JP2015070097A - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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靖志 田澤
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裕規 白濱
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Abstract

【課題】基板が真空状態で保持される時間を削減する。
【解決手段】基板処理装置は、減圧した第1の圧力下、すなわち真空下で複数の工程により基板処理を行う処理室10,11と、処理室10,11に隣接し、第1の圧力よりも高い第2の圧力下、すなわち大気圧下で外部から基板が搬入され、第1の圧力下で基板が処理室10,11へ搬出されるロードロック室5,6と、ロードロック室5,6を排気して減圧する排気手段と、処理室10,11での基板処理と排気手段の制御とを行う制御手段60と、を備える。制御手段60は、処理室10,11での基板処理を開始し、ロードロック室5,6に外部から次処理対象の基板が搬入されてから所定の時間が経過した後、ロードロック室5,6の排気を開始させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、半導体基板に対してエッチングやアッシング等の処理を行う基板処理装置及び基板処理方法に関する。
半導体装置の製造工程において、半導体基板(ウェーハ)に対して、基板処理装置によって成膜、エッチング、アッシング、表面改質等の処理が行われる。基板処理は、基板処理装置の真空状態に保持された処理室内で行われる。そのため、この処理室に隣接して、内部圧力を調整可能なロードロック室を設けている。まず、大気圧の外部からロードロック室へ基板を搬入する。搬入後にロードロック室を排気して真空状態にしてから、処理室とロードロック室を連通させて、処理室へ基板を搬出する(例えば、特許文献1)。
処理室で基板が処理されている間に、次の処理対象となる基板をロードロック室に搬入しておく。次処理対象の基板を搬入すると、ロードロック室を真空状態になるように減圧する。次処理対象の基板は、前の基板の処理が終了するまで、ロードロック室において真空状態で保持される。前の基板の処理が終了すると、処理室の処理済の基板とロードロック室の基板を入れ替え、次の処理対象の基板の処理を開始する。一方、ロードロック室は大気圧に戻して、処理の済んだ基板を外部へ搬出する。
特開2005−314720号公報
半導体製造装置の三次元実装技術の進歩により、より薄化した基板が求められている。半導体製造装置において、基板の標準化された厚みは725μmであるが、近年では、例えばSi(シリコン)パワーMOSFETにおいて、厚さ50μm以下といった極薄の基板も用いられている。基板の厚さが200μm以下程度になると、基板自体の強度が弱くなり、搬送において破損してしまうことがある。または、基板の反り量が多くなってしまい、搬送自体ができなくなってしまうことがある。
このような問題を解決するために、基板に接着剤を用いて有機フィルムや別のSiウェハを貼り合わせ、基板の機械的強度を向上させる方法がある。例えば、通常の厚みの状態で基板の表面にデバイスを形成後、その表面側に有機フィルムを貼り付け、裏面側から基板を薄化していくことで、フィルムが基板の「支持体」となるという効果もある。また、基板の薄化後に加工を行う際に、既にデバイスが形成されている基板の表面側にフィルムを貼り付けることにより、デバイスを保護することもできる。
基板に対するフィルムの貼り付けは、張力を与えたフィルムシートの接着剤側の面を、基板に押し付ける、ローラーでならして貼り合わせる等、種々の方法によることが可能である。但し、この貼り合わせの際に、基板とフィルムとの間に気体が入らないことが望ましいため、一般的には、気体を極力排除した減圧空間での貼り合わせが行われている。
しかし、減圧空間で貼り合わせたとしても、基板とフィルムとの間の気体を完全に排除することは難しい。そのため、貼り合わせの際に基板間や接着層に微小な気泡が残ってしまう可能性がある。
この気泡は大気下では微小なものであっても、基板が真空状態に置かれると気泡が膨張してしまうことがある。これは、気泡内が大気の圧力(約1E10Pa)であるのに対して、周囲が減圧されているため、圧力差によって気泡内部から外部に押される力がはたらくためであると考えられる。気泡が膨張してしまうことによって、基板処理の性能に変化が生じたり、搬送エラーが生じたり、あるいは基板が破損するおそれがある。
基板が真空状態に置かれる時間が長いほど、気泡はより大きく膨張してしまう可能性がある。上述したように、基板処理装置においては、処理室に搬入された基板の処理が終了するまで、次処理対象の基板はロードロック室において真空状態で保持されるため、気泡もより大きく膨張してしまうおそれがある。
したがって、基板がロードロック室において真空状態で待機する時間はできるだけ短くすることが望ましいが、基板の特性によっては基板ごとに処理に要する時間が異なることもあるため、一定のタイミングを定めることは容易ではない。
本発明は、上述のような問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、真空状態に長時間載置することが好適ではない基板を用いた場合でも、基板が真空状態で待機する時間を削減して基板処理の性能を安定させ、また搬送エラーや基板の破損を低減した信頼性の高い基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明の基板処理装置は、減圧した第1の圧力下で複数の工程により基板処理を行う処理室と、前記処理室に隣接し、前記第1の圧力よりも高い第2の圧力下で外部から基板が搬入され、前記第1の圧力下で当該基板が前記処理室へ搬出されるロードロック室と、前記ロードロック室を排気して減圧する排気手段と、前記処理室での基板処理と前記排気手段の制御とを行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記処理室での基板処理を開始し、前記ロードロック室に前記外部から次処理対象の基板が搬入されてから所定の時間が経過した後、前記排気手段に、前記ロードロック室の排気を開始させる。
本発明の一態様として、前記制御手段は、基板処理の前記複数の工程のいずれかの開始又は終了に基づいて定められる所定タイミングにおいて、前記排気手段に、前記ロードロック室の排気を開始させると良い。
本発明の一態様として、前記所定タイミングは、前記処理室での前記基板処理の最後の工程の終了時とすると良い。
本発明の一態様として、前記基板処理の最後の工程の終了時から、前記ロードロック室の真空排気に要する時間を差し引いたタイミングで、前記排気手段に、前記ロードロック室の排気を開始させると良い。
本発明の一態様として、前記処理室は、反応ガスをプラズマ放電させて前記処理室内の基板に供給する反応ガス供給部を備え、前記制御手段は、前記プラズマ放電の停止時に、前記ロードロック室の排気を開始させると良い。
本発明の一態様として、前記処理室は、前記プラズマ放電させた反応ガスによって基板から生じる生成物の光強度を監視する光強度検出手段を備え、前記制御手段は、前記光強度が所定値以下になったときに、前記プラズマ放電を停止させると良い。
本発明の一態様として、前記基板は、有機フィルムが貼り合わされた薄化基板とすることができる。
本発明の基板処理方法は、処理室において減圧した第1の圧力下で基板を処理し、前記処理室に隣接するロードロック室において、前記第1の圧力よりも高い第2の圧力下で基板を外部から搬入し、前記第1の圧力下で当該基板を前記処理室へ搬入する基板処理方法であって、前記処理室での基板処理を開始し、前記ロードロック室に前記外部から次処理対象の基板を搬入してから所定の時間が経過した後、前記ロードロック室の排気を開始させる。
本発明によれば、処理室での基板処理を開始し、ロードロック室に次処理対象の基板を搬入してから所定の時間が経過した後にロードロック室の排気を開始することで、基板がロードロック室で真空状態に置かれる時間を削減することができる。これによって、真空状態に長時間載置することが好適ではない、有機フィルムを貼り合わせた基板を処理する場合でも、貼り合わせの際に生じた気泡の膨張を低減することができる。結果として、基板処理の性能を安定させ、また搬送エラーや基板の破損を低減した信頼性の高い基板処理装置及び基板処理方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の概略構成図。 本発明の第1の実施形態に係る処理室の一例を示す概略構成図。 本発明の第1の実施形態に係る基板処理工程の全体的な流れを示すフローチャートである。 ドライエッチング処理の内容の一例を示すフローチャートである。 従来の基板搬送及び処理工程のシーケンスを示す図である。 基板と基板に貼りあわされた有機フィルムの状態を示す模式図であり、(a)は基板と有機フィルムとの間に微小な気泡が生じた状態を示し、(b)は気泡が膨張した状態を示す。 本発明の第1の実施形態に係る基板搬送及び処理工程のシーケンスの、一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る基板処理工程のシーケンスの、別の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る基板処理工程のシーケンスを示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る基板処理装置及び基板処理方法について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
[基板処理装置の概略構成]
図1は、本発明の第1の実施形態の係る基板処理装置の概略構成図である。基板処理装置は、基板を収納する第1及び第2カセット1,2から基板を取り出して第1及び第2処理室10,11へ搬送して基板処理を行い、処理の済んだ基板を第1及び第2処理室10,11から取り出して再び搬送し、第1及び第2カセット1,2に収納する。
第1及び第2カセット1,2と第1及び第2処理室10,11の間には、カセット側から順に、大気圧で基板が搬送される大気搬送室3、大気圧と真空との間で内部圧力を調整可能な第1及び第2ロードロック室5,6、及び真空で基板が搬送される真空搬送室7が配置されている。隣接する室の間には、弁体によって開閉可能な取出し口12a,12b,13a,13b,14a,14bがそれぞれ設けられており、これらの取出し口を閉じることで各室を密閉することができ、一方、これらの取出し口を開けることで、隣接する室が連通し、基板を搬送することが可能となる。
大気搬送室3には大気ロボット4が配置され、第1及び第2カセット1,2に対する基板の取出し及び収納と、大気搬送室3と第1及び第2ロードロック室5,6との間の基板の搬送を行う。
真空搬送室7には、第1及び第2真空ロボット8,9が配置されている。第1真空ロボット8は、真空搬送室7を介して第1ロードロック室5と第1処理室10の間で基板の搬送を行う。第2真空ロボット9は、真空搬送室7を介して第2ロードロック室6と第2処理室11の間で基板の搬送を行う。
[基板処理装置の各部構成]
第1カセット1及び第2カセット2として、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)と呼ばれる、ポッド式のカセットが用いられる。FOUPは、複数枚、例えば25枚の基板を収容できる多段のカセット本体の正面に開閉可能な蓋が取り付けられており、基板が大気に晒される時間を低減することができる。第1カセット1及び第2カセット2は、正面側がそれぞれ大気搬送室3内部に面するように、並べて配置されている。
第1ロードロック室5は、大気搬送室3を挟んで第1カセット1に対向する位置に配置されている。第2ロードロック室6は、大気搬送室3を挟んで第2ロードロック室6に対向する位置に配置されている。第1及び第2ロードロック室5,6の内部には、それぞれ搬入された基板が載置されるステージ(不図示)が配置されている。
大気搬送室3に配置された大気ロボット4は、回転駆動される架台41と、架台41に連結された一対の伸縮自在のアーム部42,42を備えている。各アームの先端には、U字状のハンド部43,43が連結されている。アーム部42,42は、第1及び第2カセット1,2側に伸長した時は、カセット1,2内部に収容された基板に届く長さに設定されている。また、第1及び第2ロードロック室5,6側に伸長した時は、取り出し口を介して第1及び第2ロードロック室5,6内部のステージに届く長さに設定されている。アーム部42,42は架台41に回転可能に取り付けられている。大気ロボット4の架台41は、水平移動機構(不図示)の上に設けられ、大気搬送室3内部を、第1及び第2カセット1,2が並ぶ方向、すなわち第1及び第2ロードロック室5,6が並ぶ方向に水平移動する。これによって、2つのカセット1,2及び2つのロードロック室5,6のいずれからも基板を取り出すことができ、またいずれに対しても基板を搬入することが可能である。
以下、第1ロードロック室5にある処理済の基板と、第1カセット1にある未処理の基板との取替えを例示する。具体的には、例えば、大気ロボット4は、架台41を水平移動機構によって水平移動させ、第1カセット1の正面位置に移動する。一方のアーム部42を第1カセット1側に伸ばし、第1カセット1から基板を取りだす。基板を保持したまま、アーム部42を縮め、架台41を180°回動させる。他方のアーム部42を第1ロードロック室5側に伸ばし、第1ロードロック室5のステージから処理済みの基板を取り出す。未処理の基板を保持している一方のアーム部42を伸ばして、基板をステージに載置する。両方のアーム部42,42を縮めて、再び架台41を180°回動させる。処理済みの基板を保持している他方のアーム部42を伸ばして、未処理の基板を第1カセット1に収納する。このとき、一方のアーム部42は第1カセット1から新たな基板を取り出して保持する。以下、同様の処理を繰り返して、基板の入れ替えを行う。
第1カセット1と第2カセット2から交互に基板を取り出す場合には、処理済の基板を第1カセット1に収納した後に、第2カセット2に移動して、第2カセット2から未処理の基板を取り出すようにする。
第1及び第2ロードロック室5,6には、真空ポンプ等で構成される排気手段(不図示)が設けられている。この排気手段は、制御手段60に接続されている。制御手段60は、CPUを含むコンピュータにより構成され、所定のプログラムにより排気手段の動作の制御を行う。制御手段60が排気手段を制御することによって、第1及び第2ロードロック室5,6内部の圧力が調整され、大気圧と真空状態との間の切り換えが行われる。
真空搬送室7には、2つの真空ロボット8,9が配置されている。第1真空ロボット8は、第1ロードロック室5と第1処理室10の間に配置され、この2つの室の間で基板の搬送を行う。第2真空ロボット9は第2ロードロック室6と第2処理室11の間に配置され、この2つの室の間で基板の搬送を行う。
第1及び第2真空ロボット8,9は、例えば、出願人による特開2006-332695号公報に開示された構成を用いることができる。第1及び第2真空ロボット8,9は、架台41に回転自在に取り付けられた帯状のアーム体51と、アーム体51の回転中心に取り付けられた固定プーリ(不図示)、アーム体51の両端に回転自在に取り付けられた一対の回転プーリ(不図示)、各回転プーリに取り付けられたU字状のフィンガ52,52を備えている。固定プーリと回転プーリにはタイミングベルト(不図示)がかけ渡され、外径寸法比が2:1となるように設定されている。これによって、アーム体51を回転させると回転プーリはアーム体51の2倍の角度で回転する。
このフィンガ52,52を、アーム体51の回転角度に応じてアーム体51に重なり合う状態と、アーム体51の長手方向両端から延長線上に突出する状態とに位置決めする。2本のフィンガ52,52は異なる高さに配置されており、アーム体51に重なり合う状態でも相互に干渉しないようになっている。また、各フィンガ52,52はアーム体51の長手方向両端から延長線上に突出する状態においては、第1又は第2ロードロック室5,6のステージと、後述する第1又は第2処理室10,11のステージ21に届く長さに設定されている。
このような構成とすることで、真空ロボットは、ロードロック室と処理室にそれぞれ載置されている基板の取り出し及び受け渡しを同時に行うことができる。
具体的には、第1真空ロボット8を例に取って説明すると、アーム体51が回転していない状態、すなわち図1に示すように長手方向が第1ロードロック室5と第1処理室10と平行な状態では、フィンガ52,52はアーム体51に重なり合った状態である。
アーム体51が90°回転すると、フィンガ52,52はそれぞれ180°回転してアーム体51両端から突出する。一方のフィンガ52は第1ロードロック室5の未処理の基板を保持し、他方のフィンガ52は第1処理室10の処理済みの基板を保持する。基板を保持したまま、アーム体51を180°回転させると、フィンガ52,52は360°回転する。すなわち、アーム体51の両端から突出していた各フィンガ52,52がアーム体51の上面で一旦行き違い、今度はアーム体51の反対側の端部から突出する。これによって、一方のフィンガ52は第1処理室10に入り込み、第1ロードロック室5から取り出した未処理の基板を第1処理室10のステージ21に載置する。他方のフィンガ52は第1ロードロック室5に入り込み、第1処理室10から取り出した処理済みの基板を第1ロードロック室5のステージに載置する。
第1及び第2処理室10,11は、例えば、基板に対してプラズマエッチングを行うことができるエッチング処理室として構成されている。図2に、エッチング処理室の概略構成図を示す。
第1及び第2処理室10,11の内部には、ロードロック室と同様に、搬入された基板Wが載置されるステージ21が配置されている。ステージ21には受け渡しピン(不図示)が設けられている。この受け渡しピンには昇降手段(不図示)が接続されている。この受け渡しピンが基板Wを保持して昇降することで、基板Wをステージ21から持ち上げたり降ろしたりすることができる。具体的には、例えば、基板Wの搬出の際には、基板Wを保持した受け渡しピンが上昇すると、ステージ21と基板Wとの間に隙間ができる。第1及び第2真空ロボット8,9のフィンガ52がその隙間に進入し、基板Wを保持して搬出する。
ステージ21には、静電チャックや真空チャックなどのような不図示の保持手段が設けられており、保持手段によって載置された基板Wが処理中にステージ21上に保持される。
第1及び第2処理室10,11には、排気口22が設けられ、ダクト23を介して真空ポンプ26に接続されている。ダクト23には排気バルブ24と圧力調整バルブ25が設けられている。これらの真空ポンプ26、排気バルブ24及び圧力調整バルブ25は、ロードロック室の排気手段と同様に、制御手段60に連結されており、真空ポンプ26の動作の調整、バルブの開閉度の調整により、処理室内部の圧力の調整を行うことができる。
第1及び第2処理室10,11の上部には、ガスノズル27が設置されている。ガスノズル27は処理室の壁面に設けられたガス導入口28を介して導入される反応ガスを基板Wに対して吹き付ける。ガス導入口28はダクト29に連結されている。ダクト29の他端には、反応ガス供給部30として、複数の反応ガス源31と反応ガスをプラズマ放電させる放電管32とが接続されている。
エッチング処理では、ハロゲン元素を含むガスを反応ガスとして供給する。ハロゲン元素を含むガスの一例としては、塩素(Cl2)、三塩化硼素(BCl3)、四塩化珪素(SiCl4)もしくは四塩化炭素(CCl4)などを代表とする塩素系ガス、四フッ化炭素(CF4)、六フッ化硫黄(SF6)、三フッ化窒素(NF3)もしくはトリフルオロメタン(CHF3)などを代表とするフッ素系ガス、臭化水素(HBr)または酸素を適宜用いることができる。反応ガスには、Heガス等の不活性気体や、Oガス、Hガス、Nガス等を添加する。
放電管32は、円筒型で、一端側の開口が反応ガス源31からの反応ガスの導入口となっており、他端側の開口がダクト29へのガス排出口になっている。放電管32にはマイクロ波導入管(不図示)が接続されており、例えば2.45GHzのマイクロ波を放電管32の内部に導入し、反応ガスを励起させてプラズマを生成する。放電管32の周囲はマイクロ波の漏れを抑止する金属部材の遮蔽板で覆われている。
放電管32でプラズマ放電され、生成されたプラズマ生成物を含んだ反応ガスは、ダクト29及びガス導入口28を介して、ガスノズル27により、ステージ21上の基板Wに対して吹き付けられ、基板Wに対してエッチングが行われる。
エッチング処理の際には、基板Wと反応ガスの化学反応によってケミカルルミネッセンス光が生じる。この発光はある程度までエッチングが進み、被エッチング膜が無くなると定常的な状態となる。したがって、この発光の発光強度を測定することにより、エッチングの終点を検知することができる。第1処理室10及び第2処理室11には、光強度検出手段として発光モニタ34が設置され、処理室内での発光の発光強度を測定する。すなわち、エッチング処理によるケミカルルミネッセンス光の発光強度を測定する。発光モニタ34で測定される発光強度が所定の閾値以下となったとき、エッチング処理の終点と判断され、制御手段60によって放電管32のプラズマ放電が停止される。
上述した制御手段60は、第1及び第2処理室10,11の各部の動作の制御を行うことで、基板処理の開始及び終了のタイミング制御を行う。また、第1及び第2処理室10,11の各部の動作の制御だけでなく、第1及び第2ロードロック室5,6の排気手段の制御や、基板処理装置全体の制御を行うことができる。また、各室の取出し口12a,12b,13a,13b,14a,14bの開閉制御も行うことができる。
[基板処理装置の作用]
[基板搬送及び処理のフロー]
本実施形態の基板処理装置において行われる、基板の搬送及び処理の流れについて、図3及び図4のフローチャートを用いて説明する。なお、図1に図示した基板処理装置は、カセット、ロードロック室、真空ロボット及び処理室がそれぞれ2つずつ備えられ、2系統で基板の搬送及び処理が行えるようになっているが、ここでは説明の便宜のために、第1カセット1、第1ロードロック室5、第1真空ロボット8及び第1処理室10という1系統での基板処理のみに着目して説明する。
大気搬送室3内に設置された大気ロボット4が、第1カセット1から1枚目の基板を取り出す(ステップS01)。このとき、大気搬送室3と第1ロードロック室5との間の取出し口12aは開放され、第1ロードロック室5内部は大気圧に調整されている。大気ロボット4は保持している基板を第1ロードロック室5のステージ上に載置する(ステップS02)。大気ロボット4のアーム部42が第1ロードロック室5から退避した後、大気搬送室3と第1ロードロック室5との間の取出し口12aを閉じ、排気手段を用いて、第1ロードロック室5を排気し、所定の真空状態、例えば30Paまで減圧する(ステップS03)。
第1ロードロック室5の排気が完了すると、第1ロードロック室5と真空搬送室7との間の取出し口13aと、真空搬送室7と第1処理室10との間の取出し口14aとを開放する。真空搬送室7内に設置された第1真空ロボット8が、第1ロードロック室5のステージ上に載置された基板を取り出して、第1処理室10内のステージ21に載置する(ステップS04)。第1処理室10は、第1ロードロック室5と同じ、30Paの真空状態に保たれている。
搬送が終了すると、第1ロードロック室5と真空搬送室7との間の取出し口13aと、真空搬送室7と第1処理室10との間の取出し口14aとを閉じて、第1処理室10のステージ21に載置された基板に対して処理が行われる(ステップS05)。
上述したように、処理室で行う基板の処理は様々なものがあるが、ここでは、プラズマガスを用いたドライエッチング処理を一例として説明する。
ドライエッチング処理は、開始から終了まで複数の工程が存在する。その工程の一例を、図4のフローチャートを使って説明する。まず、ステージ21の受け渡しピンに基板が載置されると、上昇していた受け渡しピンが下降する(ステップS101)。受け渡しピンが下降することでステージ21に基板が載置される。その後、静電チャックを起動し、基板をステージ21上に吸着する(ステップS102)。反応ガスが反応ガス供給部30から放電管32に供給され、放電管32の内部においてプラズマ放電を開始する(ステップS103)。プラズマ放電により励起し、ラジカルなどのプラズマ生成物を含んだ反応ガスは第1処理室10内に供給され、基板の表面に到達し、基板の表面とプラズマ生成物が反応することでエッチングが行われる(ステップS104)。発光モニタが監視していた発光強度が所定の閾値以下になると、エッチングが終了したとして、プラズマ放電を停止する(ステップS105)。プラズマ放電停止後、処理によって変動した第1処理室10内の圧力を調整するために第1処理室10内部の真空度の確認作業を行う(ステップS106)。具体的には、真空ポンプ26、排気バルブ24及び圧力調整バルブ25を制御して、第1処理室10内部の圧力を1Paまで下げてから、また30Paに戻す。さらに、第1処理室10内にパージガスを流して、処理室内の残留ガスを除去したり、あるいは、クリーニング用のガスを放電させることにより処理室内部に付着した生成物を除去し、クリーニングを行う(ステップS107)。続いて、静電チャックを停止させる(ステップS108)。最後に、ステージ21の受け渡しピンを上昇させて(ステップS109)、基板を第1処理室10から搬出可能な状態としたところで、基板処理を終了する。
図3のフローチャートに戻り、基板処理後の搬送処理について説明する。基板処理が終了すると、第1処理室10と真空搬送室7との間の取出し口14aと、真空搬送室7と第1ロードロック室5との間の取出し口13aが開放される。このとき、第1ロードロック室5は第1処理室10と同様に真空に減圧され、そのステージには新たに第1カセット1から取り出された次処理対象の基板が既に載置された状態となっている。第1真空ロボット8は、第1処理室10のステージ21に載置されている処理済みの基板を取出し、第1ロードロック室5のステージに載置する(ステップS06)。同時に、第1ロードロック室5のステージから次処理対象の基板を取出し、処理済みの基板と入れ替える形で、第1処理室10のステージ21に載置する。
第1真空ロボット8が図1のような待機状態に戻った後、第1処理室10と真空搬送室7との間の取出し口14aと、真空搬送室7と第1ロードロック室5との間の取出し口と第1処理室10の取出し口13aを閉じ、第1ロードロック室5の排気手段を制御して、第1ロードロック室5を大気圧にする(ステップS07)。第1処理室10に搬入された次処理対象の基板については、上述したステップS101〜109の基板処理工程を行う。
第1ロードロック室5が大気圧になったところで、第1ロードロック室5と大気搬送室3との間の取出し口12aを開放する。大気ロボット4が、第1ロードロック室5のステージに載置された処理済みの基板を取出し、第1カセット1に再び収容する(ステップS08)。なお、大気ロボット4は第1ロードロック室5から処理済みの基板を取り出した時に、第1カセット1から新たな未処理の基板を取り出し、180度回転する。これにより、処理済みの基板を第1カセット1に戻し、未処理の基板を第1ロードロック室5のステージに載置する。
[複数の基板の処理シーケンス]
上述のように、基板が、基板処理装置内のカセット、大気搬送室、ロードロック室、真空搬送室、及び処理室の間を往復することによって、基板搬送及び処理工程が進められる。このとき、次処理対象の基板も順次カセットから取り出され、先に取りだされた基板を追随しさらに処理済みの基板と入れ替えられる形で搬送されることで、複数の基板の処理が効率良く進められる。
ここで、上述したように第1及び第2処理室10,11での基板処理は複数の工程を含んでおり、所定の時間を要する。そのため、次処理対象の基板については、第1及び第2処理室10,11の前に載置される第1及び第2ロードロック室5,6において待機時間が生じることとなる。
上述したように、第1及び第2ロードロック室5,6と第1及び第2処理室10,11との間の基板の受け渡しの際は、予め第1及び第2ロードロック室5,6を排気して、第1及び第2処理室10,11と同様の真空状態にしておく必要がある。
この第1及び第2ロードロック室5,6の排気を開始するタイミングについて、従来の例を図5に示す。
図5は、複数の基板の処理シーケンスを示しているが、処理開始から数えて1枚目及び3枚目の基板が、第1系統として、第1ロードロック室5及び第1処理室10に搬送され、2枚目及び4枚目の基板が、第2系統として、第2ロードロック室6及び第2処理室11に搬送される。第1系統と第2系統の処理は同じなので、第1系統の1枚目と3枚目の基板に着目して説明する。
1枚目の基板について、第1ロードロック室5から第1処理室10への搬送処理が行われている間に、大気ロボット4は第1カセット1から3枚目の基板を取り出す。1枚目の基板が第1ロードロック室5から搬出され、真空排気された第1ロードロック室5を大気圧に調整した後に、3枚目の基板は第1ロードロック室5に搬入される。図5に示す従来例では、3枚目の基板を第1ロードロック室5に搬送後、直ちに第1ロードロック室5を真空排気する。第1ロードロック室5の真空排気後完了後も、1枚目の基板の処理は継続している。そのため、3枚目の基板は1枚目の基板を処理が終了するまで、第1ロードロック室5で真空状態で待機することになる。
ここで、処理対象となる基板が、薄化され、かつ接着剤によって有機フィルムが貼り合わされたものである場合に、この従来例によって生じる可能性の有る問題点を説明する。
図6に、有機フィルムFを貼り合わせた薄化基板Wの模式断面図を示している。上述したが、基板の標準厚みは725μmであり、これより薄いものであれば薄化基板と呼ぶことができるが、強度の問題から有機フィルムの貼り合わせが必要になるのは、一般的に厚さが200μm以下程度のものである。
基板に有機フィルムを貼り合わせた際に、図6(a)に示すように、基板Wと有機フィルムFの間に空気がわずかに入り込み、微小な気泡Vが生じることがある。貼り合わせが行われる大気下では、この気泡Vは潰れた状態である。この気泡Vが生じた基板Wを真空状態に置くと、基板Wの周囲は減圧される一方で、気泡内の空気は大気圧と同じ圧力のため、その圧力差により、図6(b)に示すように気泡Vが膨張する可能性がある。この気泡Vが膨張する可能性や膨張の程度は、基板Wが真空に置かれる状態の時間が長いほど、大きくなっていく可能性がある。気泡Vが膨張することにより、基板処理の性能に変化が生じたり、搬送エラーが生じたり、あるいは基板Wが破損する可能性がある。
ここで、図5に示した従来例では、第1ロードロック室5において真空状態で待機する時間が長くなってしまうため、気泡がより大きく膨張する可能性が高くなっている。
そこで、第1ロードロック室5の排気開始タイミングは、できるだけ遅くすることが望ましい。本発明は、第1ロードロック室5へ次処理対象の基板が搬入された後、直ちに第1ロードロック室5の排気を開始するのではなく、次処理対象の基板を搬入後、所定の時間が経過した後、制御手段60により排気手段に排気を開始させるものである。これにより、基板Wが真空に置かれる状態の時間が短くなることで、図6の示した基板Wと有機フィルムFの間の微小な気泡Vが膨張することを抑えることができる。
なお、「第1ロードロック室5へ次処理対象の基板が搬入され」るとは、大気ロボット4のアーム部42が第1ロードロック室5へ基板を搬入し、ステージに載置した後、制御手段60が大気搬送室3と第1ロードロック室5との間の取出し口12aを閉じるまでの動作を含めるものとする。すなわち、取出し口12aを閉じてから所定の時間が経過した後、排気手段が排気を開始する。
第1処理室10において、複数の基板を順次処理する場合、基板の特性や処理の種類によっては、複数の基板それぞれにおいて処理完了までの時間が異なることもあるため、排気開始のタイミングを決定することは難しい。また、第1ロードロック室5へ次処理対象の基板を搬入してから、例えば3分というような固定の時間で排気を開始すると、基板ごとに真空状態に置かれる時間にバラつきが生じることもある。
ここで、基板処理には、上述のように複数の工程が含まれている。そして、各工程においては、ステージ21の受け渡しピン、静電チャック、真空ポンプ26、及び放電管32といった処理室に備えられた各装置が動作する。そして各工程は、制御手段60が各装置を制御してその工程における動作を開始又は終了させることによって開始又は終了する。したがって、制御手段60が、基板処理の各工程において各装置を制御すると共に、各工程の開始又は終了に基づいて第1ロードロック室5の排気手段を制御することは容易である。また、基板処理の工程に沿って排気タイミングを制御することで、基板が真空状態に置かれる時間も一定にしやすい。本発明の第1の実施形態は、この事実に着目し、基板処理工程のいずれかの工程の終了時間に基づいて排気開始タイミングを定める。
以下、図7及び図8を用いて、第1の実施形態の、第1及び第2ロードロック室5,6の排気を開始するタイミングの2つの例を説明する。
(A)基板処理の最後の工程の終了時での排気開始
図7に示す例では、3枚目の基板を第1ロードロック室5へ搬入するタイミングまでは、従来例と同じである。しかし、本実施形態においては、3枚目の基板が搬入された後、直ちに第1ロードロック室5の排気は開始しない。代わりに、1枚目の第1処理室10における基板処理の最後の工程の終了時を第1ロードロック室5の排気開始のタイミングとする。基板処理の最後の工程とは、図4のステップS109の、第1処理室10内のステージ21の受け渡しピンを上昇させ、処理済みの基板を搬出可能な状態にさせる工程である。
すなわち、制御手段60は、受け渡しピンの上昇が完了すると、第1ロードロック室5の排気手段に第1ロードロック室5の排気を開始させる。そして、第1ロードロック室5の排気が完了した後で、処理済みの1枚目の基板と入れ替える形で、3枚目の基板を第1処理室10へ搬入する。
基板処理が完全に終了してから第1ロードロック室5の排気を開始することで、次処理対象の基板が真空状態で待機する時間を確実に最小限にすることができる。すなわち、未処理基板が真空状態で待機する時間は第1ロードロック室5の排気時間のみとすることができる。
(B)プラズマ放電の停止時での排気開始
図8に示す例では、プラズマ放電停止時を、第1ロードロック室5の排気開始のタイミングとしている。プラズマ放電停止時とは、図4のステップS105に示す、第1処理室10の発光モニタ34が監視する発光強度が所定の閾値以下となり、放電管32によるプラズマ放電が停止されるタイミングである。制御手段60は、プラズマ放電を停止させると、第1ロードロック室5の排気手段に第1ロードロック室5の排気を開始させる。例えば、第1ロードロック室5の排気にかかる時間がおよそ20秒であり、プラズマ放電停止後の第1処理室10における工程(図4のステップS106〜ステップS109)にかかる時間がおよそ25秒であれば、第1ロードロック室5の排気完了後に次処理対象の基板が真空状態で待機する時間をおよそ5秒という短い時間に削減することができる。
[効果]
(1)上述したように、本実施形態の基板処理装置は、減圧した第1の圧力下、すなわち真空下で複数の工程により基板処理を行う処理室10,11と、処理室10,11に隣接し、第1の圧力よりも高い第2の圧力下、すなわち大気圧下で外部から基板が搬入され、第1の圧力下で基板が処理室10,11へ搬出されるロードロック室5,6と、ロードロック室5,6を排気して減圧する排気手段と、処理室10,11での基板処理と排気手段の制御とを行う制御手段60と、を備える。制御手段60は、処理室10,11での基板処理開始を開始し、ロードロック室5,6に外部から次処理対象の基板が搬入されてから所定の時間が経過した後、ロードロック室5,6の排気を開始させる。
ロードロック室5,6に外部から次処理対象の基板が搬入されてから所定の時間が経過した後にロードロック室5,6の排気を開始することで、基板がロードロック室5,6で真空状態に置かれる時間を削減することができる。これによって、真空状態に長時間載置することが好適ではない、有機フィルムを貼り合わせた基板を処理する場合でも、貼り合わせの際に生じた気泡の膨張を低減することができる。結果として、基板処理の性能を安定させ、また搬送エラーや基板の破損を低減した信頼性の高い基板処理装置及び基板処理方法を提供することができる。
(2)また、本実施形態では、基板処理の複数の工程のいずれかの開始又は終了に基づいて定められる所定タイミングで、次処理対象の基板が搬入されているロードロック室5,6の排気を開始させる。
基板の特性によっては、エッチング等の処理にかかる時間が、基板ごとに異なることもあるが、制御手段60が制御している基板処理の複数の工程のいずれかの開始又は終了のタイミングを利用することで、ロードロック室5,6の排気開始タイミングも容易に決定することができる。
(3)また、本実施形態では、一例として、基板処理の複数の工程のうち最後の工程の終了時をロードロック室5,6の排気開始タイミングとしている。最後の工程の終了時とは、例えば、処理室10,11内のステージ21の受け渡しピンの上昇が完了する時である。
基板処理完了時間を示すステージ21の受け渡しピンの上昇まで、ロードロック室5,6を大気圧にしておくことで、確実に次処理対象の基板が真空状態で待機する時間を最小限にすることができる。
(4)また、本実施形態では、制御手段60は、プラズマ放電の停止時に、次処理対象の基板が搬入されているロードロック室5,6の排気を開始させる。
基板処理の最後の工程よりも手前のプラズマ放電停止時を、ロードロック室5,6の排気開始タイミングとすることによって、次処理対象の基板が真空状態で待機する時間を削減するだけでなく、基板処理終了後に処理済みの基板が真空状態の処理室10,11内で待機する時間も削減することができる。また、上述したように、基板のエッチングにかかる時間は、基板ごとに異なることがあるが、真空度の確認やクリーニング、静電チャックの停止といったエッチング終了後の処理については、基板ごとの差は生じにくい。したがって、プラズマ放電停止時をロードロック室5,6の排気開始タイミングとすることによって、排気開始タイミングを一定間隔とすることができるため、基板の処理効率を向上することができる。
(5)また、本実施形態では、処理室10,11は、処理室内の発光、すなわちプラズマ放電させた反応ガスとの化学反応によって生じるケミカルルミネッセンス光の光強度を監視する発光モニタ34を備えている。制御手段60は、光強度が所定値以下になったときに、プラズマ放電を停止させる。
処理室内の発光の光強度を監視することで、エッチングの終了を正確に検知することができる。これによって、プラズマ放電停止のタイミングを正確に把握することができ、ひいてはロードロック室5,6の排気開始タイミングの正確な制御が可能となり、処理効率を向上することができる。
[第2の実施形態]
次に、図9及び図10を用いて、第2の実施形態について説明する。図9は、第2の実施形態において、第1の実施形態の基板処理装置に追加される構成である。図10は、第2の実施形態における複数の基板の処理シーケンスを示す図である。
図9に図示した追加部分を除いた構成と、基板の搬送及び処理の全体的な流れは第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
第2実施形態において、基板処理装置は、図9に示すように、制御手段60と、データベース61と、排気開始タイミング算出手段62とを備えている。制御手段60は、第1実施形態で説明した制御手段60と同一のものである。データベース61は、統計データに基づいて算出された、基板処理開始から完了までの所要時間と、ロードロック室5,6の排気開始から完了までの所要時間のデータが予め格納されている。また、制御手段60は、基板処理の最初の工程、すなわち図4のステップS101の、ステージ21の受け渡しピン下降を開始したとき、その開始時を基板処理開始時として、データベース61に一時的に記憶させる。
排気開始タイミング算出手段62は、データベース61から、まず基板処理開始時と基板処理の所要時間を取得する。基板処理開始時と基板処理の所要時間から、基板処理終了時を算出する。この基板処理終了時とは、基板処理の最後の工程の終了時である。すなわち、図4のステップS109に示した、第1処理室10内のステージ21の受け渡しピンの上昇が完了するタイミングである。そして、データベース61から、ロードロック室5,6の排気所要時間を取得する。算出した基板処理終了時からロードロック室5,6の排気所要時間を差し引き、得られた値を、排気開始タイミングとしてデータベース61に一時的に記憶させる。
制御手段60は、データベース61を参照し、排気開始タイミング算出手段62で算出された排気開始タイミングにおいて、ロードロック室5,6の排気手段を制御し、排気を開始させる。
この方法によって、図10に示すように、3枚目の基板が搬入されている第1ロードロック室5の排気完了とほぼ同時に、第1処理室10における1枚目の基板の処理を終了する。これによって、ほぼ待機時間の無い状態で、1枚目と3枚目の基板の入れ替えを行うことができる。
すなわち、第2の実施形態においては、基板処理終了時からロードロック室の排気所要時間を差し引いて得られた時間を、排気開始タイミングとする。これによって、第1の実施形態と同様に、第1ロードロック室5での真空下での待機時間を削減するだけでなく、大気圧下での待機時間も削減することができ、気泡の膨張を低減しながら、基板処理の効率も向上させることができる。
第2実施形態に示した方法は特に、基板によってエッチング処理の時間に差が生じないような基板の処理を行う際に好適である。
[その他の実施形態]
(1)基板処理装置において基板の搬送を行う大気ロボット4及び真空ロボットは、上述の実施形態に述べた構成のものに限られない。例えば、大気ロボット4として説明した構成の物を、真空ロボットとして用いても良い。また、真空ロボットとして説明した構成のものを、大気ロボット4として用いても良い。
(2)上述の実施形態において、第1及び第2処理室10,11は、プラズマ発生領域と基板が載置された処理室とが分離しているリモートプラズマ処理装置として説明したがこれに限られない。本発明は、処理室内でプラズマを発生させる誘導結合型プラズマ処理装置や容量結合型プラズマ処理装置など様々なプラズマ処理装置に適用することができる。その場合、本発明における発光モニタは、処理室内での発光として、処理室内で生成されたプラズマの発光のうち所定の波長光を監視することで、エッチング処理の終点を検知することができる。また、第1及び第2の処理室10,11はプラズマエッチング処理室として説明したが、これに限られない。本発明は、成膜やアッシング、表面改質等、様々な基板処理に適用することができる。
(3)上述の実施形態では、有機フィルムを貼り合わせた薄化基板において、貼り合わせ面に生じた気泡の膨張を防ぐことを目的として説明したが、目的は気泡の膨張防止には限定されない。例えば、真空状態に長く置かれることで、基板上の膜質が変質してしまうような材料を用いる場合や、基板吸湿ガスが付着した状態で基板処理を実施する場合においても、本発明の基板処理装置及び基板処理方法を適用することができる。
(4)上述の実施形態では、ロードロック室5,6の排気開始のタイミングとして、基板処理の複数の工程のなかで、最後の工程のステージ21の上昇完了と、プラズマ放電停止を例に挙げたが、これに限られない。ロードロック室5,6の排気完了の所要時間がより短ければ、例えば、放電停止より後の、真空度の確認工程、クリーニング終了、静電チャックの動作停止といった工程の開始又は終了の時間を、ロードロック室5,6の排気開始タイミングとしても良い。また、処理室10,11における複数の基板の処理においてエッチング処理の時間に差が生じないような処理を行う際には、基板処理の工程に関係なく、第1ロードロック室5へ次処理対象の基板を搬入してから、例えば3分といった固定の時間経過後に、一律で第1ロードロック室5の排気を開始するようにしても良い。
(5)上述の実施形態では、カセット、ロードロック室及び処理室がそれぞれ2つずつ設けられた基板処理装置を説明したが、あくまで一例に過ぎず、1つずつ設けられているものであっても良いし、3つ以上ずつ設けられるものであっても良い。また、処理室の数に対して、ロードロック室の数が対応するものでなくてもよい。例えば、複数の処理室に対して共用の1つのロードロック室が設けられるものであってもよい。
(6)上述の実施形態では、同じ制御手段60が、処理室での基板処理と排気手段の制御とを行っていたが、処理室とロードロック室で別個の制御部を設け、相互に通信を行ってロードロック室の排気開始タイミングを制御するようにしても良い。
(7)上述の実施形態では、第1の圧力を、30Paまで減圧した真空状態として説明し、第2の圧力を大気圧として説明したが、これに限られない。例えば、第1の圧力を30Paよりもさらに減圧し、いわゆる高真空と呼ばれる圧力まで減圧しても良く、第2の圧力を大気圧よりも減圧した、いわゆる低真空と呼ばれる圧力としても良い。
1 第1カセット
2 第2カセット
3 大気搬送室
4 大気ロボット
5 第1ロードロック室
6 第2ロードロック室
7 真空搬送室
8 第1真空ロボット
9 第2真空ロボット
10 第1処理室
11 第2処理室
12a,12b,13a,13b,14a,14b 取出し口
21 ステージ
22 排気口
23 ダクト
24 排気バルブ
25 圧力調整バルブ
26 真空ポンプ
27 ガスノズル
28 ガス導入口
29 ダクト
30 反応ガス供給部
31 反応ガス源
32 放電管
34 発光モニタ
41 架台
42 アーム部
43 ハンド部
51 アーム体
52 フィンガ
60 制御手段
61 データベース
62 排気開始タイミング算出手段
W 基板
F 有機フィルム
V 気泡

Claims (8)

  1. 減圧した第1の圧力下で複数の工程により基板処理を行う処理室と、
    前記処理室に隣接し、前記第1の圧力よりも高い第2の圧力下で外部から基板が搬入され、前記第1の圧力下で当該基板が前記処理室へ搬出されるロードロック室と、
    前記ロードロック室を排気して減圧する排気手段と、
    前記処理室での基板処理と前記排気手段の制御とを行う制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記処理室での基板処理を開始し、前記ロードロック室に前記外部から次処理対象の基板が搬入されてから所定の時間が経過した後、前記排気手段に、前記ロードロック室の排気を開始させることを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記制御手段は、基板処理の前記複数の工程のいずれかの開始又は終了に基づいて定められる所定タイミングにおいて、前記排気手段に、前記ロードロック室の排気を開始させることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記所定タイミングは、前記処理室での前記基板処理の最後の工程の終了時であることを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。
  4. 前記基板処理の最後の工程の終了時から、前記ロードロック室の真空排気に要する時間を差し引いたタイミングで、前記排気手段に、前記ロードロック室の排気を開始させることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  5. 前記処理室は、反応ガスをプラズマ放電させて前記処理室内の基板に供給する反応ガス供給部を備え、
    前記制御手段は、前記プラズマ放電の停止時に、前記排気手段に、前記ロードロック室の排気を開始させることを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。
  6. 前記処理室は、前記処理室内の発光の光強度を監視する光強度検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記光強度が所定値以下になったときに、前記プラズマ放電を停止させることを特徴とする請求項5記載の基板処理装置。
  7. 前記基板は、有機フィルムが貼り合わされた薄化基板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 処理室において減圧した第1の圧力下で基板を処理し、前記処理室に隣接するロードロック室において、前記第1の圧力よりも高い第2の圧力下で基板を外部から搬入し、前記第1の圧力下で当該基板を前記処理室へ搬入する基板処理方法であって、
    前記処理室での基板処理を開始し、前記ロードロック室に前記外部から次処理対象の基板が搬入してから所定の時間が経過した後、前記ロードロック室の排気を開始させることを特徴とする基板処理方法。
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