JP2015068523A - 浸漬型液冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の浸漬型液冷却装置では、蒸発器を清掃する際にタンクから蒸発器を引き上げる必要があるので、蒸発器のメンテナンス性が悪い。【解決手段】この浸漬型液冷却装置では、蒸発器6が、圧縮機3、凝縮器4、および膨張弁を収容する装置本体1の底面1fよりも下方に配置されるとともに、装置本体1の背面1b(側面)および底面1fにそれぞれメンテナンス用の開口17、18が形成される。【選択図】図3
Description
本発明は、蒸発器を液体に浸漬させて液体を冷却する浸漬型液冷却装置に関する。
液冷却装置は、例えば研削盤やマシニングセンタなどの工作機械の研削液や主軸潤滑油など(以下「工作液」という)を冷却するための装置である。この液冷却装置は、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を接続した冷媒回路を備え、蒸発器において工作液(液体)を冷却する。
従来の液冷却装置の一形態としては、装置内に蒸発器と工作液搬送用のポンプを収容するものがある(例えば特許文献1参照)。この液冷却装置は、工作液が溜められるタンクと離れた位置に配置されるとともに、工作液搬送用のポンプで工作液を循環させる循環型の液冷却装置である。したがって、この液冷却装置では、タンクから工作液を装置内に導いて、装置内で工作液を冷却する。
また、従来の液冷却装置の他の形態としては、蒸発器が圧縮機、凝縮器、および膨張弁を収容する装置本体よりも下方に配置されるとともに、蒸発器がタンクに溜められた工作液に浸漬される浸漬型の液冷却装置がある。この液冷却装置では、タンク内において直接工作液を冷却する。
ところで、蒸発器には工作液に含まれる研削屑などの汚れが付着するため、定期的なメンテナンスが必要となる。しかし、上記の浸漬型液冷却装置では、蒸発器を清掃する際にタンクから液冷却装置ごと蒸発器を引き上げる必要があるため、蒸発器のメンテナンス性が悪い問題がある。
そこで、本発明の目的は、蒸発器のメンテナンス性を向上できる浸漬型液冷却装置を提供することである。
第1の発明にかかる浸漬型液冷却装置は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、および蒸発器を接続した冷媒回路を備え、前記蒸発器を液体に浸漬させて液体を冷却する浸漬型液冷却装置であって、前記蒸発器が、前記圧縮機、凝縮器、および膨張弁を収容する装置本体の底面よりも下方に配置されるとともに、前記装置本体の側面および底面にそれぞれメンテナンス用の開口が形成されることを特徴とする。
この浸漬型液冷却装置では、装置本体の側面および底面にそれぞれメンテナンス用の開口が形成されるので、これら2つの開口を利用することにより、タンクから液冷却装置ごと蒸発器を引き上げることなく、蒸発器を清掃できる。したがって、蒸発器のメンテナンス性を向上できる。
第2の発明にかかる浸漬型液冷却装置は、第1の発明にかかる浸漬型液冷却装置において、前記蒸発器が、上下方向に沿ってコイル状に形成されるコイル状部を有し、前記装置本体の底面に形成される開口が、前記コイル状部と対向していることを特徴とする。
この浸漬型液冷却装置では、蒸発器が上下方向に沿ってコイル状に形成されるコイル状部を有する場合において、装置本体の底面に形成される開口がコイル状部と対向しているので、蒸発器を清掃しやすい。
第3の発明にかかる浸漬型液冷却装置は、第2の発明にかかる浸漬型液冷却装置において、平面視において、前記コイル状部の内側かつ前記コイル状部の中心軸に対して偏心した位置に配置される攪拌機を有し、前記装置本体の底面に形成される開口が、前記コイル状部のうち前記攪拌機の偏心側と反対側の部分と対向していることを特徴とする。
この浸漬型液冷却装置では、タンク内の工作液を攪拌する攪拌機が、平面視においてコイル状部の中心軸に対して偏心した位置に配置されるので、コイル状部のうち攪拌機の偏心側と反対側の部分に汚れが付着しやすい。しかし、この浸漬型液冷却装置では、装置本体の底面に形成される開口が、コイル状部のうち攪拌機の偏心側と反対側の部分と対向しているので、コイル状部のうち汚れが付着しやすい部分を容易に清掃できる。
第4の発明にかかる浸漬型液冷却装置は、第3の発明にかかる浸漬型液冷却装置において、前記装置本体が、略直方体形状であり、前記装置本体の側面に形成される開口が、前記装置本体の側面のうち前記部分に対応する部分に形成されることを特徴とする。
この浸漬型液冷却装置では、2つの開口がともに攪拌機の偏心側と反対側に形成されるので、コイル状部のうち汚れが付着しやすい部分を清掃しやすい。
第5の発明にかかる浸漬型液冷却装置は、第4の発明にかかる浸漬型液冷却装置において、前記攪拌機の偏心側と反対側かつ前記装置本体の底面より上方に離れた位置に配置され、前記凝縮器または前記圧縮機を下方から支持する支持台を有し、前記装置本体の側面および底面にそれぞれ形成される開口が、前記支持台と前記装置本体の底面との間の空間付近に形成されることを特徴とする。
この浸漬型液冷却装置では、支持台と装置本体の底面との間の空間に凝縮器または圧縮機が配置されず、かつその空間付近に2つの開口が形成されるので、より蒸発器を清掃しやすい。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、装置本体の側面および底面にそれぞれメンテナンス用の開口が形成されるので、これら2つの開口を利用することにより、タンクから液冷却装置ごと蒸発器を引き上げることなく、蒸発器を清掃できる。したがって、蒸発器のメンテナンス性を向上できる。
第2の発明では、蒸発器が上下方向に沿ってコイル状に形成されるコイル状部を有する場合において、装置本体の底面に形成される開口がコイル状部と対向しているので、蒸発器を清掃しやすい。
第3の発明では、タンク内の工作液を攪拌する攪拌機が、平面視においてコイル状部の中心軸に対して偏心した位置に配置されるので、コイル状部のうち攪拌機の偏心側と反対側の部分に汚れが付着しやすい。しかし、この浸漬型液冷却装置では、装置本体の底面に形成される開口が、コイル状部のうち攪拌機の偏心側と反対側の部分と対向しているので、コイル状部のうち汚れが付着しやすい部分を容易に清掃できる。
第4の発明では、2つの開口がともに攪拌機の偏心側と反対側に形成されるので、コイル状部のうち汚れが付着しやすい部分を清掃しやすい。
第5の発明では、支持台と装置本体の底面との間の空間に凝縮器または圧縮機が配置されず、かつその空間付近に2つの開口が形成されるので、より蒸発器を清掃しやすい。
以下、図面を参照しつつ本発明にかかる浸漬型液冷却装置の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
本実施形態の液冷却装置は、図1に示すように、圧縮機3、凝縮器4、膨張弁5および蒸発器6を接続した冷媒回路7を有している。冷媒回路7において、圧縮機3の吐出口に凝縮器4が接続され、その凝縮器4に膨張弁5が接続される。そして、膨張弁5に蒸発器6の一端が接続され、その蒸発器6の他端にアキュームレータ8を介して圧縮機3の吸入口が接続される。この液冷却装置では、圧縮機3から吐出された冷媒が凝縮器4、膨張弁5、蒸発器6へと順に流れ、アキュームレータ8を介して圧縮機3に戻る冷却サイクルが形成される。
本実施形態の液冷却装置は、図1に示すように、圧縮機3、凝縮器4、膨張弁5および蒸発器6を接続した冷媒回路7を有している。冷媒回路7において、圧縮機3の吐出口に凝縮器4が接続され、その凝縮器4に膨張弁5が接続される。そして、膨張弁5に蒸発器6の一端が接続され、その蒸発器6の他端にアキュームレータ8を介して圧縮機3の吸入口が接続される。この液冷却装置では、圧縮機3から吐出された冷媒が凝縮器4、膨張弁5、蒸発器6へと順に流れ、アキュームレータ8を介して圧縮機3に戻る冷却サイクルが形成される。
この液冷却装置は、図2及び図3に示すように、蒸発器6が圧縮機3、凝縮器4、および膨張弁5を収容する装置本体1よりも下方に配置されるとともに、蒸発器6がタンクT内に溜められた工作液に浸漬される浸漬型の液冷却装置である。したがって、この液冷却装置では、タンクT内において工作液が冷却される。装置本体1は、略直方体形状であり、装置本体1の底面1fから下方に突出する複数の脚部2を有する。タンクTの上面には、蒸発器6をタンクT内の挿入するための開口が設けられており、装置本体1の底面1fはその開口の周囲に固定される。なお、このタンクTは、上記の開口以外の部分は閉塞されている。したがって、液冷却装置がタンクTに固定された状態において、液冷却装置の外側から蒸発器6を清掃することはできない。タンクTには、例えば工作液搬送用のポンプPが設けられており、図1及び図2に示すように、このポンプPが駆動されることによって、工作機械から排出された工作液がタンクT内に供給され、またタンクT内で冷却された工作液が工作機械に供給される。なお、タンクTの形状は一例であって、上記に限定されるものではない。
この液冷却装置の凝縮器4は、図3に示すように、装置本体1内の正面1a側且つ底面1f上に配置される。装置本体1内には、凝縮器4に対して空気流を供給する送風ファン9が配置される。この送風ファン9は、例えば凝縮器4の空気流下流側において凝縮器4と対向するように配置される。凝縮器4および送風ファン9と装置本体1の上面1eとの間には、制御部などの電装品10が配置される。また、送風ファン9の空気流下流側には、圧縮機3およびアキュームレータ8が配置される。この圧縮機3およびアキュームレータ8は、装置本体1の側面(例えば背面1b)に取り付けられた支持台11上に配置される。したがって、この圧縮機3およびアキュームレータ8は、底面1f上には配置されず、支持台11と底面1fとの間には所定の大きさの空間S1が設けられる。また、圧縮機3およびアキュームレータ8は、図3(c)に示すように、右側面1c側に配置される。なお、本実施形態において、側面とは、正面1a、背面1b、右側面1cおよび左側面1dを言う。
この液冷却装置の蒸発器6は、図3及び図4に示すように、装置本体1の底面1fの鉛直下方に配置されており、上下方向に沿ってコイル状に形成されるコイル状部12を有している。このコイル状部12は、上下方向長さを小さくしつつ且つ熱交換効率を向上させる観点から、図4に示すように、水平方向に沿って2重に積層されている。また、装置本体1の底面1fには、タンクT内の工作液を攪拌するための攪拌機13が取り付けられている。攪拌機13は、装置本体1内に固定された攪拌モータ14と、攪拌モータ14から装置本体1の底面1fよりも下方に向かって延びる軸部15と、軸部15の先端に固定された攪拌部16とを有する。この攪拌機13は、乱流を生じさせて工作液を混ぜやすくする観点から、図4に示すように、平面視において、コイル状部12よりも内側かつコイル状部12の中心軸Oに対して僅かに偏心した位置に配置される。具体的には、攪拌機13の軸部15がコイル状部12の中心軸Oよりも僅かに正面1a側に偏心配置されている。
この液冷却装置では、図3及び図4に示すように、装置本体1の背面1b(側面)および底面1fにメンテナンス用の開口17、18がそれぞれ形成されている。ここでいう「メンテナンス用の開口」とは、蒸発器の清掃に利用可能であって、かつタンク内の工作液を空にした状態において、蒸発器のコイル状部の汚れ具合を装置本体の外側から目視で点検できる開口を意味する。
装置本体1の背面1bに形成された開口17(以下「第1の開口17」ともいう)は、図3(c)に示すように、装置本体1の背面1bの下端部19に形成されている。より詳しくは、圧縮機3およびアキュームレータ8が配置される支持台11と底面1fとの間の空間S1に開口している。第1の開口17の大きさは、例えば作業者の片腕が入る大きさとされている。装置本体1の背面1bは、この第1の開口17を開閉可能な蓋部(不図示)を有している。したがって、蒸発器6のメンテナンス時以外においては、この開口17を閉めておくことによって開口17から装置本体1内に塵埃等が入ることが防止される。
装置本体1の底面1fに形成された開口18(以下「第2の開口18」ともいう)は、図4に示すように、装置本体1の底面1fの背面1b側、すなわち第1の開口17の近傍に形成されている。より詳しくは、第2の開口18の少なくとも一部(本実施形態では全部)が、底面1fを正面側と背面側に区画した中心線よりも背面1b側にあるように形成されている。第2の開口18の大きさは、第1の開口17と同様、例えば作業者の片腕が入る大きさとされている。図4に示すように、第1の開口17と第2の開口18は、前後方向において少なくとも一部(本実施形態では全部)が重なっている。そのため、作業者は2つの開口17、18に腕を入れやすい。また、装置本体1の底面1fは、この第2の開口18を開閉可能な蓋部(不図示)を有している。なお、支持台11と底面1fとの間の空間S1には、圧縮機3及びアキュームレータ8が配置されないので、蒸発器6のメンテナンスの邪魔となる部品が少ない。
この第2の開口18は、図4に示すように、蒸発器6のコイル状部12のうち攪拌機13の偏心側と反対側の部分12aの少なくとも一部と対向している。本実施形態では、より詳しくは、コイル状部12のうち攪拌機13から最も離れた部分12bを含む部分と対向している。なお、コイル状部12のうち攪拌機13の偏心側と反対側の部分12aとは、平面視において、コイル状部12の中心軸Oと攪拌機13の中心(軸部15)とを通る線L1に直交し、且つコイル状部12の中心軸Oを通る線L2よりも攪拌機13と反対側の部分を言う。
また、図4に示すように、第1の開口17は、装置本体1の側面のうちその反対側の部分12aと対応する位置(本実施形態では、特に背面1b)に形成されている。「装置本体1の側面のうちその反対側の部分12aに対応する位置」とは、装置本体1の側面のうち上記線L2よりも攪拌機13と反対側の部分を意味し、図4では、具体的には、背面1bと、右側面1cおよび左側面1dの一部(上記線L2よりも背面側)である。
なお、図4に示すように、支持台11は、攪拌機13の偏心側と反対側かつ装置本体1の底面1fより上方に離れた位置に配置され、装置本体1の背面1bおよび底面1fにそれぞれ形成される開口17、18は、支持台11と装置本体1の底面1fとの間の空間S1付近に形成される。なお、図4では、実際には支持台11および圧縮機3は見えないが、発明の理解を容易にするため、支持台11および圧縮機3を便宜上二点鎖線で示している。
ところで、蒸発器6には、例えば研削盤やマシニングセンタなどの工作機械の研削屑と液(例えば油)とが混合した液汚れが付着する。そのため、熱交換効率向上の観点等から定期的に蒸発器6のメンテナンスが必要となる。しかし、従来の浸漬型の液冷却装置では、蒸発器を清掃・点検する際にタンクから液冷却装置ごと蒸発器を引き上げる必要がある。そのため、蒸発器の清掃が煩雑となる問題がある。しかし、この液冷却装置では、装置本体1の背面1b(側面)および底面1fにそれぞれメンテナンス用の開口17、18が形成されているので、装置本体1の背面1b(側面)および底面1fにそれぞれ形成された開口17、18を利用することで(装置本体1の背面1b側から開口17、18に腕を入れるなどして)、蒸発器6を例えば清掃用ブラシ等で清掃できる。したがって、液冷却装置ごと蒸発器6を引き上げることなく蒸発器6を清掃できる。その結果、蒸発器6のメンテナンス性が向上する。
<本実施形態の浸漬型液冷却装置の特徴>
本実施形態の浸漬型液冷却装置には、以下の特徴がある。本実施形態の浸漬型液冷却装置では、装置本体1の側面(背面1b)および底面1fにメンテナンス用の開口17、18がそれぞれ形成されるので、その開口17、18を利用することにより、蒸発器6をタンクT内に配置した状態のまま蒸発器6を清掃できる。したがって、液冷却装置ごと蒸発器6をタンクTから引き上げる必要がなくなり、蒸発器6の清掃が容易となる。
本実施形態の浸漬型液冷却装置には、以下の特徴がある。本実施形態の浸漬型液冷却装置では、装置本体1の側面(背面1b)および底面1fにメンテナンス用の開口17、18がそれぞれ形成されるので、その開口17、18を利用することにより、蒸発器6をタンクT内に配置した状態のまま蒸発器6を清掃できる。したがって、液冷却装置ごと蒸発器6をタンクTから引き上げる必要がなくなり、蒸発器6の清掃が容易となる。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、蒸発器6が上下方向にコイル状に形成されたコイル状部12を有する場合において、装置本体1の底面1fに形成される開口18がコイル状部12と対向しているので、蒸発器6を清掃しやすい。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、タンクT内の工作液を攪拌する攪拌機13が、平面視においてコイル状部12の中心軸に対して偏心した位置に配置されるので、コイル状部12のうち攪拌機13の偏心側と反対側の部分12aでは、工作液が攪拌されにくくなって汚れが付着しやすい(特に攪拌機13から最も離れた部分12bに最も汚れが付着しやすい)。しかし、この液冷却装置では、装置本体1の底面1fに形成される開口18が、コイル状部12のうち攪拌機13の偏心側と反対側の部分12aと対向しているので、コイル状部12のうち汚れが付着しやすい部分を容易に清掃できる。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、2つの開口17、18がともに攪拌機13の偏心側と反対側にあるので、コイル状部12のうち汚れが付着しやすい部分12bをより清掃しやすい。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、装置本体1の側面(背面1b)に形成される開口17が装置本体1の側面(背面1b)の下端部19に形成され、装置本体1の底面1fに形成される開口18が上記の開口17の近傍に配置されるので、より蒸発器6を清掃しやすい。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、支持台11と装置本体1の底面1fとの間の空間S1に圧縮機3が配置されず、かつその空間S1付近に2つの開口17、18が形成されるので、より蒸発器6を清掃しやすい。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、圧縮機3およびアキュームレータ8が支持台11上に配置されるとともに、蒸発器6のメンテナンスの邪魔となる部品がない部分である支持台11と底面1fとの間の空間S1に、開口17、18が形成されるので、蒸発器6を清掃しやすい。
[第2実施形態]
次に、図5及び図6を参照しつつ第2実施形態にかかる浸漬型液冷却装置について説明する。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付してその説明を適宜省略する。
次に、図5及び図6を参照しつつ第2実施形態にかかる浸漬型液冷却装置について説明する。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付してその説明を適宜省略する。
本実施形態の液冷却装置は、上記第1実施形態と同様に、圧縮機23、凝縮器24、膨張弁および蒸発器26を接続した冷媒回路27を有している。
この液冷却装置は、図5に示すように、蒸発器26が圧縮機23、凝縮器24、および膨張弁を収容する装置本体21よりも下方に配置されるとともに、蒸発器26がタンクT内に溜められた工作液に浸漬される浸漬型の液冷却装置である。したがって、この液冷却装置では、タンクT内において工作液が冷却される。装置本体21は、略直方体形状であり、装置本体21の底面21fから下方に突出する複数の脚部2を有する。タンクTの上面には、蒸発器26をタンクT内に挿入するための開口が設けられており、装置本体21の底面21fはその開口の周囲に固定される。なお、このタンクTは、上記の開口以外の部分は閉塞されている。したがって、液冷却装置がタンクTに固定された状態において、液冷却装置の外側から蒸発器26を清掃することはできない。
この液冷却装置の凝縮器24は、図5に示すように、装置本体21内の正面21a側且つ装置本体1の側面(例えば正面21a)に取り付けられた支持台31上に配置される。したがって、この凝縮器24は、底面21f上には配置されず、支持台31と底面21fとの間には、所定の大きさの空間S2が設けられている。装置本体21内には、凝縮器24に対して空気流を供給する送風ファン29が配置される。この送風ファン29は、例えば凝縮器24の空気流下流側において凝縮器24と対向するように配置される。凝縮器24および送風ファン29と装置本体21の上面21eとの間には、制御部などの電装品30が配置される。また、送風ファン29の空気流下流側には、圧縮機23およびアキュームレータが配置される。この圧縮機23およびアキュームレータは、装置本体1の底面21f上に配置される。また、圧縮機23およびアキュームレータは、図6に示すように、左側面21d側に配置される。なお、本実施形態において、側面とは、正面21a、背面21b、右側面21cおよび左側面21dを言う。
この液冷却装置の蒸発器26は、図5及び図6に示すように、装置本体21の底面21fの鉛直下方に配置されており、上下方向に沿ってコイル状に形成されるコイル状部32を有している。このコイル状部32は、上下方向長さを小さくしつつ且つ熱交換効率を向上させる観点から、図6に示すように、水平方向に沿って2重に積層されている。また、装置本体21の底面21fには、タンクT内の工作液を攪拌するための攪拌機33が取り付けられている。攪拌機33は、装置本体21内に固定された攪拌モータ14と、攪拌モータ14から装置本体21の底面21fよりも下方に向かって延びる軸部15と、軸部15の先端に固定された攪拌部16とを有する。この攪拌機33は、図6に示すように、平面視において、コイル状部32の内側かつコイル状部32の中心軸Oに対して僅かに偏心した位置に配置される。具体的には、攪拌機33の軸部15がコイル状部12の中心軸Oよりも僅かに背面21b側に偏心配置されている。
この液冷却装置では、図3及び図4に示すように、装置本体の正面21a(側面)および底面21fにメンテナンス用の開口37、38がそれぞれ形成されている。
装置本体21の正面21aに形成された開口37(以下「第1の開口37」ともいう)は、図5(b)に示すように、装置本体21の正面21aの下端部39に形成されている。より詳しくは、凝縮器24が配置される支持台31と底面21fとの間の空間S2に開口している。第1の開口37の大きさは、例えば作業者の片腕が入る大きさとされている。装置本体21の正面21aは、装置本体21の外側からこの第1の開口37を開閉可能な正面カバー40を有している。
装置本体21の底面21fに形成された開口38(以下「第2の開口38」ともいう)は、図6に示すように、装置本体21の底面21fの正面21a側、すなわち第1の開口37の近傍に形成されている。より詳しくは、第2の開口38の少なくとも一部(本実施形態では全部)が底面21fを正面側と背面側に区画した中心線よりも正面21a側にあるように形成されている。第2の開口38の大きさは、第1の開口37と同様、例えば作業者の片腕が入る大きさとされている。図6に示すように、第1の開口37と第2の開口38は、前後方向において少なくとも一部(本実施形態では全部)が重なっている。そのため、作業者は2つの開口37、38に腕を入れやすい。また、装置本体21の底面21fは、この第2の開口38を開閉可能な蓋部(不図示)を有している。なお、支持台31と底面21fとの間の空間S2には、凝縮器24が配置されないので、蒸発器26のメンテナンスの邪魔となる部品が少ない。
この第2の開口38は、図6に示すように、蒸発器26のコイル状部32のうち攪拌機33の偏心側と反対側の部分32aの少なくとも一部と対向している。本実施形態では、より詳しくは、コイル状部32のうち攪拌機33から最も離れた部分32bを含む部分と対向している。なお、コイル状部32のうち攪拌機33の偏心側と反対側の部分32aとは、平面視において、コイル状部32の中心軸Oと攪拌機33の中心(軸部15)とを通る線L3に直交し、かつコイル状部32の中心軸Oを通る線L4よりも攪拌機33と反対側の部分を言う。
また、図6に示すように、第1の開口37は、装置本体21の側面のうちその反対側の部分32aに対応する位置(本実施形態では、特に正面21a)に形成されている。「装置本体21の側面のうちその反対側の部分32aに対応する位置」とは、装置本体21の側面のうち上記線L4よりも攪拌機33と反対側の部分を意味し、図6では、具体的には、正面21aと、右側面21cおよび左側面21dの一部(上記線L4よりも正面21a側)である。
なお、支持台31は、攪拌機33の偏心側と反対側かつ装置本体21の底面21fより上方に離れた位置に配置され、装置本体21の正面21aおよび底面21fにそれぞれ形成される開口37、38は、支持台31と装置本体21の底面21fとの間の空間S2付近に形成される。お、図6では、実際には支持台31および凝縮器24は見えないが、発明の理解を容易にするため、支持台31および凝縮器24を便宜上二点鎖線で示している。
<本実施形態の浸漬型液冷却装置の特徴>
本実施形態の浸漬型液冷却装置には、以下の特徴がある。本実施形態の浸漬型液冷却装置では、装置本体21の側面(正面21a)および底面21fにメンテナンス用の開口37、38がそれぞれ形成されるので、その開口37、38を利用することにより、蒸発器26をタンクT内に配置した状態のまま蒸発器26を清掃できる。したがって、液冷却装置ごと蒸発器26をタンクTから引き上げる必要がなくなり、蒸発器26の清掃が容易になる。
本実施形態の浸漬型液冷却装置には、以下の特徴がある。本実施形態の浸漬型液冷却装置では、装置本体21の側面(正面21a)および底面21fにメンテナンス用の開口37、38がそれぞれ形成されるので、その開口37、38を利用することにより、蒸発器26をタンクT内に配置した状態のまま蒸発器26を清掃できる。したがって、液冷却装置ごと蒸発器26をタンクTから引き上げる必要がなくなり、蒸発器26の清掃が容易になる。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、蒸発器26が上下方向にコイル状に形成されたコイル状部32を有する場合において、装置本体21の底面21fに形成される開口38がコイル状部32と対向しているので、蒸発器26を清掃しやすい。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、タンクT内の工作液を攪拌する攪拌機33が、平面視においてコイル状部32の中心軸に対して偏心した位置に配置されるので、コイル状部32のうち攪拌機33の偏心側と反対側の部分32aでは、工作液が攪拌されにくくなって汚れが付着しやすい(特に攪拌機33から最も離れた部分32bに最も汚れが付着しやすい)。しかし、この液冷却装置では、装置本体21の底面21fに形成される開口38が、コイル状部32のうち攪拌機33の偏心側と反対側の部分32aと対向しているので、コイル状部32のうち汚れが付着しやすい部分を容易に清掃できる。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、2つの開口37、38がともに攪拌機13の偏心側と反対側にあるので、コイル状部32のうち汚れが付着しやすい部分をより清掃しやすい。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、装置本体21の側面(正面21a)に形成される開口37が装置本体21の側面(正面21a)の下端部39に形成され、装置本体21の底面21fに形成される開口38が上記の開口37の近傍に配置されるので、より蒸発器26を清掃しやすい。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、支持台31と装置本体21の底面21fとの間の空間S2に凝縮器24が配置されず、かつその空間S2付近に2つの開口37、38が形成されるので、より蒸発器26を清掃しやすい。
また、本実施形態の浸漬型液冷却装置では、凝縮器24が支持台31上に配置されるとともに、蒸発器26のメンテナンスの邪魔となる部品がない部分である支持台31と底面21fとの間の空間S2に、開口37、38が形成されるので、より蒸発器26を清掃しやすい。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
[変形例]
上記第1及び第2実施形態においては、「メンテナンス用の開口」が、蒸発器6、26の清掃に利用可能であって、かつタンクT内の工作液を空にした状態において、蒸発器6、26のコイル状部12、32の汚れ具合を装置本体1、21の外側から目視で点検できる開口を意味するが、メンテナンス用に開口は、蒸発器6、26の清掃に利用可能であれば、蒸発器6、26のコイル状部12、32の汚れ具合を目視で点検できないものであってもよい。
上記第1及び第2実施形態においては、「メンテナンス用の開口」が、蒸発器6、26の清掃に利用可能であって、かつタンクT内の工作液を空にした状態において、蒸発器6、26のコイル状部12、32の汚れ具合を装置本体1、21の外側から目視で点検できる開口を意味するが、メンテナンス用に開口は、蒸発器6、26の清掃に利用可能であれば、蒸発器6、26のコイル状部12、32の汚れ具合を目視で点検できないものであってもよい。
また、上記第1実施形態では、第1の開口17が装置本体1の背面1bに形成されるが、第1の開口17がその他側面(正面1a、右側面1c、左側面1d)に配置されてもよい。また、上記第2実施形態では、第1の開口37が装置本体21の正面21aに形成されるが、第2の開口38がその他側面(背面21b、右側面21c、左側面21d)に配置されてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、蒸発器6、26が、上下方向に沿ってコイル状に形成されるコイル状部12、32を有するが、蒸発器の形状はこれに限られるものではない。
また、上記第1及び第2実施形態では、平面視において、コイル状部12、32の内側かつコイル状部12、32の中心軸に対して偏心した位置に攪拌機13、33が配置されるが、攪拌機13、33は、平面視において、コイル状部12、32の中心軸と同じ位置に配置されてもよいし、攪拌機はなくてもよい。したがって、上記第1及び第2実施形態では、装置本体1、21の底面1f、21fに形成される開口18、38が、コイル状部12、32のうち攪拌機13、33の偏心側と反対側12a、32aと対向しているが、攪拌機13、33の偏心側と反対側12a、32aと対向していなくてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、装置本体1、21の底面1f、21fに形成される開口18、38が、コイル状部12、32と対向しているが、対向していなくてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、装置本体1が略直方体形状であるが、装置本体が側面及び底面を有しているのであれば略直方体形状でなくてもよい。
また、上記第1実施形態では、圧縮機3を下方から支持する支持台11を有し、2つの開口17、18が、支持台11と装置本体1の底面1fとの間の空間S1付近に形成されるが、圧縮機3を下方から支持する支持台11はなくてもよい。
また、上記第2実施形態では、凝縮器24を下方から支持する支持台31を有し、2つの開口37、38が、支持台31と装置本体21の底面21fとの間の空間S2付近に形成されるが、凝縮器24を下方から支持する支持台31はなくてもよい。
本発明を利用すれば、蒸発器のメンテナンス性を向上できる。
1、21 装置本体
1a〜1d、21a〜21d 側面
1f、21f 底面
3、23 圧縮機
4、24 凝縮器
5 膨張弁
6、26 蒸発器
7、27 冷媒回路
11、31 支持台
12、32 コイル状部
13、33 攪拌機
17、18、37、38 開口
S1、S2 空間
1a〜1d、21a〜21d 側面
1f、21f 底面
3、23 圧縮機
4、24 凝縮器
5 膨張弁
6、26 蒸発器
7、27 冷媒回路
11、31 支持台
12、32 コイル状部
13、33 攪拌機
17、18、37、38 開口
S1、S2 空間
Claims (5)
- 圧縮機、凝縮器、膨張弁、および蒸発器を接続した冷媒回路を備え、前記蒸発器を液体に浸漬させて液体を冷却する浸漬型液冷却装置であって、
前記蒸発器が、前記圧縮機、凝縮器、および膨張弁を収容する装置本体の底面よりも下方に配置されるとともに、
前記装置本体の側面および底面にそれぞれメンテナンス用の開口が形成されることを特徴とする浸漬型液冷却装置。 - 前記蒸発器が、上下方向に沿ってコイル状に形成されるコイル状部を有し、
前記装置本体の底面に形成される開口が、前記コイル状部と対向していることを特徴とする請求項1に記載の浸漬型液冷却装置。 - 平面視において、前記コイル状部の内側かつ前記コイル状部の中心軸に対して偏心した位置に配置される攪拌機を有し、
前記装置本体の底面に形成される開口が、前記コイル状部のうち前記攪拌機の偏心側と反対側の部分と対向していることを特徴とする請求項2に記載の浸漬型液冷却装置。 - 前記装置本体が、略直方体形状であり、
前記装置本体の側面に形成される開口が、前記装置本体の側面のうち前記部分に対応する部分に形成されることを特徴とする請求項3に記載の浸漬型液冷却装置。 - 前記攪拌機の偏心側と反対側かつ前記装置本体の底面より上方に離れた位置に配置され、前記凝縮器または前記圧縮機を下方から支持する支持台を有し、
前記装置本体の側面および底面にそれぞれ形成される開口が、前記支持台と前記装置本体の底面との間の空間付近に形成されることを特徴とする請求項4に記載の浸漬型液冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013201097A JP2015068523A (ja) | 2013-09-27 | 2013-09-27 | 浸漬型液冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013201097A JP2015068523A (ja) | 2013-09-27 | 2013-09-27 | 浸漬型液冷却装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015068523A true JP2015068523A (ja) | 2015-04-13 |
Family
ID=52835372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013201097A Pending JP2015068523A (ja) | 2013-09-27 | 2013-09-27 | 浸漬型液冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015068523A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017026170A (ja) * | 2015-07-16 | 2017-02-02 | ダイキン工業株式会社 | 液冷却装置 |
CN115122148A (zh) * | 2022-06-16 | 2022-09-30 | 上海工程技术大学 | 带温度调控的低温微量润滑系统 |
-
2013
- 2013-09-27 JP JP2013201097A patent/JP2015068523A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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