JP2015068660A - 鑑識対象物の採取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鑑識対象物の採取・観察を容易に行え、鑑識対象物の保管に適した鑑識対象物の採取装置を提供する。【解決手段】内底面7aに鑑識対象物を粘着採取するための粘着部5を備えたケース本体2と、ケース本体2に開閉可能に支持される蓋体3とを透明な合成樹脂によって一体成型する。蓋体3には、ケース本体2の内周面7bと嵌合する嵌合部10と、鑑識対象物を収容する収容空間を形成する蓋体側凹状部11とを備えさせ、鑑識対象物の粘着採取後は、蓋体3の嵌合部10をケース本体2に嵌合させて鑑識対象物を収容空間内に密封し、この状態で鑑識対象物の観察・保管が行えるようにする。【選択図】図2

Description

この発明は鑑識対象物の採取装置に関し、より詳細には、犯罪現場等において証拠物件となる毛髪や塗装片などの鑑識対象物を採取する装置に関する。
近年、犯罪捜査においては、犯罪現場やその周辺等に残された毛髪、塗装片などを証拠物件として採取し、これら採取した証拠物件を科学的に鑑定する鑑識による捜査の重要性が高まっている。
従来、このような鑑識に伴う証拠物件(鑑識対象物)の採取作業は、鑑識係官によって鑑識対象物を粘着テープに粘着採取することによって行われている(たとえば、特許文献1参照)。この種の作業に用いられる粘着テープは、台紙に貼付された透明な粘着テープ本体と、粘着テープ本体の表面に貼付された透明な保護フィルムとで構成されており、鑑識対象物を採取する際には、保護フィルムを剥離して粘着テープ本体に鑑識対象物を貼着させ、その上から保護フィルムを再貼付して鑑識対象物を保護するようになっている。そして、鑑識対象物を鑑定する際(具体的には、顕微鏡などで鑑識対象物を観察する際)には、粘着テープ本体から台紙を剥離して、粘着テープ本体をスライドガラスに貼付して観察するようになっている。また、保管の際には、粘着テープとともに鑑識対象物を透明なビニール製の袋に収容して保管するようになっている。
特開2001−40299号公報
しかしながら、このような従来のやり方には以下のような問題があり、その改善が望まれていた。
すなわち、上述した従来の方法では、鑑識対象物を採取する際、鑑識係官は粘着テープ本体を鑑識対象物に押し当てて鑑識対象物を粘着採取することになるが、粘着テープ本体およびその台紙は柔軟性のある柔らかな素材でできていることから、鑑識対象物の採取作業における粘着テープの取り扱いには慎重さが求められていた。具体的には、柔らかく形状が定まり難い粘着テープ本体を他所(鑑識対象物以外)に接触させることなく正確に鑑識対象物に押し当てなければならず、その作業には熟練が必要であった。
また、採取後の鑑識対象物の観察に顕微鏡を用いる際には、鑑識対象物が粘着採取された粘着テープ本体をスライドガラスに貼り直す手間があった。しかも、観察後に鑑識対象物を保管するためには、スライドガラスから粘着テープ本体を剥離して台紙に再貼付しなければならず、この点でも手間がかっていた。
さらに、保管においても鑑識対象物を収容するビニール製の袋は形状が定まらないので整理して保管するのに適しておらず、鑑識対象物の長期保管には向いていなかった。特に、刑事訴訟法の改正により凶悪事件の公訴時効が撤廃されたことに関連して、鑑識対象物の長期保管が求められる今日においては、鑑識対象物の整理が容易で長期間の保管に適した鑑識対象物の採取装置が望まれていた。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、鑑識対象物の採取・観察を容易に行え、鑑識対象物の保管に適した鑑識対象物の採取装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る鑑識対象物の採取装置は、内底面に鑑識対象物を粘着採取するための粘着部を備えたケース本体と、上記ケース本体の蓋体とからなり、上記蓋体は、当該蓋体によって上記ケース本体を閉じたときに、上記粘着部に粘着採取された鑑識対象物を収容するための収容空間を形成する凹状部を備えていることを特徴とする。
この鑑識対象物の採取装置は、鑑識対象物を粘着採取する粘着部がケース本体の内底面に備えられているので、鑑識係官はケース本体を保持して、その内底面の粘着部を鑑識対象物に押し当てることによって容易に鑑識対象物を粘着採取することができる。そして、鑑識対象物の採取後には、蓋体でケース本体を閉じることによって鑑識対象物をケース本体内に隔離・収容できるので、採取後に鑑識対象物が毀損されるのを防止することができる他、整理して保管にも適している。
しかも、蓋体には鑑識対象物の収容空間となる凹状部が備えられているので、この凹状部の深さを深く設定することによって厚みのある鑑識対象物の採取・保管にも対応することができる。
本発明はその好適な実施態様として、上記蓋体は、ヒンジ部を介して上記ケース本体に開閉可能に支持されるとともに、上記ケース本体の内周面と嵌合する嵌合部を備えてなり、この嵌合部をケース本体の内周面に嵌合させることによって上記ケース本体を密封できるように構成されていることを特徴とする。
この実施態様に係る鑑識対象物の採取装置では、蓋体がヒンジ部を介してケース本体に支持されているので、鑑識対象物の採取現場において蓋体の逸失を防止することができる。したがって、鑑識対象物の採取作業をスムーズに行うことができる。また、蓋体を閉じることによって鑑識対象物はケース本体内に密封されるので、ケース本体内への異物の侵入が防止され、異物により鑑識対象物が損なわれることが防止される。
本発明は、他の好適な実施態様として、少なくとも、上記ケース本体の内底面と、上記粘着部と、上記蓋体の凹状部とが透明な材料で構成されていることを特徴とする。
この実施態様に係る鑑識対象物の採取装置では、ケース本体の内底面と、粘着部と、蓋体の凹状部とが透明材料で構成されるので、鑑識対象物をケース本体内に収容したまま蓋体を開くことなく鑑識対象物を外部から観察することができる。そのため、鑑識対象物を顕微鏡で観察する場合において、鑑識対象物をスライドガラスに移し替える手間を省略することができる。
本発明は、他の好適な実施態様として、上記ケース本体と、上記ヒンジ部と、上記蓋体とが合成樹脂によって一体成型されていることを特徴とする。
この実施態様に係る鑑識対象物の採取装置では、ケース本体と、ヒンジ部と、蓋体とが合成樹脂により一体成型されるので、低コストで本発明に係る鑑識対象物の採取装置を提供することができる。特に、透明な合成樹脂(たとえば、PET樹脂など)で装置全体を製造することにより、軽くて取り扱いの容易な鑑識対象物の採取装置を提供することができる。
本発明は、他の好適な実施態様として、上記粘着部は、両面粘着性を有するシート状の部材を上記ケース本体の内底面に貼付することによって形成されていることを特徴とする。
この実施態様に係る鑑識対処物の採取装置によれば、粘着部が両面粘着性を有するシート状の部材をケース本体の内底面に貼付することによって形成されるので、粘着部として、安価に入手できる市販品の両面粘着性テープや両面粘着性を有するジェルシートなどを用いることができ、鑑識対象物の採取装置を安価に提供することができる。
本発明に係る鑑識対象物の採取装置において、蓋体を閉じた状態の外観の一例を示す示す斜視図である。 同鑑識対象物の採取装置において、蓋体を開いた状態の外観の一例を示す斜視図である。 同鑑識対象物の採取装置の断面図であり、図3(a)は図1のI−I線に沿った断面を、図3(b)は図1のII−II線に沿った断面を示している。 同鑑識対象物の採取装置の変形例を示す断面図である。 同鑑識対象物の採取装置の使用状態を示す説明図であって、図4(a)は蓋体を開いて保護フィルムを剥離する状態を、図4(b)は鑑識対象物を粘着採取する状態を、図4(c)は鑑識対象物の採取後に蓋体を閉じた状態を示している。 同鑑識対象物の採取装置に鑑識対象物の来歴などを示す帳票を貼付して使用する場合の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図3は、本発明に係る鑑識対象物の採取装置の一例を示している。これらの図に示す鑑識対象物の採取装置1(以下、単に「採取装置1」と称する)は、主として、犯罪捜査において鑑識係官などが犯罪現場やその周辺等に残された毛髪、塗装片などの証拠物件(以下、「鑑識対象物X」と称する)を採取するために用いる装置であって、鑑識対象物Xを粘着採取するための粘着部5を備えるケース本体2と、ヒンジ部4を介してケース本体2に開閉可能に支持される蓋体3とを主要部として構成されている。
なお、以下に示す実施形態では、ケース本体2と蓋体3とヒンジ部4とが合成樹脂によって一体成型された採取装置1を示すが、ケース本体2と蓋体3とを別体に構成することも可能である。すなわち、蓋体3をケース本体2と着脱自在に構成することも可能である。
また、以下に示す実施形態では、採取装置1のケース本体2および蓋体3の外形を平面視において略長方形状に構成した場合を示すが、ケース本体2および蓋体3の外形は略長方形状に限定されることなく適宜設計変更可能である。
ケース本体2は、粘着部5を収容する容器であって、粘着部5が備えられる本体側凹状部7と、本体側凹状部7の外周に延設される本体側周縁部8とで構成されている。なお、本実施形態では、ケース本体2は、上述したように平面視において略長方形状を呈するように構成されており、その長手方向の長さは9cm程度、幅方向の長さは5cm程度とされている。
本体側凹状部7は、図2および図3に示すように、内底面7aが平らな平面とされた凹状の窪みで構成されており、内底面7aの適所(たとえば、中央部分)に粘着部5が備えられている。この本体側凹状部7の窪みの深さ(内周面7bの高さ)は、鑑識対象物Xの粘着採取が容易に行えるように深くなり過ぎないよう浅く設定されており、その深さ寸法は、たとえば1〜5mm程度、好ましくは2mm程度に設定されている。なお、本実施形態では、本体側凹状部7の形状(平面視における形状)をケース本体2の外形に対応させて略長方形状としているが、本体側凹状部7の形状はケース本体2の外形にかかわらず適宜変更可能である。たとえば、略長方形状のケース本体2に対して本体側凹状部7の形状を円形や略楕円形状とすることも可能である。
本体側周縁部8は、本体側凹状部7の外周の全域ににフランジ状に形成された部位であって、ケース本体2の長手方向の一端に形成される本体側周縁部8aがヒンジ部4と連結されている。また、ケース本体2の長手方向の他端(本体側周縁部8aと反対側)に形成される本体側周縁部8bは他の周縁部8よりも延出して形成されており、蓋体3を開くときの取手9を構成している。
粘着部5は、鑑識対象物Xを粘着採取するための部位であって、本実施形態では、この粘着部5として、両面粘着性を有するシート状の部材(たとえば、両面粘着可能な粘着テープや両面粘着性を有するジェルシート)が用いられている。すなわち、両面粘着性を有するシート状の部材の一方の面を本体側凹状部7の内底面7aに貼付することによって粘着部5が形成されている。粘着部5は、このようなシート状の部材の貼付によって形成されるほか、粘着性を有するペースト状の部材を内底面7aに塗布することによって形成されていてもよい。そして、粘着部5の他方の面、つまり粘着部5の表面(鑑識対象物Xを粘着採取する面)にはホコリなどの異物の付着を防止するための保護フィルム6が剥離可能に貼付されている。なお、本実施形態では、図2に示すように、粘着部5は、本体側凹状部7の内底面7aの一部分に形成されるが、内底面7aの全面を粘着部5で形成してもよい。
蓋体3は、ケース本体2の本体側凹状部7の開口部分を閉じる蓋であって、ヒンジ部4を介してケース本体2に開閉可能に支持されている。蓋体3は、当該蓋体3を閉じたときに本体側凹状部7の内周面7bと嵌合する嵌合部10と、蓋体3を閉じたときに本体側凹状部7とともに粘着部5に粘着採取された鑑識対象物Xを収容する収容空間Aを形成させる蓋体側凹状部(凹状部)11と、上記嵌合部10の外周に延設される蓋体側周縁部12とで構成されている。
嵌合部10は、蓋体側周縁部12の内側に配置され、本体ケース2側に向けて凸状に突出するリング状の部位で構成されており、本体側凹状部7の内周面7bと嵌合可能な外周面10aを備えている。そして、蓋体3によってケース本体2(本体側凹状部7)を閉じる際には、この嵌合部10の外周面10aを本体側凹状部7の内周面7bに嵌め合わせることで、ケース本体2(本体側凹状部7と蓋体側凹状部11とで形成される鑑識対象物Xの収容空間A)が密封されるようになっている。なお、ここでの密封とは、鑑識対象物Xの収容空間Aにホコリなどの異物が侵入しない程度に封止することを意味している。
具体的には、嵌合部10の外周面10aは本体側凹部7の内周面7bと同寸または内周面7bの寸法より僅かに大きく設定されており、嵌合部10を本体側凹部7に嵌合させることによって本体側凹部7がわずかに弾性変形して両者が係合し、嵌合状態が容易に分離しないようになっている。
蓋体側凹状部11は、嵌合部10の内側に配置され、本体ケース2とは反対側に突出する凹状の窪みで構成されている。図示例では、蓋体側凹状部11の内底面(鑑識対象物Xの収容空間Aの天井面)11aは平らな平面とされているが、この内底面11aは必ずしも平面である必要はない。つまり、内底面11aは、鑑識対象物Xの形状に合わせて適宜変更することができ、たとえば、内底面11aを上方に突出するすり鉢状に形成することも可能である。また、この蓋体側凹状部11は、採取する鑑識対象物Xが毛髪や塗装片のように厚みの薄い物である場合、その深さ寸法は浅く、たとえば、蓋体側周縁部12から数mm(具体的には、たとえば5mm)程度の深さに設定されるが、鑑識対象物Xに厚みがある場合には、図4に示すように、深く(蓋体側周縁部12から数cm、たとえば、1cm程度の深さに)設定される。つまり、この蓋体側凹状部11の深さ寸法は、採取する鑑識対象物Xの大きさに合わせて適宜変更可能である。
蓋体側周縁部12は、嵌合部10の外側の全域にフランジ状に形成された部位であって、蓋体3の長手方向の一端に形成される蓋体側周縁部12aがヒンジ部4と連結されている。また、蓋体3の長手方向の他端(蓋体側周縁部12aと反対側)に形成される蓋体側周縁部12bは、上記ケース本体2の本体側周縁部8bと同様に、他の周縁部12よりも延出して形成され、ケース本体2の本体側周縁部8bとともに蓋体3を開くときの取手9を構成している。
ヒンジ部4は、ケース本体2と蓋体3との蝶番を構成する部位であって、本実施形態では、ケース本体2と蓋体3とが合成樹脂により一体成型されるので、このヒンジ部4も合成樹脂でケース本体2および蓋体3とともに一体成型されている。このヒンジ部4には、図2および図3(b)に示すように、折り目が形成されており、この折り目部分が弾性変形することによって蓋体3の開閉ができるように構成されている。
ここで、ケース本体2と蓋体3とヒンジ部4の一体成型に用いる合成樹脂として、本実施形態では、成形後の状態が透明で、かつ、鑑識対象物Xの収容空間Aの形状が容易に変形しない合成樹脂、たとえば、PET樹脂が用いられている。このように透明な合成樹脂を用いるのは、蓋体3を閉じた状態で採取後の鑑識対象物Xを外部から観察できるようにするためである。したがって、使用する樹脂の透明度は高ければ高いほど好ましい。
また、これに関連して、粘着部5に使用するシート状またはペースト状の部材にも透明な材料が用いられる。このように粘着部5を透明にすることで、ケース本体2側および蓋体3側の両方から鑑識対象物Xを観察することができるようになる。つまり、蓋体3を開くことなく鑑識対象物Xの表裏両面を観察できるようになる。
さらに、成形後に収容空間Aの形状が容易に変形しない合成樹脂を用いるのは、鑑識対象物Xを採取した後に採取装置1を積み重ねて保管できるようにするためである。このように採取装置1を積み重ねて保管できることにより、鑑識対象物Xの保管スペースが狭い場合であっても多くの鑑識対象物X(採取装置1)を整理して収容・保管することができるようになる。
次に、鑑識対象物の採取装置1の使用方法を図5に基づいて説明する。
この鑑識対象物の採取装置1は、蓋体3が閉じられた状態(図1参照)で犯罪現場に搬送される。犯罪現場における鑑識対象物Xの採取にあたっては、鑑識係官は、まず、ケース本体2および蓋体3の取手9をつまんで蓋体3を開いた状態(図2参照)にする。
そして、蓋体3を開いた状態で、粘着部5に貼付されている保護フィルム6を剥離する(図5(a)参照)。これにより、粘着部5の表面が露出され、鑑識対象物Xの採取が可能な状態となる。
次に、鑑識係官は、粘着部5の表面が鑑識対象物Xと対面するようにケース本体2を持ち替えて、その状態で粘着部5を鑑識対象物Xに押し当てる。このとき、鑑識対象物Xが粘着部5に確実に粘着採取されるように適宜ケース本体2の背面を押すなどして、鑑識対象物Xを粘着部5に粘着採取させる(図5(b)参照)。なお、この鑑識対象物Xの採取作業にあたって、ケース本体2の形状が定まっているため、熟練度の低い鑑識係官であっても鑑識対象物Xの採取作業を容易に行うことができる。
そして、鑑識対象物Xの粘着採取が完了すると、最後に、蓋体3を操作してケース本体2(本体側凹状部7)を閉じる(図5(c)参照)。このとき、蓋体3の嵌合部10の全域が本体側凹状部7と嵌合するように、蓋体3の全体をケース本体2に押し込むようにする。これにより、鑑識対象物Xは、ケース本体2と蓋体3との間に形成される収容空間A内に密閉状態で収容されることとなる。
このようにして採取された鑑識対象物Xは、ケース本体2と蓋体3とによって外部と隔離された状態に置かれるので、採取後に鑑識対象物Xに異物が付着等することによって毀損されることが防止される。また、鑑識対象物の収容空間Aの形状が定まっているため、鑑識対象物Xの採取後における採取装置1の運搬や保管が容易に行える。
また、鑑識対象物Xの鑑識作業においては、蓋体3を開くことなく外部から鑑識対象物Xを観察することができ、しかも、顕微鏡を用いて観察する場合においても、採取装置1をそのまま顕微鏡にセットして観察することができるので、鑑識作業における手間(スライドガラスへの移し替え作業など)を省くことができる。
さらに、鑑識対象物Xの保管においても、鑑識対象物Xは密封状態に保たれるので鑑識対象物Xの劣化が抑制され、長期間の保管が可能である。なお、保管に際して鑑識対象物の来歴(たとえば、鑑識対象物の採取年月日、採取場所、採取者などの情報)などを示しておく必要がある場合には、たとえば、図6に示すように、鑑識対象物の来歴を示す帳票Bを本体ケース2(または蓋体3)に剥離可能に貼付しておくことで、必要な情報を付した状態で保管することができる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、採取装置1は、図5に示すように、鑑識係官が片手で保持できるサイズ(具体的には、長手方向の長さが9cm程度、幅方向の長さが5cm程度)に構成した場合を示しているが、採取装置1の大きさは適宜変更可能である。たとえば、より大きなサイズで構成することも可能である。
また、上述した実施形態では、ケース本体2、蓋体3およびヒンジ部4のすべてを透明な合成樹脂で構成した場合を示したが、少なくとも、ケース本体2の本体側凹状部7の内底面7aと、蓋体3の蓋体側凹状部11の内底面11aとが透明であれば他の部分は透明でなくてもよい。つまり、本体側凹状部7の内底面7aと、粘着部5と、蓋体側凹状部11の内底面11aとが透明であれば、蓋体3を開くことなく鑑識対象物Xを外部から観察することができる。
また、上述した実施形態では、ケース本体2と、蓋体3と、ヒンジ部4とをPET樹脂で構成した場合を示したが、透明性があり、かつ、鑑識対象物Xの収容空間Aの形状が容易に損なわれないのであれば、PET樹脂以外の合成樹脂を使用することももちろん可能である。たとえば、ケース本体2と蓋体3とを別体に構成する場合には、アクリル樹脂のような硬質の樹脂によって形成することも可能である。
なお、本発明に係る採取装置1は、上述したように、犯罪現場における鑑識対象物Xの採取に好適に使用されるが、他の用途、たとえば、衣服に付着したホコリなどを除去するホコリ取り器として用いることも可能である。
1 鑑識対象物の採取装置
2 ケース本体
3 蓋体
4 ヒンジ部
5 粘着部
6 保護フィルム
7 本体側凹状部
7a ケース本体の内底面
7b ケース本体の内周面
8 本体側周縁部
9 取手
10 嵌合部
10a 嵌合部の外周面
11 蓋体側凹状部(凹状部)
12 蓋体側周縁部
A 鑑識対象物の収容空間
B 帳票
X 鑑識対象物

Claims (5)

  1. 内底面に鑑識対象物を粘着採取するための粘着部を備えたケース本体と、前記ケース本体の蓋体とからなり、
    前記蓋体は、当該蓋体によって前記ケース本体を閉じたときに、前記粘着部に粘着採取された鑑識対象物を収容するための収容空間を形成する凹状部を備えていることを特徴とする鑑識対象物の採取装置。
  2. 前記蓋体は、ヒンジ部を介して前記ケース本体に開閉可能に支持されるとともに、前記ケース本体の内周面と嵌合する嵌合部を備えてなり、この嵌合部をケース本体の内周面に嵌合させることによって前記ケース本体を密封できるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鑑識対象物の採取装置。
  3. 少なくとも、前記ケース本体の内底面と、前記粘着部と、前記蓋体の凹状部とが透明な材料で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鑑識対象物の採取装置。
  4. 前記ケース本体と、前記ヒンジ部と、前記蓋体とが合成樹脂によって一体成型されていることを特徴とする請求項2または3に記載の鑑識対象物の採取装置。
  5. 前記粘着部は、両面粘着性を有するシート状の部材を前記ケース本体の内底面に貼付することによって形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鑑識対象物の採取装置。
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KR102013146B1 (ko) * 2018-09-28 2019-08-27 대한민국 선박 충돌흔 채취키트

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