JP2015070347A - 中継装置、光強度制御方法、及び光アクセスシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】OLTと中継装置との間の伝送損失に応じて上り光信号の強度を調整し、OLTの光受信器の損傷を防止できる中継装置、光強度制御方法、及び光アクセスシステムを提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る中継装置は、OLTから一定の光強度で出力される下り光信号を受信する際の光強度を確認し、上り光信号の光強度を決定して出力する。このため、本中継装置は、OLTから中継装置までの中継区間の光ファイバの伝送損失に応じた光強度の上り光信号を出力できるため、光強度が強すぎてOLTの光受信器を損傷することを防止できる。【選択図】図3
Description
本発明は、双方向に光信号を伝送する光伝送路に配置される中継装置、前記中継装置での光強度制御方法、及び前記中継装置を備える光アクセスシステムに関する。
光アクセスシステムの代表的な網構成として、図1に示すようなポイント・トゥ・マルチポイント型構成の受動光ネットワーク(Passive optical network:PON)方式がある。PONにおいては、複数の光ネットワーク終端装置(Optical network unit:ONU)200と光加入者線収容装置(Optical line terminal:OLT)100とがパッシブな光分岐素子(スプリッタ150)を介して接続される。PON方式においては複数のONUが1つのOLTや光ファイバ設備を共有するために経済性に優れるという理由から、多くの光アクセスシステムではPON方式が採用されている。ギガビットクラスのPONの代表的な規格として、IEEE Std 802.3タスクフォースにおいて標準化されたEPON(IEEE Std 802.3−2008)、IEEE 802.3avタスクフォースにおいて標準化された、10ギガビットクラスのPONシステムである10G−EPON (IEEE Std 802.3av−2009)とがある。
一般にPON方式においては、分岐数が多く、かつ、長距離伝送が可能であることが好ましい。なぜなら、多くの加入者、すなわち多くのONUを1つのPONシステムに収容できると、光アクセスシステムの運用コストいう観点で、ユーザあたりのコストを下げることが可能になるからである。
そのような背景もあり、従来のEPONや10G−EPONにおいては、最大20km、32分岐をサポートするが、最大64分岐をサポートできる仕様が現在IEEE P802.3bkタスクフォースにおいて議論されている。
一方、長延化技術に関しても数多くの報告がなされている。例えば、非特許文献3においては、光ファイバ増幅器をOLTとONUとの間に設置する際に、バーストモードの上り信号が原因の光サージによりOLT光受信器が損傷しないような技術が報告されている。また、非特許文献4においては、半導体光増幅器をONUとOLTとの間に設置することにより、10G−EPONシステムの100km伝送が報告されている。
IEEE Std 802.3−2008
IEEE Std 802.3av−2009
K.−I.Suzuki, Y.Fukada, D.Nesset, and R.Davey, "Amplified gigabit PON systems" , OSA J.Opt.Netw., vol.6, no.5, pp.422−433, 2007.
M.Fujiwara, T.Imai, K.Taguchi, K.−I.Suzuki, H.Ishii, and N.Yoshimoto, "Field trial of 100−km reach symmetric−rate 10G−EPON system using automatic level controlled burst−mode SOAs" , IEEE J.Lightw.Technol., vol.31, no.4, pp.634−640, 2013.
ところで、光ファイバ増幅器などの中継装置を用いてPONの長延化を図る際は、送信光出力強度が大きすぎると、光受信器を損傷してしまって通信が不可能になってしまう可能性がある。
特に、図2に示すような、中継装置250を受動光スプリッタ150よりOLT100側に設置する際は、設置先PONシステムの中継ファイバ区間の距離、すなわち伝送損失によっては、上り光信号強度が大きすぎるという状況が発生しうる。このため、中継区間の光ファイバ損失がシステム毎に異なる場合は上り光送信強度が高すぎることによって局側光受信器を損傷する可能性があった。
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、OLTと中継装置との間の伝送損失に応じて上り光信号の強度を調整し、OLTの光受信器の損傷を防止できる中継装置、光強度制御方法、及び光アクセスシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、中継装置が中継する下り光信号の強度からOLTから中継装置までの中継区間の光ファイバの伝送損失を見積もり、中継装置が中継する上り光信号の光強度を制御することとした。
具体的には、本発明に係る中継装置は、双方向に光信号を伝送する光伝送路に配置される中継装置であって、一方向の光信号の光強度に基づいて他方向の光信号の光強度を決定する光強度制御器を備えることを特徴とする。
本中継装置は、OLTから一定の光強度で出力される下り光信号を受信する際の光強度を確認し、上り光信号の光強度を決定して出力する。このため、本中継装置は、OLTから中継装置までの中継区間の光ファイバの伝送損失に応じた光強度の上り光信号を出力できるため、光強度が強すぎてOLTの光受信器を損傷することを防止できる。従って、本発明は、OLTと中継装置との間の伝送損失に応じて上り光信号の強度を調整し、OLTの光受信器の損傷を防止できる中継装置を提供することができる。
例えば、下り光信号の光強度を、中継装置の光増幅器に入力する前でモニタするとしてもよい。すなわち、本発明に係る中継装置は、前記一方向の光信号の一部をタップするモニタ素子を有し、前記モニタ素子がタップした光信号の光強度に基づいて前記一方向の光信号の増幅度を決定する光増幅器をさらに備えており、前記光強度制御器は、前記モニタ素子がタップした光信号で前記一方向の光信号の光強度を認知することを特徴とする。
また、光増幅器が半導体光増幅器であるならば、下り光信号の光強度を、半導体光増幅器に注入される注入電流でモニタするとしてもよい。すなわち、本発明に係る中継装置は、前記一方向の光信号を所定の光強度へ増幅する半導体光増幅器をさらに備えており、前記光強度制御器は、前記一方向の光信号を増幅するため前記半導体光増幅器に注入される注入電流で前記一方向の光信号の光強度を認知することを特徴とする。
例えば、上り光信号の光強度を、認知した下り光信号の光強度から所定の数式で算出してもよい。すなわち、本発明に係る中継装置は、前記光強度制御器は、前記一方向の光信号を送信する送信元送信装置の出力信号光強度が予め与えられ、前記出力信号光強度と前記一方向の光信号の光強度との差分を前記送信元光送信装置からの損失とし、前記損失に応じて前記他方向の光信号の光強度を計算する計算式が予め与えられる記憶部を有することを特徴とする。
また、下り光信号の光強度に対する上り光信号の光強度を記載したテーブルを備え、上り光信号の光強度を、認知した下り光信号の光強度からテーブルを参照して決定してもよい。すなわち、本発明に係る中継装置は、前記光強度制御器は、前記一方向の光信号の光強度に対する前記他方向の光信号の光強度を記載したテーブルを有することを特徴とする。
また、上記数式と上記テーブルの双方を組み合わせて上り光信号の光強度を決定してもよい。すなわち、本発明に係る中継装置は、前記光強度制御器は、前記計算式の一部を計算値毎に参照する参照値を記載した参照テーブルをさらに有することを特徴とする。
例えば、上り光信号の光強度をレーザダイオードの駆動条件で制御してもよい。すなわち、本発明に係る中継装置は、前記他方向の光信号を出力する光送信器をさらに備え、前記光強度制御器は、決定した前記他方向の光信号の光強度を前記光送信器のレーザダイオード駆動条件として前記光送信器に与えることを特徴とする。
また、上り光信号の光強度を光減衰器で制御してもよい。すなわち、本発明に係る中継装置は、前記他方向の光信号を出力する光送信器と、前記光送信器が出力する光信号を減衰する光減衰器と、をさらに備え、前記光強度制御器は、決定した前記他方向の光信号の光強度を前記光減衰器の減衰量として前記光減衰器に与えることを特徴とする。
また、上り光信号の光強度に上限値を設けてもよい。すなわち、本発明に係る中継装置の前記光強度制御器は、前記他方向の光信号の光強度に上限光強度を設定しており、前記一方向の光信号の光強度に基づく前記他方向の光信号の光強度が前記上限光強度を超える場合、前記上限光強度を前記他方向の光信号の光強度に決定することを特徴とする。
本発明に係る光強度制御方法は、双方向に光信号を伝送する光伝送路に配置される中継装置において、一方向の光信号の光強度に基づいて他方向の光信号の光強度を決定する。
本発明に係る光アクセスシステムは、前記中継装置を備える。
本発明は、OLTと中継装置との間の伝送損失に応じて上り光信号の強度を調整し、OLTの光受信器の損傷を防止できる中継装置、光強度制御方法、及び光アクセスシステムを提供することができる。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施形態であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
本実施形態の上り光送信強度制御をPONシステムに適用する際の動作を説明する。本実施形態において想定する光アクセスネットワーク構成は下り通信が時分割多重(Time division multiplexing:TDM)、上り通信が時分割多元接続(Time division multiple access:TDMA)の1G−EPONであるとする。1G−EPONにおいては下り通信に1.49μm帯、上り通信に1.31μm帯の波長が用いられる。ネットワーク構成は図2と同様である。局側装置(OLT100)と中継装置250が中継用光ファイバ(中継ファイバ160)で接続され、中継装置250とONU200とが、受動光スプリッタ150と分岐用光ファイバ(分岐ファイバ)を介して接続される。受動光スプリッタを介してONUがPONネットワークに接続される。
本実施形態の上り光送信強度制御をPONシステムに適用する際の動作を説明する。本実施形態において想定する光アクセスネットワーク構成は下り通信が時分割多重(Time division multiplexing:TDM)、上り通信が時分割多元接続(Time division multiple access:TDMA)の1G−EPONであるとする。1G−EPONにおいては下り通信に1.49μm帯、上り通信に1.31μm帯の波長が用いられる。ネットワーク構成は図2と同様である。局側装置(OLT100)と中継装置250が中継用光ファイバ(中継ファイバ160)で接続され、中継装置250とONU200とが、受動光スプリッタ150と分岐用光ファイバ(分岐ファイバ)を介して接続される。受動光スプリッタを介してONUがPONネットワークに接続される。
次に、中継装置250の構成を図3に示す。中継装置250は、双方向に光信号を伝送する光伝送路に配置される中継装置であって、一方向の光信号の光強度に基づいて他方向の光信号の光強度を決定する光強度制御器60を備える。
中継装置250は、波長合分波フィルタA10、波長合分波フィルタB20、光増幅器30、3R受信器40、光送信器50、光強度制御器60を有する。波長合分波フィルタA10は、図2記載の受動光スプリッタ150を介してONU200と接続される。波長合分波フィルタA10は、中継装置250が内蔵する光増幅器30から送信されてくる下り方向の1.49μm帯の信号をONU200方向に送る一方、ONU200から送られてくる上り方向の1.31μm帯の信号光を3R受信器40に送信する受動部品である。波長合分波フィルタB20は、OLT100から送信される下り方向の1.49μm帯の信号を光増幅器30に送る一方、光送信器50から送られてくる上り方向の1.31μm帯の信号光をOLT100に送信する受動部品である。光増幅器30は、波長合分波フィルタB20を介してOLT100から送信されてくる下り光信号の光強度を増幅して、波長合分波フィルタA10を介してONU200に再生送信する機能を有する。光増幅器30は、例えば、半導体光増幅器(Semiconductor optical amplifier:SOA)である。
次に、図4を用いて、中継装置250が内蔵する3R受信器40、光送信器50、光強度制御器60、光増幅器30の詳細な構成および機能を説明する。
3R受信器40は、受光素子であるフォトダイオード(Photo diode:PD)、インピーダンス変換増幅器(Transimpedance amplifier:TIA)、振幅制限増幅器(Limiting amplifier:LIA)、クロックデータ再生器(Clock and data recovery:CDR)を有し、光送信器50と接続される。光ファイバ中に信号光を長距離に渡って伝搬させると波形歪、雑音、及びジッタによって信号が劣化するが、3R受信器40は、これを補償して光信号を再生する。再生機能には、波形整形(Reshaping)、クロック信号の抽出と信号のタイミング決定(Retiming)、増幅(Reamplification)の3つの機能があり、これを3R機能と呼ぶ。
3R受信器40は、ONU200から受動光スプリッタを介して送られてくる、光信号強度が微弱な上り信号を3R再生する機能を有する。PONにおける上り信号を3R再生する際は、上り信号がONU200毎に異なる強度および位相を有しているため、そのようなバースト信号に対する瞬時応答性能が要求される。すなわち、PDは光信号を電流信号に変換するが、信号強度が大きい光信号の電流に対しても微弱な光信号の電流に対しても、TIAは瞬時にインピーダンス変換利得を最適化して歪みのない電圧信号として出力する。LIAは、TIAが出力する電圧信号を歪み無く増幅し、一定振幅にしてCDRに出力する。後段のCDRは、互いに位相の異なる光信号から瞬時にクロック抽出を行い、その再生クロックを用いてLIAが振幅制限した信号を識別再生する。
光送信器50は、レーザダイオード駆動器(Laer diode driver:LDD)、レーザダイオード(Laser diode:LD)を有する。
光強度制御器60は、光増幅器30の動作状況をモニタすることによって中継ファイバ区間の光ファイバ損失を見積もる。その見積もり結果に基づき、OLT100の光受信器が損傷しないように光送信器50が出力する光信号強度を制御する。光強度制御器60の詳細動作については後で別途詳細に説明する。
光増幅器30は、下り方向の光信号の一部をタップするモニタ素子を有し、前記モニタ素子がタップした光信号の光強度に基づいて下り方向の光信号の増幅度を決定する。まず、光増幅器30であるSOAの一般的な動作について概要を説明する。
SOAは電流注入により励起状態をつくり出し、入力される光信号強度を増幅する素子である。一般的に光増幅器には自動利得制御機能(Automatic gain control:AGC)を有しており、入力光信号強度に応じて利得を変化させることにより、出力光信号強度が一定になるように制御する。別の言い方では、自動出力レベル制御(Automatic level control:ALC)とも呼ばれる。両者の意図するところは概ね同じであるので、本実施形態ではALCのみを説明に用いる。図5(a)は、ALCの動作を説明する図である。ALC機能の実現にあたっては、SOAは入力光信号の一部を、モニタPDを用いてタップし、SOAへの入力光信号強度を検出する。そして、入力光信号強度に応じた利得制御を行う。すなわち入力光信号強度が大きい場合は利得を下げるためにSOAへの注入電流量を減らし、入力光信号強度が小さい場合は利得を上げるためにSOAへの注入電流量を増やすような制御を行うのがALC動作の概要である。
次に光強度制御器60の動作を詳細に説明する。光強度制御器60は、前記モニタ素子がタップした光信号で下り方向の光信号の光強度を認知する。例えば、ネットワーク構成や装置構成が全く同じだが、伝送線路の距離は少なくとも異なる2つのEPONシステム1およびEPONシステム2を考える。それぞれ中継ファイバ区間の伝送距離がL1およびL2であるとする。光強度制御器60はSOAのALC機能が有する入力光パワーのタップ機能を利用し、SOAへ入力する下り光信号強度を検出する。
次に、中継区間光ファイバの損失値を求める方法を説明する。光強度制御器60は、下り方向の光信号を送信するOLT100の出力信号光強度が予め与えられ、前記出力信号光強度と下り方向の光信号の光強度との差分をOLT100からの損失(中継区間光ファイバ損失)とし、前記損失に応じて上り方向の光信号の光強度を計算する計算式が予め与えられる記憶部を有する。
図5(b)は、SOAへの入力光信号強度と、下り信号の波長帯である1.49μm帯における中継区間光ファイバ損失との関係を示す。当該関係は、中継区間の損失が大きいほど、SOAへの入力光信号強度は小さくなるため、図5(b)に示す直線のような特性を示す。
例えばEPONシステム1において、SOAの入力光信号強度が−6dBmである一方、EPONシステム2においてはSOAへの入力光信号強度が−23dBmであったとする。EPON標準(IEEE Std 802.3−2008)の1000BASE−PX10−Dにおいては、OLT100側送信器の最小送信光出力強度は−3dBmと定められている。そこで、本実施形態のOLT100は1000BASE−PX10−Dに準拠していると仮定すると、OLT100からは最低でも−3dBmの光信号強度が出力されているとみなすことができる。下り通信波長帯である1.49μmでの中継区間光ファイバ損失をそれぞれLD1、LD2とすると、それらはそれぞれLD1=3dB、LD2=20dBとなる。
ところで、一般に、単位距離あたりの伝送損失が異なる2つの波長帯における光ファイバの伝送損失は以下の式(2)で表現することができる。
上式でLD、LUはそれぞれ下り通信波長帯および上り通信波長帯の光ファイバ損失を表す。CU、CDはそれぞれ下り通信波長帯および上り通信波長帯の単位距離あたりの光ファイバ損失を示す。
次に、図5(c)は式(3)に基づく中継区間光ファイバの損失特性である。図5(c)において縦軸はEPONシステムの上り波長帯である1.31μm帯、横軸はEPONシステムの下り波長帯である1.49μm帯の損失特性を示す。図5(c)から分かるようにEPONシステム1およびEPONシステム2の、上り波長帯における中継区間光ファイバ損失LU1、LU2はそれぞれ4.5dB、30dBと見積もることができる。
図6は、1.49μm帯の中継区間光ファイバ損失LUと、中継装置250が有する光送信器50に出力可能とする平均光信号強度PU_idealの関係である。横軸の値(PU_ideal)は、PONシステムのOLT100光受信器が損傷しない最大の入力光強度Pin_damageと、中継区間光ファイバ損失LUから求めることができ、以下の式(4)のように表すことができる。
例えば、IEEE Std 802.3ah−2004において、1000BASE−PX10−Dにおいては、Damage threshold(max)として4dBmの値が規定されている。従って、本実施形態においては、OLT100の受信器を損傷しない、最大の送信光出力強度は、EPONシステム1およびEPONシステム2においてはそれぞれ式(4)より、PU1_ideal=8.5dBmおよびPU2_ideal=34dBmとなる。
この結果EPONシステム2においては最大で34dBmの光信号を出力できることにはなるが、光送信器がデバイスとしてそこまでの高出力な値は現実的でない場合もある。そこで、光強度制御器60は、上り方向の光信号の光強度に上限光強度を設定しており、下り方向の光信号の光強度に基づく上り方向の光信号の光強度が前記上限光強度を超える場合、前記上限光強度を上り方向の光信号の光強度に決定する。
具体的には、光送信器50から出力する上り光信号の光強度は、計算値が大きくなった場合、図7に示すように、一定の値(PU_ltd)以上にしない。例えば、PU_ltdの値としては10dBm〜15dBm程度の値になる。
以上の説明の式(1)、(2)、(4)をまとめると、中継装置内蔵の光送信器の光出力値PU_actualは、以下式(5)のように表すことができる。
ただし、PU_actualは最大でもPU_ltdを超えることはない。
光強度制御器60は、光送信器50が有するLDDが解釈できる形式で、LDDの送信光強度制御端子に対して、光送信出力値(PU_actual)を指示する制御信号を与える。
例えば本実施形態のEPONシステム1での適用を考える。EPONシステム1の中継装置が内蔵する光送信器のLDが最大で10dBm(10mW)の光信号を出力可能で、その際必要な電流が100mAとする。但し、送信光強度とLDDに必要な電流値は線形近似可能とする。また、LDDの送信光強度制御端子に対しては、0〜2Vの範囲の直流電圧信号の形で送信光強度を線形近似で指示できるとする。その際、LDDに与える電圧信号は以下の式(6)で表すことができる。
ここで、VCont_LD、VCont_LD_Max、VCont_LD_Minはそれぞれ送信光強度制御端子に与える実際の電圧値、送信光強度制御端子に与えられる電圧の最大値、送信光強度制御端子に与えられる電圧の最小値である。PU_actual、Pout_LD_Max、Pout_LD_Minはそれぞれ、中継装置内蔵の光送信器が有するLDの実際の出力光強度、最大出力光強度、最小出力光強度である。ILD_actual、ILD_Max、ILD_Minはそれぞれ、中継装置内蔵の光送信器が有するLDに流す実際の電流値、最大値、最小値である。
例えば、前述の計算結果により、PU_actual=8.5dBm(7.1mW)の場合、LDに必要な電流は71mAとなる。そこで、光強度制御器60は、LDDに対して1.42Vの値を出力することで所望の上り光信号の光強度(8.5dBm)を指示することができる。
中継装置250の設置時に、光強度制御器60に対して、光アクセスシステムに応じたPin_damage、CU、CD、P Out_OLT100、Vcont_LD_Max、Vcont_LD_Min、Pout_LD_Max、Pout_LD_Min、ILD_Max、ILD_Minの値を何らかの手段、例えばコマンドラインインターフェイス(Command line interface:CLI)によって入力する。光強度制御器60は、例えば式(4)、(5)に記載の計算式を用いてLDDの送信光強度制御端子に対して与える制御電圧値を計算する手段を不揮発性記憶媒体などにプログラムとして有する。
このように、中継ファイバ区間の損失を見積もった上で中継装置内蔵の光送信器による光信号強度を制御することにより、OLT100の光受信器を損傷することなくPONシステムの広域化を実現することができる。
図4では、光強度制御器60からLDDの送信光強度制御端子に直接制御電圧を与えていたが、図8に示すように、光送信器50内にLD駆動条件制御器がある形態でも良い。この場合は、光強度制御器60からLD駆動条件制御器に対して、実際の送信光強度PU_actual値を与え、LD駆動条件制御器で、LDDの送信光強度制御端子に与える制御電圧値を出力する構成となる。その場合は、光強度制御器60に対して、Pin_damage、CU、CDの値をCLIによって入力及び設定する。
また、光強度制御器60は、例えば式(4)に記載の計算式を用いてLD駆動条件制御器に出力する送信光強度値を計算する手段を不揮発性記憶媒体などにプログラムとして有する。
光送信器50内のLD駆動条件制御器に対しては、予めPOut_OLT100、Vcont_LD_Max、Vcont_LD_Min、Pout_LD_Max、Pout_LD_Min、ILD_Max、ILD_Minの値を何らかの不揮発性記憶媒体などに記憶させる、あるいは設定しておく。
LD駆動条件制御器は、例えば式(6)に記載の計算式を用いてLDDの送信光強度制御端子に対して与える制御電圧値を計算する手段を不揮発性記憶媒体などにプログラムとして有する。
本実施形態を述べるにあたり、幾つかのパラメータについて具体的な値を記載したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば光ファイバの損失特性を、1.49μm帯および1.31μm帯においてそれぞれ0.2dB/km、0.3dB/kmとしたが、本発明はそれらに制限されるものではなく、実際に使用する波長帯に応じて異なる損失係数をCLIから設定すれば良い。
また、本実施形態はPONシステムについて説明したが本発明はこれに制限されるものではなく、ポイント・トゥ・ポイントシステムにも適用可能である。
(実施形態2)
実施形態1では、光強度制御器60が計算式でLDDに与える信号値を計算したが、本実施形態では、光強度制御器60がテーブルを参照してLDDに与える信号値を決定する。すなわち、光強度制御器60は、下り方向の光信号の光強度に対する上り方向の光信号の光強度を記載したテーブルを有する。
実施形態1では、光強度制御器60が計算式でLDDに与える信号値を計算したが、本実施形態では、光強度制御器60がテーブルを参照してLDDに与える信号値を決定する。すなわち、光強度制御器60は、下り方向の光信号の光強度に対する上り方向の光信号の光強度を記載したテーブルを有する。
第2の実施形態を説明する。実施形態1とは、中継装置が内蔵する光送信器の出力光信号強度、光送信器内蔵のLDに対する印加電流、光送信器内蔵のLDDが有する光出力強度制御端子に与える電圧の取得方法が異なる。
本実施形態においては、ネットワーク構成は実施形態1と同様だが、中継装置250の構成は図4に基づくものとする。光強度制御器60には、CLIなどの手段で、内部に図9のようなテーブルを何らかの不揮発記憶媒体などに保存しておく。
実施形態1に記述した方法と同様の方法で、光強度制御器60はSOAへの入力光信号強度を検出し、その値を用いて、光送信器内のLDDが有する送信光強度制御端子に与える電圧値を読み出す。例えばSOAへの入力光信号強度が−6dBmだった場合は、光送信器内のLDDが有する送信光強度制御端子に対しては1.6Vの値を出力する。
中継装置250の設置時に、光強度制御器60に対して、光アクセスシステムに応じたPin_damage、CU、CD、P Out_OLT100、Vcont_LD_Max、Vcont_LD_Min、Pout_LD_Max、Pout_LD_Min、ILD_Max、ILD_Minの値を何らかの手段、例えばCLIによって入力する。さらに、光強度制御器60には、光アクセスシステムに応じたテーブルを記憶させておき、使用波長帯やLD、LDDの種類に応じたテーブルを必ず参照させる。
本実施形態では、光強度制御器60からLDDの送信光強度制御端子に直接制御電圧を与えていたが、図8に示すように、光送信器内にLD駆動条件制御器がある形態でも良い。その場合は、光強度制御器60が図10に記載のテーブルを持ち、LD駆動条件制御器が図11に記載のテーブルを持つ。
光強度制御器60は、検出したSOAへの入力光信号強度に応じた光送信器の出力強度を図10のテーブルから読み出し、LD駆動条件制御器に出力する。
LD駆動条件制御器は、図11のテーブルを参照し、光強度制御器60から入力される光送信器の出力強度に応じたLDDの送信光強度制御端子に与える制御電圧値を読み出し、設定する。
この場合は、光強度制御器60に対して、Pin_damage、CU、CDの値をCLIによって入力及び設定する。
光送信器内のLD駆動条件制御器に対しては、予めPOut_OLT100、Vcont_LD_Max、Vcont_LD_Min、Pout_LD_Max、Pout_LD_Min、ILD_Max、ILD_Minの値を何らかの不揮発性記憶媒体などに記憶させる、あるいは設定しておく。
(実施形態3)
本実施形態は実施形態1と実施形態2とを組み合わせた形態である。
中継装置の詳細構成が図8に基づくものとする。なお、以下2つの組み合わせ以外の形態もあり得る。
本実施形態は実施形態1と実施形態2とを組み合わせた形態である。
中継装置の詳細構成が図8に基づくものとする。なお、以下2つの組み合わせ以外の形態もあり得る。
(形態A)
光強度制御器60側では、光送信器の送信光強度を、例えば式(4)記載の計算式を用いて算出する。LD駆動条件制御器は、LDDの光出力強度制御端子に対して与える制御電圧値を、図11に記載のテーブルを参照することによって取得し、LDDに対して設定する。
(形態B)
こちらは上記形態Aとは逆のケースで、光強度制御器60は、光送信器の送信光強度を、例えば図10記載のテーブルを参照することによって取得する。LD駆動条件制御器は、LDDの光出力強度制御端子に対して与える制御電圧値を、例えば式(6)に記載の計算式により算出し、LDDに対して設定する。
光強度制御器60側では、光送信器の送信光強度を、例えば式(4)記載の計算式を用いて算出する。LD駆動条件制御器は、LDDの光出力強度制御端子に対して与える制御電圧値を、図11に記載のテーブルを参照することによって取得し、LDDに対して設定する。
(形態B)
こちらは上記形態Aとは逆のケースで、光強度制御器60は、光送信器の送信光強度を、例えば図10記載のテーブルを参照することによって取得する。LD駆動条件制御器は、LDDの光出力強度制御端子に対して与える制御電圧値を、例えば式(6)に記載の計算式により算出し、LDDに対して設定する。
(実施形態4)
本実施形態の中継装置は、所定の光強度である上り方向の光信号を出力する光送信器と、前記光送信器が出力する光信号を減衰する光減衰器と、をさらに備え、前記光強度制御器は、決定した前記他方向の光信号の光強度を前記光減衰器の減衰量として前記光減衰器に与えることを特徴とする。
本実施形態の中継装置は、所定の光強度である上り方向の光信号を出力する光送信器と、前記光送信器が出力する光信号を減衰する光減衰器と、をさらに備え、前記光強度制御器は、決定した前記他方向の光信号の光強度を前記光減衰器の減衰量として前記光減衰器に与えることを特徴とする。
本実施形態と実施形態1〜3とは、中継装置が内蔵する光送信器の出力光信号強度の制御の点で異なる。具体的には図12に示すように、中継装置250は、可変光強度減衰器(Variable optical attenuator:VOA)70を有し、VOA70で、光送信器50からの出力光信号強度を光アクセスシステムの中継ファイバ区間損失に応じて減衰させる。
図13は、VOA70の構成を説明する図である。VOA70は、VOA素子とVOA制御器を有する。VOA制御器は光強度制御器60と接続されている。
本実施形態の光送信器50は出力光強度を変えたりはせず、一定の光強度で上り光信号を出力するだけである。VOA制御器は、VOA素子からの出力光の一部をタップすることによってVOA出力光強度(上り光信号の光強度)を検出する。そして、VOA制御器は、光強度制御器60によって与えられる光強度値の上り光信号がVOAから出力されるように、VOA素子における減衰量をフィードバック制御する。なお、VOA出力光強度が強すぎるとOLT100の光受信器を損傷する可能性を排除するために、VOA制御器は、最大の減衰量を初期値としておくことが好ましい。
VOA素子としては様々な形態が考えられる。例えば、SOAゲート機能を用い、所望の減衰量に応じた電流をSOAに注入する形態でも良い。マッハツェンダ干渉計タイプの方向性結合器を用い、OLT100に出力するアームに所望の量の光信号強度が出力されるように、結合部の屈折率を熱光学効果や電気光学効果を用いて制御する形態でも良い。
本実施形態も、送信光強度値の算出方法は、例えば式(4)の計算式を用いて計算する方法でも良いし、図7のように、SOAへの下り入力信号強度をもとに、テーブルを参照して適切な送信光強度値を読み出す方法でも良い。
(実施形態5)
本実施形態の中継装置の光強度制御器は、前記一方向の光信号を増幅するため前記半導体光増幅器に注入される注入電流で前記一方向の光信号の光強度を認知することを特徴とする。
本実施形態の中継装置の光強度制御器は、前記一方向の光信号を増幅するため前記半導体光増幅器に注入される注入電流で前記一方向の光信号の光強度を認知することを特徴とする。
本実施形態と実施形態1〜4とは、SOAへの下り光信号の光強度の検出の点で異なる。SOAは、PD同様、光半導体素子であり、入力光信号強度に応じて注入電流量が変化する性質がある。図14は、ある一定の条件でSOAを駆動させていた際、SOAへの入力光信号強度を変化させた時のSOA注入電流の変化量依存性である。例えば、SOAを注入電流I0で駆動させ、かつ、入力光信号が存在していない状態で、光信号強度がP1あるいはP2の信号が入力された場合は、SOA注入電流量の過渡的な変化量はそれぞれI1およびI2となる。
図14のような特性を有するSOAを、伝送線路の距離は少なくとも異なる2つのEPONシステム1およびEPONシステム2に適用する場合を考える。すると、例えばEPONシステム1においてはSOAの注入電流変化量がI1=200mAである一方、EPONシステム2においてはSOAの注入電流変化量がI2=50mAであったとする。SOAの特性上、それらのSOAの注入電流変化量に対応する入力光信号強度(下り光信号の光強度)はそれぞれP1=−6dBmおよびP2=−23dBmである。
上記のようにして取得した下り光信号の光強度を用いてEPONシステム1およびEPONシステム2それぞれの、上り通信波長帯(1.31μm)中継区間光ファイバ損失の算出方法および中継装置内蔵の光送信器からの光出力強度の制御方法は、実施形態1〜4の説明と同じである。
[付記]
以下は、本発明に係る中継装置及びその制御方法について記載したものである。
(課題)
中継区間の光ファイバ損失がシステム毎に異なる場合は上り光送信パワーが高すぎることによって局側光受信器を損傷する可能性があった。
(解題を解決する手段)
下り用中継光増幅器の入力光信号強度から中継区間の光ファイバ損失を見積もり、中継部の上り光送信光強度を制御する機能を持たせる。
(1):
光加入者収容装置、伝送光ファイバ、光加入者終端装置からなる光加入者システムにおいて、光加入者収容装置の下り光信号および光加入者終端装置の上り光信号を再生中継する、前記加入者収容装置と光加入者終端装置との間に配置される中継装置であって、下り用中継光増幅器への入力光信号強度を参照することにより、中継部の上り光送信強度を決定する機能を有することを特徴とする中継装置。
(2):
光加入者収容装置、伝送光ファイバ、光加入者終端装置からなる光加入者システムにおいて、光加入者収容装置の下り光信号および光加入者終端装置の上り光信号を再生中継する、前記加入者収容装置と光加入者終端装置との間に配置される中継装置において、下り用中継光増幅器への入力光信号強度を参照することにより、中継部の上り光送信強度を制御する方法。
(3):
上記(1)に記載の中継装置であって、上り信号の中継構成が3R中継であることを特徴とする中継装置。
(4):
上記(2)に記載の上り光送信強度の制御方法であって、上り信号の中継構成が3R中継であることを特徴とする上り光送信強度の制御方法。
(5):
上記(1)あるいは(3)に記載の中継装置であって、下りの光増幅器が半導体光増幅器であることを特徴とする中継装置。
(6):
上記(1)に記載の中継装置であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、光増幅器の自動出力制御機能が有する入力光パワーのタップ機能により光増幅器への入力光強度の値から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする中継装置。
(7):
上記(5)に記載の中継装置であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、半導体光増幅器の注入電流の変化より半導体光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度と光加入者収容装置光出力強度の差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする中継装置。
(8):
上記(1)あるいは(5)に記載の中継装置であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、光増幅器が有する入力光信号強度モニタ機能をもとに光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度とあらかじめ定めた参照値との差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする中継装置。
(9):
上記(1)あるいは(5)に記載の中継装置であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、光増幅器が有する入力光信号強度モニタ機能をもとに光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度と光加入者収容装置光出力強度の差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする中継装置。
(10):
上記(6)、(7)、(8)、あるいは(9)に記載の中継装置であって、下り光信号と上り光信号の波長が異なる場合、下り光信号波長における中継光ファイバ損失に、上り信号波長における中継ファイバ損失係数を乗じて下り信号波長における中継ファイバ損失係数を除することによって上り中継ファイバ損失を算定することを特徴とする中継装置。
(11):
上記(2)あるいは(4)に記載の光送信強度の制御方法であって、下りの光増幅器が半導体光増幅器であることを特徴とする光送信強度の制御方法。
(12):
上記(11)に記載の光送信強度の制御方法であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、半導体光増幅器の注入電流の変化より半導体光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度とあらかじめ定めた参照値との差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする光送信強度の制御方法。
(13):
上記(11)に記載の光送信強度の制御方法であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、半導体光増幅器の注入電流の変化より半導体光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度と光加入者収容装置光出力強度の差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする光送信強度の制御方法。
(14):
上記(2)、(4)、あるいは(11)に記載の光送信強度の制御方法であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、光増幅器が有する入力光信号強度モニタ機能をもとに光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度とあらかじめ定めた参照値との差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする光送信強度の制御方法。
(15):
上記(2)、(4)、あるいは(11)に記載の光送信強度の制御方法であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、光増幅器が有する入力光信号強度モニタ機能をもとに光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度と光加入者収容装置光出力強度の差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする光送信強度の制御方法。
(16):
上記(12)、(13)、(14)、あるいは(15)のいずれかに記載の光送信強度の制御方法であって、下り光信号と上り光信号の波長が異なる場合、上り中継ファイバ損失を算定する際に、下り光信号波長における中継光ファイバ損失に、上り信号波長における中継ファイバ損失係数を乗じて下り信号波長における中継ファイバ損失係数を除することを特徴とする上り中継ファイバ損失の算出方法。
(17):
上記(1)、(3)、(5)から(9)のいずれかに記載の中継装置を有することを特徴とする光アクセスシステム。
(18):
上記(17)に記載の光アクセスシステムであって、ポイント・トゥ・マルチポイントネットワーク構成であることを特徴とする光アクセスシステム。
(効果)
局側光受信器を損傷することなく光アクセスシステムの長延化を実現することができる。
以下は、本発明に係る中継装置及びその制御方法について記載したものである。
(課題)
中継区間の光ファイバ損失がシステム毎に異なる場合は上り光送信パワーが高すぎることによって局側光受信器を損傷する可能性があった。
(解題を解決する手段)
下り用中継光増幅器の入力光信号強度から中継区間の光ファイバ損失を見積もり、中継部の上り光送信光強度を制御する機能を持たせる。
(1):
光加入者収容装置、伝送光ファイバ、光加入者終端装置からなる光加入者システムにおいて、光加入者収容装置の下り光信号および光加入者終端装置の上り光信号を再生中継する、前記加入者収容装置と光加入者終端装置との間に配置される中継装置であって、下り用中継光増幅器への入力光信号強度を参照することにより、中継部の上り光送信強度を決定する機能を有することを特徴とする中継装置。
(2):
光加入者収容装置、伝送光ファイバ、光加入者終端装置からなる光加入者システムにおいて、光加入者収容装置の下り光信号および光加入者終端装置の上り光信号を再生中継する、前記加入者収容装置と光加入者終端装置との間に配置される中継装置において、下り用中継光増幅器への入力光信号強度を参照することにより、中継部の上り光送信強度を制御する方法。
(3):
上記(1)に記載の中継装置であって、上り信号の中継構成が3R中継であることを特徴とする中継装置。
(4):
上記(2)に記載の上り光送信強度の制御方法であって、上り信号の中継構成が3R中継であることを特徴とする上り光送信強度の制御方法。
(5):
上記(1)あるいは(3)に記載の中継装置であって、下りの光増幅器が半導体光増幅器であることを特徴とする中継装置。
(6):
上記(1)に記載の中継装置であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、光増幅器の自動出力制御機能が有する入力光パワーのタップ機能により光増幅器への入力光強度の値から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする中継装置。
(7):
上記(5)に記載の中継装置であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、半導体光増幅器の注入電流の変化より半導体光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度と光加入者収容装置光出力強度の差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする中継装置。
(8):
上記(1)あるいは(5)に記載の中継装置であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、光増幅器が有する入力光信号強度モニタ機能をもとに光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度とあらかじめ定めた参照値との差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする中継装置。
(9):
上記(1)あるいは(5)に記載の中継装置であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、光増幅器が有する入力光信号強度モニタ機能をもとに光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度と光加入者収容装置光出力強度の差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする中継装置。
(10):
上記(6)、(7)、(8)、あるいは(9)に記載の中継装置であって、下り光信号と上り光信号の波長が異なる場合、下り光信号波長における中継光ファイバ損失に、上り信号波長における中継ファイバ損失係数を乗じて下り信号波長における中継ファイバ損失係数を除することによって上り中継ファイバ損失を算定することを特徴とする中継装置。
(11):
上記(2)あるいは(4)に記載の光送信強度の制御方法であって、下りの光増幅器が半導体光増幅器であることを特徴とする光送信強度の制御方法。
(12):
上記(11)に記載の光送信強度の制御方法であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、半導体光増幅器の注入電流の変化より半導体光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度とあらかじめ定めた参照値との差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする光送信強度の制御方法。
(13):
上記(11)に記載の光送信強度の制御方法であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、半導体光増幅器の注入電流の変化より半導体光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度と光加入者収容装置光出力強度の差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする光送信強度の制御方法。
(14):
上記(2)、(4)、あるいは(11)に記載の光送信強度の制御方法であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、光増幅器が有する入力光信号強度モニタ機能をもとに光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度とあらかじめ定めた参照値との差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする光送信強度の制御方法。
(15):
上記(2)、(4)、あるいは(11)に記載の光送信強度の制御方法であって、光増幅器の状況から中継ファイバの損失を算出する方法として、光増幅器が有する入力光信号強度モニタ機能をもとに光増幅器への入力光強度を算出し、該光入力光強度と光加入者収容装置光出力強度の差から中継ファイバの損失を算出する方法であることを特徴とする光送信強度の制御方法。
(16):
上記(12)、(13)、(14)、あるいは(15)のいずれかに記載の光送信強度の制御方法であって、下り光信号と上り光信号の波長が異なる場合、上り中継ファイバ損失を算定する際に、下り光信号波長における中継光ファイバ損失に、上り信号波長における中継ファイバ損失係数を乗じて下り信号波長における中継ファイバ損失係数を除することを特徴とする上り中継ファイバ損失の算出方法。
(17):
上記(1)、(3)、(5)から(9)のいずれかに記載の中継装置を有することを特徴とする光アクセスシステム。
(18):
上記(17)に記載の光アクセスシステムであって、ポイント・トゥ・マルチポイントネットワーク構成であることを特徴とする光アクセスシステム。
(効果)
局側光受信器を損傷することなく光アクセスシステムの長延化を実現することができる。
10、20:波長フィルタ
30:光増幅器
40:3R受信器
50:光送信器
60:光強度制御器
70:VOA
100:OLT
150:スプリッタ
160:中継ファイバ
200:ONU
250:中継装置
30:光増幅器
40:3R受信器
50:光送信器
60:光強度制御器
70:VOA
100:OLT
150:スプリッタ
160:中継ファイバ
200:ONU
250:中継装置
Claims (11)
- 双方向に光信号を伝送する光伝送路に配置される中継装置であって、
一方向の光信号の光強度に基づいて他方向の光信号の光強度を決定する光強度制御器を備えることを特徴とする中継装置。 - 前記一方向の光信号の一部をタップするモニタ素子を有し、前記モニタ素子がタップした光信号の光強度に基づいて前記一方向の光信号の増幅度を決定する光増幅器をさらに備えており、
前記光強度制御器は、前記モニタ素子がタップした光信号で前記一方向の光信号の光強度を認知することを特徴とする請求項1に記載の中継装置。 - 前記一方向の光信号を所定の光強度へ増幅する半導体光増幅器をさらに備えており、
前記光強度制御器は、前記一方向の光信号を増幅するため前記半導体光増幅器に注入される注入電流で前記一方向の光信号の光強度を認知することを特徴とする請求項1に記載の中継装置。 - 前記光強度制御器は、前記一方向の光信号を送信する送信元送信装置の出力信号光強度が予め与えられ、前記出力信号光強度と前記一方向の光信号の光強度との差分を前記送信元光送信装置からの損失とし、前記損失に応じて前記他方向の光信号の光強度を計算する計算式が予め与えられる記憶部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の中継装置。
- 前記光強度制御器は、前記一方向の光信号の光強度に対する前記他方向の光信号の光強度を記載したテーブルを有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の中継装置。
- 前記光強度制御器は、前記計算式の一部を計算値毎に参照する参照値を記載した参照テーブルをさらに有することを特徴とする請求項4に記載の中継装置。
- 前記他方向の光信号を出力する光送信器をさらに備え、
前記光強度制御器は、決定した前記他方向の光信号の光強度を前記光送信器のレーザダイオード駆動条件として前記光送信器に与えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の中継装置。 - 前記他方向の光信号を出力する光送信器と、
前記光送信器が出力する光信号を減衰する光減衰器と、
をさらに備え、
前記光強度制御器は、決定した前記他方向の光信号の光強度を前記光減衰器の減衰量として前記光減衰器に与えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の中継装置。 - 前記光強度制御器は、前記他方向の光信号の光強度に上限光強度を設定しており、前記一方向の光信号の光強度に基づく前記他方向の光信号の光強度が前記上限光強度を超える場合、前記上限光強度を前記他方向の光信号の光強度に決定することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の中継装置。
- 双方向に光信号を伝送する光伝送路に配置される中継装置において、一方向の光信号の光強度に基づいて他方向の光信号の光強度を決定する光強度制御方法。
- 請求項1から9のいずれかの中継装置を備える光アクセスシステム。
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