JP2015068801A - 建造物の地震被害予測方法及び予測システム - Google Patents

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【課題】想定した地震が発生した場合に建造物に生じる被害状況を正確に把握できる建造物の地震被害予測方法を提供する。【解決手段】地震が発生したときにこの地震により建造物1、3、5に加わる加速度を測定するとともに、この地震により建造物1、3、5の地盤に加わる理論最大加速度を距離減衰式により算出する。測定した建造物最大加速度又は測定した建造物加速度から導いた層間変形角と算出した理論最大加速度とを回帰分析することにより建造物最大加速度又は層間変形角の理論最大加速度への回帰式を求め、想定地震について距離減衰式を用いて算出した建造物1、3、5の地盤の理論最大加速度を、この回帰式に代入して想定地震により建造物1、3、5に加わる建造物最大加速度又は想定地震により建造物1、3、5に生じる層間変形角を予測する。【選択図】図1

Description

本発明は特定の建造物に生じる地震被害を予測する方法及びシステムに関する。
震源位置から離れた特定場所での地震動を予測する場合には距離減衰式が広く利用されている。距離減衰式は、ある場所での地震動を震源位置からその場所までの距離及びマグニチュードの関数として表すものであり、過去に生じた実際の地震の多くの観測結果から回帰して導かれている。距離減衰式としては複数のものが利用されているが、例えば司・翠川の距離減衰式ではマグニチュードMの地震の特定場所での地震動(理論最大加速度)Aは次式により求められる(司宏俊・翠川三郎(1999):断層タイプ及び地盤条件を考慮した最大加速度・最大速度の距離減衰式,日本建築学会構造系論文集,第523号,pp.63−70)。
logA=b−log(X+c)―0.003X
ただし、Xは震源位置から特定位置までの直線距離(震源位置から特定位置までの地表距離をL、震源の深さをDとしてX=√(L+D)、b=0.53M+0.0044D+0.38、c=0.0055×100.5M
しかしながら、この距離減衰式は全国各地での地震の観測結果に基づき求められたものであり、予測対象場所の地震動に影響を与える地質や地形状況などの対象場所特有の条件が考慮されていないので、算出される理論最大加速度は個別具体的ではなく平均値的なものとならざるを得ない。
そこで、例えば特許文献1に記載されているように、過去に発生した地震による予測対象場所での実際の地震動を観測しておき、この地震の震源位置とマグニチュードから距離減衰式を用いて算出される予測対象場所での理論地震動と観測された実際の地震動を比較して補正係数を導き出し、後に地震が生じた場合に、距離減衰式から算出された予測対象場所での理論地震動に補正係数を乗じたものを予測地震動とすることが行われている。
特開2007−71707号公報
ところで、特許文献1に記載された地震動予測システムで観測される実際の地震動は地盤又は地表面位置におけるものである。したがって、このような地震動予測システムは距離減衰式による理論地震動と建造物での地震動とを直接関連付けるものではないので、地震発生時の建造物の正確な被害状況を予測できない。また、この特許文献1の地震動予測システムは実際に発生した地震によるリアルタイムな地震動を推定するためのものであるから、種々の地震を想定し、この想定した地震が生じた場合の被害を推定しておくといったこともできない。
そこで本発明は、想定した地震が発生した場合に建造物に生じる被害状況を正確に把握できる建造物の地震被害予測方法及び予測システムを提供することを目的とする。
この目的を達成するための本発明の建造物の地震被害予測方法は、所定の震源地又は震源位置で所定のマグニチュードの想定地震が発生した場合の特定位置に設けられている特定建造物の被害を予測する建造物の地震被害予測方法であって、現実の地震が発生したときにこの現実の地震により前記特定建造物に加わる建造物加速度を測定し、前記現実の地震により前記特定位置の地盤に加わる理論最大加速度を距離減衰式により算出し、測定された建造物最大加速度又は測定された建造物加速度から導かれる前記特定建造物の建造物応答度と算出された理論最大加速度とを回帰分析することにより建造物最大加速度又は建造物応答度の理論最大加速度への回帰式を求め、前記想定地震について距離減衰式を用いて算出された前記特定位置の地盤の理論最大加速度を、求められた回帰式に代入して前記想定地震により前記特定建造物に加わる建造物最大加速度又は前記想定地震により前記特定建造物に生じる建造物応答度を導き出して予測するものである。ここでは、距離減衰式による理論最大加速度から特定建造物に加わる最大加速度又は特定建造物の応答度を直接導き出すことができる。
特定建造物の地震による被害をより具体的に予測するためには、現実の地震が発生したときにこの現実の地震により特定建造物に加わる建造物加速度を特定建造物の高さ方向複数個所で測定し、測定された高さ方向複数個所の加速度情報(例えば加速度波形、加速度情報又は加速度波形としては例えば水平方向のものを用いることができる)から建造物応答度として特定建造物の層間変形角(例えば最大層間変形角)を導き、この層間変形角の理論最大加速度への回帰式を求め、想定地震について算出された特定位置の地盤の理論最大加速度を、求められた回帰式に代入して想定地震による特定建造物の層間変形角を導き出して予測することが好ましい。
本発明では、現実の地震が発生するたびにこの現実の地震により前記建造物に加わる建造物加速度を測定し、それぞれの前記現実の地震により前記特定位置の地盤に加わる理論最大加速度を距離減衰式により算出し、測定された建造物最大加速度又は測定された建造物加速度から導かれた建造物応答度と算出された理論最大加速度とを回帰分析することにより建造物最大加速度又は建造物応答度の理論最大加速度への回帰式を求めることとなる。例えば回帰式は現実の地震が発生するたびに更新される。
また、この目的を達成するための本発明の建造物の地震被害予測システムは、所定の震源地又は震源位置で所定のマグニチュードの想定地震が発生した場合の特定位置に設けられている特定建造物の被害を予測する建造物の地震被害予測システムであって、前記特定建造物に設けられた加速度センサと、現実の地震が発生したときにこの加速度センサにより測定された前記特定建造物の建造物加速度を用い、前記想定地震により前記特定建造物に加わる建造物最大加速度又は前記想定地震により前記特定建造物に生じる建造物応答度を予測する予測装置と、を備え、前記予測装置は、距離減衰式により算出された、前記現実の地震により前記特定位置の地盤に加わる理論最大加速度と、測定された建造物加速度(建造物最大加速度)又は測定された建造物加速度から導かれた前記特定建造物に生じる建造物応答度とを回帰分析することにより建造物加速度(建造物最大加速度)又は建造物応答度の理論最大加速度への回帰式を求める回帰分析手段と、震源地又は震源位置及びマグニチュードを特定して想定地震を仮定する地震想定手段と、この地震想定手段により仮定された前記想定地震により前記特定位置の地盤に加わる理論最大加速度を距離減衰式によって算出し、算出された前記理論最大加速度を前記回帰式に代入して前記想定地震により前記特定建造物に加わる建造物最大加速度又は前記想定地震により前記特定建造物に生じる建造物応答度を導き出す予測手段と、を有するものである。
加速度センサは特定建造物の高さ方向複数個所に設けることができる。この場合には、回帰分析手段は、複数の加速度センサにより測定されたそれぞれの加速度情報から建造物応答度として特定建造物の層間変形角を導き、この層間変形角の理論最大加速度への回帰式を求め、予測手段は、算出された理論最大加速度を回帰式に代入して想定地震による層間変形角を導き出すものとすることができる。
本発明では任意に地震を想定し、この想定した地震により建造物が受ける被害を効果的に予測することができる。
本発明に係る建造物の地震被害予測システムを用いた地震被害予測報告サービス機構の概略を示す図である。 加速度センサの構成を示すブロック図である。 加速度センサの動作を示すフロー図である。 加速度の測定結果を示す図である。 地震被害予測サーバの構成を示すブロック図である。 記憶部の構成を示す図である。 回帰式設定・更新部の構成を示す図である。 被害予測データベースの構成を示す図である。 理論最大加速度と建造物最大加速度の相関図である。 理論最大加速度と層間変形角の相関図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、図1を参照して本発明に係る建造物の地震被害予測システムを用いた地震被害予測サービス機構を説明する。
地震被害予測サービス機構は建造物1、3、5を地震被害予測対象とするものである(通常は種々の高さの多数のマンションやオフィスビルあるいは一般家屋を地震被害予測対象とするが、ここでは3つの建造物のみを図示する)。建造物1は平屋の家屋であり、床付近に加速度センサ7が取り付けられている。この加速度センサ7は建造物1内に置かれた利用者端末9(例えばパソコン)に接続されていて、建造物1の床付近に地震により加えられる加速度を測定して利用者端末9に測定結果を送信する。利用者端末9は例えばルータ(図示せず)を介して通信網11(ここではインターネット)に接続されている。建造部3は2階建ての家屋であり、1階の床付近と2階の床付近にそれぞれ加速度センサ7が取り付けられている。これらの加速度センサ7は建造物3内に置かれた利用者端末13(例えばパソコン)に接続されていて、1階の床付近及び2階の床付近に地震により加えられる加速度をそれぞれ測定して利用者端末13に測定結果を送信する。利用者端末13は例えばルータ(図示せず)を介してインターネット11に接続されている。建造物5は3階建てのマンションであり、1階のフロア付近、2階のフロア付近及び3階のフロア付近にそれぞれ加速度センサ7が取り付けられている。これらの加速度センサ7は建造物5内に置かれた利用者端末15(例えばパソコン)に接続されていて、1階のフロア付近、2階のフロア付近及び3階のフロア付近に地震により加えられる加速度をそれぞれ測定して利用者端末15に測定結果を送信する。この利用者端末15はインターネット11に接続されている。
インターネット11には地震被害予測サーバ17(予測装置)が接続されていて、建造物1、3、5の加速度センサ7の測定結果は、建造物1の利用者端末9、建造物3の利用者端末13及び建造物5の利用者端末15を介してインターネット11を通り地震被害予測サーバ17に例えば電子メールで送信される。また、地震被害予測サーバ17はインターネット11を介して、気象庁やK−NETなどの地震観測網19から提供される震源地情報(震源位置及びマグニチュード)を含んだ地震情報を常時監視して取得する。そして、地震被害予測サーバ17は、受信したそれぞれの加速度センサ7の測定結果及び取得し記憶した地震情報に基づき、サービス提供者が仮想した想定地震による建造物1、3、5の被害状況を予測し、予測結果をそれぞれの利用者端末9、13、15に例えば電子メールで送信して報告する。
図2乃至図4を参照して加速度センサ7の構成及び動作を説明する。
加速度センサ7は、制御部21、インターフェース部23、表示部25、記憶部27(ここではSDカード)及びセンサ部29を備えて構成されている。制御部21はCPU及びRAMなどから構成され、インターフェース部23、表示部25及び記憶部27の各部の動作を全体的に制御する。インターフェース部23はセンサ部29の測定結果の利用者端末9、13、15への受け渡しを管理する。表示部25はディスプレイを有して構成され、測定された最大加速度等を表示する。SDカード27はセンサ部29の測定結果を格納する。センサ部29は例えばピエゾ抵抗型3軸加速度センサであり、水平方向の加速度及び垂直方向の加速度を測定することができる。
加速度センサ7では図3に示すように、電源をオンにすると(ステップ1)、センサ部29が建造物1、3、5の加速度(建造物加速度又は応答加速度)の測定又は計測を開始し(ステップ2)、センサ部29は電源がオフとなるまで建造物加速度を継続して測定する。制御部21はセンサ部29の測定結果を所定の短い時間(記憶時間)だけ保持し、記憶時間の経過とともに測定結果は順次消去される。制御部21はセンサ部29が開始閾値(プリトリガーレベル)に達する加速度を測定したか否かを監視し(ステップ3)、加速度が開始閾値に達したと判断した場合には、判断時に記憶している加速度測定結果を消去することなく判断時以降の加速度測定結果を記憶する(ステップ4)。開始閾値は、例えば地震動の初期の加速度の大きさである。制御部21は加速度測定結果の記憶を開始すると、センサ部29が終了閾値(ポストトリガーレベル)にまで収束した加速度を測定したか否かを監視し(ステップ5)、加速度が終了閾値に収束したと判断した場合には、この判断時から所定の短い時間の間だけ加速度測定結果の記憶を継続し、図4に示すような加速度の測定結果(図4の測定結果は例えば水平方向の加速度の測定結果)をSDカード27に記憶する(ステップ6)。ここで制御部21は加速度が終了閾値に収束するまでの記録を消去し、加速度が次に開始閾値に達するまでセンサ部29の測定結果を所定の短い時間だけ保持する動作を継続する。なお、制御部21は利用者端末9、13、15が起動されているときにSDカード27から図4の測定結果を読み出し利用者端末9、13、15に送信する。利用者端末9、13、15は例えば常時起動されている。また、図4のA点は加速度がプリトリガーレベルに達した時点を示し、B点は加速度がポストトリガーレベルに達した時点を示し、点Aまでの時間Cは加速度が開始閾値に達する前での測定結果の記憶時間又は保持時間を示し、点Bからの時間Dは加速度が終了閾値に収束してからの加速度測定結果の記憶継続時間を示す。
図5乃至図8を参照して地震被害予測サーバ17の構成を説明する。
地震被害予測サーバ17は、例えばパソコンとすることができ、制御部31、通信部33、入力部35(地震想定手段)、表示部37、記憶部39、回帰式設定・更新部41(回帰分析手段)及び地震応答度予測部43(予測手段)とを備えて構成される。制御部31はCPU及びRAMなどから構成され、予測サーバ17の各部の動作を全体的に制御する。通信部33は利用者端末9、13、15からの加速度センサ7の測定結果の受信、地震観測網19から提供される地震情報の取得、そして利用者端末9、13、15への被害状況の予測の送信を管理する。入力部35はキーボード及びマウスを有して構成され、例えば想定地震を特定して入力するのに使用する。表示部37はディスプレイを有して構成され、加速度センサ7の測定結果、取得した地震情報、想定地震入力画面及び被害予測結果などを表示する。記憶部39はハードディスクを有して構成され、図6に示すように、回帰式設定・更新部41及び地震応答度予測部43を構成するプログラム45や回帰式の設定及び地震応答度の予測に必要な距離減衰式47及び被害予測データベース49等を格納する。回帰式設定・更新部41はCPU及び記憶部39からの読出プログラムで構成され、図7に示すように、最大加速度算出部51、地震応答度設定部53及び回帰式決定部55を有している。地震応答度予測部43はCPU及び記憶部39からの読出プログラムで構成され、入力部35から入力された想定地震が発生した際の、建造物1の最大加速度(地震応答度)、建造物3の層間変形角(地震応答度)及び建造物5の1階−2階層間変形角・1階−3階(あるいは2階−3階)層間変形角(地震応答度)を予測する。
被害予測データベース49は、建造物1、建造物3及び建造物5のそれぞれについて、図8に示すように、計測位置情報57(特定位置の情報)、回帰係数情報59、被害予測テーブル61及び地震観測情報テーブル63を有している。計測位置情報57には加速度センサ7の設置位置の北緯と東経が記録される。建造物3や建造物5についての計測位置情報57には、例えば1階の加速度センサ7の設置位置の北緯と東経が記録される。回帰係数情報59には、建造物最大加速度を予測する際に用いる理論最大加速度の一次回帰式(建造物1の場合)の傾き(a)と切片(b)あるいは層間変形角を予測する際に用いる理論最大加速度の一次回帰式(建造物3、5の場合)の傾き(a)と切片(b)が記録されるが、建造物5では予測する層間変形角が複数あるのでそれぞれについての傾き(a)と切片(b)が記録される。被害予測テーブル61には想定地震ごとに震源情報と予測情報とが記録される。震源情報では想定地震のマグニチュード、想定地震の震源地又は震源位置の北緯、東経及び深度、そして想定地震による理論最大加速度が記録され、予測情報では建造物最大加速度(建造物1の場合)又は層間変形角(建造物3、5の場合)が記載されるが、建造物5では予測する層間変形角が複数あるのでそれぞれについての角度が記録される。地震観測情報テーブル63には実際に発生した地震ごとに震源情報と計測情報とが記録される。震源情報では実際の地震のマグニチュード、実際の地震の震源地又は震源位置の北緯、東経及び深度、そして実際の地震による理論最大加速度が記録され、計測情報では実際の建造物最大加速度(建造物3、5では加速度センサ7の個数に対応して複数記録される)及び建造物3、5の場合には加速度測定結果から導かれる層間変形角が記録されるが、建造物5では加速度測定結果から導かれる層間変形角が複数あるのでそれぞれについての角度が記録される。
次に、地震被害予測サーバ17の動作を説明する。
地震被害予測サーバ17が地震観測網19から新しい地震の情報(マグニチュード、震源の北緯、東経及び深度)を取得するたびに、最大加速度算出部51はそれぞれの地震観測情報テーブル63に取得情報を記録するとともに、取得情報及び計測位置情報57に基づき距離減衰式47を用いて算出した建造物1、3、5についての理論最大加速度を地震観測情報テーブル63に記録する。地震被害予測サーバ17には、例えば電子メールにより加速度センサ7からの加速度記録又は加速度情報(図4参照)が送られてくるが、地震被害予測サーバ17が加速度記録を受け取ると、地震応答度設定部53は地震観測情報テーブル63に記録されている地震の発生時刻(図示せず)と送られてきた加速度情報に記録された時刻(図示せず)とを比較照合し、当該加速度情報が地震観測情報テーブル63に記録されたどの地震のものかを特定する。そして、地震応答度設定部53は、加速度記録又は加速度情報から建造物最大加速度を読み取って又は算出して地震観測情報テーブル63の該当欄に記録するとともに、建造物3の場合には1階の加速度情報と2階の加速度情報とから1階と2階の層間変形角(例えば最大層間変形角)を求める。求め方は、例えば図4に示す加速度波形を用い、1階の加速度波形と2階の加速度波形とから建造物3の1階と2階のフーリエ振幅スペクトルをそれぞれ求め、1階のフーリエ振幅スペクトルと2階のフーリエ振幅スペクトルとの比に基づき1次の固有周期を算出して建造物3の1階と2階の層間変形角(例えば最大層間変形角)を導き出し、地震観測情報テーブル63に記録する。建造物5の場合には1階と2階の層間変形角(例えば最大層間変形角)及び1階と3階(あるいは2階と3階)の層間変形角(例えば最大層間変形角)を導き出してそれぞれ地震観測情報テーブル63に記録する。
回帰式決定部55は、建造物1の地震観測情報テーブル63に記録されているすべての地震の理論最大加速度と建造物最大加速度を用いて建造物最大加速度の論理最大加速度への一次回帰式の傾き(a)と切片(b)とを求め、回帰係数情報59に記録する。この動作を図9に示す建造物最大加速度と論理最大加速度の相関図を用いて説明すると、すべての地震に対応して記録されたプロットにより回帰直線65が回帰分析され、この回帰直線65の傾き(a)と切片(b)が導き出される。回帰式決定部55はまた、建造物3、5のそれぞれの地震観測情報テーブル63に記録されているすべての地震の理論最大加速度と層間変形角を用いて層間変形角の論理最大加速度への一次回帰式の傾き(a)と切片(b)とを求め、回帰係数情報59に記録する。この動作を図10に示す層間変形角と論理最大加速度の相関図を用いて説明すると、すべての地震に対応して記録されたプロットにより回帰直線67が回帰分析され、この回帰直線67の傾き(a)と切片(b)が導き出される。
ここで、地震被害予測サーバ17に入力部35から震源地又は震源位置の北緯、東経及び震度、そしてマグニチュードを特定して想定地震情報が入力されると、地震応答度予測部43は、入力された震源地情報及び計測位置情報57を用いて算出した震源地からの距離及びマグニチュードを記憶部39の距離減衰式47に代入して建造物1の位置の理論最大加速度を算出して被害予測テーブル61に記録する。そして、建造物1の位置の理論最大加速度を回帰係数情報59を用いて生成した建造物1用の回帰式に代入し、想定地震が生じた場合の建造物1に生じる建造物最大加速度を算出して予測し、被害予測テーブル61に記録するとともに利用者端末9に例えば電子メールで送信する。また、地震応答度予測部43は、入力された震源地又は震源位置からの距離及びマグニチュードを記憶部39の距離減衰式47に代入して得た建造物3、5の位置の理論最大加速度を被害予測テーブル61に記録する。そして、建造物3、5の位置の理論最大加速度を回帰係数情報59を用いて生成した建造物3、5用の回帰式に代入し、想定地震が生じた場合の建造物3、5に生じる層間変形角を算出して予測し、被害予測テーブル61に記録するとともに利用者端末13、15に例えば電子メール送信する。なお、想定地震による被害の予測結果は、利用者端末9、13、15ではなく利用者の携帯端末に送信する構成としてもよい。
本発明の建造物の地震被害予測方法及び予測システムは例えば一般家屋、マンション及びオフィスビルに用いることができる。
1、3、5 建造物
7 加速度センサ
9、13、15 利用者端末
17 地震被害予測サーバ
19 地震観測網

Claims (5)

  1. 所定の震源地で所定のマグニチュードの想定地震が発生した場合の特定位置に設けられている特定建造物の被害を予測する建造物の地震被害予測方法であって、
    現実の地震が発生したときにこの現実の地震により前記特定建造物に加わる建造物加速度を測定し、
    前記現実の地震により前記特定位置の地盤に加わる理論最大加速度を距離減衰式により算出し、
    測定された建造物最大加速度又は測定された建造物加速度から導かれる前記特定建造物の建造物応答度と算出された理論最大加速度とを回帰分析することにより建造物最大加速度又は建造物応答度の理論最大加速度への回帰式を求め、
    前記想定地震について距離減衰式を用いて算出された前記特定位置の地盤の理論最大加速度を、求められた回帰式に代入して前記想定地震により前記特定建造物に加わる建造物最大加速度又は前記想定地震により前記特定建造物に生じる建造物応答度を導き出して予測する、ことを特徴とする建造物の地震被害予測方法。
  2. 現実の地震が発生したときにこの現実の地震により前記建造物に加わる建造物加速度を前記建造物の高さ方向複数個所で測定し、測定された高さ方向複数個所の加速度情報から建造物応答度として建造物の層間変形角を導き、この層間変形角の理論最大加速度への回帰式を求め、前記想定地震について算出された前記特定位置の地盤の理論最大加速度を、求められた回帰式に代入して前記想定地震による前記建造物の層間変形角を導き出して予測する、ことを特徴とする請求項1記載の建造物の地震被害予測方法。
  3. 所定の震源地で所定のマグニチュードの想定地震が発生した場合の特定位置に設けられている特定建造物の被害を予測する建造物の地震被害予測システムであって、
    前記特定建造物に設けられた加速度センサと、現実の地震が発生したときにこの加速度センサにより測定された前記特定建造物の建造物加速度を用い、前記想定地震により前記特定建造物に加わる建造物最大加速度又は前記想定地震により前記特定建造物に生じる建造物応答度を予測する予測装置と、を備え、
    前記予測装置は、距離減衰式により算出された、前記現実の地震により前記特定位置の地盤に加わる理論最大加速度と、測定された建造物最大加速度又は測定された建造物加速度から導かれた前記特定建造物に生じる建造物応答度とを回帰分析することにより建造物最大加速度又は建造物応答度の理論最大加速度への回帰式を求める回帰分析手段と、震源地及びマグニチュードを特定して想定地震を仮定する地震想定手段と、この地震想定手段により仮定された前記想定地震により前記特定位置の地盤に加わる理論最大加速度を距離減衰式によって算出し、算出された前記理論最大加速度を前記回帰式に代入して前記想定地震により前記特定建造物に加わる建造物最大加速度又は前記想定地震により前記特定建造物に生じる建造物応答度を導き出す予測手段と、を有することを特徴とする建造物の地震被害予測システム。
  4. 前記加速度センサは前記特定建造物の高さ方向複数個所に設けられている、ことを特徴とする請求項3記載の建造物の地震被害予測システム。
  5. 前記回帰分析手段は、複数の加速度センサにより測定されたそれぞれの加速度情報から建造物応答度として特定建造物の層間変形角を導き、この層間変形角の理論最大加速度への回帰式を求め、前記予測手段は、算出された前記理論最大加速度を前記回帰式に代入して前記想定地震による層間変形角を導き出す、ことを特徴とする請求項4記載の建造物の地震被害予測システム。
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