JP2015067613A - ポリエステル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固相重合を行うことなく、安価および省エネルギーの連続式重縮合反応装置を用いて、白色異物が少なく、耐加水分解性に優れたポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
【解決手段】リン酸アルカリ金属塩を含有するポリエステル樹脂組成物を連続式の重縮合装置で製造するに際して、重縮合反応した溶融状態のポリエステル樹脂組成物に0.65〜3.27mol/tonの粉末リン酸アルカリ金属塩を添加し、ベント孔付き二軸混練機を用いて混練する。
【選択図】なし
【解決手段】リン酸アルカリ金属塩を含有するポリエステル樹脂組成物を連続式の重縮合装置で製造するに際して、重縮合反応した溶融状態のポリエステル樹脂組成物に0.65〜3.27mol/tonの粉末リン酸アルカリ金属塩を添加し、ベント孔付き二軸混練機を用いて混練する。
【選択図】なし
Description
本発明は、安価で白色異物も少なく、耐加水分解性に優れたポリエステル樹脂組成物の製造方法に関する。更には、連続式重縮合反応装置で製造した溶融状態のポリエステル樹脂組成物にベント付き二軸混練機を用いてリン酸アルカリ金属塩を混練することを特徴するポリエステル組成物の製造方法である。
ポリエステルは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、さまざまな用途に用いられている。
しかし、ポリエステルは加水分解により機械物性が低下するため、長期にわたって使用する場合、或いは湿気のある状態で使用する場合においては、加水分解を抑制すべくさまざまな検討がなされてきた。特に、太陽電池用フィルムにおいては屋外にて20年以上の耐用年数が要求されることから、高い耐加水分解性と耐久性が要求される。
例えば特許文献1では長期の耐加水分解性、機械特性に優れたポリエステル樹脂組成物の製造方法として、溶液重合の後に固相重合を行う方法が示されている。しかし、固相重合を行うことが必須であり、コスト面や省エネルギーの観点から課題を残すものとなっている。
また、特許文献2にはリン酸二水素アンモニウム、水酸化カリウム、および芳香族リン酸エステルを含有するポリエステル樹脂組成物を混練することで、高度に難燃性を有したポリエステル樹脂組成物を提供している。しかし、耐加水分解性を向上させる技術ではなく、太陽電池用フィルムとしては不十分である。
本発明の課題は上記した従来の技術の問題点を解決し、固相重合を行うことなく、安価および省エネルギーの連続式重縮合反応装置を用いて、白色異物が少なく、耐加水分解性に優れたポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、上記課題を解決するため、次の特徴を有するものである。
ポリエステル樹脂組成物を連続式の重縮合反応装置で製造するに際して、重縮合反応装置から吐出した溶融状態のポリエステル樹脂組成物にベント孔付き二軸混練機を用いてリン酸アルカリ金属塩を添加し、混練することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法である。
ポリエステル樹脂組成物を連続式の重縮合反応装置で製造するに際して、重縮合反応装置から吐出した溶融状態のポリエステル樹脂組成物にベント孔付き二軸混練機を用いてリン酸アルカリ金属塩を添加し、混練することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法である。
本発明により、耐加水分解性、耐久性に優れたポリエステル樹脂組成物を安価な連続式のポリエステル製造方法で効率的に製造することができる。また、本発明の組成物を二軸延伸フィルムとすることで、磁材用途、コンデンサーなどの電気材料用途、包装用途、光学用途、特に、長期の耐加水分解性、光学特性を必要とする太陽電池フロントシート用フィルム用途に提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂組成物の連続式の重縮合反応装置を用いたポリエステル組成物の製造方法は、連続式の重縮合反応装置を用いて、ジカルボン酸成分とジオール成分とをエステル化反応、あるいはエステル交換反応し、次いで重縮合反応を行い、重縮合後の溶融状態のポリエステル樹脂組成物を溶融吐出してチップ化せずに、重縮合反応後の溶融状態のポリエステルにリン酸アルカリ金属塩を連続的に添加して溶融混練することでポリエステルの生産性を低下させることなく、リン酸アルカリ金属塩を高濃度で含有させることを特徴とする製造方法である。
本発明のポリエステル樹脂組成物の連続式の重縮合反応装置を用いたポリエステル組成物の製造方法は、連続式の重縮合反応装置を用いて、ジカルボン酸成分とジオール成分とをエステル化反応、あるいはエステル交換反応し、次いで重縮合反応を行い、重縮合後の溶融状態のポリエステル樹脂組成物を溶融吐出してチップ化せずに、重縮合反応後の溶融状態のポリエステルにリン酸アルカリ金属塩を連続的に添加して溶融混練することでポリエステルの生産性を低下させることなく、リン酸アルカリ金属塩を高濃度で含有させることを特徴とする製造方法である。
本発明における、主原料であるジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸等の種々のジカルボン酸成分を用いることができる。その中でもポリエステル樹脂組成物の機械的特性、耐熱性、耐加水分解性の観点から、芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。特にはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が重縮合反応性、機械的特性から好ましい。
本発明における、他の主原料であるジオール成分としては、各種ジオールを用いることができる。例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、脂環式ジオールとしてはシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、デカヒドロナフタレンジメタノール、デカヒドロナフタレンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンジエタノール、テトラシクロドデカンジメタノール、テトラシクロドデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノールなどの飽和脂環式1級ジオール、2,6−ジヒドロキシ−9−オキサビシクロ[3,3,1]ノナン、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(スピログリコール)、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン、イソソルビドなどの環状エーテルを含む飽和ヘテロ環1級ジオール、その他シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル−4、4’−ジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロへキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタンジオール、4−シクロペンテン−1,3−ジオール、アダマンジオールなどの各種脂環式ジオールや、ビスフェノールA、ビスフェノールS、スチレングリコール、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香環式ジオールが例示できる。またジオール以外にもトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコールも用いることができる。また、上記成分の2種類以上を組み合わせて使用しても構わない。特に、成型性、結晶性、耐加水分解性の点からエチレングリコールであることが好ましい。
さらに必要に応じて耐熱性安定剤や、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、蛍光増白剤等の添加物を加えても構わない。
ポリエステル樹脂組成物を連続的に製造する際に使用する重縮合反応触媒としては、公知の化合物を用いることができ、例えば三酸化アンチモン、チタンアルコキシド、チタンキレート化合物、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができ、中でも重縮合反応性、耐加水分解性の観点から三酸化アンチモンであることが好ましい。
重縮合反応触媒の添加量としては、重縮合反応速度の観点から、ポリエステル樹脂組成物に対して0.20mol/ton以上であることが好ましく、より好ましくは0.30mol/ton以上である。さらに製膜時の熱分解によるCOOH末端基量の増加及び透明性(ポリエステル組成物の溶液ヘイズ)の観点から添加量はポリエステル樹脂に対して0.62mol/ton以下であることが好ましい。より好ましくは0.58mol/ton以下である。上記範囲で添加することで、製膜時の再溶融時の熱分解によるCOOH末端基量の増加の抑制ができることから耐加水分解性、透明性及び生産性に優れたポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、反応効率やコストの観点から連続的に重縮合反応を行う必要がある。回分式の製造方法では、連続式の製造方法に比べ反応効率が劣り、重縮合反応温度を上げる必要があるため、COOH末端基が増加し得られるポリエステル組成物の耐加水分解性の点から好ましくない。
ポリエステル組成物を製造する連続式重縮合反応装置の反応槽は、エステル化反応槽あるいはエステル交換反応槽、および重縮合反応槽から構成されるが各槽の数は、特に制限はないが、反応効率の点からエステル化反応およびエステル交換反応槽は1槽以上、重縮合反応槽は2槽以上を採用することが好ましく、反応性、生産性の観点からエステル化あるいはエステル交換反応槽は2槽、重縮合反応槽は3槽用であることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物を製造するための重縮合反応の助触媒として金属元素がアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガンより選ばれる少なくとも1種の金属塩を含有することが、耐熱性、耐加水分解性の点から好ましい。酢酸マンガン、水酸化マンガンなどのマンガン塩、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどのマグネシウム塩、酢酸カルシウム、水酸化カルシウムなどのカルシウム塩が好ましく、より好ましくは酢酸マンガンである。酢酸マンガンを用いることで、耐加水分解性の優れたポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
また、本発明方法の重縮合反応は助触媒を用いることが好ましい。助触媒の添加量としては、ポリエステル樹脂組成物に対して1.0mol/ton以上4.0mol/ton以下とすることが好ましく、より好ましくは1.5mol/ton以上、2.8mol/ton以下である。上記範囲で添加することで、製膜時の再溶融時の熱分解によるCOOH末端基量の増加の抑制ができ、また透明性及び耐加水分解性に優れたポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
本発明の重縮合反応で用いるリン化合物は、特に限定されないが、耐熱性、耐加水分解性の観点から、リン酸を用いることが好ましい。リン酸の添加量としては、耐熱性、耐加水分解性及び重縮合反応性の点から、ポリエステル樹脂組成物に対して、0.8mol/ton以上、4.0mol/ton以下であることが好ましい。
連続式の重縮合反応装置により製造されたポリエステル樹脂組成物は、チップ化せずに溶融状態のまま、混練機にてリン酸アルカリ金属塩を添加、混練することが必要である。チップ化をすると再溶融する際に熱量を加える必要があり、熱分解によるCOOH末端基量の増加、さらには色調の悪化を招いてしまう。
本発明におけるポリエステル樹脂組成物の製造方法において、ポリエステル樹脂組成物に対し、リン酸アルカリ金属塩を添加することが必要である。リン酸アルカリ金属塩を添加することで、本発明方法で得られたポリエステル樹脂組成物は、優れた耐加水分解性を発揮することができる。通常、リン化合物を重縮合反応にて多量に添加すると、重縮合反応触媒の失活が起こるため、生産性を保ちつつポリエステル樹脂を得ることができない。しかし、本発明においては、溶融重縮合反応終了後のポリエステル樹脂に対し、リン酸アルカリ金属塩を混練するため、リン酸アルカリ金属塩が重縮合反応を阻害しないので多量に添加することが可能である。リン酸アルカリ金属塩を多量に含有したポリエステル樹脂組成物は耐加水分解性に優れたものとなる。
本発明で用いるリン酸アルカリ金属塩は、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウムなどが上げられる。中でもリン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウムが耐加水分解性の観点から好ましい。
リン酸アルカリ金属塩の添加量はポリエステル樹脂組成物に対して0.65mol/ton以上3.27mol/ton以下であることが好ましい。さらに好ましくは1.50mol/ton以上2.95mol/ton以下である。上記範囲の量のリン酸アルカリ金属塩を添加し、混練することで、白色異物の生成を抑制でき、フィルムのフィッシュアイの解消、フィルムの機械特性の低下抑制につながり、重縮合反応触媒を失活させ、製膜時の熱分解によるCOOH末端基量の増加を抑制することができるため、耐加水分解性を向上させることができる。
本発明においてリン酸アルカリ金属塩を含有するポリエステル樹脂組成物を製造する際に使用するベント孔付き混練機は少なくとも1つ以上のベント孔を設けた溶融混練機であることが必要であり、押出機であっても射出成形機であってもよい。ベント孔を持たない混練機は混練時に生じる分解ガスの泡や低揮発成分を除去できず、そのために黒色異物が発生したり、リン酸アルカリ金属塩の分散が不十分となり、白色異物が発生するので好ましくない。また、本発明で使用するベント孔付き混練機は、リン酸アルカリ金属塩の分散性の点からスクリューが2軸であることが好ましいが、そのスクリュー軸の回転方向は同方向回転であっても異方向回転であっても良い。スクリューが2軸の場合は、1軸に比較してリン酸アルカリ金属塩の分散が十分となり、白色異物の生成を抑制できる。
リン酸アルカリ金属塩の供給時の形体は特に限定されるものではなく、水またはグリコール成分の溶液、粉体状態または溶融状態などが挙げられる。中でも粉体状態、または溶融状態で添加することが好ましい。粉体状態または溶融状態で添加することで、ポリエステル樹脂組成物の温度低下およびグリコール成分によるポリエステル組成物の解重合反応を防ぎ、リン酸アルカリ金属塩の分散性を良好に維持することができ、また混練に要する時間も短縮できるので熱履歴を抑えることができる。また、リン酸アルカリ金属塩のポリエステル樹脂組成物への供給方法は、1箇所から供給する方法、複数箇所から供給する方法のどちらであっても良い。
混練の温度はポリエステルの流動性や熱劣化を防止する観点から200℃以上320℃以下であることが好ましく、より好ましくは240℃以上300℃以下である。混練時間は1分以上30分以内が好ましく、より好ましくは1分以上15分以内である。上記条件で混練を行うことでベントは分解ガス成分、低揮発成分の除去、及びポリエステルの分解を抑制できるが、その際には系内の減圧度をできるだけ高めることが好ましい。
混練の温度はポリエステルの流動性や熱劣化を防止する観点から200℃以上320℃以下であることが好ましく、より好ましくは240℃以上300℃以下である。混練時間は1分以上30分以内が好ましく、より好ましくは1分以上15分以内である。上記条件で混練を行うことでベントは分解ガス成分、低揮発成分の除去、及びポリエステルの分解を抑制できるが、その際には系内の減圧度をできるだけ高めることが好ましい。
本発明方法で得られたポリエステル樹脂組成物は、155℃の水蒸気下で4時間処理した際のCOOH末端基増加量(ΔCOOH)が35eq/ton以下であることが耐加水分解性の観点から好ましく、特に32eq/ton以下であることが好ましい。ΔCOOHを35eq/ton以下とするにはリン酸アルカリ金属塩によって分解反応を抑制することが重要である。ΔCOOHの下限としては低いほど耐加水分解性は良好となるが、エステル結合を有するポリエステルでは5eq/ton程度であると考える。
本発明の上記ポリエステル組成物の製造方法によって得られたポリエステル(チップ)は、乾燥を経て通常の押出機、Tダイにて溶融押出して膜状とし、次いで二軸延伸することによって所望の延伸フィルムを得ることができる。この時、押出機へのチップ供給は窒素ガス雰囲気で行うことが好ましく、チップ供給からTダイにて押出されるまでの時間は短い程良く、目安としては30分以下とすることが、ポリエステル組成物の分解を抑制できる点で好ましい。
本発明の上記ポリエステル組成物の製造方法によって得られたポリエステル(チップ)は、乾燥を経て通常の押出機、Tダイにて溶融押出して膜状とし、次いで二軸延伸することによって所望の延伸フィルムを得ることができる。この時、押出機へのチップ供給は窒素ガス雰囲気で行うことが好ましく、チップ供給からTダイにて押出されるまでの時間は短い程良く、目安としては30分以下とすることが、ポリエステル組成物の分解を抑制できる点で好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、耐加水分解性、フィルム成形性の点から、固有粘度が0.60dl/g以上0.90dl/g未満である必要があり、太陽電池フロントシート用途では、0.65dl/g以上0.75dl/g未満であることがさらに好ましい。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
なお、物性の測定方法は次の方法に従って行った。
(1)固有粘度(IV)
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
(1)固有粘度(IV)
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
(2)COOH末端基量
次の文献に記載されたMauliceの方法により測定した。
M. J.Maulice, F. Huizinga “Anal. Chim. Acta”Vol. 22, p−363(1960)。すなわち、エステル化反応物2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mlに溶解し、N/20−水酸化ナトリウムメタノール溶液により滴定し、エステル化反応物カルボキシル末端基量を測定し、eq/ポリエステル1tonの値で表した。
次の文献に記載されたMauliceの方法により測定した。
M. J.Maulice, F. Huizinga “Anal. Chim. Acta”Vol. 22, p−363(1960)。すなわち、エステル化反応物2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mlに溶解し、N/20−水酸化ナトリウムメタノール溶液により滴定し、エステル化反応物カルボキシル末端基量を測定し、eq/ポリエステル1tonの値で表した。
(3)ポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズ
ポリエステル樹脂組成物0.5gを、フェノール/四塩化エタン(6/4重量比)の混合溶媒20mlに100℃で60分撹拌して溶解させ、室温まで冷却後、その溶液を20mmのガラスセルに入れ、スガ試験機製ヘイズコンピューター(HGM−2DP)で測定した。
ポリエステル樹脂組成物0.5gを、フェノール/四塩化エタン(6/4重量比)の混合溶媒20mlに100℃で60分撹拌して溶解させ、室温まで冷却後、その溶液を20mmのガラスセルに入れ、スガ試験機製ヘイズコンピューター(HGM−2DP)で測定した。
(4)ポリエステル樹脂組成物中の白色異物の定量
ポリエステル樹脂組成物のチップを黒色台紙に5g計量し、オーツカ光学株式会社製ENV−Bを用いて白色異物をマーキングした。マーキングした白色異物について、SEM観察を行い、最大直径が5μm以上の白色異物について、SEM−EDXにて元素分析を行った。元素分析においてリン元素、及びアルカリ金属元素が検出された白色異物について個数をカウントした。5個/5g以下を合格とした。
ポリエステル樹脂組成物のチップを黒色台紙に5g計量し、オーツカ光学株式会社製ENV−Bを用いて白色異物をマーキングした。マーキングした白色異物について、SEM観察を行い、最大直径が5μm以上の白色異物について、SEM−EDXにて元素分析を行った。元素分析においてリン元素、及びアルカリ金属元素が検出された白色異物について個数をカウントした。5個/5g以下を合格とした。
(5)耐加水分解性の評価(ΔCOOH)
ポリエステル樹脂組成物のチップを155℃、水蒸気中で4時間処理した。
測定装置:PRESSURE COOKER 306SIII(HIRAYAMA製作所(株)製)
カルボキシル末端基増加量(ΔCOOH)は処理前後のサンプルで評価を行った。太陽電池用途において適用可能と考えられるΔCOOHが35eq/t以下を合格とした。
ポリエステル樹脂組成物のチップを155℃、水蒸気中で4時間処理した。
測定装置:PRESSURE COOKER 306SIII(HIRAYAMA製作所(株)製)
カルボキシル末端基増加量(ΔCOOH)は処理前後のサンプルで評価を行った。太陽電池用途において適用可能と考えられるΔCOOHが35eq/t以下を合格とした。
(6)伸度保持率の算出
二軸延伸されたフィルムを用いて、125℃、100%RH、48時間のPCT(プレッシャークッカーテスト)処理前後のフィルム伸度を測定し、処理前のサンプルに対する処理後の伸度保持率を百分率で計算した。
フィルムの伸度は、ASTM−d882に規定された方法に従って、イソストロンタイプの引張試験機を用いて、下記条件にて測定を行った。
・測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度測定装置
“テンシロンAMF/RTA−100”
・試料サイズ:幅10mm×試長間100mm
・引張速度:200mm/分
・測定環境:23℃、65%RH
この伸度保持率が大きい値であるほど、耐加水分解性及び耐久性に優れている。太陽電池用途における耐用年数20年以上に相当する伸度保持率50%以上合格とした。
(参考例1)リン酸二水素ナトリウム2水和物エチレングリコール溶液の調製方法
60℃に加熱したエチレングリコール10Lにリン酸二水素ナトリウム2水和物4000mmolを攪拌しながら添加し、濃度400mmol/Lのリン酸二水素ナトリウム2水和物エチレングリコール溶解を調製した。
(実施例1)
第1エステル化槽にエチレングリコール/テレフタル酸のモル比が1.15であるテレフタル酸とエチレングリコールからなるスラリーを、ポンプに8.6t/hrの一定流量で連続的に供給し、反応物の温度を245℃〜255℃にコントロールしながら、エステル化反応を行った。エステル化反応によって発生する水と同伴して蒸発するエチレングリコールは精留塔によって還流させ、エステル化反応率92%のポリエステル低重合体とし、次いでこのポリエステル低重合体を平均滞留時間0.70hr、反応温度260℃、反応圧力を100kPaに制御された第2エステル化槽へ移液し、重縮合反応の助触媒として酢酸マンガン4水和物エチレングリコール溶液(5重量%)を酢酸マンガン4水和物として、ポリエステル樹脂組成物100重量部に対して0.05重量部(酢酸マンガン4水和物として2.0mol/ton相当)、重縮合反応触媒として三酸化アンチモンを0.011重量部(三酸化アンチモンとして0.4mol/ton相当)、リン酸を0.022重量部(2.2mol/ton相当)となるように添加し、ポリエステル低重合体を得た。
二軸延伸されたフィルムを用いて、125℃、100%RH、48時間のPCT(プレッシャークッカーテスト)処理前後のフィルム伸度を測定し、処理前のサンプルに対する処理後の伸度保持率を百分率で計算した。
フィルムの伸度は、ASTM−d882に規定された方法に従って、イソストロンタイプの引張試験機を用いて、下記条件にて測定を行った。
・測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度測定装置
“テンシロンAMF/RTA−100”
・試料サイズ:幅10mm×試長間100mm
・引張速度:200mm/分
・測定環境:23℃、65%RH
この伸度保持率が大きい値であるほど、耐加水分解性及び耐久性に優れている。太陽電池用途における耐用年数20年以上に相当する伸度保持率50%以上合格とした。
(参考例1)リン酸二水素ナトリウム2水和物エチレングリコール溶液の調製方法
60℃に加熱したエチレングリコール10Lにリン酸二水素ナトリウム2水和物4000mmolを攪拌しながら添加し、濃度400mmol/Lのリン酸二水素ナトリウム2水和物エチレングリコール溶解を調製した。
(実施例1)
第1エステル化槽にエチレングリコール/テレフタル酸のモル比が1.15であるテレフタル酸とエチレングリコールからなるスラリーを、ポンプに8.6t/hrの一定流量で連続的に供給し、反応物の温度を245℃〜255℃にコントロールしながら、エステル化反応を行った。エステル化反応によって発生する水と同伴して蒸発するエチレングリコールは精留塔によって還流させ、エステル化反応率92%のポリエステル低重合体とし、次いでこのポリエステル低重合体を平均滞留時間0.70hr、反応温度260℃、反応圧力を100kPaに制御された第2エステル化槽へ移液し、重縮合反応の助触媒として酢酸マンガン4水和物エチレングリコール溶液(5重量%)を酢酸マンガン4水和物として、ポリエステル樹脂組成物100重量部に対して0.05重量部(酢酸マンガン4水和物として2.0mol/ton相当)、重縮合反応触媒として三酸化アンチモンを0.011重量部(三酸化アンチモンとして0.4mol/ton相当)、リン酸を0.022重量部(2.2mol/ton相当)となるように添加し、ポリエステル低重合体を得た。
次いでポリエステル低重合体を送液ポンプによってフィルターを経由して重縮合反応槽1(反応温度260℃、反応圧力10kPa)、重縮合反応槽2(反応温度275℃、反応圧力2.2kPa)の順で高温・減圧下で発生するエチレングリコールを除去しながら重縮合反応させた後、最終重縮合反応機(反応温度280℃、反応圧力0.2kPa)へ移し、重縮合反応を行い、ポリエステルを重縮合反応した。
ポリエステルが押し出される方向に連続式の重縮合反応装置の最終重縮合反応機からのポリマー配管、触媒添加孔、ベント孔1、ベント孔2、ベント孔3の順にそれぞれ設けた2軸混練機へ、連続式の重縮合反応装置の最終重縮合反応機からポリマー配管を経てポリエステル樹脂組成物を溶融状態のままギアポンプにより7.0t/hrで供給し、また、粉体状態のリン酸二水素ナトリウム2水和物を触媒添加孔から重量式定量フィーダーによりポリエステル樹脂組成物に対して0.039wt%(2.6mol/ton)となるように供給した。ベント孔1及び3は0.5Torrに、ベント孔2は5Torrに減圧した。また、2軸混練機のスクリュー回転数は300rpmとした。2軸混練機によりストランド状吐出したポリエステル樹脂組成物は水槽で冷却した後、カッターでペレット化した。得られたポリエステル樹脂組成物の固有粘度は0.70で、カルボキシル末端基量は20eq/ton、白色異物は0個/5g、ヘイズは0.9%、ΔCOOHは25eq/tonであった。
得られたポリエステル樹脂組成物を、窒素雰囲気下で押出機に供給し、押出温度280℃で400メッシュのフィルターを通し、Tダイからキャスティングドラム(20℃)にて急冷、静電印加法にてシート化した後に、縦延伸温度90℃、縦延伸倍率3.8倍で縦延伸したのち、横延伸温度110℃、横延伸倍率3.8倍で延伸し、熱処理を200℃で3秒行い、実効倍率で面倍率13.2倍の二軸延伸フィルムを得た。結果を表1および表2に示す。
得られた二軸延伸フィルムの伸度保持率は70%であり、太陽電池用途等に良好なレベルであった。
(実施例2〜5)
リン酸二水素ナトリウム2水和物の添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物を製造し、製膜して二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸延伸フィルムの伸度保持率は70%であり、太陽電池用途等に良好なレベルであった。
(実施例2〜5)
リン酸二水素ナトリウム2水和物の添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物を製造し、製膜して二軸延伸フィルムを得た。
実施例2、3においては、リン酸二水素ナトリウム2水和物の添加量をポリエステル樹脂組成物に対して1.50、0.65mol/tonとした。得られたポリエステル樹脂組成物は、リン酸二水素ナトリウム2水和物の添加量の減少にともない、ΔCOOHが28、30eq/ton、伸度保持率が68、63%であったが問題ないレベルであった。
実施例4、5においては、リン酸二水素ナトリウム2水和物の添加量をポリエステル樹脂組成物に対して2.95、3.27mol/tonとした。リン酸二水素ナトリウム起因の白色異物が1、3個/5g、ヘイズが1.3、1.5%となったが問題ないレベルであった。また、ΔCOOHが24、22eq/ton、伸度保持率が67、61%となり、リン酸二水素ナトリウムの増量による耐加水分解性の顕著な向上はみられず、また白色異物により伸度保持率の低下が見られるものの問題ないレベルであった。
結果を表1および表2に示す。
(実施例6)
リン酸アルカリ金属塩をリン酸二水素ナトリウム2水和物からリン酸二水素カリウム無水物に変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物を製造し、製膜して二軸延伸フィルムを得た。白色異物が2個/5gであったが、本発明の範囲内であり、太陽電池用途等に提供しても問題ないレベルであった。結果を表1および表2に示す。
(実施例7)
参考例1の方法で調製したリン酸二水素ナトリウム2水和物エチレングリコール溶液を添加した以外は実施例1と同様の製造方法で行った。エチレングリコール溶液で添加したことによるポリエステル樹脂組成物の温度低下を防ぐため、混練温度を上げる必要があり、COOH末端基量が30eq/tonとなったが、伸度保持率が55%となり、問題ないレベルとなった。結果を表1および表2に示す。
(実施例8〜11)
三酸化アンチモンの添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物を製造し、製膜して二軸延伸フィルムを得た。
結果を表1および表2に示す。
(実施例6)
リン酸アルカリ金属塩をリン酸二水素ナトリウム2水和物からリン酸二水素カリウム無水物に変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物を製造し、製膜して二軸延伸フィルムを得た。白色異物が2個/5gであったが、本発明の範囲内であり、太陽電池用途等に提供しても問題ないレベルであった。結果を表1および表2に示す。
(実施例7)
参考例1の方法で調製したリン酸二水素ナトリウム2水和物エチレングリコール溶液を添加した以外は実施例1と同様の製造方法で行った。エチレングリコール溶液で添加したことによるポリエステル樹脂組成物の温度低下を防ぐため、混練温度を上げる必要があり、COOH末端基量が30eq/tonとなったが、伸度保持率が55%となり、問題ないレベルとなった。結果を表1および表2に示す。
(実施例8〜11)
三酸化アンチモンの添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物を製造し、製膜して二軸延伸フィルムを得た。
実施例8、9は、三酸化アンチモンの添加量をポリエステル樹脂組成物に対し0.30、0.20mol/tonとした結果、重縮合反応活性の低下に伴う熱履歴増加によってCOOH末端基量が25、30eq/tonとなったが、熱分解反応に影響する金属元素の低減により、製膜時のCOOH末端基増加は抑制でき、伸度保持率が60、55%と問題ないレベルであった。
実施例10、11においては、三酸化アンチモンの添加量をポリエステル樹脂組成物に対し0.50、0.62mol/tonとした結果、ヘイズが1.1、1.4%となったが問題ないレベルであった。また、伸度保持率が60、59%となったが、問題ないレベルであった。結果を表1および表2に示す。
(実施例12〜15)
酢酸マンガンの添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、二軸延伸フィルムを製膜した。
(実施例12〜15)
酢酸マンガンの添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、二軸延伸フィルムを製膜した。
実施例12、13においては、酢酸マンガンの添加量をポリエステル樹脂組成物に対し1.5、1.0mol/tonとした結果、ΔCOOHが32、35eq/tonとなったが、熱分解反応に影響する金属元素の低減により、製膜時のCOOH末端基増加が抑制でき、伸度保持率が65、63%と問題ないレベルであった。
実施例14、15においては、酢酸マンガンの添加量をポリエステル樹脂組成物に対し2.8、4.0mol/tonとした結果、ヘイズが1.1、1.5%となったが問題ないレベルであった。また、伸度保持率が65、63%となったが、問題ないレベルであった。結果を表1および表2に示す。
(実施例16)
助触媒を酢酸マンガンから酢酸マグネシウムとし、マグネシウム元素量をポリエステル樹脂組成物に対し2.0mol/tonとした以外は実施例1と同様の製造方法で行った。酢酸マグネシウムを用いたことにより、ΔCOOHが35eq/ton、伸度保持率が53%となったが、問題ないレベルであった。結果を表1および表2に示す。
(比較例1)
実施例1に記載の連続式の重縮合反応方法でポリエステルを重縮合した後、ポリエステルを一旦冷水にストランド状に吐出、カッティングし、チップ状のポリエステル樹脂組成物を得た後、再溶融させて、リン酸二水素ナトリウム2水和物を混練した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、二軸延伸フィルムを製膜した。
(実施例16)
助触媒を酢酸マンガンから酢酸マグネシウムとし、マグネシウム元素量をポリエステル樹脂組成物に対し2.0mol/tonとした以外は実施例1と同様の製造方法で行った。酢酸マグネシウムを用いたことにより、ΔCOOHが35eq/ton、伸度保持率が53%となったが、問題ないレベルであった。結果を表1および表2に示す。
(比較例1)
実施例1に記載の連続式の重縮合反応方法でポリエステルを重縮合した後、ポリエステルを一旦冷水にストランド状に吐出、カッティングし、チップ状のポリエステル樹脂組成物を得た後、再溶融させて、リン酸二水素ナトリウム2水和物を混練した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、二軸延伸フィルムを製膜した。
一旦、チップ化することにより、混練時の再溶融の際、熱履歴を受け、COOH末端基が40eq/tonとなった。そのためΔCOOHが37eq/ton、伸度半保持率が45%となり耐加水分解性が不十分であった。また、生産性も低下した。結果を表1および表2に示す。
(比較例2)
リン酸アルカリ金属塩を添加しない以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、二軸延伸フィルムを製膜した。
(比較例2)
リン酸アルカリ金属塩を添加しない以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、二軸延伸フィルムを製膜した。
リン酸アルカリ金属塩を添加しないことにより、ΔCOOHが43eq/ton、伸度保持率が40%となり耐加水分解性が不十分であった。結果を表1および表2に示す。
(比較例3)
実施例1に記載の連続式の重縮合反応方法において、リン酸アルカリ金属塩を二軸混練機で混練せずに、連続式の重縮合反応装置の中の第2エステル化槽にて参考例1に記載した調製方法にて調製したリン酸二水素ナトリウム2水和物エチレングリコール溶液を添加した以外については実施例1と同様の方法でポリエステル樹脂組成物、二軸延伸フィルムを製膜した。リン酸アルカリ金属塩を第2エステル化槽にて添加することにより、重縮合反応活性の低下に伴う熱履歴増加によってCOOH末端基量が40eq/tonとなり、さらに白色異物が10個/5g、ヘイズが2.0%、伸度保持率は35%となり、耐加水分解性が不十分であった。結果を表1および表2に示す。
(比較例3)
実施例1に記載の連続式の重縮合反応方法において、リン酸アルカリ金属塩を二軸混練機で混練せずに、連続式の重縮合反応装置の中の第2エステル化槽にて参考例1に記載した調製方法にて調製したリン酸二水素ナトリウム2水和物エチレングリコール溶液を添加した以外については実施例1と同様の方法でポリエステル樹脂組成物、二軸延伸フィルムを製膜した。リン酸アルカリ金属塩を第2エステル化槽にて添加することにより、重縮合反応活性の低下に伴う熱履歴増加によってCOOH末端基量が40eq/tonとなり、さらに白色異物が10個/5g、ヘイズが2.0%、伸度保持率は35%となり、耐加水分解性が不十分であった。結果を表1および表2に示す。
本発明によれば、耐加水分解性の良好なポリエステル樹脂組成物を安価でかつ効率的に生産することができる。さらにこれを製膜することで、磁気材料用途、コンデンサーなどの電気材料用途、包装用途など様々な用途に使用でき、特に長期の耐加水分解性、耐久性が必要とされる太陽電池用フィルムに好適に利用することができる。
Claims (7)
- ポリエステル樹脂組成物を連続式の重縮合反応装置で製造するに際して、重縮合反応装置から吐出した溶融状態のポリエステル樹脂組成物にベント孔付き二軸混練機を用いてリン酸アルカリ金属塩を添加し、混練することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- リン酸アルカリ金属塩がポリエステル樹脂組成物に対し、0.65mol/ton以上3.27mol/ton以下である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- リン酸アルカリ金属塩がリン酸二水素ナトリウムである請求項1または2記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- リン酸アルカリ金属塩を粉体で添加し、混練することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 重縮合反応の触媒が三酸化アンチモンであり、三酸化アンチモンがポリエステル樹脂組成物に対し、0.20mol/ton以上0.62mol/ton以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 重縮合反応の助触媒が酢酸マンガンであり、酢酸マンガンがポリエステル樹脂組成物に対し、1.0mol/ton以上4.0mol/ton以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法で得られたポリエステル樹脂組成物を成形してなる太陽電池用フィルム。
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JP2013199850A JP2015067613A (ja) | 2013-09-26 | 2013-09-26 | ポリエステル樹脂組成物の製造方法 |
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