JP7354864B2 - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

粒子含有ポリエステル組成物の製造方法に関する。
ポリエステルは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。ポリエステルの中でも、特にポリエチレンテレフタレート(以降PETと記す)は、透明性や加工性に優れていることから、光学用フィルムや離型用フィルムなど高品位性が求められる用途に幅広く使われている。
しかしながら、用途が幅広くなるにつれて、求められる品位も向上し、例えば、偏光板離型用フィルムであれば近年、高輝度タイプの液晶ディスプレイの普及に伴い、フィルム中の微小成分が輝点となるため、検査精度の低下を招く問題が生じている。そのため、より欠点の少ない、高品位のフィルムが要求されている。
これらの課題に対して、以下の文献に示されるような検討がされてきている。
特許文献1では、滑剤として投入している炭酸カルシウム粒子分散性の向上を目的にリン化合物を添加することが記載されている。
特許文献2では、樹脂の耐熱性を向上させることによりゲル異物発生が抑制されることが記載されている。
特許文献3では、Mn元素およびアルカリ金属元素を含むことで、線状オリゴマー発生量が少なく、良好な耐加水分解性および粒子分散性を得ることが記載されている。
特開平4―277552号公報 特開2011―190387号公報 特開2019―99791号公報
前述した従来の技術のような粒子分散性向上技術と、耐加水分解性向上による異物抑制技術では、粒子の凝集異物低減に対する効果は不十分である。それは、加熱処理後の粒子再凝集傾向は樹脂製造時における粒子分散状態に依存しており、樹脂製造時における粒子分散性の向上が不可欠なためである。
本発明の目的は、粒子の凝集異物が少なく粒子分散性に優れ、ろ過性が良好で、耐加水分解性に優れた粒子含有ポリエステル組成物の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、粒子の凝集異物が少なく粒子分散性に優れ、ろ過性が良好で、耐加水分解性に優れた粒子含有ポリエステル組成物の製造方法を見出し、本発明に到達した。
本発明の目的は以下の手段によって達成される。
(1)モノマー成分としてジカルボン酸とジオールとを用いる、リン化合物および無機粒子を含有するポリエステル組成物の製造方法であって、エステル化反応終了から重縮合反応開始までの間に以下の(I)~(V)を満たすことを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
(I)リン化合物を添加し、次いで無機粒子を添加する。
(II)(I)記載のリン化合物と無機粒子との添加比率が、元素重量比P/Cとして0.013以上である。ここで、C:無機粒子の元素重量である。
(III)(I)記載のリン化合物および無機粒子添加時に、槽内に加わる最大の剪断応力が20Pa以上である。
(IV)(I)記載の無機粒子添加開始時の槽内温度が220℃以上250℃以下である。
(V)無機粒子添加終了後から重縮合反応開始までの槽内温度を210℃以上245℃以下に保つ。
(2)無機粒子が炭酸カルシウムである(1)に記載のポリエステル組成物の製造方法。
(3)リン化合物がリン酸およびリン酸アルカリ金属塩の混合物であり、かつ、リン化合物の添加量がP元素の重量基準でポリエステル組成物の重量に対して0.81(mol/t)≦P≦2.63(mol/t)である(1)または(2)に記載のポリエステル組成物の製造方法。
(4)重合触媒および重合助触媒を無機粒子添加から重縮合反応開始までの間に添加する(1)~(3)のいずれかに記載のポリエステル組成物の製造方法。
本発明は、粒子の凝集異物が少なく粒子分散性に優れ、ろ過性が良好で、耐加水分解性に優れたリン化合物および無機粒子を含有するポリエステル組成物の製造方法を提供するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル組成物の製造方法は、ジカルボン酸とジオールとを主原料とし、エステル化反応および重縮合反応を経て、リン化合物および無機粒子を含有するポリエステル組成物を得るための製造方法である。
本発明のジカルボン酸は、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニル4,4’-ジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、ダイマー酸などが挙げられる。本発明のジカルボン酸としてより好ましい態様は、融点が高く、フィルムや繊維などに加工しやすいポリエステル組成物を得ることができる点で、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、またはこれらのアルキルエステルである。
本発明のジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、脂環式ジオールとしてはシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノールなどの飽和脂環式1級ジオール、イソソルビドなどの環状エーテルを含む飽和ヘテロ環1級ジオール、その他シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル-4,4’-ジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3-メチル-1,2-シクロペンタジオール、4-シクロペンテン-1,3-ジオール、アダマンタンジオールなどの各種脂環式ジオールや、パラキシレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS,スチレングリコール、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香環式ジオールが例示できる。またジオール以外にも本発明の効果を損なわない範囲で、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコールも用いることができる。本発明の効果を十分果たすことができる点、およびフィルムや繊維などに加工しやすいポリエステル組成物を得ることができる点でエチレングリコールが好ましい。
本発明において、エステル化反応の工程は、ジカルボン酸とジオールとを所定温度でエステル化反応させ、所定量の水が留出するまで反応を行い、低重合体を得る工程である。ここでの低重合体は、ジカルボン酸としてテレフタル酸、ジオールとしてエチレングリコールを原料とした場合では、ビスヒドロキシエチルテレフタレート(以降BHTと呼ぶ)が例に挙げられる。エステル化反応により低重合体を得る場合、エステル化反応性、耐熱性の観点から、エステル化反応開始前のジカルボン酸とジオールのモル比(ジオール/ジカルボン酸)は、1.05以上1.40以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは1.05以上1.30以下、さらに好ましくは1.05以上1.20以下である。上記範囲とすることで、良好な反応性を有し、またジオールの2量体などの副生成物の生成を抑制できることから、耐熱性を良好にすることができる。
重縮合反応は、エステル化反応で得られた低重合体からポリエステル組成物を得る工程であり、バッチ重合、半連続重合、連続重合が適用できる。エステル化反応終了後に、槽内温度を220℃以上260℃以下に保ちつつ、重合触媒およびリン化合物、無機粒子を添加した後、槽内温度を290℃まで徐々に昇温しながら、槽内圧力を常圧から250Pa以下まで徐々に減圧して余剰なジオール成分を留出させる。この昇温および減圧を開始する時点を重縮合反応開始、昇温および減圧完了後に所定の撹拌トルクに到達した時点を重縮合反応終了とする。
本発明のポリエステル組成物の製造方法では、ジカルボン酸とジオールとのエステル化反応後から重縮合反応を開始するまでの間にリン化合物を添加し、次いで無機粒子を添加する必要がある。この順序で添加することにより、リン化合物が系内に均一に分散した後に無機粒子を添加することができ、無機粒子添加時にリン化合物との相互作用による凝集を抑制することで粒子分散性を向上することができる。
本発明のポリエステル組成物の製造方法では、リン化合物と無機粒子の添加比率をリン元素と無機粒子元素の重量比P/Cが0.013以上である必要があり、さらにP/Cは0.015以上であることが好ましい。ここで、C:無機粒子に含まれるCa、Si、Ti、Al、Zn、Ce、Mg、Baから選ばれる元素の重量とする。無機粒子の凝集を抑制し良好な粒子分散性を得るためには、粒子表面の活性を持つ元素をリン化合物により被覆し、粒子同士の凝集を防ぐ必要がある。P/Cが0.013以上の添加比率とすることにより、無機粒子同士の相互作用を効果的に抑制し、無機粒子の凝集を抑制することで粒子分散性を向上できる。P/Cの上限値について特に規定はしないが、重合の遅延を起こすことがなくポリエステル組成物に良好な耐加水分解性を付与する観点から、0.020以下であることが好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法では、リン化合物の添加時および無機粒子の添加時に重合装置内が撹拌されている必要がある。この添加時の撹拌により重合槽内に加えられる最大の剪断応力が20Pa以上である必要がある。この剪断応力を添加時に加えることにより、速やかに添加物が槽内に拡散され、添加物の高濃度での滞留を防ぎ、無機粒子の凝集を抑制することで粒子分散性を向上することができる。このため、ポリエステル組成物のろ過性評価で良好な結果を得ることができる。ここでの最大の剪断応力[Pa]は、槽内の液体粘度[Pa・s]と撹拌機周速[m/s]と撹拌翼最外部と重合装置内壁とのクリアランス[m]から導かれる値であり、最大の剪断応力[Pa]=槽内の液体粘度[Pa・s]×撹拌機周速[m/s]/撹拌翼最外部と重合装置内壁とのクリアランス[m]で表される。さらに、撹拌機周速は、撹拌翼の翼径d[m]と撹拌回転数N[rpm]から導かれる値であり、撹拌機周速[m/s]=(π×d×N)/60で表される。リン化合物および無機粒子添加時に、重合槽内に加わる最大の剪断応力の上限について、特に制限はない。ただし槽内に過剰な剪断応力を加えると、槽内に加わるエネルギーが大きくなり、重合槽内に局所的な過加熱状態が発生し、無機粒子の凝集が発生する。重合槽内の均一な温度分布を得る観点から、リン化合物および無機粒子添加時に、重合槽内に加わる最大の剪断応力は、24Pa以下が好ましい。また、重縮合反応において使用する撹拌翼の種類は、公知のものを使用することができるが、粘性をもつ系内に効率よく剪断応力を与える観点から、ヘリカルリボンまたはアンカー翼を使用することが好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法では、無機粒子を重合槽内に添加開始する時の槽内温度が220℃以上250℃以下となることが必要である。槽内温度が250℃以下で無機粒子を添加開始することにより、添加時に無機粒子が高温に曝されることによる凝集の進行を抑制することができる。さらに無機粒子の凝集抑制効果を得るためには、240℃以下であることが好ましい。また槽内温度220℃以上で無機粒子を添加開始することで、重縮合反応時間の長期化を抑制し、COOH末端基量の増加を抑制できる。
本発明のポリエステル組成物の製造方法では、無機粒子添加終了後から重縮合反応開始までの槽内温度を210℃以上245℃以下に保つ必要がある。この槽内温度を保つことで、添加後の無機粒子の凝集を抑制しつつ、槽内に拡散させることができるため、無機粒子の分散性向上および無機粒子の凝集抑制効果がある。より効果的に無機粒子の凝集を抑制する観点から、無機粒子添加終了後から重縮合反応開始までの槽内温度が220℃以上240℃以下で保たれることが好ましい。
エステル化反応終了から重縮合反応開始までに添加する粒子は、熱安定性、耐加水分解性および粒子分散性の点から無機粒子を用いる。例えば、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、フッ化カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウムなどを用いることが可能である。また、粒子の混合物でもよく、複合酸化物のような単一化合物でもよい。粒子分散性および成形品とした際に優れたアンチブロッキング性の点から、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウムを用いることが好ましく、さらに好ましくは炭酸カルシウムを用いる。
本発明の粒子の粒径を限定しないが、ポリエステル中の粒子の体積平均径が3.0μm以下の場合、粒子の凝集が少なく、良好な粒子分散性を有するポリエステル組成物を提供することが可能である。体積平均径が2.0μm以下であることがより好ましく、1.5μm以下であることがさらに好ましい。粒子の添加量は特に規定しないが、添加量の下限として好ましくは0.2wt%以上である。添加量の上限として好ましくは5.0wt%以下であり、より好ましくは2.0wt%以下である。上記範囲とすることで、粒子分散性および成形品とした際に優れたアンチブロッキング性が良好となる。粒子を添加する際の形態は粉体、スラリーのいずれでもよく、粒子分散性の点から、スラリーとして添加することが好ましい。スラリーとして添加する場合、粒子分散溶媒はポリエステル組成物のジオール成分と同一にすることが好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法において、エステル化反応後から重縮合反応を開始するまでの間で添加するリン化合物として、リン酸、トリメチルリン酸、エチルジエチルホスホノアセテート、亜リン酸、リン酸アルカリ金属塩などが挙げられ、さらにリン酸アルカリ金属塩として、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウムなどを利用することができる。これらのリン化合物から複数を併用することが可能である。これらリン化合物の中でも、リン酸とリン酸アルカリ金属塩を併用することで、より良好な耐加水分解性、粒子分散性を与えることが可能となる。リン酸とリン酸アルカリ金属塩を併用する場合の添加比率は限定しないが、効果的に耐加水分解性と粒子分散性を付与する観点から、リン酸添加量がリン酸アルカリ金属塩添加量の2.0倍以上3.3倍以下のモル量となることが好ましい。
リン化合物の添加量は、P元素の添加量として0.81(mol/t)≦P≦2.63(mol/t)の範囲になることが好ましい。上記範囲とすることで、重合の遅延を起こすことがなく、ポリエステル組成物に良好な耐加水分解性および粒子分散性を付与することが可能となる。さらに良好な耐加水分解性および粒子分散性を付与するために、P元素の添加量下限を1.38(mol/t)、上限を2.25(mol/t)とすることがさらに好ましい。
本発明では、重縮合反応開始までの添加物の添加順序について、リン化合物添加に次いで無機粒子を添加する必要がある。さらに、重合触媒および重合助触媒の添加タイミングについては、リン化合物を効果的に無機粒子と作用させて無機粒子の凝集を抑制するために、重合触媒および重合助触媒を無機粒子添加から重縮合反応開始までの間に添加することが好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法において、エステル化反応に用いられる触媒は、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウムなどの化合物を用いても構わないが、重縮合反応段階での熱分解や異物の発生などの観点から、エステル化反応は無触媒で実施することが好ましい。ここで、エステル化反応は無触媒においてもカルボン酸の自己触媒作用によって、反応は十分に進行する。
重縮合反応に用いられる触媒は、公知の重合触媒を用いることが出来る。例えば、アンチモン、チタン、アルミニウム、スズ、ゲルマニウムなどの化合物などが挙げられる。 アンチモン化合物としては、アンチモンの酸化物、アンチモンのカルボン酸塩、アンチモンアルコキシドなどが挙げられる。チタン化合物としては、チタンキレート錯体、チタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られるチタン酸化物などが挙げられる。アルミニウム化合物としては、カルボン酸アルミニウム、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート化合物、塩基性アルミニウム化合物などが挙げられる。スズ化合物としては、アルキル基を持つスズ化合物、ヒドロキシル基を持つスズ化合物などが挙げられる。ゲルマニウム化合物としては、ゲルマニウムの酸化物、ゲルマニウムアルコキシドなどが挙げられる。また、これらの金属化合物は、水和物であってもよい。重合時間および経済性の観点から、アンチモン化合物を重合触媒として用いることが好ましい。
重合触媒を添加する際の形態は粉体、スラリー、溶液のいずれでもよく、分散性の点から溶液として添加することが好ましい。このときの溶媒は、ポリエステル組成物のジオール成分と同一であることが好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法において、重合触媒、リン化合物、無機粒子に加えて、重縮合反応開始までに、耐熱性や耐加水分解性の向上に寄与する重合反応助触媒として、マンガン、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カリウムなどの金属元素を含む化合物を添加することも可能である。
本発明のポリエステル組成物の製造方法により得られるポリエステル組成物について、高分子量のポリエステル組成物を得るため、固相重合を行ってもよい。固相重合は、装置・方法は特に限定されないが、ポリエステル組成物を不活性ガス雰囲気下または減圧下で加熱処理することで実施される。不活性ガスはポリエステル組成物に対して不活性なものであればよく、例えば窒素、ヘリウム、炭酸ガスなどを挙げることができるが、経済性から窒素が好ましく用いられる。また、減圧条件では、より高真空にすることが固相重合反応に要する時間を短くできるため有利であり、具体的には110Pa以下を保つことが好ましい。
また、本発明の製造方法により得られるポリエステル組成物は、公知の成形加工方法で成形することができ、フィルム、繊維、ボトル、射出成形品など各種製品に加工することができる。
本発明の製造方法により得られるポリエステル組成物を各製品に加工する際に、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤、例えば、顔料および染料を含む着色剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、核剤、可塑剤、離型剤などの添加剤を1種以上添加することもできる。
本発明のポリエステル組成物の製造方法により得られるポリエステル組成物は、耐加水分解性、熱安定性および粒子分散性に優れ、溶融成形や加工工程にて発生するゲル組成物や線状オリゴマー発生量が少ない。したがってフィルム、繊維、ボトル、射出成形品など各製品として利用することができ、特に光学フィルムや離型フィルムなどの高品位フィルムに用いることが可能である。
フィルムとしては、本発明の製造方法により得られるポリエステル組成物から構成される単膜フィルムでも、本発明の製造方法により得られるポリエステル組成物を少なくとも1層有する積層フィルムでもよい。特に積層フィルムの場合は、本発明のポリエステル組成物からなる層を少なくとも片表面に有する積層フィルムが好ましい。本発明のポリエステル組成物からなる層がフィルム表面に存在する場合、フィルム表面からの線状オリゴマー揮発などが抑制されるため、線状オリゴマー欠点の発生を効果的に抑制できる。
本発明のポリエステル組成物より製造された成形品は、熱安定性、色調に優れるため、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品、自動車用部品、電気・電子部品またはその他の用途として有用である。
以下実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下の方法で測定した。以下に記載する方法は、本発明のポリエステル組成物の製造方法により得られるポリエステル組成物単成分の場合の測定方法を記載しているが、積層フィルムなどのように複数のポリエステル組成物からなる成形品の場合、各層のポリエステル組成物を削り出すなどして単離し、分析を行う。
(1)ポリエステル組成物の固有粘度(単位:dl/g)
ポリエステル組成物の0.1gを0.001g以内の精度で秤量し、10mLのo―クロロフェノール(以降OCPと呼ぶ)を用いて100℃×30分間加熱して溶解した。溶液を室温まで冷却し、25℃の水槽中に設置したオストワルド粘度計に該溶液を8ml仕込み、標線を通過する秒数を計測した(A秒)。
また、OCPのみ8ml用いて前記と同様に25℃の水槽中に設置したオストワルド粘度計で標線を通過する秒数を計測した(B秒)。
固有粘度は次の計算式で計算した。
IV=-1+[1+4×K×{(A/B)-1}]^0.5/(2×K×C)
ここでKは0.343,Cは試料溶液の濃度(g/100ml)である。
(2)ポリエステル組成物中の粒子体積平均径の測定方法(単位:μm)
ポリエステル組成物をプラズマ処理し、日立ハイテクノロジーズ製電界放射型操作電子顕微鏡(型番:Regulus8100形)、日本ローパー製Image-Pro画像処理ソフトにて、粒子の体積平均径測定をおこなった。また、粒子径を解析する際は倍率5000倍で20視野以上の測定を行い、最低200個以上の粒子から円相当径を測定し、それを擬似的な立体球状とみなし、体積平均粒子径を算出した。
(3)無機粒子の粗粒数(単位:個/mm)[粒子凝集性評価]
ポリエステル組成物をプラズマ処理し、日立ハイテクノロジーズ製電界放射型操作電子顕微鏡(型番:Regulus8100形)、日本ローパー製Image-Pro画像処理ソフトにて、粒子の粒度分布測定をおこなった。粒度分布の解析に際し倍率500倍で20視野以上の測定を行い、最低10000個以上の粒子を確認する。個数平均粒径の3倍以上の粒子径を持つものは粗粒と判断する。確認した面積から検出された粗粒の数より単位面積(1mm)当たりの粗粒数算出し、凝集粒子数とする。粒子の粗粒数が少ないほど粒子の凝集が少なく、粒子分散性が良好である。本発明において、ポリエステル組成物の無機粒子の粗粒数が30(個/mm)以下であれば良好、30(個/mm)より大きく40(個/mm)以下を合格、40(個/mm)を超えると不合格とする。
(4)ポリエステル組成物のろ過性評価(単位:MPa/hr)
ポリエステル組成物を145℃で7.5時間真空乾燥した後、300℃で溶融し、目開き5μmで直径24.5mmの円状の金属フィルターへエクストルーダーを用いて10g/分の速度で供給し、供給開始から6時間後圧力と初期圧力との差をろ過圧力ΔP(MPa)として、単位時間当たり平均圧力増加量(MPa/hr)からろ過性を評価した。ポリエステル組成物内に存在する粒子の凝集物が多いほど、フィルターの目詰まりが起こりやすく、溶融したポリエステル組成物のフィルター透過圧力増加量が大きくなる。そのため、透過圧力増加量が小さいほど、良好なろ過性を有しており、ポリエステル組成物中の粒子凝集が少ないと判断する。本発明において、溶融したポリエステル組成物を10g/分の速度で供給し、供給開始から6時間後圧力と初期圧力との差をろ過圧力ΔP(MPa)として、単位時間当たり平均圧力増加量(MPa/hr)の値によりろ過性評価を行い、この値が1.0(MPa/hr)以下を合格とし、1.0(MPa/hr)を超えると不合格とした。
(5)ポリエステル組成物のCOOH末端基量(単位:eq/t)
Mauriceの方法によって測定した(文献M.J.Maurice,F.Huizinga,Anal.Chem.Acta、22、363(1960))。
すなわち、ポリエステル組成物0.5gを0.001g以内の精度で秤量する。該試料にo-クレゾール/クロロホルムを7/3の質量比で混合した溶媒50mlを加え、加熱して内温が90℃になってから20分間加熱攪拌して溶解する。また混合溶媒のみもブランク液として同様に別途加熱する。溶液を室温に冷却し、1/50Nの水酸化カリウムのメタノール溶液で電位差滴定装置を用いて滴定をおこなう。また、混合溶媒のみのブランク液についても同様に滴定を実施する。
ポリエステル組成物のCOOH末端基量は、以下の式により計算した。
COOH末端基量(eq/t)={(V1-V0)×N×f}×1000/S
ここでV1は試料溶液での滴定液量(mL)、V0はブランク液での滴定液量(mL)、Nは滴定液の規定度(N)、fは滴定液のファクター、Sはポリエステル組成物の質量(g)である。本発明のポリエステル組成物の製造方法により得られるポリエステル組成物は、COOH末端基量は30.0eq/t以下を良好、30.0eq/tより大きく35.0eq/t以下を合格とし、35.0eq/tより大きいと不合格とした。
(6)ポリエステル組成物の耐加水分解性評価(ΔCOOH)[耐加水分解性]
ポリエステル組成物を飽和水蒸気下、155℃で4時間湿熱処理し、処理前後のCOOH末端基量を測定することで、COOH末端基増加量(ΔCOOH=処理後COOH-処理前COOH)を算出し耐加水分解性を評価した。なお、処理装置はPRESSERCOOKER306SIII(HIRAYAMA製作所(株)製)を使用した。ΔCOOHの値が低ければ低いほど、耐加水分解性が良好である。本発明のポリエステル組成物の製造方法により得られるポリエステル組成物のΔCOOH値は90.0以下を良好、90.0より大きく100.0以下を合格とし、100.0より大きいと不合格とした。
(実施例1)
250℃にて溶解したBHT105重量部が仕込まれたエステル化反応器に、テレフタル酸86重量部とエチレングリコール37重量部(テレフタル酸に対して1.15倍モル)からなるスラリーを徐々に添加し、エステル化反応を進行させる。反応系内の温度は245~250℃になるようにコントロールし、反応率が95%に到達した段階でエステル化反応を終了とし、得られたエステル化反応物105重量部(PET100重量部相当)を留出装置の付いた重合装置に溶融状態で仕込んだ。温度を255℃として、重合槽内に加わる最大の剪断応力が22Paとなる条件(撹拌機周速5.6m/s、クリアランス0.005m、液粘度0.02Pa・s)で撹拌をしながら、リン化合物をP元素として2.14mol/tの混合エチレングリコール溶液を添加した。(リン化合物Aとしてリン酸をP元素として1.55mol/tと、リン化合物Bとしてリン酸二水素ナトリウム二水和物をP元素として0.59mol/tを添加した。P元素の添加比率はA/B=2.63とした。)を添加した。重合装置内温度が230℃に到達した段階で、体積平均径が1μmの炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを添加した(炭酸カルシウムとして1重量部)。炭酸カルシウムスラリーの添加後、重合装置内温度を225℃~240℃で保ちながら、酢酸マンガン四水和物のエチレングリコール溶液(Mn元素として0.61mol/t)、三酸化二アンチモンのエチレングリコールスラリー(Sb元素として2.06mol/t)を添加した。その後、重合装置内を290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を常圧から250Pa以下まで減圧し重縮合反応を開始した。290℃で所定の撹拌トルクを示すまで重縮合反応させた。重縮合反応終了後、重合装置内を窒素ガスで常圧に戻し、重合装置内の溶融ポリエステルをストランド状に水槽へ吐出して冷却後、カッティングしてペレット状のポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル組成物の固有粘度は0.615dl/gであった。また、得られたポリエステル組成物の特性を表2に示す。
実施例1で得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、耐加水分解性も良好であることから、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。
参考例2
表1に記載の通り、リン化合物をトリメチルリン酸の単成分のエチレングリコール溶液として、P元素として2.14mol/tを添加したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表2に記載の通り、得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数が少なく、良好な粒子分散性を有しており、また、ろ過性評価の結果も良好であった。COOH末端基量、耐加水分解性についても合格であり、光学フィルムや離型フィルムの適用に問題の無いレベルであった。
(実施例3~6)
表1に記載の通り、リン化合物のP元素としての合計添加量は実施例1と同様のまま、リン化合物Aとリン化合物Bの添加比率を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表2に記載の通り、実施例4、5で得たポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、耐加水分解性が良好であることから、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。実施例3、6で得たポリエステル組成物は実施例1で得たポリエステル組成物と比べて無機粒子の粗粒数がやや多く、耐加水分解性がやや劣るが、いずれも合格の値であり、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。
参考例7
表1に記載の通り、添加する無機粒子の種類を二酸化ケイ素として、体積平均径が1μmの二酸化ケイ素粒子をエチレングリコールスラリー(二酸化ケイ素1重量部)として添加した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表2に記載の通り、得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数、ろ過性試験、COOH末端基量、耐加水分解性について、光学フィルムや離型フィルムへの適用に問題の無い物性を有していることが確認された。
(比較例1)
表1に記載の通り、エステル化反応後から重縮合反応開始までの添加順序を酢酸マンガン4水和物のエチレングリコール溶液、三酸化二アンチモンのエチレングリコールスラリー、炭酸カルシウムのエチレングリコールスラリー、リン酸とリン酸二水素ナトリウム二水和物の混合エチレングリコール溶液の順に変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表2に記載の通り、添加順序が異なることで、得られたポリエステル組成物の無機粒子の粗粒数が不合格であり、粒子の凝集が確認された。また、耐加水分解性も不合格であり、光学フィルムや離型フィルムには適さない物性を有したポリエステル組成物であった。
(実施例8~11、参考例12、比較例2~4)
表1に記載の通り、リン酸とリン酸二水素ナトリウムの添加比率は実施例1と同様のまま、リン化合物のP元素としての添加量の合計を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表2に記載の通り、実施例8で得たポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、耐加水分解性が良好であることから、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。実施例9で得たポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、耐加水分解性は実施例1のポリエステル組成物と比べてやや劣るものの合格レベルであったため、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。実施例10、11で得たポリエステル組成物は実施例1のポリエステル組成物と比べて無機粒子の粗粒数がやや多く、耐加水分解性がやや劣るが、合格レベルであり、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。参考例12で得たポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、COOH末端基量および耐加水分解性は実施例1のポリエステル組成物と比べてやや劣るものの合格レベルであったため、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。一方、比較例2~4で得たポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が不合格であり、加えて、比較例3、4ではろ過性試験の結果も不合格であった。
参考例13
表3に記載の通り、参考例12の方法と比べて、炭酸カルシウムの添加量を半減して、リン化合物と無機粒子との添加比率である元素重量比P/Cを変化させたポリエステル組成物を得た。
表4に記載の通り、得られたポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、耐加水分解性が良好であることから、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。
(実施例14~17、比較例5、6)
表3に記載の通り、リン化合物および無機粒子添加時に、槽内に加わる最大の剪断応力を変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表4に記載の通り、実施例14~17で得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数が合格レベルであり、耐加水分解性も光学フィルムや離型フィルムへの適用に問題無い値であった。比較例5、6で得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数とろ過性試験結果が不合格であった。
(実施例18~21、比較例7、8)
表3に記載の通り、炭酸カルシウム粒子添加開始時の重合槽内温度を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表4に記載の通り、実施例19で得られたポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、耐加水分解性が良好であることから、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。実施例18、20、21で得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数、耐加水分解性についても、光学フィルムや離型フィルムへの適用に問題無い値であった。一方、比較例7で得られたポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数、COOH末端基量、耐加水分解性がいずれも不合格であることが確認された。比較例8で得られたポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が非常に多く不合格であり、光学フィルムや離型フィルムに適さないことを確認した。
(実施例22、23、比較例9、10)
表3に記載の通り、炭酸カルシウムの粒子添加後から重合反応開始までの槽内温度を変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表4に記載の通り、実施例22、23で得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数、耐加水分解性についても、光学フィルムや離型フィルムへの適用に問題無い値であった。一方、比較例9で得られたポリエステル組成物はCOOH末端基量、耐加水分解性が不合格であり、光学フィルムや離型フィルムには好適でないことを確認した。比較例10で得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数、ろ過性試験結果が不合格であり、光学フィルムや離型フィルムには適さないことを確認した。
(実施例24)
表3に記載の通り、エステル化反応後から重縮合反応開始までの添加順序を、酢酸マンガン4水和物のエチレングリコール溶液、三酸化二アンチモンのエチレングリコールスラリーリン酸とリン酸二水素ナトリウム二水和物の混合エチレングリコール溶液、炭酸カルシウムのエチレングリコールスラリーの順に変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表4に記載の通り、得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数が実施例1で得たポリエステル組成物よりやや多いが合格レベルであり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、COOH末端基量と耐加水分解性は良好であることが確認された。そのため、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していることが確認された。
Figure 0007354864000001
Figure 0007354864000002
Figure 0007354864000003
Figure 0007354864000004

Claims (2)

  1. モノマー成分としてジカルボン酸とジオールとを用いる、リン化合物および炭酸カルシウム粒子を含有するポリエステル組成物の製造方法であって、リン化合物がリン酸およびリン酸アルカリ金属塩の混合物であり、炭酸カルシウム粒子の体積平均径が1.0μm以上3.0μm以下であり、エステル化反応終了から重縮合反応開始までの間に以下の(I)~(VI)を満たすことを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
    (I)リン化合物を添加し、次いで炭酸カルシウム粒子を添加する。
    (II)(I)記載のリン化合物と炭酸カルシウム粒子との添加比率が、元素重量比P/Cとして0.013以上である。ここで、C:炭酸カルシウム粒子の元素重量である。
    (III)(I)記載のリン化合物の添加量が、P元素の重量基準でポリエステル組成物の重量に対して0.81(mol/t)≦P≦2.63(mol/t)である。
    (IV)(I)記載のリン化合物および炭酸カルシウム粒子添加時に、槽内に加わる最大の剪断応力が20Pa以上である。
    (V)(I)記載の炭酸カルシウム粒子添加開始時の槽内温度が220℃以上250℃以下である。
    (VI)炭酸カルシウム粒子添加終了後から重縮合反応開始までの槽内温度を210℃以上245℃以下に保つ。
  2. 重合触媒および重合助触媒を炭酸カルシウム粒子添加から重縮合反応開始までの間に添加する請求項1に記載のポリエステル組成物の製造方法。
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