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;フェニルシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)の異性体混合物、トルエン−2,3−ジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、フェニレン−1,3−ジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−ジイソシアナトメチルベンゼン、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメトキシ(1,1’−ビフェニル)、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、1,2−ジイソシアナトベンゼン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)−2,3,5,6−テトラクロロベンゼン、2−ドデシル−1,3−ジイソシアナトベンゼン、1−イソシアナト−4−[(2−イソシアナトシクロヘキシル)メチル]2−メチルベンゼン、1−イソシアナト−3−[(4−イソシアナトフェニル)メチル)−2−メチルベンゼン、4−[(2−イソシアナトフェニル)オキシ]フェニルイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;上記ポリイソシアネート化合物の多量体(例えば、二量体、三量体等);ポリイソシアネート化合物の多量体と水との反応により生成するビウレット変性体;ポリイソシアネート化合物の多量体とアルコール又は後述する低分子量ポリオールとの反応により生成するアロファネート変性体やポリオール変性体;ポリイソシアネート化合物の多量体と炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオン変性体、及びこれら変性体の多量体等も、本発明の水分散ポリウレタン樹脂の原料として用いることが可能である。上記のポリイソシアネート化合物の中でも、耐候性の観点から脂肪族ジイソシアネート化合物及び脂環式ジイソシアネート化合物を使用することが好ましい。これらのポリイソシアネート化合物は単独で用いることも、或いは2種以上のポリイソシアネート化合物を組み合わせて用いることも可能である。
なお、上記水分散ポリウレタン樹脂を製造する際に、鎖伸長剤を使用することもできる。鎖伸長剤として具体的には、アルコキシシリル基含有ポリアミン化合物以外の、他のアミン類、ヒドラジン類を併用することもできる。例えば、そのような他のアミン類としては、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジアミン)、4,’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等のジアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン類等が挙げられる。
このような本発明の水分散ポリウレタン樹脂は、工業的に或いは試薬として入手可能であり、具体的には、第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックスシリーズ」、株式会社トクヤマ製「NJ−321A」、三井化学株式会社製「タケラックWSシリーズ」、日華化学株式会社製「エバファノールシリーズ」、「ネオステッカーシリーズ」等が挙げられる。
本発明において、上記水分散ポリウレタン樹脂を良好に溶解、又は分散させるため、中和剤を使用するのが好ましい。上記中和剤としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン類;N,N−ジメチルエタノールアミン等のN,N−ジアルキルアルカノールアミン;トリエタノールアミン等のトリアルカノールアミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、トリメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
また、本発明における水分散ポリウレタン樹脂の分散液中の水分散ポリウレタン樹脂の平均粒径は、分散液の粘度が高くなることを防ぎ、また、得られる塗膜の平滑性を保ち、分散液の安定性及び貯蔵安定性を良好に保つために、5〜250nm、特に10〜200nmであることが好ましい。
本発明における水分散ポリウレタン樹脂の分散液において、その固形分の量は、特に限定されるものではないが、分散液の塗工性を良好にするためには10〜70重量%であることが好ましく、さらに20〜50重量%であることがより好ましい。
また、上記水分散ポリウレタン樹脂の分散液には、光学基材に対するプライマー組成物の濡れ性を向上させる目的でさらに乳化剤を含有させることも可能である。かかる乳化剤としては、ノニオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤等が挙げられる。乳化剤の添加量としては、必要に応じて任意の量を使用することができるが、前記水分散ポリウレタン樹脂に対して、0.01〜10重量%添加することが好ましい。
(プライマーコート層の製造方法)
本発明におけるプライマーコート層は、前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層及び水分散ポリウレタン樹脂層を積層させることで製造される。上記プライマーコート層の厚さは特に限定されず、該プライマーコート層を製造する装置、方法に応じて適宜決定すればよい。良好な光学特性を有する点、プライマーコート層と、プライマーコート層上に形成されるフォトクロミックコート層との密着性(接着性)の観点から、プライマーコート層合計で1〜30μm、特に2〜15μmであるのが好適である。
また、各々の層の厚さについても特に制限されず、プライマーコート層を製造する装置、方法に応じて適宜決定すればよい。前記のとおり、湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、塗布後大気中の水分で硬化する際に、炭酸ガスを放出する。従って、生成する炭酸ガスを速やかに系外に放出することで炭酸ガスの抜けた跡を低減させるという点で、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層の厚さは薄い方が好ましい。さらに、上記光学特性、及び密着性の観点から、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層の厚さは、0.1〜10μm、特に1〜7μmであるのが好適である。
一方、水分散ポリウレタン樹脂層が厚くなると、表面硬度が低下する傾向があるため、水分散ポリウレタン樹脂層は0.1〜10μm、特に0.5〜5μmであるのが好適である。
前述したとおり、本発明において、プライマーコート層として、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層と水分散ポリウレタン樹脂層を光学基材上に積層する順番は特に制限されず、光学基材に湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層を最初に積層することも可能であるし、逆に光学基材に水分散ポリウレタン樹脂層を最初に積層することも可能である。
プライマーコート層を形成する各層について単独で比較した場合、フォトクロミック積層体の表面硬度は、水分散ポリウレタン樹脂層よりも湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層の方が高い傾向があり、また、プライマーコート層上でのフォトクロミック硬化性組成物の濡れ性は湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層よりも水分散ポリウレタン樹脂層のほうが高い傾向がある。このため、光学基材に対して湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層を積層し、次いで水分散ポリウレタン樹脂層を積層させると、水分散ポリウレタン樹脂層がフォトクロミックコート層と湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層との接着層的に作用し、フォトクロミック積層体の密着安定性に優れる点、及びクラック等の外観不良の発生が少ない点で好ましい。
なお、光学基材がポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂からなる場合には、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層を形成する前に光学基材表面に三次元架橋体層を形成するのが好ましい。この三次元架橋体層は特に限定されないが、好適な例としては所謂ハードコート層を挙げることができる。
本発明の積層体のプライマーコート層を形成させる方法は特に限定されないが、光学基材の少なくとも一方の表面上に前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂のコーティング液を塗布した後に溶媒を除去し、湿気硬化型ポリウレタン樹脂を硬化させたのち、次いで湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層が形成された表面上に水分散ポリウレタン樹脂の分散液を塗布した後に乾燥を行い分散媒等の液体成分を除去する方法、あるいは、光学基材の少なくとも一方の表面上に水分散ポリウレタン樹脂の分散液を塗布した後に乾燥を行い分散媒等の液体成分を除去し、次いで水分散ポリウレタン樹脂層が形成された表面上に湿気硬化型ポリウレタン樹脂のコーティング液を塗布した後に溶媒を除去し、湿気硬化型ポリウレタン樹脂を硬化させる方法等が好適に採用される。
光学基材の表面上に湿気硬化型ポリウレタン樹脂のコーティング液又は水分散ポリウレタン樹脂の分散液(以下、これらを「コーティング液」と総称することもある)を塗布する方法は特に限定されず、ディッピング、スピンコーティング、ディップスピンコーティング等の方法が挙げられるが、スピンコーティングする塗布法を採用するのが外観の良好な塗膜が得られやすいため好ましい。スピンコーティング法によりコーティング液の塗布を行う場合には、容器内に保持されたコーティング液をノズルから流出させて光学基板材表面に滴下した後に、光学基材を高速回転させて滴下されたコーティング液を遠心力により基材表面全体に広げると共に、余剰のコーティング液を飛散させて除去すればよい。このとき、良好な外観を得るためには、光学基板を低速で回転させながら、光学基板の中心から半径方向外側に向かってノズルを直線的に移動させながら、滴下されたコーティング液が螺旋を描くようにしてコーティング液を滴下し、滴下が終了してから基材を高速回転させることが好ましい。
前記のとおり、湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、大気中の水分との接触によってカルバミン酸を生じ、次いで脱炭酸してアミンを生成し、該アミンと残存イソシアネート基が反応して尿素結合を生じることにより架橋硬化する。そこで、塗布終了後直ちに加熱することで、溶媒を除去するとともに脱炭酸反応及び尿素結合形成を行うことにより、硬化させることができ、好ましい。このときの加熱温度は特に限定されないが、加熱による基材の変形や変色を防止するという観点から、湿度10%〜70%、室温〜130℃、特に80〜120℃の範囲であるのが好適である。硬化時間は特に限定されないが通常10分〜3時間の範囲である。
水分散ポリウレタン樹脂の分散液塗布後の乾燥条件は特に限定されるものではなく、例えば70〜150℃の範囲で加熱乾燥することも可能である。しかしながら、外観が良好な塗膜が得やすく、強固な密着性が発現するという理由から15〜30℃で5分以上、好ましくは15分程乾燥させるのが好ましい。
なお、コーティング液をプラスチックレンズ基材等の光学基材に施用するに際しては、その施用前に、密着性を向上させる目的で基材の前処理を行なうことが好ましい。前処理としては、有機溶剤による脱脂処理、塩基性水溶液又は酸性水溶液による化学的処理、研磨剤を用いた研磨処理、大気圧プラズマ或いは低圧プラズマ等を用いたプラズマ処理、コロナ放電処理、火炎処理またはUVオゾン処理等を挙げることができるが、光学基材とプライマー層の密着性の観点から、有機溶剤による脱脂処理、アルカリ処理、プラズマ処理、又はコロナ放電処理、或いはこれらを組合せた処理を行なうのが好適である。
このようにして製造された本発明の積層体は、それ自体をレンズ等の光学物品として使用することもできるが、本発明においては更に上記プライマーコート層上にフォトクロミックコート層を積層することによりフォトクロミック性レンズ等のフォトクロミック性光学物品とする。
(フォトクロミック硬化性組成物)
本発明におけるフォトクロミック硬化性組成物は、本発明のプライマーコート層を光学基材上に積層させた後、さらにその上に塗布されるものである。フォトクロミック硬化性組成物は、フォトクロミック化合物、(メタ)アクリルモノマー及び重合開始剤を含んでなる。このようなフォトクロミック硬化性組成物としては、従来のコーティング法で使用可能なフォトクロミック硬化性組成物が特に限定なく使用できる。しかしながら、フォトクロミック特性、光学特性及びフォトクロミック層の耐溶剤性、表面硬度、及び密着性の観点から、国際公開第03/011967号パンフレット、国際公開第04/050775号パンフレット、国際公開第05/014717号パンフレット、国際公開2011/125956号パンフレット、国際公開2013/008825号パンフレット、特開2013−072000号公報、特願2013−155220号公報、特願2013−155590号公報等に記載されているフォトクロミック硬化性組成物を使用するのが好適である。
本発明におけるフォトクロミック硬化性組成物で使用される成分としては、公知の(メタ)アクリルモノマーを特に制限なく使用することが出来る。具体的には、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、平均分子量628の2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン、平均分子量804の2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン、平均分子量776の2,2−ビス(4−アクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン、平均分子量468のメトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエチレングリコールジメタクリレート、ペンタプロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ペンタプロピレングリコールジアクリレート、平均分子量330のポリエチレングリコールジメタクリレート、平均分子量536のポリエチレングリコールジメタクリレート、平均分子量736のポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、平均分子量536のポリプロピレングリコールジメタクリレート、平均分子量258のポリエチレングリコールジアクリレート、平均分子量308のポリエチレングリコールジアクリレート、平均分子量508のポリエチレングリコールジアクリレート、平均分子量708のポリエチレングリコールジアクリレート、ポリカーボネートジオールと(メタ)アクリル酸との反応生成物であるポリカーボネートジ(メタ)アクリレート、ウレタンオリゴマーテトラアクリレート、ウレタンオリゴマーヘキサメタクリレート、ウレタンオリゴマーヘキサアクリレート等の多官能性ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート等の多官能ポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル基を有し、かつケージ状、ハシゴ状、ランダムといった種々の構造を有するシルセスキオキサンモノマー、2−イソシアナトエチルメタクリレート、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等を挙げることができる。
これらの中でも、クラック等の外観不良を生じず、高い表面硬度を有するフォトクロミックコート層を得るためには、特願2013−155590号公報、及び特願2013−155220号公報等に記載されているフォトクロミック硬化性組成物を採用することが好適である。
すなわち、1)ポリカーボネートジ(メタ)アクリレート、及び2)トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、及び3)2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(エチレングリコール鎖の平均鎖長が10であり、平均分子量が804)等のビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレート、を含んでなるフォトクロミック硬化性組成物、もしくは、4)トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、5)2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(エチレングリコール鎖の平均鎖長が10であり、平均分子量が804)等のビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレート、及び6)分子量600〜2000のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び分子量600〜2000のウレタンジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種の長鎖(メタ)アクリルモノマーを含んでなるフォトクロミック硬化性組成物であることが好適である。さらには、1)〜3)の(メタ)アクリレートモノマーの合計を100質量%とした場合には、1)が10〜30質量%、2)が35〜50質量%、3)が10〜65質量%であるフォトクロミック硬化性組成物、もしくは、4)〜6)の(メタ)アクリレートモノマーの合計を100質量%とした場合には、4)が35〜70質量%、5)が10〜40質量%、6)が10〜40質量%であるフォトクロミック硬化性組成物であることがより好適である。
また、本発明のフォトクロミック硬化性組成物には、フォトクロミック化合物として、フォトクロミック作用を示す化合物を採用することができる。例えば、フルギド化合物、クロメン化合物及びスピロオキサジン化合物等のフォトクロミック化合物がよく知られており、本発明においては、これらのフォトクロミック化合物を何ら制限なく使用することができる。これらは、単独使用でもよく、2種類以上を併用しても構わない。前記のフルギド化合物、クロメン化合物、及びスピロオキサジン化合物としては、例えば特開平2−28154号公報、特開昭62−288830号公報、WO94/22850号パンフレット、WO96/14596号パンフレット等に記載されている化合物が挙げられる。
また、優れたフォトクロミック性を有する化合物として本発明者等が新たに見出した化合物、例えば特開2001−114775、特開2001−031670、特開2001−011067、特開2001−011066、特開2000−347346、特開2000−344762、特開2000−344761、特開2000−327676、特開2000−327675、特開2000−256347、特開2000−229976、特開2000−229975、特開2000−229974、特開2000−229973、特開2000−229972、特開2000−219687、特開2000−219686、特開2000−219685、特開平11−322739、特開平11−286484、特開平11−279171、特開平10−298176、特開平09−218301、特開平09−124645、特開平08−295690、特開平08−176139、特開平08−157467の各公報、米国特許5645767号、米国特許5658501号、米国特許5961892号、米国特許6296785号の各特許明細書、日本国特許第4424981号公報、日本国特許第4424962号公報、WO2009/136668号パンフレット、WO2008/023828号パンフレット、日本国特許第4369754号、日本国特許第4301621号、日本国特許第4256985号の各公報、WO2007/086532号パンフレット、特開平2009−120536、特開2009−67754、特開2009−67680、特開2009−57300の各公報、日本国特許4195615号、日本国特許4158881号、日本国特許4157245号、日本国特許4157239号、日本国特許4157227号、日本国特許4118458号の各公報、特開2008−74832公報、日本国特許3982770号公報、日本国特許3801386号公報、WO2005/028465号パンフレット、WO2003/042203号パンフレット、特開2005−289812、特開2005−289870、特開2005−112772の各公報、日本国特許3522189号公報、WO2002/090342号パンフレット、日本国特許第3471073号公報、特開2003−277381公報、WO2001/060811号、WO2000/071544号、WO2005/028465号、WO2011/16582号、WO2011/034202号、WO2012/121414号、WO2013/042800号の各パンフレット等に開示されている化合物を好適に用いることができる。
これらのフォトクロミック化合物の中でも、発色濃度、初期着色、耐久性、退色速度等のフォトクロミック特性の観点から、インデノ〔2,1−f〕ナフト〔1,2−b〕ピラン骨格を有するクロメン化合物を1種類以上用いることがより好ましい。さらにこれらのクロメン化合物中でもその分子量が540以上の化合物は、発色濃度及び退色速度に特に優れるため好適である。
フォトクロミック化合物の使用量は、特に制限されないが、(メタ)アクリルモノマーの合計100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、さらに1〜10質量部であることがより好ましい。
また、重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、(メタ)アクリルモノマーの合計100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは0.01〜5質量部の範囲である。
後述するスピンコーティング法により、フォトクロミック硬化性組成物を塗布する際には、均一な厚さのフォトクロミックコート層を得易いという理由から、フォトクロミック硬化性組成物の25℃における粘度は、50〜1,000cP、特に100〜500cPの範囲に調整することが好ましい。
本発明におけるフォトクロミック硬化性組成物には、前述の成分以外にも、例えば、界面活性剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料等の各種安定剤、添加剤を必要に応じて混合することができる。
界面活性剤としては、シリコーン鎖(ポリアルキルシロキサンユニット)を疎水基とするシリコーン系の界面活性剤、またフッ化炭素鎖を有するフッ素系の界面活性剤等の、公知の界面活性剤が何ら制限なく使用できる。界面活性剤を添加することにより、本発明のフォトクロミック硬化性組成物を用いた時のフォトクロミックコート層のフォトクロミック特性や密着性に悪影響を与えることなくプライマーに対する濡れ性を向上させると共に外観不良発生の防止することが可能となる。
本発明で好適に使用できるシリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を具体的に例示すると、東レ・ダウコーニング株式会社製『L−7001』、『L−7002』、『L−7604』、『FZ−2123』、大日本インキ化学工業株式会社製『メガファックF−470』、『メガファックF−1405』、『メガファックF−479』、住友スリーエム社製『フローラッドFC−430』等を挙げることができる。界面活性剤の使用に当たっては、2種以上を混合して使用しても良い。
界面活性剤の使用量は、特に制限されるものではないが、上記(メタ)アクリルモノマーの合計100質量部に対して、0.001〜1質量部である。
特に、フォトクロミック硬化性組成物に紫外線安定剤を混合して使用するとフォトクロミック化合物の耐久性をさらに向上させることができるために好適である。紫外線安定剤としては、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェノール酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等を好適に使用することができる。紫外線安定剤の好適な例を具体的に例示すれば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、旭電化工業(株)製アデカスタブLA−52、LA−57、LA−62、LA−63、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル−フェノール、2,6−エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製のIRGANOX1010、1035、1075、1098、1135、1141、1222、1330、1425、1520、259、3114、3790、5057、565等を挙げることができる。この紫外線安定剤の使用量は特に制限されるものではないが、前述の(メタ)アクリルモノマーの合計100質量部に対して、各紫外線安定剤の配合量が0.1〜10質量部である。これらの紫外線安定剤は、2種類以上を混合して用いてもよい。
(光学基材)
本発明で使用する光学基材としては、光透過性を有する基材であれば特に限定されず、ガラス及びプラスチックレンズ、家屋や自動車の窓ガラス等公知の光学基材が挙げられるが、プラスチックレンズを用いるのが特に好適である。
プラスチックレンズとしては、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂レンズ;多官能(メタ)アクリル系樹脂、アリル系樹脂、チオウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂及びチオエポキシ系樹脂等の架橋性樹脂レンズ等、現在プラスチックレンズとして使用されている公知のものが使用できる。
本発明におけるプライマーコート層は、これらプラスチックレンズに対して優れた密着性を有する。また、該プライマーコート層を上記プラスチックレンズ上に積層後、さらにその上層にフォトクロミック硬化性組成物を積層した場合には、優れた密着性だけではなく、表面硬度にも優れる。
本発明で使用する光学基材の形状は、特に制限されるものではなく、公知の形状のものに適用できる。光学基材は、使用する人の視力、光学基材成型時のガラスモールド形状、及び生産性等に応じて、様々な形状を有している。例えば、近視用レンズとしての中心が薄く、コバに厚みを有するマイナスレンズであり、遠視用レンズとしての中心が厚く、コバが薄いプラスレンズである。更には、光学基材を成型する際のモールド等に依存し、光学基材の上面外縁近傍が外周へ向かって下面方向へ傾斜している形状を有する場合もある(以下、コバ部のこの形状を単に「斜角形状」ともいう。)。
本発明におけるプライマーコート層は、上記いずれの光学基材へも適用可能である。本発明者等の検討によれば、従来のプライマー組成物では特に、マイナスレンズ、プラスレンズ、コバ部が斜角形状のレンズに対して、プライマーコート層、さらにフォトクロミックコート層を形成した場合、クラックが発生し易い傾向があったが、本発明のプライマーコート層を用いることにより、フォトクロミック積層体に生じるクラックを抑制することが可能である。その中でも、基材の種類によっても異なるが、クラックが生じやすい、例えば、アリルジグリコールカーボネートからなるアリル系樹脂を用いた、+5.00以上のプラスレンズ、及び−3.00以下のマイナスレンズを用いてフォトクロミック積層体を形成しても、クラック等の外観不良を抑制することが出来る(以下、このプラスレンズ、及びマイナスレンズをまとめて「強度数レンズ」ともいう。)。
なお、この強度数レンズの厚みは、プラスレンズの場合には中心部が5〜30mm、コバ部が1〜5mmであり、マイナスレンズの場合には中心部が1〜15mm、コバ部が5〜25mmである。また、斜角形状を有するレンズを用いてフォトクロミック積層体を形成しても、クラック等の外観不良を抑制することが出来る。斜角形状を有するレンズとしては、斜角形状部の幅が0.1〜2.0mm、コバ面に対する角度が30〜60°である。厚みは特に制限されるものではないが、1〜30mmである。
(フォトクロミックコート層の製造方法)
プライマーコート層上にフォトクロミックコーティング剤を施用する場合、前述したコーティング液を光学基材に施用するに際と同じ前処理を必要に応じて行った後に、これらコーティング剤を塗布し、これを硬化させればよい。この際の塗布方法は特に限定されず公知の被覆(コーティング)方法がなんら制限なく適用できる。具体的には、該組成物をスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、ディップ−スピンコーティング等の方法で塗布する方法が例示される。これら塗布方法の中でも膜厚の制御が容易で、外観の良好な塗膜が得られるという理由から、スピンコーティングを採用するのが好ましい。
このような方法により塗布されるフォトクロミックコーティング剤層の厚さ(硬化後のコート層の厚さに対応する)は特に限定されないが、フォトクロミックコーティング剤中のフォトクロミック化合物濃度が低くても充分な発色濃度が得られ、またフォトクロミック特性の耐久性も良好である点から、コーティング剤層の厚さは比較的厚い方が好ましく、硬化後のフォトクロミックコート層の厚さが10〜100μm、特に20〜50μmとなるような厚さであるのが好ましい。このような厚めのコーティング剤層の厚さとするためには、フォトクロミックコーティング剤の25℃における粘度を20〜1000cP、特に50〜800cP、さらには70〜500cPとするのが好適である。
また、フォトクロミックコーティング剤層の硬化方法としては、使用するラジカル重合開始剤の種類に応じて光硬化法、あるいは熱硬化法が適宜採用される。得られるフォトクロミックコート層の物性及び外観等の観点から、光重合開始剤を用いて光照射により硬化させた後、加熱して重合を完結させる方法を採用するのが好適である。この際に、熱重合開始剤を併用しても構わない。このとき、光硬化に使用される光源としては、光重合開始剤による硬化が可能である発光波長を有する光源であれば良く、具体的にはメタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、殺菌ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、タングステンランプ等の有電極ランプ、または無電極ランプ等を用いることができる。また、光源として電子線を用いてもよく、この場合には光重合開始剤を添加せずにフォトクロミックコーティング剤層を硬化させることもできる。また、熱硬化法としては、重合炉中で熱を施して熱重合させる方法、または重合炉中で赤外線を照射して重合硬化させる方法等を挙げることができる。
このようにして作成した該組成物の硬化体からなるフォトクロミックコート層が形成された光学材料はそのままでも使用することが可能であるが、より好ましくはさらにハードコート層でフォトクロミックコート層表面を被覆することが好ましい。ハードコート層で被覆することにより、該光学材料の耐擦傷性を向上させることができる。当該ハードコート層としては公知のものがなんら制限なく使用でき、シランカップリング剤やケイ素、ジルコニウム、アンチモン、アルミニウム等の酸化物のゾルを主成分とするハードコート用コーティング剤を塗布後硬化させたものや、有機高分子体を主成分とするハードコート用コーティング剤を塗布後硬化させたものが挙げられる。該組成物中にシリルモノマーを採用することにより、より強固にまた簡便に十分な密着性を得ることができる。
また、さらに必要に応じてハードコート層上に、SiO、TiO、ZrO等の金属酸化物から成る薄膜の蒸着や有機高分子体の薄膜の塗布等による反射防止処理、帯電防止処理等の加工及び2次処理を施すことも勿論可能である。
なお、本発明によって製造したフォトクロミック積層体の積層形態は、断面観察で界面を観察することにより確認することができる。湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層とフォトクロミックコート層は一体化してしまうため、この2層の界面は確認できないが、光学基材/湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層、光学基材/水分散ポリウレタン樹脂層、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層/水分散ポリウレタン樹脂層の界面は断面観察により観察可能である。なお、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層/フォトクロミックコート層の界面は深さ方向に対してラマン分析を行なえば、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層に含有されるウレタンとフォトクロミックコート層に含有されるアクリル基を確認することで確認可能である。
次に、実施例及び比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(A:湿気硬化型ポリウレタン樹脂のコーティング液)
いずれも湿気硬化型ポリウレタン樹脂と酢酸ブチルとを重量比で1:1となるように調合し、窒素雰囲気下で均一になるまで充分に撹拌した。
A1;株式会社トクヤマ製「TR−SC−P」(イソシアネート基含有量:1.3質量%、粘度:4mPa・s)
A2;三井化学株式会社製「タケネートM−402P」(イソシアネート基含有量:5.4質量%、粘度:<50mPa・s)
A3;三井化学株式会社製「タケネートM−631N」(イソシアネート基含有量:4.2質量%、粘度:60mPa・s)
なお、上記湿気硬化型ポリウレタン樹脂中のイソシアネート基含有量はアミンを用いた逆滴定によって求めた。具体的な操作を以下に示す。
N−ブチルアミン12.47gを脱水ジオキサン500mLに溶解させ、アミン標準溶液を調製した。次いで、アミン標準溶液10mLを脱水ジオキサン30mLで希釈し、0.1M硫酸でブロモクレゾールグリーンを指示薬として用いて中和滴定を行ないアミン標準溶液の滴定を行なった。この際、中和に要した0.1M硫酸の使用量をVmLとした。続いて、湿気硬化型ポリウレタン樹脂5gを、脱水ジオキサン30mlで希釈し、N−ブチルアミン/脱水ジオキサン溶液を加えて反応させたのち、アミン標準溶液と同様に中和滴定を行った。この際、中和に要した0.1M硫酸の使用量をVmLとした。湿気硬化型ポリウレタン樹脂のイソシアネート基含有量は、以下の計算式で求めた。
イソシアネート基含有量(質量%)=[{42.0×(2×f×0.1×(V−V)/1000)}/5]×100
(fは0.1M硫酸の力価であり、通常1である。また、42.0はイソシアネート基に分子量である。)
(B:水分散ポリウレタン樹脂の分散液)
B1;株式会社トクヤマ製『NJ−321A』ディスパージョン(カルボキシル基含有、固形分濃度:35%、分散媒:水)
B2;第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス420」ディスパージョン(固形分濃度:32%、分散媒:水)
(フォトクロミック硬化性組成物)
((メタ)アクリルモノマー)
TMPT;トリメチロールプロパントリメタクリレート。
D−TMP;ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート。
BPE500;2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(エチレングリコール鎖の平均鎖長が10であり、平均分子量が804)。
14G;ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレングリコール鎖の平均鎖長が14であり、平均分子量が736)。
GMA ;グリシジルメタアクリレート。
MA1;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン。
MA2;シルセスキオキサンモノマー。
MA3;ポリカーボネートポリオールジアクリレートモノマー
(MA2の合成)
3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート248g(1.0mol)にエタノール248ml及び水54g(3.0mol)を加え、触媒として水酸化ナトリウム0.20g(0.005mol)を添加し、30℃で3時間反応させた。原料の消失を確認後、希塩酸で中和し、トルエン174ml、ヘプタン174ml、及び水174gを添加し、水層を除去した。その後、水層が中性になるまで有機層を水洗し、溶媒を濃縮することによってシルセスキオキサンモノマー(MA2)を得た。なお、H−NMRより、原料は完全に消費されていることを確認した。また、29Si−NMRより、ケージ状構造、ラダー状構造及びランダム構造の混合物であることを確認した。
シルセスキオキサンモノマー(MA2)の分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)により測定したところ、重量平均分子量が4800であった。
(MA3の合成)
ヘキサメチレングリコール(50mol%)とペンタメチレングリコール(50mol%)とのホスゲン化で得られるポリカーボネートジオール(数平均分子量1000)600g(0.6mol)に、アクリル酸108g(2.5mol)、ベンゼン300g、p−トルエンスルホン酸11g(0.06mol)、p−メトキシフェノール0.3g(700ppm(ポリカーボネートジオールに対して))を加え還流下反応させた。反応により生成する水は、溶媒と共沸させ、水のみ分離器で系外に取り除き、溶媒は反応容器に戻した。反応の転化率は反応系中から取り除いた水分量で確認し、水分量を21.6g反応系中から取り除いたのを確認し、反応を停止させた。その後、ベンゼン600gに溶解し、5%炭酸水素ナトリウムで中和した後、20%食塩水300gで5回洗浄し、透明液体であるMA3を430g得た。
(フォトクロミック化合物)
Figure 2015074199
Figure 2015074199
Figure 2015074199

(紫外線安定剤)
HALS:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(分子量508)。
HP:エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、Irganox245)。
(フォトクロミック硬化性組成物(F1)の調製)
TMPT 20質量部、D−TMP 30質量部、BPE500 30質量部、14G 17質量部、MA1 3質量部、PC1 1.2質量部、PC2 0.4質量部、PC3 1.2質量部、HALS 3質量部、HP 3質量部、光重合開始剤としてフェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド(BASF社製『Irgacure819』)0.3質量部、レベリング剤として東レ・ダウコーニング株式会社製L7001 0.1質量部を加え、70℃で15分間撹拌混合し、フォトクロミック硬化性組成物(F1)を得た。各配合量を表1に示した。
(フォトクロミック硬化性組成物(F2)の調製)
表1に示した材料を用いた以外は、前記フォトクロミック硬化性組成物(F1)と同様の方法にて、フォトクロミック硬化性組成物(F2)を調製した。組成を表1に示す。
Figure 2015074199
実施例1
(プライマーコート層の形成)
光学基材として厚さ2.0mmのMR−8(チオウレタン樹脂プラスチックレンズ;屈折率=1.60)を用いた。この光学基材をアセトンで十分に脱脂し、50℃の10質量%水酸化ナトリウム水溶液に10分浸漬した後、温水で十分洗浄し、70℃の乾燥機で30分乾燥した。湿気硬化型ポリウレタン樹脂のコーティング液として、A1を使用し、MIKASA製スピンコーター1H−DX2を用いて、スピンコートした。これを恒温器を用いて110℃、1時間で硬化した。
湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体層がコーティングされた上に、水分散ポリウレタン樹脂の分散液としてB1を、MIKASA製スピンコーター1H−DX2を用いて、スピンコートした後、室温で20分自然乾燥を行った。
(フォトクロミックコート層の形成)
次に別途調製したフォトクロミック硬化性組成物F1約2gをMIKASA製スピンコーター1H−DX2を用いて、先程乾燥させた光学基材の表面にスピンコートした。このとき、塗膜の厚さは、スピンコートの条件を調整することにより硬化後に得られるフォトクロミックコート層の膜厚が40±1μmとなるような厚さとした。スピンコートにおいて、フォトクロミックコーティング剤施用性を評価したところ、フォトクロミックコーティング剤はプライマー層に対して濡れ性が良く、容易に均―に塗布することができ、評価は、Aであった。なお、フォトクロミックコーティング剤施用性の評価基準は以下の通りである。
A:濡れ性がよく、組成物は基材に均一に塗布できる。
B:濡れ性がやや悪いが、組成物は基材に対しては均一に塗布できる。
C:濡れ性が悪く、組成物が基材の縁部分ではじきが見られる。
D:濡れ性が悪く、組成物が基材の中心部ではじきが見られる。
次に、前記フォトクロミック硬化性組成物の塗膜により表面がコートされた光学基材に、窒素ガス雰囲気中で、レンズ基材表面の405nmにおける出力が200mW/cmになるように調整したフュージョンUVシステムズ社製のDバルブを搭載したF3000SQを用いて、90秒間、光照射し、塗膜を硬化させた。その後、さらに100℃の恒温器にて、1時間の加熱処理を行うことでフォトクロミック積層体を得た。
(フォトクロミックレンズの評価)
上記方法により得られたフォトクロミック層を有するレンズについて、フォトクロミックコート層の密着性試験を行った。各試験の方法、評価基準、及び評価結果を以下に示す。また、評価結果は表2にて示した。
1)外観評価
外観評価は、フォトクロミック層を有するレンズ基材を反射型CCD顕微鏡にて観察評価した。評価基準を以下に示す。
A:均一であり外観不良は全く見られない。
B:ごくわずかに微細な外観不良が見られる。
C:部分的に外観不良が見える。
D:全体的に外観不良が見える、または基材に影響が見える。
2)フォトクロミック特性
得られたフォトクロミック積層体(フォトクロミック層の厚み40μm)を試料とし、これに、浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100をエアロマスフィルター(コーニング社製)を介して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm、245nm=24μW/cmで120秒間照射して発色させ、前記積層体のフォトクロミック特性を測定した。各フォトクロミック特性は以下の方法で評価した。
・最大吸収波長(λmax):(株)大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD1000)により求めた発色後の最大吸収波長である。該最大吸収波長は、発色時の色調に関係する。
・発色濃度{ε(120)−ε(0)}:前記最大吸収波長における、120秒間光照射した後の吸光度{ε(120)}と光照射前の吸光度{ε(0)}との差。この値が高いほどフォトクロミック性が優れているといえる。また屋外で発色させたとき発色色調を目視により評価した。
・退色速度〔t1/2(sec.)〕:120秒間光照射後、光の照射を止めたときに、試料の前記最大波長における吸光度が{ε(120)−ε(0)}の1/2まで低下するのに要する時間。この時間が短いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
3)密着性
密着性は、JISD−0202に準じてクロスカットテープ試験によって行った。即ち、カッターナイフを使い、得られたフォトクロミック積層体のフォトクロミック層の表面に約1mm間隔に切れ目を入れ、マス目を100個形成させる。その上にセロファン粘着テープ(ニチバン(株)製セロテープ(登録商標))を強く貼り付け、次いで、表面から90°方向へ一気に引っ張り剥離した後、フォトクロミック層が残っているマス目を評価した。
4)煮沸密着性
沸騰した蒸留水中に、試験片であるフォトクロミック積層体を浸漬した後、1時間毎にフォトクロミック積層体を取り出し、水滴を拭き取り、室温で1時間放置した後に3)と同様にして密着性を評価した。密着性を保持しているフォトクロミック積層体に関しては、煮沸時間が合計5時間になるまで試験を実施した。3)と同様に残っているマス目を測定した。評価結果は、密着性を保持した(95/100以上)試験時間で示した。
5)表面硬度
ビッカース硬度は、マイクロビッカース硬度計PMT-X7A(株式会社マツザワ製)を用いて実施した。圧子には、四角錐型ダイヤモンド圧子を用い、荷重10gf、圧子の保持時間30秒の条件にて評価を実施した。測定結果は、計4回の測定を実施した後、測定誤差の大きい1回目の値を除いた計3回の平均値で示した。
<実施例2〜24>
表2に示した条件でプライマー層の積層を行なった。次いで、実施例1と同様の操作でフォトクロミック層を形成させ、評価を行なった。
Figure 2015074199
<実施例25〜30>
水分散ポリウレタン樹脂層を積層したのち、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体の積層を行なった以外は実施例1〜24と同様の操作でフォトクロミック層を形成させ、評価を行なった。条件は表3に示した。
Figure 2015074199
<比較例1〜4>
表4に示した条件でプライマー層の積層を行なった。次いで、実施例1と同様の操作でフォトクロミック層を形成させ、評価を行なった。
Figure 2015074199

Claims (2)

  1. 光学基材、プライマーコート層、及びフォトクロミックコート層がこの順で積層されたフォトクロミック積層体において、
    前記プライマーコート層が、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体からなる層、及び水分散ポリウレタン樹脂からなる層を含む多層構造を有する層であることを特徴とするフォトクロミック積層体。
  2. 光学基材、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の硬化体からなる層、水分散ポリウレタン樹脂からなる層、及びフォトクロミックコート層がこの順で積層されていることを特徴とする請求項1に記載のフォトクロミック積層体。
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