JP2015065743A - 配電系統の電圧制御装置、電圧制御システム、電圧制御プログラムおよび電圧制御方法 - Google Patents

配電系統の電圧制御装置、電圧制御システム、電圧制御プログラムおよび電圧制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015065743A
JP2015065743A JP2013197259A JP2013197259A JP2015065743A JP 2015065743 A JP2015065743 A JP 2015065743A JP 2013197259 A JP2013197259 A JP 2013197259A JP 2013197259 A JP2013197259 A JP 2013197259A JP 2015065743 A JP2015065743 A JP 2015065743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
node
deviation amount
command value
distribution system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013197259A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6213095B2 (ja
Inventor
健太郎 小藤
Kentaro Kofuji
健太郎 小藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2013197259A priority Critical patent/JP6213095B2/ja
Publication of JP2015065743A publication Critical patent/JP2015065743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6213095B2 publication Critical patent/JP6213095B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

【課題】 適正な電圧を維持しつつ、タップ切換回数を低減する。【解決手段】 タップを切り換えることにより電圧を上昇または低下させる電圧調整手段を備えた配電系統の電圧を制御する制御装置であって、配電系統の各ノードにおけるノード電圧の所定の電圧範囲からの逸脱量を算出する逸脱量算出部と、各ノードにおけるノード電圧と、各ノードにおける逸脱量とを記憶する記憶部と、逸脱量算出部によって算出された各ノードにおける現在の逸脱量と、記憶部に記憶されている各ノードにおける過去の逸脱量とに基づいて算出される指標値が、所定の閾値を超えているか否かを判定する判定部と、指標値が所定の閾値を超えている場合に、電圧調整手段の指令値を算出して出力する指令値出力部と、を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、配電系統の電圧制御装置、電圧制御システム、電圧制御プログラム、および電圧制御方法に関する。
配電系統から家庭や事務所などの需要家に供給される電力は、そこで使用される電気機器が安定して動作することができるよう、その電圧品質が維持確保される必要がある。そのため、配電用変電所では、負荷をかけたままタップを切り換え、停電させることなく二次側電圧(配電用変電所の送出電圧)を調整することができるLRT(Load Ratio control Transformer:負荷時タップ切換変圧器)が一般に用いられている。さらに、配電線路にSVR(Step Voltage Regulator:自動電圧調整器)やSVC(Static Var Compensator:静止型無効電力補償装置)などを設置して、LRTのタップ切換だけでは対応することができない電圧変動を抑制している。
例えば特許文献1では、電圧センサや電流センサを備えたセンサ開閉器からの情報などに基づいて、LRTやSVRのタップ位置を指示するためのタップ指令値を出力する指令値生成装置が開示されている。この指令値生成装置をLRT/SVRごとに設けることによって、各指令値生成装置が1台のLRT/SVRを制御する自律分散型のシステムを構築することができる。また、1台の指令値生成装置ですべてのLRT/SVRを制御する集中方式のシステムを構築することもできる。
特開2013−128345号公報
特許文献1の指令値生成装置を用いた自律分散型または集中方式の電圧制御システムにより、配電系統に連系された太陽光発電システムなどの分散型電源に出力変動が生じた場合であっても、系統電圧が適正範囲に収まるように制御することができる。しかしながら、太陽光発電システムなどの自然エネルギーを利用した分散型電源の配電系統への連系が増加するにつれて、系統電圧を適正範囲に維持することは困難となる。
図9は、系統電圧の維持にとって過酷な配電系統における、分散型電源の出力変動によるタップ切換回数増大時の電圧プロファイルを模式的に示している。電圧プロファイル(a)ないし(d)において、200および201はLRT/SVRの下位側の2つの配電線におけるノード電圧を示しており、横軸は亘長、縦軸は電圧を示している。ノード電圧200では、分散型電源の発電などによって末端側ほど電圧が上昇しており、ノード電圧201では、需要家の電力消費によって末端側ほど電圧が降下している。ここで、ノードとは配電線において電圧を管理する点であり、各需要家の接続点であっても良いし、各電力柱の一部であっても良い。また、亘長が長くなるほど、線路インピーダンスが増加するため、末端側のノードほど電圧が変動しやすい。
図9の電圧プロファイル(a)では、末端のノード電圧が上限値を逸脱している。このとき、例えば、指令値生成装置がLRT/SVRのタップを1段下げるタップ指令値を出力すると、電圧プロファイル(b)のように、逸脱を解消することができる。しかしながら、次の時間断面で分散型電源の出力変動により電圧が低下すると、電圧プロファイル(c)のように、末端のノード電圧が下限値を逸脱してしまう場合がある。このとき、例えば、指令値生成装置がLRT/SVRのタップを1段上げるタップ指令値を出力すると、電圧プロファイル(d)のように、再び逸脱を解消することができる。しかしながら、次の時間断面で分散型電源の出力変動により電圧が上昇すると、再び電圧プロファイル(a)のように、末端のノード電圧が上限値を逸脱してしまう場合がある。
したがって、分散型電源の出力変動が頻繁に生じると、それに応じたLRT/SVRのタップ切換が頻繁に行われて、ハンチングが生じる可能性がある。特に、自然エネルギーを利用した分散型電源の配電系統への連系が増加した場合、出力変動による系統電圧への影響が大きくなり、系統電圧が適正範囲を逸脱しやすくなるため、タップ切換回数の増加による機器寿命の短縮を招くこととなる。
前述した課題を解決する主たる本発明は、タップを切り換えることにより電圧を上昇または低下させる電圧調整手段を備えた配電系統の電圧を制御する制御装置であって、前記配電系統の各ノードにおけるノード電圧の所定の電圧範囲からの逸脱量を算出する逸脱量算出部と、前記各ノードにおける前記ノード電圧と、前記各ノードにおける前記逸脱量とを記憶する記憶部と、前記逸脱量算出部によって算出された前記各ノードにおける現在の逸脱量と、前記記憶部に記憶されている前記各ノードにおける過去の逸脱量とに基づいて算出される指標値が、所定の閾値を超えているか否かを判定する判定部と、前記指標値が前記所定の閾値を超えている場合に、前記電圧調整手段の指令値を算出して出力する指令値出力部と、を有することを特徴とする配電系統の電圧制御装置である。
また、前述した課題を解決するその他の主たる本発明は、タップを切り換えることにより電圧を上昇または低下させる複数の電圧調整手段を備えた配電系統の電圧を制御するシステムであって、前記複数の電圧調整手段のうち、それぞれ対応する電圧調整手段の指令値を出力する複数の電圧制御装置を備え、前記複数の電圧制御装置のそれぞれは、前記配電系統のうち、前記対応する電圧調整手段の制御範囲の各ノードにおけるノード電圧の所定の電圧範囲からの逸脱量を算出する逸脱量算出部と、前記各ノードにおける前記ノード電圧と、前記各ノードにおける前記逸脱量とを記憶する記憶部と、前記逸脱量算出部によって算出された前記各ノードにおける現在の逸脱量と、前記記憶部に記憶されている前記各ノードにおける過去の逸脱量とに基づいて算出される指標値が、所定の閾値を超えているか否かを判定する判定部と、前記指標値が前記所定の閾値を超えている場合に、前記対応する電圧調整手段の前記指令値を算出して出力する指令値出力部と、他の電圧制御装置との間でタップ切換フラグを送受信する通信部と、を有し、前記通信部は、前記指令値出力部によって算出された指令値が現在の指令値と異なる場合に、前記複数の電圧制御装置のうち、前記配電系統における制御範囲が前記対応する電圧調整手段より下位の電圧調整手段の指令値を出力する電圧制御装置に前記タップ切換フラグを送信し、前記指令値出力部は、前記通信部が他の電圧制御装置から送信されたタップ切換フラグを受信した場合には、前記判定部の判定結果によらず、前記対応する電圧調整手段の前記指令値を算出することを特徴とする配電系統の電圧制御システムである。
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
本発明によれば、適正な電圧を維持しつつ、タップ切換回数を低減することができる。
本発明の第1実施形態における配電系統の電圧制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態における電圧制御装置が適用される配電系統の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態における配電系統の電圧制御装置の各部の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムの動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態における配電系統の電圧制御システムの構成を示すブロック図である。 電圧制御装置10の構成を示すブロック図である。 電圧制御装置11の構成を示すブロック図である。 電圧制御装置12の構成を示すブロック図である。 電圧制御装置1kの各部の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムの動作を説明するフローチャートである。 分散型電源の出力変動によるタップ切換回数増大時の電圧プロファイルの一例を示す模式図である。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
<第1実施形態>
===配電系統の構成の一例===
以下、図2を参照して、第1の実施形態における電圧制御装置が適用される配電系統の構成について説明する。なお、図2においては、電力線を実線で示し、通信線を破線で示している。
図2に示されている配電系統では、配電系統監視制御装置2ですべての電圧調整手段を制御する集中方式の電圧制御システムが構築されている。また、電圧調整手段として、タップを切り換えることにより電圧を上昇/低下させるLRT30、およびSVR31ないし33を備えている。さらに、他の電圧調整手段として、無効電力出力や目標電圧を変更することにより電圧を調整するSVC40を備えている。
配電用変電所などに設置されたLRT30は、特別高圧(例えば66kV付近)の受電(一次側)電圧を高圧(例えば6.6kV付近)の送出(二次側)電圧に変換している。また、LRT30の二次側の高圧配電線路は2つのフィーダに分岐しており、一方のフィーダには、上位側から順にセンサ開閉器51,52,SVR31,センサ開閉器53,SVR32,センサ開閉器54が設置されている。さらに、他方のフィーダには、上位側から順にセンサ開閉器55,56,SVR33,センサ開閉器57,58,SVC40が設置されている。そして、配電系統監視制御装置2は、通信線9を介して、各センサ開閉器や他の各センサ(不図示)から配電系統の状態を示す系統情報を受信するとともに、最適な制御指令値を算出して各電圧調整手段に送信している。
例えば、センサ開閉器51ないし58から配電系統監視制御装置2には、電圧センサや電流センサなどにより計測した電圧、電流、位相角などが送信される。また、例えば、LRT30、およびSVR31ないし33は、配電系統監視制御装置2から送信されるタップ指令値に応じて一次側巻線のタップを切り換えることによって、二次側電圧を調整する。また、例えば、SVC40は、配電系統監視制御装置2から送信される目標電圧指令値Vrefに応じて目標電圧を変更することによって、電圧を調整する。
以下、センサ開閉器51ないし58のそれぞれをセンサ開閉器5i(i=1,…,8)と称し、LRT30、およびSVR31ないし33のそれぞれをLRT/SVR3k(k=0,1,2,3)と称する。さらに、センサ開閉器5iの計測値を電圧Vi,電流Ii,位相角θiとし、LRT/SVR3kのタップ指令値をTpkとする。
柱上変圧器61ないし68は、それぞれセンサ開閉器51ないし58の下位側で高圧配電線路に接続され、それぞれの接続ノードにおけるフィーダ(一次側)電圧を低圧(例えば100Vまたは200V付近)の供給(二次側)電圧に変換し、需要家に供給している。また、柱上変圧器61ないし68の二次側の低圧配電線路には、それぞれ負荷71ないし78および太陽光発電システム(分散型電源)81ないし88が連系されている。なお、各柱上変圧器は、供給電圧が許容電圧範囲(例えば95Vないし107V)内となるよう、予めタップが選定されている。
===電圧制御装置の構成===
以下、図1を参照して、本実施形態における配電系統の電圧制御装置の構成について説明する。なお、本実施形態の電圧制御装置は、タップを切り換えることにより電圧を調整する電圧調整手段であるLRT/SVR3kを制御対象とし、例えば図2に示した配電系統監視制御装置2の一部として構成される。
図1に示されている電圧制御装置1は、バス109を介して互いに接続された、潮流計算部101、逸脱量算出部102、判定部103、指令値出力部104、通信部105、入力部106、出力部107、および記憶部108を含んで構成されている。なお、電圧制御装置1の機能は、通信部105、入力部106、出力部107、記憶部108、およびバス109を備えるコンピュータ100によって実現することができる。
通信部105は、少なくともセンサ開閉器5iおよびLRT/SVR3kと通信可能になっている。通信部105は、所定の制御周期ごとにセンサ開閉器5iの計測値Vi,Ii,θiを受信し、潮流計算部101には、これらの計測値Vi,Ii,θiを含む系統情報SIが入力される。また、潮流計算部101からは、配電系統の各ノードn(1≦n≦N、Nは全ノード数)におけるノード電圧Vn(0)が出力され、当該ノード電圧Vn(0)は、逸脱量算出部102に入力される。さらに、逸脱量算出部102からは、各ノードnにおける逸脱量Dn(0)が出力される。各ノードnは、配電系統において電圧を制御したい任意の点とする。
記憶部108には、ノード電圧Vn(0)および逸脱量Dn(0)が入力され、これらを時系列データとして記憶する。ここで、ノード電圧Vn(0)は、現在の制御周期において算出された各ノードnにおけるノード電圧を示し、ノード電圧Vn(t)は、現在からtステップ前の過去の制御周期において算出された各ノードnにおけるノード電圧を示している。また、逸脱量Dn(0)は、現在の制御周期において算出された各ノードnにおける逸脱量を示し、逸脱量Dn(t)は、現在からtステップ前の過去の制御周期において算出された各ノードnにおける逸脱量を示している。
判定部103には、逸脱量Dn(t)が入力される。また、指令値出力部104には、判定部103の判定結果RSおよびノード電圧Vn(t)が入力される。そして、指令値出力部104から出力されたタップ指令値Tpkは、通信部105からLRT/SVR3kに送信される。
なお、判定部103は、LRT/SVR3kに対応するタップ切換フラグFLkを保持しており、当該タップ切換フラグFLkは、指令値出力部104により「1」に設定される。また、記憶部108は、有効ステップ数Tを保持しており、判定部103においては、現在からTステップ前までの逸脱量Dn(t)(0≦t≦T)が用いられ、指令値出力部104においては、現在からTステップ前までのノード電圧Vn(t)(0≦t≦T)が用いられる。
===電圧制御装置の動作===
以下、図3を参照して、本実施形態における配電系統の電圧制御装置の動作について説明する。
電圧制御装置1によるLRT/SVR3kの制御は、潮流計算部101による潮流計算処理、逸脱量算出部102による逸脱量算出処理、判定部103による判定処理、および指令値出力部104による指令値出力処理からなる。なお、前述したように、電圧制御装置1の機能は、コンピュータ100によって実現することができる。例えば、コンピュータ100に電圧制御プログラムを実行させることによって、潮流計算処理、逸脱量算出処理、判定処理、および指令値出力処理を実行することができる。図3は、これらの処理をコンピュータに実行させるためのプログラムにおける、各制御周期における動作を示している。なお、タップ切換フラグFLkは、各制御周期の開始時に0にクリアされる。
現在の制御周期が開始されると、まず、センサ開閉器5iの計測値Vi,Ii,θiを含む系統情報SIを取得する(S10)。そして、系統情報SIに基づいて潮流計算処理を行い、少なくとも配電系統の各ノードnにおけるノード電圧Vn(0)を算出し、時系列データとして記憶部108に記憶させる(S11)。なお、各ノード電圧を計測できる場合は、潮流計算で求めずに、その計測値を用いてもよい。
次に、各LRT/SVR3k(0≦k<K=4、KはLRT/SVRの全設置数)に対して、S12からS19の処理が行われる(ループ処理)。なお、LRT30,SVR31,32,33は、それぞれの配電系統における制御範囲が上位のものから順に並んでいる。したがって、当該ループ処理は、LRT/SVR3kのうち、配電系統における制御範囲が上位のものから順に行われる。
ループ処理において、タップ切換フラグFLk=0の場合(S12:YES)には、ノード電圧Vn(0)に基づいて、各ノードnにおける、ノード電圧Vn(0)の適正電圧範囲(所定の電圧範囲)からの逸脱量Dn(0)を算出し、時系列データとして記憶部108に記憶させる(S13)。ここで、ノード電圧Vn(0)が上限値Vmaxを逸脱している場合には、逸脱量Dn(0)=Vn(0)−Vmax(>0)となり、ノード電圧Vn(0)が下限値Vminを逸脱している場合には、逸脱量Dn(0)=Vmin−Vn(0)(<0)となる。一方、ノード電圧Vn(0)が適正電圧範囲にある場合には、逸脱量Dn(0)=0となる。
次に、現在からTステップ前までの逸脱量Dn(t)(0≦t≦T)の超過を判定する(S14)。当該超過の判定処理では、逸脱量Dn(t)(0≦t≦T)に基づいて算出される指標値INDを用いて、当該指標値INDが所定の閾値Tdを超えているか否かを判定する。
例えば、現在からtステップ前の制御周期における逸脱量Dn(t)の平均値をt=0からt=Tまで平均したものを指標値INDとすると、指標値INDは、
Figure 2015065743

となる。当該指標値INDは正または負の値となるため、|IND|>Td(>0)の場合、すなわち、IND<−Td(<0)またはIND>Td(>0)の場合に超過と判定する。
また、例えば、現在からtステップ前の制御周期における逸脱量Dn(t)の平均値をt=0からt=Tまで求めたもののうち絶対値が最大のものを指標値INDとしてもよい。なお、逸脱量Dn(t)の平均値として、各ノードnについて単純平均したものに代えて、ノードに応じて加重平均したものを用いてもよい。また、例えば、現在からtステップ前の制御周期における逸脱量Dn(t)のうち絶対値が最大のものをt=0からt=Tまで平均したものを指標値INDとしてもよい。また、例えば、現在からtステップ前の制御周期における逸脱量Dn(t)のうち絶対値が最大のものをt=0からt=Tまで求めたもののうち絶対値が最大のものを指標値INDとしてもよい。
判定処理S14において超過と判定しない場合(S14:NO)には、LRT/SVR3kのタップ指令値Tpkを算出する必要がないため、そのまま次の(下位の)LRT/SVRに対するループ処理に移行する。
一方、判定処理S14において超過と判定した場合(S14:YES)には、現在からTステップ前までのノード電圧Vn(t)(0≦t≦T)に基づいて、LRT/SVR3kのタップ指令値Tpkを算出する(S15)。具体的には、各ノードnにおいて、ノード電圧Vn(t)をt=0からt=Tまで平均したものをノード電圧として、最適なタップ指令値を算出する。ここで、最適なタップ指令値の算出には、例えば特許文献1に開示されている方法など、公知の方法を用いることができる。
指令値出力処理S15によって算出されたタップ指令値Tpkが現在のタップ指令値と同じ場合(S16:YES)には、LRT/SVR3kのタップ切換は行われないため、そのまま次の(下位の)LRT/SVRに対するループ処理に移行する。
一方、指令値出力処理S15によって算出されたタップ指令値Tpkが現在のタップ指令値と異なる場合(S16:NO)には、LRT/SVR3kのタップ切換が行われ、それより下位のLRT/SVRの制御範囲のノード電圧が変化してしまう。そのため、LRT/SVR3kより下位のLRT/SVR3m(k<m)に対応するすべてのタップ切換フラグFLm=1として(S17)、以降のループ処理において、S12:NOからS15に直接移行させる。これにより、LRT/SVR3kより下位のLRT/SVR3mに対しては、判定処理S14の判定結果によらず、常に指令値出力処理S15を行う。また、有効ステップ数Tを0にクリアする(S17)。
このように、判定処理S14では、現在の逸脱量Dn(0)だけでなく過去の逸脱量Dn(t)も用いて、指令値出力処理S15を行う必要性を判定している。また、指令値出力処理S15では、現在のノード電圧Vn(0)だけでなく過去のノード電圧Vn(t)も用いて、LRT/SVR3kのタップ指令値Tpkを算出している。これにより、短周期の電圧変動の影響を受けにくくなるため、短時間の電圧逸脱は許容されて、分散型電源の出力変動に応じたLRT/SVRの頻繁なタップ切換が抑制され、タップ切換回数を低減することができる。
S12からS19のループ処理を各LRT/SVR3kに対して行うことによって、必要に応じて、各LRT/SVR3kのタップ指令値Tpkが算出される。そして、最も下位のLRT/SVR3Kに対応するタップ切換フラグFLK=1の場合(S18:YES)、すなわち、何れかのLRT/SVRにおいてタップ切換が行われた場合には、そのまま現在の制御周期における処理を終了する。なお、この場合には、S17において有効ステップ数T=0となっている。一方、タップ切換フラグFLK=0の場合(S18:NO)、すなわち、いずれのLRT/SVRにおいてもタップ切換が行われなかった場合には、有効ステップ数Tをインクリメントして(S19)、現在の制御周期における処理を終了する。
したがって、有効ステップ数Tは、何れかのLRT/SVRにおいてタップ切換が最後に行われてから経過した制御周期のステップ数を示している。そのため、判定処理S14における指標値INDは、何れかのLRT/SVRにおいてタップ切換が最後に行われてから現在までの逸脱量Dn(t)(0≦t≦T)に基づいて算出される。また、指令値出力処理S15において、各LRT/SVR3kのタップ指令値Tpkは、何れかのLRT/SVRにおいてタップ切換が最後に行われてから現在までのノード電圧Vn(t)(0≦t≦T)に基づいて算出される。
前述したように、LRT/SVR3kのタップ指令値Tpkが現在のタップ指令値から変化してタップ切換が行われると、LRT/SVR3kより下位のLRT/SVR3mの制御範囲のノード電圧が変化する。そのため、現在のノード電圧を評価する指標値INDの算出は、タップ切換より前に算出されたノード電圧を除外して行う必要がある。そこで、本実施形態では、有効ステップ数Tを用いることにより、前回のタップ切換以降に算出されたノード電圧のみを用いて指標値INDを算出している。
また、前述したように、有効ステップ数Tは、いずれのLRT/SVRにおいてもタップ切換が行われなかった場合に各制御周期でインクリメントされる。しかしながら、タップ切換がしばらく行われず、有効ステップ数Tが大きくなると、ノード電圧が過去の値と平均されてしまい、現時点において適正範囲を逸脱していても、指標値INDがほとんど変化せず、タップ指令値が変化しなくなる場合がある。そこで、有効ステップ数Tの上限値Tmax(所定の上限値)を設け、0≦T≦Tmaxとすることによってタップが固定されてしまうことを防ぐことができる。
<第2実施形態>
===電圧制御システムの構成===
以下、図4ないし図7を参照して、第2の実施形態における配電系統の電圧制御システムの構成について説明する。なお、図4においては、電力線を実線で示し、通信線を破線で示している。
図4に示されている配電系統では、電圧制御装置10ないし12がそれぞれ1台の電圧調整手段を制御する自律分散型の電圧制御システムが構築されている。自律分散型の電圧制御システムは、図2に示した第1実施形態の集中方式の電圧制御システムと比べて、1台の制御システムにおける通信量や計算量が小さくて済む利点がある。
LRT30の二次側の高圧配電線路は分岐しておらず、上位側から順にセンサ開閉器51,52,SVR31,センサ開閉器53,SVR32,センサ開閉器54が設置されている。さらに、柱上変圧器61ないし64は、それぞれセンサ開閉器51ないし54の下位側で高圧配電線路に接続されている。そして、柱上変圧器61ないし64の二次側の低圧配電線路には、それぞれ負荷71ないし74および太陽光発電システム81ないし84が連系されている。
電圧制御装置10は、通信線90を介して、センサ開閉器51の計測値V1,I1,θ1およびセンサ開閉器52の計測値V2,I2,θ2を受信するとともに、対応するLRT30のタップ指令値Tp0を送信している。また、電圧制御装置11は、通信線91を介して、センサ開閉器53の計測値V3,I3,θ3を受信するとともに、対応するSVR31のタップ指令値Tp1を送信している。また、電圧制御装置12は、通信線92を介して、センサ開閉器54の計測値V4,I4,θ4を受信するとともに、対応するSVR32のタップ指令値Tp2を送信している。
さらに、各電圧制御装置は、通信線93を介して、対応するLRT/SVRの制御範囲が上位のものから下位のものにタップ切換フラグを送信している。すなわち、電圧制御装置10は、タップ切換フラグFL0を送信し、それより下位の電圧制御装置11および12は、当該タップ切換フラグFL0を受信している。また、電圧制御装置11は、タップ切換フラグFL1を送信し、それより下位の電圧制御装置12は、当該タップ切換フラグFL1を受信している。
図5に示されている電圧制御装置10は、第1実施形態の電圧制御装置1に対して、判定部103,指令値出力部104,通信部105の代わりに、それぞれ判定部203,指令値出力部204,通信部205にて構成されている。通信部205は、センサ開閉器5i(i=1,2)の計測値Vi,Ii,θiを受信する。そして、指令値出力部204は、対応するLRT30のタップ指令値Tp0のみを出力し、当該タップ指令値Tp0は、通信部205からLRT30に送信される。さらに、判定部203は、タップ切換フラグFL0を保持しており、当該タップ切換フラグFL0は、指令値出力部204により「1」に設定されるとともに、通信部205から電圧制御装置11および12に送信される。
図6に示されている電圧制御装置11は、第1実施形態の電圧制御装置1に対して、判定部103,指令値出力部104,通信部105の代わりに、それぞれ判定部213,指令値出力部214,通信部215にて構成されている。通信部215は、センサ開閉器5i(i=3)の計測値Vi,Ii,θiを受信する。また、通信部215は、電圧制御装置10のタップ切換フラグFL0を受信し、当該タップ切換フラグFL0は、判定部213に入力される。そして、指令値出力部214は、対応するSVR31のタップ指令値Tp1のみを出力し、当該タップ指令値Tp1は通信部215からSVR31に送信される。さらに、判定部213は、タップ切換フラグFL1を保持しており、当該タップ切換フラグFL1は、指令値出力部214により「1」に設定されるとともに、通信部215から電圧制御装置12に送信される。
図7に示されている電圧制御装置12は、第1実施形態の電圧制御装置1に対して、判定部103,指令値出力部104,通信部105の代わりに、それぞれ判定部223,指令値出力部224,通信部225にて構成されている。通信部225は、センサ開閉器5i(i=4)の計測値Vi,Ii,θiを受信する。また、通信部225は、電圧制御装置10のタップ切換フラグFL0および電圧制御装置11のタップ切換フラグFL1を受信し、当該タップ切換フラグFL0およびFL1は、判定部223に入力される。そして、指令値出力部224は、対応するSVR32のタップ指令値Tp2のみを出力し、当該タップ指令値Tp2は通信部225からSVR32に送信される。さらに、判定部223は、タップ切換フラグFL2を保持しており、当該タップ切換フラグFL2は、指令値出力部224により「1」に設定される。
以下、電圧制御装置10ないし12のそれぞれを電圧制御装置1k(k=0,1,2)と称し、電圧制御装置1kのタップ切換フラグをFLkとする。また、対応するLRT/SVRの制御範囲が電圧制御装置1kより上位の電圧制御装置を1jとし、下位の電圧制御装置を1mとする。ここで、j<k<mである。
===電圧制御装置の動作===
以下、図8を参照して、本実施形態における配電系統の電圧制御システムが備える各電圧制御装置1kの動作について説明する。
第1実施形態の電圧制御装置1と同様に、各電圧制御装置1kの機能は、コンピュータ100によって実現することができ、コンピュータ100に電圧制御プログラムを実行させることによって、潮流計算処理、逸脱量算出処理、判定処理、および指令値出力処理を実行することができる。図8は、これらの処理をコンピュータに実行させるためのプログラムにおける、各制御周期における動作を示している。なお、タップ切換フラグFLkは、各制御周期の開始時に0にクリアされる。
現在の制御周期が開始されると、まず、センサ開閉器5iの計測値Vi,Ii,θiを含む系統情報SIを取得する(S20)。なお、図4ないし図7に示したように、各電圧制御装置1kは、配電系統のうち、対応するLRT/SVR3kの制御範囲の状態を示す系統情報SIを取得している。そして、系統情報SIに基づいて潮流計算処理を行い、少なくとも当該制御範囲の各ノードnにおけるノード電圧Vn(0)を算出し、時系列データとして記憶部108に記憶させる(S21)。
次に、電圧制御装置1kより上位の電圧制御装置1j(k>j)のタップ切換フラグFLj=0の条件が成立しているか否かを判定する(S22)。当該判定条件は、電圧制御装置11(k=1)においては、FL0=0となり、電圧制御装置12(k=2)においては、FL1=FL0=0となる。なお、電圧制御装置10(k=0)においては、常に判定条件が成立することとする。そして、タップ切換フラグFLj=0の場合(S22:YES)には、ノード電圧Vn(0)に基づいて、各ノードnにおける逸脱量Dn(0)を算出し、時系列データとして記憶部108に記憶させる(S23)。
次に、現在からTステップ前までの逸脱量Dn(t)(0≦t≦T)の超過を判定する(S24)。当該判定処理S24では、第1実施形態の判定処理S14と同様に、逸脱量Dn(t)(0≦t≦T)に基づいて算出される指標値INDを用いて、当該指標値INDが所定の閾値Tdを超えているか否かを判定する。そして、判定処理S24において超過と判定しない場合(S24:NO)には、対応するLRT/SVR3kのタップ指令値Tpkを算出する必要がないため、そのままS28に進む。
一方、判定処理S24において超過と判定した場合(S24:YES)には、現在からTステップ前までのノード電圧Vn(t)(0≦t≦T)に基づいて、対応するLRT/SVR3kのタップ指令値Tpkを算出する(S25)。そして、指令値出力処理S25によって算出されたタップ指令値Tpkが現在のタップ指令値と同じ場合(S26:YES)には、対応するLRT/SVR3kのタップ切換は行われないため、そのままS28に進む。
一方、指令値出力処理S25によって算出されたタップ指令値Tpkが現在のタップ指令値と異なる場合(S26:NO)には、タップ切換フラグFLk=1とする(S27)。当該タップ切換フラグFLk(=1)は、通信部から下位の電圧制御装置1m(k<m)に送信される。すなわち、電圧制御装置10のタップ切換フラグFL0(k=0)は、電圧制御装置11および12に送信され、電圧制御装置11のタップ切換フラグFL0(k=1)は、電圧制御装置12に送信される。なお、電圧制御装置12のタップ切換フラグFL0(k=2)については、送信されない。これにより、電圧制御装置1kより下位の電圧制御装置1mにおける処理において、判定処理S24の判定結果によらず、常に指令値出力処理S25を行う。また、有効ステップ数Tを0にクリアする(S27)。
なお、第1実施形態では、図3のS17の処理において、LRT/SVR3kより下位のLRT/SVR3m(k<m)に対応するすべてのタップ切換フラグFLm=1としているが、本実施形態では、図8のS27の処理が同様の効果を奏する。すなわち、これらの処理により、上位のLRT/SVRにおいてタップ切換が行われると、それより下位のLRT/SVRについては、常にタップ指令値を算出することとなる。本実施形態では、電圧制御装置間でタップ切換フラグを送受信することによって、上位のタップ切換により生じるノード電圧の大きな変化を下位に伝達し、ノード電圧が適正範囲に収まるように速やかに制御することができる。
次に、タップ切換フラグFLk=1の場合(S28:YES)、すなわち、対応するLRT/SVR3kにおいてタップ切換が行われた場合には、そのまま現在の制御周期における処理を終了する。なお、この場合には、S27において有効ステップ数T=0となっている。一方、タップ切換フラグFLk=0の場合(S28:NO)、すなわち、対応するLRT/SVR3kにおいてタップ切換が行われなかった場合には、有効ステップ数Tをインクリメントして(S29)、現在の制御周期における処理を終了する。
したがって、判定処理S24における指標値INDは、対応するLRT/SVR3kにおいてタップ切換が最後に行われてから現在までの逸脱量Dn(t)(0≦t≦T)に基づいて算出される。また、指令値出力処理S25において、対応するLRT/SVR3kのタップ指令値Tpkは、LRT/SVR3kにおいてタップ切換が最後に行われてから現在までのノード電圧Vn(t)(0≦t≦T)に基づいて算出される。
このように、対応するLRT/SVRの制御範囲が上位の電圧制御装置から下位の電圧制御装置にタップ切換フラグを送信することによって、第1実施形態の電圧制御装置1と同様に系統電圧を制御する自律分散型の電圧制御システムを構築することができる。なお、当該自律分散型の電圧制御システムでは、各電圧制御装置1kは、対応するLRT/SVR3kの制御範囲の系統情報SIのみを取得し、当該制御範囲のノード電圧Vn(0)や逸脱量Dn(0)のみを算出するため、計算コストを抑えることができる。
前述したように、電圧制御装置1において、配電系統の各ノードnにおけるノード電圧Vn(0)および適正電圧範囲からの逸脱量Dn(0)を算出し、算出された現在の逸脱量Dn(0)と記憶部108に記憶されている過去の逸脱量Dn(t)とに基づいて算出される指標値INDが所定の閾値Tdを超えている場合に、算出された現在のノード電圧Vn(0)と記憶部108に記憶されている過去のノード電圧Vn(t)とに基づいて、LRT/SVR3k(k=0,1,2,3)のタップ指令値Tpkを算出して出力することによって、系統電圧を適正範囲に維持しつつ、分散型電源の出力変動に応じたLRT/SVRの頻繁なタップ切換を抑制し、タップ切換回数を低減することができる。
また、LRT/SVR3kのうち配電系統における制御範囲が上位のものから順にタップ指令値Tpkを算出し、算出されたタップ指令値Tpkが現在のタップ指令値と異なる場合には、それより下位のLRT/SVRに対して、判定部103の判定結果RSによらず、常にタップ指令値Tpkを算出することによって、1台の電圧制御装置1ですべてのLRT/SVRを制御する集中方式のシステムを構築することができる。
また、何れかのLRT/SVRにおいてタップ切換が最後に行われてから現在までの逸脱量Dn(t)に基づいて指標値INDを算出し、何れかのLRT/SVRにおいてタップ切換が最後に行われてから現在までのノード電圧Vn(t)に基づいて各LRT/SVR3kのタップ指令値Tpkを算出することによって、タップ指令値Tpkの算出に有効な、配電系統の電圧分布の変化後におけるノード電圧Vn(t)の時系列データのみを用いて、最適なタップ指令値Tpkを算出することができる。
また、コンピュータに、電圧制御装置1の潮流計算部101、逸脱量算出部102、判定部103、および指令値出力部104に相当する処理を実行させるためのプログラムにおいて、配電系統の各ノードnにおけるノード電圧Vn(0)および適正電圧範囲からの逸脱量Dn(0)を算出して、時系列データとして記憶部108に記憶させ、算出された現在の逸脱量Dn(0)と記憶されている過去の逸脱量Dn(t)とに基づいて算出される指標値INDが所定の閾値Tdを超えている場合に、算出された現在のノード電圧Vn(0)と記憶されている過去のノード電圧Vn(t)とに基づいて、LRT/SVR3kのタップ指令値Tpkを算出して出力することによって、系統電圧を適正範囲に維持しつつ、LRT/SVRのタップ切換回数を低減することができる。
また、配電系統の各ノードnにおけるノード電圧Vn(0)および適正電圧範囲からの逸脱量Dn(0)を算出し、現在算出された逸脱量Dn(0)と過去に算出された逸脱量Dn(t)とに基づいて算出される指標値INDが所定の閾値Tdを超えている場合に、現在算出されたノード電圧Vn(0)と過去に算出されたノード電圧Vn(t)とに基づいて、LRT/SVR3kのタップ指令値Tpkを算出して出力することによって、系統電圧を適正範囲に維持しつつ、LRT/SVRのタップ切換回数を低減することができる。
また、前述したように、電圧制御装置1k(k=0,1,2)がそれぞれ対応するLRT/SVR3kを制御する自律分散型の電圧制御システムにおいて、対応するLRT/SVRの制御範囲が上位の電圧制御装置から下位の電圧制御装置にタップ切換フラグを送信することによって、各電圧制御装置1kが1台のLRT/SVRを制御する自律分散型の電圧制御システムを構築することができ、系統電圧を適正範囲に維持しつつ、LRT/SVRのタップ切換回数を低減することができる。
なお、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
また、上記第2実施形態では、LRT30の二次側の高圧配電線路が分岐していないものとしたが、これに限定されるものではない。第2実施形態の自律分散型の電圧制御システムは、各電圧制御装置の上位から下位への階層構造が既知であれば、分岐を含む配電系統に対しても適用可能である。一方、第1実施形態の集中方式の電圧制御システムは、分岐を含まない配電系統に対しても適用可能である。
また、上記第2実施形態では、上位の電圧制御装置のタップ切換フラグが、下位の電圧制御装置のすべてに対して送信されているが、これに限定されるものではない。例えば、各電圧制御装置は、タップ切換フラグを次の階層(1つだけ下位の階層)のみに送信し、受信したタップ切換フラグをさらに次の階層にも転送する構成としてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、各負荷・太陽光発電システム(分散型電源)についてセンサ開閉器やその他センサが設置されているとしたが、これに限定されるものではない。センサ開閉器の個数がノード(各負荷・太陽光発電システム)に対して少ない場合には、センサ開閉器が設置されていないノードの電圧・電流・位相を推定し、その推定値を計測値の代替として用いても良い。
また、上記第1および第2実施形態では、タップ指令値Tpkを算出して送信するとしたが、このタップ指令値はタップの位置であっても良いし、現在のタップ位置に対する増減値であっても良い。さらに、算出した電圧制御装置のタップ指令値を、電圧制御装置の二次側における目標電圧値(例えば一次側の定格電圧が6.6kVである場合に、二次側電圧の目標値に変換して、その電圧目標値を電圧制御装置の指令値として送信する)としても良い。
また、上記第1および第2実施形態における指令値出力部は、特許文献1のような有限のタップ位置の中から最適なタップ位置を選択する方法で指令値を算出するものであっても良いし、あるいはタップ位置を決定変数として電圧逸脱量に関するコスト関数を最適化手法(逐次二次計画法、メタヒューリスティクス手法など)を用いて算出する手法であっても良い。
1、10〜12 電圧制御装置
2 配電系統監視制御装置
30 LRT(負荷時タップ切換変圧器)
31〜33 SVR(自動電圧調整器)
40 SVC(静止型無効電力補償装置)
51〜58 センサ開閉器
61〜68 柱上変圧器
71〜78 負荷
81〜88 太陽光発電システム(分散型電源)
9、90〜93 通信線
100 コンピュータ
101 潮流計算部
102 逸脱量算出部
103、203、213、223 判定部
104、204、214、224 指令値出力部
105、205、215、225 通信部
106 入力部
107 出力部
108 記憶部
109 バス
200、201 ノード電圧

Claims (7)

  1. タップを切り換えることにより電圧を上昇または低下させる電圧調整手段を備えた配電系統の電圧を制御する制御装置であって、
    前記配電系統の各ノードにおけるノード電圧の所定の電圧範囲からの逸脱量を算出する逸脱量算出部と、
    前記各ノードにおける前記ノード電圧と、前記各ノードにおける前記逸脱量とを記憶する記憶部と、
    前記逸脱量算出部によって算出された前記各ノードにおける現在の逸脱量と、前記記憶部に記憶されている前記各ノードにおける過去の逸脱量とに基づいて算出される指標値が、所定の閾値を超えているか否かを判定する判定部と、
    前記指標値が前記所定の閾値を超えている場合に、前記電圧調整手段の指令値を算出して出力する指令値出力部と、
    を有することを特徴とする配電系統の電圧制御装置。
  2. 請求項1に記載の配電系統の電圧制御装置であって、
    前記配電系統は、前記電圧調整手段を複数備え、
    前記指令値出力部は、
    複数の前記電圧調整手段のうち、前記配電系統における制御範囲が上位の電圧調整手段から順に前記指令値を算出し、
    当該算出した指令値が現在の指令値と異なる場合には、前記判定部の判定結果によらず、前記配電系統における制御範囲が当該指令値を算出した電圧調整手段より下位の電圧調整手段の指令値を算出することを特徴とする配電系統の電圧制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の配電系統の電圧制御装置であって、
    前記指標値は、前記電圧調整手段のタップを最後に切り換えてから現在までの前記各ノードにおける逸脱量に基づいて算出され、
    前記指令値出力部は、前記電圧調整手段のタップを最後に切り換えてから現在までの前記各ノードにおけるノード電圧に基づいて、前記指令値を算出することを特徴とする配電系統の電圧制御装置。
  4. 請求項3に記載の配電系統の電圧制御装置であって、
    前記逸脱量算出部は、所定の制御周期ごとに前記各ノードにおける前記逸脱量を算出し、
    前記判定部は、前記制御周期ごとに前記指標値が前記所定の閾値を超えているか否かを判定し、
    前記記憶部は、前記電圧調整手段のタップを切り換えると0にクリアされ、前記電圧調整手段のタップを最後に切り換えてから前記制御周期ごとに所定の上限値までインクリメントされる有効ステップ数を保持し、
    前記指標値は、前記各ノードにおける現在の逸脱量と、前記記憶部に記憶されている前記有効ステップ数分の前記各ノードにおける過去の逸脱量とに基づいて算出され、
    前記指令値出力部は、前記各ノードにおける現在のノード電圧と、前記記憶部に記憶されている前記有効ステップ数分の前記各ノードにおける過去のノード電圧とに基づいて、前記指令値を算出することを特徴とする配電系統の電圧制御装置。
  5. タップを切り換えることにより電圧を上昇または低下させる電圧調整手段を備えた配電系統の電圧を制御するための制御プログラムであって、
    記憶部を備えるコンピュータに、
    前記配電系統の各ノードにおけるノード電圧の所定の電圧範囲からの逸脱量を算出して、前記記憶部に記憶させる逸脱量算出処理と、
    前記逸脱量算出処理によって算出された前記各ノードにおける現在の逸脱量と、前記記憶部に記憶されている前記各ノードにおける過去の逸脱量とに基づいて算出される指標値が、所定の閾値を超えているか否かを判定する判定処理と、
    前記指標値が前記所定の閾値を超えている場合に、前記電圧調整手段の指令値を算出して出力する指令値出力処理と、
    を実行させることを特徴とする配電系統の電圧制御プログラム。
  6. タップを切り換えることにより電圧を上昇または低下させる電圧調整手段を備えた配電系統の電圧を制御する方法であって、
    前記配電系統の各ノードにおけるノード電圧の所定の電圧範囲からの逸脱量を算出し、
    現在算出された前記各ノードにおける逸脱量と、過去に算出された前記各ノードにおける逸脱量とに基づいて算出される指標値が、所定の閾値を超えているか否かを判定し、
    前記指標値が前記所定の閾値を超えている場合に、前記電圧調整手段の指令値を算出して出力することを特徴とする配電系統の電圧制御方法。
  7. タップを切り換えることにより電圧を上昇または低下させる複数の電圧調整手段を備えた配電系統の電圧を制御するシステムであって、
    前記複数の電圧調整手段のうち、それぞれ対応する電圧調整手段の指令値を出力する複数の電圧制御装置を備え、
    前記複数の電圧制御装置のそれぞれは、
    前記配電系統のうち、前記対応する電圧調整手段の制御範囲の各ノードにおけるノード電圧の所定の電圧範囲からの逸脱量を算出する逸脱量算出部と、
    前記各ノードにおける前記ノード電圧と、前記各ノードにおける前記逸脱量とを記憶する記憶部と、
    前記逸脱量算出部によって算出された前記各ノードにおける現在の逸脱量と、前記記憶部に記憶されている前記各ノードにおける過去の逸脱量とに基づいて算出される指標値が、所定の閾値を超えているか否かを判定する判定部と、
    前記指標値が前記所定の閾値を超えている場合に、前記対応する電圧調整手段の前記指令値を算出して出力する指令値出力部と、
    他の電圧制御装置との間でタップ切換フラグを送受信する通信部と、
    を有し、
    前記通信部は、
    前記指令値出力部によって算出された指令値が現在の指令値と異なる場合に、前記複数の電圧制御装置のうち、前記配電系統における制御範囲が前記対応する電圧調整手段より下位の電圧調整手段の指令値を出力する電圧制御装置に前記タップ切換フラグを送信し、
    前記指令値出力部は、
    前記通信部が他の電圧制御装置から送信されたタップ切換フラグを受信した場合には、前記判定部の判定結果によらず、前記対応する電圧調整手段の前記指令値を算出することを特徴とする配電系統の電圧制御システム。
JP2013197259A 2013-09-24 2013-09-24 配電系統の電圧制御装置、電圧制御システム、電圧制御プログラムおよび電圧制御方法 Active JP6213095B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013197259A JP6213095B2 (ja) 2013-09-24 2013-09-24 配電系統の電圧制御装置、電圧制御システム、電圧制御プログラムおよび電圧制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013197259A JP6213095B2 (ja) 2013-09-24 2013-09-24 配電系統の電圧制御装置、電圧制御システム、電圧制御プログラムおよび電圧制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015065743A true JP2015065743A (ja) 2015-04-09
JP6213095B2 JP6213095B2 (ja) 2017-10-18

Family

ID=52833183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013197259A Active JP6213095B2 (ja) 2013-09-24 2013-09-24 配電系統の電圧制御装置、電圧制御システム、電圧制御プログラムおよび電圧制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6213095B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017034752A (ja) * 2015-07-29 2017-02-09 東京電力ホールディングス株式会社 監視制御システム
JP2017184364A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 株式会社日立製作所 分散電源制御装置および分散電源制御方法
JP2018011391A (ja) * 2016-07-12 2018-01-18 富士電機株式会社 電圧監視制御装置
KR20200033562A (ko) * 2018-09-20 2020-03-30 전남대학교산학협력단 실시간 계측 기반 전압 및 무효전력 제어 방법 및 그 프로그램

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06269138A (ja) * 1993-03-12 1994-09-22 Hitachi Ltd 電圧調整装置の監視制御システム
JP2003259555A (ja) * 2002-03-04 2003-09-12 Toshiba Corp 電圧無効電力監視制御装置及び電圧無効電力監視制御プログラム
JP2004222476A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Hokuriku Electric Power Co Inc:The 自動電圧調整装置
JP2011229267A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Kyushu Electric Power Co Inc 配電系統の電圧制御装置およびプログラム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06269138A (ja) * 1993-03-12 1994-09-22 Hitachi Ltd 電圧調整装置の監視制御システム
JP2003259555A (ja) * 2002-03-04 2003-09-12 Toshiba Corp 電圧無効電力監視制御装置及び電圧無効電力監視制御プログラム
JP2004222476A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Hokuriku Electric Power Co Inc:The 自動電圧調整装置
JP2011229267A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Kyushu Electric Power Co Inc 配電系統の電圧制御装置およびプログラム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017034752A (ja) * 2015-07-29 2017-02-09 東京電力ホールディングス株式会社 監視制御システム
JP2017184364A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 株式会社日立製作所 分散電源制御装置および分散電源制御方法
JP2018011391A (ja) * 2016-07-12 2018-01-18 富士電機株式会社 電圧監視制御装置
KR20200033562A (ko) * 2018-09-20 2020-03-30 전남대학교산학협력단 실시간 계측 기반 전압 및 무효전력 제어 방법 및 그 프로그램
KR102133897B1 (ko) * 2018-09-20 2020-07-14 전남대학교산학협력단 실시간 계측 기반 전압 및 무효전력 제어 방법 및 그 프로그램

Also Published As

Publication number Publication date
JP6213095B2 (ja) 2017-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5837674B2 (ja) 配電系統電圧制御システム、配電系統電圧制御方法、集中電圧制御装置、及びローカル電圧制御装置
JP6070076B2 (ja) 配電系統の電圧制御装置、電圧制御システム、電圧制御プログラムおよび電圧制御方法
DK178459B1 (en) System og fremgangsmåde til spændingsstyring af vindgeneratorer
US10348128B2 (en) Voltage control device and voltage measurement device
JP6213095B2 (ja) 配電系統の電圧制御装置、電圧制御システム、電圧制御プログラムおよび電圧制御方法
CA2874168C (en) System and method for regulation of voltage on an electric power system
CN108964027B (zh) 基于电能路由器组网的功率路由方法及装置
US10090679B2 (en) Voltage controller and voltage monitoring device
JP5766364B1 (ja) 電圧監視制御装置および電圧制御装置
US20150005979A1 (en) Power-distribution-system voltage control system
US11817708B2 (en) Power conversion system and management apparatus for the same, and distributed power supply apparatus
WO2016098256A1 (ja) 集中電圧制御装置および計測装置
JP6075348B2 (ja) 電圧調整装置
WO2019150586A1 (ja) 集中電圧制御装置および集中電圧制御システム
RU2726181C2 (ru) Устройство по управлению электроприводом адаптивным регулятором напряжения под нагрузкой
JP6219102B2 (ja) 電力制御装置
WO2018150461A1 (ja) 集中電圧制御装置および集中電圧制御システム
JP7269971B2 (ja) 整定値計算装置および方法
JP7160747B2 (ja) 発電機の制御状態決定装置及び方法
JP6063180B2 (ja) 配電線の電圧調整器および電圧調整方法
JP5874375B2 (ja) 信号生成装置、プログラム、信号生成方法
JP2012095464A (ja) 配電用変電所の送出電圧選定方法
AU2022361111A1 (en) Air conditioner and control system

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170802

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6213095

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250