JP2015067621A - 共役高分子、光電変換素子、及び太陽電池 - Google Patents

共役高分子、光電変換素子、及び太陽電池 Download PDF

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Junya Kawai
潤也 河井
理恵子 藤田
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理恵子 藤田
賢一 佐竹
Kenichi Satake
賢一 佐竹
光教 古屋
Mitsunori Furuya
光教 古屋
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Wataru Sato
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Abstract

【課題】本発明は、より高い変換効率を達成するための共役高分子、及び高い変換効率を有する光電変換素子を提供することを課題とする。
【解決手段】4×10−4質量%クロロホルム溶液の吸収スペクトルにおいて、550nm以上、650nm未満の範囲内に第1の吸収極大波長を有し、650nm以上、800nm以下の範囲内に第2の吸収極大波長を有し、前記第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する前記第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率が1.5以上、3.0以下である共役高分子。
【選択図】なし

Description

本発明は、共役高分子、光電変換素子、及び太陽電池に関する。
有機薄膜太陽電池、有機EL素子、有機薄膜トランジスタ、有機発光センサー等の電子デバイスの半導体材料として、π共役高分子が利用されており、中でも有機薄膜太陽電池への応用が期待されている。π共役高分子の有機太陽電池への適用にあたっては、ドナー性モノマーとアクセプター性モノマーの共重合体を光電変換素子に用いた例が多く報告されており、長波長(600nm以上)の光を吸収できる共役高分子の開発が重要である。吸収波長の長波長化をなしとげるために、ドナー性モノマーとアクセプター性モノマーの共重合体(以下、コポリマーと称す場合がある)を光電変換素子に用いた例が報告されている。
具体的には、非特許文献1にはイミドチオフェン骨格とジチエノシクロペンタジエン骨格を有するコポリマーを使用した光電変換素子が記載されている。また、非特許文献1,2,3及び特許文献1には、イミドチオフェン骨格とジチエノシロール骨格を有するコポリマーを使用した光電変換素子が記載されている。さらに、非特許文献2には、イミドチオフェン骨格とジチエノゲルモール骨格を有するコポリマーを使用した光電変換素子が記載されている。
国際公開第2011/028827号公報
J.Mater.Chem.,2011,21,3895−3902 J.Am.Chem.Soc.,2011,133,10062−10065 Chem.Commun.,2011,47,4920−4922
しかしながら、特許文献1、非特許文献1〜3に記載される有機薄膜太陽電池の変換効率は、実用化を目指す上で、まだまだ十分とは言えず、更なる変換効率の向上が必要であると考えられる。本発明は、このような問題を解決するためのものであり、より高い変換効率を達成するための共役高分子、及び高い変換効率を有する光電変換素子を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、同じ骨格を有する(例えば、イミドチオフェン骨格、及びジチエノシロール骨格を有する)共役高分子を活性層に用いた光電変換素子においても、変換効率に大幅な差が発生する可能性があることを見出した。そこで、本発明者等は、活性層に用いる共役高分子の吸収スペクトルに着目し、特定の吸収スペクトルを有する共役高分子を有機薄膜太陽電池の有機活性層に用いることで、本発明を達成するに至った。すなわち、本発明は以下を要旨とする。
[1]4×10−4質量%クロロホルム溶液の吸収スペクトルにおいて、550nm以上
、650nm未満の範囲内に第1の吸収極大波長を有し、650nm以上、800nm以下の範囲内に第2の吸収極大波長を有し、前記第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する前記第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率が1.5以上、3.0以下である共役高分子。
[2]前記第2の吸収極大波長のグラム吸光係数が50以上である[1]に記載の共役高分子。
[3]前記第1の吸収極大波長のグラム吸光係数に対する前記第2の吸収極大波長のグラム吸光係数の比が1.1以上、5.0以下である[1]又は[2]に記載の共役高分子。[4]式(1)で表される繰り返し単位を有する[1]〜[3]のいずれか一項に記載の共役高分子。
(式(1)中、Aは周期表第16族元素から選ばれる原子を表し、Qは周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R、R、及びRはそれぞれ独立して、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表す。)
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載の共役高分子を含む光電変換素子。
[6][5]に記載の光電変換素子を有する太陽電池。
[7][6]に記載の有機薄膜太陽電池を有する太陽電池モジュール。
本発明によれば、より高い変換効率を達成するための共役高分子、及び高い変換効率を有する光電変換素子を提供することができる。
本発明の一実施形態としての光電変換素子の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態としての太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態としての太陽電池モジュールを模式的に示す断面図である。 共役高分子の吸収スペクトルから第1の極大吸収波長及び第2の吸収波長からピーク面積比を算出するための参照スペクトルである。 共役高分子の吸収スペクトルから第1の極大吸収波長及び第2の吸収波長からピーク面積比を算出するための参照スペクトルである。 合成例5により得られた共役高分子1の吸収スペクトルである。 合成例6により得られた共役高分子2の吸収スペクトルである。 合成例7により得られた共役高分子3の吸収スペクトルである。 合成例8により得られた共役高分子4の吸収スペクトルである。
以下、本発明について、詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨、及びその範囲から逸脱することなく、その形態、及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分、又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い
、その繰り返しの説明は省略する。
<1.共役高分子>
本発明に係る共役高分子は、その濃度が4×10−4質量%クロロホルム溶液の吸収スペクトルにおいて、550nm以上、650nm未満の範囲内に第1の吸収極大を有し、650nm以上、800nm以下の範囲内に第2の吸収極大を有する。550nm以上、650nm未満の波長範囲で第1の吸収極大を持ち、650nm以上、800nm以下の波長範囲で第2の吸収極大を有することにより、広い波長範囲の太陽光を効率良く吸収することができる。
なお、本発明において、上記の波長範囲内に第1の吸収極大波長と、第2の吸収極大波長とは、紫外領域から近赤外領域の波長範囲で動作する市販の分光光度計を用いて特定することができる。具体的には、縦軸に吸光度、横軸に波長を取り、共役高分子をクロロホルム溶媒に溶解させ、溶液中の該共役高分子の濃度が4×10−4質量%となるように、クロロホルム溶液を作製し、該溶液の吸収スペクトルを測定する。なお、吸収スペクトル測定は、25℃の条件下で、光路長1cmのセルを用いて、通常、350〜1000nmの波長範囲で行う。なお、共役高分子の吸収スペクトルは、クロロホルム溶媒の吸収スペクトルを差し引くことにより、求めることができる。
上記の方法により得られた溶液の吸収スペクトルにおいて、550nm以上、650nm未満の範囲内において、吸光度が最大となり、且つスペクトルの接線の傾きが0になる吸収波長が存在すれば、550nm以上、650nm未満の範囲内に第1の吸収極大波長とみなす。同様に、650nm以上、800nm以下の範囲内において吸光度が最大となり、且つスペクトルの接線の傾きが0になる波長が存在すれば、650nm以上、800nm以下の範囲内に第2の吸収極大波長とみなす。なお、広い波長範囲を効率良く吸収できるという点から、第1の吸収極大波長と第2の吸収極大波長との差は、20nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがさらに好ましく、40nm以上であることが特に好ましい。一方で、第1の吸収極大波長と第2の吸収極大波長との差は、250nm以下である。
また、本発明に係る共役高分子は、該溶液の吸収スペクトルにおいて、第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率が大きければ、より長波長の光を効率良く吸収でき、変換効率が高くなるために好ましい。この理由としては、該比率が大きくなると、共平面性が高く分子内(ポリマー鎖内)の電荷輸送の効率も高くなるためであると考えられる。また、分子間の相互作用が強くなることから分子間の電荷輸送の効率が高くなることも考えられる。そのため、本発明に係る共役高分子は、該クロロホルム溶媒に溶解させた際の溶液の吸収スペクトルにおいて、第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する前記第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率は1.5以上であることが好ましく、1.52以上であることがより好ましく、1.55以上であることがさらに好ましく、1.58以上であることが特に好ましい。
一方で、該比率が大きくなりすぎると、第1の吸収極大波長のピーク成分面積が相対的に小さくなってしまい、短波長側の光を吸収する効率が悪くなってしまう。そのため、本発明に係る共役高分子は、該クロロホルム溶媒に溶解させた際の溶液の吸収スペクトルにおいて、第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する前記第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率は、通常、3.0以下であり、2.5以下であることが好ましく、2.2以下であることが特に好ましい。
なお、該溶液の吸収スペクトルにおける第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率は、以下の方法により、得られた該溶液の吸
収スペクトルの第1の吸収極大波長のピーク成分面積、及び第2の吸収極大波長のピーク成分面積をそれぞれ算出して、求めることができる。
(第1の吸収極大波長のピーク成分面積及び第2の吸収極大波長のピーク成分面積の算出方法)
上記の方法により得られた該溶液の吸収スペクトルは、それぞれ異なる電子遷移に帰属される複数のピークの総和であると考えられる為、第1の吸収極大波長のピーク成分面積、及び第2の吸収極大波長のピーク成分面積を求めるためには、まず吸収スペクトルをピーク成分毎に波形分離し、それぞれのピーク成分面積を求める必要がある。波形分離する方法としては、特段の制限は無く、市販の表計算ソフトを用いることができる。表計算ソフトとしては、Microsoft(R) Office Excel(登録商標)等が挙
げられる。また、波形分離機能を備える市販あるいは無料で配布されているソフトウェアを使用することができる。ここでは、表計算ソフトを用いる例を以下に説明する。
[実測のスペクトルのプロット]
まず、上述の吸収スペクトルのデータを縦軸に吸光度、横軸に波長をとり、プロットする。なお、予め、該溶液の吸収スペクトルからクロロホルム溶媒の吸収スペクトルは差し引いておく必要がある。
[吸収スペクトルの近似曲線の作成]
以下の方法により、得られた吸収スペクトルにフィットする近似曲線を作成する。
1)実測のスペクトルにおいて、極大ピーク数を参考に、いくつのピークに分離できるかを予測する。スペクトルが示す極大の数と同等、あるいはそれ以上の数のピークに分離できると予測することが好ましい。
2)横軸x, 縦軸yとした場合、各ピークを以下のガウス関数(式(6))で近似できるものと仮定し、任意のa, b, cを設定してピークの波形を求める。これを1)で分離した全
てのピークについてそれぞれ実施する。
3)2)で求めた全ての波形を重ね合わせることで全体としての波形を得る。このようにして得られた波形を、本明細書中では、「吸収スペクトルの近似曲線」と呼ぶことにする。
ここで、吸収スペクトルの近似曲線が、実測の吸収スペクトルと良く一致するまで、2)における各ピークのa,b,cの値を変化させながら、2)→3)のサイクルを繰り返す。
この際、吸収スペクトルの近似曲線を実測の吸収スペクトルに近づける方法として、特段の制限は無いが、最小自乗法の考え方を用いることが好ましい。すなわち、全てのデータ点に対して、実測の吸光度の値と近似曲線の値との差の二乗を計算し、次にこれらの和を求め、この値が最小になるように、各ピークの近似曲線であるガウス関数の各パラメータa, b, cの値を調節する。最小になるようにa, b, cの値を調節する方法に特段の制限は無いが、Microsoft(R) Office Excel(登録商標)の機能であるソ
ルバーを用いることもできる。
なお2)→3)のサイクルを繰り返しても実測のスペクトルを再現できない場合には、1)で予測したピークの数を変更した上で、再び2)→3)のサイクルを繰り返し、吸収スペクトルの近似曲線を作成することができる。例として、上記の方法により作成された
吸収スペクトルの近似曲線を、実測の吸収スペクトル、及び分離した各成分の近似曲線と共に図4に示す。
なお、極大値を示さないが肩ピークを含むようなピークは、ピーク面積の大きな主ピークの他に、よりピーク面積の小さな1つ以上の副ピークを含む可能性が高く、このような場合には、1)において、実測のスペクトルが示す極大ピークの数よりも、多くのピーク数に分離できるものと予測することが好ましい。
特に、第2の吸収極大波長を示すピークは、分子間相互作用等が部分的に寄与することにより、長波長側に肩ピークを形成する場合も多く、このような場合には、第2の吸収極大波長を示すピークを構成する主成分であるピーク面積の大きな主ピーク(以下、成分Aと称す場合がある)の他に、より長波長側に、1つ以上の面積の小さな副ピーク(以下、成分Bと称す場合がある)を含むとみなす。
このような場合には、1)において、実測のスペクトルが示す極大ピークの数よりも、多くのピーク数に分離できるものと予測して、第2の吸収極大波長が有するピーク成分を分離して、2)→3)のサイクルにより吸収スペクトルの近似曲線を作成することが好ましい。このように、第2の吸収極大波長を示すピークが、主ピークと1つ以上の副ピークから構成される場合の一例として、図5に実測のスペクトル、上記の近似曲線の作成法に基づいて分離した各成分の近似曲線および各成分の近似曲線の和である吸収スペクトルの近似曲線を示す。
以上のように吸収スペクトルの近似曲線を求めた後、分離したそれぞれのピークの面積比を求める。なお、ピーク面積は、各ピークの全ての波長領域における吸光度の値の積分値により求めることができる。なお、図5に示すように、第2の吸収極大を示すピークにおいて、吸収極大よりも長波長側に肩ピークが存在し、第2の吸収極大を示すピークを構成する主成分であるピーク面積の大きな主ピーク、及びより長波長領域により小さな面積を有する1つ以上の副ピークとに分離することができた場合、該主ピークと該1つ以上の副ピークの各々のピーク成分面積を合計したものを第2の吸収極大波長のピーク成分面積とみなす。例えば、図5の例において、第2のピーク(成分A)の面積および第2のピーク(成分B)の面積を合計したものを第2の吸収極大波長のピーク成分面積とみなす。以上のようにして、各ピーク成分面積を求めることにより、第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する第2の吸収極大波長のピーク成分面積比の比率を算出することができる。
また、該溶液の吸収スペクトルにおいて、第1の吸収極大波長のグラム吸光係数が大きすぎると、長波長側の第2の吸収極大波長のグラム吸光係数が相対的に小さくなる傾向があり、小さすぎると550nm以上、650nm未満の波長範囲の光を効率良く吸収できなくなる為に変換効率が下がる傾向がある。そのため、第1の吸収極大波長のグラム吸光係数は15以上であることが好ましく、20以上であることがさらに好ましく、30以上であることが特に好ましく、一方で、90以下であることが好ましく、80以下であることがさらに好ましく、70以下であることが特に好ましい。
上記と同様の理由により、第2の吸収極大波長のグラム吸光係数は50以上であることが、好ましく、60以上であることがさらに好ましく、70以上であることが特に好ましく、一方で、200以下であることが好ましく、150以下であることがさらに好ましく、130以下であることが特に好ましい。
また、第1の吸収極大波長のグラム吸光係数に対する第2の吸収極大波長のグラム吸光係数の比が大きすぎると、550nm以上、650nm未満の波長領域の光を効率良く吸収できず変換効率が下がり、小さすぎると650nm以上、800nm以下の波長領域の光を効率良く吸収できず、変換効率が下がる傾向がある。そのため、第1の吸収極大波長のグラム吸光係数に対する第2の吸収極大波長のグラム吸光係数の比は1.1以上である
ことが好ましく、1.2以上であることがさらに好ましく、1.3以上であることが特に好ましく、一方で、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがさらに好ましく、3.0以下であることが特に好ましい。なお、本発明において、グラム吸光係数(L/g−1・cm−1は、吸収極大における吸光度をAとし、これを溶液の濃度(g/
L)で割った値を意味する。
本発明者等の検討によると、例え、同じ骨格の繰り返し単位を有する共役高分子であっても、上記のような吸収スペクトルを有する場合と有さない場合がある。これは後述するように、共役高分子を製造する際の方法に依存する可能性があると考えているが、本発明に係る共役高分子は、該溶液において、上記のような吸収スペクトルを有するものであれば、その繰り返し単位構造に特段はないが、具体的には、以下の繰り返し単位を有する共役高分子が挙げられる。
式(7)中、Aは、アクセプター性モノマー部位を表し、Dはドナー性モノマー部位を表す。
Aとしては、共役高分子中において、電子受容体としての役割を有するものであれば、特段の制限はないが、具体的には、オキサゾール部分、チアゾール部分、オキサジアゾール部分、チアジアゾール部分、ケト基、エステル基、フルオロ基、クロロ基、シアノ基、ピロール部分、ピリジン部分、ピラジン部分、イミダゾール部分、トリアゾール部分、テトラジン部分、イミド部分を含む。これらの中でも好ましくは、ベンゾチアジアゾール部分、フルオロベンゾチアジアゾール部分、ジフルオロベンゾチアジアゾール部分、クロロベンゾチアジアゾール部分、ジクロロベンゾチアジアゾール部分、ピリジノチアジアゾール部分、ビスチアゾール部分、チアゾロチアゾール部分、ベンゾビスチアゾール部分、フタルイミド部分、イミドチオフェン部分、イミドジチオフェン部分、チエノピラジン部分、チエノピロール部分、チエノピリジン部分、チエノチアゾール部分、ベンゾオキサジアゾール部分、フルオロベンゾオキサジアゾール部分、ジフルオロベンゾオキサジアゾール部分、クロロベンゾオキサジアゾール部分、ジクロロベンゾオキサジアゾール部分、ピリジノオキサジアゾール部分、ベンゾトリアゾール部分、ピリジノトリアゾール部分、チエノチアジアゾール部分、チエノオキサジアゾール部分、チエノトリアゾール部分、キノキサリン部分、フルオロチエノチオフェン部分、シアノチエノチオフェン部分、ジフルオロチオフェン部分、チアゾロチオフェン部分、ジケトチオフェン部分、イミダゾロチオフェン部分、ナフトビスチアジアゾール部分、ナフトビスオキサジアゾール部分、ナフトビストリアゾール部分である。これらの中でも殊更好ましくは、ポリマーの吸収波長が適切になりやすいという観点から、ベンゾチアジアゾール部分、フルオロベンゾチアジアゾール部分、ジフルオロベンゾチアジアゾール部分、クロロベンゾチアジアゾール部分、ジクロロベンゾチアジアゾール部分、ピリジノチアジアゾール部分、イミドチオフェン部分、ベンゾオキサジアゾール部分、フルオロベンゾオキサジアゾール部分、ジフルオロベンゾオキサジアゾール部分、クロロベンゾオキサジアゾール部分、ジクロロベンゾオキサジアゾール部分、ピリジノオキサジアゾール部分、キノキサリン部分、フルオロチエノチオフェン部分、ナフトビスチアジアゾール部分、ナフトビスオキサジアゾール部分、ナフトビストリアゾール部分であり、組み合せるドナーとの間の高い共平面と置換基の導入による溶解性の向上が両立し易いという観点からは、ベンゾビスチアゾール部分、イミドチオフェン部分、イミドジチオフェン部分、チエノピラジン部分、チエノトリアゾール部分、フルオロチエノチオフェン部分である。
Dとしては、共役高分子中において、電子供与体としての役割を有するものであれば、特段の制限はないが、具体的には、複素環芳香族部分を有し、好ましくは、チオフェン部分を有する。特に好ましくは、2以上の環構造を有する縮環チオフェン部分を有する。この中でも特に好ましくは、ベンゾチオフェン部分、イソチアナフテン部分、イミダゾロチオフェン部分、ピロロチオフェン部分、チアゾロチオフェン部分、チエノチオフェン部分、ジチエノチオフェン部分、ベンゾジチオフェン部分、シクロペンタジチオフェン部分、ジチエノシロール部分、ジチエノゲルモール部分、ジチエノピロール部分、ジチエノピラン、水素化ジチエノピラン、ジチエノナフタレン部分、ジチエノキノキサリン部分、ジチエノアントラセン部分、インダセノジチオフェン部分、ジチエノベンゾジチオフェン部分、ベンゾビスシロロジチオフェン部分が挙げられる。これらの中でも殊更好ましくは、組み合せるアクセプターとの間の高い共平面と置換基の導入による溶解性の向上が両立し易いことから、チエノチオフェン部分、ベンゾジチオフェン部分、シクロペンタジチオフェン部分、ジチエノシロール部分、ジチエノゲルモール部分、ジチエノピロール部分、ジチエノピラン、水素化ジチエノピラン、インダセノジチオフェン部分、ジチエノベンゾジチオフェン部分、ベンゾビスシロロジチオフェン部分である。
以下、本発明に係る共役高分子が有する繰り返し単位の例について記載するが、本発明に係る共役高分子は以下に限定されるものではない。
上述の中でも、本発明に係る共役高分子は以下式(2)で表される繰り返し単位を有するものが好ましい。
式(2)中、Aは周期表第16族元素から選ばれる原子を表す。Aとして具体的には、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はテルル原子が挙げられる。なかでも、合成の容易性の点で好ましくは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子であり、より好ましくは、硫黄原子又は酸素原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
式(2)中、Qは、それぞれ独立して周期表第14族元素から選ばれる原子を表す。周期表第14族元素から選ばれる原子として具体的には、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子及び鉛原子が挙げられる。Qとして好ましくは、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子及びスズ原子であり、より好ましくは、炭素原子、ケイ素原子及びゲルマニウム原子である。さらに好ましくは、ケイ素原子又はゲルマニウム原子である。ケイ素原子及びゲルマニウム原子は炭素原子と比較して原子半径が大きいことから、π−πスタッキングを阻害するような置換基R〜Rによる立体障害が低減されうる。このことは、共役高分子間の分子間相互作用が適度に維持されうる点で好ましい。
式(2)中、R、R及びRはそれぞれ独立して、ヘテロ原子を有していてもよい
炭化水素基を表す。ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基とは、炭化水素基を構成する炭素原子と水素原子とのうちの少なくとも一部が、ヘテロ原子又はヘテロ原子を有する原子団で置換されていてもよい炭化水素基のことを指す。
ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基の例としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基又はシクロアルキル基が挙げられる。なかでも、本発明に係る共役高分子の溶解性が向上しうる点で、直鎖アルキル基又は分岐アルキル基が好ましい。分岐アルキル基としては、分岐1級アルキル基、分岐2級アルキル基又は分岐3級アルキル基が挙げられる。分岐1級アルキル基とは、遊離原子価を有する炭素原子に結合する水素原子が2つである分岐アルキル基を意味する。分岐2級アルキル基とは、遊離原子価を有する炭素原子に結合する水素原子が1つである分岐アルキル基を意味する。また分岐3級アルキル基とは、遊離原子価を有する炭素原子に結合する水素原子が無い分岐アルキル基を意味する。ここで、遊離原子価とは、有機化学・生化学命名法(上)(改訂第2版、南江堂、1992年発行)に記載のとおり、他の遊離原子価と結合を形成できるものをいう。
適度に分子間相互作用を強めて移動度を向上させる観点からは、直鎖アルキル基又は分岐1級アルキル基がより好ましく、溶解性を向上させるためには、分岐2級アルキル基がより好ましい。さらに好ましくは、直鎖アルキル基及び分岐1級アルキル基であり、特に好ましくは、直鎖アルキル基である。
アルキル基の炭素数は、通常1以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、一方、通常30以下、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは12以下である。
直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基又はn−トリアコンチル基等が挙げられる。
なかでも好ましくは、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基又はn−トリアコンチル基であり、より好ましくは、共役高分子の溶解度を高く維持しつつ、かつ共役高分子の分子間距離を離し過ぎないことにより電荷移動を促進しうる点で、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、又はn−ドデシル基である。
分岐1級アルキル基としては、例えば、2−エチルヘキシル基、2−メチルプロピル基、2−エチルヘキシル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−メチルブチル基、2−エチ
ルブチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2−メチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,3−ジメチルブチル基、2,6−ジメチルへプチル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2,2−ジメチルブチル基、2−メチルヘプチル基、2−メチルヘキサデシル基、2−ブチルオクチル基、2−メチルノニル基、2−プロピルペンチル基、2−メチルウンデシル基、2−ヘキシルオクチル基、2−メチルオクチル基、2−メチルデシル基、2−メチルドデシル基又は2,5−ジメチルヘキシル基等が挙げられる。なかでも、2−エチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,6−ジメチルへプチル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2−メチルヘプチル基、2−ブチルオクチル基、2−メチルノニル基、2−プロピルペンチル基、2−メチルウンデシル基、2−ヘキシルオクチル基、2−メチルオクチル基、2−メチルデシル基、2−メチルドデシル基又は2,5−ジメチルヘキシル基が好ましく、より好ましくは2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2−ブチルオクチル基又は2−ヘキシルオクチル基である。
分岐2級アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプチル基、1−プロピルペンチル基、1−エチルヘキシル基、1−エチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、1−ブチルペンチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−ブチルヘプチル基、1−メチルウンデシル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,3−ジメチルブチル基、1−エチルオクチル基、1−プロピルヘキシル基、1,2−ジメチルペンチル基、4−エチル−1−メチルオクチル基、1−エチルウンデシル基、4−メチル−1−プロピルヘキシル基、1−ヘキシルヘプチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1−ブチルヘキシル基、1−メチルトリデシル基、1−メチルペンタデシル基、1,3−ジメチルデシル基、1,3,5−トリメチルヘキシル基、3−エチル−1,5−ジメチルノニル基又は1−プロピルヘプチル基等が挙げられる。なかでも、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプチル基、1−プロピルペンチル基、1−エチルヘキシル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−ブチルヘプチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,3−ジメチルブチル基、1−エチルオクチル基、1−プロピルヘキシル基、1,2−ジメチルペンチル基、4−エチル−1−メチルオクチル基、4−メチル−1−プロピルヘキシル基、1,3−ジメチルペンチル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1−ブチルヘキシル基、1,3,5−トリメチルヘキシル基、3−エチル−1,5−ジメチルノニル基又は1−プロピルヘプチル基が好ましく、より好ましくは1−プロピルペンチル基、1−エチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−エチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−ブチルヘプチル基、1−エチルオクチル基、1−プロピルヘキシル基、4−エチル−1−メチルオクチル基、4−メチル−1−プロピルヘキシル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−ブチルヘキシル基、3−エチル−1,5−ジメチルノニル基又は1−プロピルヘプチル基である。
分岐3級アルキル基としては、例えば、t−ブチル基、1−(1−メチルエチル)−1−メチルペンチル基、1−エチル−1,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−1,3−ジメチルペンチル基、3−エチル−1,1−ジメチルペンチル基、2−エチル−1,1−ジメチルペンチル基、1,1,3,4−テトラメチルペンチル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、1,1,4−トリメチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,2−トリメチルヘキシル基、1,1−ジエチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジプロピルペンチル基、1,1−ジメチルドデシル基、1,1,5−トリメチルヘキシル基、1,1−ジブチルドデシ
ル基、1−ブチル−1−エチルヘキシル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、1−(2−メチルプロピル)−1−メチルペンチル基、1,3−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)ブチル基、3−メチル−1−(2−メチルプロピル)ブチル基、2,2−ジメチルテトラコシル基、1−エチル−1−プロピルペンチル基、1,3,3,5,5−ペンタメチルヘキシル基、1−エチル−1,2,2−トリメチルプロピル基、1,1,2,3,3−ペンタメチルヘキシル基、1,1−ジメチルノニル基、1−エチル−1,4−ジメチルペンチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジメチルヘプチル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルデシル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,1−ビス(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル基、1−(1−メチルエチル)−1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルオクタデシル基、1−(2−メチルプロピル)−1,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−1,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルウンデシル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルペンチル基、1−プロピル−1,2−ジメチルブチル基、2−メチル−1−(1−メチルエチル)プロピル基、1,1−ジブチルペンチル基、1−ブチル−1−プロピルペンチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,1−ジメチルヘキサデシル基、1,1−ジブチル−4−メチルペンチル基、1,4−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)ペンチル基、1−ブチル−1,4−ジメチルペンチル基、1−ブチル−1−エチルペンチル基、1−ブチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−1−メチルヘキシル基、1−メチル−1−プロピルペンチル基、1−ヘキシル−1−メチルノニル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−(2−エチルヘキシル)−1−メチルドデシル基、1,1−ビス(2−エチルヘキシル)−3−エチルヘプチル基、1,1−ジオクチルノニル基又は1,1,2,2−テトラメチルプロピル基等が挙げられる。なかでも、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基が好ましく、より好ましくはt−ブチル基である。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基又はシクロラウリル基等が挙げられる。なかでも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基又はシクロオクチル基が好ましい。
アルケニル基の炭素数は、通常2以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、一方、通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下である。このようなアルケニル基としては、例えば、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。好ましくは、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基又はドデセニル基であり、より好ましくは、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基又はデセニル基である。
上述のアルケニル基として、より具体的には、直鎖アルケニル基、分岐アルケニル基又はシクロアルケニル基が挙げられる。
直鎖アルケニル基としては、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基、13−テトラデセニル基、14−ペンタデセニル基、15−ヘキサデセニル基、16−ヘプタデセニル基、17−オクタデセニル基、18―ノナデセニル基、19−イコセニル基等が挙げられる。好ましくは、2−プロペニル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基又は11−ドデセニ
ル基であり、より好ましくは、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基又は9−デセニル基]が挙げられ
る。
分岐アルケニル基としては2−メチル−2−プロペニル基、3−メチル−3−ブテニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基が挙げられる。
シクロアルケニル基としては、2−シクロプロペニル基、2−シクロブテニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、2−シクロヘキセニル基、2−シクロヘプテニル基、2−シクロオクテニル基が挙げられる。
アルキニル基の炭素数は、通常2以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、一方、通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下である。このようなアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基、トリデシニル基、テトラデシニル基、ペンタデシニル基、ヘキサデシニル基、ヘプタデシニル基、オクタデシニル基、ノナデシニル基、イコシニル基等が挙げられる。
上述のアルキニル基として、より具体的には、直鎖アルキニル基、分岐アルキニル基又はシクロアルキニル基が挙げられる。
直鎖アルキニル基としては、エチニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、6−ヘプチニル基、7−オクチニル基、8−ノニニル基、9−デシニル基、10−ウンデシニル基、11−ドデシニル基、12−トリデシニル基、13−テトラデシニル基、14−ペンタデシニル基、15−ヘキサデシニル基、16−ヘプタデシニル基、17−オクタデシニル基、18−ノナデシニル基、19−イコシニル基が挙げられる。
分岐アルキニル基としては、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−3−ブテニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基等が挙げられる。
シクロアルキニル基としては、2−シクロオクチニル基、3−シクロオクチニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、炭素数が、通常6以上、一方、通常30以下、好ましくは20以下、より好ましくは14以下であるものが挙げられる。このような芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、インデニル基、フルオレニル基、アントラセニル基又はアズレニル基等が挙げられる。なかでも、フェニル基又はナフチル基が好ましい。
複素環基としては、脂肪族複素環基又は芳香族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の炭素数は、通常2以上、一方、通常20以下、好ましくは14以下、より好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは6以下のものが挙げられる。このような脂肪族複素環基としては、例えば、オキセタニル基、ピロリジニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジニル基、テトラヒドロピラニル基又はテトラヒドロチオピラニル基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、通常2以上、一方、通常30以下、好ましくは20以下、より好ましくは14以下のものが挙げられる。このような芳香族複素環基としては、例えば、チエニル基、フラニル基、ピリジル基、ピリミジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基又はベンゾトリアゾリル基等が挙げられる。なかでも、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、チアゾリル基又はオキサゾリル基が好ましい。
本明細書において、各基が「有していてもよい」置換基としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定はないが、好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ボリル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、置換アミノ基、アミド基、シリル基、置換シリル基、脂肪族複素環基、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基等が挙げられる。置換基を有する場合は、好ましくは、本発明に係る共役高分子の分子内極性をコントロールしうる点で、ハロゲン原子、水酸基、アシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アミド基又はアルキルチオ基である。
、R、及びRとして、好ましくは、それぞれ、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基であり、より好ましくは、共役高分子の有機溶媒への溶解性が優れたものとなりやすく、塗布成膜プロセスにおいて有利となりうる点で、置換基を有していてもよいアルキル基である。
、R、及びRがそれぞれ、置換基を有していてもよいアルキル基である場合、溶解性の観点から、炭素数が3以上であることが好ましく、炭素数が6以上であることがより好ましく、炭素数が8以上であることが特に好ましい。一方で、本発明に係る共役高分子が適度な分子間相互作用を有しうる観点から、炭素数が20以下であることが好ましく、炭素数が16以下であることがより好ましく、炭素数が10以下であることが特に好ましい。また、アルキル基は分岐鎖を持つアルキル基であってもよいが、半導体特性の観点から、直鎖のアルキル基であることがより好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基としては、好ましくは、本発明に係る共役高分子の分子内極性をコントロールしうる点で、ハロゲン原子、水酸基、アシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アミド基又はアルキルチオ基が好ましい例として挙げられる。
本発明に係る共役高分子の重量平均分子量(Mw)は、通常5×10以上、さらに好ましくは10×10以上、よりさらに好ましくは15.0×10以上、特に好ましくは20.0×10以上である。一方、好ましくは1×10以下、より好ましくは1×10以下、さらに好ましくは8×10以下、特に好ましくは5×10以下である。光吸収波長の長波長化や高吸光度化の点でこの範囲が好ましい。
本発明に係る共役高分子の数平均分子量(Mn)は、通常1×10以上、さらに好ましくは3×10以上、よりさらに好ましくは4.0×10以上、特に好ましくは5.0×10以上である。一方、好ましくは1×10以下、より好ましくは5×10以下、さらにより好ましくは3×10以下、さらに好ましくは2×10以下である。光吸収波長を長波長化するという観点、及び高い吸光度を実現するという観点から、数平均分子量がこの範囲にあることが好ましい。
本発明に係る共役高分子の分子量分布(PDI、(重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)))は、通常1.0以上、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.3以上である。一方、好ましくは20.0以下、より好ましくは15.0以下、さらに好ましくは10.0以下である。共役高分子の溶解度が塗布に適した範囲になりうるという点で、分子量分布がこの範囲にあることが好ましい。
共役高分子の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により求めるものとする。具体的には、カラムとして、Shim−pac GPC−8
03、GPC−804(島津製作所製、内径8.0mm、長さ30cm)をそれぞれ1本ずつ直列に繋げて用い、ポンプとしてLC−10AT、オーブンとしてCTO−10A、検出器として示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A)、及びUV−vis検出器(島津製作所製:SPD−10A)を用いることにより測定できる。測定対象の共役高分子をクロロホルムに溶解させ、得られた溶液5μLをカラムに注入する。移動相としてクロロホルムを用い、1.0mL/minの流速で測定を行なう。なお、測定温度は40℃とする。解析にはLC−Solution(島津製作所)を用いる。
本発明の共役高分子の溶解度は、特に限定は無いが、好ましくは25℃におけるクロロベンゼンに対する溶解度が通常0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、一方、通常30質量%以下、好ましくは20質量%である。溶解性が高いことは、十分な厚さの膜を成膜することができるため好ましい。
ここで、後述する成膜に際して用いうる溶媒としては、共役高分子を均一に溶解又は分散できるものであれば特に限定されないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類などが挙げられる。その中でも好ましくは、トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はオルトジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類やクロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン又はトリクロロエチレンなどのハロゲン炭化水素類である。
<2.本発明に係る共役高分子の製造方法>
以下、本発明に係る共役高分子を製造する方法について説明する。本発明に係る共役高分子は、ドナー性モノマーとアクセプター性モノマーのカップリング反応を行うことにより製造することができる。
<2−1.カップリング反応>
本発明の共役高分子は、上述したように、ドナー性モノマー及びアクセプター性モノマーのカップリング反応により製造することができる。なお、カップリング反応の例としては、特に限定するわけではないが、鈴木カップリング反応、Stilleカップリング反応、檜山カップリング反応、直接ヘテロアリールカップリング(非特許文献 Acc.Chem.Res.2013(DOI:10.1021/ar3003305、ウェブ公開日2013年4月1日))が挙げられる。高い分子量の共役高分子が得られやすいという理由からはStilleカップリング反応が好ましい。一方で、副生物が少なく、環境への負担が小さいという理由からは直接ヘテロアリールカップリングが好ましい。
<2−2.モノマー>
本発明に係る共役高分子を製造するためのアクセプター性モノマー、及びドナー性モノマーに特段の制限はないが、上述した本発明に係る共役高分子を構成するアクセプター性モノマー部位、及びドナー性モノマー部位で列挙したような骨格を有するモノマーを使用することができる。なお、本発明に係る共役高分子を製造するために、アクセプター性モノマー、又はドナー性モノマーは、それぞれ2種以上用いてもよい。
一般的にドナー性モノマーとアクセプター性モノマーのカップリング反応により得られる共役高分子の光吸収波長は、ドナー性モノマー部位からアクセプター性モノマー部位への分子内の電荷移動相互作用や分子間におけるドナー性モノマー部位からアクセプター性
モノマー部位への電荷移動相互作用により、ドナー性モノマー単独の吸収極大波長、又はアクセプター性モノマー単独の吸収極大波長と比較して、長波長側にシフトする傾向がある。一方で、長波長側に吸収極大波長がシフトした共役高分子が、第1の吸収極大と第2の吸収極大の2つの吸収極大を有する理由は、明らかではないが、第1の吸収極大又は第2の吸収極大のいずれか一方が、分子内の電荷移動由来であり、他方が分子間の電荷移動由来でよるものであるか、又は第1の吸収極大と第2の吸収極大が共に分子内の電荷由来であることが考えられる。なお、後者の理由の場合、共に分子内の電荷移動由来であるにも関わらず、波長の異なる2つの吸収極大が現れる理由としては、共役の大きさの程度の違いに起因して、エネルギーの異なる2種類の分子内電荷移動が起こっているためであると推測される。つまり、振動や回転などの分子運動に起因して、共平面の度合いが異なり、その共平面の違いに応じてドナー部位とアクセプター部位の共役度合いが異なるという可能性が挙げられる。
なお、上記のアクセプター性モノマー、及びドナー性モノマーは400nm以下の波長領域に吸収極大を有するモノマーであることが好ましい。重合前のモノマーが400nm以下の波長領域に吸収極大を有するモノマーを用いた場合、モノマー骨格内での吸収の寄与が抑えられる傾向があるために、特に光電変換素子の活性層のp型半導体材料として、本発明に係る共役高分子を用いた場合、フラーレン誘導体等のn型半導体への電荷分離が起こりやすくなる傾向がある。また、電荷分離した後も再結合しにくい傾向がある。そのため、本発明に係る共役高分子が、400nm以下の波長領域に吸収極大を有するモノマーを用いて重合された共役高分子であれば、より高い変換効率を有する光電変換素子が得られる傾向にあるために好ましい。これらの中でもモノマー間の共平面性が高くなり、重合して共役高分子とした際に、第2の吸収が強くなり易いという理由から特にチオフェン系骨格を有するモノマーが好ましい。チオフェン骨格を有するモノマーの具体例として、特段の制限は無いが、以下が挙げられる。
図中のRは、水素原子、又は任意の置換基を表す。置換基としては、特段の限定はないが、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、エチニル基、フルオロ基、フルオロアルキル基、エステル基、シアノ基等が挙げられる。これらの置換基はさらに別の置換基を有していてもよい。
<2−3.反応条件>
本発明に係る共役高分子を製造する反応条件として、特段の限定は無いが、できるだけ多量のアクセプター性モノマー及びドナー性モノマーを用いて、合成することが好ましい。本発明によると、同じ骨格を有するアクセプター性モノマー及びドナー性モノマーを用いて合成しても、得られた共役高分子を含む溶液の吸収スペクトルにおける、第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する第2の吸収極大波長のピーク成分面積が異なることが判明した。この理由は明らかではないが、ピーク成分面積は共役高分子の純度に依存する可能性がある。そのため、多量のアクセプター性モノマー及びドナー性モノマーを用いて共役高分子を製造することで、反応溶液の撹拌が安定し、重合反応が速やかに反応し、ドナー部位同士、又はアクセプター部位同士のホモカップリング反応や、官能基が脱離するといった種々の副反応が抑えられるためであると考えられる。
具体的には、共役高分子の製造に用いられるアクセプター性モノマー及びドナー性モノマーの量は、それぞれ1g以上であることが好ましく、3g以上であることがより好ましく、5g以上であることがさらに好ましく、10g以上であることが特に好ましい。
<2−4.式(2)で表される共役高分子の製造方法>
上述のように、本発明に係る共役高分子は、アクセプター性モノマー及びドナー性モノマーを重合させて製造することができるが、以下、好ましい共役高分子の製造例として、式(2)で表される繰り返し単位を有する共役高分子の製造方法について詳細に説明する。
式(2)で表される繰り返し単位を有する共役高分子の製造方法に、特に限定はなく、例えばジオキソピロール縮合環を有する化合物と、ジチエノ縮合環を有する化合物と、を用いて公知の方法で製造することができる。好ましい方法としては、下記一般式(3a)で表される化合物と、下記一般式(3b)で表される化合物とを、必要であれば適当な触媒の存在下で、重合する方法が挙げられる。
式(3a)中、R及びA、式(3b)中、R、R、及びQは式(2)と同義である。
式(3a)及び(3b)中、X及びYは、重合反応の種類に応じて適宜選択できる。例えば、カップリング反応を用いた重合反応により製造することができる。使用可能な反応としては、Suzuki−Miyauraクロスカップリング反応方法、Stilleカップリング反応方法、Yamamotoカップリング反応方法、Grignard反応方法、ヘック反応方法、薗頭反応方法、FeCl等の酸化剤を用いる反応方法、電気化学的な酸化反応を用いる方法、適当な脱離基を有する中間体化合物の分解による反応方法等が挙げられる。これらの中でも、Suzuki−Miyauraカップリング反応方法、Stilleカップリング反応方法、Yamamotoカップリング反応方法、Grignard反応方法が、構造制御がしやすい点で好ましい。特に、Suzuki−Miyauraクロスカップリング反応方法、Stilleカップリング反応方法、Grignard反応方法が、材料の入手しやすさ、反応操作の簡便さの点からも好ましい。これらの反応は、「クロスカップリング−基礎と産業応用−(CMC出版)」、「有機合成のための遷移金属触媒反応(辻二郎著:有機合成化学協会編)」、「有機合成のための触媒反応103(檜山為次郎:東京化学同人)」等の公知文献の記載の方法に従って行うことができる。
X及びYの例としては、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキルスタニル基、アルキルスルホ基、アリールスルホ基、アリールアルキルスルホ基、ホウ酸エステル残基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホウ酸残基(−B(OH))、ホルミル基、シリル基、アルケニル基又はアルキニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、臭素原子又はヨウ素原子が好ましい。アルケニル基としては、例えば炭素数2以上12以下のアルケニル基が挙げられる。
ホウ酸エステル残基としては、例えば、下式で示されるものが挙げられる。下式において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
アルキルスタニル基としては、例えば、下式で示されるものが挙げられる。下式において、Meはメチル基を表し、Buはn−ブチル基を表す。
式(3a)及び(3b)で表される化合物の合成上の観点及び反応のし易さの観点から、XとYとの一方がハロゲン原子であり、他方がアルキルスタニル基、ホウ酸エステル残基、又はホウ酸残基(−B(OH))であることが好ましい。
重合反応は公知の方法に従って行うことができる。例えば、X又はYがアルキルスタニル基である場合には公知のStilleカップリング反応の条件に従って反応を行えばよい。また、X又はYがホウ酸エステル残基又はホウ酸残基である場合には公知のSuzuki−Miyauraカップリング反応の条件に従って反応を行えばよい。さらに、X又はYがシリル基である場合には公知のHiyamaカップリング反応の条件に従って反応を行えばよい。カップリング反応の触媒としては例えば、パラジウム等の遷移金属と、配位子(例えばトリフェニルホスフィン等のホスフィン配位子)との組み合わせを用いることができる。
以下では、Stilleカップリング反応方法を用いて本発明に係る共役高分子を製造する方法について述べる。Stilleカップリング反応方法を用いる場合、式(3a)及び(3b)において、Xがハロゲン原子でありかつYがアルキルスタニル基であるか、Xがアルキルスタニル基でありかつYがハロゲン原子であることが好ましい。
重合反応において用いられる、式(3a)で表される化合物の量に対する、式(3b)で表される化合物の量の比(3b/3a)は、モル比換算にして、通常0.90以上、好ましくは0.95以上であり、一方、通常1.3以下、好ましくは1.2以下である。比率がこのような範囲内にあることは、より高い収率で高分子量体を取得しうる点で好ましい。
本発明に係る共役高分子が高純度であることが望ましい場合には、重合前のモノマー(式(3a)及び(3b)で表される化合物)を精製した後に、重合反応を行うことが好ましい。精製方法としては、例えば、蒸留、昇華精製、カラムクロマトグラフィー又は再結晶等が挙げられる。
例えば本発明に係る共役高分子を有機光電変換素子用の材料として用いる場合、その純度が高いことにより素子特性が向上しうるため、共役高分子が高純度であることが望ましい。本発明に係る共役高分子を有機光電変換素子用の材料として用いる場合、式(3a)及び(3b)で表される化合物のそれぞれの純度は通常90%以上、好ましくは95%以上である。
重合反応において重合促進のために用いる触媒としては、遷移金属触媒等が挙げられる。遷移金属触媒は、重合の種類に応じて選択すればよい。遷移金属触媒としては、均一系遷移金属触媒と不均一系遷移金属触媒とが挙げられる。
均一系遷移金属触媒としては、重合反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい
。好ましい例としては、特に、パラジウム、ニッケル、鉄、又は銅を含む、後周期遷移金属錯体触媒が挙げられる。具体的な例としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))等の0価のパラジウム触媒;ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(PdCl((PPh)))又は酢酸パラジウム等の2価のパラジウム触媒等のパラジウム(Pd)触媒;Ni(dppp)Cl又はNi(dppe)Cl等のニッケル触媒;塩化鉄等の鉄触媒;ヨウ化銅等の銅触媒等が挙げられる。ここで、dbaはジベンジリデンアセトンを表し、dpppは1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンを表し、dppeは1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンを表す。
0価のPd触媒として具体的には、Pd(PPh、Pd(P(o−tolyl)、Pd(PCy、Pd(dba)3、PdCl(PPh))等が挙げられる。PdCl((PPh))又は酢酸パラジウム等の2価のPd触媒を用いる場合には、PPhやP(o−tolyl)等の有機配位子と併せて使用することが好ましい。ここで、Phはフェニル基を表し、Cyはシクロヘキシル基を表し、o−tolylは2−トリル基を表す。
不均一系遷移金属触媒としては、上述のような均一系遷移金属触媒を、担体に担持させることによって得られる触媒が挙げられる。不均一系遷移金属触媒が含む遷移金属の好ましい例としては、パラジウム、ニッケル、鉄、又は銅を含む、後周期遷移金属が挙げられる。不均一系遷移金属錯体触媒が有する有機配位子としては、均一系遷移金属錯体触媒について挙げたものと同様のものを用いることができる。また、公知文献(Strem社,”Heterogeneous Catalysts”(2011年))記載の有機配位子を用いることもできる。担体の例としては、金属、ナノコロイド、ナノ粒子、磁性化合物、金属酸化物、多孔質物質、粘土、例えば尿素樹脂のようなポリマー、及びデンドリマー等が挙げられる。多孔質物質の具体的な例としては、ミクロ孔物質、メソ孔物質、活性炭、シリカゲル、アルミナ、及びゼオライト等が挙げられる。特に、ポリマーに担持された不均一系遷移金属錯体触媒を用いることは、不均一系遷移金属錯体触媒の回収が容易であるために好ましい。また、ポリマーが多孔性であることは、反応を促進する点でより好ましい。
重合反応においては、2種以上の遷移金属錯体触媒を用いることが、高分子量の共役高分子が得られうる点で好ましい。例えば、2種以上の均一系遷移金属錯体を用いてもよいし、2種以上の不均一系遷移金属錯体を用いてもよいし、均一系遷移金属錯体と不均一系遷移金属錯体とを組み合わせて用いてもよい。この2種以上の遷移金属錯体触媒のうち、少なくとも1種は不均一系金属錯体触媒であることが、カップリング反応条件下でモノマーをすばやくオリゴマーに変換することができる点で好ましい。また、オリゴマーになると不均一系金属触媒による重合反応速度が落ちる傾向にあるため、オリゴマーからポリマーへの誘導を均一系金属触媒で行う方が、高分子量体を得るために好ましい。この観点から、2種以上の遷移金属錯体触媒のうち、少なくとも1種が不均一系金属錯体触媒であり、かつ少なくとも1種が均一系金属錯体触媒であることがより好ましい。
式(3a)及び(3b)で表される化合物の量の合計に対する遷移金属錯体の使用量は、通常1×10−4mol%以上、好ましくは1×10−3mol%以上、より好ましくは1×10−2mol%以上であり、一方、通常1×10mol%以下、より好ましくは5mol%以下である。触媒の使用量がこの範囲にあることは、より低コストかつ高い収率で、より高分子量の共役高分子が得られる傾向にある点で好ましい。
遷移金属触媒を使用する場合に、アルカリ、補触媒又は相間移動触媒を併用してもよい。
アルカリとしては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の無機塩基;トリエチルアミン等の有機塩基;等が挙げられる。
補触媒としては、例えば、フッ化セシウム、酸化銅又はハロゲン化銅等の無機塩が挙げられる。補触媒の使用量は、式(3a)及び(3b)で表される化合物の量の合計に対して、通常1×10−4mol%以上、好ましくは1×10−3mol%以上、より好ましくは1×10−2mol%以上であり、一方、通常1×10mol%以下、好ましくは1×10mol%以下、より好ましくは1.5×10mol%以下である。補触媒の使用量がこの範囲にあることは、より低コストかつ高い収率で共役高分子が得られる傾向にある点で好ましい。
相間移動触媒としては、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド又はAliquat336(アルドリッチ社製)のような四級アンモニウム塩等が挙げられる。相間移動触媒の使用量は、式(3a)及び(3b)で表される化合物の量の合計に対して、通常1×10−4mol%以上、好ましくは1×10−3mol%以上、より好ましくは1×10−2mol%以上であり、一方、通常5mol%以下、より好ましくは3mol%以下である。相間移動触媒の使用量がこの範囲にあることは、より低コストかつ高い収率で共役高分子が得られる傾向にある点で好ましい。
重合反応に用いられる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン又はシクロヘキサン等の飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン又はキシレン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン又はトリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はt−ブチルアルコール等のアルコール類;水;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン又はジオキサン等のエーテル類;DMF等の非プロトン性極性有機溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、一種を単独で用いても二種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、式(3a)及び(3b)で表される化合物の合計1gに対して、通常、1×10−2mL以上、好ましくは1×10−1mL以上、より好ましくは1mL以上であり、一方、通常1×10mL以下、好ましくは1×10mL以下、より好ましくは2×10mL以下である。溶媒の使用量がこの範囲にあることは、反応の制御がより容易となる点で好ましい。
重合反応の反応温度は、通常0℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。一方、通常300℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下、特に好ましくは160℃以下である。加熱方法としては特段の制限は無いが、オイルバス加熱、熱電対加熱、赤外線加熱、マイクロウェーブ加熱の他、IHヒーターを用いた接触による加熱等が挙げられる。重合反応の時間は、通常1分間以上、好ましくは10分間以上、一方、通常160時間以下、好ましくは120時間以下、より好ましくは100時間以下である。また重合反応は窒素(N)又はアルゴン(Ar)雰囲気下で行うことが好ましい。これらの反応条件で反応を行うことにより、より短時間かつ高い収率で共役高分子が得られうる。
重合反応により得られた共役高分子に対しては、さらに末端処理を行うことが好ましい。共役高分子の末端処理を行うことにより、共役高分子の末端残基(上述のX及びY)の残存量を減らすことができる。例えば、Stilleカップリング反応によって共役高分子を重合した場合には、共役高分子の末端に存在する臭素(Br)やヨウ素(I)等のハロゲン原子及びアルキルスタニル基を、末端処理によって減らすことができる。この末端処理を行うことは、効率及び耐久性の点でよりよい性能の共役高分子を得ることができる
ために、好ましい。
重合反応後に行う共役高分子の末端処理方法としては、特段の制限は無いが、例えば末端残基を芳香族基のような他の置換基で置換する方法が挙げられる。
例えば、Stilleカップリング反応によって共役高分子を重合した場合の末端処理方法としては、以下の方法が挙げられる。共役高分子のハロゲン原子の末端処理方法としては、重合反応後の精製前の反応系中に、末端処理剤としてアリールトリアルキルスズを加えた後、加熱攪拌を行うことにより行うことができる。アリールトリアルキルスズの例としてはフェニルトリメチルスズ又はチエニルトリメチルスズ等が挙げられる。共役高分子の末端のハロゲン原子を芳香族基に置換することは、共役安定効果により、共役高分子がより安定になるために、好ましい。
末端処理剤の添加量としては、特段の制限は無いが、重合反応に用いたハロゲン原子を末端に有するモノマー(3a又は3b)の量に対して、通常1.0×10−2モル当量以上、好ましくは0.1モル当量以上、より好ましくは1モル当量以上であり、一方、通常50モル当量以下、好ましくは20モル当量以下、より好ましくは10モル当量以下である。ハロゲン原子の末端処理の反応温度は、通常0℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。一方、通常300℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下、特に好ましくは160℃以下である。加熱方法としては、特段の制限は無いが、オイルバス加熱、熱電対加熱、赤外線加熱、マイクロウェーブ加熱の他、IHヒーターを用いた接触による加熱等が挙げられる。共役高分子のハロゲン原子の末端処理の反応時間は、特段の制限は無いが、通常30分以上、好ましくは1時間以上であり、一方、通常50時間以下、好ましくは20時間以下である。これらの反応条件で反応を行うことにより、より短時間かつ高い変換率で末端処理を行うことができる。
また、共役高分子のアルキルスタニル基の末端処理方法としては、重合反応後の精製前の反応系中に、末端処理剤としてアリールハライドを加えたのち、加熱攪拌を行うことにより行うことができる。アリールハライドの例としてはヨードチオフェン、ヨードベンゼン、ブロモチオフェン又はブロモベンゼン等が挙げられる。共役高分子の末端のアルキルスタニル基を別の置換基へと置換することにより、熱分解しやすいアルキルスタニル基中のSn原子が共役高分子中に存在しなくなり、共役高分子の経時劣化が抑えられうる。また、共役高分子の末端のアルキルスタニル基をアリール基に置換することは、共役安定効果により共役高分子がより安定になりうる点においても好ましい。
末端処理剤の添加量としては、特段の制限は無いが、重合に用いたアルキルスタニル基を末端に有するモノマー(3b又は3a)の量に対して、通常1.0×10−2モル当量以上、好ましくは0.1モル当量以上、より好ましくは1モル当量以上であり、一方、通常50モル当量以下、好ましくは20モル当量以下、より好ましくは10モル当量以下である。アルキルスタニル基の末端処理の反応温度及び反応条件としては、共役高分子のハロゲン原子の末端処理と同様のものを用いることができる。これらの反応条件で反応を行うことにより、より短時間かつ高い変換率で末端処理を行うことができる。
また、Suzuki−Miyauraクロスカップリング反応により共役高分子を重合した場合の末端処理の方法としては、以下の方法が挙げられる。共役高分子のハロゲン原子の末端処理方法としては、アリールボロン酸を加えたのち、加熱攪拌を行う方法が挙げられる。共役高分子のホウ素原子含有基の末端処理方法としては、末端処理剤としてアリールハライドを加えたのち、加熱攪拌を行う方法が挙げられる。
末端残基Xの末端処理方法及び末端残基Yの末端処理方法に特段の制限はないが、それ
ぞれ独立に行うことが好ましい。なお、それぞれの末端処理の順序に特段の制限は無く、適宜選択できる。
また、末端処理は、共役高分子の精製前に行ってもよいが、共役高分子の精製後に行ってもよい。末端処理を共役高分子精製後に行う場合には、共役高分子と片方の末端処理剤(例えばアリールハライド又はアリールトリアルキルスズ)とを有機溶剤に溶解した後、パラジウム触媒等の遷移金属触媒を加えて反応を行い、さらにもう片方の末端処理剤(アリールトリアルキルスズ又はアリールハライド)を加えて反応を行えばよい。反応を促進する観点から、末端処理を共役高分子精製前に行う場合と同様に、末端処理時には加熱攪拌を行うことか好ましい。また、収率を向上させる観点から、反応を窒素条件下で行うことも好ましい。反応時間は、特段の制限は無いが、通常30分以上、好ましくは1時間以上であり、一方、通常25時間以下、好ましくは10時間以下である。
遷移金属触媒の添加量としては、特段の制限は無いが、式(3a)又は(3b)で表される化合物の量の合計に対して、通常5.0×10−3モル当量以上、好ましくは1.0×10−2モル当量以上であり、一方、通常1.0×10−1モル当量以下、好ましくは5.0×10−2モル当量以下である。触媒の添加量がこの範囲にあることにより、より低コストかつ高い変換率で末端処理を行うことができる。
共役高分子精製後の末端処理時における、アルキルスタニル基の末端処理剤の添加量としては、特段の制限は無いが、重合に用いたアルキルスタニル基を末端に有するモノマー(3b又は3a)の量に対して、通常1.0×10−2モル当量以上、好ましくは1.0×10−1モル当量以上、より好ましくは1モル当量以上であり、一方、通常50モル当量以下、好ましくは20モル当量以下、より好ましくは10モル当量以下である。末端処理剤の添加量がこの範囲にあることにより、より低コストかつ高い変換率で末端処理を行うことができる。
共役高分子生成後の末端処理時における、ハロゲン原子の末端処理剤の添加量としては、特段の制限は無いが、重合に用いたハロゲン原子を末端に有するモノマー(3a又は3b)の量に対して、通常1.0×10−2モル当量以上、好ましくは1.0×10−1モル当量以上、より好ましくは1モル当量以上であり、一方、通常50モル当量以下、好ましくは20モル当量以下、より好ましくは10モル当量以下である。末端処理剤の添加量がこの範囲にあることにより、より低コストかつ高い変換率で末端処理を行うことができる。
重合反応後に行う工程として特に限定はないが、通常は共役高分子を分離する工程が行われる。共役高分子の末端処理を行う場合には、末端処理後に共役高分子を分離する工程を行うことが好ましい。必要に応じて、共役高分子の末端処理前に、さらに共役高分子の分離及び精製を行なってもよい。より短い処理工程で共役高分子を得る観点からは、重合反応後に、共役高分子の末端処理、共役高分子の分離及び共役高分子の精製をこの順に行うことが好ましい。
共役高分子の分離方法としては、例えば、反応溶液と貧溶媒とを混合して共役高分子を析出させる方法、又は、水若しくは塩酸で反応溶液中の活性種をクエンチした後に共役高分子を有機溶媒で抽出し、この有機溶媒を留去する方法等が挙げられる。
共役高分子の精製方法としては、再沈精製、ソックスレー抽出器を用いた抽出、ゲル浸透クロマトグラフィー、又はスキャベンジャーを用いた金属除去等の、公知の方法が挙げられる。
[式(3a)及び(3b)で表される化合物の製造方法]
重合反応の原料として用いられる式(3a)で表される化合物は、J.Am.Chem
.Soc.,2010,132(22),7595−7597に記載の方法に準じて製造することができる。また、式(3b)で表される化合物は、J.Mater.Chem.,2011,21,3895、及びJ.Am.Chem.Soc.2008,130,16144−16145に記載の方法に準じて製造することができる。
式(3b)で表される化合物の特に好ましい製造方法としては、下式(4b)で表される化合物を原料として用いる方法が挙げられる。より具体的には、式(4b)で表される化合物に非求核性塩基を反応させた後に、求電子剤を反応させることにより、式(3b)で表される化合物を得ることができる。この方法によれば、式(3b)で表される化合物を製造する際に生じる、例えば置換基Yを1つしか有さない副生物の量を減らすことができる。副生物の量が少ないことは、重合反応により得られる本発明に係る共役高分子がより大きい分子量のものとなりうる点で好ましい。
式(4b)において、Q及びR〜Rは、式(3b)と同様である。
非求核性塩基の例としては、金属水素化物、嵩高い置換基を有する金属アルコキシド、アミン類、ホスファゼン塩基、嵩高い置換基を有する金属マグネシウム試薬(Grignard試薬)、又は金属アミド等が挙げられる。非求核性の塩基を用いることは、式(4b)で表される化合物が有する縮合環への求核攻撃を効果的に抑制することでき、副生物の生成を抑えることができる点で好ましい。塩基性の高さ及び求核性の低さの点から、非求核性塩基として好ましくは金属アミドであり、特に好ましくは嵩高い置換基を有する金属アミドである。
非求核性塩基を用いて一般式(4b)で表される化合物を脱プロトン化した後、発生したアニオン種と求電子剤とを反応させることで、一般式(3b)で表される化合物を得ることができる。
置換基Yが、アルキルスタニル基である場合には、求電子剤としては、特段の限定は無いが、例えばハロゲン化トリアルキルスズ化合物が挙げられる。置換基Yが、ホウ酸残基又はホウ酸エステル残基である場合には、求電子剤としては、特段の限定は無いが、ホウ酸トリエステルが好ましく用いられる。ホウ酸トリエステルとの反応によって得られたホウ酸エステル残基を有する化合物をそのまま単離することもできるし、ホウ酸エステル残基を加水分解してホウ酸残基に導いた後に化合物を単離してもよい。
式(3b)で表される化合物の、反応後の精製方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。特に好ましい方法としては、ゼオライトを用いる方法が挙げられる。より具体的には、得られた化合物をゼオライトと接触させればよい。この方法は、式(3b)で表される化合物の分解を防ぎながら、より簡便に化合物を精製できるために好ましい。ゼオライトとしては、アルミノケイ酸塩、メタロケイ酸塩若しくはシリカライト等のアルミノケイ酸塩系ゼオライト;又は、アルミノリン酸塩、ガロリン酸塩若しくはベリロリン酸塩等のリン酸塩系ゼオライトが好ましい。
式(3b)で表される得られた化合物をゼオライトと接触させる方法としては、(1)ゼオライトを含む層を用意し、化合物を通過させる方法、(2)組成物中にゼオライトを投入し、その後ゼオライトを除去する方法、等が挙げられる。
式(4b)で表される化合物に対して加える非求核性塩基の量に特段の制限はなく、通常は式(4b)で表される化合物に対して2モル当量以上の非求核性塩基が用いられる。一方で、使用する試薬の量を減らすために、非求核性塩基の量は通常20モル当量以下、好ましくは10モル当量以下、さらに好ましくは5モル当量以下である。式(4b)で表される化合物に対して加える求電子試薬の量に特段の制限はなく、通常は式(4b)で表される化合物に対して2モル当量以上の求電子試薬が用いられる。一方で、使用する試薬の量を減らすために、求電子試薬の量は通常モル20当量以下、好ましくは10モル当量以下、さらに好ましくは5モル当量以下である。
式(4b)で表される化合物は、公知の方法を用いて製造することができるが、以下に示す方法を用いて製造することが特に好ましい。すなわち、式(4b)で表される化合物にシリル基が付加した化合物から、シリル基を脱離させることにより、式(4b)で表される化合物を得ることができる。この方法は、より高収率で式(4b)で表される化合物を得ることができる点で好ましい。
例えば、式(4b)で表される化合物は、下式(5b)で表される化合物の、酸を用いた脱シリル化反応により製造することができる。
式(5b)において、Q及びR〜Rは、式(3b)と同様である。式(5b)において、Rは置換基を有していてもよいシリル基を表す。2つの置換基Rは互いに異なっていてもよい。置換基を有していてもよいシリル基としては、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、又はトリアリールシリル基等が挙げられる。脱シリル化反応において用いる酸としては特に限定はなく、無機酸又は有機酸を用いることができる。無機酸の種類に特に限定は無く、塩酸、硫酸、硝酸、又はリン酸等を用いることができる。有機酸の種類に特に限定は無く、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、クエン酸、安息香酸、クロロ安息香酸、又はp−トルエンスルホン酸等を用いることができる。
式(5b)で表される化合物は、Qがケイ素原子又はゲルマニウム原子である場合、例えば、ビチオフェン化合物を塩基で処理し、シリルハライド又はゲルミルハライドと反応させることによって得ることができる。より具体的な例としては、5,5’−ビス(トリメチルシリル)−3,3’−ジブロモ−2,2’−ビチオフェンをn−ブチルリチウムで処理し、RSiCl、RSiBr、RGeCl、又はRGeBrを反応させることにより、式(5b)で表される化合物が得られうる。また、式(3b)又は(4b)で表される化合物も、RSiCl、RSiBr、RGeCl、又はRGeBrを用いて合成しうる。この場合、RSiCl、RSiBr、RGeCl、又はRGeBrは、減圧蒸留で精製することが好ましい。容易に達成可能な減圧度かつより低い温度で減圧蒸留を行うためには、R及びRの炭素数は、15以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。
<3.本発明に係る共役高分子を含む有機半導体材料>
本発明に係る共役高分子は、溶媒に対する溶解性、及び長波長領域における光吸収性を
持ち、有機半導体材料として好適である。以下、「本発明に係る有機半導体材料」ともいう。
本発明に係る有機半導体材料は、少なくとも本発明に係る共役高分子を含む。本発明に係る有機半導体材料は、本発明に係る共役高分子のうち一種を含有していてもよく、二種以上を任意の組み合わせで含有していてもよい。また、本発明に係る有機半導体材料は、本発明に係る共役高分子のみからなるものであってもよいが、その他の成分(例えば、その他の高分子、モノマー、各種の添加剤等)を含有していてもよい。
本発明に係る有機半導体材料は、後述する有機電子デバイスの有機半導体層又は有機活性層の材料として好適である。この場合、有機半導体材料を成膜して用いることが好ましい。この際に、本発明に係る共役高分子の有機溶剤への可溶性及びその加工性に優れている等の物性が好ましく活用される。本発明に係る有機半導体を有機電子デバイスにおいて用いる方法については後述する。
本発明に係る有機半導体材料は半導体特性を示し、例えば、電界効果移動度測定において、正孔移動度(ホール移動度と記す場合がある)が通常1.0×10−7cm/Vs以上、好ましくは1.0×10−6cm/Vs以上、より好ましくは1.0×10−5cm/Vs以上、特に好ましくは1.0×10−4cm/Vs以上であり、一方、正孔移動度が通常1.0×10cm/Vs以下、好ましくは1.0×10cm/Vs以下、より好ましくは1.0×10cm/Vs以下、特に好ましくは1.0×10cm/Vs以下である。正孔移動度の測定方法としてはFET法が挙げられる。FET法は、公知文献(特開2010−045186号公報)に記載の方法により実施することができる。
本発明に係る有機半導体材料は、単独でも有機電子デバイスの有機半導体層の材料として用いられうるが、他の有機半導体材料と混合及び/又は積層して使用することも可能である。本発明に係る有機半導体材料と併用可能な他の有機半導体材料としては、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリ[2,6−(4,4−ビス[2−エチルヘキシル]−4H−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェン)−alt−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PCPDTBT)、ベンゾポルフィリン(BP)、ペンタセン等の既知の有機半導体材料が挙げられ、さらに、n型半導体化合物として知られているペリレン−ビスイミド、[6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル([60]PCBM)又はC70等のより大きいフラーレンを有するPCBM、[6,6]−フェニル−C61−酪酸n−ブチルエステル([60]PCBNB)又はC70等のより大きいフラーレンを有するPCBNB等のフラーレン誘導体等も挙げられるが、特にこれらに限定されることはない。
また、本発明に係る有機半導体材料は、溶液の形で用いてもよい。本発明に係る共役高分子は溶液とした際の安定性が高いことから、本発明に係る有機半導体材料と溶媒とを含有する溶液、すなわち本発明に係る共役高分子と溶媒とを含有する溶液は、塗布法により有機半導体層を形成するために好ましく用いられうる。この場合、溶液を塗布して得られた半導体層が、上記の半導体特性を示すことが好ましい。
溶媒としては、本発明に係る共役高分子を均一に溶解又は分散できるものであれば特に限定されないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン又はデカン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はオルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール又はプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン又はシクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル又は乳酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン又はトリクロロエチレン等のハロゲン炭化水
素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。その中でも好ましくは、トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はオルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類やクロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン又はトリクロロエチレン等のハロゲン炭化水素類である。
<4.光電変換素子>
以下に、本発明に係る共役高分子を用いて作製した光電変換素子(以下、本発明に係る光電変換素子と称する)について説明する。本発明に係る光電変換素子は、少なくとも一対の電極と、該電極間に配置された活性層とを備え、前記共役高分子はこの活性層に含まれる。
図1に、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を示す。具体的に、光電変換素子107は、基板106、アノード101、正孔取り出し層102、活性層103(p型半導体化合物とn型半導体化合物混合層)、電子取り出し層104、カソード105が順次、形成された層構造を有する。それぞれの各層の間には、後述の各層機能に影響を与えない程度に、別の層が挿入されていてもよい。
基板106、電極(アノード101及びカソード105)、及び電極間に有する活性層以外の層の材料、層構成、形状、及び製造方法については、公知の材料を用いることができ、具体的には、Solar Energy Materials&Solar Cells 96(2012)155−159、国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報等に記載の通りである。
活性層103は、光電変換が行われる層を指し、p型半導体化合物とn型半導体化合物を含む。p型半導体化合物としては、少なくとも本発明に係る共役高分子を使用することが好ましい。なお、本発明に係る役高分子の性能を損なわない範囲で、さらに公知のp型半導体化合物を含有していてもよい。また、n型半導体化合物に関しても公知の材料を用いることができる。具体的には、Solar Energy Materials&Solar Cells 96(2012)155−159、国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報等に記載の化合物が挙げられる。
また、活性層103の層構成は、p型半導体化合物とn型半導体化合物が積層された薄膜積層型、p型半導体化合物とn型半導体化合物が混合したバルクヘテロ接合型、薄膜積層型の中間層にp型半導体化合物とn型半導体化合物が混合した層(i層)を有する構造などが挙げられる。中でも、p型半導体化合物とn型半導体化合物が混合したバルクヘテロ接合型が好ましい。
活性層103の形成方法、膜厚等は、国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報に開示された通りである。
<5.太陽電池>
本発明の光電変換素子107は、太陽電池素子として、薄膜太陽電池において使用されてもよい。
図2は本発明の一実施形態としての薄膜太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。図2に示すように、本実施形態の薄膜太陽電池14は、耐候性保護フィルム1と、紫外線カットフィルム2と、ガスバリアフィルム3と、ゲッター材フィルム4と、封止材5と、太陽電池素子6と、封止材7と、ゲッター材フィルム8と、ガスバリアフィルム9と、バックシート10とをこの順に備える。そして、耐候性保護フィルム1が形成された側(図中下方)から光が照射されて、太陽電池素子6が発電するようになっている。なお、後述するバックシート10としてアルミ箔の両面にフッ素系樹脂フィルムを接着したシートな
どの防水性の高いシートを用いる場合は、用途によりゲッター材フィルム8及び/又はガスバリアフィルム9を用いなくてもよい。
これらの封止材、バックシート及び各種フィルムの材料、形状、性能及び積層方法等については、いずれも国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報に記載された通りである。
<6.用途>
上述した薄膜太陽電池14の用途に制限はなく任意である。例えば、図3に模式的に示すように、何らかの基材12上に薄膜太陽電池14を設けた太陽電池モジュール13を用意し、これを使用場所に設置して用いればよい。具定例を挙げると、基材12として建材用板材を使用した場合、この板材の表面に薄膜太陽電池14を設けて太陽電池モジュール13として太陽電池パネルを作製し、この太陽電池パネルを建物の外壁などに設置して使用すればよい。
基材12は太陽電池素子6を支持する支持部材である。基材12を形成する材料としては、例えば、ガラス、サファイア又はチタニアなどの無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル、ポリエチレン、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネンなどの有機材料;紙又は合成紙などの紙材料;ステンレス、チタン又はアルミニウムなどの金属に絶縁性を付与するために表面をコート又はラミネートしたものなどの複合材料などが挙げられる。なお、基材の材料は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、これら有機材料あるいは紙材料に炭素繊維を含ませ、機械的強度を補強させてもよい。例えば、国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報にあるように、建材用太陽電池、自動車用太陽電池、インテリア用太陽電池、鉄道用太陽電池、船舶用太陽電池、飛行機用太陽電池、宇宙機用太陽電池、家電用太陽電池、携帯電話用太陽電池又は玩具用太陽電池などに用いて好適である。
以下に、実施例により本発明の実施形態を説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。
<合成例1:化合物E2の合成>
窒素雰囲気下、10Lのナスフラスコ中に、4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−2,6−ビス(トリメチルシリル)−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール(化合物E1,非特許文献J.Am.Chem.Soc.2008,130,16144−16145に従って合成,289g)を入れ、ヘプタン(2.9L)およびクロロホルム(1.45L)の混合溶媒に溶解させた。さらにトリフルオロ酢酸(90g)を滴下後、
約2時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層をヘプタンで
抽出、水洗後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧濃縮を行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)に供することで、4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール(化合物E2)を淡黄色の油状物として得た(118g)。
化合物E2:H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.18(d,2H,J=4.8Hz),7.08(d,2H,J=4.8Hz),1.43−1.35(m,2H),1.28−1.09(m,16H),0.98−0.80(m,10H),0.75(d,6H,J=7.3Hz).
<合成例2:化合物E3の合成>
窒素雰囲気下、2Lナスフラスコ中に、合成例1で得られた化合物E2(27.0g,0.064mol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF,0.46L)に溶解させ、−75℃に冷却した。さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.11M,0.070L,1.2eq)を滴下し、約40分間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,0.077L,1.2eq)を滴下後、約40分間攪拌した。さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.11M,0.070L,1.2eq)を滴下し、約40分間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,0.077L,1.2eq)を滴下後、約40分間攪拌した。徐々に室温まで昇温した。さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.11M,0.070L,1.2eq)を滴下し、約40分間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,0.084L,1.3eq)を滴下後、約40分間攪拌した。約1時間かけて10℃まで昇温した後、反応液に水を加え、ヘキサンで抽出後、有機層を水洗した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過して減圧濃縮後、真空下で乾燥することにより、4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール(化合物E3)を黄緑色油状物として定量的に得た。
化合物E3:H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.07(s,2H),1.45−1.37(m,2H),1.32−1.08(m,16H),0.99−0.80(m,10H),0.77(t,6H,J=7.3Hz),0.36(s,18H).
<合成例3:化合物E5の合成>
窒素雰囲気下、10Lナスフラスコ中に、3,3’−ジブロモ−5,5’−ビス(トリメチルシリル)−2,2’−ビチオフェン(化合物E4,国際公開第2010/136353号に従って合成,234g)を入れ、テトラヒドロフラン(3.98L)に溶解させた。−75℃に冷却し、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(関東化学社製,1.65M,658mL)を滴下した。約1.5時間攪拌後、ジクロロジ−n−オクチルシラン(Fluorochem製,195g)を滴下した。約1時間かけて徐々に10℃まで昇温し
た後、水(1.17L)を加え、生成物をヘプタンで抽出した。有機層を水洗後、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して濃縮した。得られた赤黒色の油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)に供し、黄色の油状物を227g得た。このうち
の225gを10Lナスフラスコ中に入れ、窒素雰囲気下、クロロホルム(3.39L)
に溶解させ、氷冷した。ここにトリフルオロ酢酸(91.4g)を加えて、約75分間攪
拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層をヘプタンで抽出、水洗後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過後、減圧濃縮した。得られた淡黄色の油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)に供することで、目的とする4,4−ジ−n−オクチル−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール(化合物E5,168g)を得た。
化合物E5:H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.05(d,2H,J=4.8Hz),7.19(d,2H,J=4.8Hz),1.42−1.33(m,4H),1.31−1.18(m,20H),0.91−0.85(m,10H).
<合成例4:化合物E6の合成>
化合物E2の代わりに化合物E5(65g,0.155mol)を用いたこと以外は合成例2と同様に反応を行い、4,4−ジ−n−オクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール(化合物E6)を定量的に得た。
化合物E6:H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.08(s,2H),1.45−1.38(m,4H),1.33−1.19(m,20H),0.90−0.85(m,10H),0.38(s,18H).
<合成例5:共役高分子1の合成>
窒素雰囲気下、10Lナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−オクチル−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),25.4g)及び合成例2で得られた化合物E3(47.0g)を入れ、トルエン(0.315L)、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.19g,3mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,4.74g,3mol%)、トルエン(0.673L)、及びN,N−
ジメチルホルムアミド(0.240L)を入れ、90℃で1時間、続いて100℃で12時間攪拌した。トルエン(2.96L)を加え、100℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(Aldrich社製,9.1g)
を加えて100℃で10時間加熱攪拌し、ブロモベンゼン(694g)を加えてさらに1
00℃で10時間加熱攪拌した。70℃まで降温後、反応溶液をメタノール(2.8L)中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて2時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別することで、目的とする共役高分子11(32.4g)を得た。得られた共役高分子1の重量平均分子量Mwは1.35×10であり、PDIは3.0であった。
<合成例6:共役高分子2の合成>
窒素雰囲気下、10Lナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−オクチル−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),95.82g)、合成例2で得られた化合物E3(87.72g)及び合成例4で得られた化合物E6:(84.28g)を入れ、トルエン(3.096L)、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(8.01g,3mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,10.41g
,テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)に対し、1.3倍重量)、トルエン(6.192L)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(1.238L)を入れ、90℃で1時間、続いて100℃で12時間攪拌した。トルエン(2.96L)を加え、100℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(Aldrich社製,25.2mL)を加えて100℃で10時間加熱攪拌し、ブロモ
ベンゼン(1.691L)を加えてさらに100℃で10時間加熱攪拌した。70℃まで降温後、反応溶液をメタノール(10.3L)中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて2時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別することで、目的とする共役高分子2(127g)を得た。得られた共役高分子2の重量平均分子量Mwは2.34×10であり、PDIは4.2であった。
<合成例7:共役高分子3の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−オクチル−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),135mg,0.319mmol)及び合成例2で得られた化合物E3(250mg,0.336mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(12mg,3mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,25mg,3mol%)、トルエン(5.2mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(1.3mL)を入れ、90℃で1時間、続いて100℃で11時間攪拌した。反応液をトルエンで4倍に希釈して100℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.033mL)を加えて100℃で8時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(2.5mL)を加えて100℃で8時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別することで、目的とする共役高分子11(135mg)を得た。得られた共役高分子3の重量平均分子量Mwは1.36×10であり、PDIは3.7であった。
<合成例8:共役高分子4の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−オクチル−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,
6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),163mg,0.385mmol)及び合成例2で得られた化合物E3(302mg,0.405mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(14mg,3mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,31mg,3mol%)、トルエン(6.3mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)を入れ、90℃で1時間、続いて100℃で11時間攪拌した。反応液をトルエンで4倍に希釈して100℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.040mL)を加えて100℃で8時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(3.0mL)を加えて100℃で8時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別することで、目的とする共役高分子4(175mg)を得た。得られた共役高分子4の重量平均分子量Mwは1.60×10であり、PDIは3.5であった。
<吸収スペクトルの測定>
合成例5〜8で得られた共役高分子1〜4の吸収スペクトル測定を行った。なお、吸収スペクトルは、得られた共役高分子をクロロホルム溶媒に溶解し、4.0×10−4質量%溶液を作成し、分光光度計(日立製作所製、U−3500)を用いて、該溶液の紫外可視吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルを図6〜9に示す。
合成例5により得られた共役高分子1の吸収スペクトルは、614nmに第1の吸収極大波長を有し、673nmに第2の吸収極大波長を有し、第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する前記第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率は1.58であった。また、第1の吸収極大波長におけるグラム吸光係数は62であり、第2の吸収極大波長におけるグラム吸光係数は107であった。
合成例6により得られた共役高分子2の吸収スペクトルは、619nmに第1の吸収極大波長を有し、677nmに第2の吸収極大波長を有し、第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する前記第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率は1.85であった。また、第1の吸収極大波長におけるグラム吸光係数は56であり、第2の吸収極大波長におけるグラム吸光係数は90であった。
合成例7により得られた共役高分子3の吸収スペクトルは、613nmに第1の吸収極大波長を有し、672nmに第2の吸収極大波長を有し、第1の吸収極大のピーク成分面積に対する前記第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率は1.48であった。また、第1の吸収極大波長におけるグラム吸光係数は55であり、第2の吸収極大波長におけるグラム吸光係数は87であった。
合成例8により得られた共役高分子の吸収スペクトルは、614nmに第1の吸収極大波長を有し、671nmに第2の吸収極大波長を有し、第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する前記第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率は1.47であった。また、第1の吸収極大波長におけるグラム吸光係数は53であり、第2の吸収極大波長におけるグラム吸光係数は84であった。
なお、吸収スペクトルに関する上記の結果をまとめて表1に示す。
<光電変換素子特性>
(実施例1)
p型半導体化合物として合成例5で得られた共役高分子1、及びn型半導体化合物とし
てフラーレン化合物であるPC61BM(フェニルC61酪酸メチルエステル)とPC71BM(フェニルC71酪酸メチルエステル)との混合物(フロンティアカーボン社,nanom spectra E123)を、重量比が1:2.5となるように混合し、混合物が1.8重量%の濃度となるように窒素雰囲気中でo−キシレンとテトラリンとの混合溶媒(体積比9:1)に溶解させた。この溶液をホットスターラー上で80℃の温度にて1時間攪拌混合した。攪拌混合後の溶液を1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過することにより、活性層塗布液インクを得た。
インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜がパターニングされたガラス基板(ジオマテック社製)を、アセトンによる超音波洗浄、ついでイソプロパノールによる超音波洗浄の後、窒素ブローでの乾燥及びUV−オゾン処理を行った。
次に、酢酸亜鉛(II)二水和物(和光純薬社製)を、濃度105mg/mLとなるように2−メトキシエタノール(Aldrich社製)とエタノールアミン(Aldrich社製)との混合溶媒(体積比100:3)に溶解した溶液(約0.1mL)を、ガラス基板上に3000rpmの速度にてスピンコートし、UV−オゾン処理した後、200℃のオーブンで15分間加熱することで、電子取り出し層を形成した。
電子取り出し層を成膜した基板をグローブボックスに持ち込み、窒素雰囲気下150℃で3分間加熱処理し、冷却後に上述のように作製した活性層塗布液インク(0.12mL)を用いてスピンコートすることにより厚さ約0.2μmの活性層を形成した。
さらに、活性層上に、正孔取り出し層として厚さ1.5nmの三酸化モリブデン(MoO3)膜を、次いで電極層として厚さ100nmの銀膜を、抵抗加熱型真空蒸着法により順次成膜し、5mm角の光電変換素子を作製した。
なお作成された光電電池素子の変換効率は以下に示す評価法に従って算出した。その結果を表1に示す。
(光電変換素子の評価)
光電変換素子に4mm角のメタルマスクを付け、照射光源としてエアマス(AM)1.5G、放射照度100mW/cmのソーラシミュレータを用い、ソースメーター(ケイスレー社製,2400型)により、ITO電極と銀電極との間における電流−電圧特性を測定した。この測定結果から、開放電圧Voc(V)、短絡電流密度Jsc(mA/cm)、形状因子FF、光電変換効率PCE(%)を算出した。
ここで、開放電圧Vocとは電流値=0(mA/cm)の際の電圧値であり、短絡電流密度Jscとは電圧値=0(V)の際の電流密度である。形状因子FFとは内部抵抗を表すファクターであり、最大出力をPmaxとすると次式で表される。
FF = Pmax/(Voc×Jsc)
また、光電変換効率PCEは、入射エネルギーをPinとすると次式で与えられる。
PCE=(Pmax/Pin)×100= (Voc×Jsc×FF/Pin)×100
(実施例2)
有機活性層に合成例5で得られた共役高分子1の代わりに、合成例6で得られた共役高分子2を使用した以外は、実施例1と同じ方法で光電変換素子を作製した。得られた光電変換素子の変換効率を表1に示す。
(比較例1)
有機活性層に合成例5で得られた共役高分子1の代わりに、合成例7で得られた共役高分子3を使用した以外は、実施例1と同じ方法で光電変換素子を作製した。得られた光電変換素子の変換効率を表1に示す。
(比較例2)
有機活性層に合成例5で得られた共役高分子1の代わりに、合成例8で得られた共役高分子4を使用した以外は、実施例1と同じ方法で光電変換素子を作製した。得られた光電変換素子の変換効率を表1に示す。
表1より、第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する前記第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率が1.5以上(実施例1、2)である場合には、該ピーク成分面積比が1.5よりも小さい場合(比較例1、2)と比較して、変換効率が飛躍的に向上していることが分かる。このように変換効率が飛躍的に向上した理由としては、該ピーク成分面積の比率が1.5以上である実施例1及び2の光電変換素子に用いた共役高分子は、モノマー間の共平面性が高くなることにより、長吸収領域の光をより効率良く吸収できるという理由の他に、共役高分子における鎖内の電荷移動がスムーズに起こるようになることで電荷の捕集効率が向上することが考えられる。さらには、モノマー間の共平面性が高くなることは、隣り合うポリマー鎖同士のスタックを起こり易くし、共役高分子における鎖間の電荷移動効率の向上にも寄与すると考えられる。このように、第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する前記第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率が1.5以上であることにより、変換効率向上に繋がり得る複数の効果が相乗的に起こるようになる為に、変換効率が飛躍的に向上したものと考えられる。
1 耐候性保護フィルム
2 紫外線カットフィルム
3,9 ガスバリアフィルム
4,8 ゲッター材フィルム
5,7 封止材
6 太陽電池素子
10 バックシート
12 基材
13 太陽電池モジュール
14 薄膜太陽電池
101 アノード
102 正孔取り出し層
103 活性層
104 電子取り出し層
105 カソード
106 基材107 光電変換素子

Claims (7)

  1. 4×10−4質量%クロロホルム溶液の吸収スペクトルにおいて、550nm以上、650nm未満の範囲内に第1の吸収極大波長を有し、650nm以上、800nm以下の範囲内に第2の吸収極大波長を有し、前記第1の吸収極大波長のピーク成分面積に対する前記第2の吸収極大波長のピーク成分面積の比率が1.5以上、3.0以下である共役高分子。
  2. 前記第2の吸収極大波長のグラム吸光係数が50以上である請求項1に記載の共役高分子。
  3. 前記第1の吸収極大波長のグラム吸光係数に対する前記第2の吸収極大波長のグラム吸光係数の比が1.1以上、5.0以下である請求項1又は2に記載の共役高分子。
  4. 式(1)で表される繰り返し単位を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の共役高分子。
    (式(1)中、Aは周期表第16族元素から選ばれる原子を表し、Qは周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R、R、及びRはそれぞれ独立して、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表す。)
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の共役高分子を含む光電変換素子。
  6. 請求項5に記載の光電変換素子を有する太陽電池。
  7. 請求項6に記載の有機薄膜太陽電池を有する太陽電池モジュール。
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