JP2015072817A - 開閉装置 - Google Patents

開閉装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015072817A
JP2015072817A JP2013208303A JP2013208303A JP2015072817A JP 2015072817 A JP2015072817 A JP 2015072817A JP 2013208303 A JP2013208303 A JP 2013208303A JP 2013208303 A JP2013208303 A JP 2013208303A JP 2015072817 A JP2015072817 A JP 2015072817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact portion
cam
rack gear
link
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013208303A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6189166B2 (ja
Inventor
丸島 敬
Takashi Marushima
敬 丸島
網田 芳明
Yoshiaki Amita
芳明 網田
嵩人 石井
Takahito Ishii
嵩人 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2013208303A priority Critical patent/JP6189166B2/ja
Publication of JP2015072817A publication Critical patent/JP2015072817A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6189166B2 publication Critical patent/JP6189166B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Circuit Breakers (AREA)
  • Driving Mechanisms And Operating Circuits Of Arc-Extinguishing High-Tension Switches (AREA)

Abstract

【課題】遮断動作開始における接触子部同士の動き出しを早くすることで、開極時間を大幅に短縮させることのできる開閉装置を提供する。【解決手段】開閉装置は、可動接触子部20と対向接触子部10を対向配置する。可動接触子部20は、操作ロッド25から駆動力を受けて進退する。対向接触子部10は、操作ロッド25の駆動力を可動接触子部20を介して伝動し、当該対向接触子部10を可動接触子部20の進退とは反対方向に進退させる伝動機構40に連結されている。この伝動機構40は、操作ロッド25による駆動力伝達経路とは別に、補助付勢体による駆動力の補助を受ける。補助付勢体は、対向接触子部10の可動接触子部20へ向けた進行によって蓄勢し、対向接触子部10の可動接触子部20に対する後退によって放勢して伝動機構40を補助する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電力系統の変電所或いは開閉所において電流遮断及び投入を切り換える開閉装置に関する。
開閉装置は、電力系統に生ずる過大な事故電流、進み小電流、リアクトル遮断等の遅れ負荷電流、又は極めて小さな事故電流等を遮断する際に利用される。開閉装置は、例えば、遮断過程で電路を機械的に切り離し、切り離しの過程で発弧したアーク放電を消弧性ガスの吹き付けによって消弧する。
開閉装置の一例を挙げると、現在パッファ型と呼ばれるガス遮断器が広く普及している(例えば、特許文献1参照)。パッファ型ガス遮断器は、消弧性ガスが充填された密閉容器内に、対向アーク接触子及び対向通電接触子を備える対向接触子部と、可動アーク接触子及び可動通電接触子とを備える可動接触子部を対向して配置し、それぞれを操作ロッドによる機械的な駆動力によって接触又は離反させることで電流を導通し又は遮断する。
この開閉装置には、両接触子部の離反に伴って容積が減少し、内部の消弧性ガスが蓄圧される蓄圧空間と、両アーク接触子を取り囲むように配置され、蓄圧空間の消弧性ガスをアークに誘導する絶縁ノズルが設けられている。蓄圧空間は、シリンダとピストンとを組み合わせてなり、接触子の開離に連動してシリンダをピストンに近づけることで容積を減少し、内部の消弧性ガスを蓄圧する。
遮断過程においては、対向アーク接触子と可動アーク接触子が離反することで、両アーク接触子間にアークが発生する。接触子の離反に連動してシリンダが移動し、シリンダとピストンの相互作用により蓄圧空間内で十分蓄圧された消弧性ガスが、絶縁ノズルを介してアーク放電に強力に吹き付けることにより、両アーク接触子の絶縁性能を回復させ、アーク放電が小さくなる電流零点で消弧し、電流の遮断を完了させる。
開閉装置の動力源としては、ばね操作機構が選択されることが多くなっている。ばね操作機構は、メンテナンス性や信頼性に優れるためである。但し、ばね操作機構は、油圧操作機構と比較して駆動エネルギーが低い。そのため、可動接触子部の高速動作を実現するには、可動接触子部の小型化及び軽量化が必須となる。
また、駆動エネルギーを可動接触子部に伝動するのみならず、可動接触子部と対向接触子部との間を伝動機構で連結した開閉装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。この開閉装置によれば、低い駆動エネルギーであっても、対向接触子部にも駆動エネルギーを伝動することで両方の接触子部を共に動作させ、相対的に開離速度を向上させることができる。
伝動機構を用いた開閉装置は概略次の通りである。まず、可動接触子部は、動力源が直接或いは絶縁ロッドを介して押し引きする操作ロッドを備え、動力源から駆動力を受けて動作する。対向接触子部は、カップリング、リンク、カム、及びカムローラを介して可動接触子部と連結され、可動接触子部の移動に従動して動作させる。カムの平面にカムローラが滑動する円弧状に描かれた溝が刻設されている。この溝とカム軸との距離は位置によって連続的に遠方から近傍へと変更される。
カムが回動すると、対向接触子部と固定関係にあるカムローラが溝内を滑動する。カムローラの存在する溝内の位置が変わると、カム軸と対向接触子部との距離は変更される。すなわち、対向接触子部は、カムの回動方向に応じてカム軸に寄ったり離れたりする。リンクとカムとの連結位置を調節しておけば、可動接触子部の開離動作に応じて対向接触子部も開離動作し、可動接触子部が接近動作に応じて対向接触子部も接近動作する。
投入状態では、可動接触子部と対向接触子部はそれぞれ互いに接触している。この時、可動接触子部は投入位置で保持されており、リンクを介して可動接触子部に連結されるカムは回転できない。このため、カムローラも溝内で動きが拘束され、カムローラと固定関係にある対向接触子部も投入位置で保持される。
遮断指令により可動接触子部は遮断方向に移動する。この時、カムはカム軸を回転中心として回転する。カムローラは、カム軸から最も離れた溝位置から近くの溝位置に滑動し、対向接触子部は可動接触子部と逆方向に移動する。
特公平7−109744号公報 特開2002−208336号公報
伝動機構により可動接触子部と対向接触子部の両方を移動させる開閉装置では、低い駆動エネルギーであっても、両方の接触子部の開離速度の向上が実現される。しかしながら、2サイクル遮断が要求される高電圧クラスでは、両接触子部の開離のストローク長が長くなる。そのため、カムローラとカム軸との距離が其のストローク長に合わせて遠くなるように溝が刻設され、カムローラがカム軸と遠い位置にある場合、対向接触子部がカムに与える慣性モーメントが大きくなってしまう。
そうすると、遮断動作開始直後は、この慣性モーメントがカムの初動に大きく影響し、カムの動き出しを遅延させてしまう。すなわち、遮断動作開始直後における対向接触子部の動き出しが鈍くなる。この問題は、遮断指令受信から可動接触子部と対向接触子部の開極時間を遅延させることになり、その結果、2サイクル遮断の実現が困難となる。
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、遮断動作開始における接触子部同士の動き出しを早くすることで、開極時間を大幅に短縮させることのできる開閉装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本実施形態に係る開閉装置は、電流の導通又は遮断を切り替える開閉装置であって、一方側の電路に設けられる第1の接触子部と、他方の電路に設けられ、前記第1の接触子部と対向する第2の接触子部と、前記第1の接触子部に設けられ、前記第1の接触子部を前記第2の接触子部に対して進退させる操作ロッドと、前記操作ロッドの駆動力を前記第1の接触部を介して伝動し、前記第2の接触子部を前記第1の接触子部の進退とは反対方向に進退させる伝動機構と、前記第2の接触子部の前記第1の接触子部へ向けた進行によって蓄勢し、前記第2の接触子部の前記第1の接触子部に対する後退によって放勢して前記伝動機構の駆動を補助する補助付勢体と、を備えること、を特徴とする。
前記伝動機構は、前記第1の接触子部と連結されて、前記第1の接触子部の進退に応じて押し引きされるリンクと、前記リンクと連結されて、前記リンクの押し引きに応じて回動するカムと、前記第2の接触子部に固定され、前記カムに従動して前記第2の接触子部を前記第1の接触子部に対して進退させるカムローラと、を含み、前記補助付勢体は、前記カムに一方のアームが接続され、他方のアームが固定されたねじりバネであり、前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記カムの一方向の回動により復元力を蓄勢し、前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記カムの逆方向の回動により復元力を放勢し、前記カムの前記逆方向の回動を補助するようにしてもよい。
前記伝達機構は、前記第1の接触子部と連結されて、前記第1の接触子部の進退に応じて押し引きされるリンクと、前記リンクと連結されて、前記リンクの押し引きに応じて回動するカムと、前記第2の接触子部に固定され、前記カムに従動して前記第2の接触子部を前記第1の接触子部に対して進退させるカムローラと、を含み、前記補助付勢体は、前記カムのカム軸に巻きつく渦巻きバネであり、前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記カムの一方向の回動により前記カム軸に巻き取られて復元力を蓄勢し、前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記カムの逆方向の回動により前記カム軸に巻き出されて復元力を放勢し、前記カム軸に前記カムを前記逆方向へ回動させるトルクを与えるようにしてもよい。
前記伝達機構は、前記第1の接触子部と連結されて、前記第1の接触子部の進退に応じて押し引きされるリンクと、前記リンクと連結されて、前記リンクの押し引きに応じて回動するカムと、前記第2の接触子部に固定され、前記カムに従動して前記第2の接触子部を前記第1の接触子部に対して進退させるカムローラと、を含み、前記補助付勢体は、前記カムのカム軸に嵌合されるトーションバーであり、前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記カムの回動により捻られて復元力を蓄勢し、前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記カムの回動により捻りが解消されて復元力を放勢し、前記カム軸に前記カムを前記逆方向に回動させるトルクを与えるようにしてもよい。
前記伝達機構は、前記第1の接触子部と連結されて、前記第1の接触子部の進退に応じて押し引きされるリンクと、前記リンクと連結されて、前記リンクの押し引きに応じて回動するカムと、前記第2の接触子部に固定され、前記カムに従動して前記第2の接触子部を前記第1の接触子部に対して進退させるカムローラと、を含み、前記補助付勢体は、前記カムのカム軸に嵌合するスプロケットと、前記スプロケットに掛け渡されるチェーンと、自由端が前記チェーンの一端に固定される圧縮バネと、を含み、前記圧縮バネは、前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記カムの一方向の回動により前記チェーンに引っ張られて復元力を蓄勢し、前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記カムの逆方向の回動により復元力を放勢し、前記チェーンと前記スプロケットを介して前記カム軸に前記カムを前記逆方向に回転させるトルクを与えるようにしてもよい。
前記伝動機構は、前記第1の接触子部に設けられる第1のラックギアと、前記第2の接触子部に設けられる第2のラックギアと、前記第1のラックギアと前記第2のラックギアに挟まれて双方と噛合するピニオンギアと、を含み、前記補助付勢体は、前記ピニオンギアに設けられるねじりバネであり、前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記ピニオンギアの一方向の回動により復元力を蓄勢し、前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記ピニオンギアの逆方向の回動により復元力を放勢し、前記ピニオンギアの前記逆方向の回動を補助するようにしてもよい。
前記伝動機構は、前記第1の接触子部に設けられる第1のラックギアと、前記第2の接触子部に設けられる第2のラックギアと、前記第1のラックギアと前記第2のラックギアに挟まれて双方と噛合するピニオンギアと、を含み、前記補助付勢体は、前記第2のラックギアに一端が固定され、前記第2の接触子部を前記第1の接触子部から離れるように引っ張る引張りバネであり、前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記第2のラックギアの移動により伸長されて復元力を蓄勢し、前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記第2のラックギアの移動により復元力を放勢し、前記第2のラックギアを引っ張ることで前記ピニオンギアの回動を補助するようにしてもよい。
第1の実施形態に係る開閉装置の全体構成を示す断面図であり、電流投入状態を示す。 第1の実施形態に係る開閉装置の全体構成を示す断面図であり、電流遮断過程を示す。 第2の実施形態に係る開閉装置の全体構成を示す断面図である。 第3の実施形態に係る開閉装置の全体構成を示す断面図であり、電流投入状態を示す。 第3の実施形態に係る開閉装置の全体構成を示す断面図であり、電流遮断過程を示す。 第4の実施形態に係る開閉装置の全体構成を示す断面図である。 第4の実施形態に係り、カムの板面と直交する断面図であり、カムと其の周辺を示す。 第4の実施形態に係り、カム軸に設けられる渦巻きバネの断面図であり、カム軸と直交する断面を示す。 第5の実施形態に係る開閉装置の全体構成を示す断面図である。 第5の実施形態に係り、カムの板面と直交する断面図であり、カムと其の周辺を示す。 第6の実施形態に係る開閉装置の全体構成を示す断面図であり、電流投入状態を示す。 第6の実施形態に係る開閉装置の全体構成を示す断面図であり、電流遮断過程を示す。 第7の実施形態に係る開閉装置の全体構成を示す断面図である。 第8の実施形態に係る開閉装置の全体構成を示す断面図である。
(第1の実施形態)
(概略構成)
図1に示すように、本実施形態に係る開閉装置は、消弧性ガスが充填された密閉容器2内に対向接触子部10及び可動接触子部20を相対させて構成されるガス遮断器である。このガス遮断器は、対向接触子部10と可動接触子部20とを接離することで電流の投入及び遮断を切り替える。電流遮断過程では、対向接触子部10及び可動接触子部20との間にアーク放電が発弧する。ガス遮断器には、パッファ型等のガス流発生手段が設けられ、消弧性ガスをアーク放電に噴射することで消弧し、電流零点で遮断に至る。
以下、対向接触子部10及び可動接触子部20の各々において、他方の接触子と向かい合う側、或いはアーク放電が点弧する側を前方或いは先端と呼び、その反対側を後方或いは後端と呼ぶ。
まず、可動接触子部20は、操作ロッド25を備えている。操作ロッド25は、駆動装置(不図示)の操作力によって押し引きされ、可動接触子部20は、操作ロッド25の押し引きに連動して前方又は後方に移動する。
一方、対向接触子部10は、密閉容器2内に定点設置されて回動可能なカム41に接続される。カム41は、可動接触子部20とリンク42で連結されている。リンク42及びカム41は、対向接触子部10に操作ロッドの操作力を伝動する伝動機構40の構成要素である。また、密閉容器2内には、定点設置されて弾性変形可能なねじりバネ51が設置されている。ねじりバネ51は、カム41に付勢力を作用させ、カム41の一方向への回動を補助する補助付勢体である。ねじりバネ51が補助する回動方向は、対向接触子部10を後退させる方向である。
可動接触子部20の後方への移動は、リンク42を介してカム41を回動させる。その回動はねじりバネ51に補助される。これにより、対向接触子部10は後退し、可動接触子20との開離方向に引き離される。また、可動接触子部20の前方への移動は、ねじりバネ51に蓄勢しながら、リンク42を介してカム41を反対方向に回動させる。これにより、対向接触子部10は可動接触子部20との接触方向に押し込まれる。
カム41近傍には緩衝装置70が設置されている。緩衝装置70は、対向接触子部10と可動接触子部20を開離させる際に、一定角度以上回動したカム41を制止し、電流遮断駆動停止に伴う各機構に対する衝撃を緩和する。
この対向接触子部10には対向アーク接触子11及び対向通電接触子12が設けられている。可動接触子部20には可動アーク接触子21及び可動通電接触子22が設けられている。密閉容器2内において、対向通電接触子12と可動通電接触子22とが相対し、これらの接離により電流の投入及び遮断が切り換えられる。対向アーク接触子11と可動アーク接触子21とが相対し、これらの開離によりアーク放電の発弧が引き受けられる。
ガス流発生手段は、消弧性ガスの機械的圧縮作用をもたらす機械パッファ室31と、機械的に圧縮された消弧性ガスをアーク放電に導く絶縁ノズル23である。機械パッファ室31は、操作ロッド25の移動に連動して容積可変であり、電流遮断過程で容積が減少し、内部空間の蓄圧に伴って室外へ消弧性ガスを放出する。
絶縁ノズル23は、機械的パッファ室31の放出口を囲み、更に可動アーク接触子21を先端まで包囲することで、アーク放電の発生空間を包囲し、機械パッファ室31から放出された消弧性ガスをアーク放電へ案内する。
このガス遮断器は、対向通電接触子12と可動通電接触子22とが開離し、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21とがアーク放電を引き受け、同時に機械パッファ室31で消弧性ガスを蓄圧し、絶縁ノズル23を介してアーク放電に消弧性ガスを噴射することで、電流零点を迎えて電流遮断に至る。
(詳細構成)
密閉容器2は、その材質が金属や碍子等であり、接地されている。消弧性ガスは、例えば、六フッ化硫黄ガス(SFガス)、空気、二酸化炭素、酸素、窒素、またはそれらの混合ガス、その他の消弧性能及び絶縁性能に優れたガスである。望ましくは、消弧性ガスは、六フッ化硫黄ガスよりも地球温暖化係数が低く、かつ分子量が小さく、かつ少なくとも1気圧以上及び摂氏20度以下で気相であるガスの単体若しくは混合ガスである。
対向接触子部10と可動接触子部20は、内部中空の円筒又は中実の円柱を基本形とする複合体であり、各部材の全てが共通の中心軸を有する同心状配置となっており、径を合致させることで関係部材同士が対向して共働的に機能する。
対向接触子部10は、密閉容器2内に固定された両端開口の円筒形状を有する支持筒9を備えている。対向通電接触子12は、この支持筒9の先端に嵌め込まれて進没入自在である。すなわち、対向通電接触子12は、両端が開口する円筒形状の導体であり、支持筒9と共通軸を有し、その外径は支持筒9の内径と概略同一である。概略同一とは、対向通電接触子12にぐらつきがなく、支持筒9内を摺動可能な範囲をいう。対向通電接触子12の先端側は、支持筒9から可動接触子部20側へ飛び出している。この対向通電接触子12の先端は、開口縁が内部に膨出している。
支持筒9の内周面には、対向通電接触子12との当接範囲に摺動円滑面13が表面を露出させて埋設されている。摺動円滑面13は、支持筒9と対向通電接触子12とを電気的に接続する導体である。更に、この摺動円滑面13は、対向通電接触子12との摩擦係数を減らし、或いは対向通電接触子12の変位に対して弾性変形可能となっている。
対向アーク接触子11は、先端が丸みを帯びた円柱形状の導体である。対向アーク接触子11は、対向通電接触子12内に配置され、共通軸に沿って丸み側を可動接触子部20側に向けて延びる。この対向アーク接触子11は、対向通電接触子12の内周面から延びるサポート14によって固定されている。
サポート14は、板面をガス遮断器の軸に沿わせた複数枚の導体板であり、対向通電接触子12の周方向に沿って所定角度の間隔を隔てて立設し、それぞれ共通軸まで延長されている。対向アーク接触子11はサポート14の各導体板が集合する中心に位置し、サポート14と一体的に形成され、またはサポート14に固着することで、対向通電接触子12内に支持される。対向アーク接触子11と対向通電接触子12とは、サポート14により、電気的に接続され、また固定関係にあり、連動して移動する。
可動接触子部20において、操作ロッド25は、先端が開口した中空の円筒であり、可動接触子部20の芯として最内殻に位置している。操作ロッド25の後端は絶縁ロッド(不図示)を介して駆動装置に接続され、共通軸に沿って前方に押し出され、又は後方に引き込まれる。
可動アーク接触子21は、両端が開口した内部中空の円筒形状を有する導体である。この可動アーク接触子21は、操作ロッド25と同径であり、操作ロッド25の先端開口縁から連続して延び、先端の開口が対向アーク接触子11に相対する。
可動アーク接触子21の開口縁は内部に膨出している。その開口縁部分の内径は対向アーク接触子11の外径と一致する。この可動アーク接触子21は、操作ロッド25に固着しており、操作ロッド25と連動して対向アーク接触子11と接離し、対向アーク接触子11が可動アーク接触子21の開口に差し込まれることで、可動アーク接触子21と対向アーク接触子11が導通状態となる。
尚、可動アーク接触子21の先端は円周方向に分割されることで、指状電極として形成されてもよい。この可動アーク接触子21は可撓性を有し、可動アーク接触子21の開口縁の内径は、対向アーク接触子11の外径より若干小さく窄められる。
機械パッファ室31は、シリンダ24及びピストン27により構成されるガス流発生手段である。シリンダ24は、一端が有底で他端が開口した筒形状の導体である。シリンダ24の有底部が操作ロッド25の先端と面一になり、且つ可動アーク接触子21の基端と接続するように、操作ロッド25に連結され、操作ロッド25と共に移動する。
このシリンダ24は、操作ロッド25の外径よりも内径が大きく、操作ロッド25と共通の中心軸を有する。有底部は、円盤状であり、操作ロッド25の先端外周縁からフランジ状に拡がり、有底部を取り囲む側周壁は、対向接触子部10と反対方向に延びる。
ピストン27は、ドーナツ状の平板である。ピストン27の開口に操作ロッド25が摺動可能に貫通し、ピストン27の外径がシリンダ24の内径と一致し、ピストン27はシリンダ24に嵌め込まれる。このピストン27は、ピストン支え28と一体的に形成されている。ピストン支え28は、ピストン27から対向接触子部10と反対方向に延びる円筒であり、操作ロッド25より外殻側に位置する。
シリンダ24とピストン27で画成された空間が機械パッファ室31である。シリンダ24の有底部には、可動アーク接触子21の一回り外側にシリンダ24の中空部と外部を連通する放出口24aが貫設されており、機械パッファ室31と其の室外空間とを対向アーク接触子11側で繋いでいる。
絶縁ノズル23は、シリンダ24の有底部の対向アーク接触子11側の面に立設された内部中空の円筒である。この絶縁ノズル23は、機械パッファ室31との放出口24aを包囲し、可動アーク接触子21を所定間隔隔てて内包しながら対向アーク接触子11側へ中心軸に沿って延びる。
更に、この絶縁ノズル23は、可動アーク接触子21の先端を通過後、内径が対向アーク接触子11の外径よりも若干大きい程度まで窄み、最小内径部分となるスロート部分に至ったところで先端に向けて直線的に拡がる形状である。
可動通電接触子22は、先端が開口した円筒形状を有する導体である。この可動通電接触子22は、絶縁ノズル23の更に外側に筒壁を有し、シリンダ24の有底部に対向通電接触子12に向けて立設される。この可動通電接触子22は、対向通電接触子12と向かい合わせになる。
可動通電接触子22の外径は、対向通電接触子12の内部に膨出した開口縁部分の内径と一致する。対向通電接触子12の開口に可動通電接触子22が差し込まれることで、対向通電接触子12の内面と可動通電接触子22の外面とが接触し、電気的に導通状態となる。
絶縁ノズル23の先端には、対向接触子部10に向けてカップリング43が延設されている。カップリング43は、いわゆる継手であり、カム41と可動接触子部20とをリンク42で連結するための延長部材である。このカップリング43は、基端部分が円筒形状を有し、絶縁ノズル23に嵌着し、基端部分から対向アーク接触子11の内部に入り込むまでロッド状に延びている。
カップリング43の先端にはピン結合部が設けられる。リンク42は、棒状或いは細身板状であり、一端がピン結合部でカップリング43とピン結合され、他端はカム41に向かって延びる。ピン結合部のピン軸は、ガス遮断器の共通軸と直交する。リンク42の他端は、カム41に設けられたピン結合部でピン結合され、カム41と連結されている。このピン結合部のピン軸もガス遮断器の共通軸と直交し、カップリング43とのピン結合部のピン軸と平行となっている。
カム41は、平面をガス遮断器の共通軸に沿わせて配置した板状部材であり、各ピン結合部のピン軸と平行なカム軸41aが支持筒9に固定されて回動自在に固定されている。カム41の固定位置は、サポート14及び対向アーク接触子11の後端よりも後方である。
カム41の平面は、カム軸41aを中心にして一方側にカム溝平面41cを有し、反対側にレバー面41dを有する。レバー面41dは、カム軸41aを基端にして延びる細身形状を有し、ピン結合部はレバー面41dの先端に設けられ、カム41はレバー面41dの先端でリンク42と連結されている。
カム溝平面41cは、サポート14及び対向アーク接触子11側に膨出した半円形状を有する。カム軸41aはカム溝平面41cに対して偏心しており、カム溝平面41cの放射中心は、カム軸41aを中心にレバー面41dと反対側に位置する。
このカム溝平面41cには、カムローラ44が滑動するカム溝41bが刻設されている。対向アーク接触子11の後端には、カム41に向けて延長されたロッドが一体的或いは固着しており、カムローラ44は、ロッドのカム41側の端に設けられる。すなわち、対向接触子部10は、ロッドとカムローラ44を介してカム41の回動に従動する。
カム溝41bは、複数の円弧で構成され、隣り合う円弧は連続した形状を有する。複数の円弧は、対向接触子部10側に膨らんだ弧と対向接触子部10と反対側に膨らんだ弧の組み合わせで構成され、カムローラ44の中心軸方向の移動速度を規定する。このカム溝41bは、カム溝平面41cが対向接触子部10から遠くに移動するカム41の回転(図における反時計回り)に伴い、カム軸41aに近づくように刻設される。すなわち、カム溝41bは、レバー面41dに近づくにつれ、カム溝41bに近づくように延びる。
具体的には、このカム溝41bは、対向接触子部10側に膨らむ円弧を描きながら、カム軸41aとの最離端から徐々にカム軸41aに近づき、カム軸41aの近傍で対向接触子部10と反対側に膨らむ円弧に変わって、レバー面41dのピン結合部側に向き、対向接触子部10側でカム軸41aに最も接近する最近端に至る。
換言すれば、対向接触子部10に固定されたカムローラ44は、最離部でカム軸41aから最も離れるように可動接触子部20側に押し込まれた状態から、徐々にカム軸41aに近づくように可動接触子部20とは反対側に引き込まれる。或いは、対向接触子部10に固定されたカムローラ44は、最近部でカム軸41aから最も近づくように可動接触子部20側に引き込まれた状態から、徐々にカム軸41aから遠ざかるように可動接触子部20側に押し込まれる。
ねじりバネ51は、環状部分がカム41のカム軸41aに嵌合している。支持筒9には、ガス遮断器の軸と直交し、カム軸41aと平行な固定点ピン82が立設している。カム溝平面41cには、ガス遮断器の軸と直交し、カム軸41aと平行な作用点ピン81が立設されている。ねじりバネ51は、環状部分から反対方向に延びる2本のアームを固定点ピン82と作用点ピン81に引掛けている。
ねじりバネ51の2本のアームが成す角度は自由時角度よりも拡げられ、ねじりバネ51は、常時、アームの開き角を狭めるようにカム41に対して一方向に回動させる付勢力を与える。一方のアームは、作用点ピン81の対向接触子部10側の周面に当接している。すなわち、一方のアームは、カムローラ44がカム溝41bに沿ってカム軸41aに近づく方向にカム41に付勢力を与えるように作用点ピン81に引掛かり、換言すると、カム溝平面41cがガス遮断器の後方側に回転するように、或いは対向接触子部10が後方側に移動するように、作用点ピン81に引掛かる。
緩衝装置70は、カム41より更に後方に設置される。緩衝装置70とカム軸41aとの距離は、カム軸41aとカム溝平面41cの最離端との距離より短い。そのため、カム41が一定角度回転すると、回転しながら後方に移動するカム溝平面41cと緩衝装置70とが当接するようになっている。
この緩衝装置70は、支持筒9内に固定されてカム41の平面に対して鉛直に延び、その構造は3重の円殻構造を有する。最内殻は芯となる中実の円柱軸71であり、最外殻は可撓性の円管72であり、円柱軸71と円管72との間には弾性体73が充填される。
(作用)
以上の開閉装置につき其の動作を説明する。図1に示すように、通電状態において、可動接触子部20は、駆動装置による操作ロッド25の押し込みにより、対向接触子部10の方向に押し込まれて其の位置が保持されている。カム41のレバー面41dはカップリング43及びリンク42を介してカム軸41aより後方に押し込まれている。カム軸41aを中心にレバー面41dとは反対側に位置するカム溝平面41cは、カム軸41aよりも前方、換言すると可動接触子部20側に回転して静止している。
カム溝平面41cが前方で静止した状態では、カム溝41bと共通軸の交点はカム軸41aから可動接触子部20側に離れている。そのため、共通軸上のカムローラ44は、カム軸41aから離れるように可動接触子部20側に押し込まれ、カムローラ44と固定関係にある対向接触子部10全体も可動接触子部20側へ押し込まれて其の位置が保持されている。
このとき、対向接触子部10と可動接触子部20の双方が他方に能動的に近づいており、対向通電接触子12と可動通電接触子22が接触し、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21が接触している。
ねじりバネ51は、作用点ピン81の前方への回転移動によってアーム同士の開き角が鈍角となるまで拡大され、開き角を狭める方向、すなわちカム溝平面41cを後方へ回転させる方向にエネルギーを蓄積している。
この通電状態では、冷却筒9、対向通電接触子12、可動通電接触子22、シリンダ24が電気的に接続されて一繋ぎの電路を形成している。特に図示しないが、密閉容器2には2本の導体がスペーサによって対向接触子部10側と可動接触子部20側に固定されている。スペーサは密閉容器2と導体とを絶縁するとともに、導体を支持する。電流は、ブッシングを介してガス遮断器に流れ込み、対向接触子部10側の導体から上記電路及び可動接触子部20側の導体とブッシングを介してガス遮断器外部へ流れ出す。
外部から遮断信号を受信し、事故電流等を遮断する場合、ガス遮断器は、図2に示すように、対向接触子部10と可動接触子部20を開離させ、電流を遮断する。具体的には、操作ロッド25は、駆動装置の操作力を受けて、共通軸に沿って後方に移動する。可動接触子部20は、操作ロッド25に引きずられて対向接触子部10から離れるように後方に移動する。
可動接触子部20の後方移動は、絶縁ノズル23の先端に設けられたカップリング43の後方移動を促す。カップリング43は、その先端でピン結合されたリンク42を可動接触子部20側へ引きずる。リンク42は、カム41のレバー面41dを対向接触子部20へ近づけるように回転移動させる。レバー面41dの回転移動はカム41の回動を伴い、カム溝平面41cは対向接触子部10から離れるように後方へ回転移動する。
ねじりバネ51は作用点ピン81を介してカム41の回動を付勢している。操作ロッド25の後方移動により自由時角度への復帰を許可されたねじりバネ51は蓄勢エネルギーを放勢し、レバー面41dの前方移動と共にカム41に回動力を与える。このねじりバネ51の放勢はカム41の初動を補助し、また対向接触子部10と可動接触子部20の駆動力を増加させる。更に、駆動力を補助するねじりバネ51は、リンク42に対する共通軸と直角方向に生ずる荷重を軽減する。
ねじりバネ51による回動補助を併用することでカム溝平面41cを後方へ回転させると、共通軸とカム溝41bとの交点、すなわちカムローラ44の位置は、カム軸41aとの最離端から徐々にカム軸41aへ近づく。換言すれば、カムローラ44は、カム軸41aから最も離れるように前方へ押し込まれた状態から、カム軸41aに近づくように後方へ引き込まれる。
そして、カムローラ44とロッドを介して固定関係にある対向接触子部10は、カムローラ44の動きに追従し、可動接触子部20から離れるように後方へ移動する。対向通電接触子12は、摺動円滑面13を滑って支持筒9内を後方へ移動する。或いは、対向通電接触子12は、摺動円滑面13を弾性変形させながら、支持筒9内を後方へ移動する。
これにより、対向通電接触子12と可動通電接触子22が互いに開離し、続いて対向アーク接触子11と可動アーク接触子21が互いに開離し、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21との間にアーク放電が発弧する。
操作ロッド25の引き込みが進展すると、操作ロッド25と連結するシリンダ24は、その有底部が位置固定のピストン27に対して接近する。機械パッファ室31の容積は減少し、ボイルの法則に従い機械パッファ室31内の消弧性ガスは蓄圧される。
更に操作ロッド25の引き込みが進展し、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21間の距離が十分開き、かつ機械パッファ室31が十分蓄圧すると、機械パッファ室31内の消弧性ガスが放出口24aを通って絶縁ノズル23内に噴出する。噴流となった消弧性ガスは、絶縁ノズル23と可動アーク接触子21との間をガス流路として、アーク放電に向けて案内され、アーク放電に強力に吹き付けられる。
遮断動作の最終段階では、カム41はカム溝平面41cが後方の緩衝装置70に当接するまで回動し、カム溝平面41cの緩衝装置70に対する当接により制止する。当接により生じた衝撃は、円柱軸71と円管72との間に充填された弾性体73が変形することにより吸収される。そのため、カム41をはじめとする密閉容器2内の各構成要素に対する衝撃力が緩和されている。
そして、アーク放電は、電流零点を迎えたときに、強力な消弧性ガスの噴射と相俟って消弧に至り、ガス遮断器による電流遮断は完了する。
(効果)
以上のように、本実施形態の開閉装置は、可動接触子部20と対向接触子部10とを対向させ、可動接触子部20には、当該可動接触子部20を対向接触子部10に対して進退させる操作ロッド25が設けられている。また、操作ロッド25の駆動力を可動接触子部20を介して伝動し、対向接触子部10を可動接触子部20の進退とは反対方向に進退させる伝動機構40を備えている。そして、対向接触子部10の可動接触子部20へ向けた進行によって蓄勢し、対向接触子部10の可動接触子部20に対する後退によって放勢して伝動機構40の駆動を補助する補助付勢体を備えるようにした。
伝動機構40は、例えば、リンク42とカム41とカムローラ44を含み、リンク42は、可動接触子部20と連結されて、可動接触子部20の進退に応じて押し引きされ、カム41は、リンク42と連結されて、リンク42の押し引きに応じて回動し、カムローラ44は、対向接触子部10に固定され、カム41に従動して対向接触子部10を可動接触子部20に対して進退させる。
補助付勢体は、例えば、カム41に一方のアームが接続され、他方のアームが固定されたねじりバネ51であり、対向接触子部10の進行を伴うカム41の一方向の回動により復元力を蓄勢し、対向接触子部10の後退を伴うカム41の逆方向の回動により復元力を放勢し、カム41の逆方向の回動を補助するようにした。
これにより、対向接触子部10から大きな慣性モーメントを受けるカム41の初動を補助付勢体により補助し、カム41の動き出しを円滑化できる。そのため、2サイクル遮断が実現可能となる等、可動接触子部20と対向接触子部10の開極時間を短縮できる。
また、高電圧レベルにおいては、可動接触子部20と対向接触子部10との間のストローク長が長くなり、このストローク長は、カム41のカム軸41a中心からリンク42とのピン結合部までの距離を長くする。そのため、リンク42とカップリング43を介して接続された絶縁ノズル23は、リンク42から進行方向と直交する方向の負荷を付与される。しかし、補助付勢体によるカム41の回転補助が存在するため、伝動機構40に伝達する駆動力を其の分だけ小さくでき、負荷を軽減し、比較的強度の低い絶縁ノズル23の破損の可能性を低下させることができる。
また、一定角度以上回動したカム41と当接して回動を規制する緩衝装置70を備え、この緩衝装置70は、カム41の近傍に設けられるとともに弾性体73を含み構成されるようにした。これにより、カム41の回動を制止させても衝撃力を緩衝装置70で吸収できるため、カム41をはじめとする各駆動箇所の衝撃を緩和し、信頼性の高い開閉装置を実現することができる。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係るガス遮断器の全体構成を示す断面図である。このガス遮断器において、ねじりバネ51は、環状部分がカム軸41aに嵌め込まれ、一方のアームがカム溝平面41c上に立設された作用点ピン81に引っ掛けられ、他方のアームが緩衝装置70に引っ掛けられている。緩衝装置70が固定点ピン82の代わりとなっている。
すなわち、緩衝装置70は、カム41を制止し、カム41の衝撃を吸収し、ガス遮断器の各機構の衝撃を緩和し、更に固定点ピン82を代替となっている。換言すると、ねじりバネ51の固定されたアームは、緩衝装置70に引掛けられるようにした。そのため、部品数削減による材料費や組立工程数の大幅な削減が可能となる。
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態に係るガス遮断器の全体構成を示す断面図である。このガス遮断器において、ねじりバネ51の自由時角度は、緩衝装置70にカム41が当接した際の固定点ピン82とカム軸41aと作用点ピン81とが成す角よりも小さく調整されている。また、支持筒9内には、一対の固定点ピン83が近接配置される。ねじりバネ51の一方のアームは、この一対の固定点ピン83の間で挟持されている。
図5に示すように、投入動作初期においては、ねじりバネ51の一方のアームが作用点ピン81から外れた状態となっている。但し、ねじりバネ51は、環状部分のカム軸41aへの嵌合及び一方のアームの一対の固定点ピン83による挟持により姿勢が維持されている。投入動作が更に進むと、カム41の回動に応答して作用点ピン81がねじりバネ51の一方のアームに当接し、作用点ピン81がねじりバネ51を縮める。このガス遮断器では、投入動作初期でねじりバネ51を蓄勢するエネルギーが必要ないので、駆動装置が必要とする投入のためのエネルギー総量を低減できる。
ここで、遮断動作初期においては、カムローラ44とカム41軸が離れており、対向接触子部10がカム41に与える慣性モーメントは大きい。そのため、カム41の初動に最も大きい駆動力を必要とする。一方、遮断動作が進行すると、カムローラ44とカム軸41aとが近くなるため慣性モーメントは小さくなり、また慣性力によって対向接触子部10と可動接触子部20とを移動させるために必要な駆動力は小さくなるため、ねじりバネ51の補助は不要となる。
遮断動作初期においては、ねじりバネ51は自由時角度よりも縮んでいるために蓄勢エネルギーを有する。そのため、ねじりバネ51はカム41の初動を補助することができる。一方、慣性モーメントが小さくなり、移動に必要な駆動力が小さい段階では、ねじりバネ51は蓄勢エネルギーを使いきり、図5に示すように作用点ピン81からアームが外れ、カム41は駆動装置の操作力のみで回動する。従って、ねじりバネ51の蓄勢エネルギーを効率よく利用することが可能となる。
以上のように、本実施形態では、ねじりバネ51は、遮断が完了するまでのカム41の回動角度よりも自由時角度が小さく、カム41の回動途中でカム41から外れるようにした。これにより、ねじりバネ51に蓄勢させるエネルギーは小さくて済み、かつ其の蓄勢エネルギーを最も必要とするカム41の初動に使用できる。従って、効率の良いカム41の回動補助を実行できるとともに、投入動作に必要なエネルギーを小さくできる。
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態のガス遮断器を示す構成図であり、図7は、カム41の板面と直交する断面図であり、カム41と其の周辺を示す。図8は、カム軸41aに設けられる渦巻きバネの断面図であり、カム軸41aと直交する断面を示す。
第1の実施形態では、カム41の回動を補助する補助付勢体としてねじりバネ51を配置したが、これに限らず、各種の補助付勢体を適用することができる。第4の実施形態に係るガス遮断器は補助付勢体の他の例を示している。
図6に示すように、このガス遮断器は、補助付勢体として渦巻きバネ52を備えている。この渦巻きバネ52はカム軸41aに嵌合し、カム軸41aにトルクを与える。図7に示すように、カム軸41aは、支持筒9の内部を横断するように架設され、カム41は、このカム軸41aの中心に嵌合し、渦巻きバネ52は、カム軸41aの両端に支持筒9と接触しながら嵌合している。
図8に示すように、カム軸41aには、カム軸41aと同心円の円筒ケース53が嵌め込まれている。円筒ケース53の内径はカム軸41aの外径よりも大きく、円筒ケース53とカム軸41aとの間には空間が発生する。渦巻きバネ52は、カム軸41aと円筒ケース53との間に配置される。
渦巻きバネ52は、長板状であり、一端部をカム軸41aに固定し、板面を対面させるように幾重にもカム軸41aを巻き込み、他端部が円筒ケース53の内周面に固定される。円筒ケース53は、支持筒9の内周面に固定されて、回転不能となっている。この渦巻きバネ52において、カム溝平面41cが前方に回転するカム41の回動方向と渦巻きバネ52の旋回方向とは逆である。
この渦巻きバネ52を備えるガス遮断器では、カム溝平面41cを前方に移動させるカム41の回転、すなわち、対向接触子部10を可動接触子部20に接触させる投入動作において、渦巻きバネ52のバネがカム軸41aを巻き込むように変位し、板面に生じた張力がエネルギーとして蓄勢される。
そして、遮断動作では、巻き込まれた渦巻きバネ52が操作ロッド25の引き込み移動により元に戻ろうと放勢を開始し、カム溝平面41cを後方に移動させるようにカム軸41aにトルクを与える。そのため、カム軸41aに嵌め込まれたカム41は、可動接触子部20、カップリング43、及びリンク42を介した操作ロッド25の引き込み力とともに、渦巻きバネ52の放勢に補助されて、カム溝平面41cを後方に移動させるように回動し、可動接触子部20と対向接触子部10とを互いに開離させる。
以上のように、第4の実施形態に係る開閉装置では、補助付勢体は、カム41のカム軸41aに巻きつく渦巻きバネ52であり、対向接触子部10の進行を伴うカム41の一方向の回動によりカム軸41aに巻き取られて復元力を蓄勢し、対向接触子部10の後退を伴うカム41の逆方向の回動によりカム軸41aに巻き出されて復元力を放勢し、カム軸41aにカム41を逆方向へ回動させるトルクを与えるようにした。
これにより、補助付勢体が渦巻きバネ52であっても、対向接触子部10から大きな慣性モーメントを受けるカム41の初動を補助付勢体により補助し、カム41の動き出しを円滑化できる。そのため、2サイクル遮断が実現可能となる等、可動接触子部20と対向接触子部10の開極時間を短縮できる。また、比較的強度の低い絶縁ノズル23の破損の可能性を低下させることができる。
(第5の実施形態)
図9は、第5の実施形態のガス遮断器を示す構成図である。図9に示すように、このガス遮断器では、補助付勢体としてトーションバー54を備えている。カム軸41eは円筒であり、トーションバー54はカム軸41eに嵌合されて配置される。このトーションバー54は、丸棒或いは中空棒であり、円周方向の外力によって捻れを生じ、捻りの復元によりカム軸41eにトルクを与える。このトーションバー54は、緩衝装置70にカム41が当接する段階で捻れが解消されるように調整されている。
図10は、カム41の板面と直交する断面図であり、カム41と其の周辺を示す。図10に示すように、トーションバー54は、支持筒9の内部を横断するように架設されている。具体的には、トーションバー54の両端には、アダプタ55が設けられている。アダプタ55は、支持筒9に固着している。トーションバー54は、アダプタ55により支持筒9内に固定されている。カム軸41eは、支持筒9の内径よりも短小の円筒であり、トーションバー54に嵌合している。
このトーションバー54を備えるガス遮断器では、カム溝平面41cを前方に移動させるカム41の回転、すなわち、対向接触子部10を可動接触子部20に接触させる投入動作において、トーションバー54に捻れが生じて捻れ反力が蓄勢される。
そして、遮断動作では、捻られたトーションバー54が操作ロッド25の引き込み移動により元に戻ろうと捻れ反力の放勢を開始し、カム溝平面41cを後方に移動させるようにカム軸41eにトルクを与える。そのため、カム軸41eに嵌め込まれたカム41は、可動接触子部20、カップリング43、及びリンク42を介した操作ロッド25の引き込み力とともに、渦巻きバネ52の放勢に補助されて、カム溝平面41cを後方に移動させるように回動し、可動接触子部20と対向接触子部10とを互いに開離させる。
以上のように、第5の実施形態に係るガス遮断器では、補助付勢体は、カム41のカム軸41eに嵌合されるトーションバー54であり、対向接触子部10の進行を伴うカム41の回動により捻られて復元力を蓄勢し、対向接触子部10の後退を伴うカム41の回動により捻りが解消されて復元力を放勢し、カム軸41eにカム41を逆方向に回動させるトルクを与えるようにした。
これにより、補助付勢体がトーションバー54であっても、対向接触子部10から大きな慣性モーメントを受けるカム41の初動を補助付勢体により補助し、カム41の動き出しを円滑化できる。そのため、2サイクル遮断が実現可能となる等、可動接触子部20と対向接触子部10の開極時間を短縮できる。また、比較的強度の低い絶縁ノズル23の破損の可能性を低下させることができる。
(第6の実施形態)
図11は、第6の実施形態のガス遮断器を示す構成図である。図11に示すように、このガス遮断器では、補助付勢体として、圧縮バネ56を備えている。また、圧縮バネ56の復元力を伝達するためのチェーン機構57を備えている。圧縮バネ56にエネルギーを蓄勢し、放勢によってチェーン機構57がカム軸41aにトルクをかける。
チェーン機構57は、カム軸41aに嵌合したスプロケット57aと、スプロケット57aに掛け渡されたチェーン57bを備える。チェーン57bは、緩衝装置70を越えて後方に延び、圧縮バネ機構に端部が固定されている。このチェーン57bは、後方に引っ張られるとカム溝平面41cが後方に回転するように、カム溝平面41c側からスプロケット57aに掛け渡されている。
圧縮バネ56は、ベース58に固定され、自由端にバネ受け59を有する。ベース58は、支持筒9内に固定され、緩衝装置70よりも後方に設置されている。このベース58は、圧縮バネ56を設置する板状の台であり、共通軸と直交する台面を有する。圧縮バネ56は、ベース58の後方側の面に固定されている。ベース58には開口が貫設されており、チェーン57bが開口から抜けてベース58の後方に延びる。チェーン57bの延び先は、バネ受け59であり、チェーン57bの一端がバネ受け59に固定されている。
図11に示すように、電流の投入状態では、対向接触子部10は可動接触子部20側に移動しており、カム41はカム溝平面41cが前方側に位置するように回転している。スプロケット57aは、カム溝平面41c側から掛け渡されたチェーン57bを巻き込み、チェーン57bは、前方へ引っ張られている。チェーン57bの張力はバネ受け59を前方側に移動させる。そのため、圧縮バネ56はベース58とバネ受け59との間で圧縮され、後方へ延びる復元力を蓄勢している。
そして、図12に示すように、遮断動作では、圧縮バネ56が操作ロッド25の引き込み移動により後方へ延びようとして復元力の放勢を開始し、チェーン57bを後方へ引っ張る。チェーン57bが後方に引っ張られると、チェーン57bを巻き出すようにスプロケット57aが回転し、スプロケット57aに嵌合されたカム軸41aに対して、カム溝平面41cを後方に移動させるようにトルクを与える。
そのため、カム軸41aに嵌め込まれたカム41は、可動接触子部20、カップリング43、及びリンク42を介した操作ロッド25の引き込み力とともに、圧縮バネ56の放勢に補助されて、カム溝平面41cを後方に移動させるように回動し、可動接触子部20と対向接触子部10とを互いに開離させる。
以上のように、第6の実施形態に係るガス遮断器では、補助付勢体は、カム41のカム軸41aに嵌合するスプロケット57aと、スプロケット57aに掛け渡されるチェーン57bと、一端が固定され、他端がチェーン57bの一端に固定される圧縮バネ56とした。圧縮バネ56は、対向接触子部10の進行を伴うカム41の一方向の回動によりチェーン57bに引っ張られて復元力を蓄勢し、対向接触子部10の後退を伴うカム41の逆方向の回動により復元力を放勢し、チェーン57bとスプロケット57aを介してカム軸41aにカム41を逆方向に回転させるトルクを与えるようにした。
これにより、補助付勢体がスプロケット57a、チェーン57b、及び圧縮バネ56であっても、対向接触子部10から大きな慣性モーメントを受けるカム41の初動を補助付勢体により補助し、カム41の動き出しを円滑化できる。そのため、2サイクル遮断が実現可能となる等、可動接触子部20と対向接触子部10の開極時間を短縮できる。また、比較的強度の低い絶縁ノズル23の破損の可能性を低下させることができる。
(第7の実施形態)
図13は、第7の実施形態のガス遮断器を示す構成図である。図13に示すように、このガス遮断器では、補助付勢体としてねじりバネ60とラックアンドピニオン機構45を備えている。このラックアンドピニオン機構45は、対向接触子部10にラックギア45aを設け、可動接触子部20にラックギア45bを設け、支持筒9内に両ラックギア45a、45bと噛合するピニオンギア45cを回転自在に設けてなる。ピニオンギア45cは、ねじりバネ60を有し、ねじりバネ60の復元力によって回転する。
ねじりバネ60は、電流の投入のために対向接触子部10と可動接触子部20を接近させることにより、ピニオンギア45cの移動と、その移動に伴うピニオンギア45cの従動により蓄勢される。また、ねじりバネ60は、電流の遮断のために対向接触子部10と可動接触子部20とを離間させてピニオンギア45cの回転を可能とすることにより放勢する。
より詳細には、ラックギア45aは、対向通電接触子12の後端から後方へ延びている。このラックギア45aは、一対の長板であり、共通軸を挟んで対向する。ラックギア45aの共通軸に向く板面には、共通軸に沿ってギアが刻設されている。
ラックギア45bは、絶縁ノズル23の先端に設けられ、対向接触子部10に向けて支持筒9内に延設されている。このラックギア45bは、基端部分が円筒形状を有し、絶縁ノズル23に嵌着している。基端部分からは一対の長板が対向接触子部10に向けて延びている。長板は共通軸を挟んで対向し、其の板面はラックギア45aの板面と真正面から対向している。ラックギア45bのラックギア45aに向く板面には、共通軸に沿ってギアが刻設されている。
ラックギア45aとラックギア45bの間には、ピニオンギア45cが配置されている。ピニオンギア45cは、支持筒9内の定点に回転可能に設けられており、ラックギア45aとラックギア45bにそれぞれ噛合いしている。すなわち、対向接触子部10に設けられたラックギア45aと可動接触子部20に設けられたラックギア45bが同じピニオンギア45cを反対側から挟み込むように配置され、同じピニオンに噛合している。
ピニオンギア45c内のねじりバネ60は、環状部分がピニオンギア45cの軸に嵌合し、一方のアームが支持筒9に固定され、他方のアームがピニオンギア45cの内周面に固定されている。そのため、ピニオンギア45cが外力により回転すると蓄勢し、外力からピニオンギア45cが開放されると放勢してピニオンギア45cを逆回転させる。
図13に示すように、電流の投入状態では、対向接触子部10は可動接触子部20側に移動しており、ラックギア45bは対向接触子部10側に進行している。そのため、ラックギア45bと噛み合っているピニオンギア45cは、ラックギア45bが進行する方向に回転する。そうすると、ラックギア45bとはピニオンギア45cを挟んで反対側のラックギア45aは、可動接触子部20側に進行する。ラックギア45aと固定関係にある対向接触子部10も連動して可動接触子部20側に押し出される。
このとき、ピニオンギア45c内のねじりバネ60は、ピニオンギア45cの回転を受けて蓄勢している。そして、遮断動作では、ねじりバネ51が操作ロッド25の引き込み移動によりピニオンギア45cを回転させる復元力の放勢を開始し、対向接触子部10に固定されたラックギア45aを可動接触子部20から離れる方向に送り出す。また、可動接触子部20に固定されたラックギア45bを対向接触子部10から離れる方向に送り出す。
そのため、可動接触子部20と対向接触子部10とは、ラックアンドピニオン機構45で伝達されたねじりバネ60の復元力で補助されつつ、駆動装置による操作ロッド25の操作力により互いに開離させる。
以上のように、本実施形態において、伝動機構40は、可動接触子部20に設けられるラックギア45bと、対向接触子部10に設けられるラックギア45aと、両ラックギア45a、45bに挟まれて双方と噛合するピニオンギア45cとした。補助付勢体は、ピニオンギア45cに設けられるねじりバネ60であり、対向接触子部10の進行を伴うピニオンギア45cの一方向の回動により復元力を蓄勢し、対向接触子部10の後退を伴うピニオンギア45cの逆方向の回動により復元力を放勢し、ピニオンギア45cの逆方向の回動を補助するようにした。
これにより、カム軸とカムローラが遠くにあると慣性モーメントが大きくなるといった現象はなく、対向接触子部10から受ける慣性モーメントは大きくならずに一定であり、カム41の初動を補助付勢体により補助し、カム41の動き出しを円滑化できる。そのため、2サイクル遮断が実現可能となる等、可動接触子部20と対向接触子部10の開極時間を短縮できる。また、絶縁ノズル23には進行方向と直交する方向に負荷がかかることはないので、絶縁ノズル23の破損の可能性を低下させることができる。
(第8の実施形態)
図14は、第8の実施形態のガス遮断器を示す構成図である。図14に示すように、このガス遮断器では、補助付勢体として引っ張りバネ61とラックアンドピニオン機構45を備えている。ラックアンドピニオン機構45については、第7の実施形態と同一構成及び同一機能を有するため、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
このガス遮断器において、引っ張りバネ61は、対向接触子部10の後方に位置し、ラックギア45aの自由端を更に後方から引っ張っている。支持筒9内には、ラックギア45aよりも後方にベース58が設けられている。このベース62は、引っ張りバネ61を設置する台であり、台面を共通軸と直交させている。引っ張りバネ61の一端は、ベース62の対向接触子部10側の面に固定され、他端はラックギア45aに固定されている。
電流の投入状態では、対向接触子部10は可動接触子部20側に移動しており、ラックギア45aは対向接触子部10側に進行している。そのため、ラックギア45aに固定されている引っ張りバネ61は、自由長以上に伸張されて復元力を蓄勢している。
そして、遮断動作では、操作ロッド25の引き込み移動により、引っ張りバネ61がラックギア45aを後方へ引き込む復元力の放勢を開始し、ラックギア45aと対向接触子部10を可動接触子部20から離れる方向に移動させる。
そうすると、ラックギア45aの進行方向に沿ったピニオンギア45cの回転が引っ張りバネ61により補助され、ピニオンギア45cの回転はラックギア45aを対向接触子部10から離れる方向に送り出し、可動接触子部20を対向接触子部10から離れる方向に送り出す。
そのため、可動接触子部20と対向接触子部10とは、ラックアンドピニオン機構45で伝達された引っ張りバネ61の復元力で補助されつつ、駆動装置による操作ロッド25の操作力により互いに開離させる。
以上のように、第8の実施形態では、伝動機構40は、可動接触子部20に設けられるラックギア45bと、対向接触子部10に設けられるラックギア45aと、両ラックギア45a、45bに挟まれて双方と噛合するピニオンギア45cとした。補助付勢体は、ラックギア45aに一端が固定され、対向接触子部10を可動接触子部20から離れるように引っ張る引っ張りバネ61であり、対向接触子部10の進行を伴うラックギア45aの移動により伸長されて復元力を蓄勢し、対向接触子部10の後退を伴うラックギア45aの移動により復元力を放勢し、ラックギア45aを引っ張ることでピニオンギア45cの回動を補助するようにした。
これにより、カム軸とカムローラが遠くにあると慣性モーメントが大きくなるといった現象はなく、対向接触子部10から受ける慣性モーメントは大きくならずに一定であり、カム41の初動を補助付勢体により補助し、カム41の動き出しを円滑化できる。そのため、2サイクル遮断が実現可能となる等、可動接触子部20と対向接触子部10の開極時間を短縮できる。また、絶縁ノズル23には進行方向と直交する方向に負荷がかかることはないので、絶縁ノズル23の破損の可能性を低下させることができる。
(その他の実施形態)
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。実施形態で開示の構成の全て又はいずれかを組み合わせたものも包含される。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
2 密閉容器
9 支持筒
10 対向接触子部
11 対向アーク接触子
12 対向通電接触子
13 摺動円滑面
14 サポート
20 可動接触子部
21 可動アーク接触子
22 可動通電接触子
23 絶縁ノズル
24 シリンダ
24a 放出口
25 操作ロッド
27 ピストン
28 ピストン支え
31 機械パッファ室
40 伝動機構
41 カム
41a カム軸
41b カム溝
41c カム溝平面
41d レバー面
41e カム軸
42 リンク
43 カップリング
44 カムローラ
45 ラックアンドピニオン機構
45a ラックギア
45b ラックギア
45c ピニオンギア
51 ねじりバネ
52 渦巻きバネ
53 円筒ケース
54 トーションバー
55 アダプタ
56 圧縮バネ
57 チェーン機構
57a スプロケット
57b チェーン
58 ベース
59 バネ受け
60 ねじりバネ
61 引っ張りバネ
62 ベース
70 緩衝装置
71 円柱軸
72 円管
73 弾性体
81 作用点ピン
82 固定点ピン
83 固定点ピン

Claims (11)

  1. 電流の導通又は遮断を切り替える開閉装置であって、
    一方側の電路に設けられる第1の接触子部と、
    他方の電路に設けられ、前記第1の接触子部と対向する第2の接触子部と、
    前記第1の接触子部に設けられ、前記第1の接触子部を前記第2の接触子部に対して進退させる操作ロッドと、
    前記操作ロッドの駆動力を前記第1の接触部を介して伝動し、前記第2の接触子部を前記第1の接触子部の進退とは反対方向に進退させる伝動機構と、
    前記第2の接触子部の前記第1の接触子部へ向けた進行によって蓄勢し、前記第2の接触子部の前記第1の接触子部に対する後退によって放勢して前記伝動機構の駆動を補助する補助付勢体と、
    を備えること、
    を特徴とする開閉装置。
  2. 前記伝動機構は、
    前記第1の接触子部と連結されて、前記第1の接触子部の進退に応じて押し引きされるリンクと、
    前記リンクと連結されて、前記リンクの押し引きに応じて回動するカムと、
    前記第2の接触子部に固定され、前記カムに従動して前記第2の接触子部を前記第1の接触子部に対して進退させるカムローラと、
    を含み、
    前記補助付勢体は、
    前記カムに一方のアームが接続され、他方のアームが固定されたねじりバネであり、
    前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記カムの一方向の回動により復元力を蓄勢し、
    前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記カムの逆方向の回動により復元力を放勢し、前記カムの前記逆方向の回動を補助すること、
    を特徴とする請求項1記載の開閉装置。
  3. 前記伝動機構は、
    前記第1の接触子部から前記第2の接触子部へ延長されたカップリングを備え、
    前記リンクは、前記カップリングを介して前記第1の接触子部と連結されること、
    を特徴とする請求項2記載の開閉装置。
  4. 前記カムの近傍に設けられるとともに弾性体を含み構成され、一定角度以上回動した前記カムと当接して回動を規制する緩衝部を更に備えること、
    を特徴とする請求項2又は3に記載の開閉装置。
  5. 前記ねじりバネの固定されたアームは、前記緩衝部に引掛けられること、
    を特徴とする請求項4記載の開閉装置。
  6. 前記ねじりバネは、
    前記遮断が完了するまでの前記カムの回動角度よりも自由時角度が小さく、前記カムの回動途中で前記カムから外れること、
    を特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の開閉装置。
  7. 前記伝達機構は、
    前記第1の接触子部と連結されて、前記第1の接触子部の進退に応じて押し引きされるリンクと、
    前記リンクと連結されて、前記リンクの押し引きに応じて回動するカムと、
    前記第2の接触子部に固定され、前記カムに従動して前記第2の接触子部を前記第1の接触子部に対して進退させるカムローラと、
    を含み、
    前記補助付勢体は、
    前記カムのカム軸に巻きつく渦巻きバネであり、
    前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記カムの一方向の回動により前記カム軸に巻き取られて復元力を蓄勢し、
    前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記カムの逆方向の回動により前記カム軸に巻き出されて復元力を放勢し、前記カム軸に前記カムを前記逆方向へ回動させるトルクを与えること、
    を特徴とする請求項1記載の開閉装置。
  8. 前記伝達機構は、
    前記第1の接触子部と連結されて、前記第1の接触子部の進退に応じて押し引きされるリンクと、
    前記リンクと連結されて、前記リンクの押し引きに応じて回動するカムと、
    前記第2の接触子部に固定され、前記カムに従動して前記第2の接触子部を前記第1の接触子部に対して進退させるカムローラと、
    を含み、
    前記補助付勢体は、
    前記カムのカム軸に嵌合されるトーションバーであり、
    前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記カムの回動により捻られて復元力を蓄勢し、
    前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記カムの回動により捻りが解消されて復元力を放勢し、前記カム軸に前記カムを前記逆方向に回動させるトルクを与えること、
    を特徴とする請求項1記載の開閉装置。
  9. 前記伝達機構は、
    前記第1の接触子部と連結されて、前記第1の接触子部の進退に応じて押し引きされるリンクと、
    前記リンクと連結されて、前記リンクの押し引きに応じて回動するカムと、
    前記第2の接触子部に固定され、前記カムに従動して前記第2の接触子部を前記第1の接触子部に対して進退させるカムローラと、
    を含み、
    前記補助付勢体は、
    前記カムのカム軸に嵌合するスプロケットと、
    前記スプロケットに掛け渡されるチェーンと、
    自由端が前記チェーンの一端に固定される圧縮バネと、
    を含み、
    前記圧縮バネは、
    前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記カムの一方向の回動により前記チェーンに引っ張られて復元力を蓄勢し、
    前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記カムの逆方向の回動により復元力を放勢し、前記チェーンと前記スプロケットを介して前記カム軸に前記カムを前記逆方向に回転させるトルクを与えること、
    を特徴とする請求項1記載の開閉装置。
  10. 前記伝動機構は、
    前記第1の接触子部に設けられる第1のラックギアと、
    前記第2の接触子部に設けられる第2のラックギアと、
    前記第1のラックギアと前記第2のラックギアに挟まれて双方と噛合するピニオンギアと、
    を含み、
    前記補助付勢体は、
    前記ピニオンギアに設けられるねじりバネであり、
    前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記ピニオンギアの一方向の回動により復元力を蓄勢し、
    前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記ピニオンギアの逆方向の回動により復元力を放勢し、前記ピニオンギアの前記逆方向の回動を補助すること、
    を特徴とする請求項1記載の開閉装置。
  11. 前記伝動機構は、
    前記第1の接触子部に設けられる第1のラックギアと、
    前記第2の接触子部に設けられる第2のラックギアと、
    前記第1のラックギアと前記第2のラックギアに挟まれて双方と噛合するピニオンギアと、
    を含み、
    前記補助付勢体は、
    前記第2のラックギアに一端が固定され、前記第2の接触子部を前記第1の接触子部から離れるように引っ張る引張りバネであり、
    前記第2の接触子部の前記進行を伴う前記第2のラックギアの移動により伸長されて復元力を蓄勢し、
    前記第2の接触子部の前記後退を伴う前記第2のラックギアの移動により復元力を放勢し、前記第2のラックギアを引っ張ることで前記ピニオンギアの回動を補助すること、
    を特徴とする請求項1記載の開閉装置。
JP2013208303A 2013-10-03 2013-10-03 開閉装置 Active JP6189166B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013208303A JP6189166B2 (ja) 2013-10-03 2013-10-03 開閉装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013208303A JP6189166B2 (ja) 2013-10-03 2013-10-03 開閉装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015072817A true JP2015072817A (ja) 2015-04-16
JP6189166B2 JP6189166B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=53015061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013208303A Active JP6189166B2 (ja) 2013-10-03 2013-10-03 開閉装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6189166B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018216084A1 (ja) * 2017-05-22 2018-11-29 株式会社 東芝 開閉装置
CN116666149A (zh) * 2023-07-21 2023-08-29 深圳市超越电气技术有限公司 一种真空断路器

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7342835B2 (ja) 2020-10-21 2023-09-12 株式会社デンソー 監視装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6049050A (en) * 1998-02-02 2000-04-11 Alsthom T & D Sa Medium or high voltage circuit breaker including a transmission belt looped around two wheels
JP2003109476A (ja) * 2001-09-27 2003-04-11 Toshiba Corp ガス遮断器
JP2003109480A (ja) * 2001-09-28 2003-04-11 Toshiba Corp ガス遮断器
JP2004079249A (ja) * 2002-08-12 2004-03-11 Toshiba Corp ガス遮断器
JP2004281175A (ja) * 2003-03-14 2004-10-07 Tm T & D Kk ガス遮断器

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6049050A (en) * 1998-02-02 2000-04-11 Alsthom T & D Sa Medium or high voltage circuit breaker including a transmission belt looped around two wheels
JP2003109476A (ja) * 2001-09-27 2003-04-11 Toshiba Corp ガス遮断器
JP2003109480A (ja) * 2001-09-28 2003-04-11 Toshiba Corp ガス遮断器
JP2004079249A (ja) * 2002-08-12 2004-03-11 Toshiba Corp ガス遮断器
JP2004281175A (ja) * 2003-03-14 2004-10-07 Tm T & D Kk ガス遮断器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018216084A1 (ja) * 2017-05-22 2018-11-29 株式会社 東芝 開閉装置
WO2018216231A1 (ja) * 2017-05-22 2018-11-29 株式会社 東芝 開閉装置
CN116666149A (zh) * 2023-07-21 2023-08-29 深圳市超越电气技术有限公司 一种真空断路器
CN116666149B (zh) * 2023-07-21 2023-12-22 深圳市超越电气技术有限公司 一种真空断路器

Also Published As

Publication number Publication date
JP6189166B2 (ja) 2017-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8304677B2 (en) High voltage gas circuit breaker
US8013268B2 (en) Circuit breaker with a double acting circuit-breaking chamber and an inverted structure
US9299507B2 (en) Gas circuit breaker
JP6189166B2 (ja) 開閉装置
US20120103940A1 (en) Gas blast circuit breaker with making resistance contact and its making and breaking method
KR20060063720A (ko) 퍼퍼형 가스차단기의 전류차단방법 및 그것에 사용하는퍼퍼형 가스차단기
TW518624B (en) High-voltage electrical switcher apparatus with dual movement
US8822869B2 (en) Switching mechanism for gas insulated switchgear
KR20140044822A (ko) 이중-모션 가스 절연형 회로 차단기
JP6382543B2 (ja) ガス遮断器
KR101563587B1 (ko) 진공 인터럽터의 동력전달 장치
JP5765825B2 (ja) 閉鎖状態に復帰するハイブリッド回路遮断器
JP5735123B2 (ja) ガス遮断器
US7777149B2 (en) Actuating the oppositely-moving contacts of an interrupting chamber by a cylindrical cam
JP2003109480A (ja) ガス遮断器
WO2013042687A1 (ja) 開閉装置の操作機構、及び開閉装置
US9123491B2 (en) Gas insulated switchgear
JP2657108B2 (ja) 絶縁ガス吹付け式中電圧回路遮断器
JP2017135000A (ja) ガス遮断器
WO2018216084A1 (ja) 開閉装置
KR101783801B1 (ko) 가스절연 차단기
JP5615362B2 (ja) 動作エネルギーを削減した中電圧又は高電圧遮断器の遮断チャンバ
JP6476073B2 (ja) ガス遮断器
EP2814049A1 (en) Drive mechanism for a switching device
JP2017120756A (ja) 開閉装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170802

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6189166

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151