JP2015072634A - スプリングバック量評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】客観的な指標に基づくスプリングバック量評価方法を提供する。
【解決手段】評価対象となる断面を設定する断面設定工程と、設定した断面における離型前後の断面形状を取得する断面形状取得工程と、取得した離型前後の断面形状に基づいて、(a)前記断面形状の断面二次モーメントの最大値又は最小値の絶対値、(b)前記断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値との比、(c)前記断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値の差、(d)前記断面形状を囲う最小の長方形の長辺又は短辺の長さの絶対値、(e)前記断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺との比、(f)前記断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺の差、のいずれかの物理量の離型前後の変化量を演算し、該演算した変化量に基づいてプレス成形品1の特定断面における口開き量または口閉じ量を評価する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属平板をプレス成形して製造されるプレス成形品のスプリングバック量をコンピュータにより評価するスプリングバック量評価方法に関し、特にハット断面形状を有するプレス成形品における口開き量または口閉じ量のスプリングバック量評価方法に関する。
ここで金属平板とは、熱延鋼板、冷延鋼板、あるいは鋼板に表面処理(電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、有機皮膜処理等)を施した表面処理鋼板をはじめ、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金等、各種金属類から構成される単板でもよい。また本発明は、特に590MPa級以上の高強度鋼板や、その他、アルミニウム等、ヤング率が鋼系素材に比較して小さい素材に対しても有効な技術である。
自動車用部材の多くは薄鋼板のプレス成形により製造されている。近年は軽量化のため、更に薄い鋼板を用いて、その分より高強度化するといった対応がとられている。しかし高強度になると所望の形状に対して、プレス成形後のスプリングバックによる形状変化が大きくなり、この問題への対策が必要となる。
スプリングバック対策のためのツールとして現在最も多く用いられているのは、有限要素法(以下、FEM:Finite Element Method)による数値シミュレーションである。数値シミュレーションを用いたスプリングバック対策の一例を挙げれば以下のようなものである。まずFEMによってスプリングバック解析を行い、その結果に基づいてスプリングバックの要因分析を行う。次に、前記スプリングバック要因分析の結果に基づいて対策実施を行い、対策実施の効果を再度FEMで確認する。そして、所望の形状が得られるまでこの手続きを繰り返し、その後、実際のプレス用金型を製作する。
FEMによるスプリングバック要因分析方法としては、例えば特許文献1に開示される方法がある。特許文献1のスプリングバック要因分析方法は、プレス成形解析後(離型前)のプレス成形品に作用している残留応力がスプリングバックに及ぼす影響を明確にするというものである。より具体的には、プレス成形解析後の残留応力分布を部分的に変更してスプリングバック解析を行って得られたスプリングバック解析結果と、残留応力分布を変更せずにスプリングバック解析を行って得られたスプリングバック解析結果とを比較することで、変更した残留応力分布の影響を確認するというものである。こうすることによって、特定部位の残留応力の影響を明確化でき、それがスプリングバックに影響を及ぼすことが特定出来れば、スプリングバック対策を立てることが可能になる。
スプリングバック対策としては、例えば、プレス成形品に新たな形状を追加することにより引張応力をその形状追加部位に与える方法、あるいはプレス加工を2工程行うことによって製造されるプレス成形品において、1工程目においてエンボスや余肉ビード形状を付与した後、その形状を2工程目で潰して伸ばすことで、圧縮応力を与える方法等がある。
特開2007−229724号公報
上記のようなスプリングバック対策を施すためには、プレス成形品のどこにどのように修正を施すのかが重要である。しかし特許文献1に開示されるスプリングバック要因分析方法ではスプリングバックの要因となった残留応力を特定できるが、プレス成形品に対する修正を施す箇所や修正方法が明確になるとは限らない場合がある。
なぜなら、スプリングバックの要因となる残留応力の存在箇所とスプリングバックに対する対策を施すべき箇所は必ずしも一致しないからである。
プレス成形品に対する修正を施す箇所や修正方法を明確にするためには、スプリングバック量を正しく評価することが重要である。
一般的にはスプリングバック量は、プレス成形品の部位を特定して評価方法等の指標を決めてから判断される。このような指標は熟練した作業者によって決められているが、作業者ごとに指標が異なるのが現状である。そのため、スプリングバック量の指標が客観的なものになっていないという問題がある。
そこで、発明者は、先に出願した特願2012-238497において、反り変形と捩じり変形に関して、作業者の判断によらず客観的な指標に基づいて行うスプリングバック量評価方法を提案した。
確かに、スプリングバックにおいては、反り変形と捩り変形が問題となるケースが多いが、ハット断面形状を有するプレス成形品においては、口開き量または口閉じ量自体が部品精度として大きな問題となる場合もある。
そこで、本発明は、ハット断面形状を有するプレス成形品について、作業者の判断によらず客観的な指標に基づいて行うスプリングバック量評価方法を得ることを目的とする。
(1)本発明に係るスプリングバック量評価方法は、ハット断面形状を有するプレス成形品におけるスプリングバックによる口開き量または口閉じ量をコンピュータにより評価するスプリングバック量評価方法であって、
前記プレス成形品における評価対象となる断面を設定する断面設定工程と、該断面設定工程で設定した断面における離型前後の断面形状を取得する断面形状取得工程と、該断面形状取得工程で取得した離型前後の断面形状に基づいて以下に示すいずれかの物理量の離型前後の変化量を演算し、該演算した変化量に基づいて前記プレス成形品の特定の断面における前記口開き量または口閉じ量を評価することを特徴とするものである。
(a)前記断面形状の断面二次モーメントの最大値又は最小値の絶対値
(b)前記断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値との比
(c)前記断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値の差
(d)前記断面形状を囲う最小の長方形の長辺又は短辺の長さの絶対値
(e)前記断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺との比
(f)前記断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺の差
(2)また、本発明に係るスプリングバック量評価方法は、ハット断面形状を有するプレス成形品におけるスプリングバックによる口開き量または口閉じ量をコンピュータにより評価するスプリングバック量評価方法であって、
前記プレス成形品の形状に交差する交差平面を所定間隔ごとに複数設定する交差平面設定工程と、該交差平面設定工程で設定された交差平面毎に前記プレス成形品の離型前後の断面形状を取得する断面形状取得工程と、該断面形状取得工程で取得した離型前後の各断面形状に基づいて以下に示すいずれかの物理量を演算し、該演算した前記物理量の離型前後の比に基づいて前記プレス成形品全体の前記口開き量または口閉じ量を評価することを特徴とするスプリングバック量評価方法ものである。
(g)前記各断面形状の断面二次モーメントの最大値又は最小値の絶対値
(h)前記各断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値との比
(i)前記各断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値の差
(j)前記各断面形状を囲う最小の長方形の長辺又は短辺の長さの絶対値
(k)前記各断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺との比
(l)前記各断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺の差
本発明においては、プレス成形品における特定断面または複数断面における適切な物理量を求めることで、特定断面またはプレス成形品全体の口開き量または口閉じ量を作業者の判断によらず客観的に評価することができ、的確なスプリングバック対策を実施可能である。
本発明の一実施の形態に係るスプリングバック量評価方法の評価対象であるプレス成形品の口開きについての説明図である。 本発明の一実施の形態に係るスプリングバック量評価方法の断面設定工程の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るスプリングバック量評価方法の断面形状取得工程の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るスプリングバック量評価方法の説明図であって、プレス成形品の特定断面を囲む最小の長方形の一例の説明図である。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック量評価方法を説明するためのグラフであって、プレス成形品の離型前における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Imax(b)およびImin(b))の関係を表したグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック量評価方法を説明するためのグラフであって、プレス成形品の離型後における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Imax(a)およびImin(a))の関係を表したグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック量評価方法を説明するためのグラフであって、プレス成形品における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Ir(a)、Ir(b))の関係を表したグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック量評価方法を説明するためのグラフであって、プレス成形品における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Ir(ab))の関係を表したグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック評価方法の交差平面設定工程の説明図である。 本発明の他の実施の形態に係るプレス成形品の口開き、および、該口開き量の測定方法についての説明図である。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック評価方法において、評価に適切な物理量を検討するためのグラフであって、プレス成形品における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Imax(ab))の関係を表したグラフである。 図11の物理量(Imax(ab))と実際の口開き量(口開き角度)との相関関係を表すグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック評価方法において、評価に適切な物理量を検討するためのグラフであって、プレス成形品における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Imin(ab))の関係を表したグラフである。 図13の物理量(Imin(ab))と実際の口開き量(口開き角度)との相関関係を表すグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック評価方法において、評価に適切な物理量を検討するためのグラフであって、プレス成形品における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Ir(ab))の関係を表したグラフである。 図15の物理量(Ir(ab))と実際の口開き量(口開き角度)との相関関係を表すグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック評価方法において、評価に適切な物理量を検討するためのグラフであって、プレス成形品における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Id(ab))の関係を表したグラフである。 図17の物理量(Id(ab))と実際の口開き量(口開き角度)との相関関係を表すグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック評価方法において、評価に適切な物理量を検討するためのグラフであって、プレス成形品における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Llong(ab))の関係を表したグラフである。 図19の物理量(Llong(ab))と実際の口開き量(口開き角度)との相関関係を表すグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック評価方法において、評価に適切な物理量を検討するためのグラフであって、プレス成形品における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Lshort(ab))の関係を表したグラフである。 図21の物理量(Lshort(ab))と実際の口開き量(口開き角度)との相関関係を表すグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック評価方法において、評価に適切な物理量を検討するためのグラフであって、プレス成形品における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Lr(ab))の関係を表したグラフである。 図23の物理量(Lr(ab))と実際の口開き量(口開き角度)との相関関係を表すグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック評価方法において、評価に適切な物理量を検討するためのグラフであって、プレス成形品における断面形状の長手方向位置(x方向位置)と物理量(Ld(ab))の関係を表したグラフである。 図25の物理量(Ld(ab))と実際の口開き量(口開き角度)との相関関係を表すグラフである。
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係るスプリングバック量評価方法は、プレス成形品における評価対象となる断面を設定する断面設定工程と、該断面設定工程で設定した断面における離型前後の断面形状を取得する断面形状取得工程と、該断面形状取得工程で取得した離型前後の断面形状に基づいて以下(a)〜(f)に示すいずれかの物理量の離型前後の変化量を演算し、該演算した変化量に基づいてプレス成形品の特定の断面における口開き量を評価することを特徴とするものである。
(a)断面形状の断面二次モーメントの最大値又は最小値の絶対値
(b)断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値との比
(c)断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値の差
(d)断面形状を囲う最小の長方形の長辺又は短辺の長さの絶対値
(e)断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺との比
(f)断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺の差
本スプリングバック量評価方法は、モニタ等からなる表示装置と、マウスやキーボード等からなる入力装置と、メモリからなる主記憶装置と、ハードディスク等からなる補助記憶装置と、CPUからなる演算処理部等を有するコンピュータを用いて行われる。より具体的には、上記各工程は、プレス成形品について作成された解析モデルに対して、演算処理部が所定のプログラムを実行することで行われる。
以下に、スプリングバック量評価方法を用いて口開き量を評価する方法の一例を説明する。なお、以下の説明においては、図2に示すハット断面形状を有するプレス成形品1を評価対象とする。また、以下の説明では、「プレス成形品1の解析モデル」という表現にかえて、単に「プレス成形品1」と表現している箇所がある。
<断面設定工程>
まず、プレス成形品1における評価対象となる断面を設定する(断面設定工程)。図2中の一点鎖線は断面の設定例を示している。
<断面形状取得工程>
次に、断面設定工程で設定した断面における離型前後の断面形状を取得する(断面形状取得工程)。
離型前後の断面形状は、解析モデルの離型前後の形状に基づいて得ることができる。
解析モデルの離型前の形状は、解析モデルによりプレス成形解析を行った下死点状態の形状である。また、解析モデルの離型後の形状は、前記プレス成形解析後(下死点状態)の解析モデルに対してスプリングバック解析をすることで得ることができる。
このように、同一の解析モデルの離型前後の形状に基づくためメッシュの接続情報は離型前後において変化せず、従って、断面設定工程で設定した断面を離型前後で取得することができる。つまり、同一の断面について断面形状を取得することができ、離型前後の口開き量を正確に評価することができる。
図3は、断面設定工程で設定した断面(図2参照)における離型前の断面形状を取得したものであり、図3(a)が図2のA−A’断面、図3(b)が図2のB−B’断面、図3(c)が図2のC−C’断面における断面形状である。
同様にして、離型後における断面形状も取得する。
図1は、図2のB−B’断面における離型前後の断面形状を比較したものである。
図1において、実線が離型前の断面形状であり、破線が離型後の断面形状である。
このように、プレス成形を行うと、多くの場合、離型前後において形状が変化するスプリングバックが生ずる。例えば、ハット断面形状において典型的には、図1に示すように両縦壁が開く、いわゆる口開きが生ずる。
従って、断面形状に基づいて演算される物理量も変化することになる。断面形状に基づいて演算される物理量は、例えば断面二次モーメントや、断面形状を囲う最小の長方形の長辺の長さまたは短辺の長さ等が挙げられる。
そこで、断面設定工程で取得した離型前後の断面形状に基づいて、上記(a)〜(f)に示すいずれかの物理量(下記に再掲する)の離型前後の変化量を演算し、該演算した変化量に基づいて、プレス成形品1の特定の断面における口開き量を評価することができる。
(a)断面形状の断面二次モーメントの最大値又は最小値の絶対値
(b)断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値との比
(c)断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値の差
(d)断面形状を囲う最小の長方形の長辺又は短辺の長さの絶対値
(e)断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺との比
(f)断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺の差
以下に、上記(a)〜(f)の物理量に基づいた評価について説明する。まず、断面二次モーメントに関わる(a)〜(c)の物理量に基づいた評価について説明する。
<断面二次モーメントに関わる物理量に基づいた評価>
(a)〜(c)の物理量は断面二次モーメントの最大値又は最小値の絶対値そのもの、またはこれらの比や差であるので、まず、断面二次モーメントの計算方法について説明する。
断面上のある軸における断面二次モーメントは、該軸をどの方向に設定するかで値が異なるが、これらの軸のうち断面二次モーメントが最大値又は最小値を示す軸を主軸という。
断面形状における断面二次モーメントIy、Iz、Iyzは、断面に設定する任意の直交座標軸y軸およびz軸に対して、次式(1)〜式(3)のように計算される。式(1)〜式(3)において、y、zは断面の重心からの距離、Aは断面の領域である。
主軸に関する断面二次モーメント(主断面二次モーメント)、すなわち断面二次モーメントの最大値Imaxおよび最小値Iminは、次式(4)および式(5)で与えられる。
図1に示すもののように高さより幅が広い断面形状の場合、断面二次モーメントは幅方向が最大となり、高さ方向が最小となる。図1において、Imax(b)およびImin(b)はそれぞれ離型前の断面二次モーメントの最大値および最小値、Imax(a)およびImin(a)はそれぞれ離型後の断面二次モーメントの最大値および最小値である。なお、本明細書において、添え字(b)はbeforeすなわち離型前、添え字(a)はafterすなわち離型後をそれぞれ意味している。
B−B´断面における離型前後の形状について、それぞれ求めたImax、Imin{(a)断面形状の断面二次モーメントの最大値又は最小値の絶対値}の例を表1に示す。
断面二次モーメントは、表1に示す通り、離型前より離型後でImaxが大きくなり、Iminが小さくなった。
このように、スプリングバックで断面の口開きが生じると、断面二次モーメントの最大値Imaxは値が大きくなり、最小値Iminは小さくなる。
以上のことから、特定断面におけるImaxとIminの離型前後の変化量に基づけば、該断面における口開き量を評価可能である。
また、両者の比Ir(=Imax/Imin){(b)断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値との比}や、両者の差Id(=Imax-Imin){(c)断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値の差}をとって判断しても良い。B−B´断面における離型前後の、Ir、Id(mm4)の例を表2に示す。
表2に示す通り、Ir、Idのいずれも離型後で大きくなっている。このことからも離型前より離型後において、断面二次モーメントの最大値Imaxは値が大きくなり、最小値Iminが小さくなったこと、すなわち、口開きが発生したと評価できる。
なお、図1に示すように、B−B´断面の離型前後の主方向角度差は1°(パンチ底部は0.5度)と、捩れが非常に小さかった。離型後において各断面形状は変形しても、多くの場合、断面形状の変化が断面の回転角度算出結果に及ぼす影響が極端に大きいわけではない。従って、各断面形状の離型前後における回転量を算出し、算出された回転量を考慮した上で各断面を比較することで、断面形状の口開き量(や口閉じ量)を算出可能である。断面二次モーメントの主値(最大値、最小値、最大値と最小値との比、最大値と最小値の差など)を算出し、それらを用いて断面形状の変化を評価する方法においては、主値を算出した段階で、断面の回転が予め考慮されることとなるため(操作上は断面の回転を無視可能となるため)、断面形状全体の向きについては無視して口開き、口閉じの判断を行うことができる。
<断面形状を囲う最小の長方形に関する物理量に基づいた評価>
次に、断面形状を囲う最小の長方形に関する(d)〜(f)の物理量に基づいた評価について詳細に説明する。
断面形状を囲む長方形は、長辺の向き(傾き)毎に面積が最小となるものが存在する。そこで長辺の向き毎に存在する長方形の中で最も面積の小さいものを、本発明における「断面形状を囲む最小の長方形」と定義する。
ここで長辺の向きとは、基準とする座標軸(y-z座標軸)に対する長辺の角度である。
なお、上記では、面積について説明したが、アスペクト比が最大のもの(最も扁平しているもの)を、本発明の「断面形状を囲む最小の長方形」として定義してもよい。
本実施の形態においては、両方の定義について求めた断面を囲む最小の長方形は同一となった。
図4は、断面形状を囲む最小の長方形の一例として、図2のA−A’断面における断面形状(離型前の断面形状は図3(a)参照)を囲む最小の長方形を図示したものである。
A−A´断面における離型前後の断面形状を囲む最小の長方形について、それぞれ求めたLlong、Lshort{(d)断面形状を囲う最小の長方形の長辺又は短辺の長さの絶対値}、これらの比Lr(=Llong/Lshort){(e)断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺との比}、およびこれらの差Ld(=Llong-Lshort){(f)断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺の差}を表3に示す。
表3に示す通り、離型前より離型後でLlong、Lr、Ldは値が増加し、Lshortは減少している。このことから口開きが発生したと評価できる。
以上のように、本実施の形態によれば、作業者の判断によらず客観的な指標に基づいて口開きの評価を行うことができ、的確なスプリングバック対策を実施可能である。
また、離型前後の断面が捩れを生じていても、断面ごとに口開きを抽出できるため、作業者の熟練度に依存せず、同じ結果を得ることが可能で、著しい作業効率の向上が見込める。
なお、上記では口開き量の評価について説明したが、本発明は断面形状における両縦壁が閉じるような変形(いわゆる口閉じ)量の評価についても適用可能である。
[実施の形態2]
上記の実施の形態1は、特定断面について口開きを評価方法に関する説明であったが、本実施の形態はプレス成形品全体についての口開きの評価方法に関するものである。
まず、全体評価を適切にするには如何にすればよいかについて検討した。検討対象となるプレス成形品は実施の形態1と同様にプレス成形品1とした。検討結果について図5〜図8に基づいて以下に詳細に説明する。
図5および図6は、図2に示すプレス成形品1に250断面を設定し、断面毎の断面二次モーメントの最大値および最小値をグラフ化したものである。
図5は、離型前の各断面形状の断面二次モーメントの最大値Imax(b)および最小値Imin(b)を示したグラフである。
図6は、離型後の各断面形状の断面二次モーメントの最大値Imax(a)および最小値Imin(a)を示したグラフである。
図5および図6において、横軸がプレス成形品長手方向であるx方向位置(mm)であり、縦軸が断面二次モーメント(mm4)である。図5および図6において、実線が断面二次モーメントの最大値Imax(b)、Imax(a)を、破線が最小値Imin(b)、Imin(a)をそれぞれ示している。
図5および図6からは、プレス成形品1を全体的にみてどの部分が相対的にどの程度口開きをしているかを直感的に読み取ることができない。
そこで、離型前後の差異をより明確にするために、離型前後における、断面二次モーメントの最大値と最小値のと比(Ir(a)およびIr(b))をそれぞれ求めて、図7に示すように、一つのグラフにして比較した。
図7は、横軸がx方向位置(mm)、縦軸が断面二次モーメントの最大値と最小値との比を表しており、破線がIr(b)を示し、実線がIr(a)を示している。
しかしながら、Ir(b)、Ir(a)の値が大きく変動することから図7において縦軸のレンジを0〜160にしているため、この縦軸のレンジに対してIr(b)とIr(a)の差異は小さすぎて、部品全体でどの位置の口開きが大きくなっているかについて、図7から読み取ることは難しい。
そこで、Ir(b)とIr(a)の比(Irの離型前後比Ir(ab)=Ir(a)/Ir(b))を求めてグラフにした(図8参照)。なお、本明細書において添え字(ab)は、離型前後比を意味している。
図8において、Ir(ab)が1より大きい場合、離型前のIr(b)よりも離型後のIr(a)が大きくて(Ir(a)>Ir(b))、つまり、Imaxが増加しIminが減少することを意味している。すなわち、Ir(ab)が1より大きい値の部分は、口開きが生じている部分であり、値が大きければ大きいほど口開きの度合いが大きいことを意味している。
このように、図8によればプレス成形品1全体の状況が一目瞭然である。
図8に示すように、プレス成形品1は、ほぼ全体に亘って一様に口開きが生じていると評価できる。特に、x方向位置が0mm〜-100mmの間の部分では最も口開きが大きい。
一方、-450mm〜-500mmの間の部分ではIr(ab)は約1であり、ほとんど口開きが発生していない。
また、x方向位置が-500mm〜-600mmの間の部分はIr(ab)が1よりも小さくなっている。これは口開きとは逆の現象である口閉じが生じていることを意味している。
以上のように、断面二次モーメント最大値と最小値との比である離型前後比Ir(ab)に基づけば、プレス成形品全体の評価を行うことができる。そして、さらなる検討の結果、他の物理量についても離型前後比に基づくことで全体評価可能であるという知見が得られた。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には次の通りである。
本発明の他の実施の形態に係るスプリングバック量評価方法は、プレス成形品の形状に交差する交差平面を所定間隔ごとに複数設定する交差平面設定工程と、該交差平面設定工程で設定された交差平面毎にプレス成形品の離型前後の断面形状を取得する断面形状取得工程と、該断面形状取得工程で取得した離型前後の各断面形状に基づいて以下に示すいずれかの物理量を演算し、該演算した物理量の離型前後の比に基づいてプレス成形品全体の口開き量または口閉じ量を評価することを特徴とする。
(g)前記各断面形状の断面二次モーメントの最大値又は最小値の絶対値
(h)前記各断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値との比
(i)前記各断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値の差
(j)前記各断面形状を囲う最小の長方形の長辺又は短辺の長さの絶対値
(k)前記各断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺との比
(l)前記各断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺の差
以下、各工程について詳細に説明する。
<交差平面設定工程>
交差平面設定工程は、プレス成形品の形状に交差する交差平面を所定間隔ごとに複数設定する工程である。
図9は、交差平面の設定の一例であって、ハット断面形状を有するアウター部品11に交差平面13を設定したものである。交差平面13は、yz平面に平行にx方向に所定間隔で250平面を設定した。
<断面形状取得工程>
断面形状取得工程は交差平面設定工程で設定された交差平面毎にプレス成形品の離型前後の断面形状を取得する工程である。
図10に、図9で設定したある交差平面13における離型前後の断面形状を比較した図を示す。図10において、実線が離型前の形状を示し、点線が離型後の形状を示している。
図10に示すように、断面形状は両縦壁が開くように変形しており、口開きが発生している。
次に、スプリングバックを実測したパラメータを基準として評価に使用する物理量について、上記で検討した断面二次モーメントの最大値と最小値との比(Ir)も含めて検討したので、その結果について以下に説明する。
検討方法は、離型前後の断面形状について下記に示す物理量(i)〜(viii)を演算し、該演算した物理量の離型前後の比を求め、該物理量の離型前後と実測したパラメータであってスプリングバックの指標となる口開き角度との相関を確認するというものである。相関が高ければ、その物理量は全体の口開き評価により適切である。
検討した物理量(i)〜(viii)は以下の通りである。
(i) 各断面形状の断面二次モーメント最大値(Imax
(ii) 各断面形状の断面二次モーメント最小値(Imin
(iii) 各断面形状の断面二次モーメント最大値と最小値との比(Ir=Imax/Imin
(iv) 各断面形状の断面二次モーメント最大値と最小値の差(Id=Imax-Imin
(v) 各断面形状を囲う最小の長方形の長辺(Llong
(vi) 各断面形状を囲う最小の長方形の短辺(Lshort
(vii) 各断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺との比(Lr=Llong/Lshort
(viii) 各断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺の差(Ld=Llong-Lshort
評価対象は図9に示すセンターピラーのアウター部品11とした。なお、図9に示すように、アウター部品11の長手方向をx方向、幅方向をy方向、高さ方向をz方向とした。鋼板は980MPa級材を適用した。
実際の口開き角度の求め方について図10に基づいて説明する。口開き角度とは、両縦壁のなす角度がどれだけ変化したかであるから、各断面の縦壁毎に離型前後の角度変化量として求めた。
角度変化量の求め方は、各縦壁で同様であるので、一方の縦壁を例に挙げて説明する。
まず、離型前における縦壁において、上端のR止まり(プレス成形品の天板から縦壁に至るR部が終了した時点の縦壁部分)から下端のR止まり(プレス成形品のフランジから縦壁に至るR部が終了した時点の縦壁部分)間に直線P1を引く。同様に離型後における縦壁において直線P2を引く。直線P1と直線P2のなす角が角度変化量θ1である。
他方の縦壁についても同様にして直線P3および直線P4を引き、直線P3と直線P4のなす角である角度変化量θ2を求める。
そして、角度変化量θ1と角度変化量θ2を合計したものが口開き角度である。
このようにして口開き角度を11断面について求めた。断面毎のx方向位置(mm)と口開き角度(°)を表4に示す。
なお、評価対象であるセンターピラーのアウター部品の全長は1180mmであり、図9に示す左側端部から650mmの位置をx方向位置±0mmとして、アウター部品の左側位置を−(マイナス)の値、右側位置を+(プラス)の値とした。
まず、物理量(i)〜(iv)の検討結果について説明する。
断面二次モーメントは、アウター部品11に所定間隔で250断面設定して、これらの断面について求めた。また、物理量(i)〜(iv)のそれぞれの離型前後比のx方向の変化、および、物理量(i)〜(iv)のそれぞれの離型前後比と口開き角度との相関を調べて、決定係数R2で評価した。決定係数R2は1に近いほど相関が強く、評価指標としてより適切であると判断できる。
図11は、(i)各断面形状の断面二次モーメント最大値Imaxの離型前後比(Imax(ab)=Imax(b)/Imax(b))を示したグラフであり、横軸が断面のx方向位置(mm)、縦軸が断面二次モーメント最大値の離型前後比Imax(ab)を表している。
図12は、断面二次モーメント最大値の離型前後比Imax(ab)と口開き角度の相関を示したグラフであり、横軸が断面二次モーメント最大値の離型前後比Imax(ab)、縦軸が口開き角度(deg.)を表している。
図12において、決定係数R2を求めたところ、0.75であった。
同様に、図13に(ii)各断面形状の断面二次モーメント最小値Iminの離型前後比(Imin(ab)=Imin(b)/Imin(b))のグラフを、図14に断面二次モーメント最小値の離型前後比Imin(ab)と口開き角度の相関のグラフを示す。図14において、決定係数R2=0.84であり、評価指標としてきわめて有用であると判断できる。
さらに同様に、(iii)各断面形状の断面二次モーメント最大値と最小値との比Irの離型前後比(Ir(ab)=Ir(a)/Ir(b))(図15および図16参照)、(iv)各断面形状の断面二次モーメント最大値と最小値との差Idの離型前後比(Id(ab)=Id(a)/Id(b))(図17および図18参照)について実際の口開き角度との相関を調査した。
上記調査した4つの物理量(i)〜(iv)について口開き角度との決定係数をまとめたものを表5に示す。
表5に示すように、断面二次モーメント最小値の離型前後比Imin(ab)および、断面二次モーメント最大値と最小値との比の離型前後比Ir(ab)において、実際の口開き角度と高い相関が得られたことから、
(ii) 各断面形状の断面二次モーメント最小値(本発明の物理量(g)の一方の値)
(iii) 各断面形状の断面二次モーメント最大値と最小値との比(本発明の物理量(h))
が口開きを評価するための物理量としてより好適であることが分かる。
なお、スプリングバックを改善するためには、座面を付与するなどの対策のほか、離型後に製品形状となるように、プレス金型に見込みを入れた形状を作成する手法がある。スプリングバックにおける断面の口開き(或いは口閉じ)でも、最終的には金型への見込みが必要となる場合が多くある。
本手法をそのような場合に適用するには、離型前と離型後を比較するのではなく、離型前の代わりに製品形状として、製品形状と離型後を比較することで、スプリングバック抑制への対応が可能となる。
製品形状と離型後の比較において、断面二次モーメント最大値と最小値との製品形状と離型後比Ir(ab)を1に近づけるように金型見込みを設定し、FEMの繰り返し計算を実施するとよく、具体的には0.98〜1.02の間を目標とすることで、極めて良好な結果が得られる。
但し、製品形状と離型後形状の比較において、要素の接続情報が一致しない場合には空間に設定した各断面で両者を比較すればよい。
次に、物理量(v)〜(viii)についての検討結果について説明する。
断面を囲う最小の長方形は、アウター部品11に所定間隔で250断面設定して、これらの断面について求めた。
図19は、(v)各断面形状を囲う最小の長方形の長辺(Llong)の離型前後比(Llong(ab)=Llong(a)/Llong(b))を示したグラフであり、横軸が断面のx方向位置(mm)、縦軸がLlong(ab)を表している。
図20は、Llong(ab)と口開き角度の相関を示したグラフであり、横軸がLlong(ab)、縦軸が口開き角度(deg.)を表している。図20において、決定係数R2は0.40であった。
同様に、(vi)各断面形状を囲う最小の長方形の短辺(Lshort)の離型前後比(Lshort(ab)=Lshort(a)/Lshort(b))(図21および図22参照)、(vii)各断面形状を囲う最小の長方形の長辺/短辺(Lr=Llong/Lshort)の離型前後比(Lr(ab)=Lr(a)/Lr(b))(図23および図24参照)、(viii)各断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺の差(Ld=Llong-Lshort)の離型前後比(Ld(ab)=Ld(a)/Ld(b))(図25および図26参照)についても調査を行った。
上記調査した4つの物理量の離型前後比について口開き角度との決定係数をまとめたものを表6に示す。
表6に示すように、長方形短辺の離型前後比Lshort(ab)および、長方形の長辺と短辺との比の離型前後比Lr(ab)が実際の口開き角度と高い相関が得られたことから、
(vi) 各断面形状を囲う最小の長方形の短辺(本発明の物理量(j)の一方の値)
(vii) 各断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺との比(本発明の物理量(k))
が口開きを評価するための物理量としてより好適であることが分かる。
以上のように、プレス成形品全体についても適切に口開き量または口閉じ量を高い精度で判断することができる。
また、上記において、従来どおり離型前後の口開き角度を実測してスプリングバック量を求めるために、図10に示す手法で口開き角度(角度計測再チェック含む)を11断面分算出するのに要した時間は1時間であった。この点、本発明によれば、11断面分の計算を行うのに要した時間はわずか2分弱であり、250断面分であっても2分強とほぼ同じ時間で計算できた。このように、本発明によれば、より早い時間でより緻密なデータを得ることが可能であり、全体形状に対する口開きの傾向が容易に得られた。
なお、本発明の評価方法を実施するコンピュータ内にグラフ作成手段を設けて、該グラフ作成手段によって自動で行うとよい。
また、(iii)および(vii)の物理量を求めるにあたり、(iii)は断面二次モーメントの最大値/最小値、(vii)は長方形の長辺/短辺で求めたが、(iii)は最小値/最大値、(vii)は短辺/長辺としても同様に口開きを評価するための物理量として好適である。
1 プレス成形品
11 アウター部品
13 交差平面

Claims (2)

  1. ハット断面形状を有するプレス成形品におけるスプリングバックによる口開き量または口閉じ量をコンピュータにより評価するスプリングバック量評価方法であって、
    前記プレス成形品における評価対象となる断面を設定する断面設定工程と、該断面設定工程で設定した断面における離型前後の断面形状を取得する断面形状取得工程と、該断面形状取得工程で取得した離型前後の断面形状に基づいて以下に示すいずれかの物理量の離型前後の変化量を演算し、該演算した変化量に基づいて前記プレス成形品の特定の断面における前記口開き量または口閉じ量を評価することを特徴とするスプリングバック量評価方法。
    (a)前記断面形状の断面二次モーメントの最大値又は最小値の絶対値
    (b)前記断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値との比
    (c)前記断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値の差
    (d)前記断面形状を囲う最小の長方形の長辺又は短辺の長さの絶対値
    (e)前記断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺との比
    (f)前記断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺の差
  2. ハット断面形状を有するプレス成形品におけるスプリングバックによる口開き量または口閉じ量をコンピュータにより評価するスプリングバック量評価方法であって、
    前記プレス成形品の形状に交差する交差平面を所定間隔ごとに複数設定する交差平面設定工程と、該交差平面設定工程で設定された交差平面毎に前記プレス成形品の離型前後の断面形状を取得する断面形状取得工程と、該断面形状取得工程で取得した離型前後の各断面形状に基づいて以下に示すいずれかの物理量を演算し、該演算した前記物理量の離型前後の比に基づいて前記プレス成形品全体の前記口開き量または口閉じ量を評価することを特徴とするスプリングバック量評価方法。
    (g)前記各断面形状の断面二次モーメントの最大値又は最小値の絶対値
    (h)前記各断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値との比
    (i)前記各断面形状の断面二次モーメントの最大値と最小値の差
    (j)前記各断面形状を囲う最小の長方形の長辺又は短辺の長さの絶対値
    (k)前記各断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺との比
    (l)前記各断面形状を囲う最小の長方形の長辺と短辺の差
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