JP2015072349A - 表示装置用前面保護板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表示装置用前面保護板10の製造方法は、(A)支持フィルム21、着色顔料として少なくとも白色顔料を、感光性樹脂の樹脂バインダ中に含む白色系感光性樹脂層22、及び保護フィルム23がこの順に積層されたドライフィルム20を、保護フィルムを剥離して白色系感光性樹脂層を透光性基板1に押し付け積層密着させるラミネート工程、(B)白色系感光性樹脂層をパターン状に露光する露光工程、(C)白色系感光性樹脂層を現像して遮光層2の白色系樹脂層2wのパターン状にする現像工程、をこの順に少なくとも含む。
【選択図】図1
Description
また、薄型化、軽量化、部品点数削減などに対する要求に応えるべく、表示装置用前面保護板50とタッチパネル30との一体化、或いはタッチパネル30と表示パネル40との一体化などの各種一体化の形態が、提案され実用化も始まっている(特許文献1、特許文献2)。
そこで、白色系の色意匠を表現できるように、遮光層52を、カーボンブラック等の黒色顔料に替えて、白色顔料を樹脂バインダ中に含む白色系樹脂層で構成すれば、白色系の色意匠は表現できる。しかし、白色系樹脂層は、黒色樹脂層に比べて遮光性が不足気味で、層の厚みを例えば15μm以上と10倍以上厚くする必要がある。このため、白色系樹脂層は、通常、一回の印刷で厚みを厚くできるスクリーン印刷法によって形成されている。しかし、スクリーン印刷では、高精度で高精細なパターン形成は難しいという難点があった。
そこで、白色系樹脂層を、フォトリソグラフィ法によって感光性樹脂組成物を塗布し露光し現像して形成すれば、高精度で高精細なパターン形成が可能となり、スクリーン印刷の欠点は解決できる。
しかしながら、このような塗布工程をともなうフォトリソグラフィ法では、一回の塗布工程で必要な厚みを確保できないために、複数回の工程で層を重ねることが必要となり、その分、製造に時間がかかりコスト高となる問題があった。また、こうしたフォトリソグラフィ法で層を重ねるにしても一回でなるべく厚く形成しようとすると、特に複数の表示装置用前面保護板を多面付けした大判で製造する場合に、層の厚みがばらついて面分布が生じやすいといった、問題もあった。
(A)支持フィルムと、この支持フィルム上に積層され、着色顔料として少なくとも白色顔料を、感光性樹脂を用いた樹脂バインダ中に含む白色系感光性樹脂層と、この白色系感光性樹脂層上に積層された保護フィルムとを有するドライフィルムを、
前記保護フィルムを剥離して、前記白色系感光性樹脂層を前記透光性基板に押し付けて積層密着させる、ラミネート工程、
(B)前記白色系感光性樹脂層をパターン状に露光する露光工程、及び、
(C)前記白色系感光性樹脂層を現像する現像工程、
をこの順に少なくとも含む、
表示装置用前面保護板の製造方法。
図1は、本発明による表示装置用前面保護板の製造方法をその一実施形態で説明する工程図である。
図2は、本発明による表示装置用前面保護板の製造方法で得られる、表示装置用前面保護板10の一構成例を示す図であり、図2(a)は裏側からみた平面図、図2(b)は平面図中、C−C線での断面図である。
すなわち、図1の工程図で示すように、本発明による表示装置用前面保護板の製造方法では、少なくとも、(A)ラミネート工程、(B)露光工程、(C)現像工程を、この順に含む製造方法である。図中、これらの工程を単に、「(A)工程」、「(B)工程」、「(C)工程」とも記す。
ラミネート工程は、ドライフィルム20を透光性基板1にラミネートする工程である。具体的には、ラミネート工程では、支持フィルム21と、支持フィルム21上に積層された白色系感光性樹脂層22と、白色系感光性樹脂層22上に積層された保護フィルム23とを有するドライフィルム20を、保護フィルム23を剥離して、白色系感光性樹脂層22を透光性基板1に押し付けて積層密着させる。
図1中、(A)ラミネート工程は、図1(イ)、図1(ロ)及び図1(ハ)である。
ドライフィルム20は、図1(イ)に示すように、支持フィルム21と、支持フィルム21上に積層された白色系感光性樹脂層22と、この白色系感光性樹脂層22上に積層された保護フィルム23とを少なくとも有する。
なお、「フィルム」及び「シート」は、一般に、前者は後者に比べて薄いものとなることが多いが、両者を互いに区別する一義的な定義はなく、本発明においては、これらを呼称によって互いに区別しない。
支持フィルム21は、白色系感光性樹脂層22及び保護フィルム23を支持するフィルムであり、これらを支持できるものであれば、特に制限はない。通常、支持フィルム21は、露光工程で用いる紫外線などの露光光に対して透明なものが用いられる。
例えば、支持フィルム21としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィルムを用いることができる。
支持フィルム21の厚みは、特に制限はないが、例えば10〜125μmである。
白色系感光性樹脂層22は、最終的に、遮光層2の一構成層である白色系樹脂層2wとなる層である。白色系感光性樹脂層22は、白色系の色を表現する為の着色顔料として少なくとも白色顔料を、感光性樹脂を用いた樹脂バインダ中に含み、感光性を有する層である。この結果、白色系樹脂層2wは、着色顔料として白色顔料を感光性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む層として形成される。
遮光層2は、表示装置用前面保護板10の不透明領域A2において、不要な部品などを隠すための遮光性と共に、表示装置用前面保護板10の外観意匠を向上させる加飾層としての機能も有する。
遮光層2の遮光性は、要求仕様、表現色にもよるが、透過率で言えば大きくても1%以下(光学濃度OD2.0以上)、好ましくは透過率で0.1%以下(光学濃度OD3.0以上)、より好ましくは透過率で0.01%以下(光学濃度OD4.0以上)である。
本発明において、遮光層2が白色系の色を呈するとは、純粋な白色(純白)以外に、黄みの白である黄白色、アイボリー色、ベージュ色、赤みの白である赤白色(薄いピンク色)、黄みの白である黄白色、青みの白である青白色、緑みの白である緑白色、紫みの白である紫白色、茶色みの白である茶白色、黒みの白である灰色(ライトグレー)、銀色みの白である銀白色、金色みの白である金白色などの、有彩色で白っぽい色、及び無彩色で白っぽい色、も含む。
こうした白色系の色を、数値的に示せば、各種表色系を用いて定義することができる。なかでも慣用的な表色系の1種であるマンセル表色系(JIS Z 8721)によって示せば、本発明において白色系の色とは、マンセル表色系において、明度が8.0以上で、且つ彩度が2.0以下の色であると、定義することができる。白色系の色の色相については、どんな色みでも構わない。
マンセル表色系の前記三属性は、市販の分光測色計、分光光度計などによって測定することができる。
白色系の色の中でも、とりわけ白っぽい色は、マンセル表色系によって表現すれば、明度においては9.0以上の色、彩度においては1.0以下の色であり、さらに白っぽい色は、明度が9.0以上で且つ彩度が1.0以下の色である。
白色系感光性樹脂層22に用いる着色顔料には、遮光層2として白色系の色を表現するために、少なくとも白色顔料を用いる。着色顔料としては、さらに、白色顔料以外の有彩色の着色顔料、及び無彩色の黒色顔料などを併用してもよい。着色顔料は、1種単独で用いてもよいし、同種類の色、或いは異なる色の着色顔料を複数種類用いてもよい。
黒色顔料には、例えば、チタンブラック(低次酸化チタン、酸窒化チタンなど)、カーボンブラックなどを用いることができる。
樹脂バインダの樹脂としては、紫外線、電子線、可視光線などの活性エネルギー線で硬化可能な感光性樹脂を用いる。感光性樹脂を用いることで、印刷法に比べて精細なパターン形成が可能なフォトリソグラフィ法によって、白色系樹脂層2wを形成することができる。
前記多官能アクリレート系モノマーには、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などを1種以上用いることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート、又は、アクリレートのいずれかであることを意味する。
白色系感光性樹脂層22を支持フィルム21に積層する方法は、本発明においては、特に限定されない。例えば、白色系感光性樹脂層22は、感光性樹脂の未露光物を含む樹脂バインダ中に着色顔料として少なくとも白色顔料を含有する、白色系感光性樹脂組成物を支持フィルム21に塗布して積層することができる。白色系感光性樹脂組成物には、さらに、この樹脂組成物を支持フィルム21上に塗布する際の塗布適性、或いは印刷する際の印刷適性の調整などの為に、溶剤を含むことができる。
白色系感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合は、塗布後、例えば50〜150℃の温度で加熱乾燥して、溶剤を除去する。
白色系感光性樹脂層22の厚みは、基本的に制限はないが、一回の(A)ラミネート工程で、最終的な白色系樹脂層2wの厚みとなる厚みにすることが好ましい。例えば、白色系感光性樹脂層22の厚みは、15〜40μm、通常15〜30μmである。この範囲の厚みであれば、白色系樹脂層2wの形成工程は複数回必要とせず、1回の形成工程で済ませることができる。
白色系感光性樹脂層22の厚みが上記範囲未満であると、1回の形成工程では遮光層2としての遮光性が不足して層を重ねることが必要となることがあり、上記範囲を超えると、遮光層2としての遮光性の点で過剰性能となることがある上、コスト高となることがあるからである。
保護フィルム23は、白色系感光性樹脂層22の表面をドライフィルム20の使用時まで保護しておくフィルムであり、白色系感光性樹脂層22の表面を保護でき、使用時に剥離できるものであれば、特に制限はない。例えば、保護フィルム23としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系フィルを用いることができる。
保護フィルム23の厚みは、特に制限はないが、例えば10〜125μmである。
ドライフィルム20をラミネートする対象物である透光性基板1は、公知の材料を用いることができる。例えば、透光性基板1としては、代表的にはガラス板であるが、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などの樹脂板でもよい。また、透光性基板1は、ガラスと樹脂との積層体を用いることもできる。
透光性基板1は、樹脂板、或いは、ガラスと樹脂との積層体を用いるときは、ロールに巻き取ることができる程度の可撓性を有するものとして、連続帯状物を使用してもよい。
なお、「板」と、「フィルム」或いは「シート」とは、一般に、前者は後者に比べて厚く剛直なものとなることが多いが、両者を互いに区別する一義的な定義はなく、本発明においては、これらを呼称によって互いに区別しない。
図1(ロ)に例示するように、ドライフィルム20の透光性基板1へのラミネート操作は、ドライフィルム20を、先ずその保護フィルム23を剥離して、白色系感光性樹脂層22を透光性基板1に押し付けて積層密着させる操作である。
こうした連続帯状のドライフィルム20を用いた、白色系感光性樹脂層22の透光性基板1への積層密着の連続的な操作は、ドライフィルム20がもともと、連続帯状の支持フィルム21を用いて連続帯状物として製造できるために、可能となることである。一方、白色系感光性樹脂層組成物を、透光性基板1に塗布する方法では、透光性基板1が通常、ガラス板などで連続帯状でないため、連続的に処理したとしても、安定的な厚みで塗膜を形成することができない。
露光工程は、透光性基板1に積層され、少なくとも保護フィルム23が剥離済みのドライフィルム20に対して、その白色系感光性樹脂層22をパターン状に露光する工程である。図1中、(B)露光工程は、図1(ニ)である。
露光マスクMのパターンは、白色系感光性樹脂層22の感光性樹脂の反応タイプとして、ネガ型或いはポジ型に応じ、また、白色系樹脂層2w及び遮光層2のデザイン形状に応じたものとなる。図1(ニ)に示す(B)露光工程では、ネガ型を想定した露光マスクMとしてある。
現像工程は、透光性基板1に積層され支持フィルム21及び保護フィルム23を剥離済みのドライフィルム20の白色系感光性樹脂層22に対して、白色系感光性樹脂層22を現像する工程である。(C)現像工程によって、白色系感光性樹脂層22は、遮光層2の一構成層とする白色系樹脂層2wのパターン状に形成される。現像後、ベーク工程など後工程が不要な場合は、この(C)現像工程によって、白色系感光性樹脂層22は白色系樹脂層2wとなる。
図1(ホ)が、(C)現像工程である。図1(ヘ)は、得られた表示装置用前面保護板10を表側からみた平面図である。図1(ホ)は、(C)現像工程によって白色系感光性樹脂層22がパターン状になった後の状態を示す。
現像は、白色系感光性樹脂層22の樹脂バインダに応じて、アルカリ水溶液、有機溶剤溶液などの、公知の現像液を用いることができる。通常、現像液には、アルカリ水溶液が用いられる。
以上のようにして、図1(ホ)の断面図、及び図1(ヘ)の平面図に例示するような、表示装置用前面保護板10が製造される。図1(ホ)の断面図は、図1(ヘ)の平面図中、C−C線での断面図に相当する。
本発明において、「表側」とは表示装置用前面保護板10乃至はその構成要素に対して、観察者V側のことであり、「裏側」とはこの逆側、つまり表示パネル側を意味する。
表示用領域A1は、表示装置用前面保護板10を表示パネルに適用したときに、表示装置用前面保護板10を透して、表示パネルが表示する内容を表示できる領域である。
不透明領域A2は、表示装置用前面保護板10を表示パネルに適用したときに表示パネルが外周部に有する配線、コネクタなどの意匠表現上不要なものを隠す為の領域である。また、不透明領域A2は、それが表現する色、適宜設けるロゴやマークなどの可視情報によって加飾部にもなる領域である。
以上のような構成の製造方法によれば、白色系樹脂層2wによって白色系の色意匠を表現した遮光層2を有する表示装置用前面保護板10を、白色系樹脂層形成工程にフォトリソグラフィ法を利用しても層を重ねることなく製造することができる。このため、高精度で高精細なパターン形成が可能である上、コスト増となるのを回避することができる。また、特に多面付けでの製造時において白色系樹脂層2wの厚みのバラツキも改善できる。また、白色系樹脂層2wの形成工程から、塗布工程を省略することができ、塗布工程につきまとう減圧乾燥などによる溶剤除去工程が不要となり、生産性を向上させることができる。
本発明の表示装置用前面保護板の製造方法は、上記した工程以外のその他の工程を含み得る。例えば、ベイク工程、或いは、従来公知の表示装置用前面保護板10における各種構成要素をさらに付加する工程などを含むことができる。以下、その一部を説明する。
本発明においては、さらに、(C)現像工程の後に、ベイク工程を含んでもよい。ベイク工程としては、従来公知のフォトリソグラフィ法における操作を適宜実施することができる。例えば、ベイク工程では、白色系感光性樹脂層22を例えば150〜200℃に加熱する。ベイク工程は、通常、現像によってパターン形成された白色系感光性樹脂層22、乃至は白色系樹脂層2wについて、残りの硬化反応を進めて皮膜強度などを強めるために行われる。
本発明においては、白色系樹脂層2wを形成した後、遮光層2の一構成層として裏打ち層を形成する工程を含んでもよい。裏打ち層は白色系樹脂層2wの裏側に形成される。
裏打ち層によって、遮光層2としての遮光性が白色系樹脂層2wのみでは不足するときに、遮光性を補うことができる。
裏打ち層としては、代表的には、遮光性が白色系樹脂層2wよりも大きい暗色樹脂層によって形成することができる。暗色樹脂層は、例えば、黒色顔料を樹脂バインダ中に含む暗色感光性樹脂組成物を用いて形成することができる。樹脂バインダには、形成方法に応じて、白色系感光性樹脂層22で述べた感光性樹脂の他、熱硬化性樹脂などを用いることができる。裏打ち層の形成法は、特に制限はなく、ドライフィルムを用いてもよいし、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成してもよい。
本発明においては、白色系樹脂層2wを形成した後、遮光層2の一構成層として色調整層を形成する工程を含んでもよい。色調整層は白色系樹脂層2wに対しては、その裏側に、裏打ち層も有する場合は、その表側に形成される。
色調整層は、白色系樹脂層2wによって表現される遮光層2の色を、調整する機能を有する層である。例えば、色調整層を青色として、白色系樹脂層2wを白色として白色系樹脂層2wをとおして色調整層の色が透けて見えるようにしたときに、遮光層2ではパステルブルーなど青みをおびた白色を表現することが可能となる。
色調整層は、例えば、着色顔料を感光性樹脂の樹脂バインダ中に含む着色感光性樹脂組成物を用いて形成することができる。着色顔料には白色系感光性樹脂層22で述べた着色顔料を用いることができる。樹脂バインダには、白色系感光性樹脂層22で述べた感光性樹脂を用いることができる。色調整層の形成法は、特に制限はなく、ドライフィルムを用いてもよいし、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成してもよい。
白色系樹脂層2wの厚みに対して通常1/10以下の厚みとなる色調整層によって、この色調整層よりも相対的に厚みが厚く、露光や現像などの条件管理がシビアになりがちな白色系樹脂層2wの色自体は固定することで製造条件を振らずに、色調整層の色の変更のみで多様な白色系の色意匠を表現することが可能となり、生産性を向上させることができる。
本発明においては、後述図2の裏側からみた表示装置用前面保護板10の平面図で示すように、遮光層2として白色系樹脂層2wが形成される不透明領域A2の部分に、可視情報3を形成する工程を含んでもよい。可視情報3は、製品ロゴマーク、操作説明用の文字や記号、模様などの任意の目視可能な情報である。可視情報3は、公知の材料及び形成法を採用することができる。
可視情報3は、白色系樹脂層2wの非形成部として、白色系樹脂層2wの形成と同時に形成してもよい。このとき、例えば、白色系樹脂層2wの形成後に、金属層を蒸着形成すれば、金属外観の可視情報3とすることができる。
本発明においては、図示はしないが、遮光層2として白色系樹脂層2wが形成される不透明領域A2の部分に、通知窓、赤外透過窓などを形成する工程を含んでもよい。
通知窓や赤外透過窓は、公知の構成、材料及び形成法を採用することができる。例えば、白色系樹脂層2wの非形成部として、白色系樹脂層2wの形成と同時に形成してもよい。
本発明においては、図2の平面図で示す表示装置用前面保護板10のように、透明電極4を形成する工程を含んでもよい。透明電極4は、例えば、タッチパネルの位置検知用である。タッチパネルの位置検知方式は、例えば、投影型静電容量方式の他、抵抗膜方式など、任意である。
図2は、タッチパネルの位置検知用の透明電極4が形成された、表示装置用前面保護板10の一例を示す図であり、図2(a)は裏側からみた平面図、図2(b)は、平面図中、C−C線での断面図である。
透明電極4がタッチパネル用であるとき、タッチパネル機能の一体化により、部品点数の削減、薄型化の効果が得られる。
なお、透明電極4の用途は、この他、例えば、配線、透明アンテナなど、任意である。
本発明においては、図2に例示する表示装置用前面保護板10のように、配線5を形成する工程を含んでもよい。配線5は、例えば、タッチパネルの位置検知用の透明電極4を、外部に接続するために形成される。
配線5には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、配線5には、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。配線5は、例えば、銀、パラジウム及び銅からな
る銀合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によりパターン形成することができる。配線5は、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成してもよい。
本発明においては、図示はしないが、例えば、遮光層2が形成された後の状態での最表層、或いは、透明電極4及び配線5が形成された後の面上の最表層などとして、透明なオーバーコート層を形成する工程を含んでもよい。オーバーコート層によって、絶縁性、耐傷付き性など各種信頼性を向上させることができる。
オーバーコート層には、公知の材料及び形成法を採用することができる。オーバーコート層には、例えば、熱硬化型エポキシ樹脂、アクリル系感光性樹脂などを用いることができる。パターン形成する場合は、フォトリソグラフィ法で形成することができる。
本発明の製造方法で得られる表示装置用前面保護板10の用途は、特に限定されない。例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットPCなどの携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、デジタルカメラ、デジタルフォトフレーム、電子書籍端末、電子手帳、ゲーム機器、自動券売機、ATM端末、POS端末、自販機などである。
2 遮光層
2w 白色系樹脂層
3 可視情報
4 透明電極
5 配線
10 表示装置用前面保護板
20 ドライフィルム
21 支持フィルム
22 白色系感光性樹脂層
23 保護フィルム
30 タッチパネル
40 表示パネル
50 従来の表示装置用前面保護板
100 表示装置
51 透光性基板
52 遮光層
A1 表示用領域
A2 不透明領域
M 露光マスク
R ラミネートローラ
S1 第1面
S2 第2面
T 送りステージ
V 観察者
Claims (1)
- 中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有し、前記不透明領域において透光性基板上の遮光層として白色系樹脂層を有する表示装置用前面保護板を製造する製造方法であって、
(A)支持フィルムと、この支持フィルム上に積層され、着色顔料として少なくとも白色顔料を、感光性樹脂を用いた樹脂バインダ中に含む白色系感光性樹脂層と、この白色系感光性樹脂層上に積層された保護フィルムとを有するドライフィルムを、
前記保護フィルムを剥離して、前記白色系感光性樹脂層を前記透光性基板に押し付けて積層密着させる、ラミネート工程、
(B)前記白色系感光性樹脂層をパターン状に露光する露光工程、及び、
(C)前記白色系感光性樹脂層を現像する現像工程、
をこの順に少なくとも含む、
表示装置用前面保護板の製造方法。
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