JP2015065943A - 色調安定性を有するケルセチン配糖体飲料 - Google Patents

色調安定性を有するケルセチン配糖体飲料 Download PDF

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Hiroyuki Kato
寛之 加藤
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Abstract

【課題】長期間の保存を行っても色調変化がし難いケルセチン配糖体配合容器詰め飲料を提供する。
【解決手段】ケルセチン配糖体を配合する飲料に300〜420nmの波長領域に吸収を有する抗酸化剤を配合し、かつ飲料の彩度が26〜45となるように調製する。上記抗酸化剤が茶抽出物である、ケルセチン配糖体配合容器詰め飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、ケルセチン配糖体を配合した容器詰め飲料に関する。
ケルセチンは野菜や果物に豊富に含まれるポリフェノール成分であり、そのままで、又は配糖体(ルチン、クエルシトリンなど)の形で、柑橘類、タマネギ、ソバ、エンジュ等の種々の植物に含まれている。
ケルセチンは、強力な抗酸化活性の他、血小板の凝集抑制および接着抑制作用、血管拡張作用、抗ガン作用等、多彩な生理機能をもつことが知られている(非特許文献1)。また、最近では、ケルセチン配糖体に脂肪分解酵素を活性化させる働きがあることが報告されている(非特許文献2)。
そこで、消費者の健康志向や高付加価値志向を満たす飲料として、ケルセチン配糖体を配合した飲料が種々提案されている。例えば、pH5.6〜6.4であり、アスコルビン酸を100〜400ppm含む、長期間保存してもケルセチン配糖体の安定性が良好である、ケルセチン配糖体配合容器詰め飲料(特許文献1)、糖アルコール及びトレハロースから選ばれる少なくとも1種 0.01〜3質量%を含有しpHが2〜5である、長時間保存しても色調変化のし難いイソクエルシトリン配糖体配合容器詰飲料(特許文献2)、アルコール類 0.0004質量%以上1質量%未満を含有しpHが2〜5である、長時間保存しても色調変化のし難いイソクエルシトリン配糖体配合容器詰飲料(特許文献3)、アミノ酸 0.0001〜2質量%を含有しpHが2〜5である、酸味や苦渋味の後引きを抑制したイソクエルシトリン配糖体配合容器詰飲料(特許文献4)がある。
特開2012−183063 特開2013−81453号公報 特開2013−81454号公報 特開2013−81455号公報
薬理と治療、p123-131, vol.37, No.2, 2009 薬理と治療、p495-503, vol.40, No.6, 2012
ケルセチン配糖体を高濃度に配合した飲料は、長期間の保存中に徐々に着色が進み、飲料の水色が変化する。自然の色合いとは異なる蛍光味を帯びた黄色に着色された水色は、ケルセチン配糖体の健康イメージを損なうことにもなる。
本発明の目的は、長期間の保存を行っても色調変化がし難いケルセチン配糖体配合容器詰め飲料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ケルセチン配糖体を配合する飲料に300〜420nmの波長領域に吸収を有する抗酸化剤を配合し、かつ飲料の彩度が30〜40となるように調製することで、長期間にわたって保存しても色調が変化し難く、外観が保持される飲料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、これに限定されるものではないが、本発明は以下を包含する。
[1] 100〜1000ppmのケルセチン配糖体と、300〜420nmの波長領域に吸収を有する抗酸化剤とを配合し、飲料の彩度が26〜45となるように調製された、容器詰め飲料。
[2] 抗酸化剤が茶抽出物である、[1]に記載の飲料。
本発明により、長期間保存しても色調変化のし難いケルセチン配糖体配合容器詰め飲料を提供することができる。
(ケルセチン配糖体)
本明細書でいう「ケルセチン配糖体」とは、特に記載した場合を除き、下式で表されるフラボノイドの一種であるケルセチン(クエルセチンとも呼ばれる)の配糖体を指す。
(式中、(X)は、糖鎖を表し、nは、1以上の整数である。)
ここで、ケルセチンにグリコシド結合するXで表される糖鎖を構成する糖は、例えば、グルコース、ラムノース、ガラクトース、グルクロン酸であり、好ましくはグルコース、ラムノースである。また、nは1以上であれば、特に制限されないが、好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜8である。nが2以上であるとき、X部分は1種類の糖鎖からなっていてもよく、複数の糖鎖からなっていてもよい。
なお、本明細書においては、ケルセチンにグルコースが一つ配されたものを、QG1、2つ配されたものをQG2、3つ配されたものをQG3(以下、グルコースが一つ増すごとに、QG4、QG5、QG6・・・)と表すことがある。
本発明でいうケルセチン配糖体は、具体的には、ルチン、酵素処理ルチン、クエルシトリン、イソクエルシトリンを含む。また、本発明のケルセチン配糖体は、既存のケルセチン配糖体を、酵素などで処理して糖転移させたものも含む。
ルチンは、下式で表される化合物であり、ルトサイド又はケルセチン−3−ルチノシドと称されることもある。
本発明のケルセチン配糖体に含まれる酵素処理ルチンとは、ルチン又はその類縁体を酵素処理したものを成分とするものをいう。酵素処理ルチンは、酵素処理イソクエルシトリン又は糖転移ルチンと称されることもある。
本発明においては、ケルセチン配糖体に包含される一の化合物を、単独で用いてもよいし、複数の化合物の混合を用いてもよい。本発明で使用するケルセチン配糖体は、その由来、製法については特に制限はない。例えば、ケルセチンを多く含む植物として、ケッパー、リンゴ、茶、タマネギ、ブドウ、ブロッコリー、モロヘイヤ、ラズベリー、コケモモ、クランベリー、オプンティア、葉菜類、柑橘類などが知られており、これらの植物からケルセチン配糖体を得ることができる。
本発明の特に好ましい態様においては、ケルセチン配糖体として、ルチンの酵素処理物(以下、酵素処理ルチン)を使用する。酵素処理ルチンの特に好ましい例は、ケルセチン配糖体を酵素処理してラムノース糖鎖部分を除去したイソクエルシトリン、イソクエルシトリンを糖転移酵素で処理してグルコース1〜7個からなる糖鎖が結合したもの、及びその混合物を主成分とするものである。
イソクエルシトリンは、例えば、WO2005/030975に記載されている方法、すなわち、ルチンを、特定の可食性成分の存在下でナリンギナーゼで処理する方法によって製造することができる。さらに、WO2005/030975に記載されているように、イソクエルシトリンを糖転移酵素で処理することにより、α−グリコシルイソクエルシトリンを得ることができる。
一般に、ルチンには抗酸化作用があることが知られていたが、水に難溶性であるため使用用途が限られていた。しかしながら酵素処理ルチンは糖転移により水溶性が向上しているため飲料に好適に使用できる。酵素処理ルチンは強力な抗酸化活性のほか、血小板の凝集抑制および接着抑制作用、血管拡張作用、抗癌作用など、多彩な生理機能を持つことが知られており、炎症の改善や血液循環促進などの効果を目的とした健康食品に利用されている。酵素処理ルチンは、例えば、エンジュ、ソバなどの抽出物を糖転移酵素で処理して得ることができる。
本発明の飲料においては、ケルセチンの配合量は、100〜1000ppm、好ましくは150〜750ppm、さらに好ましくは200〜500ppmとすることができる。なお、本明細書中、ppmは重量比(mg/kg)を示す。
本発明で飲料中のケルセチンの配合量をいうときは、特に記載した場合を除き、ケルセチン配糖体の配合量を合計したものをQG1として換算して得られる量を指す。ケルセチン配糖体量の測定は、当業者にはよく知られた定法により、行うことができる。ケルセチン配糖体量は、特に記載した場合を除き、QG1〜QG7を関与成分として、下記の方法により求めてもよい:すなわち、標準物質としてQuercetin 3−O−glucoside(QG1)を用い、HPLCを用いて、紫外部吸光度350 nmにおける面積と標準物質濃度により検量線を作成する。ケルセチン配糖体は、小腸でケルセチンに加水分解されることから、QG1からQG7は生理活性的に同等であると考えられ、またケルセチンの3位配糖体は糖鎖の長さに関らず、すべて350nmに極大吸収を持ち、その吸光度はアグリコン部分であるケルセチンに依拠する。したがって、分子量は異なるが、モル吸光度ではQG1〜QG7は等しくなると考えられ、QG1換算で関与成分を定量する。具体的には、分析試料を、標準物質と同一条件でHPLCに供し、得られたチャートにおいて、標準物質の溶出保持時間と一致するピークを特定する。そして、QG1のピークより前に検出されるケルセチン配糖体QG2〜QG7のピークを特定し(もしあれば)、各々のピーク面積の総計から、標準物質を用いて作成した検量線を用いて、分析試料中のケルセチン配糖体含量を算出する。
(抗酸化剤)
本発明の飲料は、上記のケルセチン配糖体と、300〜420nmの波長領域に吸収を有する抗酸化剤とを含有する。抗酸化剤は、300〜420nmの波長領域に吸収を有するものであれば特に制限ないが、例えばローズマリー等のハーブ系抽出物、カテキン等の茶抽出物、アントシアニン等のブルーベリー抽出物、プロアントシアニン等のブドウ種子物、リンゴ抽出物などが挙げられる。中でも、茶抽出物が好ましい。
茶抽出物の原料となる茶葉は、特に限定するものではなく、例えば、発酵茶、半発酵茶、不発酵茶などカメリア・シネンシス(Camellia Sinensis)に属する緑茶、ウーロン茶、紅茶、碾茶、ほうじ茶などの茶葉を1種又は複数種組み合わせて用いることができる。中でも、好ましくは不発酵茶である緑茶(碾茶、ほうじ茶も含む)を用いるのがよい。抽出物は、茶葉又は茶葉を粉砕したものを、水または温水もしくはグリセリンやエタノールなどのアルコールにより抽出した画分または酢酸エチル可溶性画分、アセトン画分より得たものなどが挙げられる。中でも水または温水抽出物が好ましく、特に温水抽出物が好ましい。
抗酸化剤として茶抽出物を用いる場合、本発明の飲料中におけるカテキン含量が、50〜1000ppm、好ましくは90〜950ppm、より好ましくは100〜900ppm、さらに好ましくは200〜850ppm、特に好ましくは300〜800ppmとなるように配合する。本明細書でいうカテキン含量とは、非重合カテキンあるいは単量体の茶カテキンの総量のことであり、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの8種類の合計量を指す。飲料中のカテキン含量は、高速液体クロマトグラム法(HPLC法)を用いることで、それぞれ個別ピークとして測定することができる。
なお、300〜420nmの波長領域に吸収を有しない抗酸化剤(例えばアスコルビン酸)を用いた場合には、飲料の色調を維持できない。
(飲料の水色)
本発明の飲料は、彩度Cが26〜45となるように調製する。28〜43が好ましく、30〜40がより好ましい。ここで、本発明でいう彩度とは、L***表色系におけるa、b、L値を用いて次式により求められる値を表す。
彩度C=(a2+b21/2
飲料の彩度を特定の範囲に調製することで、300〜420nmの波長領域に吸収を有する抗酸化剤と効果と相乗的に作用して、長期間にわたって保存しても色調が変化し難く、外観が保持されるケルセチン配糖体配合飲料となる。一般に、色調の変化はL***表色系で次式に基づくΔEで表される。
ΔE=((L−L’)2+(a−a’)2+(b−b’)21/2
式中、L,a,b及びL’,a’,b’は、それぞれL***表色系における保存前または保存後の値を示すものである。このようなL***表色系で示す値は、測色色差計ZE−2000(日本電子工業株式会社製)を用いた反射測定で得ることができる。その測定方法を以下に示す。まず、測色色差計の試料台に黒色のキャップをかぶせ、試料台を完全に遮光した状態でゼロ合わせを行う。次いで、試料台に標準白版をおいて標準合わせを行う。その後、専用の丸形セルに試料を7ml正確に秤り入れ、そのセルを黒色キャップで遮光して反射測定を行う。
ケルセチン配糖体配合飲料は、その着色の特性から、保存前の飲料の色調(E)と色差(ΔE)の比率[ΔE/E(%)]を算出することで評価できる。ΔE/E(%)は、初期から変化した割合を示し、数値が大きくなるほど目で見た違いがわかる。予備試験の結果から、ΔE/E(%)は、表1に示す色差の程度を示す指標値として表される。なお、保存前の飲料の色調(E)は純水に対する色差である。
300〜420nmの波長領域に吸収を有する抗酸化剤を配合し、かつ飲料の彩度Cが26〜45となるように調製した本発明のケルセチン配糖体配合飲料は、ΔE/E(%)が30未満となる、長期間にわたって保存しても色調が変化がし難い飲料である。
(容器詰め飲料)
本発明の飲料は、ケルセチン配糖体と300〜420nmの波長領域に吸収を有する抗酸化剤を配合した液を、その彩度Cが26〜45となるように必要に応じて色素成分を配合して調合液とし、加熱殺菌して得られる。加熱殺菌は、常温で長期保存可能な条件で行われる。具体的には、高温で短時間殺菌した後、無菌条件下で殺菌処理された保存容器に充填する方法(UHT殺菌法)と、調合液を缶等の保存容器に充填した後、レトルト処理を行うレトルト殺菌法が挙げられる。高温殺菌の条件は、乳入り飲料の調合液の特性や使用する保存容器に応じて適宜選択すればよいが、UHT殺菌法の場合、通常120〜150℃で1〜120秒間程度、好ましくは130〜145℃で30〜120秒間程度の条件であり、レトルト殺菌法の場合、通常110〜130℃で10〜30分程度、好ましくは120〜125℃で10〜20分間程度の条件である。
本発明の飲料が充填される容器としては、殺菌方法や保存方法に合わせて適宜選択すればよく、アルミ缶、スチール缶、PETボトル、ガラス瓶、紙容器など、通常用いられる容器のいずれも用いることができる。
以下、実施例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例においては、各種分析を下記の方法で行った。
1.ケルセチン配糖体の分析方法(機器および試薬、操作方法)
1-1.試薬
・アセトニトリル:高速液体クロマトグラフ用 純度99.8%(ナカライテスク株式会社製)
・水:高速液体クロマトグラフ用 不純物0.001%以下(ナカライテスク株式会社製)
・トリフルオロ酢酸:純度99%(ナカライテスク株式会社製)
・イソクエルシトリン(Quercetin 3-O- glucoside: 以下QG1とする): SSX1327S、純度93.8% (フナコシ株式会社製)
・エタノール:高速液体クロマトグラフ用 純度99.8%(ナカライテスク株式会社製)
・ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide: 以下DMSOとする):純度99.0%(ナカライテスク株式会社製)
1-2.分析機器
・高速液体クロマトグラフ(以下HPLCとする)
・ポンプ:LC-10ADvp
・検出器: SPD-M10Avp検出器
・解析ソフト:Class LCsolution (以上、株式会社島津製作所)
1-3.分析試料の調製
・当該飲料を20%エタノール/水で5倍希釈し、0.45 μmフィルター(マイレクスLH-4:ミリポア社製)でろ過したものを分析試料としてHPLCに供する。
1-4.検量線の作成
標準物質であるQuercetin 3-O- glucoside (フナコシ株式会社製:SSX 1327S、純度93.8%)を1.0 mg正確に秤量し、5 mlメスフラスコ中で0.5 mlのジメチルスルホキシド(DMSO:ナカライテスク株式会社製 純度99.0%)に溶解し、20%エタノール(ナカライテスク株式会社製 純度99.8% 高速液体クロマトグラフ用特製試薬)/水により5 mlにフィルアップする。この200 μg/mlの溶液を20%エタノール/水で順次希釈し、10、25、50、100 μg/mlの溶液を作成する。各濃度の溶液を10 μl、 HPLCに供する。このときに検出されるピークの溶出保持時間は約14.5分である。このときの紫外部吸光度350 nmにおける面積と濃度により検量線を作成する。
原点を通る近似直線を計算し、これを用いてQG1からQG7までの濃度を算出し、合算した値に標準物質の純度(93.8%)をかけることで、ケルセチン配糖体量を算出する。
1-5.試験操作
・定性試験:分析試料を標準品と同一条件下でHPLC分析を行い、QG1標準品の溶出保持時間と一致するピークをQG1とする。QG1はケルセチンにグルコースが1個結合したケルセチン配糖体である。
・定量試験: QG1のピークより前に検出される6つのピークは、QG1にさらにグルコース結合したケルセチンの配糖体である。HPLC分析では、QG1およびQ G1にさらにグルコースが1〜6個結合した化合物が検出可能であり、これら(QG1からQG7)を関与成分と設定した。また、ケルセチン配糖体は、小腸でケルセチンに加水分解されることから、QG1からQG7は生理活性的に同等であると考え、ケルセチン配糖体の主要な構成成分であり、標準品が入手可能なQG1を指標成分と設定し、QG1換算での量を算出する。ケルセチン配糖体の7つの溶出ピークについてのピーク面積を測定し、QG1標準品のピーク面積に基づいて作成した検量線から分析試料中のケルセチン配糖体含量を算出する。イソクエルシトリン(QG1)は、ケルセチンの3位に1分子のグルコースがβ結合した化合物である。QG2〜QG7はQG1にさらに 0 〜6個のグルコースがα-1,4結合した化合物群で、QG1およびQG2〜QG7の7成分を、関与成分とする。ケルセチンの3位配糖体は糖鎖の長さに関らず、すべて350nmに極大吸収を持ち、その吸光度はアグリコン部分であるケルセチンが寄与する。従って、分子量は異なるが、モル吸光度ではQG1からQG7は等しくなると考え、QG1換算で関与成分を定量することとした。
2.カテキンの分析方法(機器および試薬、操作方法)
2-1.試薬
・アセトニトリル:高速液体クロマトグラフ用 純度99.8%(ナカライテスク株式会社製)
・水:高速液体クロマトグラフ用 不純物0.001%以下(ナカライテスク株式会社製)
・トリフルオロ酢酸:純度99%(ナカライテスク株式会社製)
・カテキン(カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート):(栗田リサーチセンター製)
2-2.分析機器
・HPLC
・カラム:TSK-gel ODS-80TsQA(4.6mmφx150mm、東ソー株式会社)
・移動相: A:水:アセトニトリル:トリフルオロ酢酸=900:100:0.5
B:水:アセトニトリル:トリフルオロ酢酸=200:800:0.5
・流速: 1.0ml/min
・カラム温度: 40℃
・グラジエント条件; 分析開始から5分後まではB液0%、
5分から11分まででB液8%、
11分から21分まででB液10%、
21分から22分まででB液100%、
22分から30分まで100%保持、
30分から31分までで0%
・検出: A280nm (データ採取時間は30分)、ピーク面積で定量
・注入量: 10μL
2-3.分析試料の調製
・当該飲料を0.45 μmフィルター(マイレクスLH-4:ミリポア社製)でろ過したものを分析試料としてHPLCに供する。
3.飲料の水色の測定方法
3-1.分析機器
・測色色差計ZE−2000(日本電子工業株式会社製)を用いた反射測定
[実施例1]
(1)緑茶抽出物の製造
抽出原料として、焙じ茶葉を含む複数の緑茶葉を用いた。1種又は複数を混合した茶葉の乾燥重量に対して30重量部の温水(70〜80℃)を抽出溶媒として用い、約5分間抽出した後、茶葉を分離し、さらに遠心分離処理(6000rpm、5分)して不溶性固形分を除去して緑茶抽出物を得た(抽出物A〜C)。抽出物A〜Cは、いずれも300〜420nmの波長領域に吸収を有していた。
(2)ケルセチン配糖体配合飲料の製造
ケルセチン配糖体として、サンエミックP15(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)0.4重量%を用いた。サンエミックP15及び緑茶抽出物(抽出物A〜C)を配合して、表2に示すケルセチン配糖体と、抗酸化剤(抽出物A〜C)を配合した調合液を加熱殺菌し、500mLずつをPETボトルに充填してケルセチン配糖体配合の容器詰め飲料を製造した。
得られた各種飲料の色調(L値、a値、b値)を測定し、次式により彩度Cを算出した。
C=(a2+b21/2
また、純水を対照とした場合の色調(Lw値、aw値、bw値)を測定し、次式により純水との色差Eを算出した。
E=(Lw 2+aw 2+bw 21/2
表3に結果を示す。
(3)保存試験
上記(2)で製造した1〜9の飲料について、保存試験(55℃で5日間の加速度劣化試験)を実施した。保存後の飲料の色調(L’値、a’値、b’値)を測定し、保存前の飲料の色調との色差ΔEを次式により算出し、保存前から変化した割合ΔE/E(%)を求めた。
ΔE=((L−L’)2+(a−a’)2+(b−b’)21/2
結果を表4に示す。ΔE/Eの数値が大きくなるほど目で見た違いがわかり、ΔE/Eの値が30%以上となる飲料は長期保存に適さない飲料と判断した。ΔE/Eの値が30%未満となる飲料、すなわち300〜420nmの波長領域に吸収を有する抗酸化剤である茶抽出物を含有し、飲料の彩度Cが26〜45となるように調製されたケルセチン配糖体配合飲料は、色調の変化が少なく、長期間にわたって保存しても色調が変化がし難い飲料であった。

Claims (2)

  1. 100〜1000ppmのケルセチン配糖体と、300〜420nmの波長領域に吸収を有する抗酸化剤とを配合し、飲料の彩度が26〜45となるように調製された、容器詰め飲料。
  2. 抗酸化剤が茶抽出物である、請求項1に記載の飲料。
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