JP2015070216A - ファイバーレーザ - Google Patents

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Osamu Osawa
理 大澤
寛之 高田
Hiroyuki Takada
寛之 高田
蕪木 清幸
Kiyoyuki Kaburagi
清幸 蕪木
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Abstract

【課題】複数種類の波長のレーザ光を同時に取り出すことの可能なファイバーレーザを実現する。【解決手段】 ファイバーレーザは、励起光を射出するレーザ光源素子と、コア部とコア部の外周に形成されたクラッド部を有する光ファイバーとを備え、励起光がコア部に導かれる構成であり、光ファイバーは、母材がフッ化物ガラスで構成され、コア部にPrがドープされ、励起光が入射される第1端面に形成された第1ミラー、及び第1端面とは反対側の第2端面に形成され、第1ミラーと共に共振器ミラーを構成する第2ミラーを有し、第2ミラーは、波長635nmの光に対する反射率が80%以上97%以下であり、波長613nm以上620nm以下の少なくともいずれか一の波長の光に対する反射率が94%以上97%以下である。【選択図】 図5A

Description

本発明はファイバーレーザに関する。
従来、コア部に希土類元素をドープし、両端面に共振器ミラーを構成してなる光ファイバーに、所定の波長を示す励起用レーザ光を入射させることで、励起光とは異なる波長の光を発振させる技術がある。例えばコア部にPrをドープしたファイバーレーザはR,G,B領域のいずれかの波長を発振できるため、プロジェクタの光源としての活用が検討がされている(例えば、下記特許文献1、2参照)。
特開平11−204862号公報 特開2001−264662号公報
近年、3D映像を形成するために、右目用と左目用とで波長を若干ずらしたR,G,B各色の光を用いる技術が開発されている。例えば、赤色の場合であれば、波長615nmの光と波長635nmの光とを用いて右目用の画像と左目用の画像を形成する。青色、緑色においても、同様に異なる2つの波長の光を用いて右目用の画像と左目用の画像を形成する。この技術によって、観察者に3D映像を提供することができる。
しかし、ファイバーレーザを用いてこの技術を実現するためには、R,G,Bのそれぞれにおいて2種類の波長の光が必要となることから、合計6種類の波長の光を取り出すファイバーレーザを各別に配置する必要があり、装置規模が大きくなってしまうという課題があった。
本発明は、上記の課題に鑑み、複数種類の波長のレーザ光を同時に取り出すことの可能なファイバーレーザを実現することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究により、所定の条件でファイバーレーザを形成したところ、一のファイバーレーザから、波長635nmのレーザ光と、波長613nm以上620nm以下の少なくともいずれか一の波長のレーザ光を同時に取り出すことに成功し、本発明に至ったものである。
このファイバーレーザは、励起光を射出するレーザ光源素子と、コア部と前記コア部の外周に形成されたクラッド部を有する光ファイバーとを備え、前記励起光が前記コア部に導かれる構成であって、
前記光ファイバーは、
母材がフッ化物ガラスで構成され、
前記コア部にPrがドープされ、
前記励起光が入射される第1端面に形成された第1ミラー、及び前記第1端面とは反対側の第2端面に形成され、前記第1ミラーと共に共振器ミラーを構成する第2ミラーを有し、
前記第2ミラーは、波長635nmの光に対する反射率が80%以上97%以下であり、波長613nm以上620nm以下の少なくともいずれか一の波長の光に対する反射率が94%以上97%以下であることを特徴とする。
光ファイバーのレーザ光取り出し側端面、すなわち第2端面に形成された第2ミラーの反射率に関し、波長635nmの光に対する反射率を80%以上97%以下とし、波長613nm以上620nm以下の少なくともいずれか一の波長の光に対する反射率を94%以上97%以下としたことで、波長635nmのレーザ光と、波長613nm以上620nm以下の少なくともいずれか一の波長のレーザ光を同時に取り出すことに成功した。
第1ミラー及び第2ミラーは、いずれも所定の材料で構成された多層膜によって実現することができる。一例としては、SiO膜とTa膜を所定の膜厚によって交互に所定の積層数だけ積層することで実現できる。
一のファイバーレーザから、波長635nmのレーザ光と、波長613nm以上620nm以下のレーザ光が同時に取り出すことができるため、一方を左目用の赤色光、他方を右目用の赤色光として利用することで、3Dプロジェクタ用の光源の光として利用することが可能である。
また、より具体的には、第2ミラーに関し、波長635nmの光に対する反射率を80%以上97%以下とし、波長615nmの光に対する反射率を94%以上97%以下としたことで、波長635nmのレーザ光と波長615nmのレーザ光を同時に取り出すことに成功した。
ハイビジョン用の規格としては、630nm以上の波長の光を赤色光として利用することが要求されている。一方で、視感度は波長555nmの光が最も高く、555nmから波長が離れるほど視感度が低くなることが知られている。このため、ハイビジョン用の規格を守りつつ、高い視感度を確保するためには、630nm以上の波長であって、且つできる限り630nm近傍の波長の光を赤色光として利用することが好ましいといえる。
本発明のファイバーレーザによれば、波長635nmのレーザ光と波長615nmのレーザ光を同時に取り出すことができるため、両者の光量の比率を調整することによって、波長630nm以上で且つ波長630nm近傍の赤色光を容易に実現できる。なお、この光量の比率を調整する方法としては、第2ミラーの、波長635nmの光に対する反射率を80%以上97%以下の範囲内で調整すればよく、この範囲内で低い値(すなわち80%に近い値)にすることで波長615nmの光に対する波長635nmの光の比率を低くすることができる。一方、逆に上記範囲内で高い値(すなわち97%に近い値)にすることで、波長615nmの光に対する波長635nmの光の比率を高くすることができる。
また、本発明のファイバーレーザにおいて、
前記第2ミラーは、波長605nmの光に対する反射率が80%より低いか、又は97%より高い構成とすることができる。
本発明のファイバーレーザによれば、一のファイバーレーザによって、波長635nmのレーザ光と、波長613nm以上620nm以下の少なくともいずれか一の波長のレーザ光を同時に取り出すことができる。
これにより、赤色光として2種類の波長の光を利用する用途に対しては、本発明のファイバーレーザを、一の装置で2種類の波長の赤色光を出力できる光源として利用できる。また、赤色光として利用できる波長に制限があるような用途に対しては、この2種類の波長の光の光量を調整して混ぜ合わせることで、当該制限内の波長の赤色光を提供することが可能である。
本発明のファイバーレーザの構成を模式的に示すブロック図である。 Pr3+をドープしたフッ化物ガラスの蛍光スペクトルである。 実施例及び比較例における第2ミラーの反射率の条件と結果を示す表である。 実施例1〜4において光ファイバーから取り出されたレーザ光のスペクトルである。 比較例1〜2において光ファイバーから取り出されたレーザ光のスペクトルの一例である。 比較例3〜4において光ファイバーから取り出されたレーザ光のスペクトルの一例である。 光の波長に対する第2ミラーの反射率の一例を示すグラフである。 光の波長に対する第2ミラーの反射率の一例を示すグラフである。
本発明のファイバーレーザにつき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
図1は、本発明の一実施形態におけるファイバーレーザの構成を模式的に示すブロック図である。ファイバーレーザ1は、レーザ光源素子11、結合光学系12、及び光ファイバー13を備える。
光ファイバー13は、ファイバー軸を含む最も中心の位置に形成されたコア部21、コア部21を取り囲むようにコア部21よりも屈折率の低い材料で形成されたクラッド部22、クラッド部22を取り囲むように形成されたジャケット部23、及びジャケット部23を取り囲むように形成されたフェルール部24を備える。
コア部21は、例えば径(真円であれば直径。以下、同様。)が10μm〜20μm程度で形成され、クラッド部22は、例えば径(直径)が30μm〜50μm程度(クラッド部22の外周の最長距離であって、コア部21を含めた長さ)で形成される。コア部21及びクラッド部22は細い径で形成されるため、機械的強度を高める観点からクラッド部22の外側を径(直径)が250μm〜350μm程度のジャケット部23で覆っている。更に、強度を高め、光ファイバー13から取り出されるレーザ光を利用する装置に対して当該光ファイバー13を組み込みやすくさせるために、ジャケット部23の外側が例えば外径2.5mm程度のフェルール部24で覆われている。
コア部21及びクラッド部22はフッ化物ガラス(例えばAlF系のフッ化物ガラス)で形成されており、コア部21にはPr(例えばPr3+)がドープされている。
また、本実施形態では、ジャケット部23がガラス製(ジャケットガラス、保護ガラス)、フェルール部24がジルコニア製であるものとして説明するが、ジャケット部23及びフェルール部24の部材としては種々の材料を利用することができ、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
光ファイバー13は、最もレーザ光源素子11に近い側の端面、すなわち励起光が入射される側の端面(「第1端面」に対応)に第1ミラー31が形成されており、光ファイバー13のうち光路上最もレーザ光源素子11から遠い側の端面、すなわちレーザ光が取り出される側の端面(「第2端面」に対応)には第2ミラー32が形成されている。これらの第1ミラー31と第2ミラー32が、一対で共振器ミラーを構成している。
レーザ光源素子11は励起光を射出する光源素子であり、一例として例えば440〜455nmの波長の光を射出するGaN系の半導体レーザ素子で構成することができる。なお、レーザ光源素子11は複数の発光素子によって構成されているものとしても構わない。
結合光学系12は、レーザ光源素子11から射出される励起光を光ファイバー13のコア部21に導くための光学系である。なお、レーザ光源素子11と光ファイバー13の距離が極めて短い場合等は、必ずしも結合光学系12を備えなくても構わない。
第1ミラー31及び第2ミラー32は、所定の材料で構成された多層膜によって実現される。一例としては、SiO膜とTa膜を所定の膜厚によって交互に所定の積層数だけ積層した構成が採用される。後述するように、第1ミラー31及び第2ミラー32は、所定の波長の光に対する反射率が所定の条件を満たすように、各ミラーを構成する多層膜の材料、積層数、及び膜厚が調整される。
レーザ光源素子11から射出され、結合光学系12を介して光ファイバー13のコア部21に導かれた励起光は、コア部21とクラッド部22の境界において反射を繰り返しながら、第2ミラー32の側へと進行する。このとき、励起光の一部がコア部21によって吸収されることで、コア部21にドープされたPr3+が励起され、励起光とは異なる波長の蛍光を生じさせる。
図2は、Pr3+をドープしたフッ化物ガラスに励起光を照射したときの蛍光スペクトルである。図2に示すスペクトルによれば、490nm、522nm、605nm、635nm、715nmの各波長においてピークを有している。
励起光が光ファイバー13に入射され、コア部21にドープされたPr3+が励起されることで、図2のスペクトルに従って種々の波長の蛍光が生じるが、第1ミラー31と第2ミラー32の条件によって、所定の波長の光のみが光ファイバー13内にて閉じ込められて反射を繰り返し、発振条件が成立した時点でレーザ発振する。
ここで、本発明のファイバーレーザ1においては、第1ミラー31は、波長635nmの光、及び波長613nm以上620nm以下の少なくともいずれか一の波長の光に対する反射率が極めて高く(例えば99%以上)なるように設計されている。なお、この第1ミラー31は、レーザ光源素子11から射出される励起光を光ファイバー13のコア部21に導くことのできるよう、当該励起光の波長の光に対しては十分透過性を有するように、低い反射率で設計されている。
また、第2ミラー32は、波長635nmの光に対する反射率が80%以上97%以下であり、波長613nm以上620nm以下の少なくともいずれか一の波長の光に対する反射率が94%以上97%以下となるように設計されている。
このように構成したとき、波長635nmの光、及び波長613nm以上620nm以下の少なくともいずれか一の波長の光(ここでは、波長615nmの光とする)の双方が、第1ミラー31及び第2ミラー32を共振器ミラーとして光ファイバー13内で反射を繰り返しながらエネルギーを増大させ、発振条件が成立した段階で第2ミラー32から外部へとレーザ光として取り出される。
更に、第2ミラー32は、波長605nmの光に対しては、極めて高い反射率(97%より高い)か、低い反射率(80%より低い)となるように設計されている。
第2ミラー32を波長605nmの光に対して極めて高い反射率とした場合には、この光が第2ミラー32から外部へと取り出されることがない。そして、第2ミラー32をこのように構成しても、波長635nmの光と波長615nmの光についてレーザ発振が起こると、励起光のエネルギーはこれらの発振波長に集約されていくため、波長605nmの光が発振することはなく、光ファイバー13内で反射を繰り返しながら熱エネルギーに変換される。
一方、第2ミラー32を波長605nmの光に対して低い反射率(80%より低い)とした場合には、この光が低出力の状態で第2ミラー32から透過するため、やはり波長605nmの光が発振することはない。
図2に示したように、波長605nmは、蛍光スペクトル上においてピーク値を有するため、波長615nmの近傍波長を有する高出力の光として生成される。ここで、この波長の光が光ファイバー13内において発振してしまうと、励起光のエネルギーがこの波長605nmの光の発振エネルギーとして集約されてしまうため、波長615nmの光を発振させることができない。従って、波長605nmの光が光ファイバー13内で発振しないように、波長605nmの光に対する第2ミラー32の反射率を極めて高い反射率(97%より高い)か、低い反射率(80%より低い)となるように設計している。
なお、波長605nmの光が光ファイバー13内で発振しない条件が形成されていればよいため、波長605nmの光に対する第1ミラー31における反射率を低く設定しても構わない。
また、図2に示すように、波長490nm、波長522nm、及び波長715nmの位置においても蛍光スペクトルがピーク値を有している。そこで、これらの波長の光についても光ファイバー13内で発振することがないように、第1ミラー31及び第2ミラー32の反射率を調整するものとして構わない。
以下、実施例及び比較例を参照して説明する。図3は、実施例及び比較例における第2ミラー32の反射率の条件と結果を示す表である。
波長615nmに対する光の反射率と、波長635nmに対する光の反射率を図3に示す値に設定した第2ミラー32を用いて光ファイバー13を形成し、当該光ファイバー13に対して励起光を入射させ、取り出されるレーザ光のスペクトル分析を行った。なお、各実施例及び各比較例において、励起光の波長の近傍を少なくとも除く各波長の光に対する第1ミラー31の反射率を99%以上とし、波長605nmの光に対する第2ミラー32の反射率を50%とした。
実施例1〜4においては、取り出されたレーザ光が代表例として図4Aに示すようなスペクトルを示し、比較例1〜2においては、取り出されたレーザ光が代表例として図4Bに示すようなスペクトルを示し、比較例3〜4においては、取り出されたレーザ光が代表例として図4Cに示すようなスペクトルを示した。
実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2によれば、波長635nmの光に対する第2ミラー32の反射率を90%と固定して、波長615nmの光に対する第2ミラー32の反射率を異ならせた場合、波長615nmの光に対する反射率が96%である実施例1、94%である実施例2については、レーザ光のスペクトルが波長615nm及び波長635nmの双方にピーク値を有しているのに対し、波長615nmの光に対する反射率が98%である比較例1、90%である比較例2については、レーザ光のスペクトルには波長635nmのピークは存在するものの、波長615nmのピークが現れていない。
また、実施例1、実施例3、実施例4、比較例3、及び比較例4によれば、波長615nmの光に対する第2ミラー32の反射率を96%と固定して、波長635nmの光に対する第2ミラー32の反射率を異ならせた場合、波長635nmの光に対する反射率が90%である実施例1、96%である実施例3、80%である実施例4については、レーザ光のスペクトルが波長615nm及び波長635nmの双方にピーク値を有しているのに対し、波長635nmの光に対する反射率が98%である比較例4、60%である比較例4については、レーザ光のスペクトルには波長615nmのピークは存在するものの、波長635nmのピークが現れていない。
このことから、第2ミラー32に関して、波長615nmの光に対しては反射率を94%以上96%以下とし、波長635nmの光に対しては反射率を80%以上96%以下とした場合に、光ファイバー13から波長615nmと波長635nmにピークを有するレーザ光を取り出すことができることが分かる。なお、実施例3に代えて、波長615nmの光、及び波長635nmの光双方に対する第2ミラー32の反射率を97%とした場合にも、図4Aと同様のスペクトルが確認された。つまり、第2ミラー32に関して、波長615nmの光に対しては反射率を94%以上97%以下とし、波長635nmの光に対しては反射率を80%以上97%以下とした場合に、光ファイバー13から波長615nmと波長635nmにピークを有するレーザ光を取り出すことができることが分かる。
比較例1のように波長615nmの光に対する第2ミラー32の反射率を、98%と極めて高くした場合には、波長615nmの光の大部分が第2ミラー32において反射される結果、波長615nmの光を光ファイバー13の外部に取り出すことができなくなっているものと推察される。このとき、当該波長の光は光ファイバー13内で反射を繰り返しながら熱エネルギーに変換される一方、波長635nmの光のみが発振してレーザ光として取り出されたものと考えられる。
また、比較例2のように波長615nmの光に対する第2ミラー32の反射率を、実施例1や実施例2より低い90%とした場合には、波長615nmの光が一部透過した結果、発振に必要な量の波長615nmの光が第2ミラー32で反射されなかったことで、波長615nmの光が発振しなかったものと推定される。図2に示すように、波長615nmは、波長605nmと波長635nmという2つのピーク値の間に位置するため、励起光が入射されることで生じる蛍光の光量が波長635nmよりは少ないことが影響しているものと考えられる。このことは、実施例4において、第2ミラー32における波長635nmの光に対する反射率を80%と比較的低い値に設定しても、波長635nmのレーザ光が取り出せていることにも示唆されている。
なお、この議論は、波長635nmと同時に取り出す光として、波長615nm以外の波長であって、波長605nmと波長635nmの間であって、615nm近傍の他の波長の光を取り出す場合においても、同様に適用が可能である。つまり、波長635nmの光と共に、波長613nm以上620nm以下の少なくともいずれか一の波長の光を同時に取り出す場合においては、当該取り出したい波長の光に対する第2ミラー32の反射率を94%以上97%以下とすればよい。
また、比較例3のように、波長635nmの光に対する第2ミラー32の反射率を、実施例1、実施例3、及び実施例4よりも極めて高い98%とした場合には、波長635nmの光の大部分が第2ミラー32において反射される結果、波長635nmの光を光ファイバー13の外部に取り出すことができなくなっているものと推察される。このとき、当該波長の光は光ファイバー13内で反射を繰り返しながら熱エネルギーに変換される一方、波長615nmの光のみが発振してレーザ光として取り出されたものと考えられる。
一方、比較例4のように、波長635nmの光に対する第2ミラー32の反射率を、実施例1、実施例3、及び実施例4よりも極めて低い60%とした場合には、第2ミラー32から透過する波長635nmの光量が増えた結果、発振に必要な量の波長635nmの光が第2ミラー32で反射されなかったことで、波長635nmの光が発振しなかったものと推定される。
図5A及び図5Bは、第2ミラー32の設計例を示すデータであり、横軸が光の波長、縦軸が反射率を示している。なお、図5A(b)は、図5A(a)の一部分を拡大して示したものである。図5Aに示す例では、波長605nm以下、及び波長650nm以上の波長に対する反射率を50%以下に設定している。一方、図5Bに示す例では、波長605nm近傍の波長、及び波長640nm以上の光に対する反射率を97%より高く設定し、波長580nm以下の波長の光に対する反射率を50%以下に設定している。いずれの条件においても、図4Aに示すように、光ファイバー13から波長615nmと波長635nmのレーザ光を同時に取り出すことができた。
図5Aに示すような反射率を示す第2ミラー32によれば、波長605nmの光については多くの光量が第2ミラー32から透過してしまうため、波長605nmの光に対して発振条件を成立させなくすることができている。また、図5Bに示すような反射率を示す第2ミラー32によれば、波長605nmの光に対してはほとんどが反射してしまうために、光ファイバー13の外部に取り出すことができず、光ファイバー13内において反射を繰り返しながら熱エネルギーに変化しているものと推察される。
なお、図2のスペクトルによれば、波長605nmについては、波長635nmと同様に蛍光スペクトルのピーク値を形成している。上述した議論によれば、波長635nmの光については、第2ミラー32の反射率を80%以上97%以下とすることで、発振条件を形成することができた。これを踏まえれば、波長605nmの光を光ファイバー13内で発振させないようにするためには、第2ミラー32の波長635nmに対する反射率を80%より低くするか、又は97%より高くすればよく、より好ましくは、第2ミラー32の反射率を75%より低くするか、又は98%以上とすればよい。
1 : ファイバーレーザ
11 : レーザ光源素子
12 : 結合光学系
13 : 光ファイバー
21 : コア部
22 : クラッド部
23 : ジャケット部
24 : フェルール部
31 : 第1ミラー
32 : 第2ミラー

Claims (3)

  1. 励起光を射出するレーザ光源素子と、コア部と前記コア部の外周に形成されたクラッド部を有する光ファイバーとを備え、前記励起光が前記コア部に導かれる構成であるファイバーレーザであって、
    前記光ファイバーは、
    母材がフッ化物ガラスで構成され、
    前記コア部にPrがドープされ、
    前記励起光が入射される第1端面に形成された第1ミラー、及び前記第1端面とは反対側の第2端面に形成され、前記第1ミラーと共に共振器ミラーを構成する第2ミラーを有し、
    前記第2ミラーは、波長635nmの光に対する反射率が80%以上97%以下であり、波長613nm以上620nm以下の少なくともいずれか一の波長の光に対する反射率が94%以上97%以下であることを特徴とするファイバーレーザ。
  2. 前記第2ミラーは、波長615nmの光に対する反射率が94%以上97%以下であることを特徴とする請求項1に記載のファイバーレーザ。
  3. 前記第2ミラーは、波長605nmの光に対する反射率が80%より低いか、又は97%より高いことを特徴とする請求項1又は2に記載のファイバーレーザ。
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