JP2015066655A - 引き込み式チャック - Google Patents

引き込み式チャック Download PDF

Info

Publication number
JP2015066655A
JP2015066655A JP2013205155A JP2013205155A JP2015066655A JP 2015066655 A JP2015066655 A JP 2015066655A JP 2013205155 A JP2013205155 A JP 2013205155A JP 2013205155 A JP2013205155 A JP 2013205155A JP 2015066655 A JP2015066655 A JP 2015066655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plunger
chuck according
workpiece
retractable chuck
retractable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013205155A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6308744B2 (ja
Inventor
堅持 神薗
Kenji Kamizono
堅持 神薗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kitagawa Iron Works Co Ltd
Original Assignee
Kitagawa Iron Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kitagawa Iron Works Co Ltd filed Critical Kitagawa Iron Works Co Ltd
Priority to JP2013205155A priority Critical patent/JP6308744B2/ja
Publication of JP2015066655A publication Critical patent/JP2015066655A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6308744B2 publication Critical patent/JP6308744B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】ジョウピースの把握面積を減少させることなく、あるいは、ワークの加工領域を減少させることなく、非干渉領域を確保する飛越し引き込み式チャックを提供する。【解決手段】旋盤の主軸に固定されるチャック本体1内に、一端が旋盤のドローバーに固定されたドロースクリュー8を内挿したプランジャー4と、一端に爪6を有し、他端がプランジャー4と係合された複数の円柱状のシャフト5とを備え、このプランジャー4は、外周面において径方向外方に突出した環状の凸部tを有し、この凸部tと円柱状のシャフト5とが係合する第1プランジャー4aと、第1プランジャー4aに内挿され、ドロースクリュー8を内挿した第2プランジャー4bとが二重で構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、旋盤等の工作機械に取付けられ、ワークの旋盤側より遠い箇所(バイト側)を掴んで引き込む引き込み式チャックに関する。
従来より、特許4216406号公報に記載されているような引き込み式チャックが知られている。この引き込み式チャックは、チャックボディ内にチャックの中心軸に沿ってドローバーから遠ざかる向きに広がる円錐面の等角位の母線上にジョウピースを有する複数の円柱状のシャフトが配設されている。この各シャフトの周面にはチャック中心軸方向に各シャフト同士で始点と終点とを等しくしたガイド溝が設けられており、チャックボディ側に固定されたガイドピンが各ガイド溝に嵌まり込んでいる。
これにより円柱状のシャフトをドローバーで引いた際にシャフト自身の軸回りの回動を規制している。このガイド溝はシャフトの周面に沿ってシャフトの軸に対し斜めに交差する傾斜部と平行に走る平行部とがドローバー側からこの順で形成されている。ドローバーを引いた際、各ガイドピンが各ガイド溝の傾斜部を相対的に移動し終わる位置で各ジョウピースのワーク把握部がチャック中心軸を向き、続いて平行部を移動する途中で把握部がワークの周面に当接し、その位置からさらに平行部を終点側に移動することによりワークに圧力を掛けてセンタリングしながらチャッキングするようになっている。
特許4216406号公報
ところで、旋盤に取り付けられた引き込み式チャックにローダーやロボットなどの搬送装置によってワークを把握させるには、前述の搬送装置の掴み代と引き込み式チャックのジョウピースやシャフトなどとの干渉を避ける必要がある。
従来の引き込み式チャックは、シャフトに設けられたガイド溝に従って動作する。
そのため、クランプ動作時は、ドローバーを引くと、ジョウピースはチャック中心軸に向き、シャフトは軸方向下側へ移動することでワークを把握している。
つまり、ジョウピースはチャック中心軸に向く際も、シャフト軸回りに回動しながらシャフトも軸方向下側に移動しているのである。
逆にアンクランプ動作時は、ドローバーを押すと、シャフトは軸方向上側へ移動し、ジョウピースがチャック外方に開いていく。
つまり、ジョウピースはチャック外方に開く際も、シャフト軸回りに回動しながらシャフトも軸方向上側に移動しているのである。
そのため、搬送装置でワークを搬入または搬出する際は、ジョウピースまたはシャフトなどのチャックの把握部との干渉を考慮する必要がある。一般的にワーク自身はユーザーによる規定サイズのため、ワークの形状を変更することはできない。そのため、搬送装置のワーク把握部とチャックの把握部との干渉を避けるためには、ジョウピースのワーク把握面の把握面積を減少させるという方法もある。しかしながら、把握面積を減少させることは、ワークが不安定になり、把握精度が低下するため、ユーザーが要求する加工精度を確保することができなくなる。
ワーク把握部の軸方向上側に半径方向に広がりを持つ大径部を有するワークの場合、大径部に干渉しないように旋盤側を把握する必要がある。
そのため、ワークに対するジョウピースの把握面積を減少させることなく、あるいは、ワークの加工領域を減少させることなく、非干渉領域を確保するのは難しい。
本発明は、ジョウピースの把握面積を減少させることなく、あるいは、ワークの加工領域を減少させることなく、非干渉領域を確保する飛び越し引き込み式チャックを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、チャック本体内に、一端がドローバーに固定されたドロースクリューを内挿したプランジャーと、このプランジャーと係合された複数の円柱状のシャフトを備えた引き込み式チャックにおいて、このプランジャーを第1プランジャーと第2プランジャーとの二重構造とした構成を採用する。
すなわち、旋盤の主軸に固定されるチャック本体内に、一端が旋盤のドローバーに固定されたドロースクリューを内挿したプランジャーと、一端に爪を有し、他端がプランジャーと係合された複数の円柱状のシャフトとを備え、このプランジャーは、外周面において径方向外方に突出した環状の凸部を有し、この凸部と円柱状のシャフトとが係合する第1プランジャーと、第1プランジャーに内挿され、ドロースクリューを内挿した第2プランジャーとが二重で構成されている
本発明によれば、ジョウピースの把握面積を減少させることなく、あるいは、ワークの加工領域を減少させることなく、非干渉領域を確保する飛び越し引き込み式チャックを提供することができる。
また、二重構造のプランジャーの内、一方の第2プランジャーはドローバーと連結されることで軸方向にのみ進退移動可能であり、他方の第1プランジャーは、ドローバーの一定ストロークの範囲内のみ軸方向への進退移動が可能である。
また、第1プランジャーは、前述のドローバーの一定ストロークの範囲外では進退移動することなく、軸回りにのみ回動することができる。
(a)に従来の一般的な引き込み式チャックを示し、(b)に従来の飛越し引き込み式チャックを示した比較図である。 爪が閉じてワークを引き込んだ状態の引き込み式チャックの側断面図である。 爪が閉じてワークを掴んでいない状態の引き込み式チャックの側断面図である。 爪が開いてワークを掴んでいない状態の引き込み式チャックの側断面図である。 (a)に図2の状態の平面図を示し、(b)に図3の状態の平面図を示し、(c)に図4の状態の平面図を示したものである。 (a)に第2プランジャーのガイド溝とガイドピンの位置関係図を示し、(b)に(a)のA−A断面図でのガイド溝とガイドピンの位置関係図を示したものである。 共回り防止機構の一例を示した図2のA−A断面図である。
本発明を説明する前に、本発明に至った経緯を説明する。
旋盤等の工作機械に取付けられるチャックは、ワーク形状やワークの切削方法によって様々な種類が存在している。様々な種類の中で、加工精度を要求される場合は、ワークを把持して引き込む動作をする、引き込み式チャックが採用されている。
また、引き込み式チャックにもアルミホイールを把持するものや、矩形物を把持するものなど様々な種類が存在する。
一般的な引き込み式チャックは、ワーク下側を把持して引き込み、ワーク上側が切削される(以下、バイト側を上側、旋盤側を下側という)。
しかしながら、把持すべきワーク下側が加工面で把握痕をつけられない場合や、ワーク下側が歪な形状の場合や、上側が小径で下側が大径のワークで大径部の軸方向の厚みが薄い場合などは、ワーク下側のエリアを避けてワーク上側へ飛越して把握する必要がある(以下、エリアを避けてワーク前方へ飛越して把握することを飛越し把握という)。
図1は、(a)に従来の一般的な引き込み式チャックを示し、(b)に従来の飛越し引き込み式チャックを示した比較図である。図1に示すように、アンクランプ状態ではワークを脱着する際に必要な領域xを確保するには、図1の(a)ではシャフトのストロークが(b)よりy量分必要であった。しかし、シャフトを長くすれば、チャック本体の胴厚の厚みが増し、チャック本体の外径も大きくなる。その結果、チャック本体の重量も増大するため、旋盤を1サイズ大きいものに変更する必要があるなど旋盤への取付けに制限がでてきてしまう。
また、チャック本体からシャフトだけ飛び出す構造にすると、切粉が溜まりやすくなりメンテナンス性が悪くなる問題も出てくる。
飛越し把握をする場合は、前述のようにワークの小径部分を把握しなければならない。ワークを取り外す場合、把握している小径部分より少しだけジョウピースを離しても、ワーク下側の大径部分がジョウピースに干渉して取り外すことができない。よって、大径部分を取り外すためにはジョウピースを大径部分以上離す必要があり、従って、シャフトはどうしても飛び出してしまう。
このような問題から、従来技術では、飛越し把握の引き込み式チャックでワークを取り出す時は、シャフトのストローク量を限りなく少なくするために、ジョウピースが旋回可能な領域分だけシャフトがシャフトの軸方向上側に移動し、次にシャフトがシャフトの軸方向上側に移動しながら旋回することでジョウピースは外側に開きワークを取り出すことを可能としている。これによって、チャック本体の胴厚と外径とシャフト長とを可能な限り大きくしない構造としている。
しかしながら、ワークの形状やロボットやローダーなどを用いた自動搬送をする場合、ロボットやローダーなどのワーク把握領域の確保やロボットやローダーなどの把握部に干渉しないようにするなど、従来技術に増してシャフトの動きの制限が必要となってくる。図1に示すように、図1(a)、(b)ともワークを脱着する際に必要な領域xを確保しているものの、ロボットやローダーなどの把握する際の干渉領域までは確保できていない構造であった。
従来技術を考察すると、クランプ状態からアンクランプ状態に移行するには、シャフトがシャフト軸に対して上側に移動している(以下、アンクランプ状態1という)。そこからさらにシャフトはシャフト軸に対して上側に移動しながら爪を旋回させている(以下、アンクランプ状態2という)。つまり、アンクランプ状態2に移行する際もシャフトはシャフト軸に対して上側に移動しているのである。本発明は、アンクランプ状態2に移行する際、シャフトはシャフトの軸に対して上側に移動せずに爪のみ旋回させる構造にすれば、シャフトのアンクランプ状態1とアンクランプ状態2とのトータルのストローク量は少なくすることができ、ロボットやローダーなどの把握領域を確保することや、ロボットやローダーなどの把握部に干渉しないようすることが可能になると着目した。
以上の検討から、シャフトのストローク量を少なくすることで、ワークの形状に左右されることなくワークの脱着が可能となり、また、ロボットやローダーなどを用いた自動搬送が可能となる。
以下、本発明の引き込み式チャックの実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は例示である。図2は、爪が閉じてワークを引き込んだ状態(以下、クランプ状態という)の引き込み式チャック100の側断面図を示している。図3は、爪が閉じてワークを掴んでいない状態(以下、アンクランプ状態aという)の引き込み式チャック100の側断面図を示している。図4は、爪が開いてワークを掴んでいない状態(以下、アンクランプ状態bという)の引き込み式チャック100の側断面図を示している。図5は、(a)に図2の状態の平面図を示し、(b)に図3の状態の平面図を示し、(c)に図4の状態の平面図を示している。
把握するワークは、図1〜図5に一点鎖線で示すように、把握の対象となる小径部分w1の端部にその把握部より半径方向に広がりを持つ大径部分w2を有するもので、ワーク全体を符号wで示す。
本実施形態の引き込み式チャック100は、図2から図5に示すように、旋盤の端面(図示省略)にボルト9aで固定されたドーナツ形状の円板で形成されたバックプレート3にボルト(図示省略)で固定された円筒状のリアボデー2とチャック本体1とがこの順に旋盤の主軸と軸心をあわせてボルト9dで固定されている。
このチャック本体1内には、一端が旋盤のドローバー(図示省略)に固定されたドロースクリュー8を内挿したプランジャー4と、一端にボルト9bで固定された爪6を有し、他端がプランジャー4と係合された複数の円柱状のシャフト5とが備えられている。
この円柱状のシャフト5は、チャック本体1内にチャック本体1の軸と同心で旋盤側に頂点を向けた姿勢の直円錐の円周を三等分した位置の母線上に軸を置く形で3本嵌装されている。
尚、本実施例では複数の円柱状のシャフト5は3本で構成しているが、3本に限らず、2本または4本以上でも構わない。
プランジャー4は、外周面において径方向外方に突出した環状の凸部tを有し、この凸部tと円柱状のシャフト5とが係合する第1プランジャー4aと、この第1プランジャー4aに内挿され、ドロースクリュー8を内挿した第2プランジャー4bとが二重で構成されている。
この第2プランジャー4bは、断面T字形状の円筒で形成されており、内方には、その軸に同心に上側が大径で下側が小径の段付き貫通穴k2が設けられている。
ここで、便宜上、旋盤側を「下側」、旋盤と反対側を「上側」と定義し、例えば、ドローバーの上側の端面を上端面、第2プランジャー4bの下側の端面を下端面という。
この貫通穴k2の一方の下側小径部に、六角穴付きボルト形状のドロースクリュー8が挿入され、他方の上側大径部にはドロースクリュー8の頭が挿入されることで、頭の下端面が貫通穴k2の上側大径部の下端面とで係合されている。
ドロースクリュー8の下側に設けられたネジ部は、ドローバーに接続されることで、ドローバーの上端面と第2プランジャー4bの下端面とが係合される。
これによって、ドローバーが軸方向に対して上側にまたは下側に移動すると第2プランジャー4bとドロースクリュー8もドローバーと連動して上側にまたは下側に移動することが可能となる。図6は、(a)に第2プランジャーのガイド溝とガイドピンの位置関係図を示し、(b)に(a)のA−A断面図でのガイド溝とガイドピンの位置関係図を示したものである。
図6に示すように、第2プランジャー4bは、周面に沿って軸に斜めに交差する傾斜したガイド溝4cが設けられている。
また、第2プランジャー4bには、周面に沿って軸に平行に走る規制溝4eが設けられている。
第1プランジャー4aは、断面十字形状の円筒で形成されており、内方には、その軸に同心に上側が大径で下側が小径の段付き貫通穴k1が設けられており、この貫通穴k1に第2プランジャー4bが内挿されている。
また、第1プランジャー4aには、周面から軸に向かって垂直な貫通穴k3が設けられ、この貫通穴k3にはガイドピン4dが内挿されており、このガイドピン4dは、前述のガイド溝4c内まで突出している。
また、第1プランジャー4aには、周面にL字型形状の回り止め溝4gが設けられている。この回り止め溝4gには軸に直交して回り止めピン4fがリアボデー2を貫通して嵌入され、さらに、第2プランジャー4bの規制溝4e内まで突出している。
また、第1プランジャー4aの凸部tには、径方向外方に円周を三等分した位置に引掛溝10が設けられている。本実施例では、三等分した位置と限定しているが、三等分に限らず円柱状のシャフト5の本数に合わせて、二等分または四等分以上でも構わない。
円柱状のシャフト5は、前述の第1プランジャー4aの凸部tと係合する凹部hを有しており、この凹部hのいずれか一方の端面には円柱状の引掛部である固定ピン11が設けられており、この固定ピン11と前述の引掛溝10とが係合されている。
図7は、共回り防止機構の一例を示した図2のA−A断面図である。第1プランジャー4aの凸部tより軸方向下部には、共回り防止機構であるプランジャー規制プレート7がリアボデー2に3本のボルト9cで固定されている。
このプランジャー規制プレート7は、断面が略三角形の略三角柱で、その中心はおむすび型の貫通穴k4が形成されており、その貫通穴k4に第1プランジャー4aは嵌入されている。
本実施例では、略三角形と限定しているが、円形や矩形、または多角形など適宜変更しても構わない。また、貫通穴k4も同様におむすび型と限定しているが、これに限らず、真円以外の不均一に成形された形状であれば、多角形や星型形状等でも構わない。
以下に、チャック動作による本発明の作用を説明する。まず初めに加工完了後、ワークwを把握していた状態からワークwを搬出する工程を説明する。
本発明のチャックを用いてワークをクランプ状態(図2)からアンクランプ状態a(図3)に移行するには、チャック外方に設けられたシリンダ(図示省略)が駆動し、ドロースクリュー8に接続された図示しないドローバー(図示省略)が軸方向上側へ押圧される。この時、ドローバーの上端面と第2プランジャー4bの下端面とは接しているため、ドロースクリュー8と第2プランジャー4bは、ドローバーの押圧力に連動して軸方向上側へ移動する。その際、第2プランジャーは、常に回動を規制し軸方向にのみ動作する回動規制機構を備えられており、この回動規制機構は規制溝4eと回り止めピン4fで構成されている。第2プランジャー4bに設けられた軸方向に平行な規制溝4eに、リアボデー2の径方向外方から軸に対して垂直に回り止めピン4fが嵌入されているため、規制溝4eに沿って、第2プランジャー4bは回動せず、軸方向上側に押圧される。
さらに、第1プランジャー4aは、クランプ状態(図2)ではプランジャー規制プレート7に嵌入されている。このプランジャー規制プレート7の厚みz1に嵌入されている間は、常に回動を規制されている。また、第1プランジャー4aに設けられた貫通穴k3にはガイドピン4dが嵌入されており、このガイドピン4dは第2プランジャー4bに設けられたガイド溝4c内まで突出している。このガイド溝4cは周面に沿って軸に斜めに交差している。よって、第2プランジャー4bは、軸方向上側へ押圧されると、第1プランジャー4aはプランジャー規制プレート7で回動を制限されながら、ガイドピン4dが第2プランジャー4bのガイド溝4cに押し当てられているため、第1プランジャー4aも第2プランジャー4bと連動して回動せずに軸方向上側へ移動する。
この際、第1プランジャー4aの突出した環状の凸部tに設けられた引掛溝10の上端面と、シャフト5の凹部hのいずれか一方の端面に設けられた引掛部である固定ピン11近傍の上端面とが接することで、シャフト5はシャフト5の軸方向上側に移動する。
この状態でさらにドローバーが押圧されると、第1プランジャー4aはプランジャー規制プレート7に嵌入されている回動規制領域z2量分を押圧されると同時にチャック本体1内の端面に凸部tの上端面が接する。つまり、第1プランジャー4aは、ストローク規制領域z3量分だけしか軸方向に移動できないように規制されている。ここで回動規制領域z2は、ストローク規制領域z3と等しいかまたは、やや小さくなるように調整している。
また、回動規制領域z2とストローク規制領域z3は、ワークwの小径部分w1の径方向の大きさに左右され、径方向が小さい場合は、回動規制領域z2とストローク規制領域z3は大きくなり、反対に径方向が大きい場合は、回動規制領域z2とストローク規制領域z3は小さくなる。
前述の凸部tの上端面が接することで、クランプ状態(図2)からアンクランプ状態a(図3)に移行したこととなる。つまり、アンクランプ状態aとは、ワークwの小径部分w1のロボットやローダーなどの掴み代領域rに干渉せず、爪が旋回できる位置まで爪とワークwの小径部分w1との距離を離している(アンクランプ)状態のことである。
次に、アンクランプ状態a(図3)からアンクランプ状態b(図4)に移行する作用を図5、図6をまじえながら説明する。
図5(b)は、図3の状態の平面図を示しワークwをアンクランプしている状態(アンクランプ状態a)である。また図5(c)は、図4の状態の平面図を示し、ワークの大径部分w2に干渉しないように爪が旋回している状態(アンクランプ状態b)である。
図6は、(a)に第2プランジャーのガイド溝とガイドピンの位置関係図を示し、(b)に(a)のA−A断面図でのガイド溝とガイドピンの位置関係図を示したものである。
図6に示すように、第2プランジャー4bは、周面に沿って軸に斜めに交差する傾斜したガイド溝4cが設けられており、このガイド溝4cにガイドピン4dが嵌入されている。ここで、ガイドピン4dの実線はクランプ状態(図2)とアンクランプ状態a(図3)の際の位置関係を示している。また、ガイドピン4dの破線はアンクランプ状態b(図4)の際の位置関係を示している。
また、第2プランジャー4bに設けられたガイド溝4cの長さは、第1プランジャー4aの旋回範囲sを規制している。つまり、ガイド溝4cの長さは、第1プランジャー4aに係合されているシャフト5とシャフト5に固定されている爪6の旋回規制にもなっている。
第1プランジャー4aの凸部tの上端面が、チャック本体1内の端面に接している状態(第1プランジャー4aは軸方向上側へ移動できない状態)で、ドローバーが軸方向上側へ押圧されると、ドロースクリュー8と第2プランジャー4bは軸方向上側へ回動せず移動する。その際、第1プランジャー4aの凸部tの上端面はチャック本体1内の端面に接しているため、第2プランジャー4bと連動して軸方向上側へは移動できず、図6(a)で示すように第1プランジャー4aに固定されたガイドピン4dは傾斜したガイド溝4cに沿って実線部から破線部へ移動する。
この動きによって、第1プランジャー4aは軸方向に移動せず、その位置を保った状態で軸回りに左回転で回動する。また、第1プランジャー4aに設けられた引掛溝10とシャフト5に設けられた固定ピン11は係合されているため、左回転する第1プランジャー4aの回動に連動してシャフト5は右回転することで、図5(c)に示すようにシャフト5に固定された爪6も右回転し、ワークwの大径部分w2が取り外せる範囲まで爪が開くようになっている。この状態で、ワークwは脱着可能となる。
つまり、ロボットやローダーなどがチャックの爪近傍でワークwを掴んでいる状態であっても、爪6はシャフト5の軸方向上側に移動することなく、その場で開くことが可能である。
このような流れでロボットやローダーなどはワークwを搬出することが可能となる。
次に、ワーク搬出後、ロボットやローダーなどは自動運転で次のワークwをチャックに搬入する作業となる。搬入する際には、前述のワーク搬出の場合と反対の動作が行われる。
アンクランプ状態b(図4)からアンクランプ状態a(図3)に移行する作用を図5、図6をまじえながら説明する。
ロボットやローダーなどがワークwをセットする前は、図5(c)に示したような状態になっており、ワークwの大径部分w2がセット可能なように各爪6は開いている。この状態でワークwの小径部分w1の掴み代rをロボットやローダーなどの把握部で掴みチャックにセットして、ドローバーで引くと、ドローバーに連動された第2プランジャー4bが軸方向下側に移動しようとする。また、第1プランジャー4aも第2プランジャー4bと連動しているため、同様に軸方向下側に移動しようとする。しかし、第1プランジャー4aは、プランジャー規制プレート7に設けられたおむすび型の形で成形されている貫通穴k4と位相がズレているため、貫通穴k4には嵌入されずプランジャー規制プレート7の上端面と接している。
つまり、第1プランジャー4aは軸方向下側に移動せず、第2プランジャー4bに設けられたガイド溝4cに沿って、図6に示すようにガイドピン4dは破線部から実線部に移動し、第1プランジャー4aは軸回りに右回転で回動する。第1プランジャー4aの回動に連動して、シャフト5はシャフト5の軸回りに左回転し、各爪6はチャックの中心軸に向く。
また、この状態で、前述の第1プランジャー4aと貫通穴k4の位相が合うようになっている。
爪が中心軸に向く際、爪は軸方向へは移動せず、その場で向くため掴み代rを掴んでいるロボットやローダーなどと干渉することはなく、また、ロボットやローダーなどの掴み代にギリギリの距離まで近づけることも可能である。
次に、アンクランプ状態a(図3)からクランプ状態(図2)に移行する作用を説明する。
前述の位相が合った状態でドローバーを引くと、ドローバーに連動された第2プランジャー4bが軸方向下側に移動する。また、第1プランジャー4aも第2プランジャー4bと連動しているため、同様に軸方向下側に移動し、第1プランジャー4aは、プランジャー規制プレートの貫通穴k4に嵌入される。第1プランジャー4aは、貫通穴k4に嵌入されている間は貫通穴k4に軸回りの回動を規制されているため、軸方向下側へ移動する。爪が中心軸を向いている際、第1プランジャー4aの凸部tの下端面と凹部hの下端面とが接する両端面が互いに平行になされているため、ドローバーを引くと平行な両端面が面であたり、ワークwを引き込んで把握する。この際、平行な面で引き込むため、爪の把握面は必ずチャック中心軸を向くようになる。
これにより爪の把握面がチャック中心軸を向いてワークwの方に寄っていきワークwの周面に当接し、その位置からさらにドローバーが動作することでワークwに圧力を掛けてワークwをセンタリングして把握することが可能である。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。
1 チャック本体
2 リアボデー
3 バックプレート
4 プランジャー
4a 第1プランジャー
4b 第2プランジャー
4c ガイド溝
4d ガイドピン
4e 規制溝
4f 回り止めピン
4g 回り止め溝
5 シャフト
6 爪
7 プランジャー規制プレート
8 ドロースクリュー
9a、9b、9c、9d ボルト
10 引掛溝
11 固定ピン
w ワーク
w1 小径部分
w2 大径部分
t 凸部
h 凹部
r 掴み代領域
s 旋回範囲
z1 厚み
z2 回動規制領域
z3 ストローク規制領域
k1、k2、k3、k4 貫通穴
100 引き込み式チャック

Claims (13)

  1. 旋盤の主軸に固定されるチャック本体内に、一端が前記旋盤のドローバーに固定されたドロースクリューを内挿したプランジャーと、
    一端に爪を有し、他端が前記プランジャーと係合された複数の円柱状のシャフトと、
    を備え、
    前記プランジャーは、外周面において径方向外方に突出した環状の凸部を有し、前記凸部と前記円柱状のシャフトとが係合する第1プランジャーと、
    該第1プランジャーに内挿され、前記ドロースクリューを内挿した第2プランジャーとが二重で構成されている、引き込み式チャック。
  2. 前記第1プランジャーは、内径側に突出したガイドピンを設けている、請求項1に記載の引き込み式チャック。
  3. 前記第2プランジャーは、該第2プランジャーの周面に沿って軸に斜めに交差する傾斜したガイド溝を設けている、請求項1に記載の引き込み式チャック。
  4. 前記第1プランジャーに設けられたガイドピンが、前記第2プランジャーに設けられたガイド溝に沿って移動することで、第1プランジャーが軸方向に回動する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の引き込み式チャック。
  5. 前記第1プランジャーは、前記凸部に複数の引掛溝を設けている、請求項1に記載の引き込み式チャック。
  6. 前記円柱状のシャフトは、前記凸部と係合する凹部を有しており、該凹部のいずれか一方の端面に引掛部を設けている、請求項1に記載の引き込み式チャック。
  7. 前記引掛部が、前記凹部のいずれか一方の端面に固定された固定ピンである、請求項6に記載の引き込み式チャック。
  8. 前記円柱状のシャフトは、前記引掛溝と前記引掛部とが係合することで、前記第1プランジャーの回動と連動して軸回りに回動する、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の引き込み式チャック。
  9. 前記第1プランジャーは、ある一定ストロークまで軸方向に対して回動規制された共回り防止機構を備える、請求項1に記載の引き込み式チャック。
  10. 前記共回り防止機構が、前記第1プランジャーをある一定ストローク分規制するプランジャー規制プレートである、請求項9に記載の引き込み式チャック。
  11. 前記第2プランジャーは、常に回動を規制し軸方向にのみ動作する回動規制機構を備える、請求項1に記載の引き込み式チャック。
  12. 前記回動規制機構は、規制溝と回り止めピンとで構成されている、請求項11に記載の引き込み式チャック。
  13. 前記爪がワークを把握し、さらに引き込む際に、前記凸部の下端面と前記凹部の下端面とが接する両端面が互いに平行である、請求項6に記載の引き込み式チャック。
JP2013205155A 2013-09-30 2013-09-30 引き込み式チャック Active JP6308744B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013205155A JP6308744B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 引き込み式チャック

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013205155A JP6308744B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 引き込み式チャック

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015066655A true JP2015066655A (ja) 2015-04-13
JP6308744B2 JP6308744B2 (ja) 2018-04-11

Family

ID=52833938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013205155A Active JP6308744B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 引き込み式チャック

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6308744B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110052634A (zh) * 2019-04-25 2019-07-26 山东威达雷姆机械有限公司 一种快速夹紧钻夹头

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6164908U (ja) * 1984-10-03 1986-05-02
JPH0315002U (ja) * 1989-06-24 1991-02-15
JPH03120309U (ja) * 1990-03-23 1991-12-11
JP4216406B2 (ja) * 1999-06-08 2009-01-28 帝国チャック株式会社 引き込み式チャック

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6164908U (ja) * 1984-10-03 1986-05-02
JPH0315002U (ja) * 1989-06-24 1991-02-15
JPH03120309U (ja) * 1990-03-23 1991-12-11
JP4216406B2 (ja) * 1999-06-08 2009-01-28 帝国チャック株式会社 引き込み式チャック

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110052634A (zh) * 2019-04-25 2019-07-26 山东威达雷姆机械有限公司 一种快速夹紧钻夹头
CN110052634B (zh) * 2019-04-25 2024-04-23 山东威达雷姆机械有限公司 一种快速夹紧钻夹头

Also Published As

Publication number Publication date
JP6308744B2 (ja) 2018-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103659396B (zh) 加工装置
KR101361231B1 (ko) 공작 기계와 공구 홀더
US7836803B2 (en) Quick-adjust draw rod positioning nut
EP2616202B1 (en) Workholding apparatus for workpiece transfer
CN110052872B (zh) 一种分度铣床夹具及其使用方法
CN102892536A (zh) 用于将刀具固定至主轴的装置
US3219355A (en) Tool holder
CN102548692B (zh) 用于机床的工件保持设备
US11045882B2 (en) Chuck mechanism
JP6308744B2 (ja) 引き込み式チャック
JP7428974B2 (ja) ガラス板の製造方法および砥石装置用工具
JP2007069278A (ja) 工具の掴持用チャック及びテーパーシャンク
JP3694788B2 (ja) 研削盤のチャック装置
JP5376161B2 (ja) コレットチャック
CN202199790U (zh) 车床四爪夹三爪夹接系统
WO2018207570A1 (ja) チャック機構
CN105171489A (zh) 一种加工定位夹具及其加工方法
CN210388324U (zh) 一种可调节的盘类零部件夹持装置
CN102672225A (zh) 机械式定位卡盘
US20210379712A1 (en) Automatic fixture replacement mechanism for machine tool
CN216706766U (zh) 薄壁回转体零件夹持装置
JP2020099961A (ja) 治具
CN105149999A (zh) 一种加工定位机构及其加工方法
JP4438530B2 (ja) ローダ装置
JP2009012081A (ja) 既加工部位を有するワークをチャックするチャック機構及び既加工部位を有するワークのチャック方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6308744

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250